不透明液体内検査装置及び不透明液体内検査方法
【課題】不透明液体内における被測定物を効率的に、且つ迅速に検査することができる不透明液体内検査装置及び不透明液体内検査方法を提供する。
【解決手段】不透明液体内検査装置1は、上下方向に延びる軸線Pに沿って不透明液体内に挿入される支持棒11と、支持棒11に接続されて延在するセンサユニット31と、センサユニット31を軸線Pに沿う旋回軸回りに回転させる回転駆動部21とを備え、センサユニット31が、センサユニット31の延在方向Xにわたって配置されて、延在方向Xに交差する方向に位置する被測定物を検知するセンサ部131を有することを特徴とする。
【解決手段】不透明液体内検査装置1は、上下方向に延びる軸線Pに沿って不透明液体内に挿入される支持棒11と、支持棒11に接続されて延在するセンサユニット31と、センサユニット31を軸線Pに沿う旋回軸回りに回転させる回転駆動部21とを備え、センサユニット31が、センサユニット31の延在方向Xにわたって配置されて、延在方向Xに交差する方向に位置する被測定物を検知するセンサ部131を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不透明液体内検査装置及び不透明液体内検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、高速増殖炉では、高速中性子を減速させないために加熱溶融した金属ナトリウムを冷却材として使用する。ここで、該金属ナトリウムは不透明の液体状態で収容されているため、該金属ナトリウム中に存在する対象物を探索するには可視光により観察することが不可能である。
【0003】
そこで、対象物を探索する際に、圧電素子を取り付けた炉内構造検査装置(下記特許文献1参照)を利用する場合がある。該装置は、圧電素子に電流を流すことにより圧電素子を超音波振動させて、超音波の反射波の到達時間により対象物の位置を特定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−80184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の圧電素子を用いた炉内構造検査装置では、圧電素子では広範囲の検査に適していないため、非常に限られた矮小領域になってしまうという問題点があった。また、該問題点を解消するために、圧電素子を増やす方策が考えられるが、圧電素子を増やすとコスト高になってしまうという問題が生じる。また、炉内には狭小な箇所が多々存在するため、このような箇所も探索することができる炉内構造検査装置を実現することが好ましい。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、不透明液体内における被測定物を確実に、かつ、広範囲にわたって検査することができる不透明液体内検査装置及び不透明液体内検査方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る不透明液体内検査装置は、上下方向に延びる軸線に沿って不透明液体内に挿入される支持棒と、該支持棒に接続されて延在するセンサユニットと、該センサユニットを前記軸線に沿う旋回軸回りに回転させる回転駆動部とを備え、
前記センサユニットが、該センサユニットの延在方向にわたって配置されて、該延在方向に交差する方向に位置する被測定物を検知するセンサ部を有することを特徴とする。
【0008】
このような不透明液体内検査装置では、被測定物を検査する場合、不透明液体内においてセンサユニットを旋回軸回りに回転させることでセンサユニットを旋回させる。これによって、旋回軸を中心とした円形の領域にわたってセンサ部を走査させることができる。したがって、センサユニット自体をコンパクトに構成しながらもセンサ部によって広範囲にわたって被測定物を検知することができる。
【0009】
」
また、本発明に係る不透明液体内検査装置は、前記センサユニットが、前記支持棒に対して垂直に該支持棒の半径方向に延在するとともに、前記センサ部が、前記センサユニットの下方に位置する被測定物を検知することを特徴とする。
【0010】
これによって、センサユニットの下方の被測定物を広範囲にわたって確実に検知することができる。
【0011】
」
また、本発明に係る不透明液体内検査装置は、前記センサユニットが、前記支持棒の半径方向に延在するに従って上方又は下方に向かって延びるように傾斜しており、前記センサ部が、前記支持棒の延在方向に直交する前記センサユニットの下方斜め方向に位置する被測定物を検知するものであってもよい。
【0012】
このような不透明液体内検査装置では、センサユニットの下方斜め方向に位置する被測定物を検知することができる。したがって、特にセンサユニットの径方向外側の領域における被測定物を広範囲にわたって検知することができる。
【0013】
このような不透明液体内検査装置では、前記センサユニットが、前記支持棒に平行に延在しており、前記センサ部が、前記支持棒の径方向外側に位置する被測定部を検知することを特徴とする。
【0014】
このような不透明液体内検査装置では、センサユニットの側方の被測定物を広範囲にわたって確実に検知することができる。
【0015】
また、本発明に係る不透明液体内検査装置は、前記センサユニットが、前記支持棒に直交する回転軸を介して該回転軸回りに回動可能に接続されているものであってもよい。
【0016】
このような不透明液体内検査装置では、センサユニットを回動させることのより、センサ部による被測定物の検出可能領域を任意に変更することができる。
【0017】
また、本発明に係る不透明液体内検査装置は、前記センサユニットが、該センサユニットの延在方向に伸縮可能とされているものであってもよい。
【0018】
このような不透明液体内検査装置では、センサユニットを収縮させることにより不透明液体内のより狭小な箇所に該センサユニットを到達させることができる一方、センサユニットを伸張させることで広範囲にわたって被測定物を検知することが可能となる。
【0019】
また、本発明に係る不透明液体内検査装置は、前記センサユニットが、前記支持棒にリンク機構を介して接続されていてもよい。
【0020】
このような不透明液体内検査装置では、リンク機構を稼働させることにより、確実に伸縮でき、広範囲にわたって被測定物を検知することが可能となる。
【0021】
また、本発明に係る不透明液体内検査装置は、前記センサ部が、前記延在方向に直交する方向に向けて超音波を発振する送信センサと、前記被測定物からの前記超音波の反射波を受信する受信センサとを備えることを特徴とする。
【0022】
このような不透明液体内検査装置では、センサ部の送信センサは超音波を発振するため、迅速に検査することができる。また、センサ中の受信センサは反射波を受信することができるため、不透明液体内の被測定物を確実に検知することができる。
【0023】
また、本発明に係る不透明液体内検査装置は、前記受信センサは、前記反射波によるダイヤフラムの振動を、光ファイバを介して伝送されるレーザ光によって検出することを備えることを特徴とする。
【0024】
このような不透明液体内検査装置では、受信センサは光ファイバを介して伝送されるレーザ光によって検出するため、解像度良く検出することができる。よって、不透明液体内の被測定物を効率的に、且つ迅速に検知することができる。
【0025】
また、本発明に係る不透明液体内検査装置は、前記送信センサは、前記支持棒の半径方向に向かうに従って該半径方向に直交する方向両側に順次交互に複数が配列されていることを特徴とする。
【0026】
このような不透明液体内検査装置では、センサ部の単位面積当たりの送信センサの数を多く設けることにより多くの超音波を発振させることができるため、不透明液体内の被測定物をより迅速に、且つより効率的に検知することができる。
【0027】
また、本発明に係る不透明液体内検査方法は、不透明液体内検査装置を用いて、前記不透明液体内に存在する前記被測定物を検査する不透明液体内検査方法であって、前記不透明液体内に前記不透明液体内検査装置を挿入する挿入工程と、前記センサユニットを前記軸線に沿う旋回軸回りに回転させる回転工程と、前記センサ部により前記被測定物を検知する検知工程とを備えることを特徴とする。
【0028】
このような不透明液体内検査方法では、センサユニット自体をコンパクトに構成しながらもセンサ部によって広範囲にわたって被測定物を検知することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る不透明液体内検査装置及び不透明液体内検査方法によれば、センサユニット自体をコンパクトな構成とした場合であっても、該センサユニットを回転させることで広範囲にわたって被測定物を検知することができる。これによって、不透明液体内における被測定物を確実に、かつ、広範囲にわたって検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】原子炉内で本発明の第一実施形態に係る不透明液体内検査装置を用いて検査する様子を示した縦断面図である。
