説明

不正を防止すると共にゲームの進行をディーラにナビゲートするゲーミングシステム

【課題】ゲームの進行をディーラにナビゲートすることで、経験の浅いディーラであっても、適正にゲームを進行させることができると共に、不正を防止しかつコストを削減できるゲーミングシステムを提供すること。
【解決手段】複数のステーション(4)でゲームするプレーヤに表示するために画像を撮影する画像入力装置(20)は、遊技部(3)のディーラが位置する側をカード配置領域(141〜146)を含んで撮影する。そしてコントローラ(2)は、画像入力装置(20)が撮影したカード配置領域(141〜146)の画像データと、メモリ(83)に記憶された比較画像データと比較する画像認識処理を行う。そして画像認識処理の結果カードを示す画像が含まれていた場合に、カードを示す画像の認識結果に基づいて、カードゲームのスコアを計算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不正を防止すると共にゲームの進行をディーラにナビゲートするゲーミングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々なテーブルゲームが知られており、テーブルゲームの中にはカードゲームというゲームジャンルが存在する。
【0003】
カードゲームのなかには、例えば、特許文献1に開示されているように、バカラと呼ばれるゲームがある。ここで、バカラとは、ベット対象である「Player(プレーヤ役)」、「Banker(バンカー役)」、「Tie(引き分け)」のいずれか(ただし、「Tie」はベット対象としない場合もある)にベットを行い、勝利した側のベット対象にベットしていたプレーヤに対してベットされているベット額に基づいた配当を付与するゲームである。また、バカラでは、「Player」側と「Banker」側とにカードが配布され、配布されたカードに基づいて勝敗が決定される。
【0004】
バカラ等のカードゲームは、カジノに設置されており、カジノゲームでは、ディーラがゲームを進行していくため、ディーラはゲーム進行に熟練している必要がある。しかし、カジノ開発が行われて間もない国においては、ゲーム進行に熟練したディーラが不足してしまう、という問題があった。
【0005】
また、特許文献2に示すように、カードゲームに使用されるカードについてICチップを埋め込んだり、特殊なインクでカードに情報を印字したりして、カードに記載された情報を読み取ってゲームの進行を行うシステムが開示されている。このようなシステムでは、全てのカードにICチップや特殊なインクによる印字が必要となり、カードの生産コストが高くなる。カジノで使用されるカードは、一度使用され、あるいは所定回数のゲームで使用されると、不正防止のために無条件に破棄されることが一般的である。この理由の一つは、カードの使用中にカードに傷や折り目がつくなどして、結果的にカードを伏せた状態の裏面からでもカードの数字や絵柄が分かってしまうなどのおそれ、あるいは、不正者がカードにマーキングするなどのおそれを回避するためである。このため、カード内に非接触で通信可能なICタグと呼ばれるICチップを封止する等のような、読み取りデータを記憶したICチップをカードに付加するような方法では、運営コストが高くなってしまう。
【0006】
また、特許文献3に示すように、カードゲームに使用されるカードを収納するカードシューに読み取り装置を備え、カードシューから引き出したカードの情報を読み取るシステムが開示されている。この場合、カード自体に紫外線反応コードを印字し、カードシューの引き出し口にブラックライト型センサを用いてカードの情報を読み取るようにしているが、カードに印字するコストが生じると共に、カードシューに関するシステムを別途設けなければならない。システムを構成する構成要素が増えることによりシステム自体の負荷が大きくなったり、複雑になることで故障率が増えたりする場合があり、全体としてコストが上昇することが懸念される。
【0007】
一方で、カードゲームでは、一般的にカードを配布する順番や配布方法、配布位置などについて厳格な決まりがあり、また、ベットを行うタイミングや時間についてもゲームごとに複雑に定められている。カードゲームでは、カードの数字や絵柄に基づいて行うディーラの行為も重要であるが、これ以上にカードを配布するまでの行為及びカードの配布自体もゲームの結果を左右する重要な要素となっている。
【0008】
このように、ディーラは、カードの配布からベットの処理、ゲームの進行等、厳格な行為が要請されるが、ベテランのディーラの数が不足している今日において、初心者のディーラであっても、厳格な手続にのっとったゲームの進行が行えるようにする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7419160号明細書
【特許文献2】米国特許第5605334号明細書
【特許文献3】米国公開特許第2009026700号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、ゲームの進行をディーラにナビゲートすることで、経験の浅いディーラであっても、適正にゲームを進行させることができると共に、不正を防止しかつコストを削減できるゲーミングシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)下記構成を備えるカードゲームを実行するゲーミングシステムであり、複数のステーションと、前記複数のステーションとゲームに関する情報の送受信を行い、前記ゲームの進行を制御するコントロールユニットと、フラットな面を有し、前記カードゲームに使用されるカードのうち、前記ゲームの勝敗を判断するために必要な数のカードを配置する複数のカード配置領域を有する遊技部と、遊技部におけるディーラが位置する側を前記複数のカード配置領域を含んで撮影し、撮影した画像データを前記複数のステーションでゲームするプレーヤに表示するために、前記コントロールユニットに送信する画像入力装置と、前記カードゲームに使用されるカードを収納するカードシューと、前記ゲームの進行に関するゲーム進行プログラムを記憶するとともに、前記遊技部のカード配置領域を撮影した画像と画像認識処理を行うための比較画像データとを記憶するメモリと、を備え、前記コントロールユニットは、以下の処理を実行するコントローラと、を備える。(a)前記ゲーム進行プログラムに基づいて、前記カードゲームを開始させる処理、(b)前記画像入力装置により撮影された前記カード配置領域の画像データと前記メモリに記憶された前記比較画像データとを比較する画像認識処理を実行する処理、(c)前記画像認識処理の結果、前記カードを示す画像が含まれていた場合に、前記カードを示す画像の認識結果に基づいて、前記メモリに記憶された前記ゲーム進行プログラムに応じて、前記カードゲームのスコアを計算する処理。
【0012】
(1)に記載の発明によれば、複数のステーションでゲームするプレーヤに表示するために画像を撮影する画像入力装置は、遊技部のディーラが位置する側をカード配置領域を含んで撮影する。そしてコントローラは、画像入力装置が撮影したカード配置領域の画像データと、メモリに記憶された比較画像データと比較する画像認識処理を行う。そして画像認識処理の結果カードを示す画像が含まれていた場合に、カードを示す画像の認識結果に基づいて、カードゲームのスコアを計算する。
したがって、コントローラは、ゲームの進行をステーションでゲームするプレーヤに表示するために使用する画像入力装置で撮影した画像データに基づいてカード配置領域に載置されたカードを認識し、ゲームのスコアを計算することができる。よって、カード認識のために特にデバイスを追加する必要が無く、シンプルな構成でゲーミングシステムを構成することができるので、コストを抑えることができる。また、ディーラの行為は画像入力装置で撮影されてプレーヤにより常に監視されるとともに、メモリに記憶された比較画像データとカードシューから抜き出されてカード配置領域に載置されたカードとを比較してカードを認識するので、異なるカードが配置されるなどの不正を防止することができる。
【0013】
(2)(1)に記載のゲーミングシステムであって、前記(b)の処理において、前記画像認識処理を複数回行い、同じ認識結果である場合に、前記(c)の処理を行うことを特徴とするゲーミングシステム。
【0014】
(2)に係る発明によれば、カードを認識する画像認識処理を複数回行い、各回で行われた画像認識処理の結果が同じ結果である場合に、スコアの計算処理を行う。
これにより、画像認識処理を複数回行うので誤認識を防止することができ、正確なスコアの計算をすることができる。
【0015】
(3)下記構成を備えるカードゲームを実行するゲーミングシステムであり、複数のステーションと、前記複数のステーションとゲームに関する情報の送受信を行い、前記ゲームの進行を制御するコントロールユニットと、フラットな面を有し、前記カードゲームに使用されるカードのうち、前記ゲームの勝敗を判断するために必要な数のカードを配置する複数のカード配置領域を有する遊技部と、遊技部におけるディーラが位置する側を前記複数のカード配置領域を含んで撮影し、撮影した画像データを前記複数のステーションでゲームするプレーヤに表示するために、前記コントロールユニットに送信する画像入力装置と、前記カードゲームに使用されるカードを収納するカードシューと、前記ゲームの進行に関するゲーム進行プログラムを記憶するとともに、前記遊技部のカード配置領域を撮影した画像と画像認識処理を行うための比較画像データとを記憶するメモリと、前記ディーラに対して前記ゲームの進行に関する情報を提示する指示デバイスと、を備え、前記コントロールユニットは、以下の処理を実行するコントローラと、を備える。(a)前記ゲーム進行プログラムに基づいて、前記カードゲームを開始させ、前記カードシューからカードを引き出すことを前記指示デバイスに提示させる処理、(b)前記画像入力装置により撮影された前記カード配置領域の画像データと前記メモリに記憶された前記比較画像データとを比較する画像認識処理を実行する処理、(c)前記画像認識処理の結果、前記カードを示す画像が含まれていた場合に、前記カードを示す画像の認識結果に基づいて、前記メモリに記憶された前記ゲーム進行プログラムに応じて、前記カードゲームのスコアを計算する処理、(d)前記(b)の処理において、前記カードを示す画像が含まれていない場合に、前記カードを示す画像の認識を複数回繰り返す処理、(e)前記(c)の処理で計算したスコアに基づいて、前記カードを前記複数のカード領域のいずれかにさらに配置するか否かを決定する処理、(f)前記(e)の処理においてカードをさらに配置すると決定した場合に、前記ゲーム進行プログラムに基づいて、前記カードシューからカードを引き出すことを前記指示デバイスに提示させる処理、(g)前記(a)から前記(f)の処理を所定回数くりかえし、前記(e)の処理において、前記カードをさらに配置しないと決定した場合に、当該ゲームの勝敗を判断する処理、(h)前記(c)の処理に基づいて、当該ゲームの結果を前記指示デバイスに提示させる処理。
