説明

三相選択可能エネルギー計

【課題】電気計測器内で3つの相のうちの1つを選択することが可能な三相選択エネルギー計を提供する。
【解決手段】エネルギー計2は、ベース4と、相Aの端子バレル6、相Bの端子バレル8および相Cの端子バレル10と、相Aの端子バレル6、相Bの端子バレル8および相Cの端子バレル10の各々が個別に選択されるのを可能にする、ベース4に移動可能に係合される相選択部材16であって、相Aの端子バレル6、相Bの端子バレル8または相Cの端子バレル10のうちの1つを個別に選択することにより、相Aの端子バレル6、相Bの端子バレル8および相Cの端子バレル10の残りの2つを選択することが禁止される、相選択部材16とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は三相選択可能エネルギー計(three−phase selectable energy meter)に関する。具体的には、本明細書で開示される主題は、三相の電力供給の間で選択するのを可能にするエネルギー計に関する。
【背景技術】
【0002】
三相システムを使用する電気エネルギー配電ネットワークでは、偏重負荷(例えば、三相にわたって不均等にかかる負荷)は性能に悪影響を及ぼす可能性がある。従来より、例えば、単一の相のみを使用して家庭用の電力供給が行われており、ネットワークの3世帯ごとにそれぞれの世帯が3つの相のうちの1つの相から電力を受ける。この一般近似(general approximation)は送電線網(grid)全体にわたって平均化することを可能にし、それにより3つの相のそれぞれにわたって実質的に均一な負荷を配分することが可能となる。
【0003】
最近、エネルギー公益事業者は、高需要時に目標のサービス要件を満たすために二次的な負荷デバイス(すなわち、「重要ではない」負荷デバイス)を制御する能力を求めてきている。大型の建物(例えば、大型の居住建物、事務所建物など)によっては、比較的高い電力負荷を必要とするデバイス(例えば、空調システム)のために三相電力を必要とする場合がある。これらの場合、二次的な負荷すなわち重要ではない負荷は3つの相のうちの単一の相に限定される。
【0004】
二次的な負荷を三相ネットワーク全体にわたって均等に配分するのを確実にするために、従来より、計測器設置者(meter installer)(例えば、人間の技術者)は、3つの異なる種類の三相計(three−phase meter)を携帯している。いずれの種類も設置されているときに1つの相に関与するように構成される。しかし、3種類の三相計を製造することは高コストである可能性があり、また、これらの3種類の三相計を携帯することから、技術者は、デバイスのかさばる品揃えを抱え込むことになり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7693670号明細書
【発明の概要】
【0006】
三相選択可能エネルギー計が開示される。一実施形態では、三相選択可能エネルギー計は、ベースと、相Aの端子バレル、相Bの端子バレルおよび相Cの端子バレルと;相Aの端子バレル、相Bの端子バレルおよび相Cの端子バレルの各々を個別に選択するのを可能にする、ベースに移動可能に係合される相選択部材であって、相Aの端子バレル、相Bの端子バレルまたは相Cの端子バレルのうちの1つを個別に選択することにより、相Aの端子バレル、相Bの端子バレルおよび相Cの端子バレルのうちの残りの2つを選択することが禁止される、相選択部材とを含む。
【0007】
本発明の第1の態様はエネルギー計を含み、このエネルギー計は:ベースと;相Aの端子バレル、相Bの端子バレルおよび相Cの端子バレルと;相Aの端子バレル、相Bの端子バレルおよび相Cの端子バレルの各々を個別に選択するのを可能にする、ベースに移動可能に係合される相選択部材であって、相Aの端子バレル、相Bの端子バレルまたは相Cの端子バレルのうちの1つを個別に選択することにより、相Aの端子バレル、相Bの端子バレルおよび相Cの端子バレルのうちの残りの2つを選択することが禁止される、相選択部材とを有する。