【図2】本発明の第一実施形態又は第二実施形態に係る不透明液体内検査装置の正面図である。
【図3】(a)第一実施形態に係る不透明液体内検査装置の図2のA矢視図、(b)第二実施形態に係る不透明液体内検査装置の図2のA矢視図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係る不透明液体内検査装置のセンサユニットの構成を説明する図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る不透明液体内検査装置を用いた不透明液体内検査方法のフローチャートである。
【図6】本発明の第一実施形態に係る不透明液体内検査装置のセンサユニットの軌道を示した図である。
【図7】(a)本発明の第三実施形態に係る不透明液体内検査装置、(b)本発明の第四実施形態に係る不透明液体内検査装置の正面図である。
【図8】本発明の第五実施形態に係る不透明液体内検査装置の正面図である。
【図9】本発明の第六実施形態に係る不透明液体内検査装置の正面図である。
【図10】本発明の第七実施形態に係る不透明液体内検査装置の正面図である。
【図11】本発明の第八実施形態に係る不透明液体内検査装置の正面図である。
【図12】本発明の第八実施形態の変形例に係る不透明液体内検査装置の正面図である。
【図13】本発明の第九実施形態に係る不透明液体内検査装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第一実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の第一実施形態に係る不透明液体内検査装置1について説明する。図1は、原子炉内の原子炉容器Cの内部において不透明液体内検査装置1を用いて、被測定物Qを検査する様子を示した図である。
【0032】
図1に示すように、原子炉容器Cは、原子炉容器Cの内側に設けられた上部支持円盤Dと、上部支持円盤Dの中央部に形成された中央孔D1に上下方向に挿入配置され燃料を収容する炉心Eと、原子炉容器Cの内面から内方に向かうに従って上方に延在するように設けられるとともに炉心Eを支持する下部支持脚部Fとを備える。さらに、原子炉容器Cは、上部支持円盤Dの中央孔D1の外縁部に形成された複数の外縁孔D2、D3にそれぞれ上下方向に挿入された炉内中継ラックR1及び炉内ラックR2を備える。ここで、本実施形態に係る不透明液体内検査装置1は、炉内中継ラックR1の上方から挿入されている。また、炉内中継ラックR1には、液体状の不透明なナトリウムNが満たされている。
【0033】
まず、不透明液体内検査装置1の構成を詳細に説明する。
図2に示すように、不透明液体内検査装置1は、上下方向に延びる軸線Pに沿って炉内中継ラックR1(図1参照)に挿入される支持棒11と、該支持棒11に接続されたセンサユニット31と、該センサユニット31を軸線Pに沿う旋回軸(不図示)回りに回転させる回転駆動部21とを備える。本実施形態では、軸線Pと旋回軸とが一致している。
ここで、支持棒11の軸線Pに沿う方向を軸線方向Zと、支持棒11の下端よりセンサユニット31が延在する方向を延在方向Xと称する。
【0034】
支持棒11は、軸線方向Zに沿って、即ち、上下方向に延在するとともに該上下方向に直交する断面形状が例えば円状をなす棒状の部材である。この支持棒11は、例えば図示しない軸受や支持機構によって支持されることにより、軸線方向Zとの平行が維持されつつ軸線P回りに回転可能とされている。
なお、本実施形態では、支持棒11の中心軸線と、軸線Pと、旋回軸とが一致している。
【0035】
回転駆動部21は、支持棒11の上端に接続されたモータ等の回転動力源であって、当該モータが回転することによって支持棒11を軸線P回りに回転駆動させるように構成されている。
【0036】
センサユニット31は、支持棒11の下端から軸線Pの半径方向に延在するように設けられている。ここで、このセンサユニット31の延在方向Xは、支持棒11の半径方向に一致する方向、即ち、支持棒11に垂直となる方向とされている。また、センサユニット31の下方を向く外面には、延在方向Xにわたって配置されるとともに下方に位置する被測定物Q(図1参照)を検知するセンサ部131を備える。
【0037】
センサ部131は、図3(a)及び図4に示すように、下方に向けて超音波135を発振する送信センサ132と、被測定物Qからの超音波135の反射波によるダイヤフラム136の振動を光ファイバ137によって検出する受信センサ133とを備える。
【0038】
図3(a)に示すように、送信センサ132は、センサユニット31の下面に複数設けられるとともに、センサユニット31の延在方向Xに沿って一直線上に互いに間隙をあけて配置されている。また、受信センサ133は、センサユニット31の下面における送信センサ132を除く領域全域に複数が配列されている。即ち、センサユニット31の下面は、送信センサ132と受信センサ133とによってその全域が占められている。
図4に示すように、受信センサ133は、センサユニット31の下面に複数設けられたダイヤフラム136と、センサユニット31の内方に複数配された光ファイバ137とを備える。
ダイヤフラム136は、センサユニット31の下面に設けられた送信センサ132の間隙を埋めるように多数配置されている。
光ファイバ137は、透明な繊維状の部材であり、一端をダイヤフラム136側に向けるとともに、当該一端をダイヤフラム136との間に間隙Iをあけてセンサユニット31の内方に配置されている。
【0039】
次に、上述の不透明液体内検査装置1を用いた不透明液体内検査方法について説明する。
図5に示すように、不透明液体内検査方法は、炉内中継ラックR1に不透明液体内検査装置1を挿入する挿入工程S01と、支持棒11を軸線P回りに回転させる回転工程S02と、センサ部131により被測定物Qを検知する検知工程S03とを備える。
まず、挿入工程S01においては、図1に示すように、炉内中継ラックR1に不透明液体内検査装置1をセンサユニット31を下方に向けて挿入する。
【0040】
次に、回転工程S02においては、図2に示すように、回転駆動部21を駆動させて、支持棒11及び支持棒11に設けられたセンサユニット31を軸線P回りに回転させる。ここで、支持棒11を360度回転させた場合における支持棒11及びセンサユニット31の軌道Hを図6に示す。図6に示すように、軌道Hは、平面視して支持棒11の中央Oを中心とし、中央Oからセンサユニット31の支持棒11側と反対の端部までの距離を半径とする円形状をなしている。
【0041】
次に、作業者は検知工程S03において、図4に示すように、送信センサ132が、圧電素子から構成される超音波135を発振する。ここで、超音波135が被測定物Qに入射すると、被測定物Qから反射波である超音波135が生じる。そして、反射波(超音波135)がダイヤフラム136に入射すると、ダイヤフラム136は振動するとともにレーザ光138を光ファイバ137に対して出射する。この状態で、光ファイバ137は、ダイヤフラム136から入射するレーザ光138と、送信センサ132から出射する超音波135との時間差により、被測定物Qの位置を特定することができる。
ここで、検知工程S03と回転工程S02とは、同時に実行することが好ましい。
なお、複数設けられた送信センサ132は、それぞれ同時に超音波135を発振することができる。
【0042】
このように構成された不透明液体内検査装置1及び不透明液体内検査装置1を用いた不透明液体内検査方法では、炉内中継ラックR1に挿入された支持棒11を軸線P回りに回転させることで、センサユニット31を旋回させることができる。これによって、中央Oを中心とした円形の軌道Hにわたり、センサ部131によって超音波135の送受信をすることができる。したがって、センサユニット31は支持棒11、回転駆動部21及びセンサユニット31からなるコンパクトな構成でありながら、センサ部131によって確実に、かつ、広範囲にわたって下方の被測定物Qを検知することができる。
また、送信センサ132は超音波135を発振するため、迅速に被測定物Qを検知することができる。さらに、受信センサ133は光ファイバ137を介して伝送されるレーザ光138によって検出するため、解像度良く、効率的に検出することができる。
【0043】
なお、本実施形態では、センサユニット31は、支持棒11の下端より一の半径方向に延在している。しかし、延在する方向は半径方向には限られず、例えば直径方向に延在してもよい(不図示)。
