説明

不織布生成機械、その制御方法、および得られる不織布

【課題】不織布生成機械を提供すること。
【解決手段】フィラメントは、スパンボンド・タワー(1、4)によって2つのロール(6、7)間のニップの中に放出され、ニップにおいて形成されたウエブは、ロールの一方(6)の内部において負圧を加えることによって水平コンベヤ(19)の上に取り上げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不織布生成機械、その制御方法、およびこれらの機械を使用して得られる不織布に関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツ連邦共和国特許第1785712号は、水平軸を有する2つの回転駆動ロール間のニップの中に連続フィラメントを水平カーテンとして放出する手段を含む不織布生成機械を記載している。フィラメントは、ウエブとして2つのロールの上に付着され、ロールは、入口から出口に収束する通路を画定する。したがって、連続フィラメントを備える不織布が得られ、中央部分において、フィラメントは、フィラメントのほとんどについて、不織布の表面にほぼ垂直に配向され、2つの側方部分は、フィラメントのほとんどについて、不織布の表面に対してほぼ平行に配向される(Z構造と呼ばれる)。いくつかのフィラメントが、中央部分と、側方部分すなわち上方部分および下方部分との両方の中に延びる。
【0003】
フィラメントが水平に放出される機械は、フィラメントが垂直に放出される機械、具体的には対称な不織布を与えるスパンボンド機械によって技術的に完全に取って代わられているが、その理由は、重力の効果により、非対称性が導入されないからである。これらのスパンボンド機械は、一般に、上部から下方に連続的に、スピナレットに供給される溶融有機ポリマーの押出機であって、連続フィラメントのカーテンの生成を可能にするものと、押し出されたフィラメントの少なくとも表面部分の凝固を可能にする冷却ゾーンと、フィラメントのカーテンを高速空気流の作用に曝してフィラメントを細らせる吸引デバイスと、空気の流れを偏向させ、かつ遅くし、フィラメントをコンベヤ上に無作為に分散させる手段とからなる。しかし、これらのスパンボンド機械では、上述されたドイツ連邦共和国特許の機械によって生成されるタイプの産物を得ることはできない。
【0004】
米国特許第4089720号では、ウエブは、2つのロールの出口において2つのコンベヤ間に圧縮されて維持される。この圧縮ウエブは、依然としてわずかに凝集し、かつ脆弱であり、望ましいZ構造を損ない、したがって、一時的にしか得られない。DE 4209990では、収束通路によってではなく、均衡機械によってZ構造を得ることが目的であり、したがって、ウエブは、2つのコンベヤ間においてロールの出口から直ちに圧縮される。米国特許第4952265号は、ロール間において収束しない通路において水を使用する特別な技法を記載している。米国特許第6588080 B1号では、ウエブは、ロールを出た後、依然として垂直に配向されている。Z構造は、ウエブの非常に重い重量下において変形される。Z構造は、一時的にしか得られない。
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許第1785712号明細書
【特許文献2】米国特許第4089720号明細書
【特許文献3】ドイツ連邦共和国特許第4209990号明細書
【特許文献4】米国特許第4952265号ドイツ連邦共和国特許第
【特許文献5】米国特許第6588080号明細書
【特許文献6】国際公開第WO2004/088025号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、具体的には上述されたタイプの不織布を生成する不織布生成機械を提供することであり、これを、連続フィラメントが具体的にはスパンボンド機械において垂直に放出される機械によって行い、かくして、対称性の不織布を容易に得る可能性を維持するとともに、とりわけ、これまでと異なる方式で当該機械の動作を調節する可能性を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の1つの主題は、少なくとも一方が移動している2つの表面上に連続フィラメントを放出する手段と、放出されたフィラメントをウエブとして付着させ、前記ウエブを入口から出口まで降下させることによって表面間にウエブの収束通路を画定し、この通路を経てウエブを駆動する手段とを備える不織布を生成する機械であって、出口には、ウエブを垂直とは異なる方向に偏向させてコンベヤの上に取り上げる手段が設けられ、前記ウエブが、出口の後、およびコンベヤ付近では、せいぜい1つのコンベヤとのみ接触することを特徴とする機械である。