説明

不燃性テープ

【課題】不燃性テープにおいて、ケイ酸マグネシウムシートと、金属箔とを、更には中性紙とを積層することで、優れた平滑性を有し、不燃材料の発熱性試験に合格できること。
【解決手段】不燃性テープ1は、第1層の中性紙6と、第2層のアルミニウム箔2と、第3層のケイ酸マグネシウムシート3と、第4層のテープ用粘着剤4とを順次積層させて構成され、極めて平滑な表面を有している。ケイ酸マグネシウムシート3の表面に金属箔2の層を設けて可燃性ガスを遮断するとともに、熱伝導性に優れたアルミニウム箔2で熱を分散させて局所的な加熱にも強くし、更に熱伝導性の小さいケイ酸マグネシウムシート3によって、テープ用粘着剤4への熱伝導を遮断して可燃性ガスの発生を抑えられ、不燃材料の発熱性試験を実施したところ、総発熱量は4.0MJ/m2以下で、最高発熱速度が連続して200kW/m2 を超過した時間も0秒で、不燃材料の発熱性試験に合格した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁装材・壁材等の建材等の接合材として用いることができる不燃性を有する不燃性テープに関するものであり、特に、粘着層に有機系接着剤を有するため不燃性を付与することが困難であった不燃性テープにおいて、不燃性試験に合格することができる不燃性テープに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、建造物の火災事故の防止に関わる社会的要請に基づいて、建築内装材等について防炎・耐火・不燃の基準が厳しく設定され、壁装材・壁材を始めとする建材について不燃性材料の需要が高まるにしたがって、これらの建材の間を接合するテープ材料についても、「燃えない・熱に強い」いわゆる不燃性テープの需要は極めて高くなっている。
【0003】
従来、不燃性テープとしては、特許文献1に示されるように、金属テープ・ガラステープ・ガラスマイカテープ・セラミックテープ等の無機質テープや、ポリイミド・ポリビスマレイミドトリアジン・ポリアミノビスマレイミド・ポリアミドイミド系等の熱硬化性樹脂製テープ、熱可塑性の液晶ポリマーテープ、及び350℃以上の融点・軟化点を有する熱可塑性樹脂テープ、等が用いられていた。
【0004】
しかし、熱硬化性樹脂製テープ・液晶ポリマーテープ・熱可塑性樹脂テープはいずれも有機合成樹脂からなるため本来的に可燃性であり、また無機質テープのうち金属テープは熱伝導率が大きいためテープの接着層を構成する可燃性物質が加熱されて可燃性ガスが発生し、ガス圧によって金属箔が破れるためやはり可燃性ガスが燃焼してしまう。更に、無機質テープのうちガラステープ・ガラスマイカテープ・セラミックテープにおいては、高温によって基布のガラスクロスが溶融し、機械的強度が劣り脆いマイカやセラミックスが割れを生じて剥がれ落ちてしまうため、不燃性を発揮することができなかった。
【0005】
そこで、特許文献2においては、集成マイカと金属線よりなる編織テープとを接着層を介して積層した電線用耐火テープの発明について開示している。この特許文献2に記載の電線用耐火テープは、集成マイカと金属線よりなる編織テープとを接着層を介して積層することによって、マイカテープ或いは金属編織テープを各々単独で使用した場合に生じる欠点を相互に補完し、それによってケーブルの難燃性を大幅に向上させることができるとしている。
【0006】
また、特許文献3においては、不燃性テープの具体例として、表面がアルミニウム箔で構成され、アルミニウム箔の裏側にガラスクロスが接着された構造のものを用いることが記載されている。このような不燃性テープの裏側に有機接着剤を塗り、必要な箇所に貼り付けることによって、耐火性のテープとして用いることができるとしている。
【特許文献1】特許第2530667号公報
【特許文献2】特開平4−067517号公報
【特許文献3】特開2006−097802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献2及び特許文献3に係る発明においては、金属線よりなる編織テープ及びガラスクロスが用いられているため、これらの不燃性テープが施工面に貼り付けられた際には金属線よりなる編織テープまたはガラスクロスの線による凹凸を生じてしまい、表面の平滑性を保つことができず見栄えが損なわれるという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、含水ケイ酸マグネシウム化合物・パルプ・アルミナホウケイ酸ガラス及びバインダーの配合率を最適にして不燃材料の発熱性試験に合格するより優れた不燃性及び防炎性を有するケイ酸マグネシウムシートを開発して、このケイ酸マグネシウムシートと、テープ用粘着剤と、金属箔とを、更には中性紙とを積層することによって、不燃材料の発熱性試験に合格できる極めて優れた不燃性を有するとともに、優れた平滑性をも有し、見栄えが損なわれることがない不燃性テープを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明に係る不燃性テープは、金属箔からなる第1層と、含水ケイ酸マグネシウム化合物74重量%〜85重量%・パルプ5重量%〜11重量%・アルミナホウケイ酸ガラス4重量%〜12重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートからなる第2層と、テープ用粘着剤からなる第3層とを具備するものである。
【0010】
ここで、「金属箔」としては、アルミニウム箔、ステンレス箔、チタン箔、鋼板箔、金箔、銀箔、白金箔、銅箔、真鍮箔、錫箔、ニッケル箔等、種々の金属の箔を用いることができる。また、「含水ケイ酸マグネシウム化合物」としては、天然鉱物であるセピオライト(含水ケイ酸マグネシウム)、アタパルジャイト(含水ケイ酸マグネシウムアルミニウム)、タルク(滑石、含水ケイ酸マグネシウム)等があり、またこれらの含水ケイ酸マグネシウム化合物の合成物をも含む。
【0011】
更に、「バインダー」としては、アクリル樹脂・ポリオレフィン樹脂・ポリエステル樹脂・ポリスチレン樹脂を始めとする熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂・フェノール樹脂・ウレタン樹脂を始めとする熱硬化性樹脂、及びこれらの混合物、更に無機質バインダーを用いることができる。また、「テープ用粘着剤」としては、様々な有機系接着剤、例えばアクリル溶剤型粘着剤やアクリル系エマルジョン等を用いることができる。
【0012】
請求項2の発明に係る不燃性テープは、含水ケイ酸マグネシウム化合物74重量%〜85重量%・パルプ5重量%〜11重量%・アルミナホウケイ酸ガラス4重量%〜12重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートからなる第1層と、金属箔からなる第2層と、テープ用粘着剤からなる第3層とを具備するものである。
【0013】
請求項3の発明に係る不燃性テープは、中性紙からなる第1層と、金属箔からなる第2層と、含水ケイ酸マグネシウム化合物74重量%〜85重量%・パルプ5重量%〜11重量%・アルミナホウケイ酸ガラス4重量%〜12重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートからなる第3層と、テープ用粘着剤からなる第4層とを具備するものである。
【0014】
ここで、「中性紙」とは、中性から弱アルカリ性領域で製造された紙で、充填材として炭酸カルシウムが主に使用され、製造された紙もJISに規定された紙のpH測定で中性から弱塩基性を示し、上質紙の殆どを占める紙のことである。
【0015】
請求項4の発明に係る不燃性テープは、金属箔からなる第1層と、含水ケイ酸マグネシウム化合物65重量%〜75重量%・パルプ23重量%〜25重量%・アルミナホウケイ酸ガラス0重量%〜2重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートからなる第2層と、テープ用粘着剤からなる第3層とを具備するものである。
【0016】
請求項5の発明に係る不燃性テープは、含水ケイ酸マグネシウム化合物65重量%〜75重量%・パルプ23重量%〜25重量%・アルミナホウケイ酸ガラス0重量%〜2重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートからなる第1層と、金属箔からなる第2層と、テープ用粘着剤からなる第3層とを具備するものである。
【0017】
請求項6の発明に係る不燃性テープは、中性紙からなる第1層と、金属箔からなる第2層と、含水ケイ酸マグネシウム化合物65重量%〜75重量%・パルプ23重量%〜25重量%・アルミナホウケイ酸ガラス0重量%〜2重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートからなる第3層と、テープ用粘着剤からなる第4層とを具備するものである。
【0018】
請求項7の発明に係る不燃性テープは、請求項1乃至請求項6のいずれか1つの構成において、前記テープ用粘着剤からなる第3層または第4層の表面には離型紙が積層されているものである。
【0019】
請求項8の発明に係る不燃性テープは、請求項1乃至請求項7のいずれか1つの構成において、前記金属箔の厚さが5μm〜40μmの範囲内であるものである。
【0020】
