説明

三相蒸気分配器

質量および/または熱移動塔が、この塔の内周部の周りに蒸気流を分配する混相蒸気分配器を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2006年5月1日に出願された、特許仮出願第60/796,765号による優先権を主張する。
【0002】
概して、本発明は、炭化水素処理施設などにおいて、分留塔のトレイまたはパッキング内に均一なガス流を生成するように設計されるガス分配器のフルートに関する。
【0003】
より詳細には、本発明は、蒸留塔または分留塔内で接触デバイスに気体、液体および固体を均一に分配するために、1つまたは複数の供給ノズルからの液体および/または固体をも含む超高進入速度供給ガスを、静的流れ領域に調整するデバイスに関する。本発明は、液体流からガス流を分離させることを可能にするとともに、混相蒸気流からの(高)固体の分離に効果的および付随的に対応する。
【背景技術】
【0004】
蒸気、液体および固体の相互作用が、多くのタイプの質量移動および熱交換プロセスにおいて生じる。典型的には、蒸気流が、トレイまたは不規則なもしくは構造化されたパッキングを含む領域の下方の分離塔内に案内され、他方で液体流が、トレイまたはパッキングの上方のこの塔内に案内される。次いで、蒸気流および液体流は、向流関係においてこの領域を貫流し、トレイまたはパッキングは、上方に流れる蒸気流との質量熱移動相互作用を強化するように、下方に流れる液体流をより広い表面区域にわたって分配する役割を果たす。
【0005】
蒸気流と液体流との間で行われる質量移動または熱交換の効率を高めるためには、蒸気が、この塔の水平方向断面の間で、特に蒸気がパッキングに進入する下方蒸気−液体界面で均一に分配されることが重要である。蒸気がパッキングの下方の塔に案内される際に、蒸気の速度によって、蒸気がパッキング内に進入する前に蒸気の望ましい水平方向への分配が妨げられるおそれがある。蒸気の分配を改善するために、ディフレクタを蒸気の流路中のいくつかの塔内に配置して、複数の方向に蒸気を偏向している。
【0006】
先行技術のプロセスの別の問題は、分留塔へのガス状供給物(または複数の供給物)から、同伴液体および同伴固体または、液体および固体のスラグを分離する必要がしばしばあることである。この先行技術では、典型的には、この分離は、分留塔の上流に位置するノックアウトドラムを使用することにより達成されている。この処置の目的は、吸収または蒸留プロセスから不要な液体混入物および固体混入物を防ぐことである。しかし、ノックアウトドラムを使用することにより、他の設備の追加によるプロセスの複雑性およびコストが増大する。ノックアウトドラムを省くことが可能となり、液体および固体を分離塔の内部から除去することが可能となれば、これは、最先端技術における進歩を意味し、当技術における長年の要求を解消する。
【0007】
蒸気ホーンとして知られる従来の蒸気分配器の一例が、米国特許第5,106,544号に開示される(参照により本明細書に組み込まれる)。その特許において開示される蒸気ホーンは、底部が開口している環状ハウジングを備える。この蒸気ホーンは、開口底部を貫通しハウジング内に漸次より長い距離で上方に延在する複数のベーンを含み、円周方向に流れる蒸気流を下方に偏向させる。次いで、下方に偏向された蒸気は、蒸気ホーンから内方に径方向に配置されるパッキングベッド内に、均一な態様で上昇すると考えられる。
【0008】
円周状の蒸気ホーンが多数の用途において十分に機能することが可能である一方で、ある作動条件下においては蒸気流の分配不良がもたらされる場合があることが判明している。この分配不良は、蒸気ホーンから排出された後に旋回流路またはサイクロン流路を貫通して移動する蒸気流により引き起こされると考えられている。このサイクロン型の蒸気流により、低速区域が塔の中央に生じ、高速区域が蒸気ホーンの内壁付近に生じる。これらの速度差が、上に重なるパッキングの中央部分に進入する蒸気の量を減少させ、このパッキングの径方向に外側の部分における蒸気の量を増加させる。蒸気がこのパッキングにいったん進入すると、この蒸気の分配不良を径方向に修正することは不可能であり、この蒸気の分配不良は、トレイまたはパッキング内に生じる質量移動の効率を低下させる。
【0009】
米国特許第5,605,654号(参照により本明細書に組み込まれる)が、塔の内周部の周りに蒸気流を循環させることにより気体媒体および液体媒体を分離させることが可能である蒸気分配器のための方法および装置を記載する。この蒸気流は、少なくとも部分的に開口する底部および、任意には分配器の内側環状壁中の複数の離間された出口ポートを通って、分配器から排出される。ディフレクタが、この壁の内面に沿った円周方向流路から離れるように蒸気流を偏向するように、内側環状壁に沿って上方に延在する。また、ディフレクタは、分配器の開口底部を通り流路から出る蒸気を径方向に内方に偏向するように、この流通チャネルの下方に外方に延在してよい。米国特許第5,632,933号(参照により本明細書に組み込まれる)が、塔の内周部の周りに蒸気流を配向する偏向面を有する蒸気分配器を記載する。このデバイスの蒸気ホーンが、気体媒体および液体媒体の方向および速度を変更するように、蒸気流路全体にわたり間隔をおかれるディフレクタを使用する。
【0010】