この構成では、センサ部131がより広範囲にわたって配置されることとなり、より広範囲にわたって被測定物Qを検知することができる。
【0044】
また、本実施形態では、センサ部131は、センサユニット31の下面に設けられている。しかし、センサ部131の設けられる位置は下面に限られず、例えばセンサユニット31の上面であってもよい(不図示)。
この構成では、センサユニット31の上方に位置する被測定物Qを検知することができる。
【0045】
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態に係る不透明液体内検査装置1Sについて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0046】
第一実施形態では、送信センサ132はセンサユニット31の下面において、延在方向Xに沿って一直線状に配置されている。一方、本実施形態においては、図3(b)に示すように、送信センサ132Sはセンサユニット31Sの下面において、半径方向である延在方向Xに向かうに従って該延在方向に直交する方向Yの両側に順次交互に複数配列されている。
【0047】
このように構成された不透明液体内検査装置1Sでは、センサ部131Sの単位面積当たりの送信センサ132Sの数を多く設けることにより多くの超音波135を発振させることができる。したがって、炉内中継ラックR1内の被測定物Qをより迅速に、かつ、より効率的に検知することができる。
【0048】
(第三実施形態)
以下、本発明の第三実施形態に係る不透明液体内検査装置1Tについて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0049】
第一実施形態では、センサユニット31は支持棒11に垂直となる方向に設けられている。一方、本実施形態においては、図7(a)に示すように、センサユニット31Tは、支持棒11の半径方向に延在するに従って上方に向かって延びるように斜め上方に傾斜して設けられている。なお、センサユニット31Tを構成するセンサ部131の構成は第一実施形態と同様である。
【0050】
このように構成された不透明液体内検査装置1Tでは、センサユニット31Tが支持棒11に対して任意の角度で上向きに設けられていても、支持棒11を軸線P回りに回転することにより、センサユニット31Tの径方向外側に位置する被測定物Qを広範囲にわたって、かつ、確実に検知することができる。
【0051】
(第四実施形態)
以下、本発明の第四実施形態に係る不透明液体内検査装置1Uについて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0052】
第一実施形態では、センサユニット31は支持棒11に垂直となる方向に設けられている。一方、本実施形態においては、図7(b)に示すように、センサユニット31Uは、支持棒11の半径方向に延在するに従って下方に向かって延びるように斜め下方に傾斜して設けられている。なお、センサユニット31Uを構成するセンサ部131の構成は第一実施形態と同様である。
【0053】
このように構成された不透明液体内検査装置1Uでは、センサユニット31Uが支持棒11に対して任意の角度で下向きに設けられていても、支持棒11を軸線P回りに回転することにより、センサユニット31Uの径方向外側に位置する被測定物Qを広範囲にわたって、かつ、確実に検知することができる。
【0054】
(第五実施形態)
以下、本発明の第五実施形態に係る不透明液体内検査装置1Vについて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0055】
第一実施形態では、センサユニット31は支持棒11に固定して設けられている。一方、本実施形態においては、図8に示すように、センサユニット31Vは、支持棒11の下端に設けられたヒンジ部138Vを介して取り付けられている。
ヒンジ部138Vは、支持棒11及びセンサユニット31Vの延在する方向に直交する方向である図8の紙面に直交する方向に向かう回転軸(不図示)を中心に、アクチュエーター(不図示)等によりセンサユニット31Vを回動可能としている。なお、センサユニット31Vを構成するセンサ部131の構成は第一実施形態と同様である。
【0056】
このように構成された不透明液体内検査装置1Vでは、センサユニット31Vを回動させるとともに、支持棒11を軸線P回りに回転させることにより、センサ部131による被測定物Qの検出可能領域を任意に変更することができる。
【0057】
(第六実施形態)
以下、本発明の第六実施形態に係る不透明液体内検査装置1Jについて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0058】
第一実施形態では、センサユニット31は一定の大きさで形成されている。一方、本実施形態においては、図9に示すように、センサユニット31Jが支持棒11Jの下端から延在方向Xに伸縮可能に構成されている。
【0059】
センサユニット31Jは、支持棒11Jにリンク機構41Jを介して、延在方向Xに伸縮可能に接続されている。
リンク機構41Jは、支持棒11Jにおいて軸線方向Zに沿って設けられた第一溝部141Jと、支持棒11Jと平行に該支持棒11Jと半径方向に離間して設けられた軸部142Jと、該軸部142Jにおいて軸線方向Zに沿って設けられた第二溝部143Jとを備える。さらに、リンク機構41Jは、第一溝部141Jに一端151Jが挿入されるとともに他端152Jが軸部142Jの下端に固定された第一アーム部146Jと、第二溝部143Jに一端153Jが挿入されるとともに他端154Jが支持棒11Jの下端に固定された第二アーム部147Jと、第一アーム部146Jと第二アーム部147Jとを接合する接合部148Jとを備える。
第一アーム部146Jと第二アーム部147Jは同一の長さで構成されている。第一アーム部146Jと第二アーム部147Jとは接合部148Jで互いに交差して組み付けられている。
リンク機構41Jでは、図示しない制御部からの指令により、第一アーム部146Jの一端151J又は第二アーム部147Jの一端153Jが第一溝部141J又は第二溝部143Jを上下方向に移動する。ここで、例えば、第一アーム部146Jの一端151Jを上方に移動させれば、第二アーム部147Jの他端152Jも上方に移動し、これにともないセンサユニット31Jは支持棒11Jに対して延在方向Xのうち支持棒11に近づく方向に沿って移動する。すなわち、センサユニット31Jは延在方向Xのうち支持棒11に近づく方向に向かって収縮する。第二アーム部147Jを上方に移動させた場合も同様である。
一方、第一アーム部146Jの一端151Jを下方に移動させれば、第二アーム部147Jの一端153Jも下方に移動し、これにともないセンサユニット31Jは支持棒11Jに対して延在方向Xのうち支持棒11から離れる方向に沿って移動する。すなわち、センサユニット31Jは延在方向Xのうち支持棒11から離れる方向に向かって伸長する。第二アーム部147Jを下方に移動させた場合も同様である。
また、軸部142Jの下端には図示しないヒンジ部が設けられている。該ヒンジ部は、軸線方向Zに平行な軸、すなわち沿う軸(不図示)を中心にセンサユニット31Jを回動可能としている。よって、センサユニット31Jは、ヒンジ部を中心として360度回転可能である。
【0060】
このように構成された不透明液体内検査装置1Jでは、リンク機構41Jを稼働させて、センサユニット31Jを支持棒11Jから任意の距離を離隔して設置するとともに、センサユニット31Jをヒンジ部を中心として旋回させることにより、非常に広範囲にわたって被測定物Qを検知することができる。
また、センサユニット31Jを収縮させることにより炉内中継ラックR1内のより極小な箇所等に該センサユニット31Jを到達させることができる。また、支持棒11Jを挿入できる箇所が限られた場所しかない場合に、該限られた場所に支持棒11Jを挿入し、センサユニット31Jを伸長させれば、センサユニット31Jにより被測定物Qの検知が確実に可能である。よって、挿入箇所が制限された条件下では、本実施形態は特に効果的である。
【0061】
なお、上述のリンク機構41Jは一例であり、センサユニット31Jが支持棒11Jに対して伸縮可能な構成であれば適宜選択可能である。
また、上述のヒンジ部の構成は一例であり、センサユニット31Jが軸部142Jを中心として360度回転可能であれば適宜選択可能である。
【0062】
(第七実施形態)
以下、本発明の第七実施形態に係る不透明液体内検査装置1Wついて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0063】
第一実施形態では、センサユニット31は一定の大きさで形成されている。一方、本実施形態においては、図10に示すように、センサユニット31Wが支持棒11の下端から延在方向Xに伸縮可能に構成されている。