【0008】
本発明の第2の態様は三相選択可能エネルギー計を含み、この三相選択可能エネルギー計は:相Aの端子バレル、相Bの端子バレルおよび相Cの端子バレルを収容するベースと;相Aの端子バレル、相Bの端子バレルおよび相Cの端子バレルの各々を個別に選択するのを可能にする、ベースに移動可能に係合される相選択部材であって、相Aの端子バレル、相Bの端子バレルまたは相Cの端子バレルのうちの1つを個別に選択することにより、相Aの端子バレル、相Bの端子バレルおよび相Cの端子バレルのうちの残りの2つを選択することが禁止される、相選択部材と;相選択部材、ならびに、相Aの端子バレル、相Bの端子バレルおよび相Cの端子バレルのうちの1つのみに係合される作動部材とを有する。
【0009】
本発明の第3の態様は三相選択可能エネルギー計を含み、この三相選択可能エネルギー計は:相Aの端子バレル、相Bの端子バレルおよび相Cの端子バレルならびにリレーを収容するベースと;リレーに電気的に接続される接続ストリップを含み、ベースに移動可能に係合され、相Aの端子バレル、相Bの端子バレルおよび相Cの端子バレルの各々を個別に選択するのを可能にする相選択部材であって、相Aの端子バレル、相Bの端子バレルまたは相Cの端子バレルのうちの1つを個別に選択することにより、相Aの端子バレル、相Bの端子バレルおよび相Cの端子バレルのうちの残りの2つを選択することが禁止される、相選択部材とを有する。
【0010】
本発明のこれらの特徴および別の特徴は、本発明の種々の実施形態を描いた添付図面と併せた本発明の種々の態様の以下の詳細な説明よりより容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態による三相選択可能エネルギー計の一部分を示す、部分的に排除された3次元斜視図である。
【図2】本発明の実施形態による三相選択可能エネルギー計の複数の部分を示す、部分的に排除された3次元斜視図である。
【図3】本発明の実施形態による三相選択可能エネルギー計の複数の部分を示す3次元斜視図である。
【図4】本発明の実施形態による三相選択可能エネルギー計の複数の部分を示す3次元斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の図面が必ずしも正確な縮尺ではないことに留意されたい。これらの図面は本発明の典型的な態様のみを表すことを意図しており、したがって、本発明の範囲を限定するものとしてみなされるべきではない。これらの図面では、複数の図面を通して同様の参照符号は同様の要素を示している。
【0013】
本発明の態様は三相選択エネルギー計(three−phase selection energy meter)に関する。具体的には、本明細書で開示される主題は、三相の電力供給の間で選択するのを可能にするエネルギー計に関する。
【0014】
本明細書で述べられたように、最近、エネルギー公益事業者は、高需要時に目標のサービス要件を満たすために二次的な負荷デバイス(すなわち、「重要ではない」負荷デバイス)を制御する能力を求めている。大型の建物(例えば、大型の居住建物、事務所建物など)によっては、比較的高い電力負荷を必要とするデバイス(例えば、空調システム)のために三相電力を必要とする場合がある。これらの場合、二次的な負荷すなわち重要ではない負荷は3つの相のうちの単一の相に限定される。
【0015】
二次的な負荷を三相ネットワーク全体にわたって均等に配分するのを確実にするために、従来より、計測器設置者(例えば、人間の技術者)は、3つの異なる種類の三相計を携帯している。この公益事業者が三相計のうちの1つに対する単一の相の負荷を軽減することを目的とする場合、ネットワーク内の3つの相すべてにわたって均等に与えられる負荷を軽減することが望ましい場合がある。多くの場合、公益事業者により、技術者は、3つの異なる種類の三相計を携帯することを求められる。いずれの種類も設置されるときに1つの相に関与するように構成される。しかし、3種類の三相計を製造することは高コストである可能性があり、また、これらの3種類の三相計を携帯することから、技術者は、デバイスのかさばる品揃えを抱え込むことになり得る。
