説明

不飽和モノニトリル類の回収及び精製中に重合を阻止する方法

【課題】アンモニアの存在下で、気体を製造するためのプロパン、プロピレン、イソブタン及びイソブチレンからなる群から選択される少なくとも1種の供給化合物の接触酸化により形成された有価値窒素含有有機化合物を回収し、精製するためのプロセスを提供する。
【解決手段】気体状反応器流出物を水性急冷液体で急冷する工程と;対応する不飽和モノニトリル、シアン化水素及び他の有機副産物を含む水溶液を形成する工程と;蒸留及び相分離の一体型シーケンスを用いて、有用な水性液体を再循環させるために回収して、所望の窒素含有生成物を得る工程とを含む。水溶液は多重ステージ塔の一体型システム内で分画され、一方、重合阻止有効量の予め選択された分類のp−フェニレンジアミン化合物の少なくとも一員は維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、軽質炭化水素化合物の接触アンモ酸化により得られる熱い気体状混合物から有機有価値物質を回収し精製する連続プロセスに関する。特に、本発明は、対応する不飽和モノニトリルを含有する気体状反応器流出物を製造するためのプロパン、プロピレン、イソブタン及びイソブチレンからなる群から選択される少なくとも1種の供給化合物のアンモニアの存在下での接触酸化により形成された有価値窒素含有有機化合物の回収及び精製に関する。本発明のプロセスは、気体状反応器流出物を水性急冷液体で急冷する工程;対応する不飽和モノニトリル、シアン化水素及び他の有機副産物を含有する水溶液を形成する工程;及び有用な水性液体を再循環させるために回収し、有価値窒素含有有機化合物及びシアン化水素生成物を得る蒸留及び相分離の一体化手順を用いる工程を含む。有利なことに、本発明によれば、水溶液は多重ステージ塔の一体型システム内で分画され、一方、重合阻止有効量のp−フェニレンジアミン化合物の予め選択された分類の少なくとも1種が多重ステージ塔内に維持される。
【背景技術】
【0002】
周知のように、市販のアクリロニトリルのほとんどは、プロピレンのアンモニア、空気及び蒸気との気相中プロピレンの不均質接触アンモ酸化によりSohioプロセスで製造される。例えば、L.A.Cohenの米国特許3,222,422号明細書、L.Leeの米国特許3,278,642号明細書及び3,346,520号明細書、O.L.Stafford,D.V.Wing及びD.E.Stolsmarkの米国特許3,442,981号明細書、及びN.E.Aubery及びM.B.Jastrzebeskiの米国特許3,509,238号明細書を参照。
【0003】
このプロセスを利用する商業的なアクリロニトリルシステムにおいて、反応器供給物はプロピレン、アンモニア及び圧縮空気である。プロピレン及びアンモニアは気化され、次いで空気と一緒に組み合わされ、流動床接触反応器に供給される。3種の供給物の正確な比率は、最適な収率のために維持される。反応器内の触媒は、粒子形態であり、床を流通する気体の速度により乱流流体状態に維持される。
【0004】
プロピレン、アンモニア及び酸素は反応器内で一緒に混合され、アンモニアの存在下、流動床触媒の表面でプロピレンの酸化が生じる。1セットの複合発熱反応が生じ、こうして下記生成物を形成する:アクリロニトリル、シアン化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、アセトニトリル、アクロレイン、アクリル酸、水、他の高級ニトライト類、アルデヒド類、ケトン類、酢酸及び多数の雑多な未知の有機化合物。3種の供給物の転化率は100%未満であるから、未反応プロピレン、アンモニア、酸素及び窒素は、反応器流出ガス内に含有される。プロピレン源は、典型的には、少量のプロパン及びほとんどが未反応のままプロセスからパージされるいくらかのより重い炭化水素化合物群を含む。発熱反応の熱の一部は、複数セットの蒸気コイル(steam coils)により取り除かれる。蒸気コイルは、プロセスの生成物回収及び精製区域における9蒸留用の熱入力などのプロセスで使用するための約600psig(4.1MPa)の廃棄蒸気を発生させて過熱する。反応器流出ガスは、ガスから触媒微粉を取り除くサイクロンを通過する。次いで、ガスは、冷却源としてボイラー供給水を用いるシェル・チューブ型熱交換器から構成される反応器流出物冷却器内でさらに冷却される。