したがって、ウエブのZ構造は維持される。前記偏向手段は、出口とその後のウエブの構造がセットする箇所との間の任意の点において、この偏向したウエブが1つのコンベヤとのみ接触するようなものである。方向の変化は、最も収束した地点の後、出口において直ちに行われる。入口から出口に進む方向は、下降方向であり、好ましくは垂直方向である。
【0007】
上述されたドイツ連邦共和国特許では、主な関心は、ウエブが水平であり、したがって、コンベヤによって取り上げて支持することが非常に容易であり、その結果、フィラメントのカーテンが水平に放出されることを保証することによって、2つのロールを出るウエブを収集することであったが、本発明は、この技法とは対照的に展開する。本発明では、水平ではないウエブを拾い上げることの困難性は、フィラメントの水平カーテンによって提示される重力による問題よりはるかにより容易に解決できることがわかった。
【0008】
ウエブを垂直方向とは異なる方向に偏向させる手段、とりわけ、ウエブを水平方向に偏向させる手段が設けられることが好ましい。
【0009】
収束通路を出る際に、垂直方向から水平方向にウエブを偏向させることによって、本発明では、スパンボンド・タワーのすべての利点の恩恵を受けることが可能であり、さらに良好なことには、制御パラメータを変更して、機械が適切に動作することを容易かつ精確に保証するために、新しい制御パラメータ、すなわちウエブの開始位置、特にウエブのレベルの存在を利用することが可能である。
【0010】
このような訳で、本発明の他の主題は、連続フィラメントのウエブが移動表面の上に付着され、ウエブに関連付けられた制御パラメータが採用され、機械の制御パラメータが、この採用された制御パラメータに従って設定される不織布生成機械を制御する方法であって、ウエブの開始位置を変更することができ、ウエブの開始位置が制御パラメータとして採用されるように構成されていることを特徴とする方法である。特に、ウエブが、下降する初期部分、具体的には垂直部分を有し、ウエブの開始レベルが採用されるような構成とされる。
【0011】
したがって、ウエブに直接関連付けられた制御パラメータであって、その検出が非破壊的であり、最も具体的にはウエブの開始に関連付けられたものが提供される。それゆえ、応答速度は、生成機械に不具合がある場合でも、より迅速である。その理由は、一方では、この制御パラメータがウエブに関連付けられ、このウエブに関して可能な限り迅速に採取されるからであり、他方では、超高速光学デバイスを使用してほとんど瞬時にこの位置またはレベルを検出することができるからである。
【0012】
また、本発明の主題は、連続フィラメントを備える不織布であって、その中央部分においては、前記フィラメントが、各フィラメントの大部分において、不織布の表面に垂直に主に配向され、その2つの側方部分においては、前記フィラメントが、各フィラメントの大部分において、不織布の表面に平行に主に配向され、該不織布では、その中央部分においては、前記フィラメントが、各フィラメントの大部分において、不織布の表面に垂直に主に配向され、その2つの側方部分においては、前記フィラメントが、各フィラメントの大部分において、不織布の表面に平行に主に配向され、少なくともいくつかのフィラメントが、前記中央部分および前記側方部分の両方の中に延びるものにおいて、1つの側方部分が、他の側方部分とは異なるフィラメントの配向、厚さ、および/または密度を有することを特徴とする不織布である。
【0013】
本発明による機械では、2つの移動付着表面は、反対方向に回転する第1ロールおよび第2ロールによって提供されることが可能であり、これらのロール間のニップが、前記通路を画定する。2つのロール間のニップおよび/または2つのロールの回転速度を制御する手段が設けられることが好ましい。2つのロール間のニップを制御することによって、通路の出口または収束点の上流においてある量のフィラメントを維持することが可能であり、また、このようにして、付着中にフィラメントのループのサイズを調節することも可能である。ロールの回転速度を制御することによって、出口の上流の収束通路に存在するフィラメントの量を制御することも可能である。ロールの回転速度の変化を偏向手段後のウエブ取上げコンベヤの速度に同期させる手段を設けてもよい。これらのロールは、異なる直径を有してもよい。他の実施形態によれば、ロールの上を通過し、ニップの上において収束する2つのコンベヤが提供され、これらのコンベヤは、収束通路を画定し、好ましくは収束角度を制御する手段を備える。この制御により、出口の上流の通路に存在するフィラメントの量を制御することも可能になる。
