説明

不正行為監視システム

【課題】 ゲーム機又は店舗サーバ全体の動作制御に必要な電力が供給されていない状態において、ゲーム機又は店舗サーバに対して不正が行われたか否かを監視することができるとともに、不正が行われたゲーム機における遊技又は店舗サーバの機能を停止することのできる不正行為監視システムを提供する。
【解決手段】 ゲーム機1の不正監視回路20は、メイン電源回路から電力が供給されていないときにバックアップ電源から電力が供給され、ゲーム機1に対する不正行為を監視し、メイン電源回路から電力が供給されたときに不正関連情報をセンタサーバ7に送信する。センタサーバ7は、ゲーム機1から送信された不正関連情報IMをセンタサーバデータベース75に格納するとともに、ゲーム機1に拒否応答信号を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム機又は店舗サーバに対する不正行為を監視するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のゲーム機が通信可能に接続された店舗サーバと、センタサーバとをインターネットを介して接続し、一の遊技場に設置されているゲーム機で遊技する遊技者同士、又は一の遊技場に設置されているゲーム機で遊技する遊技者と他の遊技場に設置されているゲーム機で遊技する遊技者との間で通信対戦し得るゲーム機が広く利用されている。このようなゲーム機は、従来、ゲーム機メーカー側から遊技場側にゲーム機及び店舗サーバを譲渡するという販売形式により提供されている。
【0003】
ところが、最近では、販売形式が多様化されているため、ゲーム機及び店舗サーバをレンタルするという形態で遊技場に提供することも考えられる。この場合に、ゲーム機メーカー(レンタル主)側と遊技場側との間で、レンタルしたゲーム機による売上げの一部をレンタル主の収益とする契約を交わすこともできるが、かかる契約の下では、レンタル主は、レンタルしたゲーム機による売上げを正確に把握する必要がある。例えば、ゲーム機における1回の遊技の対価が100円である場合、ゲーム機には100円硬貨が当該ゲーム機に投入された枚数をカウントする手段が備えられており、その投入枚数をゲーム機から店舗サーバを介してセンタサーバに送信することで、レンタル主は、サーバに送信された100円硬貨の投入枚数に基づいてゲーム機1台当たりの売上げを判断する。
【0004】
このような場合に、遊技場側において収益面の不正が行われると、レンタル主は損害を被ることになるため、レンタル主側において当該不正行為を監視する必要がある。例えば、ゲーム機に硬貨を投入することなく遊技し得るようにゲーム機の設定を変更して遊技者に遊技させるとともに、遊技場側は遊技者の遊技回数に応じて対価を受け取り、外観上はゲーム機への硬貨投入枚数が0枚であると装う等の不正が行われたり、硬貨の投入枚数に関するデータがセンタサーバに送信される前に当該データを改竄する等の不正が行われたりするおそれがある。また、店舗サーバとセンタサーバとを接続する通信回線を切断した状態で遊技者に遊技させ、硬貨投入枚数に関する情報をセンタサーバに送信させない等の不正が行われるおそれもある。このような不正は、一般に、ゲーム機又は店舗サーバに備えられたプリント基板に対して行われると考えられ、特に、ゲーム機又は店舗サーバの主電源を切断した状態で不正が行われることが多いと考えられるため、主電源切断中におけるゲーム機又は店舗サーバのプリント基板に対する不正行為の監視が必要となる。
【0005】
従来、遊技機の主電源が切断されている状態のときであっても、遊技機の基板に対する不正行為を監視し、遊技機の外部へ不正行為感知信号を送信することができる遊技機の基板不正監視装置(特許文献1参照)が提案されている。しかしながら、当該遊技機の基板不正監視装置においては、遊技機での不正行為を報知するに過ぎず、遊技機の主電源が投入されれば不正が行われた遊技機で遊技することができるため、遊技機に対する不正行為による被害を効果的に防止できるまでに至っていなかった。
【特許文献1】特開2004−305421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ゲーム機又は店舗サーバ全体の動作制御に必要な電力がゲーム機又は店舗サーバに供給されていないときに、ゲーム機又は店舗サーバに対して不正が行われたか否かを監視することができるとともに、ゲーム機又は店舗サーバ全体の動作制御に必要な電力がゲーム機又は店舗サーバに供給されたときに、不正が行われたゲーム機又は店舗サーバの機能を強制的に停止することのできる不正行為監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の不正行為監視システムは、サーバと通信可能に接続されたゲーム機に対する不正行為を監視するシステムであって、前記ゲーム機は、前記ゲーム機に対して不正が行われたか否かを監視する不正監視手段と、前記不正監視手段により不正が行われたと判断された場合に不正関連情報を記憶する記憶手段と、前記ゲーム機全体の動作制御に必要な電力がゲーム機に供給されていないときに、前記不正監視手段及び前記記憶手段に電力を供給する補助電源と、前記ゲーム機全体の動作制御に必要な電力がゲーム機に供給されたときに前記記憶手段に記憶された不正関連情報を前記サーバに送信する送信手段とを有し、前記サーバは、前記送信手段から送信された不正関連情報を受信する受信手段と、前記受信した不正関連情報に基づいて、不正が行われたゲーム機の機能を強制的に停止させるゲーム機機能停止手段を有することを特徴とする(請求項1)。
【0008】
上記発明(請求項1)によれば、ゲーム機全体の動作制御に必要な電力がゲーム機に供給されたときに、不正関連情報がサーバに送信されるため、サーバ側でゲーム機に対する不正行為を把握することができるとともに、ゲーム機に対して不正が行われた場合にサーバがゲーム機の機能を強制的に停止させることができるため、ゲーム機での不正行為による被害を自動的に、かつ効果的に防止することができる。
【0009】
上記発明(請求項1)において、前記ゲーム機は複数存在し、前記ゲーム機の記憶手段は、前記ゲーム機に固有の識別情報を記憶しており、前記ゲーム機の送信手段は、前記不正関連情報とともに前記識別情報を前記サーバに送信し、前記サーバは、前記複数のゲーム機と通信可能に接続されており、前記サーバは、前記ゲーム機の送信手段から送信された前記識別情報に基づき、不正が行われたゲーム機を特定するゲーム機特定手段を有することが好ましい(請求項2)。
【0010】
上記発明(請求項2)においては、サーバに複数のゲーム機が通信可能に接続されている場合であっても、サーバ側において不正が行われたゲーム機を特定することができるため、特定されたゲーム機の機能を強制的に停止させることができる。したがって、ゲーム機での不正行為による被害を自動的に、かつ効果的に防止することができるとともに、不正が行われていないゲーム機による売上げを確保することができる。
【0011】