当技術において、固体、液体および気体の混合相を分離することが可能であり、塔内のトレイまたはパッキングに蒸気を均一に分配することが可能な蒸気分配デバイスに対する需要が存在する。先行技術は、分留および/または他の化学処理のために供給ノズルから塔内に三相全てが同時に案内される際にそれらを分離することが可能であるデバイスを教示しない。
【0011】
従来の蒸気分配器は、多数の用途において十分に機能することが可能であるが、質量移動または熱交換塔の水平方向断面の間で蒸気をより均一に分配することが可能である改善された蒸気分配器に対する需要が生じている。
【特許文献1】特許仮出願第60/796,765号
【特許文献2】米国特許第5,106,544号
【特許文献3】米国特許第5,605,654号
【特許文献4】米国特許第5,632,933号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、いくつかの革新的な特徴の利用を介して、先行技術の欠点を解消する。1つは、蒸気分配器の床部中の円錐形出口ポートと組み合わせた、蒸気分配器の内側チャンバ内の予め定められた位置に配置される蒸気ディフレクタの新規の間隔である。これらの利点により、固相、液相および気相が供給ノズルから蒸気分配器内に同時に案内される際の、固相、液相および気相の分離が可能となる。さらに、蒸気分配器の内側チャンバの全体にわたって配置されるルーバを有する窓および、ハイハットを有するチムニの、配置および使用が、この三相蒸気分配器により達成される新規の結果をもたらすのを補助する。「混相混合物」という語句が、蒸気分配器中に案内され得る三相、すなわち気体、液体および固体の全ての混合物を含むことが理解されよう。先行文献によって三相分離を達成することは不可能であった。したがって、先行文献は、分留器または他の同様の装置に供給される混相蒸気内に固体、特にコークスが存在することにより、それらの蒸気分配器内においてコークスが蓄積するという著しい欠点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の好ましい実施形態において、本発明のルーバを有する窓および/またはハイハットを有するチムニが、ニットメッシュパッドまたは他のフィルタ媒体などの濾過および/または分離要素を嵌められて、混相混合物の分配を増加させることができる。また、任意には、蒸気入口に、サイクロンまたはベーンタイプの濾過または分離要素を嵌めることができる。これらの濾過および/または分離要素は、供給ガス中の液体および/または固相の混入物を事実上取り除くことが可能であり、また一方で蒸気フルートは、槽内部へのガスの分配器/接触器としての役割を果たす。特徴のこの組合せは、外部槽が混相混合物から混入相を分離する必要性をなくし、または少なくともその必要性を低下させ、槽内におけるガス分配と追加の質量および熱交換とを同時に実現するため、有利である。多様な濾過要素が適切に作用するように、供給物が窓およびチムニを通って進む際の速度を調節することが可能である。本発明の側窓および垂直チムニにおいて使用される、垂直または水平位置で固体および/または液体の分離を行う多様な濾過および/または分離要素が、当技術において知られる。
【0014】
この蒸気分配器を使用することができるプロセスの1つが、特に分解された混相蒸気流の分留における炭化水素熱分解である。急冷水塔または分留プロセスにおいて、混相蒸気は、炭化水素物質の加熱後に炉から出る。この混相蒸気は、三相の炭化水素物質、すなわち気体、液体および固体を含有する。使用されるガスは、さらに有価な成分を含み、分留塔内で回収される。液相および固相は、炭化水素物質の効果的な処理のために除去されなければならないあまり価値のない生成物である。上記で説明されたいくつかの先行文献は、蒸気から液相を除去するための方法およびデバイスを展開しているが、いずれも固相を除去することができなかった。炭化水素処理においてはコークス粒子を概して含むこの固相は、蒸気分配器内に、および分留塔または他の下流の処理装置の全体にわたって、堆積物をもたらす。これらの堆積物は、塔の効率全体を低下させ、それらの除去のために頻繁な洗浄を必要とする。
【0015】
さらに、本発明は、主要蒸気チャネルから液体および固体の不要物を除去することを可能にするために、蒸気分配器の床部中の円錐形ノズルの新規の使用を採用する。蒸気分配器の下方には、液体および固体を収集する塔サンプがある。また、蒸気分配器の内側壁が、液体レベルが垂直開口の高さに達すると液体のオーバフローを可能にし、それにより混相蒸気流チャネルへの過剰流入を防止する垂直開口を、蒸気分配器の床部付近に備えると好ましい。
【0016】