【0014】
いずれの場合でも、ロールの内部に吸引がもたらされる。各ロールは、中央静止部分の回りに回転する堅固な空気浸透性の円筒を備えてよく、この円筒自体は、スリーブまたはファブリックで覆われる。吸引は、フィラメントのループの形状およびそのロールの表面上の付着に影響を及ぼすように、制御されることも可能である。したがって、ロールの表面上に可変厚さの側方部分を形成し、それにより、ウエブの中央部分のフィラメント(該フィラメントはいくらか垂直、すなわちウエブの厚さの方向に配向されている)に対するウエブの側方部分(ここではウエブが水平であるとき、フィラメントはいくらか水平である)の割合を修正することも可能である。各ロールは、それ自体の吸引手段を有することが好ましい。
【0015】
出口における通路の寸法、または2つのロール間もしくはロールを通過する2つのコンベヤ間の最小距離は、0.5と50mmとの間にあることが好ましい。収束角度は、20°と120°との間にあることが好ましい。入口における通路の寸法は、10と400mmとの間にあることが好ましい。ロールの半径は、50と500mmとの間にあることが好ましい。
【0016】
好ましい実施形態によれば、フィラメントを偏向させる手段は、第1ロールが第2ロールより大きい吸引ゾーンを有するということによって形成される。特に、12時と10時との間の位置、および8時と5時、好ましくは7時との6時との間の位置において、それぞれ径方向壁によって第1ロールの内面において境界を画定される第1区画と、12時と2時との間の位置および2時と4時との間の位置において、それぞれ径方向壁によって境界を画定される第2ロールの内部にある第2区画と、これらの2つの区画において負圧を創出する手段Aとが提供される。第1区画は、それぞれがそれ自体の吸引手段を有する上方および下方の2つの準区画にさらに分割されることが好ましい。通路において形成されるウエブは、スパンボンド機械では一般的であるように、通常の水平方向に偏向されてコンベヤによって支持されるまでは、第1ロールに対して押圧される。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、追加の材料をフィラメントに供給する装置が提供される。追加の材料は、結合材料および/または繊維、結合材料を含むフィラメントおよび/または複合フィラメントとすることが可能である。結合剤は、収束通路の前および/または後においてフィラメントに注入することが可能である。2構成フィラメントを、スパンボンド・タワーによって直接生成することも可能であり、フィラメントの1つの部分は、結合剤によって形成される。フィラメントは、スピナレットの両側にのみ沿って2構成フィラメントとして、これが不織布の側方部分に沿って主に位置するようにすることも可能である。また、繊維をメルトブロー形態でまたは短いファイバとしてスパンボンド・タワーに導入することも可能である。繊維は、エアレイド機械によってウエブの表面上に付着させることも可能である。通路を出た後、およびウエブが偏向された後、加熱装置(ウエブが結合剤を含む場合)によって、圧縮装置によって、水ジェット一体化装置によって、または機械針一体化装置によって、ウエブを一体化させることができる。通路の下流においてウエブを測定するデバイスも設けることが可能である。
【0018】
得られた不織布において、中央部分の密度は、好ましくは少なくとも10%だけ、側方部分の密度より小さいことが好ましい。不織布の単位面積あたりの重量は、50から2000g/mであり、好ましくは200から1200g/mであることが好ましい。不織布は、1から100mmの厚さを有することが好ましく、中央部分の厚さは、不織布の厚さの50%を超えることが好ましく、好ましくは50%と90%との間の厚さである。結合剤の含有量は、側方部分より中央部分において小さいことが好ましい。フィラメントは、3デシテックスより大きい線形密度を有することが好ましい。