上記発明(請求項1,2)において、前記サーバは、前記ゲーム機での遊技に用いる遊技関連データを記憶する記憶手段と、前記遊技関連データを前記ゲーム機に送信する送信手段とを有しており、前記ゲーム機の送信手段は、遊技関連データの送信を要求する信号を前記サーバに送信し、前記サーバの送信手段は、前記ゲーム機の送信手段から送信された信号に基づいて、前記遊技関連データを前記ゲーム機に送信することが好ましい(請求項3)。
【0012】
ゲーム機で不正が行われたとしてもゲーム機とサーバとを接続する通信回線が遮断されていれば、サーバ側でゲーム機での不正行為を把握することができないが、上記発明(請求項3)によれば、ゲーム機とサーバとの間の通信回線が接続されてない限りゲーム機で遊技をするために用いるデータを取得することができないため、ゲーム機で不正が行われたとしても、そのゲーム機で遊技をする際に必ずサーバに不正関連情報が送信されることになり、ゲーム機での不正行為による被害を自動的に、かつ効果的に防止することができる。
【0013】
なお、サーバは、ゲーム機の送信手段から送信された不正関連情報を格納するデータベースをさらに有していてもよい。これにより、サーバのデータベースにゲーム機での不正行為をログとして保存することができ、ゲーム機での不正行為を容易に把握することができる。
【0014】
また、本発明の不正行為監視システムは、遊技店舗に少なくとも1台設置されたゲーム機と通信可能に接続されるとともに、センタサーバと通信可能に接続された店舗サーバに対する不正行為を監視するシステムであって、前記店舗サーバは、前記店舗サーバに対して不正が行われたか否かを監視する不正監視手段と、前記不正監視手段により不正が行われたと判断された場合に不正関連情報を記憶する記憶手段と、前記店舗サーバ全体の動作制御に必要な電力が店舗サーバに供給されていないときに、前記不正監視手段及び前記記憶手段に電力を供給する補助電源と、前記店舗サーバ全体の動作制御に必要な電力が店舗サーバに供給されたときに、前記不正関連情報を前記センタサーバに送信する送信手段とを有し、前記センタサーバは、不正が行われた店舗サーバの機能を強制的に停止させるサーバ機能停止手段を有することを特徴とする(請求項4)。
【0015】
上記発明(請求項4)によれば、店舗サーバ全体の動作制御に必要な電力が店舗サーバに供給されたときに、不正関連情報がセンタサーバに送信されるため、センタサーバ側で店舗サーバに対する不正行為を監視することができるとともに、店舗サーバに対して不正が行われた場合にセンタサーバが店舗サーバのサーバ機能を強制的に停止させることができるため、店舗サーバでの不正行為による被害を自動的に、かつ効果的に防止することができる。
【0016】
上記発明(請求項4)において、前記店舗サーバは複数存在し、前記店舗サーバの記憶手段は、前記店舗サーバに固有の識別情報を記憶しており、前記店舗サーバの送信手段は、前記不正関連情報と前記識別情報とを前記センタサーバに送信し、前記センタサーバは、前記複数の店舗サーバと通信可能に接続されており、前記センタサーバは、前記店舗サーバの送信手段から送信された前記識別情報に基づき、不正が行われた店舗サーバを特定する特定手段を有することが好ましい(請求項5)。
【0017】
上記発明(請求項5)によれば、センタサーバに複数の店舗サーバが通信可能に接続されている場合であっても、センタサーバ側において不正が行われた店舗サーバを特定することができるとともに、特定された店舗サーバの機能を強制的に停止させることができるため、店舗サーバでの不正行為による被害を自動的に、かつ効果的に防止することができるとともに、不正が行われていない店舗サーバに接続されているゲーム機による売上げを確保することができる。
【0018】
上記発明(請求項4,5)において、前記センタサーバは、前記ゲーム機での遊技に用いる遊技関連データを記憶する記憶手段と、前記遊技関連データを前記店舗サーバに送信する送信手段とを有しており、前記店舗サーバの送信手段は、前記ゲーム機から送信された遊技関連データの送信を要求する信号を前記センタサーバに送信し、前記センタサーバの送信手段は、前記店舗サーバから送信された遊技関連データの送信を要求する信号に基づいて、前記遊技関連データを店舗サーバに送信し、前記店舗サーバの送信手段は、前記センタサーバから送信された遊技関連データを前記ゲーム機に送信することが好ましい(請求項6)。
【0019】
店舗サーバで不正が行われたとしても店舗サーバとセンタサーバとを接続する通信回線が遮断されていれば、センタサーバ側で店舗サーバでの不正行為を把握することができないが、上記発明(請求項6)によれば、店舗サーバとセンタサーバとの間の通信回線を接続しておかない限り店舗サーバに接続されたゲーム機で遊技をすることができないため、店舗サーバで不正が行われたとしても、その店舗サーバに接続されたゲーム機で遊技をする際に必ずセンタサーバに不正関連情報が送信されることになり、店舗サーバでの不正行為による被害を自動的に、かつ効果的に防止することができる。
【0020】
なお、センタサーバは、店舗サーバから送信された不正関連情報を格納するデータベースをさらに有していてもよい。このように、センタサーバがデータベースを有していると、店舗サーバに対する不正関連情報をログとして保存することができ、店舗サーバに対する不正行為を容易に把握することができる。
【0021】
ゲーム機又は店舗サーバに対する不正は、ゲーム機又は店舗サーバに備えられているプリント基板(PCB;Printed Circuit Board)、当該プリント基板に搭載されたメモリ、プリント基板同士を接続するケーブル等に対して行われることが多いため、不正監視手段は、例えば、ゲーム機又は店舗サーバに備えられているプリント基板が収容されたPCBボックスの開閉又は取外し、プリント基板に搭載されたメモリ(コンパクトフラッシュ(登録商標)等)の取外し、又はIDE(Integrated Drive Electronics)ケーブルの取外し等の行為を監視する。不正関連情報とは、これらの不正行為に関連する情報をいい、不正関連情報には、不正の発生、ゲーム機又は店舗サーバに対して行われた不正の種類(不正行為の対象物)、不正が行われた日時等に関する情報が含まれる。
【0022】
遊技関連データには、ゲーム機での遊技処理に不可欠なデータ(例えば、ゲームプログラムデータ、ゲーム進行に用いる乱数発生用プログラムデータ等)、ゲーム機における遊技者の遊技履歴データ(例えば、遊技者がゲーム機での遊技において使用したキャラクタのパラメータデータ等)等が含まれる。
【0023】
ゲーム機機能停止手段には、ゲーム機の機能を直接的に停止させる手段及びゲーム機の機能を間接的に停止させる手段が含まれる。ゲーム機の機能を直接的に停止させる手段としては、例えば、ゲーム機における遊技処理を停止させる手段等が挙げられる。ゲーム機で不正が行われると、この手段によりサーバからゲーム機に送信された遊技処理停止プログラムデータがゲーム機において実行されて、ゲーム機における遊技処理が停止される。ゲーム機の機能を間接的に停止させる手段としては、例えば、遊技関連データをサーバからゲーム機に送信させないようにする手段、ゲーム機からサーバへのアクセスを拒否する手段等が挙げられる。ゲーム機で不正が行われると、これらの手段によりサーバからゲーム機に遊技関連データが送信されないようにしてゲーム機での遊技を不可能にさせたり、特にキャラクタを育成させるゲームであれば、遊技者が過去にゲーム機での遊技において使用したキャラクタのパラメータデータが送信されないようにしてゲーム機での遊技の面白みを半減させたりし、ゲーム機とサーバとを接続せざるを得ない状態にする。