請求項9の発明に係る不燃性テープは、請求項1乃至請求項8のいずれか1つの構成において、前記ケイ酸マグネシウムシートの厚さが0.20mm〜0.55mmの範囲内であるものである。
【0021】
請求項10の発明に係る不燃性テープは、請求項3,請求項6乃至請求項9のいずれか1つの構成において、前記中性紙の厚さが20μm〜80μmの範囲内であるものである。
【0022】
請求項11の発明に係る不燃性テープは、請求項1乃至請求項10のいずれか1つの構成において、前記金属箔がアルミニウム箔、ステンレス箔、チタン箔、鋼板箔のいずれかであるものである。
【0023】
請求項12の発明に係る不燃性テープは、請求項1乃至請求項11のいずれか1つの構成において、前記ケイ酸マグネシウムシートの材料である前記含水ケイ酸マグネシウム化合物の平均粒径が10μm〜25μmの範囲内であるものである。
【0024】
請求項13の発明に係る不燃性テープは、請求項1乃至請求項12のいずれか1つの構成において、前記ケイ酸マグネシウムシートの材料である前記含水ケイ酸マグネシウム化合物がセピオライト(含水ケイ酸マグネシウム)であるものである。
【発明の効果】
【0025】
請求項1の発明に係る不燃性テープは、金属箔からなる第1層と、含水ケイ酸マグネシウム化合物74重量%〜85重量%・パルプ5重量%〜11重量%・アルミナホウケイ酸ガラス4重量%〜12重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートからなる第2層と、テープ用粘着剤からなる第3層とを具備する。
【0026】
ここで、「金属箔」としては、アルミニウム箔、ステンレス箔、チタン箔、鋼板箔、金箔、銀箔、白金箔、銅箔、真鍮箔、錫箔、ニッケル箔等、種々の金属の箔を用いることができる。また、「含水ケイ酸マグネシウム化合物」としては、天然鉱物であるセピオライト(含水ケイ酸マグネシウム)、アタパルジャイト(含水ケイ酸マグネシウムアルミニウム)、タルク(滑石、含水ケイ酸マグネシウム)等があり、またこれらの含水ケイ酸マグネシウム化合物の合成物をも含む。
【0027】
更に、「バインダー」としては、アクリル樹脂・ポリアルキレン樹脂・ポリエステル樹脂・ポリスチレン樹脂を始めとする熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂・フェノール樹脂・ウレタン樹脂を始めとする熱硬化性樹脂、及びこれらの混合物、更には無機質バインダーを用いることができる。また、「テープ用粘着剤」としては、様々な有機系接着剤、例えばアクリル溶剤型粘着剤やアクリル系エマルジョン等を用いることができる。
【0028】
本発明者らは、鋭意実験研究の結果、不燃性シートとしてのケイ酸マグネシウムシートとして、含水ケイ酸マグネシウム化合物74重量%〜85重量%・パルプ5重量%〜11重量%・アルミナホウケイ酸ガラス4重量%〜12重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するものが、より不燃性及び防炎性に優れており、不燃材料の条件を満たすことを見出した。
【0029】
すなわち、上記組成からなるケイ酸マグネシウムシートは、不燃材料の発熱性試験において20分の加熱により600℃近くになっても、総発熱量は僅かに0.8MJ/m2(総発熱量の合格値は8.0MJ/m2以下)であり、しかも僅か0.25mmの厚さで亀裂もなく形状を保持し、不燃材料として合格した。
【0030】
しかし、かかるケイ酸マグネシウムシートのみを不燃性テープの材料として用いたのでは、ケイ酸マグネシウムシートがガス透過性を有するため、火炎を当てた場合に、有機系接着剤であるテープ用粘着剤、またはケイ酸マグネシウムシートからなるテープを貼った材料から加熱によって発生した可燃性ガスが、ケイ酸マグネシウムシートを透過して燃焼するため、不燃材料の発熱性試験に合格することができない。
【0031】
そこで、本発明者らは、ケイ酸マグネシウムシートの表面に金属箔の層を設けることによって、可燃性ガスを遮断するとともに、熱伝導性に優れた金属箔の層で熱を分散させて局所的な加熱にも強くし、更に熱伝導性の小さい(熱伝導率:0.11W/mK)ケイ酸マグネシウムシートによって熱伝導を遮断して、テープ用粘着剤及び基材からの可燃性ガスの発生を抑えることによって、不燃材料の発熱性試験に合格することができる不燃性テープを作製することに思い至った。
【0032】
こうして得られた本発明に係る不燃性テープは、不燃材料の発熱性試験において総発熱量は8.0MJ/m2以下であり、最高発熱速度が連続して200kW/m2 を超過した時間も10秒未満であって、不燃材料の発熱性試験に合格した。また、凹凸がなく極めて平滑性に優れたケイ酸マグネシウムシート及び金属箔を積層して、更にテープ用粘着剤を積層してなるものであることから、平滑性においても極めて優れたものであった。
【0033】
このようにして、含水ケイ酸マグネシウム化合物・パルプ・ガラス及びバインダーの配合率を最適にして不燃材料の発熱性試験に合格するより優れた不燃性及び防炎性を有するケイ酸マグネシウムシートを開発して、このケイ酸マグネシウムシートと、金属箔とを積層することによって、不燃材料の発熱性試験に合格できる極めて優れた不燃性を有するとともに優れた平滑性をも有し、見栄えが損なわれることがない不燃性テープとなる。
【0034】
請求項2の発明に係る不燃性テープは、含水ケイ酸マグネシウム化合物74重量%〜85重量%・パルプ5重量%〜11重量%・アルミナホウケイ酸ガラス4重量%〜12重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートからなる第1層と、金属箔からなる第2層と、テープ用粘着剤からなる第3層とを具備する。
【0035】
すなわち、請求項2の発明に係る不燃性テープは、請求項1に係る不燃性テープの第1層と第2層とを入れ替えて、ケイ酸マグネシウムシートが表面になるようにしたものである。不燃性テープが用いられる場所において水が使われる場合等に、金属箔が表面に出ていると漏電の恐れがあるため、ケイ酸マグネシウムシートが表面に出るようにすることが好ましい。そして、このように第1層と第2層とを入れ替えても、請求項1に係る不燃性テープと同様の作用効果を得ることができる。
【0036】
こうして得られた本発明に係る不燃性テープは、不燃材料の発熱性試験において総発熱量は8.0MJ/m2以下であり、最高発熱速度が連続して200kW/m2 を超過した時間も10秒未満であって、不燃材料の発熱性試験に合格した。また、凹凸がなく極めて平滑性に優れたケイ酸マグネシウムシート及び金属箔を積層して、更にテープ用粘着剤を積層してなるものであることから、平滑性においても極めて優れたものであった。
【0037】
このようにして、含水ケイ酸マグネシウム化合物・パルプ・ガラス及びバインダーの配合率を最適にして不燃材料の発熱性試験に合格するより優れた不燃性及び防炎性を有するケイ酸マグネシウムシートを開発して、このケイ酸マグネシウムシートと、金属箔とを積層することによって、不燃材料の発熱性試験に合格できる極めて優れた不燃性を有するとともに優れた平滑性をも有し、見栄えが損なわれることがない不燃性テープとなる。
【0038】
請求項3の発明に係る不燃性テープは、中性紙からなる第1層と、金属箔からなる第2層と、含水ケイ酸マグネシウム化合物74重量%〜85重量%・パルプ5重量%〜11重量%・アルミナホウケイ酸ガラス4重量%〜12重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートからなる第3層と、テープ用粘着剤からなる第4層とを具備する。
【0039】
すなわち、請求項3の発明に係る不燃性テープは、請求項1に係る不燃性テープの第1層としての金属箔の上に、更に中性紙の層を設けた構造を有している。この理由は、表面に金属箔の層を設けただけでは、金属箔が薄い場合には、可燃性ガスが発生した際にガス圧で亀裂が入って可燃性ガスが漏れる可能性があるとともに、建材等の一部として用いる場合に金属箔の表面では装飾を施すことが困難であるからである。
【0040】
そこで、金属箔の層の表面に、更に中性紙の層を設けることによって、金属箔が薄い場合でもガス圧で亀裂が入って可燃性ガスが漏れるのを確実に防止するとともに、建材等の一部として用いる場合に容易に装飾を施すことができるようにしたものである。
【0041】
ここで、第1層として中性紙を用いるのは、不燃性テープを接着する基材がフォーム材やコンクリートの場合にはアルカリ性物質に触れることがあるため、中性紙が好ましいことと、建材等の一部として表面に装飾を施す場合には、中性でないと変色や染み出し等の不具合が出ることがあるためである。
【0042】
こうして得られた本発明に係る不燃性テープは、不燃材料の発熱性試験において総発熱量は8.0MJ/m2以下であり、最高発熱速度が連続して200kW/m2 を超過した時間も10秒未満であって、不燃材料の発熱性試験に合格した。また、凹凸がなく極めて平滑性に優れた中性紙、ケイ酸マグネシウムシート及び金属箔を積層して、更にテープ用粘着剤を積層してなるものであることから、平滑性においても極めて優れたものであった。
【0043】