【0019】
本発明の最後の主題は、連続フィラメントを備える不織布の使用法であって、該不織布は、その中央部分においては、前記フィラメントが、各フィラメントの大部分において、不織布の表面に垂直に主に配向され、その2つの側方部分においては、前記フィラメントが、各フィラメントの大部分において、不織布の表面に平行に主に配向され、少なくともいくつかのフィラメントが、構造材料として、前記中央部分および前記側方部分の両方の中に延びており、特に一方の側方部分が音響特性を有してなる、使用法である。前記中央部分においてフィラメントの表面にほぼ垂直に位置合わせされることにより、不織布は、断面における圧力に十分に耐える。結合剤および繊維の供給量が10デシテックスより小さい場合、均一な弾性(発泡)挙動が存在する。2つの側方部分において水平に位置合わせされ一体化されたフィラメントは、良好な曲げ強度を与え、先鋭な物体が不織布に貫通するのを防止する。
【0020】
本不織布は、これが自立するに十分な厚さ(>10mm)および剛性を備えるため音響特性が良好であるので、自動車、鉄道、および航空の産業において車両に使用されることが可能である。特に、面の一方または両方が装飾用空気浸透性コーティングで被覆され、音を十分に吸収し、安定な形状を有する自動車の屋根またはドアパネルとして使用されることが可能である。
【0021】
本不織布は、家庭用電気機器、プリンタ、またはコピー機のケースとして使用されることも可能である。本不織布は、建造物および建物の断熱材料として、また床およびさらには道路のダンピング層として使用されることが可能である。本不織布は、剛性を与えるコーティングと組み合わされることも可能である。
【0022】
本発明は、好ましくは表面の一方のみの上において、メルトブローすることによって得られる不織布でコーティングされた本発明による不織布を備える材料にも関する。この新規な産物は、以下の特性を有する:
―弾性;
―非常に良好な層間剥離;
―成型および熱成形される能力;
―150と6000Ns/mとの間のAFR(空気流れ抵抗、Rt、WO 2004/088025参照);及び
―非常に良好な音響特性。
【0023】
使用される材料の特性:
―SB(スパンボンド):50%―50%、または90%―10%、好ましくは70%―30%の重量割合のPET+CoPET、PBT+CoPBT;
―単位面積あたりの重量:500〜2000g/m
―フィラメントの直径:20〜60μm;
―MB(メルトブロー):PET、CoPET、PBT、CoPBT、PP、PA、PE;
―単位面積あたりの重量:10〜100g/m
―ファイバまたはフィラメントの直径:1〜10μm;
PET:ポリエステル;
CoPET:コポリエステル;
PBT:ポリブチレン;
CoPBT:コポリブチレン;
PP:ポリプロピレン;
PA:ポリアミド;
PE:ポリエチレン。
【0024】
メルトブロー・プロセスは、溶融ポリマーを繊維に変換する高速熱気体蒸気の中に溶融ポリマーを押し出すプロセスである。溶融プラスチックは、押出機のダイのリップを通る高速熱気体によって吹き付けられる。押出機によって出力されたフィラメントは、亀裂が生じるまで、その形成中に細らせられる。繊維は、スパンボンド不織布において形成される繊維のように連続的ではなく、短い長さの部分に分裂する。そのように生成された短いファイバは、形成ファブリックと呼ばれる移動ベルトの上、またはドラムの上に冷却空気によって拡散され、そこで、薄い繊維の白色不透明ウエブを形成するように互いに接着する。
【0025】
添付の図面は、単なる一例として与えられるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1の機械は、スパンボンド・タワーを備え、これは、上部にスピナレット1、続いて冷却ゾーン2、さらに下に進んで、フィラメントを細らせるための吸引デバイス3、およびフィラメントFを図面の面に垂直なカーテンとして、水平軸を備えた2つのロール6と7との間のニップに送る拡散装置4を有する。各ロールは、250mmの半径の空気浸透性スリーブ9によって囲まれた静止円筒8からなる。径方向壁10、11によって第2ロールの円筒8において、区画12が画定される。該壁は、円筒8の全長にわたって延びる。壁10は、ロールの断面において考慮され、かつ図においてみることが可能であるように、1時の位置にあり、一方、壁11は、3時の位置にある。