【0024】
サーバ機能停止手段には、店舗サーバの機能を直接的に停止させる手段及び店舗サーバの機能を間接的に停止させる手段が含まれる。店舗サーバの機能を直接的に停止させる手段としては、例えば、店舗サーバにおけるデータの送受信を停止させる手段等が挙げられる。店舗サーバで不正が行われると、この手段によりセンタサーバから店舗サーバに送信されたサーバ機能停止プログラムデータが実行されて、店舗サーバにおけるデータの送受信が停止される。店舗サーバの機能を間接的に停止させる手段としては、例えば、遊技関連データをセンタサーバから店舗サーバに送信させないようにする手段、店舗サーバからセンタサーバへのアクセスを拒否する手段等が挙げられる。店舗サーバで不正が行われると、これらの手段によりセンタサーバから店舗サーバに遊技関連データが送信されないようにして店舗サーバに通信可能に接続されるゲーム機での遊技を不可能にさせたり、特にキャラクタを育成させるゲームであれば、遊技者が過去にゲーム機での遊技において使用したキャラクタのパラメータデータが送信されないようにしてゲーム機での遊技の面白みを半減させたりし、ゲーム機とサーバとを接続せざるを得ない状態にする。
【発明の効果】
【0025】
本発明の不正行為監視システムによれば、ゲーム機又は店舗サーバ全体の動作制御に必要な電力がゲーム機又は店舗サーバに供給されたときに、不正関連情報がセンタサーバに送信されるため、センタサーバ側でゲーム機又は店舗サーバに対する不正行為を把握することができるとともに、ゲーム機又は店舗サーバに対して不正が行われた場合にセンタサーバがゲーム機又は店舗サーバの機能を強制的に停止させることができるため、ゲーム機又は店舗サーバでの不正行為による被害を自動的に、かつ効果的に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態に係る不正行為監視システムについて、図面に基づいて説明する。まず、本実施形態に係る不正行為監視システムの概略構成を説明する。図1は、本実施形態に係る不正行為監視システムを備えたゲームシステムの構成図である。
【0027】
図1に示すように、本実施形態に係る不正行為監視システムを備えたゲームシステムは、複数台のゲーム機1と、当該複数台のゲーム機1と専用回線2を介して通信可能に接続された店舗サーバ3と、ルータ4、通信回線5及びインターネット6を介して店舗サーバ3と通信可能に接続されたセンタサーバ7とを有しており、ゲーム機1、店舗サーバ3及びルータ4は、遊技店舗A及び遊技店舗Bのそれぞれに設置されている。
【0028】
ゲーム機1は、遊技者による所定の操作に基づいてゲームを進行する。例えば、遊技者がゲーム機1に遊技媒体である硬貨を投入した後にSTARTボタンを押下すると、遊技者のゲーム履歴データ(例えば、遊技者が過去にゲーム機1でのゲームにおいて使用したキャラクタのパラメータデータ等)等のゲーム関連データを要求するゲーム関連データ要求信号が店舗サーバ3を介してセンタサーバ7に送信され、当該信号に基づいて、ゲーム関連データがセンタサーバ7から店舗サーバ3に送信され、その後店舗サーバ3からゲーム機1に送信され、ゲーム機1での遊技が可能となる。また、他のゲーム機1から店舗サーバ3を介してゲーム関連データがゲーム機1に送信され、ゲーム機1で遊技する遊技者同士で通信対戦をすることができる。ゲーム機1には、それぞれ固有のマシンIDが対応付けられており、マシンIDには、ゲーム機1が接続されている店舗サーバ3ごとのコードとゲーム機1ごとのコードとが含まれている。例えば、遊技店舗Aに設置されている店舗サーバ3のコードが「a1」であって、遊技店舗Aに設置されているゲーム機1のコードが「1」である場合、このゲーム機1のマシンIDは「a11」である。したがって、マシンIDに基づいて、ゲーム機1と、当該ゲーム機1が通信可能に接続されている店舗サーバ3とを特定することができる。なお、本実施形態においては、店舗サーバ3に接続されているゲーム機1は8台であるが、これに限定されるものではなく、少なくとも1台のゲーム機1が店舗サーバ3に接続されていればよい。
【0029】
店舗サーバ3は、専用回線2を介して複数のゲーム機1と通信可能に接続されるとともに、ルータ4、通信回線5及びインターネット6を介してセンタサーバ7と通信可能に接続されており、ゲーム機1とセンタサーバ7との間のデータの送受信、ゲーム機1とゲーム機1との間のデータの送受信等を行う。例えば、ゲーム機1から送信されたゲーム関連データ等を受信しセンタサーバ7に送信したり、センタサーバ7から送信されたゲーム関連データ等を受信しゲーム機1に送信したり、ゲーム機1から送信されたゲーム関連データ等を受信し他のゲーム機1に送信したりする。店舗サーバ3には、それぞれ固有のサーバIDが対応付けられており、サーバIDは、店舗サーバ3のコードから構成される。例えば、遊技店舗Aに設置されている店舗サーバ3のコードが「a1」である場合、この店舗サーバ3のサーバIDは「a1」である。なお、本実施形態において、遊技店舗Aには1台の店舗サーバ3が設置され、遊技店舗Bには2台の店舗サーバ3が設置されているが、遊技店舗における店舗サーバの設置台数は限定されるものではなく、例えば、ゲームの種類に応じて店舗サーバ3の台数を増減させてもよいし、遊技店舗におけるゲーム機1の設置台数に応じて店舗サーバ3の台数を増減させてもよい。
【0030】
センタサーバ7は、各遊技店舗A,Bに設置された店舗サーバ3と、ルータ4、通信回線5及びインターネット6を介して通信可能に接続されており、ゲーム機1でゲームするために用いるゲーム関連データを有している。ゲーム関連データとしては、例えば、ゲーム機1における遊技者のゲーム履歴データ(例えば、遊技者がゲーム機1でのゲームにおいて使用したキャラクタのパラメータデータ等)、各種画像データ等が挙げられる。センタサーバ7は、店舗サーバ3を介してゲーム機1とデータ等の送受信を行うことにより、ゲーム機1からの要求に従ってゲーム関連データ等を店舗サーバ3に送信したり、同一のプレーフィールドでゲームを行う遊技者を決定したりする。また、センタサーバ7は、不正が行われたゲーム機1又は店舗サーバ3からのアクセスを拒否する旨の拒否応答信号を有している。
【0031】
次に、本実施形態に係る不正行為監視システムを備えたゲームシステムにおけるゲーム機1、店舗サーバ3及びセンタサーバ7の内部構成を説明する。図2は、ゲーム機1の内部構成を示すブロック図であり、図3は、不正監視回路20,36を示すブロック図であり、図4は、店舗サーバ3の内部構成を示すブロック図であり、図5は、センタサーバ7の内部構成を示すブロック図である。
【0032】