【0016】
従来の三相エネルギー計とは対照的に、本発明の態様は、設置の際に技術者が動作の三相のうちの1つの相を選択するのを可能にする三相選択可能エネルギー計を含む。すなわち、本発明の態様に従って説明されるエネルギー計は、使用される各々の三相の間で選択するのを可能にし、一部の実施形態では、所与の時間に1つの相のみが選択可能である。
【0017】
本明細書に記載されるように、本発明の態様は三相選択可能エネルギー計を含む。図1を参照すると、本発明の実施形態による、三相選択可能エネルギー計(または、計測器)2の一部分の、部分的に排除された3次元斜視図が示されている。図示されるように、計測器2は、例えば相Aの端子バレル6、相Bの端子バレル8および相Cの端子バレル10といったような端子バレルを含めた複数の要素を収容するベース4を含んでよい(この図では、部分的に隠れて、概略的に示されている)。図1のこの斜視図では端子バレル6、8および10の完全な図が遮られることから、端子バレル6、8および10が図3においてより明確に確認され得ることに留意されたい。個別の端子バレル6、8、10およびベース4は当技術分野で知られている従来の要素に実質的に類似していてよいことから、これらの要素を本明細書で説明することは明確にするために省略する。
【0018】
また、本明細書で説明される実施形態はベース4内に収容される(すなわち、実質的にその中に包含される)個別の端子バレル6、8および10を含むことができるが、別の実施形態も企図されることを理解されたい。例えば、三相選択可能エネルギー計の別の実施形態は、ベースとは別個の端子ブロック内に収容される端子(例えば、端子バレルを含む)を有することができる。この実施形態は、ベースと別個に端子を収容する従来の端子ブロックを含んでよい。この実施形態が、本明細書で同様に説明されるように、端子の三相の選択を可能にすることができることを理解されたい。
【0019】
図1を再び参照すると、この部分的に排除された図には、さらに、ベース4に結合されるように構成される端子ブラケット12が示されており、ここでは、この端子ブラケット12は複数のアパーチャを含む。詳細には、端子ブラケット12は端子バレル6、8、10に対応する複数のアパーチャ14を含み、これらの複数のアパーチャ14は、一部の実施形態では、端子ブラケット12の上方の位置から端子バレル6、8、10のうちの1つに係合され得る。ベース4に移動可能に係合されるように構成される相選択部材16がさらに図示されており、ここでは、この相選択部材は、相Aの端子バレル6、相Bの端子バレル8または相Cの端子バレル10の各々を個別の選択するのを可能にする。本明細書に含まれる別の図を参照して後で説明されるように、相選択部材16は、端子バレル6、8または10のうちの1つを選択するのを可能にすることができ、同時に、端子バレル6、8または10の残りの2つが選択されるのを禁止する。図示されるように、一実施形態では、相選択部材16は、導電性ストリップ18(例えば、金属を含む)と、アパーチャ22(3つ示されている)を含む作動部材ホルダ20とを含むことができる。一実施形態では、アパーチャ22は、相Aの端子バレル6、相Bの端子バレル8および相Cの端子バレル10にそれぞれ対応していてよい。さらに、相選択部材16(さらには端子ブラケット12の対応するアパーチャ14)を介して端子バレル6、8または10のうちの1つを作動させるように構成される作動部材24(例えば、ねじ、ピン、細長ブロックなど)が図示されている。図1の計測器2にはさらに、リレー26などの追加の従来の構成要素、および、負荷制御端子バレル28が示されている。明確にするためにこれらの構成要素を説明することは省略する。
【0020】