【0016】
(3)に記載の発明によれば、複数のステーションでゲームするプレーヤに表示するために画像を撮影する画像入力装置は、遊技部のディーラが位置する側をカード配置領域を含んで撮影する。そしてコントローラは、画像入力装置により撮影されたカード配置領域の画像データと、メモリに記憶された比較画像データとを比較する画像認識処理を行う。そして画像認識処理の結果カードを示す画像が含まれていた場合に、カードを示す画像の認識結果に基づいてカードゲームのスコアを計算し、さらにカードを配置するかを判断して指示デバイスに提示させる。
したがって、コントローラは、ゲームの進行をステーションでゲームするプレーヤに表示するために使用する画像入力装置で撮影した画像データに基づいてカード配置領域に載置されたカードを認識し、ゲームのスコアを計算することができる。よって、カード認識のために特にデバイスを追加する必要が無く、シンプルな構成でゲーミングシステムを構成することができるので、コストを抑えることができる。また、ディーラの行為は画像入力装置で撮影されてプレーヤにより常に監視されるとともに、メモリに記憶された比較画像データとカードシューから抜き出されてカード配置領域に載置されたカードとを比較してカードを認識するので、異なるカードが配置されるなどの不正を防止することができる。さらには、指示デバイスによりカードの配置の要否が提示されるので、初心者のディーラでもゲームを進行させることができる。
【0017】
(4)(3)に記載のゲーミングシステムであって、前記(d)の処理において、前記カードを示す画像の認識を所定回数繰り返しても、認識できない場合には、前記指示デバイスに認識できないことを表示することを特徴とするゲーミングシステム。
【0018】
(4)に記載の発明によれば、(3)に記載のゲーミングシステムに加えて、コントローラは、カードを認識する画像認識処理を複数回行い、各回で行われた画像認識処理の結果が同じ結果である場合に、スコアの計算処理を行う。
これにより、画像認識処理を複数回行うので誤認識を防止することができ、正確なスコアの計算をすることができる。
【0019】
(5)(3)に記載のゲーミングシステムであって、前記(b)及び(c)の処理を複数回繰り返し、各回において計算したスコアが同じスコアである場合に、前記(e)の処理を行うことを特徴とするゲーミングシステム。
【0020】
(6)(3)に記載のゲーミングシステムであり、前記複数の基準画像データは、前記ゲームに使用されるカードの組ごとに、前記メモリに複数記憶されることを特徴とするゲーミングシステム。
【0021】
(6)に記載の発明によれば、(3)に記載のゲーミングシステムであり、前記比較画像データは、ゲームに使用されるカードの組ごとにメモリに記憶される。
これにより、カードシューに複数組のカードの組が収納されている場合でも、カードの画像認識処理を行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ゲームの進行をディーラにナビゲートすることで、経験の浅いディーラであっても、適正にゲームを進行させることができると共に、不正を防止しかつコストを削減できるゲーミングシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲーミングシステムの処理手順を概賂的に示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施形態に係るゲーミングシステムの斜視図である。
【図3】図2に示したゲーミングシステムの遊技部を拡大して示した図である。
【図4】図2に示したゲーミングシステムのカードシューの横断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るコントロールユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図6】図2に示したステーションの内部構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るバカラゲーム実行処理のフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係るベット処理のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係る遊技部の様子を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るディーラ用ディスプレイの表示例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るディーラ用ディスプレイの表示例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るゲーム開始準備処理のフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態に係るカード配置ナビゲート処理のフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態に係る遊技部の様子を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態に係るディーラ用ディスプレイの表示例を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る遊技部の様子を示す図である。
【図17】本発明の一実施形態に係るディーラ用ディスプレイの表示例を示す図である。
【図18】本発明の一実施形態に係る遊技部の様子を示す図である。
【図19】本発明の一実施形態に係るディーラ用ディスプレイの表示例を示す図である。
【図20】本発明の一実施形態に係る照合・警告処理のフローチャートである。
【図21】本発明の一実施形態に係るディーラ用ディスプレイの表示例を示す図である。
【図22】本発明の一実施形態に係るディーラ用ディスプレイの表示例を示す図である。
【図23】本発明の一実施形態に係るディーラ用ディスプレイの表示例を示す図である。
【図24】本発明の一実施形態に係るゲーム結果表示処理のフローチャートである。
【図25】本発明の一実施形態に係る遊技部の様子を示す図である。
【図26】本発明の一実施形態に係るディーラ用ディスプレイの表示例を示す図である。
【図27】本発明の一実施形態に係る履歴表示部の表示画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0025】
詳細については後述するが、図1に示すように、CPU81は、ゲームの開始に応じてカメラ20による撮影を開始し(ステップS100)、カメラ20が撮影した画像データの認識処理を行う(ステップS200)。そして、配置されたカードが正しいカードであるか否かを判別し(ステップS300)、正しいカードでない場合にディーラに警告を行い(ステップS400)、正しいカードである場合にゲームを進行させる(ステップS500)。
【0026】
図2から図4を参照して、本実施形態におけるゲーミングシステム1について説明する。図2は、ゲーミングシステム1の一例を模式的に示す斜視図である。図3は、ゲーミングシステム1が有する遊技部3を上方から見た図である。図4は、カードシュー22の横断面図である。
【0027】
本実施形態におけるゲーミングシステム1は、複数のステーション4と、遊技部3と、コントロールユニット2(図5で後述)と、から構成される。また、複数のステーション4にてゲームをプレイするプレーヤから視認可能な位置に、履歴表示部91が設けられている。さらに、外部大型モニタ500が、複数のステーション4の周囲にいる人間から視認可能な位置に設けられている。
【0028】
コントロールユニット2は、当該ゲーミングシステム1全体をコントロールする。また、コントロールユニット2は、ディーラが使用するディーラ用ディスプレイ210と、操作入力ボタン214(図3)と、CPU81(図5で後述)を備え、ディーラによる操作に応じてゲーミングシステム1全体のコントロールを行う。ディーラ用ディスプレイ210は、各ステーション4に着座したプレーヤから視認不可能に設置されている。また、コントロールユニット2の本体部(図示せず)は、遊技部3の下方に配置されている。
【0029】
ステーション4は、プレーヤが操作する端末である。ステーション4は、ステーション4の前に用意された椅子(図示せず)に座ったプレーヤによるベット操作を受け付けたり、また、ゲームの配当を支払う処理を行う。ステーション4は、画像表示装置7を備えている。各ステーション4に着座したプレーヤは、「Player(プレーヤ役)」、「Banker(バンカー役)」、「Tie(引き分け)」のいずれかにBET入力を行うことでバカラゲームに参加する。
【0030】