さらに、本発明は、蒸気分配器の上方に位置する塔の部分中のパッキングトレイの下方での最大局所ガス速度を大幅に低下させることが証明されている。局所ガス速度のこの低下により、蒸気の圧力のより均一な分布と、最終的にはより効率的な分留とがもたらされる。トレイ上への蒸気の均等な分配は、適切な分留にとって重要なことである。均等な分配は、本発明の蒸気分配器の使用により、以前可能であると考えられていた以上に高い割合で達成することが可能となり、このことは、従来許容されていた限度をはるかに上回って、所与の塔の従来の設計の能力プロファイルを超えることを可能にする。これによって、本発明の蒸気分配デバイスを使用しない同様のデバイスと比較して、同一の塔内でより高い能力が得られる。本発明の蒸気分配器は、塔内のパッキングまたはトレイの下方での最大局所速度を大幅に低下させ、したがってトレイの下方での速度プロファイルを改善することが証明されている。従来技術の蒸気分配器は、高い率のトレイの下方の区域が異なる速度を得る蒸気分配を生じさせる。改善された速度プロファイルは、本発明の蒸気分配器において、使用される塔内の所与のトレイの下方での蒸気速度の均一な分布によって証明される。本発明の新規の特徴は、任意の既知の先行技術を上回るレベルの蒸気圧力のこの均一な分布を生じさせることが証明されている。詳細には、本発明は、既知の先行技術に比べて60〜70%高いレベルの均一性をもたらす。これによって、塔のトレイまたはパッキングにおける効率が高められる。
【0017】
本発明の1つの目的は、石油化学プラント内の急冷油および/または急冷水の設備を含むがそれらに限定されない大容量分離塔と共に使用するための改善された蒸気分配器を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、RIPPLE(商標)TRAYSを含むがそれに限定されない、主分留塔、脱炭素塔ならびに超分留塔を含むがそれらに限定されない他の処理設備において使用するための改善された蒸気分配器を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、単純な設計のものであり、塔内に容易に設置することができ、さらに塔に進入する蒸気の均一な水平方向への分配を可能にする新規の混相分配器を提供することである。
【0020】
これらのおよび他の関連する目的を達成するために、一態様において、本発明は、開口内側シェルを備え、概して垂直な中心軸を有する塔と、塔内の概して環形状の混相蒸気分配器内に概して円周方向に混相蒸気流を配向するための、前記塔のシェルを貫通して延在する少なくとも1つの蒸気入口ノズルとを備える質量移動および/または熱交換塔のための混相蒸気分配器を対象とする。この混相蒸気分配器は、蒸気入口ノズルから内方に径方向に間隔をおかれた概して環状の直立内側偏向面と、分配器の上部および底部を実質的に閉じるための、内側偏向壁と塔のシェルとの間に延在する天井部および床部とを備え、この偏向面は、塔内部の外周部の周りに円周方向に蒸気流を配向するように、蒸気入口ノズルに対して形状設定され配置される。ディフレクタプレート(または複数のディフレクタプレート)が、混相蒸気流の前進移動を止める後方バッフルに混相蒸気流が達するまで塔のシェルの外周部に沿って混相蒸気流を配向するように、蒸気入口ノズル(または複数の蒸気入口ノズル)から間隔をおかれた関係において、蒸気分配器内に配置され、固体および液体からの蒸気の分離を容易にし、蒸気流を逆混合させ窓またはチムニの一方を介して分配器から出させる。蒸気分配器は、分離された蒸気が、塔内および分配器の上方に配置されるトレイまたはパッキングへの分配のために非常に低減されたおよび均一な速度で分配器を出て塔内部に入るのを可能にするために、内側偏向壁の全体にわたって配置される複数の窓と、天井部の全体にわたって配置されるチムニとを備える。また、分配器は、液体および固体が分配器から出て塔内の分配器の下方に配置されるサンプに進むのを可能にするために、蒸気分配器の床部中に配置される円錐形出口ノズルを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1が本発明の一実施形態を示す。全体的に(10)として図示される蒸気分配器すなわち蒸気フルートが、質量移動および/または熱交換用の塔内に示される。この塔としては、蒸留塔または分留塔、吸収放散急冷油塔および/または急冷水塔、主分留塔、脱炭素塔ならびに超分留塔を含むがそれらに限定されない、任意のタイプの質量移動および/または熱交換用の塔が可能である。塔としては、円形、長円形、正方形、矩形またはその他の多角形の断面を含むがそれらに限定されない任意の所望の形状が可能である。図3〜図5は、蒸気分配器の上面図であり、具体的にはそれぞれ、蒸気分配器の上部、中間部および底部の上面図である。図1で、チャネル(11)が、外側塔壁(12)および内側ディフレクタ壁(13)により作られる囲壁部より形成される。さらに、蒸気分配器(10)は、蒸気流チャネル(11)を画成するための天井部(14)および床部(15)を有する。蒸気供給路は、塔の丈に対して概して垂直方向に、少なくとも1つの入口蒸気ノズル(16、17)を通りチャネル(11)内に案内される。蒸気流は、遠心力と、蒸気分配器(10)内に蒸気が案内される高速度とにより、外側塔壁(12)に沿って円周方向にチャネル(11)を通り流れる。蒸気分配器の壁、天井部および床部は、当業者によく知られる、揮発性化学薬品、液体および固体粒子の高速蒸気流による劣化を生じにくい、質量および/または熱移動プロセスに適切な任意の材料から構成することができる。
【0022】