【0064】
伸縮可能な構成としては、センサユニット31Wの一側面において延在方向Xに設けられたレールに沿って伸縮可能な構成(不図示)が挙げられる。
また、センサユニット31Wが筒状に形成され、該センサユニット31Wの支持棒11側と反対側の端部に、該センサユニット31Wを縮径させた第二のセンサユニットが挿入配置されるとともに、該第二のセンサユニットを伸縮させる伸縮起動部を備える構成(不図示)が挙げられる。
なお、上記の伸縮可能な構成は一例であり、適宜選択可能である。
【0065】
このように構成された不透明液体内検査装置1Wでは、センサユニット31Wを収縮させることにより炉内中継ラックR1内のより極小な箇所に該センサユニット31Wを到達させることができる。よって、狭小な箇所での被測定物Qの検知が可能である。一方、センサユニット31Wを伸張させることにより広範囲にわたって被測定物Qの検知が可能である。したがって、狭小な箇所及び広い箇所の両方の領域の検査に好適である。
【0066】
(第八実施形態)
以下、本発明の第八実施形態に係る不透明液体内検査装置1Kついて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0067】
第一実施形態では、センサユニット31のセンサ部131は下方に位置する被測定物Q(図1参照、以下同じ。)を検知することができる。一方、本実施形態においては、図11に示すように、センサ部131Kはセンサユニット31Kの先端部で斜め下方に位置する被測定物Q(図1参照)も検知することができる。
【0068】
センサユニット31Kは、支持棒11の下端から延在方向Xに延在する第一ユニット部32Kと、該第一ユニット部32Kの支持棒11側と反対側の端部から斜め上方に向かって延在する第二ユニット部33Kとを備える。
センサ部131Kは、第一ユニット部32Kの下面に設けられた第一センサ部138Kと、第二ユニット部33Kの下面に設けられた第二センサ部139Kとを備える。
【0069】
このように構成された不透明液体内検査装置1Kでは、第一センサ部138Kでは下方に位置する被測定物Qを検知することができ、第二センサ部139Kでは斜め下方に位置する被測定物Qを検知することができる。よって、直下のみならず斜め下方に位置する被測定物Qも検知できるため広い範囲の検知が可能となる。
【0070】
また、図12は不透明液体内検査装置1Kの変形例1Lを示す。本変形例では、センサユニット31Lの支持棒11側と反対側の端部の下面は、延在方向Xのうち支持棒11と離れる方向に向かうにしたがって上方に向かって形成されている。
本変形例でも、直下のみならず斜め下方に位置する被測定物Qも検知できるため広い範囲の検知が可能となる。
【0071】
(第九実施形態)
以下、本発明の第九実施形態に係る不透明液体内検査装置1Mついて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0072】
第一実施形態では、センサユニット31は支持棒11の半径方向に延在する。一方、本実施形態では、図13に示すように、センサユニット31Mは軸線方向Zに沿って延在する。
【0073】
センサユニット31Mは、連結部32Mを介して支持棒11に設けられている。
連結部32Mは、支持棒11の下端から半径方向に向かって延在し、一端が支持棒11と連結され、他端がセンサユニット31Mに連結されている。
センサユニット31Mは、軸線方向Zに沿って配設されるとともに、連結部32Mの他端に連結され、センサ部131Mを支持棒11と反対側に向けている。
【0074】
このように構成された不透明液体内検査装置1Mでは、センサ部131Mは支持棒11に対して周方向に位置する被測定物Qを検知することができる。よって、例えば、不透明液体内検査装置1Mを炉内中継ラックR1に挿入すれば、該炉内中継ラックR1の側壁の状態等を検知することができる。特に、側壁に変形等がある場合の状況を観測する場合に適している。
【0075】
なお、上述した実施の形態において示した組立手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0076】
例えば、支持棒11を任意に上下移動させることが可能な上下移動機構を設けてもよい。この上下移動機構としては、例えばボールネジ機構やシリンダ機構等を採用することができる。これによって、支持棒11を任意に上下方向位置に移動させることができ、不透明液体容器内の所望の箇所を検知することが可能となる。
【0077】
また、第一実施形態では、圧電素子の送信センサ132と、光ファイバ137を介した受信センサ133とを備える。一方、圧電素子の送信センサと、圧電素子の受信センサを備える構成としてもよい。また、一の送受信センサで、圧電素子の送受信を担う構成としてもよい。
【0078】
また、本実施形態では、不透明液体内検査装置1は炉内中継ラックR1において用いる場合を示しているが、炉内中継ラックR1に限られず、原子炉容器C、一次系ナトリウム、二次系ナトリウムの他、し尿容器、浄化槽、白濁色の温泉等の不透明液体が満たされた容器等広く用いることができる。
【0079】
また、支持棒11の中心軸線が軸線Pと平行に離間していてもよい。この場合、支持棒11を軸線P回りに回転させることにより、被測定物Qを広範囲にわたって検知することができる。
【符号の説明】
【0080】
1、1J、1K、1L、1M、1S、1T、1U、1V、1W…不透明液体内検査装置
11…支持棒
21…回転駆動部
31、31J、31K、31L、31M、31S、31T、31U、31V、31W…センサユニット
131、131S…センサ部
132、132S…送信センサ
133…受信センサ
135…超音波
136…ダイヤフラム
137…光ファイバ
P…軸線
Q…被測定物
X…延在方向
S01…挿入工程
S02…回転工程
S03…検知工程
【技術分野】
【0001】
本発明は、不透明液体内検査装置及び不透明液体内検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、高速増殖炉では、高速中性子を減速させないために加熱溶融した金属ナトリウムを冷却材として使用する。ここで、該金属ナトリウムは不透明の液体状態で収容されているため、該金属ナトリウム中に存在する対象物を探索するには可視光により観察することが不可能である。
【0003】
そこで、対象物を探索する際に、圧電素子を取り付けた炉内構造検査装置(下記特許文献1参照)を利用する場合がある。該装置は、圧電素子に電流を流すことにより圧電素子を超音波振動させて、超音波の反射波の到達時間により対象物の位置を特定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−80184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の圧電素子を用いた炉内構造検査装置では、圧電素子では広範囲の検査に適していないため、非常に限られた矮小領域になってしまうという問題点があった。また、該問題点を解消するために、圧電素子を増やす方策が考えられるが、圧電素子を増やすとコスト高になってしまうという問題が生じる。また、炉内には狭小な箇所が多々存在するため、このような箇所も探索することができる炉内構造検査装置を実現することが好ましい。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、不透明液体内における被測定物を確実に、かつ、広範囲にわたって検査することができる不透明液体内検査装置及び不透明液体内検査方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る不透明液体内検査装置は、上下方向に延びる軸線に沿って不透明液体内に挿入される支持棒と、該支持棒に接続されて延在するセンサユニットと、該センサユニットを前記軸線に沿う旋回軸回りに回転させる回転駆動部とを備え、
前記センサユニットが、該センサユニットの延在方向にわたって配置されて、該延在方向に交差する方向に位置する被測定物を検知するセンサ部を有することを特徴とする。
【0008】
このような不透明液体内検査装置では、被測定物を検査する場合、不透明液体内においてセンサユニットを旋回軸回りに回転させることでセンサユニットを旋回させる。これによって、旋回軸を中心とした円形の領域にわたってセンサ部を走査させることができる。したがって、センサユニット自体をコンパクトに構成しながらもセンサ部によって広範囲にわたって被測定物を検知することができる。
【0009】
」
また、本発明に係る不透明液体内検査装置は、前記センサユニットが、前記支持棒に対して垂直に該支持棒の半径方向に延在するとともに、前記センサ部が、前記センサユニットの下方に位置する被測定物を検知することを特徴とする。