このようにして、含水ケイ酸マグネシウム化合物・パルプ・ガラス及びバインダーの配合率を最適にして不燃材料の発熱性試験に合格するより優れた不燃性及び防炎性を有するケイ酸マグネシウムシートを開発して、このケイ酸マグネシウムシートと、テープ用粘着剤と、金属箔と、更には中性紙とを積層することによって、不燃材料の発熱性試験に合格できる極めて優れた不燃性を有するとともに、優れた平滑性をも有し、見栄えが損なわれることがない不燃性テープとなる。
【0044】
請求項4の発明に係る不燃性テープは、金属箔からなる第1層と、含水ケイ酸マグネシウム化合物65重量%〜75重量%・パルプ23重量%〜25重量%・アルミナホウケイ酸ガラス0重量%〜2重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートからなる第2層と、テープ用粘着剤からなる第3層とを具備する。
【0045】
本発明者らは、鋭意実験研究の結果、不燃性シートとしてのケイ酸マグネシウムシートとして、請求項1乃至請求項3に係る発明におけるもの以外にも、含水ケイ酸マグネシウム化合物65重量%〜75重量%・パルプ23重量%〜25重量%・アルミナホウケイ酸ガラス0重量%〜2重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するものが、より不燃性及び防炎性に優れており、不燃材料の条件を満たすことを見出した。
【0046】
すなわち、上記組成からなるケイ酸マグネシウムシートは、不燃材料の発熱性試験において20分の加熱により600℃近くになっても、総発熱量は僅かに0.8MJ/m2(総発熱量の合格値は8.0MJ/m2以下)であり、しかも僅か0.35mmの厚さで亀裂もなく形状を保持し、不燃材料として合格した。
【0047】
しかし、かかるケイ酸マグネシウムシートのみを不燃性テープの材料として用いたのでは、ケイ酸マグネシウムシートがガス透過性を有するため、火炎を当てた場合に、有機系接着剤であるテープ用粘着剤、またはケイ酸マグネシウムシートからなるテープを貼った材料から加熱によって発生した可燃性ガスが、ケイ酸マグネシウムシートを透過して燃焼するため、不燃材料の発熱性試験に合格することができない。
【0048】
そこで、本発明者らは、ケイ酸マグネシウムシートの表面に金属箔の層を設けることによって、可燃性ガスを遮断するとともに、熱伝導性に優れた金属箔の層で熱を分散させて局所的な加熱にも強くし、更に熱伝導性の小さい(熱伝導率:0.11W/mK)ケイ酸マグネシウムシートによって熱伝導を遮断して、テープ用粘着剤及び基材からの可燃性ガスの発生を抑えることによって、不燃材料の発熱性試験に合格することができる不燃性テープを作製することに思い至った。
【0049】
こうして得られた本発明に係る不燃性テープは、不燃材料の発熱性試験において総発熱量は8.0MJ/m2以下であり、最高発熱速度が連続して200kW/m2 を超過した時間も10秒未満であって、不燃材料の発熱性試験に合格した。また、凹凸がなく極めて平滑性に優れたケイ酸マグネシウムシート及び金属箔を積層して、更にテープ用粘着剤を積層してなるものであることから、平滑性においても極めて優れたものであった。
【0050】
このようにして、含水ケイ酸マグネシウム化合物・パルプ・ガラス及びバインダーの配合率を最適にして不燃材料の発熱性試験に合格するより優れた不燃性及び防炎性を有するケイ酸マグネシウムシートを開発して、このケイ酸マグネシウムシートと、金属箔とを積層することによって、不燃材料の発熱性試験に合格できる極めて優れた不燃性を有するとともに優れた平滑性をも有し、見栄えが損なわれることがない不燃性テープとなる。
【0051】
請求項5の発明に係る不燃性テープは、含水ケイ酸マグネシウム化合物65重量%〜75重量%・パルプ23重量%〜25重量%・アルミナホウケイ酸ガラス0重量%〜2重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートからなる第1層と、金属箔からなる第2層と、テープ用粘着剤からなる第3層とを具備する。
【0052】
すなわち、請求項5の発明に係る不燃性テープは、請求項4に係る不燃性テープの第1層と第2層とを入れ替えて、ケイ酸マグネシウムシートが表面になるようにしたものである。不燃性テープが用いられる場所において水が使われる場合等に、金属箔が表面に出ていると漏電の恐れがあるため、ケイ酸マグネシウムシートが表面に出るようにすることが好ましい。そして、このように第1層と第2層とを入れ替えても、請求項5に係る不燃性テープと同様の作用効果を得ることができる。
【0053】
こうして得られた本発明に係る不燃性テープは、不燃材料の発熱性試験において総発熱量は8.0MJ/m2以下であり、最高発熱速度が連続して200kW/m2 を超過した時間も10秒未満であって、不燃材料の発熱性試験に合格した。また、凹凸がなく極めて平滑性に優れたケイ酸マグネシウムシート及び金属箔を積層して、更にテープ用粘着剤を積層してなるものであることから、平滑性においても極めて優れたものであった。
【0054】
このようにして、含水ケイ酸マグネシウム化合物・パルプ・ガラス及びバインダーの配合率を最適にして不燃材料の発熱性試験に合格するより優れた不燃性及び防炎性を有するケイ酸マグネシウムシートを開発して、このケイ酸マグネシウムシートと、金属箔とを積層することによって、不燃材料の発熱性試験に合格できる極めて優れた不燃性を有するとともに優れた平滑性をも有し、見栄えが損なわれることがない不燃性テープとなる。
【0055】
請求項6の発明に係る不燃性テープは、中性紙からなる第1層と、金属箔からなる第2層と、含水ケイ酸マグネシウム化合物65重量%〜75重量%・パルプ23重量%〜25重量%・アルミナホウケイ酸ガラス0重量%〜2重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートからなる第3層と、テープ用粘着剤からなる第4層とを具備する。
【0056】
すなわち、請求項6の発明に係る不燃性テープは、請求項4に係る不燃性テープの第1層としての金属箔の上に、更に中性紙の層を設けた構造を有している。この理由は、表面に金属箔の層を設けただけでは、金属箔が薄い場合には、可燃性ガスが発生した際にガス圧で亀裂が入って可燃性ガスが漏れる可能性があるとともに、建材等の一部として用いる場合に金属箔の表面では装飾を施すことが困難であるからである。
【0057】
そこで、金属箔の層の表面に、更に中性紙の層を設けることによって、金属箔が薄い場合でもガス圧で亀裂が入って可燃性ガスが漏れるのを確実に防止するとともに、建材等の一部として用いる場合に容易に装飾を施すことができるようにしたものである。
【0058】
ここで、第1層として中性紙を用いるのは、不燃性テープを接着する基材がフォーム材やコンクリートの場合にはアルカリ性物質に触れることがあるため、中性紙が好ましいことと、建材等の一部として表面に装飾を施す場合には、中性でないと変色や染み出し等の不具合が出ることがあるためである。
【0059】
こうして得られた本発明に係る不燃性テープは、不燃材料の発熱性試験において総発熱量は8.0MJ/m2以下であり、最高発熱速度が連続して200kW/m2 を超過した時間も10秒未満であって、不燃材料の発熱性試験に合格した。また、凹凸がなく極めて平滑性に優れた中性紙、ケイ酸マグネシウムシート及び金属箔を積層して、更にテープ用粘着剤を積層してなるものであることから、平滑性においても極めて優れたものであった。
【0060】
このようにして、含水ケイ酸マグネシウム化合物・パルプ・ガラス及びバインダーの配合率を最適にして不燃材料の発熱性試験に合格するより優れた不燃性及び防炎性を有するケイ酸マグネシウムシートを開発して、このケイ酸マグネシウムシートと、テープ用粘着剤と、金属箔と、更には中性紙とを積層することによって、不燃材料の発熱性試験に合格できる極めて優れた不燃性を有するとともに、優れた平滑性をも有し、見栄えが損なわれることがない不燃性テープとなる。
【0061】
請求項7の発明に係る不燃性テープにおいては、テープ用粘着剤からなる第3層または第4層の表面には離型紙が積層されている。
【0062】
これによって、請求項1乃至請求項6に記載の効果に加えて、テープ用粘着剤が離型紙で保護されて、保存や取扱いが容易になり、テープ用粘着剤の接着力が低下することがなくなる。また、長尺の不燃性テープを容易に巻き取って保存・運搬することができる。
【0063】
このようにして、含水ケイ酸マグネシウム化合物・パルプ・ガラス及びバインダーの配合率を最適にして不燃材料の発熱性試験に合格するより優れた不燃性及び防炎性を有するケイ酸マグネシウムシートを開発して、このケイ酸マグネシウムシートと、テープ用粘着剤と、金属箔と、更には中性紙とを積層することによって、不燃材料の発熱性試験に合格できる極めて優れた不燃性を有するとともに、優れた平滑性をも有し、見栄えが損なわれることがない不燃性テープとなる。
【0064】
請求項8の発明に係る不燃性テープにおいては、金属箔の厚さが5μm〜40μmの範囲内である。本発明者らは、鋭意実験研究の結果、金属箔の厚さが5μm〜40μmの範囲内である場合に、より確実に不燃材料の発熱性試験に合格できる不燃性テープが得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成したものである。
【0065】