図1、図2および図4に図示されるように、蒸気流は、内側ディフレクタ壁(13)から延在する複数のディフレクタプレート(18a、18b、18c、18d)の使用により、蒸気分配器(10)内でチャネルの周りを円周方向に移動する。さらに、これらのディフレクタプレート(18a、18b、18c、18d)は、蒸気流を止め蒸気流の初期方向とは反対方向へ戻るように蒸気流を偏向させる後方壁すなわちバッフル(19)の方向に、チャネル(11)の外部方向へ蒸気流を追いやる。塔は、蒸気流チャネル(11)内にほぼ均一に間隔をおかれた約1〜約10個のディフレクタプレートを含むと好ましい。好ましい実施形態においては、少なくとも1個のディフレクタプレートが、本明細書において以下でさらに十分に説明されるように、変化するチャネル半径範囲の各区域に対して設けられる。
【0023】
蒸気流は、固体および液体より分離され、複数の手段を介してチャネルより移動される。第1の手段が、内側ディフレクタ壁(13)中に設けられる窓(20)を備える。窓(20)は、チャネル(11)から蒸気が出ることが可能である速度を制御するためにルーバ(21)を備える。好ましい実施形態において、窓(20)の数およびそれらの寸法は、約10〜約30の範囲に及ぶ。同様に、ルーバ(21)が設けられる場合、それらは約150×600mm〜約250×2000mmに寸法設定される。窓(20)を通りチャネル(11)から出る蒸気は、蒸気分配器(10)の環状構造により形成される、塔の開口区域(40)内に流入する。次いで、蒸気は上方に進んで、蒸気分配器の上方に位置する塔のパッキングまたはトレイに接触する。本発明の好ましい実施形態において、内側ディフレクタ壁(13)は、いくつかの位置で変化するチャネル幅を形成するようにセグメント化される。このセグメンテーションが図3に図示され、内側ディフレクタ壁(13)が、短い距離だけほぼ90°内方に折曲し、次いでほぼ90°さらに折曲し、外側塔壁(12)に対して平行に径方向に延びていることが示される。窓(20)は、内側ディフレクタ壁(13)のほぼ90°の折曲部間で各セグメンテーションに配置される。次いで、内側ディフレクタ壁(13)は、次のセグメンテーションおよび窓(20)まで、蒸気分配器の奥の方へ延びる。各セグメンテーションで、チャネル(11)がさらに狭まる。また、好ましい実施形態では、少なくとも1つのディフレクタプレート(18)が、各セグメンテーションに設けられてよい。本発明の好ましい実施形態において、各入口供給ノズルに対して、チャネルは、3つのセグメンテーションを備えるが、約1〜約5つのセグメンテーションを備えてよい。図3および図4に図示されるように、2つのノズル入口(16、17)を有する塔が、入口供給ノズル(16)について3つのチャネルセグメント(42a、42b、42c)を備え、入口供給ノズル(17)について3つのチャネルセグメント(44a、44b、44c)を備え、ディフレクタプレート(18a、18b、18c、18d)が、各チャネルセグメントにある。
【0024】
図4を参照すると、図示されているのは、第1の窓(20)の手前の位置で内側ディフレクタ壁(13)から延在する一次ディフレクタプレート(18a、18b)である。一次ディフレクタプレート(18a、18b)は、蒸気流チャネル(11)の外部方向へ初期蒸気流を追いやる。残りのディフレクタプレート(18c、18d)は、窓(20)に隣接する内側ディフレクタ壁(13)の部分から入口供給ノズルの方へ径方向に延在する。
【0025】
蒸気流を分離し、蒸気分配器(10)から塔の内側開口区域(40)内に配向する追加手段が、チャネル(11)の天井部(14)中に位置する。図1〜図3は、蒸気が分配器から流出し、塔の内側開口区域(40)内に流入するのを可能にするチムニ(22)を備える天井部(14)を示す。さらに、チムニ(22)は、チムニ(22)を通りチャネル(11)から蒸気流が出ることが可能である速度を調整するために、ハイハット(23)を備える。チムニ(22)の数は、蒸気チャネル(11)の全長のメートル当たりに約1〜約3つの範囲であると好ましい。チムニ(22)は、約0.1〜約0.4mの範囲に及ぶ表面積を有し、ハイハット(23)は、チムニ(22)の約100〜約300mm上方に構築され、約0.03〜約0.2mの範囲に及ぶ表面積を有する。
【0026】
図7は、垂直オーバフロー開口(24)を備える蒸気分配器の内側壁(13)を示し、垂直オーバフロー開口(24)は、蒸気分配器(10)の床部(15)の下方に位置する塔サンプ(25)(図1および図2を参照)内に送り込まれる。円錐形排水ノズル(26)に過剰流入する場合、オーバフロー開口(24)によって、蒸気から分離された液体をサンプ(sump)(25)内に排水することが可能となる。オーバフロー開口(24)の数が、約20〜約60個の範囲であり、オーバフロー開口(24)が、約0.01〜約0.02mの範囲に及ぶ寸法を有し、床部(15)から約50〜約200mmの範囲の高さに位置すると好ましい。
【0027】
図1、図2、図5および図8は、円錐形排水ノズル(26)を備える蒸気分配器(10)の床部(15)を示すが、これら円錐形排水ノズル(26)によって、固体および液体をチャネル(11)から除去することが可能となる。円錐形排水ノズル(26)の数が、約100〜約400個の範囲であり、円錐形排水ノズル(26)が、約25〜約100mmの範囲に及ぶ寸法を有すると好ましい。垂直開口(24)および円錐形排水ノズル(26)により、蒸気分配器内にある液体のレベルを調整することが可能となり、初めに液体は、円錐形排水ノズル(26)を通って進むが、デバイスへの過剰流入が生じた場合には、オーバフロー垂直開口(24)を介してチャネルから液体が除去される。