文字Aによって概略的に示される吸引により、区画12において負圧を創出する。また、右側の第1ロール6において、左側の第2ロール7と同じ方式で、11時の壁14および6時の壁15によって境界を画定される室13も提供される。ロールは、矢印fおよびfのそれぞれの方向に沿って同じ速度で回転式に駆動される。両側矢印16は、各ロールが他方と接近したり他方から離れたりできることを表し、それにより、2つのロール間において画定される通路の出口17に対応する2つのロール間の最小距離を変更できることを示している。この通路の入口は、フィラメントがロールの上に付着され、したがって入口18と出口17との間においてフィラメントの塊を創出するレベル18に対応する。
【0027】
室13において創出される負圧Aのために、フィラメントの塊の上にロール6および7によって及ぼされる圧縮によって形成されるウエブNは、水平位置を取るように右に向かって偏向され、コンベヤ18の上方走路によって取り上げられることによって、両側を加熱する装置20、2つの測定ロールR間、次いでメルトブロー付着装置21、および水ジェットまたは高温(70〜90℃)圧延一体化装置22を通過する。リールBから出力される機能層Cも、ウエブNの下にあって通過する。
【0028】
図2に示される機械は、ロール6、7が、通路の上において収束し、かつ吸引ボックス25を備えるコンベヤ23、24のリターン・ロールとして作用するという点で、図1の機械とは異なる。コンベヤ23、24は、ロール6および7の上方に配置されたそれぞれのリターン・ロール33および34の上を通過する。ロール33と34との間の距離は、ロール33、34の収束角度を調整することができるように、矢印35によって示されるように制御することができる。
【0029】
図4は、図1による一実施形態において、ロール間の収束通路の入口におけるフィラメントの塊のレベルの調整を示す。複数の光ビームを有する光電セル26が、通路におけるフィラメントの塊のレベルを検出する。径方向壁38が、第1区画を2つの準区画39および40にさらに分割し、2つの準区画は、それぞれ、バルブ43、44を備えたライン41、42を介して真空ポンプ45、46による吸引作用に連絡する。
【0030】
図5は、制御回路を概略的に示す。検出器26は、線27を介してレベル信号L(t)を制御装置28に送信し、制御装置28は、レベル信号に従ってロールの回転速度Tを制御し、それにより、線29−1、29−2、29−3を介して速度信号を増幅器A1、A2、A3に送信し、増幅器は、ロール6、7およびコンベヤ19の駆動ロールを駆動するために、線30−1、30−2、30−3を介してモータM1、M2、M3を駆動する。制御装置28は、また、モータM1、M2の速度変化をモータM3の速度変化に同期させる、またはその反対に同期させる。
【0031】
図6は、ロール間の通路においてフィラメントの塊のレベルを検出するためのレーザ・ビーム31の存在を示す透視図である。この検出器によって得られた信号は、ロール6、7および/もしくはコンベヤ19の駆動ロールの回転速度、ロール6、7間の距離、ならびに/またはコンベヤ23、24の傾斜角度を制御するために使用される。
【0032】
したがって、この検出器31によりこれらの制御パラメータをコントロールすることによって、ウエブに異なる特性、とりわけ厚さを与え、図3に示される不織布を得ることが可能である。不織布は、中央部分36および側方部分32、37を備え、不織布の厚さは、不織布の全長にわたってほぼ同じである。中央部分36において、フィラメントは、本質的に不織布の表面に平行に向けられ、一方、側方部分32、37において、本質的にこれらの大きな表面に垂直である。平均すると、フィラメントの方向は、中央部分よりも、側方部分の少なくとも1つにおける方が、不織布の表面に対して垂直になる。しかし、側方部分32は、側方部分37より厚く、および/または密ではなく、および/またはフィラメントは異なる配向を有する。2つの側方部分32、37間のこの差は、コンベヤ23とコンベヤ24との間において異なる傾斜角度を与えることによって、ならびに/または、ロール6、7に異なる直径および/もしくは異なる速度を与えることによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による機械の概略的断面図である。
【図2】代替実施形態の図1と同様の図である。
【図3】本発明による不織布の概略的断面図である。