すなわち、金属箔の厚さが5μm未満であると、金属箔が薄過ぎてガス圧で亀裂が入るのを抑えることができない場合があるとともに、破れ易くなるため積層するための施工が困難になり、一方、金属箔の厚さが40μmを超えると、金属箔が厚過ぎて柔軟性を失い、積層するための施工が困難になるとともに、金属箔が高価になって不燃性テープのコストが高くなり、かつ重くなってしまう。したがって、金属箔の厚さは、5μm〜40μmの範囲内であることが好ましい。
【0066】
このようにして、含水ケイ酸マグネシウム化合物・パルプ・ガラス及びバインダーの配合率を最適にして不燃材料の発熱性試験に合格するより優れた不燃性及び防炎性を有するケイ酸マグネシウムシートを開発して、このケイ酸マグネシウムシートと、テープ用粘着剤と、金属箔と、更には中性紙とを積層することによって、不燃材料の発熱性試験に合格できる極めて優れた不燃性を有するとともに優れた平滑性をも有し、見栄えが損なわれることがない不燃性テープとなる。
【0067】
請求項9の発明に係る不燃性テープにおいては、ケイ酸マグネシウムシートの厚さが0.20mm〜0.55mmの範囲内、より好ましくは0.25mm±0.05mmである。本発明者らは、鋭意実験研究の結果、ケイ酸マグネシウムシートの厚さが0.2mm〜0.55mmの範囲内である場合に、より確実に不燃材料の発熱性試験に合格できる不燃性テープが得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成したものである。
【0068】
すなわち、ケイ酸マグネシウムシートの厚さが0.2mm未満であると、ケイ酸マグネシウムシートが薄過ぎて低熱伝導率による熱遮断効果が充分に得られない可能性があるとともに、ケイ酸マグネシウムシートが割れ易くなるため積層のための施工がし難くなり、一方、ケイ酸マグネシウムシートの厚さが0.55mmを超えると、ケイ酸マグネシウムシートが厚過ぎて、不燃性テープの施工性が悪くなってしまう。したがって、ケイ酸マグネシウムシートの厚さは、0.20mm〜0.55mmの範囲内であることが好ましい。
【0069】
このようにして、不燃材料の発熱性試験に合格するより優れた不燃性及び防炎性を有するケイ酸マグネシウムシートを開発して、このケイ酸マグネシウムシートと、テープ用粘着剤と、金属箔と、更には中性紙とを積層することによって、不燃材料の発熱性試験に合格できる極めて優れた不燃性を有するとともに優れた平滑性をも有し、見栄えが損なわれることがない不燃性テープとなる。
【0070】
請求項10の発明に係る不燃性テープにおいては、中性紙の厚さが20μm〜80μmの範囲内である。本発明者らは、鋭意実験研究の結果、中性紙の厚さが20μm〜80μmの範囲内である場合に、より確実に不燃材料の発熱性試験に合格できる不燃性テープが得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成したものである。
【0071】
すなわち、中性紙の厚さが20μm未満であると、中性紙が薄過ぎて金属箔が薄い場合にガス圧で亀裂が入るのを抑えることができない場合があるとともに、破れ易くなるため積層するための施工が困難になり、一方、中性紙の厚さが80μmを超えると、中性紙が厚過ぎて下層の金属箔による熱分散の効果が得られ難くなり、中性紙に熱が集中して中性紙自身が燃える恐れがある。したがって、中性紙の厚さは、20μm〜80μmの範囲内であることが好ましい。
【0072】
このようにして、不燃材料の発熱性試験に合格するより優れた不燃性及び防炎性を有するケイ酸マグネシウムシートを開発して、このケイ酸マグネシウムシートと、テープ用粘着剤と、金属箔と、更には中性紙とを積層することによって、不燃材料の発熱性試験に合格できる極めて優れた不燃性を有するとともに優れた平滑性をも有し、見栄えが損なわれることがない不燃性テープとなる。
【0073】
請求項11の発明に係る不燃性テープにおいては、金属箔がアルミニウム箔、ステンレス箔、チタン箔、鋼板箔のいずれかである。これらのアルミニウム箔、ステンレス箔、チタン箔、鋼板箔のうち、アルミニウム箔、鋼板箔は汎用品であり入手が容易で、またアルミニウム箔、ステンレス箔、チタン箔はいずれも錆び難いため、建材等に用いた場合により水分に強い不燃性テープとなる。そして、鋼板箔としては、100μm(0.1mm)以下の薄いものを用いることによって、カッターナイフでも切断することができ、施工性に優れたものとなる。
【0074】
このようにして、不燃材料の発熱性試験に合格するより優れた不燃性及び防炎性を有するケイ酸マグネシウムシートを開発して、このケイ酸マグネシウムシートと、テープ用粘着剤と、金属箔と、更には中性紙とを積層することによって、不燃材料の発熱性試験に合格できる極めて優れた不燃性を有するとともに優れた平滑性をも有し、見栄えが損なわれることがない不燃性テープとなる。
【0075】
請求項12の発明に係る不燃性テープにおいては、ケイ酸マグネシウムシートの材料である含水ケイ酸マグネシウム化合物の平均粒径が10μm〜25μmの範囲内、より好ましくは平均粒径が12μm〜18μmの範囲内である。なお、ここで、「平均粒径」は、ベックマンコルター社製レーザー粒度測定器LS13−320型を用いてエタノール分散で測定した値である。本発明者らは、鋭意実験研究の結果、含水ケイ酸マグネシウム化合物の平均粒径が10μm〜25μmの範囲内である場合に、不燃性テープを構成するケイ酸マグネシウムシートがより不燃性及び防炎性に優れていることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
【0076】
更に、本発明者らは、鋭意実験研究の結果、含水ケイ酸マグネシウム化合物の平均粒径が12μm〜18μmの範囲内である場合に、不燃性テープを構成するケイ酸マグネシウムシートがより不燃性及び防炎性に優れているとともに、含水ケイ酸マグネシウム化合物を含むスラリーの粘度が適切な値となり、抄紙がよりスムーズに行えるため、より好ましいことを見出した。したがって、含水ケイ酸マグネシウム化合物の平均粒径は10μm〜25μmの範囲内であることが好ましく、12μm〜18μmの範囲内であることが、より好ましい。
【0077】
このようにして、含水ケイ酸マグネシウム化合物・パルプ・ガラス及びバインダーの配合率を最適にして不燃材料の発熱性試験に合格するより優れた不燃性及び防炎性を有するケイ酸マグネシウムシートを開発して、このケイ酸マグネシウムシートと、テープ用粘着剤と、金属箔と、更には中性紙とを積層することによって、不燃材料の発熱性試験に合格できる極めて優れた不燃性を有するとともに優れた平滑性をも有し、見栄えが損なわれることがない不燃性テープとなる。
【0078】
請求項13の発明に係る不燃性テープにおいては、ケイ酸マグネシウムシートの材料である含水ケイ酸マグネシウム化合物がセピオライト(含水ケイ酸マグネシウム)である。セピオライトは、含水ケイ酸マグネシウム化合物の中でも、吸着性・揺変性・固結性を有し、不燃性と耐水性を兼ね備えたケイ酸マグネシウムシートを抄造することができる無機化合物である。そこで、ケイ酸マグネシウムシートの材料である含水ケイ酸マグネシウム化合物として、セピオライトを用いることによって、より優れた不燃性と耐水性を得ることができる。
【0079】
このようにして、含水ケイ酸マグネシウム化合物・パルプ・ガラス及びバインダーの配合率を最適にして不燃材料の発熱性試験に合格するより優れた不燃性及び防炎性を有するケイ酸マグネシウムシートを開発して、このケイ酸マグネシウムシートと、テープ用粘着剤と、金属箔と、更には中性紙とを積層することによって、不燃材料の発熱性試験に合格できる極めて優れた不燃性を有するとともに優れた平滑性をも有し、見栄えが損なわれることがない不燃性テープとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0080】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、各実施の形態において、同一の記号及び同一の符号は同一または相当する機能部分を意味し、実施の形態相互の同一の記号及び同一の符号は、それら実施の形態に共通する機能部分であるから、ここでは重複する詳細な説明を省略する。
【0081】
実施の形態1
まず、本発明の実施の形態1に係る不燃性テープについて、図1乃至図4を参照して説明する。
【0082】
図1は本発明の実施の形態1に係る不燃性テープを構成するケイ酸マグネシウムシートの製造方法を示すフローチャートである。図2は本発明の実施の形態1に係る不燃性テープを構成するケイ酸マグネシウムシートに用いられる含水ケイ酸マグネシウム化合物としてのセピオライトの粒度分布を示すグラフである。図3(a)は本発明の実施の形態1に係る不燃性テープの全体構造を示す斜視図、(b)は本発明の実施の形態1に係る不燃性テープの積層構造を示す断面図である。図4は本発明の実施の形態1に係る不燃性テープの不燃性試験の結果を示すグラフである。
【0083】
まず、本実施の形態1に係る不燃性テープを構成するケイ酸マグネシウムシートの製造方法について、図1を参照して説明する。図1に示されるように、ステップS10の解繊工程においては、主原料であるセピオライト等の含水ケイ酸マグネシウム化合物と、補強材としてのアルミナホウケイ酸ガラス・パルプとを解繊機に入れて、攪拌によって微細繊維の塊からなるセピオライト等を十分に解繊して、その分散性を良くするとともに、アルミナホウケイ酸ガラス・パルプと均質に混合する。
【0084】