図2に示すように、ゲーム機1は、メインCPU(Central Processing Unit)11、メインROM(Read Only Memory)12及びメインRAM(Random Access Memory)13を有するマイクロコンピュータ10と、記憶装置14と、操作スイッチ15と、画像制御回路16と、液晶ディスプレイ16aと、音声制御回路17と、スピーカ17aと、コインセンサ18と、コインカウンタ18aと、通信インターフェイス19と、不正監視回路20と、読取ユニット21とを備える。マイクロコンピュータ10及び記憶装置14は、一つのプリント基板(PCB)に搭載されており、当該プリント基板は、PCBボックスに収容され、外部から触れることができないようになっている。
【0033】
ゲーム機1には、外部電源と接続され、ゲーム機1全体の制御動作に必要な電力を供給するメイン電源回路が備えられているとともに、メイン電源回路から電力が供給されていないときに不正監視回路20に電力を供給するバックアップ電源が備えられている。メイン電源回路から不正監視回路20に電力が供給されているときには、メイン電源回路から不正監視回路20への電力の供給が優先され、バックアップ電源はメイン電源回路からの電力の供給により充電される。バックアップ電源としては、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等の二次電池を用いることができる。
【0034】
メインCPU11は、メインROM12に記憶されたプログラムに従って作動し、ゲーム機1の筐体に設けられた各構成要素との間で信号の入出力を行い、ゲーム機1全体の動作制御を行う。メインROM12には、メインCPU11が実行する制御プログラム、恒久的なデータ、ゲーム機1に固有のマシンID等が記憶されている。
【0035】
メインRAM13には、メインCPU11が作動する際に用いるデータ、プログラム等が一時的に記憶される。メインRAM13には、例えば、センタサーバ7から送信された遊技者のゲーム履歴データ(例えば、遊技者が過去にゲーム機1での遊技において使用したキャラクタのパラメータデータ等)等が一時的に記憶される。
【0036】
記憶装置14には、メインCPU11が作動する際に用いるデータ、ゲームプログラムデータ、ゲーム進行に用いる乱数発生用プログラムデータ等が記憶されている。記憶装置14に記憶されているデータ等のうち、メインCPU11が実行しようとする制御処理に必要なデータ等が呼び出されてメインRAM13に一時的に記憶される。また、記憶装置14には、遊技媒体としての硬貨がゲーム機1に投入され、コインカウンタ18aから出力された硬貨投入枚数情報が記憶される。本実施形態における記憶装置14は、ゲーム機1から着脱可能な記憶媒体であってもよい。着脱可能な記憶媒体としては、例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、半導体メモリ等が挙げられる。
【0037】
操作スイッチ15は、各種ボタンを押下したり、操作レバーを操作したりすることにより入力された信号をメインCPU11に出力する。メインCPU11は、操作スイッチ15から出力された信号に基づいて、ゲーム機1におけるゲームの進行を決定したり、液晶ディスプレイ16aに画像を表示させるための信号を画像制御回路16に出力したりする。
【0038】
画像制御回路16は、画像制御CPU、ワークRAM、プログラムROM、画像ROM、ビデオRAM及びVDP(Video Display Processor)を有する。画像制御回路16は、液晶ディスプレイ16aにおける画像表示を制御して、各種画像を液晶ディスプレイ16aに表示させる。
【0039】
画像制御CPUは、プログラムROMに記憶されている画像制御プログラムに従って作動し、液晶ディスプレイ16aに表示される画像を決定する。プログラムROMには、画像制御プログラム、各種選択テーブル等が記憶されている。プログラムROMには、例えば、メインCPU11の指示に従って、画像ROMに記憶されている画像データの中から、所定の画像データを選択し、選択した画像データに基づく画像を液晶ディスプレイ16aに表示させるためのプログラム、メインCPU11の指示に従って、画像データを生成するためのプログラム等が記憶されている。画像ROMには、ゲーム機1におけるゲーム進行に関連する画像データ、文字画像データ、画像を形成するためのドットデータ等が記憶されている。ビデオRAMは、VDPにより画像を形成するときの一時記憶手段として構成されている。VDPは、制御RAMを有し、画像制御CPUで決定された液晶ディスプレイ16aの表示内容に応じた画像を形成し、その形成された各画像を液晶ディスプレイ16aに出力する。
【0040】
音声制御回路17は、音声制御CPUと、音声ROMと、音声RAMとを有しており、スピーカ17aから音声を出力するための音声信号を生成し、その音声信号をスピーカ17aに入力し、スピーカ17aから音声を出力させる。音声制御CPUは、音声ROMに記憶されている音声制御プログラムに従って作動し、スピーカ17aから出力される音声を決定する。音声ROMには、音声制御プログラム、各種選択テーブル等とともに、ゲーム機1におけるゲーム進行に関連する音声データが記憶されている。
【0041】
コインセンサ18は、ゲーム機1の筐体に設けられたコイン投入口から遊技媒体である硬貨が投入されると、硬貨が投入されたことを検出して硬貨検出信号をメインCPU11に出力する。また、コインセンサ18は、硬貨検出信号をコインカウンタ18aに出力し、コインカウンタ18aは硬貨投入枚数を計数し、硬貨投入枚数情報をメインCPU11に出力する。硬貨投入枚数情報は、メインCPU11の指示に従い、記憶装置14に記憶される。
【0042】
読取ユニット21は、メインCPU11の指示に従い、遊技者が所有する記憶媒体に記憶された遊技者に固有のプレイヤIDを読み取り、メインCPU11に出力する。記憶媒体としては、例えば、ICタグが内蔵されたフィギュア、カード等が挙げられ、ICタグのメモリに遊技者に固有のプレイヤIDが記憶されている。メインCPU11に出力されたプレイヤIDは、メインRAM13に一時的に記憶され、店舗サーバ3を介してゲーム関連データ要求信号とともにセンタサーバ7に送信される。
【0043】
通信インターフェイス19は、メインCPU11の指示に従って、専用回線2を通じて店舗サーバ3とデータ等の送受信を行う。通信インターフェイス19は、メインCPU11の指示に従い、ゲーム関連データ要求信号、遊技者のゲーム履歴データ(例えば、遊技者がゲーム機1での遊技において使用したキャラクタのパラメータデータ等)、プレイヤID等を店舗サーバ3に送信したり、店舗サーバ3から送信された遊技者のゲーム履歴データ(例えば、遊技者が過去にゲーム機1での遊技において使用したキャラクタのパラメータデータ等)、拒否応答信号等を受信したりする。また、通信インターフェイス19は、メインCPU11の指示に従い、硬貨投入枚数情報を店舗サーバ3に送信する。ゲーム関連データ要求信号に基づいてセンタサーバ7から店舗サーバ3を介して送信され、通信インターフェイス19により受信されたゲーム履歴データ(例えば、遊技者が過去にゲーム機1での遊技において使用したキャラクタのパラメータデータ等)、拒否応答信号等は、メインRAM13に一時的に記憶され、メインRAM13に記憶された各種データ等に基づいて、メインCPU11により各種処理が実行される。