図2は相選択部材16の部分的に排除された3次元斜視図を示しており、この相選択部材16は導電性ストリップ18および作動部材ホルダ20さらにはリレー接続部材30を含み、これらは、リレー26(図1)と相Aの端子バレル6、相Bの端子バレル8および相Cの端子バレル10のうちの1つまたは複数との間で電気的な接続を実現するように構成される。図示されるように、この部分的に排除された図には3つの作動部材24が示されている。動作中、相選択部材16が所与の時間に3つの作動部材24のうちの1つのみを端子バレル6、8または10のうちの1つに係合させることができることを理解されたい。すなわち、作動部材24のうちの1つを介して端子バレル6、8または10のうちの1つを選択することにより、3つの作動部材24の2つがそれらが対応する端子バレル6、8または10と共に作動することを防止することができる。一実施形態では、これは、導電性ストリップ18内の開口部31とは異なるように作動部材ホルダ20内のアパーチャ22を離間させることにより達成され得る。すなわち、導電性ストリップ18内の開口部31は、開口部31が導電性ストリップ18の軸に沿って等間隔に離間されるように(例えば、距離「x」で離間される)、端子バレル6、8、10に直接に対応していてよい。対照的に、作動部材ホルダ20のアパーチャ22は距離「a」および/または「b」で離間されてよく、ここでは「a」または「b」のうちの少なくとも1つは距離「x」とは異なる。一実施形態では、アパーチャ22は作動部材ホルダ20の軸に沿って等間隔に離間されてよく、ここでは距離「a」は「b」に等しい。この場合、距離「a」および「b」は距離「x」とは異なり、したがって、所与の時間にアパーチャ22のうちの1つのみが導電性ストリップ18内の開口部31のうちの1つに位置合わせされ得るようになる。別の実施形態では、アパーチャ22は、「a」が「b」と異なるように、作動部材ホルダ20の軸に沿って不均一に離間されてよい。しかし、この場合、所与の時間にアパーチャ22のうちの1つのみが導電性ストリップ18内の開口部31のうちの1つに位置合わせされ得ることを理解されたい。いずれの場合も、作動部材ホルダ20内のアパーチャ22の間の少なくとも1つの間隔が導電性ストリップ内の開口部31の間の少なくとも1つの間隔と異なっていてよく、それにより、所与の時間に一対のアパーチャ22および開口部31のみが作動部材24を完全に受け取ることができるようになる。本発明のこの態様は、所与の時間に相Aの端子バレル6、相Bの端子バレル8または相Cの端子バレル10のうちの2つ以上が誤って係合されるのを防止することができる(図1)。
【0021】
図3は、ベース4、端子バレル6、8、10、リレー26、および、負荷制御端子バレル28を含めた、計測器2(図1に示されて説明された)の複数の部分の3次元斜視図を示している。さらに、この部分図に示される実施例では、(例えば、従来の電線用導管を介して)端子バレル28に電気的に接続されさらに作動部材24を介して相Aの端子バレル6に電気的に接続される導電性ストリップ18が示されている。この斜視図には相Aの端子バレル6との接続が示されているが、代替として相Bの端子バレル8または相Cの端子バレル10のうちの1つが(同様の作動部材24を介して)係合されてもよいことを理解されたい。簡略のために、これらの別のシナリオは具体的には図示されない。また、この部分的な斜視図では作動部材ホルダ20および端子ブラケット12が省略されていることを理解されたい。
【0022】
図4は、端子バレル(例えば、相Aの端子バレル6、相Bの端子バレル8および相Cの端子バレル10)に接続されている端子ブラケット12の、一部が切り取られた3次元斜視図を示している。端子ブラケット12および端子バレル6、8、10が本明細書で説明される従来の端子ブラケットおよび端子バレルに実質的に類似していてよいことを理解されたい。さらに、この一部が切り取られた図には、導電性ストリップ18と、導電性ストリップ18に動作可能に接続される(例えば、摺動可能に接続される)作動部材ホルダ20とを含む、相選択部材16が示されている。一実施形態では、作動部材ホルダ20は端子ブラケット12内の凹部(例えば、ポケット)32内に置かれてよい。別の実施形態では、作動部材ホルダ20は、(例えば、レール、タブ、摺動可能なダブテール対合(dovetail mating)、リベット、溝などを介して)導電性ストリップ18に移動可能に(例えば、摺動可能に)係合され得る。