次に、ステップS11の原料混合工程においては、解繊されアルミナホウケイ酸ガラス・パルプと混合されたセピオライト等の含水ケイ酸マグネシウム化合物をバインダーであるバインダー・軟化剤・安定剤等とともに混合タンクに入れ、水と混合してスラリーを作製する。ここで、バインダーとしては、紙力増強用の分子量80万〜100万のポリアクリルアミドを使用した。作製されたスラリーは、紙料化処理工程(ステップS12)において、紙料集束化反応装置によって集束化処理される。この紙料化処理工程によって、粗大化されたフロックが形成され、抄造性が向上したスラリーが形成される。
【0085】
紙料化処理工程(ステップS12)で紙料化調製されたスラリーは、ストックタンクに送出され、沈降分離や調製紙料の崩壊等が生じないように、混合状態が常に均一化されるように維持する蓄積工程に入る(ステップS13)。蓄積工程においてストックタンクに蓄積されたスラリーは、定量ホッパーにポンプアップされ、定量ホッパーで計量されたスラリーは次いで抄造工程に入る(ステップS14)。
【0086】
この抄造工程(ステップS14)において、セピオライト等の含水ケイ酸マグネシウム化合物を主材として含み、粗大化した良好なフロックが形成されたスラリーは、連続抄紙機等によって抄造される。本実施の形態1においては、丸網式抄紙機を用いて抄造した。このとき、スラリー濃度は0.5%〜1.0%であり、抄紙機には60〜80メッシュの抄紙網を使用した。凝集フロックが形成されたスラリーを抄紙網に流し込むと、その凝集フロックを通して水が速やかに抄紙網から流れ落ちて、紙層が形成される。
【0087】
その後、この紙層を乾燥工程(ステップS15)においてプレスを掛けて脱水し、脱水された湿紙を例えばスチーム回転ドライヤーによって、約120℃の温度で所定時間乾燥する。この加熱乾燥によって、紙層の内部の水分が蒸発して、バインダーの凝縮と硬化が促進されて乾燥固化される。乾燥されたケイ酸マグネシウムシートは、スチーム回転ドライヤーのドライヤー面から剥離されて、巻取紙に形成される。以上のステップS10〜ステップS15の工程によって、厚さが0.2mm〜0.3mmのケイ酸マグネシウムシート3が完成する。
【0088】
次に、本実施の形態1に係る不燃性テープを構成するケイ酸マグネシウムシート3の原料配合について説明する。本実施の形態1に係るケイ酸マグネシウムシート3は、含水ケイ酸マグネシウム化合物としてセピオライト(含水ケイ酸マグネシウム、「マウンテンレザー(山皮)」、「マウンテンウッド」とも呼ばれる。)のみを用いたものである。実施例に係るケイ酸マグネシウムシート3の原料配合を、表1に示す。
【0089】
【表1】

【0090】
表1に示されるように、実施例に係るケイ酸マグネシウムシート3は、主成分としての含水ケイ酸マグネシウム化合物としてセピオライトを80.0重量%含有している。ここで、セピオライトとしては水澤化学工業(株)のセピオライトを使用した。また、アルミナホウケイ酸ガラス繊維(長さが1mm〜3mm)を5.0重量%、パルプを10.0重量%、バインダー類を5.0重量%含有している。
【0091】
バインダー類としては、紙力増強剤として、セピオライトとの相性が良い昭和高分子化学工業(株)製の湿潤紙力増強剤と乾燥紙力増強剤とを合わせて使用し、無機バインダーとして王子製紙(株)製の硫酸アルミニウムを使用している。更に、高分子凝集剤を使用している。
【0092】
このように、含水ケイ酸マグネシウム化合物としてのセピオライト75重量%〜85重量%、パルプ7重量%〜12重量%、長さが1mm〜3mmのアルミナホウケイ酸ガラス繊維2重量%〜5重量%、及びバインダー3重量%〜8重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートとすることによって、耐熱性・不燃性が一段と向上し、実施例に係るケイ酸マグネシウムシート3も、不燃性かつ防炎性で、ガスバーナーの炎にかざしても僅かな発煙を発生して黒色化するだけで、炎が貫通することなく形状を維持するものであり、防炎1級の認定を受けている。
【0093】
また、実施例に係るケイ酸マグネシウムシート3は、不燃材料の発熱性試験において20分の加熱により600℃近くになっても、発熱量は僅かに0.8MJであり、しかも僅か0.25mmの厚さで亀裂もなく形状を保持し、不燃材料として合格しており、極めて優れた不燃性を有している。更に、実施例に係るケイ酸マグネシウムシート3においては、後述する変形例に係るケイ酸マグネシウムシートと異なり、長さが1mm〜3mmのガラス繊維を用いていることによって、内部組織が密になり、その結果表面が極めて平滑になるという作用効果が得られる。
【0094】
次に、変形例に係るケイ酸マグネシウムシートの原料配合について説明する。変形例に係るケイ酸マグネシウムシートにおいても、含水ケイ酸マグネシウム化合物としてセピオライト(含水ケイ酸マグネシウム)を用いている。但し、アルミナホウケイ酸ガラス繊維の長さが平均6mmと長いものを用いている点が異なっている。変形例に係るケイ酸マグネシウムシートの原料配合を、表2に示す。
【0095】
【表2】

【0096】
表2に示されるように、変形例に係るケイ酸マグネシウムシートは、主成分としてセピオライトを77.0重量%含有し、アルミナホウケイ酸ガラス繊維(平均長さ6mm)を10.0重量%、パルプを8.0重量%、バインダー類を5.0重量%含有している。ここで、セピオライト(含水ケイ酸マグネシウム)としては、水澤化学工業(株)のセピオライトを使用した。
【0097】
また、バインダー類としては、紙力増強剤として、セピオライトとの相性が良い昭和高分子化学工業(株)製の湿潤紙力増強剤と乾燥紙力増強剤とを合わせて使用し、無機バインダーとして王子製紙(株)製の硫酸アルミニウムを使用している。更に、高分子凝集剤を使用している。
【0098】
このように、含水ケイ酸マグネシウム化合物としてのセピオライト75重量%〜85重量%、パルプ7重量%〜12重量%、アルミナホウケイ酸ガラス繊維2重量%〜10重量%、及びバインダー3重量%〜8重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートとすることによって、耐熱性・不燃性が一段と向上し、変形例に係るケイ酸マグネシウムシートも、不燃性かつ防炎性で、ガスバーナーの炎にかざしても僅かな発煙を発生して黒色化するだけで、炎が貫通することなく形状を維持するものであり、防炎1級の認定を受けている。
【0099】
更に、変形例に係るケイ酸マグネシウムシートも、不燃材料の発熱性試験において20分の加熱により600℃近くになっても、発熱量は僅かに0.8MJであり、しかも僅か0.25mmの厚さで亀裂もなく形状を保持し、不燃材料として合格しており、極めて優れた不燃性を有している。
【0100】
以上説明したように、本実施の形態1の不燃性テープに用いられる実施例に係る配合においては、厚さ約0.25mmの少なくとも片面が極めて平滑なケイ酸マグネシウムシート3が得られるが、変形例に係る配合においては、同じ条件で加圧乾燥を行っているにも関わらず、両面とも表面に細かい凹凸が形成されて完全に平滑な面とはならない。
【0101】
変形例に係るケイ酸マグネシウムシートにおいては、平均長さ6mmのアルミナホウケイ酸ガラス繊維を用いているため、長いガラス繊維が嵩張って、セピオライトやパルプの充填密度も疎となり、この結果、ケイ酸マグネシウムシートの表面に細かい凹凸が一面に形成されて、完全に平滑ではなくなる。
【0102】
これに対して、本実施の形態1の実施例に係るケイ酸マグネシウムシート3においては、最大長さ3mm(1mm〜3mmの範囲内)のアルミナホウケイ酸ガラス繊維を用いているため、ガラス繊維もセピオライトやパルプも密に充填されて、その結果ケイ酸マグネシウムシート3の表面が極めて平滑となり、文字・模様等の印刷が容易に美しくできるという作用効果が得られる。
【0103】
しかしながら、変形例に係るケイ酸マグネシウムシートも、表面の完全な平滑性においては実施例に係るケイ酸マグネシウムシート3には劣るものの、従来の不燃性テープと比較すれば平滑性に優れており、しかも実施例に係るケイ酸マグネシウムシート3と同等の極めて優れた不燃性を有しているため、本実施の形態1の不燃性テープにおいて、実施例に係るケイ酸マグネシウムシート3の代わりに変形例に係るケイ酸マグネシウムシートを用いても、同等の不燃性を有する不燃性テープを得ることができる。
【0104】
次に、本実施の形態1の実施例及び変形例に係るケイ酸マグネシウムシートに用いられるセピオライトの粒度分布について、図2を参照して説明する。図2は実施例及び変形例に係るケイ酸マグネシウムシートに用いられるセピオライトの粒度分布をベックマンコルター社製レーザー粒度測定器LS13−320型を用いてエタノール分散で測定した結果を示すものである。
【0105】
図2に示されるように、実施例及び変形例に係るケイ酸マグネシウムシートに用いられるセピオライトは、いずれも美しい正規分布曲線を描く粒度分布を有しており、実施例に係るセピオライトの平均粒径は12.0μmであり、変形例に係るセピオライトの平均粒径は17.2μmである。これらのセピオライトを含むスラリーの粘度は適切な値となり、図1のステップS14に示される抄造工程をよりスムーズに行うことができる。したがって、セピオライトの平均粒径は、12μm〜18μmの範囲内であることが、より好ましい。
【0106】