【0044】
図3に示すように、不正監視回路20は、監視CPU201、監視ROM202、監視RAM203及び磁気センサ204を有する。磁気センサ204は、ゲーム機1に対して不正が行われると、その不正行為を検出して、不正行為検出信号を監視CPU201に出力する。磁気センサ204は、PCBボックスの位置のずれ、PCBボックスの開閉、PCBボックスの取外し、プリント基板に搭載された記憶装置(コンパクトフラッシュ(登録商標)等)14の取外し又はIDEケーブルの取外し等の行為による磁界の変化を感知することができる部位のそれぞれに設置されている。磁気センサ204によりこれらの行為が感知されると、磁気センサ204から監視CPU201に不正行為検出信号が出力される。
【0045】
監視CPU201は、監視ROM202に記憶された制御プログラムに従い、ゲーム機1に対して不正が行われたか否かを監視する。不正監視回路20は、メイン電源回路から電力が供給されるように構成されているとともに、バックアップ電源からも電力が供給されるように構成されているため、メイン電源回路から電力が供給されているときはもちろん、メイン電源回路から電力が供給されていないときであってもゲーム機1に対して不正が行われたか否かを監視することができる。
【0046】
監視ROM202には、監視CPU201が実行する制御プログラム、恒久的なデータ等が記憶されている。
【0047】
監視RAM203には、監視CPU201が作動する際に用いるデータ、プログラム等が記憶される。磁気センサ204から不正行為検出信号が出力されると、監視CPU201により、不正行為の発生、不正行為の種類及び不正が行われた時間に関する情報を含む、ゲーム機1に対する不正関連情報IMが生成され、監視RAM203に一時的に記憶される。不正行為の種類としては、PCBボックスの位置のずれ、PCBボックスの開閉、PCBボックスの取外し、プリント基板に搭載された記憶装置(コンパクトフラッシュ(登録商標)等)14の取外し又はIDEケーブルの取外し等が挙げられる。
【0048】
図4に示すように、店舗サーバ3は、店舗サーバCPU31、店舗サーバROM32及び店舗サーバRAM33を有する制御部30と、記憶装置34と、通信インターフェイス35と、不正監視回路36とを備える。制御部30は、一つのプリント基板(PCB)に搭載されており、当該プリント基板は、PCBボックスに収容され、外部から触れることができないようになっている。
【0049】
店舗サーバ3には、外部電源と接続され、店舗サーバ3全体の制御動作に必要な電力を供給するメイン電源回路が備えられているとともに、メイン電源回路から電力が供給されていないときに不正監視回路36に電力を供給するバックアップ電源が備えられている。メイン電源回路から不正監視回路36に電力が供給されているときには、メイン電源回路から不正監視回路36への電力の供給が優先され、バックアップ電源はメイン電源回路からの電力の供給により充電される。バックアップ電源としては、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等の二次電池を用いることができる。
【0050】
店舗サーバCPU31は、店舗サーバROM32に記憶されているプログラムに従って作動し、店舗サーバ3全体の動作制御を行う。店舗サーバCPU31は、店舗サーバ3に接続されているゲーム機1から送信された硬貨投入枚数情報に基づいて、店舗サーバ3に接続されているすべてのゲーム機1に投入された硬貨の枚数を集計した硬貨投入枚数集計情報を生成し、記憶装置34に記憶する。
【0051】
店舗サーバROM32には、店舗サーバCPU31が実行する制御プログラム、恒久的なデータ、店舗サーバ3に固有のサーバID等が記憶されている。
【0052】
店舗サーバRAM33は、ゲーム機1から送信されたゲーム関連データ要求信号、ゲーム履歴データ(例えば、遊技者がゲーム機1での遊技において使用したキャラクタのパラメータデータ等)、プレイヤID、ゲーム機1に対する不正関連情報IM、センタサーバ7から送信されたゲーム履歴データ(例えば、遊技者が過去にゲーム機1での遊技において使用したキャラクタのパラメータデータ等)、拒否応答信号等を記憶する。また、店舗サーバRAM33は、店舗サーバ3に接続されている各ゲーム機1から送信された硬貨投入枚数情報を一時的に記憶する。各ゲーム機1の硬貨投入枚数は、店舗サーバCPU31の指示に従って集計され、店舗サーバ3に接続されたすべてのゲーム機1における硬貨投入枚数集計情報が生成される。
【0053】
記憶装置34には、店舗サーバCPU31が作動する際に用いるデータ、プログラム等が記憶されている。記憶装置34に記憶されているデータ、プログラム等のうち、店舗サーバCPU31が実行しようとする制御処理に必要なデータ、プログラム等が呼び出されて店舗サーバRAM33に一時的に記憶される。また、記憶装置34には、店舗サーバCPU31により生成された硬貨投入枚数集計情報が記憶される。本実施形態における記憶装置34は、店舗サーバ3から着脱可能な記憶媒体であってもよい。着脱可能な記憶媒体としては、例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、CD、DVD、半導体メモリ等が挙げられる。
【0054】
通信インターフェイス35は、店舗サーバCPU31の指示に従い、専用回線2を通じてゲーム機1とのゲーム関連データ等の送受信をしたり、ルータ4、通信回線5及びインターネット6を介してセンタサーバ7又は他の遊技店舗に設置されている店舗サーバ3とのゲーム関連データ等の送受信をしたりする。通信インターフェイス35は、ゲーム機1から送信されたゲーム関連データ要求信号、ゲーム履歴データ(例えば、遊技者がゲーム機1での遊技において使用したキャラクタのパラメータデータ等)、プレイヤID、ゲーム機1に対する不正関連情報IM等をセンタサーバ7に送信したり、センタサーバ7から送信されたゲーム履歴データ(例えば、遊技者が過去にゲーム機1での遊技において使用したキャラクタのパラメータデータ等)、拒否応答信号等をゲーム機1に送信したりする。また、通信インターフェイス35は、店舗サーバCPU31の指示に従い、硬貨投入枚数集計情報をセンタサーバ7に送信する。さらに、ゲーム機1から送信されたゲーム関連データを他のゲーム機1に送信する。
【0055】
図3に示すように、不正監視回路36は、監視CPU361、監視ROM362、監視RAM363及び磁気センサ364を備える。磁気センサ364は、店舗サーバ3に対して不正が行われると、その不正行為を検出して、不正行為検出信号を監視CPU361に出力する。磁気センサ364は、PCBボックスの位置のずれ、PCBボックスの開閉、PCBボックスの取外し、プリント基板に搭載された記憶装置(コンパクトフラッシュ(登録商標)等)34の取外し又はIDEケーブルの取外し等の行為による磁界の変化を感知することができる部位のそれぞれに設置されている。磁気センサ364によりこれらの行為が感知されると、磁気センサ364から監視CPU361に不正行為検出信号が出力される。
【0056】