【0010】
これによって、センサユニットの下方の被測定物を広範囲にわたって確実に検知することができる。
【0011】
」
また、本発明に係る不透明液体内検査装置は、前記センサユニットが、前記支持棒の半径方向に延在するに従って上方又は下方に向かって延びるように傾斜しており、前記センサ部が、前記支持棒の延在方向に直交する前記センサユニットの下方斜め方向に位置する被測定物を検知するものであってもよい。
【0012】
このような不透明液体内検査装置では、センサユニットの下方斜め方向に位置する被測定物を検知することができる。したがって、特にセンサユニットの径方向外側の領域における被測定物を広範囲にわたって検知することができる。
【0013】
このような不透明液体内検査装置では、前記センサユニットが、前記支持棒に平行に延在しており、前記センサ部が、前記支持棒の径方向外側に位置する被測定部を検知することを特徴とする。
【0014】
このような不透明液体内検査装置では、センサユニットの側方の被測定物を広範囲にわたって確実に検知することができる。
【0015】
また、本発明に係る不透明液体内検査装置は、前記センサユニットが、前記支持棒に直交する回転軸を介して該回転軸回りに回動可能に接続されているものであってもよい。
【0016】
このような不透明液体内検査装置では、センサユニットを回動させることのより、センサ部による被測定物の検出可能領域を任意に変更することができる。
【0017】
また、本発明に係る不透明液体内検査装置は、前記センサユニットが、該センサユニットの延在方向に伸縮可能とされているものであってもよい。
【0018】
このような不透明液体内検査装置では、センサユニットを収縮させることにより不透明液体内のより狭小な箇所に該センサユニットを到達させることができる一方、センサユニットを伸張させることで広範囲にわたって被測定物を検知することが可能となる。
【0019】
また、本発明に係る不透明液体内検査装置は、前記センサユニットが、前記支持棒にリンク機構を介して接続されていてもよい。
【0020】
このような不透明液体内検査装置では、リンク機構を稼働させることにより、確実に伸縮でき、広範囲にわたって被測定物を検知することが可能となる。
【0021】
また、本発明に係る不透明液体内検査装置は、前記センサ部が、前記延在方向に直交する方向に向けて超音波を発振する送信センサと、前記被測定物からの前記超音波の反射波を受信する受信センサとを備えることを特徴とする。
【0022】
このような不透明液体内検査装置では、センサ部の送信センサは超音波を発振するため、迅速に検査することができる。また、センサ中の受信センサは反射波を受信することができるため、不透明液体内の被測定物を確実に検知することができる。
【0023】
また、本発明に係る不透明液体内検査装置は、前記受信センサは、前記反射波によるダイヤフラムの振動を、光ファイバを介して伝送されるレーザ光によって検出することを備えることを特徴とする。
【0024】
このような不透明液体内検査装置では、受信センサは光ファイバを介して伝送されるレーザ光によって検出するため、解像度良く検出することができる。よって、不透明液体内の被測定物を効率的に、且つ迅速に検知することができる。
【0025】
また、本発明に係る不透明液体内検査装置は、前記送信センサは、前記支持棒の半径方向に向かうに従って該半径方向に直交する方向両側に順次交互に複数が配列されていることを特徴とする。
【0026】
このような不透明液体内検査装置では、センサ部の単位面積当たりの送信センサの数を多く設けることにより多くの超音波を発振させることができるため、不透明液体内の被測定物をより迅速に、且つより効率的に検知することができる。
【0027】
また、本発明に係る不透明液体内検査方法は、不透明液体内検査装置を用いて、前記不透明液体内に存在する前記被測定物を検査する不透明液体内検査方法であって、前記不透明液体内に前記不透明液体内検査装置を挿入する挿入工程と、前記センサユニットを前記軸線に沿う旋回軸回りに回転させる回転工程と、前記センサ部により前記被測定物を検知する検知工程とを備えることを特徴とする。
【0028】
このような不透明液体内検査方法では、センサユニット自体をコンパクトに構成しながらもセンサ部によって広範囲にわたって被測定物を検知することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る不透明液体内検査装置及び不透明液体内検査方法によれば、センサユニット自体をコンパクトな構成とした場合であっても、該センサユニットを回転させることで広範囲にわたって被測定物を検知することができる。これによって、不透明液体内における被測定物を確実に、かつ、広範囲にわたって検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】原子炉内で本発明の第一実施形態に係る不透明液体内検査装置を用いて検査する様子を示した縦断面図である。
【図2】本発明の第一実施形態又は第二実施形態に係る不透明液体内検査装置の正面図である。
【図3】(a)第一実施形態に係る不透明液体内検査装置の図2のA矢視図、(b)第二実施形態に係る不透明液体内検査装置の図2のA矢視図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係る不透明液体内検査装置のセンサユニットの構成を説明する図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る不透明液体内検査装置を用いた不透明液体内検査方法のフローチャートである。
【図6】本発明の第一実施形態に係る不透明液体内検査装置のセンサユニットの軌道を示した図である。
【図7】(a)本発明の第三実施形態に係る不透明液体内検査装置、(b)本発明の第四実施形態に係る不透明液体内検査装置の正面図である。
【図8】本発明の第五実施形態に係る不透明液体内検査装置の正面図である。
【図9】本発明の第六実施形態に係る不透明液体内検査装置の正面図である。
【図10】本発明の第七実施形態に係る不透明液体内検査装置の正面図である。
【図11】本発明の第八実施形態に係る不透明液体内検査装置の正面図である。
【図12】本発明の第八実施形態の変形例に係る不透明液体内検査装置の正面図である。
【図13】本発明の第九実施形態に係る不透明液体内検査装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第一実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の第一実施形態に係る不透明液体内検査装置1について説明する。図1は、原子炉内の原子炉容器Cの内部において不透明液体内検査装置1を用いて、被測定物Qを検査する様子を示した図である。
【0032】
図1に示すように、原子炉容器Cは、原子炉容器Cの内側に設けられた上部支持円盤Dと、上部支持円盤Dの中央部に形成された中央孔D1に上下方向に挿入配置され燃料を収容する炉心Eと、原子炉容器Cの内面から内方に向かうに従って上方に延在するように設けられるとともに炉心Eを支持する下部支持脚部Fとを備える。さらに、原子炉容器Cは、上部支持円盤Dの中央孔D1の外縁部に形成された複数の外縁孔D2、D3にそれぞれ上下方向に挿入された炉内中継ラックR1及び炉内ラックR2を備える。ここで、本実施形態に係る不透明液体内検査装置1は、炉内中継ラックR1の上方から挿入されている。また、炉内中継ラックR1には、液体状の不透明なナトリウムNが満たされている。
【0033】
まず、不透明液体内検査装置1の構成を詳細に説明する。
図2に示すように、不透明液体内検査装置1は、上下方向に延びる軸線Pに沿って炉内中継ラックR1(図1参照)に挿入される支持棒11と、該支持棒11に接続されたセンサユニット31と、該センサユニット31を軸線Pに沿う旋回軸(不図示)回りに回転させる回転駆動部21とを備える。本実施形態では、軸線Pと旋回軸とが一致している。
ここで、支持棒11の軸線Pに沿う方向を軸線方向Zと、支持棒11の下端よりセンサユニット31が延在する方向を延在方向Xと称する。
【0034】
支持棒11は、軸線方向Zに沿って、即ち、上下方向に延在するとともに該上下方向に直交する断面形状が例えば円状をなす棒状の部材である。この支持棒11は、例えば図示しない軸受や支持機構によって支持されることにより、軸線方向Zとの平行が維持されつつ軸線P回りに回転可能とされている。
なお、本実施形態では、支持棒11の中心軸線と、軸線Pと、旋回軸とが一致している。
【0035】
回転駆動部21は、支持棒11の上端に接続されたモータ等の回転動力源であって、当該モータが回転することによって支持棒11を軸線P回りに回転駆動させるように構成されている。