いずれの場合も、図2を参照して説明したように、さらには、この一部が切り取られた図に示されるように、作動部材ホルダ20内のアパーチャ22は導電性ストリップ18内の開口部31のうちの2つから位置をずらされてよく、同様に、相Aの端子バレル6、相Bの端子バレル8および相Cの端子バレル10のうちの2つから位置をずらされる。図示されるように、作動部材24(例えば、ねじ)は、同時に1つの端子バレル(例えば、この図では端子バレル8)のみに係合され得る。他の端子バレル(例えば、相Aの端子バレル6または相Bの端子バレル10)の1つを作動させるために、作動部材24が開口部31およびアパーチャ22から取り外されてよく(例えば、垂直方向に)、作動部材ホルダ20が導電性ストリップに対して摺動されてよく、それにより、別個のアパーチャ22が別個の開口部31に位置合わせされ、作動部材24(または、別の作動部材)が、相Aの端子バレル6または相Bの端子バレル10を作動させるためにその別個のアパーチャ22(さらには、対応する別個の開口部31)を貫通して配置され得ることを理解されたい。
【0023】
図1を再び参照すると、本明細書で説明したように、相選択部材16を含む計測器2が、(例えば、相Aの端子バレル6、相Bの端子バレル8または相Cの端子バレル10を介して)複数の相のうちの1つを個別に選択するのを可能してよく、同時に、複数の相のうちの残りの相が選択されることが防止され、結果として設置の際に技術者(例えば、人間の技術者)が1つの相のみを選択することが可能になることが理解されよう。またこれにより、3つのすべての相にわたって相を選択するように、(作動部材(複数可)24を介して)必要に応じて選択的に構成され得る単一の三相選択可能計測器(例えば、計測器2)を技術者が携帯することが可能となってよい。
【0024】
相選択部材16の代替の実施形態が本発明の態様の教示に即しながら可能であることも理解されたい。すなわち、一部の事例では、相選択部材16は、中にアパーチャ22を2つのみ有する作動部材ホルダ20を含んでよく、ここでは、この作動部材ホルダ20は導電性ストリップ18に移動可能に(例えば、摺動可能に)係合され得、それにより、所与の時間に2つのアパーチャ22のうちの1つのみが導電性ストリップ18内の開口部31のうちの1つに位置合わせされ得るようになる。また、別の実施形態では、作動部材ホルダ20が中にアパーチャ22を1つのみ含むことができ、ここでは、作動部材ホルダ20は導電性ストリップ18に摺動可能に係合され得、それにより所与の時間にアパーチャ22が導電性ストリップ18内の開口部31のうちの1つに位置合わせされ得るようになる、ことを理解されたい。
【0025】
別の実施形態では、複数のリレー26(図1)、例えば3つの別個のリレー26が、本明細書に記載される三相選択可能フィーチャを形成するのに使用されてよい。この場合、各相の端子バレル(例えば、相Aの端子バレル6、相Bの端子バレル8および相Cの端子バレル10)はそれぞれリレー(例えば、リレー26)に接続されてよく、ここでは、各リレー(例えば、リレー26)は、(相の端子バレルを介して)相のうちの1つを選択するのを可能にする制御システムを含むか、またはその制御システムに接続される。一実施形態では、このタイプの計測器はリモートシステム(例えば、公益事業者(utility provider)またはサービスプロバイダによって管理される中央制御センターシステム)を介して制御されてよく、ここでは、計測器とリモートシステムとの間の通信は、ワイヤレス手段、ハードワイヤ手段または別の任意の従来手段を介して実施される。この実施形態では、計測器には、明確にするために本明細書での説明が省略される、送信機(複数可)、受信機(複数可)、プロセッサ(複数可)、メモリなどの別の従来の構成要素が含まれてよいことを理解されたい。この実施形態では、設置者は、相を選択することなく計測器(3つのリレーを有する)を設置することができてもよく、それにより制御システムが遠隔的に相の選択を決定することが可能となる。さらにこれにより、その計測器自体において(例えば、ユーザーインターフェイスを介して)または制御システムを介するかのいずれかで、相の切り換えを行うことが可能となり得る。いずれの場合も、この実施形態は電気計測器内で3つの相うちの1つを選択することが可能であり、それにより設置者が携帯する品揃えが削減され得る。