【0028】
蒸気分配器(10)は、蒸気流を分離し、塔の下方パッキングまたはトレイにわたって均一に分配する役割を果たす。本発明によるプロセスでは、混相蒸気流が、蒸気入口ノズル(16、17)を通り塔内に案内され、蒸気チャネル(11)に進入する。混相蒸気流は、チャネル(11)内に流入し、蒸気分配器(10)の内周部の周りを流れ、窓(20)およびチムニ(22)を通り塔内部(40)に分配される複数のより小さな流れに分割される。次いで、分配された蒸気流は、塔の開口塔内部(40)内に上昇し、蒸気分配器10の上方に位置するパッキングまたはトレイ中に送り込まれる。蒸気/液体質量移動システムの場合、パッキングトレイに進入する蒸気は、パッキングまたはトレイの上方の位置で塔内に案内された液体流と出会い、相互作用する。特に、パッキングまたはトレイを含む塔の内部区域に進入する蒸気が塔の水平方向断面の間で均一に分配されているので、パッキングまたはトレイ内の蒸気と液体との間の相互作用は、特にパッキングまたはトレイの下方部分において非常に容易になる。
【0029】
本発明の好ましい実施形態が、斜角をつけられた、または傾斜された内側ディフレクタ壁(13)を備える。内側ディフレクタ壁は、図1〜図3に示されるように、蒸気チャネル(11)の内部半径が縮小されて形成された直角ステップを含む。これらの内側ディフレクタ壁(13)は、ある径部と隣のより大きな径部との間の移行部の製造を容易なものにするために、段形状とした。内部を循環する流体に対して著しいおよび不要な圧力低下をもたらし得る、これらの直角隅部で形成される乱流を減少させるために、本発明は、内側ディフレクタ壁(13)の流線形状化を提案している。要望がある場合には、その流線形状化によって、内側ディフレクタ壁(13)の形状によりもたらされることがある乱流境界層剥離および二次渦流が減少する。特に好ましい実施形態においては、蒸気チャネルの半径が縮小されている内側ディフレクタ壁(13)の区域に斜角設計を用いることによって、流線形状化を実現することができる。斜角づけることにより、速度においてより緩やかな変化がもたらされ、必要な縮流の乱流および圧力低下が著しく減少する。
【0030】
一実施形態において、斜角づけは、90°未満の多様な角度でフルートの内側ディフレクタ壁(13)のステップ領域を構築することによって行うことができる。好ましい斜角をつけられた内側ディフレクタ壁が、図15に示される。
【0031】
本発明による斜角をつけられた内側ディフレクタ壁を使用することにより、斜角をつけられないディフレクタ壁に比べて約50%だけ乱流強度が低減する。同様に、このことにより、圧力降下のさらなる減少がもたらされ、これは、本発明の1つの利点である。
【0032】
本発明の他の好ましい実施形態が、蒸気フルート内の連続内側チャンバを使用する。この連続内側チャンバの実施形態では、蒸気流は、内側チャンバ全体にわたって混ざることが可能となる。本発明の先に説明された実施形態においては(例えば図1〜図3を参照)、後方バッフルが、フルートの一方側から他方側への蒸気の移動を制限することを、本発明者らは発見した。これらのバッフルが除去されると、圧力の等化が可能となり、等化した圧力によってより均一な分配とより減少された圧力降下とがもたらされるため、流れの分配が改善される。
【0033】
さらに、複数の入口蒸気ノズルを採用する本発明の好ましい実施形態の蒸気フルート設計において、別の好ましい特徴は、2つの入口蒸気ノズル間に直接的に蒸気フルートの内側チャンバに配置された任意の分離要素を有さないことである。図4においては、2つの入口蒸気ノズルの間に、蒸気流が進むことができない区域がある。この好ましい実施形態においては、内側チャンバは、分離要素を有さない完全な円形体である。この好ましい特徴を用いて進行することにより、後方バッフルの除去および2つの入口蒸気ノズル間での分離区域の形成が、約20%だけ圧力降下を減少させた。
【0034】
本発明の好ましい実施形態において、本発明のルーバ(21)を有する窓(20)および/またはハイハット(23)を有するチムニ(22)は、ニットメッシュパッドまたは他のフィルタ媒体などの濾過および/または分離要素(48、49)を嵌められて、混相混合物の分配を増加させることができる。また、任意には、蒸気入口(16、17)に、サイクロンまたはベーンタイプの濾過および/または分離要素(50)を嵌めることができる。これらの濾過および/または分離要素(48、49、50)は、供給ガス中の液相および/または固相の混入物を事実上取り除くことが可能であり、また一方で蒸気フルートは、槽内部へのガスの分配器/接触器としての役割を果たす。
【0035】
本発明におけるガス流に対する蒸気フルート分配器設計の効果を分析するために、数値に関するコンピュータモデルの研究を実施した。
【0036】
この研究による結論は、3次元計算流体力学流動シミュレーションから求められた結果に基づく。これらの結論は、ガソリン分留装置のトレイへの均一なガスの分配の実現における、本発明による蒸気フルート設計の有効性を示す。
【0037】
蒸気分配器およびガソリン分留装置の塔を示す概略図が、図9において提示される。この研究の計算モデルに含まれる容器の部分が、図9中の四角の枠により識別される。
【0038】