【0036】
センサユニット31は、支持棒11の下端から軸線Pの半径方向に延在するように設けられている。ここで、このセンサユニット31の延在方向Xは、支持棒11の半径方向に一致する方向、即ち、支持棒11に垂直となる方向とされている。また、センサユニット31の下方を向く外面には、延在方向Xにわたって配置されるとともに下方に位置する被測定物Q(図1参照)を検知するセンサ部131を備える。
【0037】
センサ部131は、図3(a)及び図4に示すように、下方に向けて超音波135を発振する送信センサ132と、被測定物Qからの超音波135の反射波によるダイヤフラム136の振動を光ファイバ137によって検出する受信センサ133とを備える。
【0038】
図3(a)に示すように、送信センサ132は、センサユニット31の下面に複数設けられるとともに、センサユニット31の延在方向Xに沿って一直線上に互いに間隙をあけて配置されている。また、受信センサ133は、センサユニット31の下面における送信センサ132を除く領域全域に複数が配列されている。即ち、センサユニット31の下面は、送信センサ132と受信センサ133とによってその全域が占められている。
図4に示すように、受信センサ133は、センサユニット31の下面に複数設けられたダイヤフラム136と、センサユニット31の内方に複数配された光ファイバ137とを備える。
ダイヤフラム136は、センサユニット31の下面に設けられた送信センサ132の間隙を埋めるように多数配置されている。
光ファイバ137は、透明な繊維状の部材であり、一端をダイヤフラム136側に向けるとともに、当該一端をダイヤフラム136との間に間隙Iをあけてセンサユニット31の内方に配置されている。
【0039】
次に、上述の不透明液体内検査装置1を用いた不透明液体内検査方法について説明する。
図5に示すように、不透明液体内検査方法は、炉内中継ラックR1に不透明液体内検査装置1を挿入する挿入工程S01と、支持棒11を軸線P回りに回転させる回転工程S02と、センサ部131により被測定物Qを検知する検知工程S03とを備える。
まず、挿入工程S01においては、図1に示すように、炉内中継ラックR1に不透明液体内検査装置1をセンサユニット31を下方に向けて挿入する。
【0040】
次に、回転工程S02においては、図2に示すように、回転駆動部21を駆動させて、支持棒11及び支持棒11に設けられたセンサユニット31を軸線P回りに回転させる。ここで、支持棒11を360度回転させた場合における支持棒11及びセンサユニット31の軌道Hを図6に示す。図6に示すように、軌道Hは、平面視して支持棒11の中央Oを中心とし、中央Oからセンサユニット31の支持棒11側と反対の端部までの距離を半径とする円形状をなしている。
【0041】
次に、作業者は検知工程S03において、図4に示すように、送信センサ132が、圧電素子から構成される超音波135を発振する。ここで、超音波135が被測定物Qに入射すると、被測定物Qから反射波である超音波135が生じる。そして、反射波(超音波135)がダイヤフラム136に入射すると、ダイヤフラム136は振動するとともにレーザ光138を光ファイバ137に対して出射する。この状態で、光ファイバ137は、ダイヤフラム136から入射するレーザ光138と、送信センサ132から出射する超音波135との時間差により、被測定物Qの位置を特定することができる。
ここで、検知工程S03と回転工程S02とは、同時に実行することが好ましい。
なお、複数設けられた送信センサ132は、それぞれ同時に超音波135を発振することができる。
【0042】
このように構成された不透明液体内検査装置1及び不透明液体内検査装置1を用いた不透明液体内検査方法では、炉内中継ラックR1に挿入された支持棒11を軸線P回りに回転させることで、センサユニット31を旋回させることができる。これによって、中央Oを中心とした円形の軌道Hにわたり、センサ部131によって超音波135の送受信をすることができる。したがって、センサユニット31は支持棒11、回転駆動部21及びセンサユニット31からなるコンパクトな構成でありながら、センサ部131によって確実に、かつ、広範囲にわたって下方の被測定物Qを検知することができる。
また、送信センサ132は超音波135を発振するため、迅速に被測定物Qを検知することができる。さらに、受信センサ133は光ファイバ137を介して伝送されるレーザ光138によって検出するため、解像度良く、効率的に検出することができる。
【0043】
なお、本実施形態では、センサユニット31は、支持棒11の下端より一の半径方向に延在している。しかし、延在する方向は半径方向には限られず、例えば直径方向に延在してもよい(不図示)。
この構成では、センサ部131がより広範囲にわたって配置されることとなり、より広範囲にわたって被測定物Qを検知することができる。
【0044】
また、本実施形態では、センサ部131は、センサユニット31の下面に設けられている。しかし、センサ部131の設けられる位置は下面に限られず、例えばセンサユニット31の上面であってもよい(不図示)。
この構成では、センサユニット31の上方に位置する被測定物Qを検知することができる。
【0045】
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態に係る不透明液体内検査装置1Sについて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0046】
第一実施形態では、送信センサ132はセンサユニット31の下面において、延在方向Xに沿って一直線状に配置されている。一方、本実施形態においては、図3(b)に示すように、送信センサ132Sはセンサユニット31Sの下面において、半径方向である延在方向Xに向かうに従って該延在方向に直交する方向Yの両側に順次交互に複数配列されている。
【0047】
このように構成された不透明液体内検査装置1Sでは、センサ部131Sの単位面積当たりの送信センサ132Sの数を多く設けることにより多くの超音波135を発振させることができる。したがって、炉内中継ラックR1内の被測定物Qをより迅速に、かつ、より効率的に検知することができる。
【0048】
(第三実施形態)
以下、本発明の第三実施形態に係る不透明液体内検査装置1Tについて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0049】
第一実施形態では、センサユニット31は支持棒11に垂直となる方向に設けられている。一方、本実施形態においては、図7(a)に示すように、センサユニット31Tは、支持棒11の半径方向に延在するに従って上方に向かって延びるように斜め上方に傾斜して設けられている。なお、センサユニット31Tを構成するセンサ部131の構成は第一実施形態と同様である。
【0050】
このように構成された不透明液体内検査装置1Tでは、センサユニット31Tが支持棒11に対して任意の角度で上向きに設けられていても、支持棒11を軸線P回りに回転することにより、センサユニット31Tの径方向外側に位置する被測定物Qを広範囲にわたって、かつ、確実に検知することができる。
【0051】
(第四実施形態)
以下、本発明の第四実施形態に係る不透明液体内検査装置1Uについて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0052】
第一実施形態では、センサユニット31は支持棒11に垂直となる方向に設けられている。一方、本実施形態においては、図7(b)に示すように、センサユニット31Uは、支持棒11の半径方向に延在するに従って下方に向かって延びるように斜め下方に傾斜して設けられている。なお、センサユニット31Uを構成するセンサ部131の構成は第一実施形態と同様である。
【0053】
このように構成された不透明液体内検査装置1Uでは、センサユニット31Uが支持棒11に対して任意の角度で下向きに設けられていても、支持棒11を軸線P回りに回転することにより、センサユニット31Uの径方向外側に位置する被測定物Qを広範囲にわたって、かつ、確実に検知することができる。
【0054】
(第五実施形態)
以下、本発明の第五実施形態に係る不透明液体内検査装置1Vについて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0055】
第一実施形態では、センサユニット31は支持棒11に固定して設けられている。一方、本実施形態においては、図8に示すように、センサユニット31Vは、支持棒11の下端に設けられたヒンジ部138Vを介して取り付けられている。