ステーション4は、遊技に使用するメダル等の遊技媒体を投入する遊技媒体受付装置5と、プレーヤにより所定の指示が入力される複数のコントロールボタン等からなるコントロール部6と、バカラゲームに関する画像等を表示させる画像表示装置7とを備えている。そして、プレーヤは、画像表示装置7に表示される画像を見ながら、コントロール部6等を操作することにより、ゲームに参加することができる。
【0031】
さらに、各ステーション4の画像表示装置7の右上には音を出力することが可能なスピーカ9が設けられている。
【0032】
ステーション4の画像表示装置7の側部には、コントロール部6が設けられている。コントロール部6には、確定ボタン30、払い戻しボタン31、ヘルプボタン32が配置されている。
【0033】
確定ボタン30は、BET操作を行った後に当該BET操作を確定する際に押下されるボタンである。また、BET操作以外の場合にも、プレーヤが行った入力を確定する際に押下されるボタンである。
【0034】
払い戻しボタン31は、通常、ゲーム終了後に押下されるボタンであり、払い戻しボタン31が押下されると、プレーヤが所有するクレジットに応じた遊技媒体が払出口から払い戻される。
【0035】
ヘルプボタン32は、ゲームの操作方法等が不明な場合に押下されるボタンであり、ヘルプボタン32が押下されると、その直後に画像表示装置7上に各種の操作情報を示したヘルプ画面が表示される。
【0036】
遊技部3は、図3に示すように、バカラゲームにおいて使用されるカードが配置されるカード配置領域141〜146と、各カード配置領域141〜146に設けられ、ディーラに対するインジケータとしてのランプ151〜156と、画像入力装置としてカード配置領域141〜146の下面側に配置されるスキャナ21a,21bと、配布するカードを収納するカードシュー22と、を備える。また、遊技部3のディーラ側を撮影する画像入力装置としてのカメラ20が設けられる。
【0037】
カード配置領域141〜146は、ゲーム進行中にカードが配置される領域である。ディーラは、各カード配置領域141〜146に所定の順番でカードを一枚ずつ配置する。本実施形態は、バカラゲームを行うゲーミングシステム1であるので、ゲームの勝敗を判断するために必要な対戦組は「Player」側及び「Banker」側の2組である。そしてこの対戦組それぞれには、カード配置領域141〜146が3つずつ設けられている。本実施形態においてはバカラゲームを行うゲーミングシステムであるので、ゲームの勝敗を判断するために必要なカードの枚数は、4枚から6枚である。
【0038】
ランプ151〜156は、ディーラにカードが配置されるべきカード配置領域をナビゲートするためのインジケータとして備えられており、ランプ151〜156のそれぞれは、カード配置領域141〜146に対応している。例えば、ランプ151が点灯すると、ディーラは、カード配置領域141にカードを配置すべきことを把握できる。なお、ランプ151〜156はそれぞれLED発光体により構成される。
【0039】
カメラ20は、遊技部3におけるディーラが位置する側を撮影する。本実施形態では、図2に示すように、ディーラが立つ位置の頭上付近に設けられる。そして、カメラ20は、ゲームを進行させるディーラの手元部分を中心に、遊技部3に設けられたカード配置領域141〜146を含むように遊技部3上を撮影する(図1及び図2参照)。したがって、カメラ20は、カード配置領域141〜146それぞれに配置されたカードの上面側をそれぞれ撮影する。このカメラ20による撮影はゲーム中常時行われ、その画像は、ステーション4や外部大型モニタ500に中継される。また、カメラ20により撮影された画像データは、コントロールユニット2において画像解析処理される。詳細にはカード配置領域141〜146に載置されたカードを認識し、そのカードの値やスーツが判別される。この処理については後述する。
【0040】
カードシュー22は、ゲームにおいて配布するカードを収納する。カードシュー22は、図2及び図4に示すように、カードを収納するカード収納部220と、カード収納部220内に収納するカードをカード取り出し口221側に抑える押さえ板223と、を備える。
【0041】
カード収納部220は、ゲームに使用するカードを収納するが、本実施形態では、複数組(デック)のカードを収納することができる。また、カードが収納される向きは、カード取り出し口221側がカードの裏面側となるような向きとなる。
【0042】
ここで、カードの裏面とは、カードの数や絵柄が記載されていないカードの面をいう。カードの裏面には、通常カードのデッキごとに様々な模様や図が印刷されている。また、カードの表面とは、カードの数や絵柄が記載されている側をいう。カードの数は1から10までの数値をいい、それぞれ「ダイヤ」、「ハート」、「クラブ」、「スペード」の4種類のスーツごとにそれぞれのカードがある。また、カードの絵柄とは、カードの数でいう11から13を示す絵柄であり、それぞれ上記4つのスーツ毎に、11が「ジャック」、12が「クイーン」、13が「キング」を示すカードがある。その他、カードゲームの種類によっては、ジョーカーが入っていてもよい。
【0043】
カード取り出し口221は、カード収納部220の先端に設けられ、カード収納部220に収納されるカードが一枚ずつ取り出される。具体的には、カード収納部220の先端側の面には、露出部224(図2)が形成されており、最前列に並ぶカードが露出する。ディーラが最前列にあるカードに触れてそのまま下方向に押すと最前列のカードが露出部224の下側に形成されたカード取り出し口221から押し出される。カード取り出し口221は、カードシュー22の基台となる基台部225の上面から、カードの一枚分が通る分の隙間を空けて上側プレート226が設けられており、露出部224で押し出されたカードが一枚ずつ押し出される。
【0044】
スキャナ21a,21bは、カード配置領域141〜146の下側に配置され、カード配置領域141〜146に配置されたカードの下面側をスキャンする。具体的には、スキャナ21a,21bは、遊技部3に埋め込まれるように配置され、「Player」側及び「Banker」側ごとにそれぞれ配置される。つまり、スキャナ21aは、「Player」側のカード配置領域141,143,145の下側に配置され、カード配置領域141,143,145の全体をスキャンする。また、スキャナ21bは、「Banker」側のカード配置領域142,144,146の下側に配置され、カード配置領域142,144,146の全体をスキャンする。このスキャナ21a,21bは、本実施形態においては光学式のスキャナが使用されるが、他の方式のスキャナを使用してもよく、また、カメラなどによる画像認識によりカードを認識してもよい。
【0045】
履歴表示部91は、前回までの各々のゲームにおいてプレーヤ側及びバンカー側のどちらが勝利した等のゲームの履歴が表示されるディスプレイである。詳細は後述する。
【0046】
外部大型モニタ500は、ゲームの進行等のライブ映像、デモ画面等が表示されるディスプレイである。詳細は後述する。
【0047】
ゲーム進行については、図7〜図26を参照して後述する。
【0048】
図5を参照してコントロールユニットの構成について説明する。図5は、コントロールユニットの機能構成を示すブロック図である。
【0049】
コントロールユニット2のメイン制御部80は、CPU81、ROM82、RAM83、これらの間で相互にデータ転送を行うバス84を核として構成されるマイクロコンピュータ85を有している。
【0050】
CPU81は、I/Oインターフェース90を介して、ディーラ用ディスプレイ210、カードリーダ212、操作入力ボタン214に接続されている。
【0051】
CPU81は、ディーラ用ディスプレイ210に対して、図10、図11、図15、図17、図19、図21〜図23及び図26で後述する種々の画面の映像データを送信する。CPU81は、操作入力ボタンから、後述するベット終了指示信号を受信する。
【0052】
また、CPU81は、I/Oインターフェース90を介して、時間を計測することが可能なタイマ131に接続されている。また、CPU81は、I/Oインターフェース90を介して、ランプ151〜156と接続されている。ランプ151〜156は、CPU81からの出力信号に基づき、ディーラにカード配置領域をナビゲートする際に各色の光を発光する。
【0053】
また、I/Oインターフェース90には、カメラ20及びスキャナ21a,21bが接続されており、CPU81は、カメラ20及びスキャナ21a,21bから、カード配置領域141〜146に配置されたカードの上面側及び下面側の画像データを受信する。
【0054】
さらに、I/Oインターフェース90には、通信インターフェース95が接続されており、この通信インターフェース95を介して、メイン制御部80は、各ステーション4との間で、BET情報、配当情報等のデータの送受信を行う。
【0055】
さらに、通信インターフェース95には、履歴表示部91が接続されており、メイン制御部80は、履歴表示部91との間で、ゲーム履歴のデータ送受信を行う。
【0056】
さらに、通信インターフェース95には、コントローラ400を介して外部大型モニタ500が接続されており、メイン制御部80は、外部大型モニタ500との間で、画像データ等の送受信を行う。
【0057】
この外部大型モニタ500には、ゲームの進行等のライブ映像、デモ画面等が表示される。このことにより、外部大型モニタ500の周囲にいる人の興味を惹き付けることができる。
【0058】
メイン制御部80におけるROM82は、コントロールユニット2の基本的な機能を実現させるためのゲーム進行プログラム、具体的には、遊技部3に備えられた各種装置を制御するプログラムや各ステーション4を制御するためのプログラム等を記憶するとともに、配当テーブル、所定時間Tを示すデータ、特定値TTを示すデータ等が格納されている。
【0059】
RAM83は、CPU81で演算された各種データを一時的に記憶するメモリであり、例えば、各ステーション4から送信されるBET情報、カメラ20により撮影された画像データ、及びスキャナ21a,21bがスキャンしたカードの画像データ、及びCPU81により実行された処理の結果に関するデータ等を一時的に記憶する。