この分析で使用される流動条件が表Iに提示される。これらの条件は、入口(16)に適用される。第2の入口(17)は、完全に対称であると見なされ、この分析には含まれない。
【0039】
【表1】

【0040】
この研究は、FLUENT(商標)、バージョン5.4および6.0(FLUENT(商標)は米国ニューハンプシャー州レバノンのFluent,Inc.の登録商標である)にて使用される乱流のk−εモデルに関する完全ナビエ−ストークス方程式の数値解法に基づく。3次元非構造ハイブリッド格子を使用して、垂直槽内の流れをモデル化する。
【0041】
この研究では以下の前提が用いられたが、これらは、槽内の流体流動の物理学的性質に基づく。
a)流れは一定であり、非圧縮性である。
b)流れは一定温度である。
c)入口でのガス速度のプロファイルは一定である。
d)画定された計算グリッドは、システムの幾何学形状を正確に表すことが可能である。蒸気分配器のないモデルについては、グリッド寸法は57489であり、蒸気分配器のないモデルについては、グリッド寸法は491312であった。
e)下部の6つのトレイ(トレイ15からトレイ20)が、このモデルに含まれ、多孔質媒体として表される。
f)フルートは、そのマクロ詳細にてモデル化される。しかし、マクロ詳細(円錐形液体排水ポートおよび蒸気出口)は、多孔質媒体として表される。
g)槽の下部での液体レベルは、一定と見なされ、壁としてモデル化される。
h)層内への液体流は、この作業には含まれない。
【0042】
2つの異なるモデルが、この分析において調査される。第1のモデルは、蒸気分配器を含まず、第2のモデルは、本発明の蒸気分配器を含む。
【0043】
下部トレイ(トレイ20)の直下および2フィート下方で、最大局所速度マグニチュードが、数値シミュレーションより求められる。これらの速度は、図10に提示される。本発明の蒸気フルート設計が、トレイ20の下方での最大局所速度を著しく低下させ、したがってこのトレイの下方での速度プロファイルを改善させることが、図10に示される。さらに、改善された速度プロファイルにより、この下部トレイの効率が改善されることが見込まれる。
【0044】
本発明による蒸気フルート設計の有効性をさらに示すために、トレイ20の直下での速度マグニチュードが、フルートを用いない場合のトレイ区域および本発明のフルート設計を用いる場合のトレイ区域に対して、図11において分類されグラフ化される。この図で示される曲線は、トレイ20の各2等分部分それぞれにおける速度を表す。実線およびハッシュマークを有する線は、本発明の蒸気分配器を用いるモデルを表す。ハッシュマークを有する線は、入口に最も近い槽の2等分部分内の速度を表し、直線は、他方の2等分部分内の速度を表す。同様に、点線および正方形からなる線は、図11において識別されるように、これらの2等分部分内に蒸気分配器を用いないモデルを表す。
【0045】
トレイ20の直下での速度マグニチュードのポピュレーションのグラフが、図12に示される。この図は、トレイ20内の速度マグニチュードの非常に分配の悪いプロファイルを示す。具体的には、点線および正方形からなる線は、入口の反対側のおよび入口の付近のトレイ20の2等分部分のそれぞれの内にフルートを用いないモデルを表す。これらの2つの曲線は、高い率のトレイ区域が異なる速度で(一方側では6〜8m/sの間で、他方側では2〜3m/sの間で)作用することを示す。しかし、本発明のフルート設計を備える場合には、実線およびハッシュマークを有する線は、トレイ区域の大部分が2.5〜4.5m/sの間の類似する速度を受けることを示す。
【0046】
トレイ20の各2等分部分内の平均速度(マグニチュードおよびy成分)が計算される。また、これら2つの平均の比率が計算され、図13にグラフ化される。本発明の蒸気フルートは、フルートを用いない場合と比較してはるかに低い比率を呈する。これは、トレイ20の2等分部分内のガス流速が互角であることを示す。この互角である流速により、トレイ20の予期される効率が非常に強調される。
【0047】
図14は、蒸気分配器を有するシステムにおいて、および蒸気分配器を有さないシステムにおいて見られる、トレイ20の下のガス流の方向を示す図である。矢印は、システム内のガス流の方向を表し、図の上半分においては、本発明の蒸気分配器が図示され、ガス流を変化させているのが示されている。
【0048】
本発明を開示するために、本発明のいくつかの好ましい実施形態および代替の実施形態が示されたが、当業者には、開示された実施形態に対する修正が想起されよう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の精神および範囲を逸脱しない本発明の全ての実施形態ならびに本発明の修正形態を範囲に含むことが意図される。
【0049】
上述の特許、刊行物およびコンピュータプログラムは、参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】供給ノズルの高さの塔サンプの上方に位置する、本発明の好ましい蒸気分配フルートの図である。
【図2】塔の外側壁が図示されない、本発明の好ましい蒸気分配フルートの図である。
【図3】本発明の好ましい蒸気分配フルートの天井部の上面図である。
【図4】本発明の好ましい蒸気分配フルートの中間部の上面図である。
【図5】本発明の好ましい蒸気分配フルートの床部の上面図である。