【0026】
本明細書で使用される用語は具体的な実施形態を説明することのみを目的としており、本開示を限定することを意図しない。文脈により特に明確な指示がない限り、本明細書で使用される、単数形「a」、「an」および「the」は複数形を含むことも意図している。さらに、「comprises」および/または「comprising」という用語が本明細書で使用される場合、述べられる特徴、整数、ステップ、動作、要素および/または構成要素が存在することを示しているが、1つまたは複数の別の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループが存在したり追加されたりすることを排除しないことを理解されたい。
【0027】
ここに記載される説明は、最良の形態を含む本発明を開示するために、さらには、任意のデバイスまたはシステムを作ったり使用したりすることや組み込まれる任意の方法を実施することを含めて、当業者が本発明を実施するのを可能にするために、実施例を使用する。本発明の特許性のある範囲は特許請求の範囲によって定義され、当業者が思い付く別の実施例を含むことができる。そのような別の実施例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの記載と違わない構造的要素を有する場合またはそれらが特許請求の範囲の文字通りの記載とほぼ違わない同等の構造的要素を含む場合には特許請求の範囲内にあることを意図する。
【符号の説明】
【0028】
2 計測器
4 ベース
6 相Aの端子バレル
8 相Bの端子バレル
10 相Cの端子バレル
12 端子ブラケット
14 アパーチャ(端子ブラケット)
16 相選択部材
18 導電性ストリップ
20 作動部材ホルダ
22 アパーチャ(作動部材ホルダ)
24 作動部材
26 リレー
28 端子バレル
30 リレー接続部材
31 開口部(導電性ストリップ)
32 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース(4)と、
相Aの端子バレル(6)、相Bの端子バレル(8)および相Cの端子バレル(10)と、
前記相Aの端子バレル(6)、前記相Bの端子バレル(8)および前記相Cの端子バレル(10)の各々を個別に選択するのを可能にする、前記ベース(4)に移動可能に係合される相選択部材(16)であって、前記相Aの端子バレル(6)、前記相Bの端子バレル(8)または前記相Cの端子バレル(10)のうちの前記1つを前記個別に選択することにより、前記相Aの端子バレル(6)、前記相Bの端子バレル(8)および前記相Cの端子バレル(10)のうちの残りの2つを選択することが禁止される、相選択部材(16)と
を備える三相選択可能エネルギー計(2)。
【請求項2】
前記ベース(4)および前記相選択部材(16)に結合される端子ブラケット(12)をさらに備え、前記端子ブラケット(12)が、前記相Aの端子バレル(6)、前記相Bの端子バレル(8)および前記相Cの端子バレル(10)の各々に対応するアパーチャ(14)を含む、請求項1記載の三相選択可能エネルギー計(2)。
【請求項3】
前記相Aの端子バレル(6)、前記相Bの端子バレル(8)または前記相Cの端子バレル(10)のうちの前記1つを前記個別に選択することが、前記端子ブラケット(12)の前記対応するアパーチャ(14)を介して前記相Aの端子バレル(6)、前記相Bの端子バレル(8)または前記相Cの端子バレル(10)のうちの前記1つを作動させることを含む、請求項2記載の三相選択可能エネルギー計(2)。
【請求項4】
前記相選択部材(16)が、
導電性ストリップ(18)と、