【0060】
また、RAM83には、基準画像データが記憶される。この基準画像データは、カードが配置されていない状態のカード配置領域141〜146を予め撮影した画像データであり、また、ゲーミングシステム1で使用するカードについて予め撮影した画像データである。そして、基準画像データは、カメラ20で撮影された画像データと比較するための比較画像データとなる。基準画像データは、カードのデック毎に、カードの裏面の画像データと、カードの数(1〜9)又は絵柄(J、Q、K)についてスーツ毎にそれぞれ撮影された画像データを含む。これらは、後述の照合・警告処理(図20)において、カード配置領域141〜146に置かれたカードの画像と比較される。なお、基準画像データは、ROM82に記憶されていてもよい。
【0061】
CPU81は、ROM82及びRAM83に記憶されたデータやプログラムに基づいて、遊技部3に備えられた各種装置を制御し、遊技の進行に伴う制御処理を実行する。
【0062】
CPU81は、遊技の進行に伴う制御処理に加え、各ステーション4との間でデータの送受信を行い、各ステーション4を制御して遊技を進行させる機能を有する。具体的には、各ステーション4から送信されるBET情報を受け付ける。さらに、ゲームの結果(「Player(プレーヤ役)」の勝利、又は「Banker(バンカー役)」の勝利、又は「Tie(引き分け)」)と、各ステーション4から送信されたBET情報とに基づいて、各ステーション4において払い出される配当量を、ROM82に格納された配当テーブルを参照して計算する。
【0063】
図6は、図2に示したステーションの内部構成を示すブロック図である。
【0064】
ステーション4は、画像表示装置7等が設けられた本体部100と、本体部100に取り付けられた遊技媒体受付装置5とを備えている。さらに本体部100は、ステーション制御部110、及びいくつかの周辺装置機器を備えている。
【0065】
ステーション制御部110は、CPU111と、ROM112と、RAM113とを備えている。
【0066】
ROM112は、ステーション4の基本的な機能を実現させるためのプログラム、ステーション4の制御上必要な各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。
【0067】
CPU111には、コントロール部6に設けられた確定ボタン30、払い戻しボタン31、ヘルプボタン32がそれぞれ接続されている。そして、CPU111は、各ボタンの押下等により出力される操作信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。具体的には、プレーヤの操作が入力されたことを受けてコントロール部6から供給される入力信号、並びに、ROM112、RAM113に記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を実行し、その結果をメイン制御部80のCPU81に送信する。
【0068】
さらに、CPU111は、メイン制御部80のCPU81からの命令信号を受信し、ステーション4を構成する周辺機器を制御する。また、CPU111は、コントロール部6やタッチパネル35から供給される入力信号、及び、ROM112とRAM113とに記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を実行する。そして、当該処理の結果に基づいてステーション4を構成する周辺機器を制御する。なお、どちらの方法で処理を行うかについては、その処理の内容に応じて処理ごとに設定される。例えば、遊技媒体の払出し処理は前者に該当し、プレーヤによるBET操作処理は後者に該当する。
【0069】
CPU111には、ホッパー114が接続されており、CPU111からの命令信号により、ホッパー114は、所定枚数の遊技媒体を、払出口から払い出す。
【0070】
CPU111には、液晶駆動回路120を介して画像表示装置7が接続されている。液晶駆動回路120は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAM等で構成されている。プログラムROMには、画像表示装置7における表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。画像ROMには、例えば、画像表示装置7で表示される画像を形成するためのドットデータが格納されている。また、画像制御CPUは、CPU111で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータの中から画像表示装置7に表示する画像の決定を行うものである。また、ワークRAMは、画像制御プログラムを画像制御CPUで実行するときの一時記憶手段として構成される。また、VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像を形成し、画像表示装置7に出力するものである。なお、ビデオRAMは、VDPで画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0071】
さらに、音出力回路126及びスピーカ9がCPU111に接続されており、スピーカ9は、音出力回路126からの出力信号に基づき各種演出を行う際に各種の効果音を発生する。また、CPU111には、データ受信部127を介して、メダル等の遊技媒体や貨幣を投入する装置である遊技媒体受付装置5が接続されている。データ受信部127は、遊技媒体受付装置5から送信されたクレジット信号を受信し、CPU111は、送信されたクレジット信号に基づいて、RAM113に記憶されたプレーヤのクレジット数を増加させる。
【0072】
CPU111には、時間を計測することが可能なタイマ131が接続されている。
【0073】
ゲーミングボード60は、内部バスによって互いに接続されたCPU(Central Processing Unit)61と、ROM65及びブートROM62と、メモリカード63に対応したカードスロット63Sと、GAL(Generic Array Logic)64に対応したICソケット64Sとを備えている。
【0074】
メモリカード63は、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の不揮発性メモリからなり、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを記憶している。
【0075】
また、カードスロット63Sは、メモリカード63を挿抜可能なように構成されていて、IDEバスによってCPU111に接続されている。したがって、カードスロット63Sからメモリカード63を抜き取り、メモリカード63に別のゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを書き込み、そのメモリカード63をカードスロット63Sに差し込むことにより、ステーション4で行われる遊技の種類や内容を変更することができる。また、一のゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを記憶したメモリカード63を、別のゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを記憶したメモリカード63に交換することによって、ステーション4で行われる遊技の種類や内容を変更することも可能である。ゲームプログラムには、遊技進行に係るプログラム等が含まれる。また、ゲームプログラムには、遊技中に出力される画像データや音データ等が含まれる。
【0076】
GAL64は、OR固定型アレイ構造を有するPLDの一種である。GAL64は、複数の入力ポートと出力ポートとを備えていて、入力ポートに所定のデータが入力されると、該データに対応したデータを出力ポートから出力する。また、ICソケット64Sは、GAL64を着脱可能なように構成されていて、PCIバスによってCPU111に接続されている。
【0077】
内部バスによって互いに接続されたCPU61、ROM65及びブートROM62は、PCIバスによってCPU111に接続されている。PCIバスは、CPU111とゲーミングボード60との間の信号伝達を行うとともに、CPU111からゲーミングボード60への電力供給を行う。ROM65には、国識別情報及び認証プログラムが記憶される。ブートROM62には、予備認証プログラム及びCPU61が予備認証プログラムを起動するためのプログラム(ブートコード)等が記憶されている。
【0078】
認証プログラムは、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを認証するためのプログラム(改竄チェックプログラム)である。認証プログラムは、認証取込処理の対象となるゲームプログラム及びゲームシステムプログラムが改竄されていないことの確認及び証明、すなわち、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムの認証を行う手順(認証手順)に沿って記述されている。予備認証プログラムは、上述した認証プログラムを認証するためのプログラムである。予備認証プログラムは、認証処理の対象となる認証プログラムが改竄されていないことの証明、すなわち、認証プログラムの認証を行う手順(認証手順)に沿って記述されている。
【0079】
続いて、図7〜図26を参照して、本実施形態に係るゲーミングシステム1のメイン制御部80において実行される処理について説明する。
【0080】
まず、図7を参照してバカラゲーム実行処理について説明する。図7は、バカラゲーム実行処理を示すフローチャートである。
【0081】
まず、ステップS1において、CPU81は、図8で後述するベット処理を実行し、ステップS2において、図12で後述するゲーム開始準備処理を実行する。また、CPU81は、ステップS3において、図13で後述するカード配置ナビゲート処理を実行する。ステップS4において、CPU81は、図24で後述するゲーム結果表示処理を実行し、ステップS5において、ゲームの結果(「Player(プレーヤ役)」の勝利、又は「Banker(バンカー役)」の勝利、又は「Tie(引き分け)」)と、各ステーション4から送信されたBET情報と、に応じた払出処理を実行し、ステップS1に処理を戻す。