【0005】
ガスは反応器流出物冷却器から流出すると、次いで急冷塔に流入する。急冷塔は、循環水流と接触させることにより反応器流出物を冷却する。反応器流出物中の水蒸気のほとんど及び少量の有機物蒸気は、急冷塔内で凝縮する。急冷塔底流は、冷却され、急冷塔に戻される。急冷塔は、内部トレイ又は充填材を含有していてもよく、上向き流ガスと下向き流水とを緊密に接触させる。硫酸を循環急冷水に注入して、反応器流出物中の未反応アンモニアを中和する。過剰の急冷水は、反応器により発生した水の量とほぼ等しく、廃水塔に供給され、ここでアクリロニトリルとシアン化水素とが回収される。廃水塔底流は、冷却され、中和され、他のプラント廃棄流と混合され、清浄化され、廃水注入井に注入される。急冷塔流出ガスは、次いで、吸着塔に送られ、ここで冷却水が用いられて、ガスからアクリロニトリル、シアン化水素及び他の有機物の水溶液を得る。
【0006】
吸着塔からの水溶液は、回収塔に送られ、ここでアクリロニトリル及びシアン化水素がオーバーヘッドとなる。回収塔からの底流の一部は、冷却され、吸着工程に再循環される。この再循環は、種々の組み合わせでのモノマー、オリゴマー、プレポリマー及びポリマーの形態での無機化合物及び有機化合物の両方を含む。アクリロニトリル、シアン化水素及び場合によってはアセトニトリル生成物は、次いで、一連の蒸留及び相分離を用いて精製される。第1塔(ヘッド塔)は、シアン化水素を除去し、最後の塔(アクリロニトリル生成物塔)は、塔頂部近くの側部抜き出し口から純粋なアクリロニトリルモノマー生成物を取り出す。高沸点有機化合物は、生成物塔底部から取り出される。
【0007】
アクリロニトリルは、急冷塔内で重合され得る。特に、反応器流出ガスが急冷塔を通過する際に、ガスに含まれているアクリロニトリルの一部が重合して、再循環急冷水に吸着される。急冷塔内で重合するアクリロニトリルの量は、アクリロニトリルプラントに対する望ましくない正味生成量の損失を表す。例えば、無抑制の急冷塔において、反応器により生成された総アクリロニトリルの約2〜5%は急冷塔内での重合のために失われる。
【0008】
循環急冷水で処理することを含む重合及び他の副反応によるアクリロニトリルの損失量を減少させるためのいくつかの方法が知られている。例えば、米国特許3,691,226号明細書、同4,720,566号明細書、同5,869,730号明細書、同5,895,822号明細書及び同6,238,574号明細書(これらの特許は参照として本願に含まれる)を参照。
【0009】
John F. Martinの米国特許4,720,566号明細書には、(a)2個のアルキル基を有するヒドロキシアミンと、(b)置換基フェニル基を有するp−フェニレンジアミンもしくは未置換p−フェニレンジアミンとの組み合わせとで、アクリロニトリルを製造するシステムの急冷塔内でのアクリロニトリル重合を阻止する方法及び組成物が記載されている。
【0010】
残念ながら、運転条件下では、アクリロニトリルは回収及び精製区域で重合可能であり、機器の運転に影響し、望ましくない正味生成量の損失及び生産率低下の原因となり、時間の経過と共にコストのかかる運転停止を引き起こす固体堆積物を形成し得る。
種々の組み合わせでのこのようなポリマー、オリゴマー及びプレポリマーは、蒸留塔及び他のプロセス機器における分離のための運転条件を維持するために用いられる熱交換器の熱交換面を塞ぐ。塞がれた熱交換面は、熱伝達係数を減少させ、こうして、清浄表面で得られる所要熱量及び/又は冷却量を実現するために用いなければならない熱伝達媒体の量が増加する。結局、熱交換器を手動で清掃しなければならず、有害な化学物質に対する暴露の危険性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第3,222,422号明細書