【図4】図1に対応し、動作を制御する要素を例示する部分概略断面図である。
【図5】制御回路の電子図である。
【図6】図3の不織布を得るための他の制御方法を例示する部分透視図である。
【符号の説明】
【0034】
1 スピナレット
2 冷却ゾーン
3 吸引装置
4 拡散装置
6 第1ロール
7 第2ロール
8 円筒
9 空気浸透性スリーブ
10、11 径方向壁
12 区画
13 室
14、15 壁
17 出口
18 入口
10 コンベヤ
20 加熱装置
21 メルトブロー付着装置
22 水ジェットまたは高温圧延一体化装置
23、24 コンベヤ
25 吸引ボックス
26 光電セル 検出器
27 線
28 制御装置
29−1、29−2、29−3、30−1、30−2、30−3 線
31 レーザ・ビーム検出器
32、37 側方部分
33、34 リターン・ロール
36 中央部分
39、40 準区画
41、42 ライン
43、44 バルブ
45、46 真空ポンプ
A1、A2、A3 増幅器
B リール
C 機能層
F フィラメント
M1、M2、M3 モータ
N ウエブ
T ロールの回転速度


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方が移動している2つの表面(6、7)の上に連続フィラメントを放出する手段(1から4)と、放出されたフィラメント(F)をウエブ(N)として付着させ、前記ウエブを入口(18)から出口(17)まで降下させることによって表面(6、7)間に前記ウエブ(N)の収束通路を画定し、この通路を経て前記ウエブ(N)を駆動する手段とを備える不織布を生成する機械であって、前記出口(17)には、前記ウエブ(N)を垂直とは異なる方向に偏向させて前記ウエブ(N)をコンベヤ(19)の上に取り上げる手段(13,A)が設けられ、前記ウエブが、前記出口の後、および前記コンベヤ(19)付近では、せいぜい1つのコンベヤ(23)とのみ接触することを特徴とする、機械。
【請求項2】
垂直とは異なる前記方向が、水平方向であることを特徴とする、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記2つの表面(6、7)が第1ロール(6)および第2ロール(7)によって提供され、ロール間のニップが前記通路を画定し、これら2つのロールが反対方向に回転することを特徴とする、請求項1または2に記載の機械。
【請求項4】
前記ロールの回転速度を制御する手段と、前記ロールの回転速度の変化を前記偏向手段の後でウエブを取上げる前記コンベヤの速度変化に同期させる手段とを備えること特徴とする、請求項3に記載の機械。
【請求項5】
前記偏向手段の後でウエブを取上げる前記コンベヤの速度が変化することを特徴とする、請求項4に記載の機械。
【請求項6】
前記ニップを制御する手段を備えることを特徴とする、請求項3、4、または5に記載の機械。
【請求項7】
前記2つの表面が、それらのニップの上において収束する、2つのロール(6、7)の上をそれぞれ通過する2つのコンベヤ(23、24)によって形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の機械。
【請求項8】
前記コンベヤ(23、24)の収束角度を制御する手段を備えることを特徴とする、請求項7に記載の機械。
【請求項9】
前記ロールが、空気浸透性表面を有し、吸引手段(A)が、前記ロールの内部に設けられていることを特徴とする、請求項3から8の何れか一項に記載の機械。
【請求項10】
前記吸引手段(A)によって提供される吸引を制御する手段を備えることを特徴とする、請求項9に記載の機械。
【請求項11】
各ロールが、それ自体の吸引手段を有することを特徴とする、請求項9または10に記載の機械。
【請求項12】
12時と10時との間の位置および8時と5時との間の位置において、それぞれ径方向壁(14、15)によって前記第1ロール(6)の内側に画定された第1区画(13)と、12時と2時との間の位置および2時と4時との間の位置において、それぞれ径方向壁(10、11)によって画定された前記第2ロール(7)の内部の第2区画(12)と、これらの2つの区画において負圧を創出する手段(A)とを備えることを特徴とする、請求項9から11の何れか一項に記載の機械。
【請求項13】
前記第1区画(13)が、それぞれがそれ自体の吸引手段を有する2つの上部および下部の準区画にさらに分割されていることを特徴とする、請求項12に記載の機械。