また、セピオライトの平均粒径が10μm〜25μmの範囲内である場合に、ケイ酸マグネシウムシートがより不燃性及び防炎性に優れたものとなることが分かった。したがって、セピオライトの平均粒径は10μm〜25μmの範囲内であることが好ましい。
【0107】
次に、本実施の形態1に係る不燃性テープ1の全体構造及び積層構造について、図3を参照して説明する。
【0108】
図3(a),(b)に示されるように、本実施の形態1に係る不燃性テープ1は、第1層の中性紙6と、第2層の金属箔としてのアルミニウム箔2と、第3層の含水ケイ酸マグネシウム化合物75重量%〜85重量%・パルプ7重量%〜12重量%・ガラス繊維2重量%〜10重量%及びバインダー3重量%〜8重量%を含有するケイ酸マグネシウムシート3と、第4層のテープ用粘着剤としてのアクリル溶剤型粘着剤4とを順次積層させて構成される。そして、アクリル溶剤型粘着剤4の表面には、離型紙5が重ね合わされている。
【0109】
ここで、図3(b)には示されていないが、本実施の形態1に係る不燃性テープ1においては、各層の間に接着剤としてのポリエチレン樹脂が塗布されている。すなわち、実施例1に係る不燃性テープ1においては、第1層の中性紙6と第2層のアルミニウム箔2とが、また第2層のアルミニウム箔2と第3層のケイ酸マグネシウムシート3とが、接着剤としてのポリエチレン樹脂によって互いに接着されることによって積層されている。接着剤としてのポリエチレン樹脂層の厚さは約15μmである。
【0110】
なお、接着剤としてはポリエチレン樹脂に限られるものではなく、ポリプロピレン、塩化ビニル、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂を始めとして、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることもでき、アクリルゴム等の熱可塑性エラストマーを用いることもできる。
【0111】
また、本実施の形態1に係る不燃性テープ1においては、中性紙6の厚さは50μmで坪量は23g/m2 、アルミニウム箔2の厚さは20μm、ケイ酸マグネシウムシート3の厚さは0.25mm(250μm)、テープ用粘着剤としてのアクリル溶剤型粘着剤4の坪量は50g/m2 である。この実施の形態1に係る不燃性テープ1について、不燃材料の発熱性試験を実施して評価した。具体的には、テープ用粘着剤としてのアクリル溶剤型粘着剤4の反対側の面から、輻射強度50kW/m2 で加熱して、総発熱量と発熱速度を測定した。測定結果を、図4及び表3に示す。
【0112】
【表3】

【0113】
図4に示されるように、本実施の形態1に係る不燃性テープ1においては、総発熱量は20分の加熱時間の間ずっと4MJ/m2 を下回っており、発熱速度も極めて小さかった。また、最高発熱速度が継続して200kW/m2 を超過した時間も0秒であり、合格値の10秒未満という条件を満たしていた。更に、表3に示されるように、防火上有害な変形もなく、着火時間もごく短くなっていた。この結果、本実施の形態1に係る不燃性テープ1は、不燃材料の発熱性試験に合格し、不燃材料としての認定を受けられることが明らかになった。また、凹凸がなく極めて平滑性に優れた中性紙6、ケイ酸マグネシウムシート3及びアルミニウム箔2を積層して、更にテープ用粘着剤4を積層してなるものであることから、平滑性においても極めて優れたものであった。
【0114】
以上説明したように、本実施の形態1に係る不燃性テープ1においては、ケイ酸マグネシウムシート3の表面にアルミニウム箔2の層を設けて可燃性ガスを遮断するとともに、熱伝導性に優れたアルミニウム箔2で熱を分散させて局所的な加熱にも強くし、更に熱伝導性の小さいケイ酸マグネシウムシート3によってテープ用粘着剤4への熱伝導を遮断して可燃性ガスの発生を抑えることができる。
【0115】
但し、表面にアルミニウム箔2の層を設けただけでは、アルミニウム箔2が薄い場合には、可燃性ガスが発生した際にガス圧で亀裂が入って可燃性ガスが漏れる可能性があるとともに、建材等として用いる場合にアルミニウム箔2の表面では装飾を施すことが困難である。そこで、アルミニウム箔2の層の表面に、更に中性紙6の層を設けることによって、アルミニウム箔2が薄くてもガス圧で亀裂が入って可燃性ガスが漏れるのを確実に防止するとともに、建材等として用いる場合に容易に装飾を施すことができるようにした。
【0116】
そして、不燃性テープ1を使用する際には、離型紙5を剥がしてアクリル溶剤型粘着剤4の表面を露出させ、このアクリル溶剤型粘着剤4の粘着力によって施工箇所に貼り付けることによって、容易に施工することができる。また、離型紙5がアクリル溶剤型粘着剤4の表面に貼り付けられていることによって不燃性テープ1の保存や取扱いが容易になり、図3(a)に示されるように、ロール状に巻き取って保存することができる。
【0117】
このようにして、本実施の形態1に係る不燃性テープ1においては、含水ケイ酸マグネシウム化合物・パルプ・ガラス繊維及びバインダーの配合率を最適にして不燃材料の発熱性試験に合格するより優れた不燃性及び防炎性を有するケイ酸マグネシウムシート3と、金属箔としてのアルミニウム箔2と、中性紙6と、テープ用粘着剤としてのアクリル溶剤型粘着剤4と、離型紙5とを積層することによって、不燃材料の発熱性試験に合格する優れた不燃性を有するとともに、極めて平滑性に優れたものとなる。
【0118】
なお、本実施の形態1においては、金属箔として厚さ20μmのアルミニウム箔2を用いているが、アルミニウム箔2単体では扱い難いため、厚さ12μmのアルミニウム箔と厚さ12μmの薄洋紙を貼り合わせたものを用いても良い。
【0119】
実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2に係る不燃性テープについて、図5を参照して説明する。図5(a)は本発明の実施の形態2に係る不燃性テープの全体構造を示す斜視図、(b)は本発明の実施の形態2に係る不燃性テープの積層構造を示す断面図である。
【0120】
図5(a),(b)に示されるように、本実施の形態2に係る不燃性テープ7は、第1層の金属箔としてのアルミニウム箔2と、第2層の含水ケイ酸マグネシウム化合物75重量%〜85重量%・パルプ7重量%〜12重量%・ガラス繊維2重量%〜10重量%及びバインダー3重量%〜8重量%を含有するケイ酸マグネシウムシート3と、第3層のテープ用粘着剤としてのアクリル溶剤型粘着剤4とを順次積層させて構成される。そして、アクリル溶剤型粘着剤4には、離型紙5が貼り付けられている。
【0121】
ここで、図5(b)には示されていないが、本実施の形態2に係る不燃性テープ7においても、各層の間に接着剤としてのエポキシ樹脂が塗布されている。すなわち、第1層のアルミニウム箔2と第2層のケイ酸マグネシウムシート3とが、エポキシ樹脂によって接着されて積層されている。また、アルミニウム箔2の厚さは20μm、ケイ酸マグネシウムシート3の厚さは0.25mm(250μm)、テープ用粘着剤としてのアクリル溶剤型粘着剤4の坪量は50g/m2 である。
【0122】
この本実施の形態2に係る不燃性テープ7について、不燃材料の発熱性試験を実施して評価した。具体的には、テープ用粘着剤であるアクリル溶剤型粘着剤4の反対側の面から、輻射強度50kW/m2 で加熱して、総発熱量と発熱速度を測定した。その結果、本実施の形態2に係る不燃性テープ7においては、総発熱量は20分の加熱時間の間ずっと8MJ/m2 をはるかに下回っており、発熱速度も極めて小さかった。
【0123】
また、最高発熱速度が継続して200kW/m2 を超過した時間も、合格値の10秒未満という条件を満たしていた。更に、着火時間もごく短くなっていた。この結果、本実施の形態2に係る不燃性テープ7は、不燃材料の発熱性試験に合格し、不燃材料としての認定を受けられることが明らかになった。また、凹凸がなく極めて平滑性に優れたケイ酸マグネシウムシート3及びアルミニウム箔2を積層して、更にテープ用粘着剤4を積層してなるものであることから、平滑性においても極めて優れたものであった。
【0124】
このように、本実施の形態2に係る不燃性テープ7においては、ケイ酸マグネシウムシート3の表面にアルミニウム箔2の層を設けて可燃性ガスを遮断するとともに、熱伝導性に優れたアルミニウム箔2で熱を分散させて局所的な加熱にも強くし、更に熱伝導性の小さいケイ酸マグネシウムシート3によってテープ用粘着剤4への熱伝導を遮断して可燃性ガスの発生を抑えることができる。
【0125】
そして、不燃性テープ7を使用する際には、離型紙5を剥がしてアクリル溶剤型粘着剤4の表面を露出させ、このアクリル溶剤型粘着剤4の粘着力によって施工箇所に貼り付けることによって、容易に施工することができる。また、離型紙5がアクリル溶剤型粘着剤4の表面に貼り付けられていることによって不燃性テープ7の保存や取扱いが容易になり、図5(a)に示されるように、ロール状に巻き取って保存することができる。
【0126】
このようにして、本実施の形態2に係る不燃性テープ7においては、含水ケイ酸マグネシウム化合物・パルプ・ガラス繊維及びバインダーの配合率を最適にして不燃材料の発熱性試験に合格するより優れた不燃性及び防炎性を有するケイ酸マグネシウムシート3と、金属箔としてのアルミニウム箔2と、テープ用粘着剤としてのアクリル溶剤型粘着剤4と、離型紙5とを積層することによって、不燃材料の発熱性試験に合格する優れた不燃性を有するとともに、極めて平滑性に優れたものとなる。