ヒンジ部138Vは、支持棒11及びセンサユニット31Vの延在する方向に直交する方向である図8の紙面に直交する方向に向かう回転軸(不図示)を中心に、アクチュエーター(不図示)等によりセンサユニット31Vを回動可能としている。なお、センサユニット31Vを構成するセンサ部131の構成は第一実施形態と同様である。
【0056】
このように構成された不透明液体内検査装置1Vでは、センサユニット31Vを回動させるとともに、支持棒11を軸線P回りに回転させることにより、センサ部131による被測定物Qの検出可能領域を任意に変更することができる。
【0057】
(第六実施形態)
以下、本発明の第六実施形態に係る不透明液体内検査装置1Jについて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0058】
第一実施形態では、センサユニット31は一定の大きさで形成されている。一方、本実施形態においては、図9に示すように、センサユニット31Jが支持棒11Jの下端から延在方向Xに伸縮可能に構成されている。
【0059】
センサユニット31Jは、支持棒11Jにリンク機構41Jを介して、延在方向Xに伸縮可能に接続されている。
リンク機構41Jは、支持棒11Jにおいて軸線方向Zに沿って設けられた第一溝部141Jと、支持棒11Jと平行に該支持棒11Jと半径方向に離間して設けられた軸部142Jと、該軸部142Jにおいて軸線方向Zに沿って設けられた第二溝部143Jとを備える。さらに、リンク機構41Jは、第一溝部141Jに一端151Jが挿入されるとともに他端152Jが軸部142Jの下端に固定された第一アーム部146Jと、第二溝部143Jに一端153Jが挿入されるとともに他端154Jが支持棒11Jの下端に固定された第二アーム部147Jと、第一アーム部146Jと第二アーム部147Jとを接合する接合部148Jとを備える。
第一アーム部146Jと第二アーム部147Jは同一の長さで構成されている。第一アーム部146Jと第二アーム部147Jとは接合部148Jで互いに交差して組み付けられている。
リンク機構41Jでは、図示しない制御部からの指令により、第一アーム部146Jの一端151J又は第二アーム部147Jの一端153Jが第一溝部141J又は第二溝部143Jを上下方向に移動する。ここで、例えば、第一アーム部146Jの一端151Jを上方に移動させれば、第二アーム部147Jの他端152Jも上方に移動し、これにともないセンサユニット31Jは支持棒11Jに対して延在方向Xのうち支持棒11に近づく方向に沿って移動する。すなわち、センサユニット31Jは延在方向Xのうち支持棒11に近づく方向に向かって収縮する。第二アーム部147Jを上方に移動させた場合も同様である。
一方、第一アーム部146Jの一端151Jを下方に移動させれば、第二アーム部147Jの一端153Jも下方に移動し、これにともないセンサユニット31Jは支持棒11Jに対して延在方向Xのうち支持棒11から離れる方向に沿って移動する。すなわち、センサユニット31Jは延在方向Xのうち支持棒11から離れる方向に向かって伸長する。第二アーム部147Jを下方に移動させた場合も同様である。
また、軸部142Jの下端には図示しないヒンジ部が設けられている。該ヒンジ部は、軸線方向Zに平行な軸、すなわち沿う軸(不図示)を中心にセンサユニット31Jを回動可能としている。よって、センサユニット31Jは、ヒンジ部を中心として360度回転可能である。
【0060】
このように構成された不透明液体内検査装置1Jでは、リンク機構41Jを稼働させて、センサユニット31Jを支持棒11Jから任意の距離を離隔して設置するとともに、センサユニット31Jをヒンジ部を中心として旋回させることにより、非常に広範囲にわたって被測定物Qを検知することができる。
また、センサユニット31Jを収縮させることにより炉内中継ラックR1内のより極小な箇所等に該センサユニット31Jを到達させることができる。また、支持棒11Jを挿入できる箇所が限られた場所しかない場合に、該限られた場所に支持棒11Jを挿入し、センサユニット31Jを伸長させれば、センサユニット31Jにより被測定物Qの検知が確実に可能である。よって、挿入箇所が制限された条件下では、本実施形態は特に効果的である。
【0061】
なお、上述のリンク機構41Jは一例であり、センサユニット31Jが支持棒11Jに対して伸縮可能な構成であれば適宜選択可能である。
また、上述のヒンジ部の構成は一例であり、センサユニット31Jが軸部142Jを中心として360度回転可能であれば適宜選択可能である。
【0062】
(第七実施形態)
以下、本発明の第七実施形態に係る不透明液体内検査装置1Wついて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0063】
第一実施形態では、センサユニット31は一定の大きさで形成されている。一方、本実施形態においては、図10に示すように、センサユニット31Wが支持棒11の下端から延在方向Xに伸縮可能に構成されている。
【0064】
伸縮可能な構成としては、センサユニット31Wの一側面において延在方向Xに設けられたレールに沿って伸縮可能な構成(不図示)が挙げられる。
また、センサユニット31Wが筒状に形成され、該センサユニット31Wの支持棒11側と反対側の端部に、該センサユニット31Wを縮径させた第二のセンサユニットが挿入配置されるとともに、該第二のセンサユニットを伸縮させる伸縮起動部を備える構成(不図示)が挙げられる。
なお、上記の伸縮可能な構成は一例であり、適宜選択可能である。
【0065】
このように構成された不透明液体内検査装置1Wでは、センサユニット31Wを収縮させることにより炉内中継ラックR1内のより極小な箇所に該センサユニット31Wを到達させることができる。よって、狭小な箇所での被測定物Qの検知が可能である。一方、センサユニット31Wを伸張させることにより広範囲にわたって被測定物Qの検知が可能である。したがって、狭小な箇所及び広い箇所の両方の領域の検査に好適である。
【0066】
(第八実施形態)
以下、本発明の第八実施形態に係る不透明液体内検査装置1Kついて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0067】
第一実施形態では、センサユニット31のセンサ部131は下方に位置する被測定物Q(図1参照、以下同じ。)を検知することができる。一方、本実施形態においては、図11に示すように、センサ部131Kはセンサユニット31Kの先端部で斜め下方に位置する被測定物Q(図1参照)も検知することができる。
【0068】
センサユニット31Kは、支持棒11の下端から延在方向Xに延在する第一ユニット部32Kと、該第一ユニット部32Kの支持棒11側と反対側の端部から斜め上方に向かって延在する第二ユニット部33Kとを備える。
センサ部131Kは、第一ユニット部32Kの下面に設けられた第一センサ部138Kと、第二ユニット部33Kの下面に設けられた第二センサ部139Kとを備える。
【0069】
このように構成された不透明液体内検査装置1Kでは、第一センサ部138Kでは下方に位置する被測定物Qを検知することができ、第二センサ部139Kでは斜め下方に位置する被測定物Qを検知することができる。よって、直下のみならず斜め下方に位置する被測定物Qも検知できるため広い範囲の検知が可能となる。
【0070】
また、図12は不透明液体内検査装置1Kの変形例1Lを示す。本変形例では、センサユニット31Lの支持棒11側と反対側の端部の下面は、延在方向Xのうち支持棒11と離れる方向に向かうにしたがって上方に向かって形成されている。
本変形例でも、直下のみならず斜め下方に位置する被測定物Qも検知できるため広い範囲の検知が可能となる。
【0071】
(第九実施形態)
以下、本発明の第九実施形態に係る不透明液体内検査装置1Mついて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0072】
第一実施形態では、センサユニット31は支持棒11の半径方向に延在する。一方、本実施形態では、図13に示すように、センサユニット31Mは軸線方向Zに沿って延在する。
【0073】
センサユニット31Mは、連結部32Mを介して支持棒11に設けられている。
連結部32Mは、支持棒11の下端から半径方向に向かって延在し、一端が支持棒11と連結され、他端がセンサユニット31Mに連結されている。
センサユニット31Mは、軸線方向Zに沿って配設されるとともに、連結部32Mの他端に連結され、センサ部131Mを支持棒11と反対側に向けている。
【0074】
このように構成された不透明液体内検査装置1Mでは、センサ部131Mは支持棒11に対して周方向に位置する被測定物Qを検知することができる。よって、例えば、不透明液体内検査装置1Mを炉内中継ラックR1に挿入すれば、該炉内中継ラックR1の側壁の状態等を検知することができる。特に、側壁に変形等がある場合の状況を観測する場合に適している。
【0075】