【図6】本発明の好ましい蒸気分配フルートと共に使用するためのディフレクタ壁の図である。
【図7】本発明の好ましい蒸気分配フルートと共に使用するためのディフレクタ壁の他の図である。
【図8】円錐形排水ポートを強調する、本発明の好ましい蒸気分配器の床部の図である。
【図9】分留塔内の蒸気分配器の図および塔内の蒸気分配器の断面図である。
【図10】図9に図示されるトレイの下方での最大局所速度マグニチュードのグラフである。
【図11】フルートを用いる場合および用いない場合のトレイの下方の種々の位置での、図9に図示されるトレイ20の下方での速度マグニチュードのグラフである。
【図12】フルートを用いる場合および用いない場合のトレイの下方の種々の位置での、図9に図示されるトレイ20の下方での速度ポピュレーションのグラフである。
【図13】フルートを用いる場合および用いない場合のトレイの2等分部分におけるトレイ20の直下での速度マグニチュードのグラフである。
【図14】蒸気分配器を有するシステム内の、および蒸気分配器を有さないシステム内の、トレイ20の下方のガス流の方向を示す図である。
【図15】斜角をつけられた内側ディフレクタ壁の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプおよび入口供給路を備える塔内に配置され、概して環状の構造を有し、概して垂直な中心軸を有する、混合した蒸気相の分離用の混相蒸気分配器であって、上部部分と、底部部分と、前記上部部分および前記下部部分を連結する内側壁とを少なくとも備え、前記底部部分は、前記サンプへの少なくとも1つの開口を備え、前記内側壁は、前記環状分配器の内部スペース内への少なくとも1つの開口を備え、前記上部部分は、前記塔の上方領域内への少なくとも1つの開口を備え、少なくとも1つのチャンバが、前記塔の外側壁と、前記内側壁と、前記混相蒸気分配器の前記上部部分および前記下部部分との間に形成され、前記混相蒸気分配器は、前記入口供給路から前記チャンバ内への前記混相蒸気の移送に対応するように構成される、混相蒸気分配器。
【請求項2】
前記内側壁は、少なくとも1つのバッフルをさらに備え、このバッフルは、前記混相蒸気分配器の前記内側壁から前記塔の前記外側壁へと垂直に延在する、請求項1に記載の混相蒸気分配器。
【請求項3】
前記混相蒸気分配器の前記内側壁と前記塔の前記外側壁との間の距離が変化する、請求項1に記載の混相蒸気分配器。
【請求項4】
前記内側壁は、前記分配器からの液体物質および固体物質の移送用の少なくとも1つの開口と、前記分配器からの蒸気の移送用の少なくとも1つの開口とを備える、請求項1に記載の混相蒸気分配器。
【請求項5】
前記底部部分中の前記開口は円錐形である、請求項1に記載の混相蒸気分配器。
【請求項6】
少なくとも2つのチャンバを備える、請求項1に記載の混相蒸気分配器。
【請求項7】
前記チャンバがそれぞれ、分離された入口供給路を受容するようになされる、請求項6に記載の混相蒸気分配器。
【請求項8】
蒸気の移動のための前記内側壁中の前記開口は、固定式のまたは可動式のシャッタをさらに備える、請求項4に記載の混相蒸気分配器。
【請求項9】
前記上部部分中の前記開口は、ハイハットを有する蒸気チムニをさらに備える、請求項1に記載の混相蒸気分配器。
【請求項10】
開口内側シェルを備え、概して垂直な中心軸を有する塔と、前記塔内の概して環形状の混相蒸気分配器内に概して円周方向に混相蒸気流を配向するための、前記塔のシェルを貫通して延在する少なくとも1つの蒸気入口ノズルとを備える質量移動および/または熱交換塔のための混相蒸気分配器であって、前記蒸気入口ノズルから内方に径方向に間隔をおかれた環状直立内側偏向壁と、前記分配器の上部および底部を実質的に閉じるための、前記内側偏向壁と前記塔のシェルとの間に延在する天井部および床部とを備え、前記天井部は、少なくとも1つの開口を備え、前記床部は、少なくとも1つの開口を備え、前記内側壁は、少なくとも1つの開口を備える、混相蒸気分配器。
【請求項11】
前記偏向壁は、前記塔内部の外周部の周りに円周方向に蒸気流を配向するように、前記蒸気入口ノズルに対して形状設定され配置される、請求項10に記載の混相蒸気分配器。
【請求項12】
バッフルを備え、このバッフルは前記偏向壁から垂直に突出する、請求項11に記載の混相蒸気分配器。
【請求項13】
ディフレクタプレートが、前記蒸気入口ノズルから間隔をおかれた関係において、前記蒸気分配器内に配置される、請求項12に記載の混相蒸気分配器。
【請求項14】
前記内側壁の開口は、前記内側偏向壁の全体にわたって配置された窓を備える、請求項12に記載の混相蒸気分配器。
【請求項15】
前記天井部の開口は、前記天井部の全体にわたって配置されたチムニを備える、請求項12に記載の混相蒸気分配器。
【請求項16】
前記床部の開口は、前記床部中に配置された円錐形出口ノズルを備える、請求項12に記載の混相蒸気分配器。
【請求項17】