監視CPU361は、監視ROM362に記憶された制御プログラムに従い、店舗サーバ3に対して不正が行われたか否かを監視する。監視ROM362には、監視CPU361が実行する制御プログラム、恒久的なデータ等が記憶されている。
【0057】
監視RAM363には、監視CPU361が作動する際に用いるデータ、プログラム等が記憶される。磁気センサ364から不正行為検出信号が出力されると、監視CPU361により、不正行為の種類及び不正が行われた時間に関する情報を含む、店舗サーバ3に対する不正関連情報ISが生成され、監視RAM363に一時的に記憶される。不正行為の種類としては、PCBボックスの位置のずれ、PCBボックスの開閉、PCBボックスの取外し、プリント基板に搭載された記憶装置(コンパクトフラッシュ(登録商標)等)34の取外し又はIDEケーブルの取外し等が挙げられる。
【0058】
図5に示すように、センタサーバ7は、センタサーバCPU72、センタサーバROM73及びセンタサーバRAM74を有する制御部71と、センタサーバデータベース75と、ゲームデータベース76と、通信インターフェイス77と、記憶装置78とを備える。
【0059】
センタサーバCPU72は、センタサーバROM73に記憶されている制御プログラムに従って作動し、センタサーバ7全体の動作制御を行う。ゲーム機1に対する不正関連情報IM又は店舗サーバ3に対する不正関連情報ISが店舗サーバ3からセンタサーバ7に送信されると、センタサーバCPU72の指示に従い、不正が行われたゲーム機1又は店舗サーバ3からのアクセスを拒否する旨の拒否応答信号が店舗サーバ3に送信される。センタサーバROM73には、センタサーバCPU72が実行する制御プログラム、恒久的なデータ等が記憶されている。
【0060】
センタサーバRAM74には、店舗サーバ3から送信されたゲーム機1に対する不正関連情報IM、ゲーム関連データ要求信号、硬貨投入枚数集計情報、店舗サーバ3に対する不正関連情報IS、ゲーム履歴データ(例えば、遊技者がゲーム機1でのゲームにおいて使用したキャラクタのパラメータデータ等)、プレイヤID、拒否応答信号等が記憶される。
【0061】
記憶装置78には、センタサーバ7と店舗サーバ3との間のゲーム関連データ等の送受信を行うためのプログラム、不正が行われたゲーム機1、店舗サーバ3からのアクセスを拒否する旨の拒否応答信号を店舗サーバ3に送信するためのプログラム等が記憶されている。
【0062】
センタサーバデータベース75には、ゲーム機1に対する不正関連情報IM、店舗サーバ3に対する不正関連情報IS、マシンID、サーバID、硬貨投入枚数集計情報等が格納される。不正関連情報IM,ISは、センタサーバCPU72により、マシンID又はサーバIDと関連付けられてセンタサーバデータベース75に格納される。
【0063】
ゲームデータベース76には、プレイヤIDと関連付けられたゲーム履歴データ(例えば、遊技者が過去にゲーム機1でのゲームで使用したキャラクタのパラメータデータ等)等が格納されている。当該ゲーム履歴データは、遊技者がゲーム機1でゲームを行うと、ゲーム機1から店舗サーバ3を介してセンタサーバ7に最新のゲーム履歴データが送信され、ゲームデータベース76には、センタサーバCPU71の指示に従い、最新のゲーム履歴データが格納される。
【0064】
通信インターフェイス77は、店舗サーバ3から送信されたゲーム機1に対する不正関連情報IM、店舗サーバ3に対する不正関連情報IS、ゲーム関連データ要求信号、ゲーム履歴データ(例えば、遊技者がゲーム機1での遊技で使用したキャラクタのパラメータデータ等)、プレイヤID等を受信する。また、通信インターフェイス77は、センタサーバCPU72の指示に従い、ゲーム履歴データ(例えば、遊技者が過去にゲーム機1でのゲームで使用したキャラクタのパラメータデータ等)、拒否応答信号等を店舗サーバ3に送信する。
【0065】
次に、本実施形態に係る不正行為監視システムにおける不正行為監視処理動作を説明する。図6は、本実施形態に係る不正行為監視システムを備えたゲームシステムにおいて、ゲーム機1に対して不正が行われた場合の不正行為監視処理動作を示すフローチャートであり、図7は、店舗サーバ3に対して不正が行われた場合の不正行為監視処理動作を示すフローチャートである。
【0066】
まず、ゲーム機1に対して不正が行われた場合の不正行為監視処理動作を説明する。なお、本実施形態において、ゲーム機1での不正行為として、PCBボックスの取外し行為を一例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0067】
ゲーム機1において、ゲーム機1のメイン電源回路からの電力の供給が切断されると、バックアップ電源から不正監視回路20に電力が供給される。これにより、メイン電源回路からの電力の供給が切断された状態にあっても、不正監視回路20によりゲーム機1に対する不正行為が監視される。
【0068】
図6に示すように、ゲーム機1の不正監視回路20が不正行為を監視し得る状態において、遊技店舗A,Bに設置されているゲーム機1のPCBボックスが取り外されると、磁気センサ204がPCBボックスの取外し行為に伴う磁界の変化を感知し、当該行為を検出する(SM1)。磁気センサ204は、PCBボックスの取外し行為を検出すると、監視CPU201に不正行為検出信号を出力する(SM2)。監視CPU201は、磁気センサ204から出力された不正行為検出信号に基づき、不正の発生、不正行為の種類及び不正行為の時間情報を含む不正関連情報IMを生成する(SM3)。監視RAM203は、監視CPU201により生成された不正関連情報IMを一時的に記憶する(SM4)。不正関連情報IMは、ゲーム機1のメイン電源回路からゲーム機1全体に電力が供給されるまで、店舗サーバ3に送信されることなく監視RAM203に記憶される。
【0069】
ゲーム機1のメイン電源回路からゲーム機1全体に電力が供給されると(SM5)、ゲーム機1の通信インターフェイス19は、メインCPU11の指示に従い、監視RAM203に記憶された不正関連情報IMを、メインROM12に記憶されているマシンIDとともに、店舗サーバ3に送信する(SM6)。なお、ゲーム機1のメイン電源回路からゲーム機1全体に電力が供給されたときに店舗サーバ3の通信インターフェイス35が通信不可能な状態である場合は、その後に通信インターフェイス35が通信可能な状態になったときにマシンID及びゲーム機1に対する不正関連情報IMを店舗サーバ3に送信する。例えば、店舗サーバ3のメイン電源回路から店舗サーバ3全体に電力が供給されておらず、通信インターフェイス35が通信不可能な状態である場合は、店舗サーバ3のメイン電源回路から店舗サーバ3全体に電力が供給されて通信インターフェイス35が通信可能な状態になるまで、ゲーム機1は店舗サーバ3にマシンID及び不正関連情報IMを定期的に送信し続ける。
【0070】
店舗サーバ3は、ゲーム機1から送信されたマシンID及び不正関連情報IMを受信すると(SS1)、店舗サーバRAM33にマシンID及び不正関連情報IMを一時的に記憶する(SS2)。店舗サーバ3の通信インターフェイス35は、店舗サーバCPU31の指示に従い、店舗サーバRAM33に記憶された不正関連情報IMをセンタサーバ7に送信する(SS3)。