なお、上述した実施の形態において示した組立手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0076】
例えば、支持棒11を任意に上下移動させることが可能な上下移動機構を設けてもよい。この上下移動機構としては、例えばボールネジ機構やシリンダ機構等を採用することができる。これによって、支持棒11を任意に上下方向位置に移動させることができ、不透明液体容器内の所望の箇所を検知することが可能となる。
【0077】
また、第一実施形態では、圧電素子の送信センサ132と、光ファイバ137を介した受信センサ133とを備える。一方、圧電素子の送信センサと、圧電素子の受信センサを備える構成としてもよい。また、一の送受信センサで、圧電素子の送受信を担う構成としてもよい。
【0078】
また、本実施形態では、不透明液体内検査装置1は炉内中継ラックR1において用いる場合を示しているが、炉内中継ラックR1に限られず、原子炉容器C、一次系ナトリウム、二次系ナトリウムの他、し尿容器、浄化槽、白濁色の温泉等の不透明液体が満たされた容器等広く用いることができる。
【0079】
また、支持棒11の中心軸線が軸線Pと平行に離間していてもよい。この場合、支持棒11を軸線P回りに回転させることにより、被測定物Qを広範囲にわたって検知することができる。
【符号の説明】
【0080】
1、1J、1K、1L、1M、1S、1T、1U、1V、1W…不透明液体内検査装置
11…支持棒
21…回転駆動部
31、31J、31K、31L、31M、31S、31T、31U、31V、31W…センサユニット
131、131S…センサ部
132、132S…送信センサ
133…受信センサ
135…超音波
136…ダイヤフラム
137…光ファイバ
P…軸線
Q…被測定物
X…延在方向
S01…挿入工程
S02…回転工程
S03…検知工程
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる軸線に沿って不透明液体内に挿入される支持棒と、
該支持棒に接続されて延在するセンサユニットと、
該センサユニットを前記軸線に沿う旋回軸回りに回転させる回転駆動部とを備え、
前記センサユニットが、
該センサユニットの延在方向にわたって配置されて、該延在方向に交差する方向に位置する被測定物を検知するセンサ部を有することを特徴とする不透明液体内検査装置。
【請求項2】
前記センサユニットが、
前記支持棒に対して垂直に該支持棒の半径方向に延在するとともに、
前記センサ部が、前記センサユニットの下方に位置する被測定物を検知することを特徴とする請求項1に記載の不透明液体内検査装置。
【請求項3】
前記センサユニットが、
前記支持棒の半径方向に延在するに従って上方又は下方に向かって延びるように傾斜しており、
前記センサ部が、前記支持棒の延在方向に直交する前記センサユニットの下方斜め方向に位置する被測定物を検知することを特徴とする請求項1に記載の不透明液体内検査装置。
【請求項4】
前記センサユニットが、
前記支持棒に平行に延在しており、
前記センサ部が、前記支持棒の径方向外側に位置する被測定部を検知することを特徴とする請求項1に記載の不透明液体内検査装置。
【請求項5】
前記センサユニットが、
前記支持棒に直交する回転軸を介して該回転軸回りに回動可能に接続されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の不透明液体内検査装置。
【請求項6】
前記センサユニットが、
該センサユニットの延在方向に伸縮可能とされていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の不透明液体内検査装置。
【請求項7】
前記センサユニットが、
前記支持棒にリンク機構を介して接続されていることを特徴とする請求項6に記載の不透明液体内検査装置。
【請求項8】
前記センサ部が、
前記延在方向に直交する方向に向けて超音波を発振する送信センサと、
前記被測定物からの前記超音波の反射波を受信する受信センサとを備えることを特徴とする1から7のいずれか一項に記載の不透明液体内検査装置。
【請求項9】
前記受信センサは、
前記反射波によるダイヤフラムの振動を、光ファイバを介して伝送されるレーザ光によって検出することを備えることを特徴とする請求項8に記載の不透明液体内検査装置。
【請求項10】
前記送信センサは、前記センサユニットの延在方向の一方側に向かうにしたがって該延在する方向に直交する両側に順次交互に複数が配列されていることを特徴とする請求項8または9に記載の不透明液体内検査装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の不透明液体内検査装置を用いて、前記不透明液体内に存在する前記被測定物を検査する不透明液体内検査方法であって、
前記不透明液体内に前記不透明液体内検査装置を挿入する挿入工程と、
前記センサユニットを前記軸線に沿う旋回軸回りに回転させる回転工程と、
前記センサ部により前記被測定物を検知する検知工程とを備えることを特徴とする不透明液体内検査方法。
【請求項1】
上下方向に延びる軸線に沿って不透明液体内に挿入される支持棒と、
該支持棒に接続されて延在するセンサユニットと、
該センサユニットを前記軸線に沿う旋回軸回りに回転させる回転駆動部とを備え、
前記センサユニットが、
該センサユニットの延在方向にわたって配置されて、該延在方向に交差する方向に位置する被測定物を検知するセンサ部を有することを特徴とする不透明液体内検査装置。
【請求項2】
前記センサユニットが、
前記支持棒に対して垂直に該支持棒の半径方向に延在するとともに、
前記センサ部が、前記センサユニットの下方に位置する被測定物を検知することを特徴とする請求項1に記載の不透明液体内検査装置。
【請求項3】
前記センサユニットが、
前記支持棒の半径方向に延在するに従って上方又は下方に向かって延びるように傾斜しており、
前記センサ部が、前記支持棒の延在方向に直交する前記センサユニットの下方斜め方向に位置する被測定物を検知することを特徴とする請求項1に記載の不透明液体内検査装置。
【請求項4】
前記センサユニットが、
前記支持棒に平行に延在しており、
前記センサ部が、前記支持棒の径方向外側に位置する被測定部を検知することを特徴とする請求項1に記載の不透明液体内検査装置。
【請求項5】
前記センサユニットが、
前記支持棒に直交する回転軸を介して該回転軸回りに回動可能に接続されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の不透明液体内検査装置。
【請求項6】
前記センサユニットが、
該センサユニットの延在方向に伸縮可能とされていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の不透明液体内検査装置。
【請求項7】
前記センサユニットが、
前記支持棒にリンク機構を介して接続されていることを特徴とする請求項6に記載の不透明液体内検査装置。
【請求項8】
前記センサ部が、
前記延在方向に直交する方向に向けて超音波を発振する送信センサと、
前記被測定物からの前記超音波の反射波を受信する受信センサとを備えることを特徴とする1から7のいずれか一項に記載の不透明液体内検査装置。
【請求項9】
前記受信センサは、
前記反射波によるダイヤフラムの振動を、光ファイバを介して伝送されるレーザ光によって検出することを備えることを特徴とする請求項8に記載の不透明液体内検査装置。
【請求項10】
前記送信センサは、前記センサユニットの延在方向の一方側に向かうにしたがって該延在する方向に直交する両側に順次交互に複数が配列されていることを特徴とする請求項8または9に記載の不透明液体内検査装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の不透明液体内検査装置を用いて、前記不透明液体内に存在する前記被測定物を検査する不透明液体内検査方法であって、
前記不透明液体内に前記不透明液体内検査装置を挿入する挿入工程と、
前記センサユニットを前記軸線に沿う旋回軸回りに回転させる回転工程と、
前記センサ部により前記被測定物を検知する検知工程とを備えることを特徴とする不透明液体内検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−29460(P2013−29460A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166926(P2011−166926)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
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