【0127】
なお、本実施の形態2においては、金属箔として厚さ20μmのアルミニウム箔2を用いているが、アルミニウム箔2単体では扱い難いため、厚さ12μmのアルミニウム箔と厚さ12μmの薄洋紙を貼り合わせたものを用いても良い。
【0128】
実施の形態3
次に、本発明の実施の形態3に係る不燃性テープについて、図6を参照して説明する。図6(a)は本発明の実施の形態3に係る不燃性テープの全体構造を示す斜視図、(b)は本発明の実施の形態3に係る不燃性テープの積層構造を示す断面図である。
【0129】
図6(a),(b)に示されるように、本実施の形態3に係る不燃性テープ11は、第1層の含水ケイ酸マグネシウム化合物75重量%〜85重量%・パルプ7重量%〜12重量%・ガラス繊維2重量%〜10重量%及びバインダー3重量%〜8重量%を含有するケイ酸マグネシウムシート3と、第2層の金属箔としてのアルミニウム箔2と、第3層のテープ用粘着剤としてのアクリル溶剤型粘着剤4とを順次積層させて構成される。そして、アクリル溶剤型粘着剤4には、離型紙5が貼り付けられている。
【0130】
すなわち、本実施の形態3に係る不燃性テープ11は、上記実施の形態2に係る不燃性テープ7の第1層と第2層とを入れ替えた積層構造を有しており、ケイ酸マグネシウムシート3が表面になるようにしたものである。不燃性テープ11が用いられる場所において水が使われる場合等に、アルミニウム箔2が表面に出ていると漏電の恐れがあるため、ケイ酸マグネシウムシート3が表面に出るようにすることが好ましい。そして、このように第1層と第2層とを入れ替えても、上記実施の形態2に係る不燃性テープ7と同様の作用効果を得ることができる。
【0131】
この本実施の形態3に係る不燃性テープ11について、不燃材料の発熱性試験を実施して評価した。具体的には、テープ用粘着剤であるアクリル溶剤型粘着剤4の反対側の面から、輻射強度50kW/m2 で加熱して、総発熱量と発熱速度を測定した。その結果、本実施の形態3に係る不燃性テープ11においては、総発熱量は20分の加熱時間の間ずっと8MJ/m2 をはるかに下回っており、発熱速度も極めて小さかった。
【0132】
また、最高発熱速度が継続して200kW/m2 を超過した時間も、合格値の10秒未満という条件を満たしていた。更に、着火時間もごく短くなっていた。この結果、本実施の形態3に係る不燃性テープ11は、不燃材料の発熱性試験に合格し、不燃材料としての認定を受けられることが明らかになった。また、凹凸がなく極めて平滑性に優れたケイ酸マグネシウムシート3及びアルミニウム箔2を積層して、更にテープ用粘着剤4を積層してなるものであることから、平滑性においても極めて優れたものであった。
【0133】
このように、本実施の形態3に係る不燃性テープ11においては、ケイ酸マグネシウムシート3の裏面にアルミニウム箔2の層を設けて可燃性ガスを遮断するとともに、熱伝導性に優れたアルミニウム箔2で熱を分散させて局所的な加熱にも強くし、更に熱伝導性の小さいケイ酸マグネシウムシート3によってテープ用粘着剤4への熱伝導を遮断して可燃性ガスの発生を抑えることができる。
【0134】
そして、不燃性テープ11を使用する際には、離型紙5を剥がしてアクリル溶剤型粘着剤4の表面を露出させ、このアクリル溶剤型粘着剤4の粘着力によって施工箇所に貼り付けることによって、容易に施工することができる。また、離型紙5がアクリル溶剤型粘着剤4の表面に貼り付けられていることによって不燃性テープ11の保存や取扱いが容易になり、図6(a)に示されるように、ロール状に巻き取って保存することができる。
【0135】
このようにして、本実施の形態3に係る不燃性テープ11においては、含水ケイ酸マグネシウム化合物・パルプ・ガラス繊維及びバインダーの配合率を最適にして不燃材料の発熱性試験に合格するより優れた不燃性及び防炎性を有するケイ酸マグネシウムシート3と、金属箔としてのアルミニウム箔2と、テープ用粘着剤としてのアクリル溶剤型粘着剤4と、離型紙5とを積層することによって、不燃材料の発熱性試験に合格する優れた不燃性を有するとともに、極めて平滑性に優れたものとなる。
【0136】
なお、本実施の形態3においては、金属箔として厚さ20μmのアルミニウム箔2を用いているが、アルミニウム箔2単体では扱い難いため、厚さ12μmのアルミニウム箔と厚さ12μmの薄洋紙を貼り合わせたものを用いても良い。
【0137】
実施の形態4
次に、本発明の実施の形態4に係る不燃性テープについて、図7及び図8を参照して説明する。図7(a)は本発明の実施の形態4に係る不燃性テープの全体構造を示す斜視図、(b)は本発明の実施の形態4に係る不燃性テープの積層構造を示す断面図である。図8は本発明の実施の形態4に係る不燃性テープの不燃性試験の結果を示すグラフである。
【0138】
図7(a),(b)に示されるように、本実施の形態4に係る不燃性テープ12は、第1層の中性紙6と、第2層の金属箔としてのアルミニウム箔2と、第3層の含水ケイ酸マグネシウム化合物65重量%〜75重量%・パルプ23重量%〜25重量%・アルミナホウケイ酸ガラス0重量%〜2重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシート13と、第4層のテープ用粘着剤としてのアクリル溶剤型粘着剤4とを順次積層させて構成される。そして、アクリル溶剤型粘着剤4の表面には、離型紙5が重ね合わされている。
【0139】
すなわち、本実施の形態4に係る不燃性テープ12は、上記実施の形態1に係る不燃性テープ1におけるケイ酸マグネシウムシート3が、ケイ酸マグネシウムシート13と置き換えられた構造を有している。そして、ケイ酸マグネシウムシート13の製造方法は、上記実施の形態1に係る不燃性テープ1おけるケイ酸マグネシウムシート3と同様である。具体的なケイ酸マグネシウムシート13の組成は、含水ケイ酸マグネシウム化合物としてのセピオライト70重量%、パルプ24重量%、アルミナホウケイ酸ガラス1重量%、バインダー(アクリル樹脂及びエポキシ樹脂)5重量%である。
【0140】
ここで、図7(b)には示されていないが、本実施の形態4に係る不燃性テープ12においても、各層の間に接着剤としてのポリエチレン樹脂が塗布されている。すなわち、本実施の形態4に係る不燃性テープ12においては、第1層の中性紙6と第2層のアルミニウム箔2とが、また第2層のアルミニウム箔2と第3層のケイ酸マグネシウムシート13とが、接着剤としてのポリエチレン樹脂によって互いに接着されることによって積層されている。接着剤としてのポリエチレン樹脂層の厚さは約15μmである。
【0141】
なお、接着剤としてはポリエチレン樹脂に限られるものではなく、ポリプロピレン、塩化ビニル、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂を始めとして、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることもでき、アクリルゴム等の熱可塑性エラストマーを用いることもできる。
【0142】
また、本実施の形態4に係る不燃性テープ12においては、中性紙6の厚さは50μmで坪量は23g/m2 、アルミニウム箔2の厚さは20μm、ケイ酸マグネシウムシート13の厚さは0.35mm(350μm)、テープ用粘着剤としてのアクリル溶剤型粘着剤4の坪量は50g/m2 である。この実施の形態4に係る不燃性テープ12について、不燃材料の発熱性試験を実施して評価した。具体的には、テープ用粘着剤としてのアクリル溶剤型粘着剤4の反対側の面から、輻射強度50kW/m2 で加熱して、総発熱量と発熱速度を測定した。測定結果を、図8に示す。
【0143】
図4に示されるように、本実施の形態4に係る不燃性テープ12においては、総発熱量は20分の加熱時間の間ずっと6MJ/m2 を下回っており、発熱速度も極めて小さかった。また、最高発熱速度が継続して200kW/m2 を超過した時間も、合格値の10秒未満という条件を満たしていた。更に、防火上有害な変形もなく、着火時間もごく短くなっていた。この結果、本実施の形態4に係る不燃性テープ12は、不燃材料の発熱性試験に合格し、不燃材料としての認定を受けられることが明らかになった。また、凹凸がなく極めて平滑性に優れた中性紙6、ケイ酸マグネシウムシート13及びアルミニウム箔2を積層して、更にテープ用粘着剤4を積層してなるものであることから、平滑性においても極めて優れたものであった。
【0144】
以上説明したように、本実施の形態4に係る不燃性テープ12においては、ケイ酸マグネシウムシート13の表面にアルミニウム箔2の層を設けて可燃性ガスを遮断するとともに、熱伝導性に優れたアルミニウム箔2で熱を分散させて局所的な加熱にも強くし、更に熱伝導性の小さいケイ酸マグネシウムシート13によってテープ用粘着剤4への熱伝導を遮断して可燃性ガスの発生を抑えることができる。
【0145】
但し、表面にアルミニウム箔2の層を設けただけでは、アルミニウム箔2が薄い場合には、可燃性ガスが発生した際にガス圧で亀裂が入って可燃性ガスが漏れる可能性があるとともに、建材等として用いる場合にアルミニウム箔2の表面では装飾を施すことが困難である。そこで、アルミニウム箔2の層の表面に、更に中性紙6の層を設けることによって、アルミニウム箔2が薄くてもガス圧で亀裂が入って可燃性ガスが漏れるのを確実に防止するとともに、建材等として用いる場合に容易に装飾を施すことができるようにした。