【0082】
図8から図11を参照してベット処理について説明する。図8は、ベット処理を示すフローチャートである。図9は、ベット中の遊技部3の様子を示す図であり、図10は、ディーラ用ディスプレイ210のベット中画像を示す図であり、図11は、ディーラ用ディスプレイ210のベット終了指示画像を示す図である。
【0083】
ステップS11において、CPU81は、ベット開始信号を各ステーション4に送信する。各ステーション4においては、ベット開始信号を受信したことを契機として、ベットが可能になる。
【0084】
ここで、図9及び図10を参照して、ベット中の様子を説明する。
【0085】
図9によると、カード配置領域141〜146のいずれにも、カードは配置されていない。ディーラ用ディスプレイ210の表示領域210aには、図10に示す、ベット中画像が表示される。
【0086】
表示領域210bには、ベット中であり、「BET END」ボタン(操作入力ボタン214)を押してはいけないことをディーラにナビゲートする画像が表示される。表示領域210cには、前回のゲームの結果を表す画像が表示される。表示領域210dには、ベット可能な時間が表示される。
【0087】
図8に戻って、ステップS12では、CPU81は、所定時間経過したか否かを判断する。具体的には、CPU81は、タイマ131により経過時間tの計時を開始し、経過時間tと、ROM82に記憶されている所定時間T1(例えば、5秒)を示すデータとを比較し、タイマ131により計時された経過時間tが、所定時間T1になったか否かを判断する。この判断がNOの場合、CPU81は、ステップS12に処理を戻し、YESの場合、ステップS13に処理を移す。
【0088】
ステップS13において、CPU81は、ベット終了指示画像(図11参照)をディーラ用ディスプレイ210の表示領域210aに表示する。
【0089】
ここで、図11を参照して、ベット中の様子を説明する。
【0090】
本実施形態では、ベットが終了するまではカードをカード配置領域141〜146のいずれにも配置しない。したがって、ベット中であるので、図9と同様に、カード配置領域141〜146のいずれにも、カードは配置されない。そして、タイマ131が計測する経過時間tが、ベットをするための所定時間T1に近づくと、ディーラ用ディスプレイ210の表示領域210aには、図11に示す、ベット終了指示画像が表示される。
【0091】
図11は、ベット終了指示画像を示す図であり、表示領域210bには、「BET END」ボタン(操作入力ボタン214)を押すべきことをディーラにナビゲートする画像が表示される。表示領域210cには、前回のゲームの結果を表す画像が表示される。表示領域210dには、ベット可能な残り時間が表示される。ここでは、残り5秒となった場合に、ベット終了指示画像が表示される。具体的には、表示領域210bに操作入力ボタン214を押下してベットを終了させることを指示する「Push the [BET END] buttom」という表示がされる。
【0092】
図8のステップS14において、CPU81は、操作入力ボタン214からベット終了指示信号を受信したか否かを判別する。この判別がNOの場合、CPU81は、ステップS14に処理を戻し、YESの場合、ステップS15に処理を移す。
【0093】
ステップS15において、CPU81は、ベット終了信号を各ステーション4に送信する。各ステーション4においては、ベット終了信号を受信したことを契機として、ベットができなくなり、ステーション制御部110内のCPU111は、ベットの受付が終了したことを報知する画像(図示せず)を画像表示装置7に表示する。
【0094】
ステップS16において、CPU81は、各ステーション4から、BET情報を受信する。BET情報は、各ステーション4において行われたBET入力に関する情報である。また、BET情報には、ベット有無判別テーブル(図示せず)に格納されるベットを行ったか否かを示す情報も含まれる。ステップS16の処理が終了すると、CPU81は、ベット処理を終了する。
【0095】
本実施形態のベット処理により、経験の浅いディーラであっても、指示画像に従ってベット受け付けの終了操作を行うことができる。
【0096】
図12を参照してゲーム開始準備処理について説明する。図12はゲーム開始準備処理を示すフローチャートである。
【0097】
ステップS21において、CPU81は、カメラ20による撮影を開始し、カメラ20により撮影した画像を、同時にステーション4に配信してステーション4の画像表示装置7に表示させる(ステップS22)。これにより、プレーヤは、ディーラの動作やゲームの進行をステーション4から確認することができる。
【0098】
また、ステップS23において、CPU81は、カメラ20により撮影した画像を外部大型モニタ500にも同時に表示させる。これにより、ステーション4を操作するプレーヤだけでなく、ギャラリーもゲームの様子を確認することができる。これ以下以降、ステーション4と外部大型モニタ500には、遊技部3で行われるゲームの様子が中継される。
【0099】
図13から図19を参照して、カード配置ナビゲート処理について説明する。図13は、カード配置ナビゲート処理を示すフローチャートである。図14は、1枚目のカードをカード配置領域141に配置する際の遊技部3の様子を示す図である。図15は、ディーラ用ディスプレイ210に表示される1枚目配置指示画像を示す図である。図16は、2枚目のカードをカード配置領域144に配置する際の遊技部3の様子を示す図である。図17は、ディーラ用ディスプレイ210に表示される2枚目配置指示画像を示す図である。図18は、5枚目のカードをカード配置領域145に配置する際の遊技部3の様子を示す図である。図19は、ディーラ用ディスプレイ210に表示される5枚目配置指示画像を示す図である。
【0100】
ステップS31において、CPU81は、カード枚数カウンタに0をセットする。このカード枚数カウンタは、カード配置領域141〜146に載置されるカードの枚数をカウントするためのカウンタであり、RAM83の所定のメモリ領域に設定されている。
【0101】
ここで、カードの枚数とカード配置領域141〜146との関係について説明する。
【0102】
1枚目のカードは、「Player」側のカード配置領域141に配置される。2枚目のカードは、「Banker」側のカード配置領域142に配置される。3枚目のカードは、「Player」側のカード配置領域143に配置される。4枚目のカードは、「Banker」側のカード配置領域144に配置される。5枚目のカードは、「Player」側のカード配置領域145に配置される。6枚目のカードは、「Banker」側のカード配置領域146に配置される。
このように、ゲームの進行に応じてディーラがカードを配置する位置が変わるため、カード枚数カウンタが示す値に応じてディーラにカードを配置する位置のナビゲートを行うことになる。
【0103】
ステップS32において、CPU81は、カード枚数カウンタに1を加算し、ステップS34に移る。
【0104】
ステップS33において、CPU81は、カード枚数カウンタの値に基づいて、カードを置くべきカード配置領域141〜146をナビゲートする。
【0105】
ここで、図14、図15を参照して、1枚目のカードの配置領域をナビゲートする様子を説明する。
【0106】
図14は、カード枚数カウンタの値が1であるとき、1枚目のカードの配置領域のナビゲートが行われる際での遊技部3の様子を示す図である。図15によると、カード配置領域141に備えられたランプ151が緑色で点灯している。ディーラ用ディスプレイ210の表示領域210aには、図15に示す、1枚目配置指示画像が表示される。
【0107】
これにより、ディーラは、カード配置領域141にカードを配置すべきことを認識できる。
【0108】
図15は、1枚目配置指示画像を示す図であり、表示領域210bには、カード配置領域141に1枚目のカードを配置すべきことをディーラにナビゲートする画像が表示される。この図によると、カード配置領域141に対応する箇所が緑色に点灯することが示されている。表示領域210cには、前回のゲームの結果を表す画像が表示される。表示領域210dには、ベット可能な時間が0であり、ベット期間が終了していることが示されている。
【0109】
これにより、ディーラは、表示領域210bを見ることによっても、カード配置領域141にカードを配置すべきことを認識できる。
【0110】
さらに、図16、図17を参照して、2枚目のカードの配置領域をナビゲートする様子を説明する。
【0111】
図16は、カード枚数カウンタの値が2であるとき、2枚目のカードの配置領域のナビゲートが行われる際での遊技部3の様子を示す図である。図16によると、カード配置領域141に1枚目のカードが配置されており、カード配置領域142に備えられたランプ152が緑色で点灯している。ディーラ用ディスプレイ210の表示領域210aには、図17に示す、2枚目配置指示画像が表示される。
【0112】
これにより、ディーラは、カード配置領域142にカードを配置すべきことを認識できる。
【0113】
図17は、2枚目配置指示画像を示す図であり、表示領域210bには、カード配置領域142に2枚目のカードを配置すべきことをディーラにナビゲートする画像が表示される。この図によると、カード配置領域142に対応する箇所が緑色に点灯することが示されている。表示領域210cには、現在のスコアを示す画像が表示される。「Player」側には、ダイヤの1のカードが配置されており、「Banker」側には一枚もカードが配置されていないので、「0−1」のスコアが表示されている。