【請求項14】
追加の材料を供給する装置を備えることを特徴とする、請求項1から13の何れか一項に記載の機械。
【請求項15】
前記追加の材料が、結合材料および/または繊維および/またはフィラメントであり、前記フィラメントが、結合材料を含む複合フィラメントであることを特徴とする、請求項1から14の何れか一項に記載の機械。
【請求項16】
前記通路の下流において前記ウエブを加熱する装置を備えることを特徴とする、請求項15に記載の機械。
【請求項17】
前記通路の下流において前記ウエブを測定する装置を備えることを特徴とする、請求項15または16に記載の機械。
【請求項18】
前記通路の下流において前記ウエブを一体化させる装置を備えることを特徴とする、請求項1から17の何れか一項に記載の機械。
【請求項19】
連続フィラメントのウエブが、移動表面の上に付着され、前記ウエブに関連付けられた制御パラメータが採用され、機械の制御パラメータが、前記制御パラメータに従って設定される、不織布生成機械を制御する方法であって、前記ウエブの開始位置を変更することができ、前記ウエブの前記開始位置が前記制御パラメータとして採用されるように構成されていることを特徴とする、方法。
【請求項20】
前記ウエブが、下降する初期部分を有し、開始レベルが、制御パラメータとして採用されるように構成されていることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記制御パラメータが、2つの付着表面間の距離であることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記制御パラメータが、前記付着表面の速度であることを特徴とする、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記制御パラメータが、2つの付着表面の収束角度であることを特徴とする、請求項20から22の何れか一項に記載の方法。
【請求項24】
連続フィラメントを備える不織布の使用法であって、該不織布は、中央部分においては、フィラメントが、各フィラメントの大部分において、不織布の表面に垂直に主に配向され、2つの側方部分においては、フィラメントが、各フィラメントの大部分において、不織布の表面に平行に主に配向され、少なくともいくつかのフィラメントが、構造材料として、前記中央部分および前記側方部分の両方の中に延びており、特に一方の側方部分が音響特性を有してなるものである、使用法。
【請求項25】
連続フィラメントを備える不織布を備え、該不織布は、中央部分においては、フィラメントが、各フィラメントの大部分において、不織布の表面に垂直に主に配向され、2つの側方部分においては、フィラメントが、各フィラメントの大部分において、不織布の表面に平行に主に配向され、少なくともいくつかのフィラメントが、前記中央部分および前記側方部分の両方の中に延びており、メルトブローによって得られる不織布でコーティングされていることを特徴とする、材料。
【請求項26】
不織布の単位面積あたりの重量が、50から2000g/mであり、メルトブローによって得られる不織布の単位面積あたりの重量が、10から100g/mであることを特徴とする、請求項25に記載の材料。
【請求項27】
不織布のフィラメントの直径が、20から60μmであり、メルトブローによって得られる不織布のフィラメントの直径が、1から10μmであることを特徴とする、請求項25または26に記載の材料。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−512448(P2007−512448A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540544(P2006−540544)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【国際出願番号】PCT/FR2004/003040
【国際公開番号】WO2005/054558
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(501412016)
【氏名又は名称原語表記】RIETER PERFOJET
【住所又は居所原語表記】ZA Pre Millet,F−38330 Montbonnot, France
【Fターム(参考)】