【特許文献2】米国特許第3,278,642号明細書
【特許文献3】米国特許第3,346,520号明細書
【特許文献4】米国特許第3,442,981号明細書
【特許文献5】米国特許第3,509,238号明細書
【特許文献6】米国特許第3,691,226号明細書
【特許文献7】米国特許第4,720,566号明細書
【特許文献8】米国特許第5,869,730号明細書
【特許文献9】米国特許第5,895,822号明細書
【特許文献10】米国特許第6,238,574号明細書
【特許文献11】米国特許第4,720,566号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の一般的な目的は、アンモニアの存在下で、プロパン、プロピレン、イソブタン及びイソブチレンからなる群から選択される少なくとも1の供給化合物の接触酸化により形成された有価値窒素含有有機化合物の回収及び精製に関する上述の従来方法の問題点を解決する改良されたプロセスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
改良されたプロセスは、不飽和モノニトリル生成物を含む水溶液の分留中、運転条件下で、有効な重合阻害組成物の予め選択された分類を利用する。
有利には、このような阻害組成物の一分類は、他の精製製品の分留により効果的に分離され得るものである。
本発明の他の目的及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲を読むことにより明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、回収及び精製のための抽出、蒸留及び相分離の一体型シーケンスを提供し、本発明による適切な運転条件を維持して有価値窒素含有有機化合物を得るように配置されている連続モードで本発明の方法を実施する好ましい方法を図示する概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[発明の概要]
プロパン、プロピレン、イソブタン及び/又はイソブチレンのアンモニアと酸素及び蒸気の気体源との接触アンモ酸化により形成された有価値窒素含有有機化合物の回収のための経済的なプロセスを開示する。接触酸化反応において製造された窒素含有有機化合物は、水溶液として生成物気体状流から回収される。不飽和モノニトリル含有水溶液は、回収及び精製区域に移動し、ここで不飽和モノニトリルは回収され、少なくとも第1蒸留塔及び少なくとも1の生成物蒸留塔内で精製される。ここで、蒸留により高沸点不純物が不飽和モノニトリルから分離される。
運転条件下で、不飽和モノニトリル、例えばアクリロニトリル又はメタクリロニトリル及び存在する他の有機化合物は、回収及び精製区域において重合して、機器の運転に影響し、望ましくない正味生成量の損失及び生産率低下の原因となり、時間の経過と共にコストのかかる運転停止を引き起こす固体堆積物を形成し得る。
【0016】
本発明のプロセスは、下記工程を含む。(a)プロパン、プロピレン、イソブタン及びイソブチレンからなる群から選択される少なくとも1の供給化合物をアンモニアと酸素気体源と、反応器内触媒の存在下で反応させて、対応する不飽和モノニトリルを含む反応器流出物を生成させる工程、(b)不飽和モノニトリルを含む反応器流出物を急冷/吸着区域に移動させ、ここで不飽和モノニトリルを含む反応器流出物を少なくとも第1水性流と接触させて反応器流出物を冷却させ、その後、冷却された流出物を吸着塔内で少なくとも第2水性流と接触させて、水溶液中不飽和モノニトリルを分離させて回収する工程;(c)不飽和モノニトリルを含む水溶液を回収及び精製区域に移動させ、少なくとも第1蒸留塔及び第2蒸留塔内で不飽和モノニトリルを回収し精製する工程;(d)1以上の蒸留塔内で、式I:
【0017】
【化1】