ここで、スコアの計算は、当該ゲーミングシステム1で実行されるゲームのルールに基づいて計算される。具体的には、ROM82に記憶するゲーム進行プログラムに基づいて計算される。本実施形態では、ゲーミングシステム1はバカラゲームを実行するシステムである。したがって、ゲーム進行プログラムに基づき、エースは、1点、絵札(J、Q、K)は10点、その他のカード(2〜9)はカードが示す数がそのままスコアとなる。また、スコアが10点以上となった場合は、下一桁のみが採用され、「Banker」側と「Player」側それぞれのカード配置領域141〜146に置かれたカードの合計が9に近い方が勝利者となる。
表示領域210dには、ベット可能な時間が0であり、ベット期間が終了していることが示されている。
【0114】
これにより、ディーラは、表示領域210bを見ることによっても、カード配置領域142にカードを配置すべきことを認識できる。
【0115】
なお、3枚目以降のカードの配置領域をナビゲートする方法についても図14〜図17で示した方法と同様である。
【0116】
図13に戻って、ステップS34において、CPU81は、照合・警告処理を行う。この警告処理については、図18を参照して後述する。
【0117】
ステップS35において、CPU81は、カード枚数カウンタの値が6であるか否かを判別する。この判別がYESの場合、CPU81は、カード配置ナビゲート処理を終了し、NOの場合、処理をステップS36に移す。
【0118】
ステップS36において、カード枚数カウンタの値が5であるか否かを判別する。この判別がYESの場合、CPU81は、処理をステップS39に移し、NOの場合、処理をステップS37に移す。
【0119】
ステップS37において、カード枚数カウンタの値が4であるか否かを判別する。この判別がYESの場合、CPU81は、処理をステップS38に移し、NOの場合、処理をステップS32に移す。
【0120】
ステップS38において、CPU81は、「Player」側の3枚目のカードを配置するか否かを判別する。この判別がYESの場合、CPU81は、処理をステップS32に移し、NOの場合、カード配置ナビゲート処理を終了する。具体的には、CPU81は、RAM83の所定のメモリ領域に記憶された、1枚目から4枚目(「Player」側の1枚目、「Banker」側の1枚目、「Player」側の2枚目、及び「Banker」側の2枚目)までのカードの情報に基づいて、「Player」側の3枚目のカードを配置するか否かを判別する。
【0121】
ここで、図18及び図19を参照して「Player」側の3枚目のカードを配置する場合の配置領域をナビゲートする様子を説明する。
【0122】
図18は、カード枚数カウンタの値が1であるとき、「Player」側の3枚目(トータルで5枚目)のカードの配置領域のナビゲートが行われる際での遊技部3の様子を示す図である。図18によると、カード配置領域145に備えられたランプ155が緑色で点灯している。ディーラ用ディスプレイ210の表示領域210aには、図19に示す、5枚目配置指示画像が表示される。
【0123】
これにより、ディーラは、カード配置領域145にカードを配置すべきことを認識できる。
【0124】
図19は、5枚目配置指示画像を示す図であり、表示領域210bには、カード配置領域141に5枚目のカードを配置すべきことをディーラにナビゲートする画像が表示される。この図によると、カード配置領域141に対応する箇所が緑色に点灯することが示されている。表示領域210cには、現在のスコアが表示される。「Player」側のスコアは「1(11)」、「Banker」側のスコアは「7」である。「1(11)」の表記は、スコアが「1」でカードの合計が「11」であることを示す。「Player」側のカード配置領域141,143には、「1」と「10」のカードが配置されており、合計は「11」である。しかし、10以上は、下一桁のみが採用されるのでスコアは「1」となる。
表示領域210dには、ベット可能な時間が0であり、ベット期間が終了していることが示されている。
【0125】
これにより、ディーラは、表示領域210bを見ることによっても、カード配置領域141にカードを配置すべきことを認識できる。
【0126】
ステップS39において、CPU81は、バンカー側の3枚目のカードを配置するか否かを判別する。この判別がYESの場合、CPU81は、処理をステップS32に移し、NOの場合、カード配置ナビゲート処理を終了する。具体的には、CPU81は、RAM83の所定のメモリ領域に記憶された、1枚目から5枚目(プレーヤ側の1枚目、バンカー側の1枚目、プレーヤ側の2枚目、バンカー側の2枚目、及びプレーヤ側の3枚目)までのカードの情報に基づいて、プレーヤ側の3枚目のカードを配置するか否かを判別する。
【0127】
図20から図23を参照して照合・警告処理について説明する。図20は、照合・警告処理を示すフローチャートである。図21は、置かれたカードの位置が異なる旨を警告する指示画像を示す図であり、図22は、置かれたカードの向きが逆である旨を警告する指示画像を示す図であり、図23は、置かれたカードが異なるカードである旨を警告する指示画像を示す図である。
【0128】
ステップS51において、CPU81は、カメラ20が撮影した画像データに基づいて、画像データの認識処理を行う。この処理は、CPU81においておこなわれ、まず、カード配置領域141〜146のいずれかにカードが配置されているか否かを判別する。この判別は、カメラ20がリアルタイムで撮影した画像データと、カードが置かれていない状態のカード配置領域141〜146を撮影した基準画像データとをフレーム単位で比較する。詳細には、カメラ20が撮影した画像データについて、カード配置領域141〜146の各領域部分を認識し、当該各領域部分と基準画像データにおけるカード配置領域141〜146の各領域部分を比較する。そして、カメラ20が撮影した画像データにおけるカード配置領域141〜146のいずれかにカードを示す画像がある場合は、基準画像データとは異なるので、カードが配置されたと認識される。次に、パターン認識により、載置されたカードの値やスーツの種別を認識する。そして、この認識された画像データのフレームや認識されたカードの情報は、カード枚数カウンタの値と対応付けて、RAM83の所定のメモリ領域に記憶される。このようにすることで、例えば、1枚目のカード(1番目に読み取られたカードであって、カード配置領域141に配置されるカード)がダイヤの6の場合、RAM83の所定のメモリ領域に「1、ダイヤ、6」なるデータが記憶される。そしてこれらのフレームや情報が以下のステップに使用される。また、カードが載置された状態のフレームは、次のカードが載置された場合の基準画像データとしてRAM83に一時的に記憶され、次のカードが載置された場合の処理に利用される。
【0129】
ステップS52において、CPU81は、所定時間内にカードが所定位置に置かれたか否かを判別する。具体的には、CPU81は、ROM82に記憶するゲーム進行プログラムと、カメラ20が撮影した画像データ(具体的には、ステップS51で使用した画像データのフレーム)とに基づいて、ゲーム進行プログラムにおいて指定される位置にカードが置かれているか否かを判定する。さらに、具体的には、CPU81は、受信した画像データと、カードが配置されていない状態のカード配置領域141〜146の基準画像データとを照合して、受信した画像データがゲーム開始前の画像データと異なり、かつゲーム進行プログラムにおいておかれるべき位置にカードを示す画像が含まれる場合にカードが置かれたと判定する。この判別がYESの場合、CPU81は、処理をステップS55に移し、NOの場合、ステップS53に処理を移す。
【0130】
ステップS53において、CPU81は、所定時間が経過したか否かを判別する。詳細には、CPU81は、タイマ131により計測した時間が、前回の処理から所定時間経過したか否かを判別する。前回の処理とは、例えば、ベットを締め切った処理(例えば、上述のステップS15)や、前回のナビゲート処理(例えば、上述のステップS34)を挙げることができる。所定時間が経過した場合(ステップS52でYESの場合)は、ステップS54に移り、所定時間が経過していない場合(ステップS52でNOの場合)は、ステップS51に戻る。
【0131】
ステップS54において、CPU81は、ディーラに警告報知を行う。具体的には、CPU81は、カードが所定位置に置かれていない旨の警告をディーラ用ディスプレイ210に表示する。例えば、1枚目のカードを配置する場合を説明する。この場合、カード枚数カウンタの値が1であるので、カードが置かれるべき位置は、カード配置領域141である。したがって、CPU81は、カード配置領域141に対応するランプ151を赤色で点灯させる。これにより、所定時間内に1枚目のカードがカード配置領域141に配置されなかった場合であっても、ランプが緑色から赤色に変化して点灯することによりディーラは、カード配置領域141にカードを配置しなければならないことを把握することができる。カード枚数カウンタの値が2〜6である場合は、ランプ152〜156が赤色で点灯する。なお、赤色で点灯することに限らず、赤色で点滅するようにしてもよい。
【0132】
ここで、図21を参照して、1枚目のカードの配置領域を警告報知する様子を説明する。
【0133】
図21は、1枚目配置警告報知画像を示す図であり、表示領域210aには、置かれた位置が異なる旨の警告が表示されている。表示領域210bには、カード配置領域141に1枚目のカードを配置すべきことをディーラに警告報知する画像が表示される。この図21によると、カード配置領域141に対応する箇所が赤色に点灯することが示されている。また、カード配置領域143にバツ印が表示されている。これは、受信した画像データにおいて、カード配置領域143にカードを示す画像が含まれていたため、カード配置領域143は置かれるべき位置では無いことを示す。表示領域210cには、前回のゲームの結果を表す画像が表示される。表示領域210dには、ベット可能な時間が0であり、ベット期間が終了していることが示されている。