【0071】
センタサーバ7の通信インターフェイス77は、店舗サーバ3から送信されたマシンID及び不正関連情報IMを受信する(SC1)。センタサーバRAM74は、センタサーバ7により受信されたマシンID及び不正関連情報IMを一時的に記憶する(SC2)。センタサーバCPU72は、センタサーバRAM74に記憶されたマシンIDに基づいて、不正が行われたゲーム機1を特定する(SC3)。センタサーバCPU72は、不正関連情報IMを、マシンIDと関連付けて、センタサーバデータベース75に格納する(SC4)。センタサーバ7の通信インターフェイス77は、センタサーバCPU72により特定されたゲーム機1が接続されている店舗サーバ3に対して、当該ゲーム機1からのアクセスを拒否する旨の拒否応答信号を送信する(SC5)。
【0072】
店舗サーバ3の通信インターフェイス35は、センタサーバ7から送信された拒否応答信号を受信し(SS4)、店舗サーバRAM33は、店舗サーバCPU31の指示に従い、当該拒否応答信号を一時的に記憶する(SS5)。店舗サーバ3の通信インターフェイス35は、店舗サーバCPU31の指示に従い、店舗サーバRAM33に一時的に記憶された拒否応答信号を不正が行われたゲーム機1に送信する(SS6)。
【0073】
ゲーム機1の通信インターフェイス19は、店舗サーバ3から送信された拒否応答信号を受信し(SM7)、メインRAM13は、メインCPU11の指示に従い、当該拒否応答信号を一時的に記憶する(SM8)。メインCPU11は、メインRAM13に記憶された拒否応答信号に従い、遊技をすることができない旨のメッセージをディスプレイ16aに表示する(SM9)。このようにゲーム機1に対して不正が行われると、センタサーバ7は当該ゲーム機1からのアクセスを拒否するため、当該ゲーム機1からゲーム関連データ要求信号を受信しても、当該ゲーム機1にゲーム関連データがセンタサーバ7から送信されず、不正が行われたゲーム機1では遊技をすることができないことになる。
【0074】
次に、店舗サーバ3に対して不正が行われた場合の不正行為監視処理動作を説明する。なお、本実施形態において、店舗サーバ3での不正行為として、PCBボックスの取外し行為を一例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0075】
店舗サーバ3において、店舗サーバ3のメイン電源回路からの電力の供給が遮断されると、バックアップ電源から不正監視回路36に電力が供給される。これにより、メイン電源回路からの電力の供給が遮断された状態にあっても、不正監視回路36が店舗サーバ3に対する不正行為を監視することができる。
【0076】
図7に示すように、店舗サーバ3の不正監視回路36が不正行為を監視し得る状態において、遊技店舗A,Bに設置されている店舗サーバ3のPCBボックスが取り外されると、磁気センサ364がPCBボックスの取外し行為に伴う磁界の変化を感知し、当該行為を検出する(SS11)。磁気センサ364は、PCBボックスの取外し行為を検出すると、監視CPU361に不正行為検出信号を出力する(SS12)。監視CPU361は、磁気センサ364から出力された不正行為検出信号に基づき、不正の発生、不正行為の種類及び不正行為の時間情報を含む不正関連情報ISを生成する(SS13)。監視RAM363は、監視CPU361により生成された不正関連情報ISを一時的に記憶する(SS14)。不正関連情報ISは、店舗サーバ3のメイン電源回路から店舗サーバ3全体に電力が供給されるまで、センタサーバ7に送信されることなく監視RAM363に記憶される。
【0077】
店舗サーバ3のメイン電源回路から店舗サーバ3全体に電力が供給されると(SS15)、店舗サーバの通信インターフェイス35は、店舗サーバCPU31の指示に従い、監視RAM363に記憶された不正関連情報ISを、店舗サーバROM32に記憶されているサーバIDとともに、センタサーバ7に送信する(SS16)。
【0078】
センタサーバ7の通信インターフェイス77は、店舗サーバ3から送信されたサーバID及び不正関連情報ISを受信する(SC11)。センタサーバRAM74は、センタサーバ7により受信されたサーバID及び不正関連情報ISを一時的に記憶する(SC12)。センタサーバCPU72は、センタサーバRAM74に記憶されたサーバIDに基づいて、不正が行われた店舗サーバ3を特定する(SC13)。センタサーバCPU72は、不正関連情報ISを、サーバIDと関連付けてセンタサーバデータベース75に格納する(SC14)。センタサーバ7の通信インターフェイス77は、センタサーバCPU72の指示に従い、特定された店舗サーバ3に対して、ゲーム機1からのアクセスを拒否する旨の拒否応答信号を送信する(SC15)。
【0079】
店舗サーバ3の通信インターフェイス35は、センタサーバ7から送信された拒否応答信号を受信し(SS17)、店舗サーバRAM34は、当該拒否応答信号を一時的に記憶する(SS18)。店舗サーバRAM34に記憶された拒否応答信号は、店舗サーバ3に接続されているすべてのゲーム機1に送信される(SS19)。店舗サーバ3から送信された拒否応答信号を受信した各ゲーム機1は、当該拒否応答信号に従い、遊技をすることができない旨のメッセージをディスプレイ16aに表示する。これにより、店舗サーバ3に通信可能に接続された各ゲーム機1で遊技することができなくなる。
【0080】
以上説明したように、本実施形態に係る不正行為監視システムによれば、バックアップ電源から電力が供給され得る不正監視回路20,36がゲーム機1又は店舗サーバ3に備えられていることにより、ゲーム機1又は店舗サーバ3にメイン電源回路から電力が供給されていないときであっても、ゲーム機1又は店舗サーバ3に対する不正行為を監視することができる。また、不正関連情報IM,ISがゲーム機1又は店舗サーバ3からセンタサーバ7に送信され、センタサーバ7において不正が行われたゲーム機1又は店舗サーバ3からのアクセスを拒否することにより、不正が行われたゲーム機1又は不正が行われた店舗サーバ3に接続されたゲーム機1においてゲームをすることができなくなり、ゲーム機1又は店舗サーバ3での不正行為による被害を自動的に、かつ効果的に防止することができる。
【0081】
また、ゲーム機1又は店舗サーバ3に対して不正が行われたときに、店舗サーバ3から送信された不正関連情報IM,ISがセンタサーバデータベース75に格納されるため、ゲーム機1又は店舗サーバ3に対する不正行為を容易に把握することができ、ゲーム機1又は店舗サーバ3での不正行為による被害を効果的に防止することができる。
【0082】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0083】
例えば、本実施形態における不正監視回路20,36では、不正行為を検出する手段として磁気センサ204,364を用いているが、これに限定されるものではなく、光センサ、赤外線センサ、電気的センサ等の他の種類のセンサや、物理的機構を有するスイッチ等を用いてもよい。
【0084】