【0146】
そして、不燃性テープ12を使用する際には、離型紙5を剥がしてアクリル溶剤型粘着剤4の表面を露出させ、このアクリル溶剤型粘着剤4の粘着力によって施工箇所に貼り付けることによって、容易に施工することができる。また、離型紙5がアクリル溶剤型粘着剤4の表面に貼り付けられていることによって不燃性テープ12の保存や取扱いが容易になり、図7(a)に示されるように、ロール状に巻き取って保存することができる。
【0147】
このようにして、本実施の形態4に係る不燃性テープ12においては、含水ケイ酸マグネシウム化合物・パルプ・ガラス繊維及びバインダーの配合率を最適にして不燃材料の発熱性試験に合格するより優れた不燃性及び防炎性を有するケイ酸マグネシウムシート13と、金属箔としてのアルミニウム箔2と、中性紙6と、テープ用粘着剤としてのアクリル溶剤型粘着剤4と、離型紙5とを積層することによって、不燃材料の発熱性試験に合格する優れた不燃性を有するとともに、極めて平滑性に優れたものとなる。
【0148】
なお、本実施の形態4においても、金属箔として厚さ20μmのアルミニウム箔2を用いているが、アルミニウム箔2単体では扱い難いため、厚さ12μmのアルミニウム箔と厚さ12μmの薄洋紙を貼り合わせたものを用いても良い。また、本実施の形態4に係る不燃性テープ12の構成以外にも、上記実施の形態2に係る不燃性テープ7のように中性紙6を有しない構成としても良いし、上記実施の形態3に係る不燃性テープ11のように金属箔2とケイ酸マグネシウムシート13とを入れ替えた構成とすることもできる。
【0149】
上記各実施の形態においては、金属箔としてアルミニウム箔を用いた場合のみについて説明したが、金属箔としてはこれら以外にも、ステンレス箔、チタン箔、鋼板箔、金箔、銀箔、銅箔、白金箔、錫箔、真鍮箔、ニッケル箔等、種々の金属の箔を用いることができる。
【0150】
また、上記各実施の形態においては、ケイ酸マグネシウムシートの主成分である含水ケイ酸マグネシウム化合物としてセピオライト(含水ケイ酸マグネシウム)を用いた場合について説明したが、セピオライト以外にも、またセピオライトと混合して、アタパルジャイト(含水ケイ酸マグネシウムアルミニウム)、タルク(滑石、含水ケイ酸マグネシウム)等を用いることもできる。
【0151】
本発明を実施するに際しては、不燃性テープのその他の部分の構成、構造、材質、成分、配合、厚さ、数量、形状、大きさ、製造方法等についても、上記各実施の形態に限定されるものではない。なお、本発明の実施の形態で挙げている数値は、臨界値を示すものではなく、実施に好適な好適値を示すものであるから、上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】図1は本発明の実施の形態1に係る不燃性テープを構成するケイ酸マグネシウムシートの製造方法を示すフローチャートである。
【図2】図2は本発明の実施の形態1に係る不燃性テープを構成するケイ酸マグネシウムシートに用いられる含水ケイ酸マグネシウム化合物としてのセピオライトの粒度分布を示すグラフである。
【図3】図3(a)は本発明の実施の形態1に係る不燃性テープの全体構造を示す斜視図、(b)は本発明の実施の形態1に係る不燃性テープの積層構造を示す断面図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態1に係る不燃性テープの不燃性試験の結果を示すグラフである。
【図5】図5(a)は本発明の実施の形態2に係る不燃性テープの全体構造を示す斜視図、(b)は本発明の実施の形態2に係る不燃性テープの積層構造を示す断面図である。
【図6】図6(a)は本発明の実施の形態3に係る不燃性テープの全体構造を示す斜視図、(b)は本発明の実施の形態3に係る不燃性テープの積層構造を示す断面図である。
【図7】図7(a)は本発明の実施の形態4に係る不燃性テープの全体構造を示す斜視図、(b)は本発明の実施の形態4に係る不燃性テープの積層構造を示す断面図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態4に係る不燃性テープの不燃性試験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0153】
1,7,11,12 不燃性テープ
2 金属箔
3,13 ケイ酸マグネシウムシート
4 テープ用粘着剤
5 離型紙
6 中性紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属箔からなる第1層と、
含水ケイ酸マグネシウム化合物74重量%〜85重量%・パルプ5重量%〜11重量%・アルミナホウケイ酸ガラス4重量%〜12重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートからなる第2層と、
テープ用粘着剤からなる第3層と
を具備することを特徴とする不燃性テープ。
【請求項2】
含水ケイ酸マグネシウム化合物74重量%〜85重量%・パルプ5重量%〜11重量%・アルミナホウケイ酸ガラス4重量%〜12重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートからなる第1層と、
金属箔からなる第2層と、
テープ用粘着剤からなる第3層と
を具備することを特徴とする不燃性テープ。
【請求項3】
中性紙からなる第1層と、
金属箔からなる第2層と、
含水ケイ酸マグネシウム化合物74重量%〜85重量%・パルプ5重量%〜11重量%・アルミナホウケイ酸ガラス4重量%〜12重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートからなる第3層と、
テープ用粘着剤からなる第4層と
を具備することを特徴とする不燃性テープ。
【請求項4】
金属箔からなる第1層と、
含水ケイ酸マグネシウム化合物65重量%〜75重量%・パルプ23重量%〜25重量%・アルミナホウケイ酸ガラス0重量%〜2重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートからなる第2層と、
テープ用粘着剤からなる第3層と
を具備することを特徴とする不燃性テープ。
【請求項5】
含水ケイ酸マグネシウム化合物65重量%〜75重量%・パルプ23重量%〜25重量%・アルミナホウケイ酸ガラス0重量%〜2重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートからなる第1層と、
金属箔からなる第2層と、
テープ用粘着剤からなる第3層と
を具備することを特徴とする不燃性テープ。
【請求項6】
中性紙からなる第1層と、
金属箔からなる第2層と、
含水ケイ酸マグネシウム化合物65重量%〜75重量%・パルプ23重量%〜25重量%・アルミナホウケイ酸ガラス0重量%〜2重量%及びバインダー3重量%〜7重量%を含有するケイ酸マグネシウムシートからなる第3層と、
テープ用粘着剤からなる第4層と
を具備することを特徴とする不燃性テープ。
【請求項7】
前記テープ用粘着剤からなる前記第3層または前記第4層の表面には離型紙が積層されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の不燃性テープ。
【請求項8】
前記金属箔の厚さが5μm〜40μmの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載の不燃性テープ。
【請求項9】
前記ケイ酸マグネシウムシートの厚さが0.20mm〜0.55mmの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の不燃性テープ。
【請求項10】
前記中性紙の厚さが20μm〜80μmの範囲内であることを特徴とする請求項3,請求項6乃至請求項9のいずれか1つに記載の不燃性テープ。
【請求項11】
前記金属箔がアルミニウム箔、ステンレス箔、チタン箔、鋼板箔のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1つに記載の不燃性テープ。
【請求項12】
前記ケイ酸マグネシウムシートの材料である前記含水ケイ酸マグネシウム化合物の平均粒径が10μm〜25μmの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1つに記載の不燃性テープ。
【請求項13】
前記ケイ酸マグネシウムシートの材料である前記含水ケイ酸マグネシウム化合物がセピオライト(含水ケイ酸マグネシウム)であることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1つに記載の不燃性テープ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−173730(P2009−173730A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−12333(P2008−12333)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(593173840)株式会社トッパン・コスモ (243)
【出願人】(504067365)グランデックス株式会社 (37)
【Fターム(参考)】