ここで、表示領域210aに表示される警告は、例えば、カードが全く置かれていない場合には、置かれていないこと、もしくはカード配置領域141カードを置くべきである旨を示す警告を表示するようにしてもよい。
【0134】
図20に戻って、ステップS55において、CPU81は、カードが置かれた向きが正しい向きであるか否かを判別する。具体的には、CPU81は、ROM82に記憶するゲーム進行プログラムと、カメラ20から受信した画像データとに基づいて、カードの上面側が置かれるべき面であるか否かを判別する。本実施形態では、カードは全ておもて面を上面として置かれるとする。したがって、CPU81は、画像データに含まれる画像において、カードの数又は絵柄が記載されている面であるか否かを判別する。もしくは、スキャナ21a,21bから受信した画像データにカードの裏面を含む画像が含まれるか否かを判定するようにしてもよい。
CPU81は、カードが置かれた向きが正しい向きであると判定した場合(ステップS55でYESの場合)は、ステップS57に移り、正しい向きでは無いと判定した場合(ステップS55でNOの場合)は、ステップS56に移る。
【0135】
ステップS56において、CPU81は、ディーラ用ディスプレイ210に警告表示を行う。具体的には、図22に示すように、例えば、表示領域210aにカードのおもて面を上面側に置くべきことを示す警告が表示され、画面上の該当するカード配置領域(図22ではカード配置領域141)が赤色に点灯する。
【0136】
ステップS58において、CPU81は、カード配置領域141〜146に新たに置かれた状態の画像データと、基準画像データとを比較する。具体的には、CPU81は、受信した画像データに含まれる、カード配置領域141〜146に新たに置かれたカードを示す画像と、RAM83に記憶されたカードの基準画像データとを比較する。
詳細には、CPU81は、スキャナ21a,21bから受信した画像データを認識する。本実施形態では、カードのおもて面が上面となるように置かれるので、スキャナ21a,21bはカードの裏面の画像データを撮像し、当該画像データをコントロールユニット2に送信する。CPU81は、まず、カードの裏面の基準画像データを照合する。カードの裏面は、1デッキごとに異なる模様が示されており、1デッキに含まれるカードの裏面は全て同じである。したがって、裏面の模様を特定することにより、カードのおもて面のデータ群を読み出すことができる。
【0137】
次に、CPU81は、カードのおもて面の基準画像データをRAM83から読み出し、をステップS51において認識したカードを示す画像が、基準画像データと同じカードを示すか否かを判定する。カードのおもて面の基準画像データは、1デッキに含まれる全てのカードについてそれぞれRAM83に記憶されている。したがって、CPU81は、裏面を特定することで読み出したおもて面の基準画像データと、ステップS57で認識したカードを示す画像とをそれぞれ比較し、パターン認識により、それぞれ同じカードを示すか否かを判定する。
CPU81は、複数の基準画像データに、ステップS57で認識したカードを示す画像と同じカードがあった場合(ステップS58でYESの場合)は、ステップS60に移り、同じカードが無かったと判別した場合(ステップS58でNOの場合)は、ステップS59に移る。
【0138】
ステップS59において、CPU81は、基準画像データと異なるカードが置かれている旨の警告表示を行う。この警告は、図23に示す警告表示と同様の画像がディーラ用ディスプレイ210に表示される。この処理が終了した場合には、ステップS60に移る。
【0139】
ここで、図23を参照して、ステップS57においてディーラ用ディスプレイ210に表示される警告表示について説明する。図23に示す警告表示は、1枚目のカード配置時に警告が行われた場合を示している。表示領域210aでは、表示領域210bの上側に、異なるカードが置かれている旨を示すメッセージが表示される。これは、基準画像データに含まれないカードが置かれていることを示す。また、表示領域210bには、1枚目のカード配置領域141に、1枚目のカードを配置すべきことをディーラに警告報知する画像が表示される。この図によると、カード配置領域141に対応する箇所が赤色に点灯し、かつ当該箇所に置かれたカードがダイヤの4であることが示されている。また、カードの配置が開始されたため、現在ゲームが進行中である。このため、表示領域210cには、現在のゲームのスコアを示す画像が表示される。
【0140】
ステップS60では、CPU81は、RAM83に格納されている認識カウンタに1を加算する。この認識カウンタは、照合・警告処理(ステップS51〜ステップS59)を行った回数をカウントするカウンタである。本実施形態では、上述のステップS51〜ステップS59の処理を所定回数行う。これにより、カードの誤認識を防止することができる。
【0141】
ステップS61では、CPU81は、認識カウンタが所定の値であるか否かを判別する。この所定の値は、例えば「3」や「5」など、遊技場の管理者により任意に設定可能である。所定の値が「3」である場合には照合・警告処理を3回行うことになる。また、所定の値である場合は、認識カウンタを0にして、照合・警告処理を終了し、図13のステップS37に処理を移す。
【0142】
図24から図26を参照して、ゲーム結果表示処理について説明する。図24は、ゲーム結果表示処理を示すフローチャートである。図25は、バカラゲームの勝敗が決定された時点での遊技部3の様子を示す図であり、図26は、ゲーム結果画像を示す図である。
【0143】
ステップS71において、CPU81は、勝敗判定を行う。具体的には、CPU81は、プレーヤ側及びバンカー側に配置されたカードの情報に基づいて、勝敗を判定する。
【0144】
勝敗判定の結果(ゲーム結果)は、「Player(プレーヤ役)」の勝利、又は「Banker(バンカー役)」の勝利、又は「Tie(引き分け)」のいずれかである。
【0145】
ステップS72において、CPU81は、ゲーム結果の映像をディーラ用ディスプレイに表示する。具体的には、CPU81は、図26に示すゲーム結果の映像をディーラ用ディスプレイ210に表示する。
【0146】
ここで、図25、図26を参照して、バカラゲームの勝敗が決定された時点での様子を説明する。
【0147】
図25は、図13に示したカード配置ナビゲート処理が終了し、図24のステップS71において、バカラゲームの勝敗が決定された時点での遊技部3の様子を示す図である。図25によると、4枚のカードがカード配置領域141〜144の各々に配置されている。ディーラ用ディスプレイ210の表示領域210aには、図26に示す、ゲーム結果画像が表示される。
【0148】
図26は、ゲーム結果画像を示す図であり、表示領域210bには、ゲーム結果が確定したので、「BET END」ボタン(操作入力ボタン214)を押すべきではないことをディーラにナビゲートする画像が表示される。表示領域210cには、今回のゲームの結果を表す画像が表示される。表示領域210dには、ベット可能な時間が0であり、ベット期間が終了していることが示されている。
【0149】
図24のステップS73において、CPU81は、ゲーム結果のデータを複数のステーションに送信する。具体的には、CPU81は、ゲーム結果のデータ(例えば、6対9でプレーヤ側の勝利であることを示すデータ)を複数のステーション4の各々に送信する。さらに、このゲーム結果のデータを受信したステーション4において、ステーション制御部110内のCPU111は、このゲーム結果のデータに基づいて、液晶駆動回路120を介してゲーム結果の映像を画像表示装置7に表示する。さらにまた、CPU111は、ベット数に基づいて払出しを行う。これらのことにより、各ステーション4では、ゲーム結果の映像が表示されると共に、ベット数に基づいて払出しが行われる。ステップS73の処理が終了すると、CPU81は、ゲーム結果表示処理を終了する。
【0150】
図27を参照して、履歴表示部91の表示について説明する。図27は、履歴表示部の表示画面に表示される画像の一例を示す図である。
【0151】
履歴表示部91の表示画面には、ゲーム履歴を表示するための表示領域91a,91b,91c,91d・・・が設定されている。表示領域91aには、今回のゲームから1つ前のゲームにおけるゲーム結果が表示される。表示領域91b,91c,91d・・・には、今回のゲームから2つ前、3つ前、4つ前・・・のゲームにおけるゲーム結果が表示される。
【0152】
表示領域91aの表示内容としては、4対9でプレーヤ側が勝利したことが示されている。表示領域91bの表示内容としては、5対9でプレーヤ側が勝利したことが示されている。表示領域91cの表示内容としては、8対6でバンカー側が勝利したことが示されている。表示領域91dの表示内容としては、2対2の引き分けであることが示されている。
【0153】
なお、履歴表示部91の周囲には、複数のLED発光体(図示せず)が配置されており、これらの複数のLED発光体は、ゲームの進行等に応じて様々な発光態様で発光する。
【0154】
以上、本実施形態について説明した。本実施形態では、バカラゲームの場合について説明したが、本発明においてはこれに限られず、ポーカー、ブラックジャック等のカードゲームでもよいし、カードゲーム以外のゲーム、例えば、SICBO等のダイスゲーム、ルーレットゲームであってもよい。
【0155】
本実施形態では、ディーラ用ディスプレイ210の表示領域210aにベット終了指示画像を表示することでディーラに操作入力ボタン214を操作するように指示をしたが、これに限られず、ディーラから視認可能な場所に(例えば、遊技部3等に)指示デバイスとしてのランプを設けて当該ランプの点灯により指示を行ってもよいし、操作入力ボタン214に指示デバイスとしてのLED発光体を設けて当該LED発光体の点灯により指示を行ってもよいし、操作入力ボタン214に、指示デバイスとして当該ボタンに機械的な変化(例えば、ボタンが上昇する等)を生じさせるデバイスを設けてもよい。
【0156】