蒸気、液体および固体を含む混相蒸気流を分離するおよび分配する方法であって、開口内側シェルを備え概して垂直な中心軸を有する塔内に前記混相蒸気流を供給するステップを含み、少なくとも1つの蒸気入口ノズルが、前記塔のシェルを貫通して延在し、前記塔内の概して環形状の混相蒸気分配器内に概して円周方向に混相蒸気流を配向し、前記混相蒸気分配器は、前記蒸気入口ノズルから内方に径方向に間隔をおかれた概して環状の直立内側偏向壁と、前記分配器の上部および底部を実質的に閉じる、前記内側偏向壁と前記塔のシェルとの間に延在する天井部および床部とを備え、前記天井部は、前記分配器の上方の前記塔の一部分に前記蒸気の一部分を移動させるおよび分配するための少なくとも1つの開口を備え、前記床部は、前記分配器の下方の前記塔の一部分に前記固体の一部分および前記液体の一部分を除去するための少なくとも1つの開口を備え、前記内側壁は、前記分配器の環状部分内に位置する前記塔の一部分の中に前記蒸気の一部分および前記液体の一部分を移動させるための少なくとも1つの開口を備える、方法。
【請求項18】
前記偏向壁は、前記塔内部の外周部の周りに円周方向に前記蒸気流を配向して、前記蒸気入口ノズルに対して形状設定され配置される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ディフレクタプレートが、前記蒸気入口ノズルから間隔をおかれた関係において前記蒸気分配器内に配置され、前記ディフレクタプレートは、前記混相蒸気流が後方バッフルに達するまで前記塔のシェルの外周部に沿って前記混相蒸気流を配向し、前記後方バッフルに達すると、前記蒸気流は、前進移動を止め、前記混相蒸気流を逆混合させ前記分配器から出させる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記内側偏向壁中の前記開口は、窓を含み、前記窓は、前記蒸気の一部分が前記窓の上部部分を通って前記分配器から出るのを可能にし、前記液体の一部分が前記窓の下部部分を通って前記分配器から出るのを可能にするようになされる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記蒸気の一部分が前記分配器から出るのを可能にするように設計された、前記天井部中に配置されるチムニをさらに備える、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
円錐形出口ノズルが、前記液体の一部分および前記固体の一部分が前記分配器から出るのを可能にするように設計された前記蒸気分配器の前記床部中に配置されるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
混相流を、固体、液体および蒸気に分離するための方法であって、
a)蒸気相分配器を備える分離塔内に混相蒸気流を供給するステップと、
b)前記混相蒸気流が前記蒸気相分配器のチャンバの端部分に接触するまで、前記蒸気相分配器の前記チャンバの周りに前記混相蒸気流を径方向に移動させるステップと、
c)前記蒸気相分配器の前記チャンバの前記端部分に接触すると、前記混相蒸気相を逆混合するステップと、
d)前記混相相分配器の天井部中に開口する少なくとも1つのチムニおよび/または、前記蒸気相分配器の前記側壁中の少なくとも1つの窓の上部部分を介して、前記分配器から前記蒸気相を移動させるステップと、
e)前記分配器の前記側壁中の少なくとも1つの窓の下部部分からおよび、前記分配器の床部中の少なくとも1つの開口を介して、液相を除去するステップと、
f)前記混相分配器の前記床部中の開口を介して固相を除去するステップと
を含む方法。
【請求項24】
内側ディフレクタ壁が、乱流を減少させるように斜角をつけられる、請求項3に記載の混相蒸気分配器。
【請求項25】
前記内側ディフレクタ壁は、乱流を減少させるように斜角をつけられる、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記チャンバは、閉鎖されないまたは分割されない、請求項3に記載の混相蒸気分配器。
【請求項27】
前記チャンバは、閉鎖されないまたは分割されない、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記内側ディフレクタ壁が、乱流を減少させるように斜角をつけられる、請求項10に記載の混相蒸気分配器。
【請求項29】
前記チャンバは、閉鎖されないまたは分割されない、請求項10に記載の混相蒸気分配器。
【請求項30】
1つまたは複数の前記開口は、濾過および/または分離要素をさらに備える、請求項1に記載の混相蒸気分配器。
【請求項31】
1つまたは複数の前記開口は、濾過および/または分離要素をさらに備える、請求項10に記載の混相蒸気分配器。
【請求項32】
1つまたは複数の前記開口は、濾過および/または分離要素をさらに備える、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2010−504848(P2010−504848A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509650(P2009−509650)
【出願日】平成19年4月30日(2007.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/010497
【国際公開番号】WO2007/130376
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(503282220)ストーン アンド ウェブスター プロセス テクノロジー インコーポレーテッド (11)
【Fターム(参考)】