前記導電性ストリップ(18)に移動可能に取り付けられる作動部材ホルダ(20)であって、前記作動部材ホルダ(20)が、前記相Aの端子バレル(6)、前記相Bの端子バレル(8)および前記相Cの端子バレル(10)にそれぞれ対応する3つのアパーチャ(22)を含む、作動部材ホルダ(20)と
を含む、請求項1記載の三相選択可能エネルギー計(2)。
【請求項5】
前記相Aの端子バレル(6)、前記相Bの端子バレル(8)および前記相Cの端子バレル(10)にそれぞれ対応する3つのアパーチャ(14)を含む、前記ベース(4)および前記相選択部材(16)に結合される端子ブラケット(12)をさらに備え、
前記3つのアパーチャ(14)が第1の距離で均一に離間され、
前記作動部材ホルダ(20)の前記3つのアパーチャ(22)のうちの少なくとも2つが前記第1の距離とは異なる第2の距離で互いから離間される、
請求項4記載の三相選択可能エネルギー計(2)。
【請求項6】
前記作動部材ホルダ(20)の前記3つのアパーチャ(22)のうちの1つが前記端子ブラケット(12)の前記3つのアパーチャ(14)のうちの1つに位置合わせされるように構成され、同時に、前記作動部材ホルダ(20)の前記3つのアパーチャ(22)のうちの2つが前記端子ブラケット(12)の前記3つのアパーチャ(14)のうちの2つから位置をずらされる、請求項5記載の三相選択可能エネルギー計(2)。
【請求項7】
相Aの端子バレル(6)、相Bの端子バレル(8)および相Cの端子バレル(10)を収容するベース(4)と、
前記相Aの端子バレル(6)、前記相Bの端子バレル(8)および前記相Cの端子バレル(10)の各々を個別に選択することを可能にする、前記ベース(4)に移動可能に係合される相選択部材(16)であって、前記相Aの端子バレル(6)、前記相Bの端子バレル(8)または前記相Cの端子バレル(10)のうちの前記1つを前記個別に選択することにより、前記相Aの端子バレル(6)、前記相Bの端子バレル(8)および前記相Cの端子バレル(10)の残りの2つを選択することが禁止される、相選択部材(16)と、
前記相選択部材(16)、ならびに、前記相Aの端子バレル(6)、前記相Bの端子バレル(8)および前記相Cの端子バレル(10)のうちの1つのみに係合される作動部材(24)と
を備える三相選択可能エネルギー計(2)。
【請求項8】
前記相Aの端子バレル(6)、前記相Bの端子バレル(8)および前記相Cの端子バレル(10)の各々に対応するアパーチャ(14)を含む、前記ベース(4)および前記相選択部材(16)に結合される端子ブラケット(12)をさらに備える、請求項7記載の三相選択可能エネルギー計(2)。
【請求項9】
前記相選択部材(16)が、
導電性ストリップ(18)と、
前記作動部材(24)を保持するように構成され、前記導電性ストリップ(18)に移動可能に取り付けられる、作動部材ホルダ(20)であって、前記相Aの端子バレル(6)、前記相Bの端子バレル(8)および前記相Cの端子バレル(10)にそれぞれ対応する3つのアパーチャ(22)を含む、作動部材ホルダ(20)と
を含む、請求項7記載の三相選択可能エネルギー計(2)。
【請求項10】
相Aの端子バレル(6)、相Bの端子バレル(8)および相Cの端子バレル(10)、ならびに、
リレー(26)
を収容するベース(4)と、
前記リレー(26)に電気的に接続される接続ストリップを含み、前記ベース(4)に移動可能に係合され、前記相Aの端子バレル(6)、前記相Bの端子バレル(8)および前記相Cの端子バレル(10)の各々を個別に選択するのを可能にする相選択部材(16)であって、前記相Aの端子バレル(6)、前記相Bの端子バレル(8)または前記相Cの端子バレル(10)のうちの前記1つを前記個別に選択することにより、前記相Aの端子バレル(6)、前記相Bの端子バレル(8)および前記相Cの端子バレル(10)の残りの2つを選択することが禁止される、相選択部材(16)と
を備える三相選択可能エネルギー計(2)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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