特に、SICBOやルーレットにおいては、ディーラにカードの配置位置等の指示を出す必要がなく、操作入力ボタンのみでゲーム進行が可能なため、ディスプレイの設置を省略することができる。
【0157】
本実施形態では、カメラ20が撮影した画像データのうち、所定のフレームについて画像認識処理を行い、当該画像データのうち、カード配置領域141〜146部分の各領域と基準画像データにおけるカード配置領域141〜146部分とを比較して、異なる場合に、カードがカード配置領域141〜146に載置されたとして、認識処理や警告処理を行うとしたが、これに限らない。認識処理を行うタイミングとしては、例えば、基準画像データを予め取得すること無く、ある瞬間の画像データのフレームと、当該フレームの前のフレームとを比較して、その差分を判別し、差分があった場合に、認識処理を行うとしてもよい。カメラ20のリフレッシュレートに応じて取得した画像データのフレームと、その直前のフレームとを比較するので、常に最新の状況を反映させてリアルタイムで画像認識処理を行うことができる。例えば、カード配置領域141〜146内にキズや汚れが生じた場合には、基準画像データと常に異なることになるので、常時警告表示が出るなど、異常な動作が生じる可能性がある。しかし、このような場合であっても、その状態を反映させた状態で認識処理を行うので、処理を停止させること無く認識処理を継続することができる。
【0158】
また、カードシュー22にカードが取り出されたことを示すセンサを設け、CPU81がセンサからカードが引き出されたことをしめす検知信号を受信したことに応じて、画像認識処理を行うようにしてもよい。具体的には、センサを、カードシュー22の上側プレート226先端に配置する。このセンサは、例えば発光部と受光部とを対向するように配置させたフォトインタラプタ方式のセンサを使用する。具体的には、発光部の発光素子が発する光が常時受光部の受光素子に当たるように設けられており、受光素子から一定の出力電流が出力されている。ここへカードが通過すると、受光素子と発光素子間の光を遮るため、受光素子への入光が無くなり、受光素子が出力する出力電流も低下する。この出力電流の変化によりカードが取り出されたことを検知することができる。この場合、カードが受光部と発光部との間をカードが通る必要があることから、発光部又は受光部のいずれかを基台部225に埋め込むように配置させ、他方を上側プレート226から延長線上の位置に配置することが好ましい。その他、カードの通過に応じて押下されるスイッチによる検知等、既存のセンサや方式を使用するようにしてもよい。
これにより、ゲームが開始されて、実際にカードがカード配置領域141〜146に配置されているときにのみ画像認識処理を行うようにすることができるため、コントロールユニット2の処理負担を軽減させることができる。
【0159】
もしくは、カードシュー22にセンサを設ける場合には、センサの代わりもしくはこれに加えてスキャナを備え、カードシュー22から取り出されたカードをスキャンしてカードの情報(数値や絵柄等)をコントロールユニット2に送信するようにしてもよい。また、この場合、カードシュー22に設けられたスキャナにより得られたカードの情報に基づいて、図20の照合警告処理において、カードシュー22から取り出されたカードと、カード配置領域141〜146に載置されたカードとが同じものであるか否かを判別するようにしてもよい。
これにより、カードシュー22からカード配置領域141〜146に載置されるまでにカードがすり替えられる等の不正を防止することができる。
【0160】
本実施形態では、本発明におけるコントローラは、メイン制御部80が備えるCPU81と、ステーション4が備えるCPU111とから構成されている場合について説明したが、本発明におけるコントローラは、一のCPUのみにより構成されていてもよい。
【0161】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0162】
1 ゲーミングシステム
2 コントロールユニット
3 遊技部
4 ステーション
7 画像表示装置
20 カメラ
21a,21b スキャナ
22 カードシュー
35 タッチパネル
91a〜91d 表示領域
131 タイマ
141〜146 カード配置領域
151〜156 ランプ
210 ディーラ用ディスプレイ
210a〜210d 表示領域
212 カードリーダ
220 カード収納部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構成を備えるカードゲームを実行するゲーミングシステムであり、
複数のステーションと、
前記複数のステーションとゲームに関する情報の送受信を行い、前記ゲームの進行を制御するコントロールユニットと、
フラットな面を有し、前記カードゲームに使用されるカードのうち、前記ゲームの勝敗を判断するために必要な数のカードを配置する複数のカード配置領域を有する遊技部と、
遊技部におけるディーラが位置する側を前記複数のカード配置領域を含んで撮影し、撮影した画像データを前記複数のステーションでゲームするプレーヤに表示するために、前記コントロールユニットに送信する画像入力装置と、
前記カードゲームに使用されるカードを収納するカードシューと、
前記ゲームの進行に関するゲーム進行プログラムを記憶するとともに、前記遊技部のカード配置領域を撮影した画像と画像認識処理を行うための比較画像データとを記憶するメモリと、を備え、
前記コントロールユニットは、
以下の処理を実行するコントローラと、を備える。
(a)前記ゲーム進行プログラムに基づいて、前記カードゲームを開始させる処理、
(b)前記画像入力装置により撮影された前記カード配置領域の画像データと前記メモリに記憶された前記比較画像データとを比較する画像認識処理を実行する処理、
(c)前記画像認識処理の結果、前記カードを示す画像が含まれていた場合に、前記カードを示す画像の認識結果に基づいて、前記メモリに記憶された前記ゲーム進行プログラムに応じて、前記カードゲームのスコアを計算する処理。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーミングシステムであって、
前記(b)の処理において、前記画像認識処理を複数回行い、同じ認識結果である場合に、前記(c)の処理を行うことを特徴とするゲーミングシステム。
【請求項3】
下記構成を備えるカードゲームを実行するゲーミングシステムであり、
複数のステーションと、
前記複数のステーションとゲームに関する情報の送受信を行い、前記ゲームの進行を制御するコントロールユニットと、
フラットな面を有し、前記カードゲームに使用されるカードのうち、前記ゲームの勝敗を判断するために必要な数のカードを配置する複数のカード配置領域を有する遊技部と、
遊技部におけるディーラが位置する側を前記複数のカード配置領域を含んで撮影し、撮影した画像データを前記複数のステーションでゲームするプレーヤに表示するために、前記コントロールユニットに送信する画像入力装置と、
前記カードゲームに使用されるカードを収納するカードシューと、
前記ゲームの進行に関するゲーム進行プログラムを記憶するとともに、前記遊技部のカード配置領域を撮影した画像と画像認識処理を行うための比較画像データとを記憶するメモリと、
前記ディーラに対して前記ゲームの進行に関する情報を提示する指示デバイスと、を備え、
前記コントロールユニットは、
以下の処理を実行するコントローラと、を備える。
(a)前記ゲーム進行プログラムに基づいて、前記カードゲームを開始させ、前記カードシューからカードを引き出すことを前記指示デバイスに提示させる処理、
(b)前記画像入力装置により撮影された前記カード配置領域の画像データと前記メモリに記憶された前記比較画像データとを比較する画像認識処理を実行する処理、
(c)前記画像認識処理の結果、前記カードを示す画像が含まれていた場合に、前記カードを示す画像の認識結果に基づいて、前記メモリに記憶された前記ゲーム進行プログラムに応じて、前記カードゲームのスコアを計算する処理、
(d)前記(b)の処理において、前記カードを示す画像が含まれていない場合に、前記カードを示す画像の認識を複数回繰り返す処理、
(e)前記(c)の処理で計算したスコアに基づいて、前記カードを前記複数のカード領域のいずれかにさらに配置するか否かを決定する処理、
(f)前記(e)の処理においてカードをさらに配置すると決定した場合に、前記ゲーム進行プログラムに基づいて、前記カードシューからカードを引き出すことを前記指示デバイスに提示させる処理、
(g)前記(a)から前記(f)の処理を所定回数くりかえし、前記(e)の処理において、前記カードをさらに配置しないと決定した場合に、当該ゲームの勝敗を判断する処理、
(h)前記(c)の処理に基づいて、当該ゲームの結果を前記指示デバイスに提示させる処理。
【請求項4】
請求項3に記載のゲーミングシステムであって、
前記(d)の処理において、前記カードを示す画像の認識を所定回数繰り返しても、認識できない場合には、前記指示デバイスに認識できないことを提示させることを特徴とするゲーミングシステム。
【請求項5】
請求項3に記載のゲーミングシステムであって、
前記(b)及び(c)の処理を複数回繰り返し、各回において計算したスコアが同じスコアである場合に、前記(e)の処理を行うことを特徴とするゲーミングシステム。
【請求項6】
請求項3に記載のゲーミングシステムであり、
前記複数の基準画像データは、前記ゲームに使用されるカードの組ごとに、前記メモリに複数記憶されることを特徴とするゲーミングシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−4963(P2011−4963A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151232(P2009−151232)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【出願人】(507332387)アルゼゲーミングアメリカインク (176)
【Fターム(参考)】