本実施形態においては、ゲーム機1又は店舗サーバ3に備えられるバックアップ電源22,38として、二次電池を用いているが、これに限定されるものではなく、非充電式の内蔵電池等を用いてもよい。
【0085】
本実施形態においては、ゲーム機1又は店舗サーバ3に対して不正が行われたときに、センタサーバ7は不正が行われたゲーム機1又は店舗サーバ3からのアクセスを拒否し、ゲーム機1での遊技処理を不可能にさせているが、不正が行われたゲーム機1又は店舗サーバ3に遊技処理停止プログラムデータ又はサーバ機能停止プログラムデータが送信され、それらのプログラムデータが起動されるようにしてもよい。このような構成にすることで、不正が行われたゲーム機1又は不正が行われた店舗サーバ3に通信可能に接続されているゲーム機1において遊技をすることができなくなり、ゲーム機1又は店舗サーバ3での不正行為を効果的に抑制することができる。
【0086】
また、店舗サーバ3に通信可能に接続されている複数のゲーム機1のうち一部のゲーム機1に対して不正が行われたときに、店舗サーバ3にサーバ機能停止プログラムデータが送信されるようにしてもよい。このような構成にすることで、店舗サーバ3に接続されているゲーム機1のうち不正が行われたゲーム機1以外のゲーム機1においても遊技をすることができなくなるため、ゲーム機1での不正行為をより効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本実施形態に係る不正行為監視システムを備えたゲームシステムの構成図である。
【図2】本実施形態に係る不正行為監視システムを備えたゲームシステムにおけるゲーム機の内部構成を示すブロック図である。
【図3】不正監視回路を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係る不正行為監視システムを備えたゲームシステムにおける店舗サーバの内部構成を示すブロック図である。
【図5】本実施形態に係る不正行為監視システムを備えたゲームシステムにおけるセンタサーバの内部構成を示すブロック図である。
【図6】本実施形態に係る不正行為監視システムを備えたゲームシステムにおいて、ゲーム機1に対して不正が行われた場合の不正行為監視処理動作を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る不正行為監視システムを備えたゲームシステムにおいて、店舗サーバ3に対して不正が行われた場合の不正行為監視処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
1…ゲーム機
19,35,77…通信インターフェイス
20,36…不正監視回路
3…店舗サーバ
7…センタサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと通信可能に接続されたゲーム機に対する不正行為を監視するシステムであって、
前記ゲーム機は、前記ゲーム機に対して不正が行われたか否かを監視する不正監視手段と、前記不正監視手段により不正が行われたと判断された場合に不正関連情報を記憶する記憶手段と、前記ゲーム機全体の動作制御に必要な電力がゲーム機に供給されていないときに、前記不正監視手段及び前記記憶手段に電力を供給する補助電源と、前記ゲーム機全体の動作制御に必要な電力がゲーム機に供給されたときに前記記憶手段に記憶された不正関連情報を前記サーバに送信する送信手段とを有し、
前記サーバは、前記送信手段から送信された不正関連情報を受信する受信手段と、前記受信した不正関連情報に基づいて、不正が行われたゲーム機の機能を強制的に停止させるゲーム機機能停止手段とを有することを特徴とする不正行為監視システム。
【請求項2】
前記ゲーム機は複数存在し、
前記ゲーム機の記憶手段は、前記ゲーム機に固有の識別情報を記憶しており、
前記ゲーム機の送信手段は、前記不正関連情報とともに前記識別情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記複数のゲーム機と通信可能に接続されており、
前記サーバは、前記ゲーム機の送信手段から送信された前記識別情報に基づき、不正が行われたゲーム機を特定するゲーム機特定手段を有することを特徴とする請求項1に記載の不正行為監視システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記ゲーム機での遊技に用いる遊技関連データを記憶する記憶手段と、前記遊技関連データを前記ゲーム機に送信する送信手段とを有しており、
前記ゲーム機の送信手段は、遊技関連データの送信を要求する信号を前記サーバに送信し、
前記サーバの送信手段は、前記ゲーム機の送信手段から送信された信号に基づいて、前記遊技関連データを前記ゲーム機に送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の不正行為監視システム。
【請求項4】
遊技店舗に少なくとも1台設置されたゲーム機と通信可能に接続されるとともに、センタサーバと通信可能に接続された店舗サーバに対する不正行為を監視するシステムであって、
前記店舗サーバは、前記店舗サーバに対して不正が行われたか否かを監視する不正監視手段と、前記不正監視手段により不正が行われたと判断された場合に不正関連情報を記憶する記憶手段と、前記店舗サーバ全体の動作制御に必要な電力が店舗サーバに供給されていないときに、前記不正監視手段及び前記記憶手段に電力を供給する補助電源と、前記店舗サーバ全体の動作制御に必要な電力が店舗サーバに供給されたときに、前記不正関連情報を前記センタサーバに送信する送信手段とを有し、
前記センタサーバは、不正が行われた店舗サーバの機能を強制的に停止させるサーバ機能停止手段を有することを特徴とする不正行為監視システム。
【請求項5】
前記店舗サーバは複数存在し、
前記店舗サーバの記憶手段は、前記店舗サーバに固有の識別情報を記憶しており、
前記店舗サーバの送信手段は、前記不正関連情報と前記識別情報とを前記センタサーバに送信し、
前記センタサーバは、前記複数の店舗サーバと通信可能に接続されており、
前記センタサーバは、前記店舗サーバの送信手段から送信された前記識別情報に基づき、不正が行われた店舗サーバを特定する特定手段を有することを特徴とする請求項4に記載の不正行為監視システム。
【請求項6】
前記センタサーバは、前記ゲーム機での遊技に用いる遊技関連データを記憶する記憶手段と、前記遊技関連データを前記店舗サーバに送信する送信手段とを有しており、
前記店舗サーバの送信手段は、前記ゲーム機から送信された遊技関連データの送信を要求する信号を前記センタサーバに送信し、
前記センタサーバの送信手段は、前記店舗サーバから送信された遊技関連データの送信を要求する信号に基づいて、前記遊技関連データを店舗サーバに送信し、
前記店舗サーバの送信手段は、前記センタサーバから送信された遊技関連データを前記ゲーム機に送信することを特徴とする請求項4又は5に記載の不正行為監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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