(式I中、Phはフェニレン基であり、R及びRは同一又は異なっていてヒドロキシを含まない約2〜約10個の炭素原子を有する有機部位であり、ただしR又はRのいずれもフェニル基ではない)
で表される少なくとも1のフェニレンジアミン化合物の重合阻止有効量を維持する工程。
【0018】
フェニレンジアミン化合物の好ましい分類において、有機部位(R及びR)はエチル、プロピル、ブチル、フェニル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシル炭化水素基、特に直鎖及び分岐炭化水素基からなる群の1種である。有利には、この分類は、N,N’−ジアルキル−p−フェニレンジアミン化合物からなる。より好ましくは、この化合物の少なくとも1は、N,N’−ジ−sec−プロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソブチル−p−フェニレンジアミン及びN,N’−ジ−tert−ブチル−p−フェニレンジアミンからなる群の1種である。最も好ましくは、p−フェニレンジアミンは、最良の結果のためにN,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンである。
【0019】
本発明の好ましい実施形態において、重合阻止有効量は水溶液中に存在する不飽和モノニトリルの約5ppm未満である。一般に、重合阻止有効量は水溶液中アクリロニトリルの約10〜約10,000ppmの範囲にある。好ましくは、水溶液中アクリロニトリルの約50〜約1000ppmの範囲にある。最も好ましくは、水溶液中アクリロニトリルの約75〜約750ppmの範囲にある。
【0020】
本発明のプロセスは、好ましくは、フェニレンジアミン化合物の液体源を第1蒸留塔及び/又は1以上の生成物蒸留塔に移動中の不飽和モノニトリル含有水溶液と混合する工程を含む。好ましくは、フェニレンジアミン化合物は、周囲温度〜約60℃以下の条件にて液体状態である。しかし、フェニレンジアミン化合物の液体源は、不飽和モノニトリル、水又はこれらの組み合わせ中フェニレンジアミン化合物溶液であってもよい。
【0021】
本発明の好ましい実施形態において、不飽和モノニトリルはアクリロニトリル又はメタクリロニトリルであり、供給化合物はプロピレン及びイソブチレンからなる群より選択される対応するオレフィンである。本発明の別の好ましい実施形態において、不飽和モノニトリルはアクリロニトリルであり、供給化合物はプロパン及びプロピレンからなる群の一員である。
【0022】
本発明の一側面は、プロパン、プロピレン又はイソブチレンのアンモニア及び酸素気体源による接触アンモ酸化により形成された有価値窒素含有有機化合物の回収方法を提供する。本方法は、下記工程を含む:アクリロニトリル又はメタクリロニトリル、シアン化水素及び他の有機副産物を含む水溶液を準備する工程;この水溶液を少なくとも第1多重ステージ塔及び第2多重ステージ塔において、蒸留によるなどして分画する工程;及びこれらの塔内で、式I(式I中、Phはフェニレン基であり、R及びRは同一又は異なっていて約2〜約10個の炭素原子を有するヒドロキシを含まない有機部位であり、ただしR又はRのいずれもフェニル基ではない)で表される少なくとも1の化合物の重合阻止有効量を維持する工程。有利には、重合阻止有効量は、水溶液中に存在する不飽和モノニトリルの約50〜約1000ppmの範囲にある。
【0023】
特別な意義の側面において、供給化合物は、プロパン及びプロピレンからなる群の1種である。
本発明の別の側面は、プロピレン及び/又はプロパンのアンモニア及び酸素気体源による接触アンモ酸化により形成された有価値窒素含有有機化合物の回収方法を提供する。本方法は、下記工程を含む:プロピレン及び/又はプロパンのアンモニア及び酸素気体源によるアンモ酸化反応のアクリロニトリル、シアン化水素及び他の有機副産物を含む水溶液を準備する工程;該水溶液を多重ステージ塔内にて蒸留によるなどして分画して、水溶液中に多量のアクリロニトリルを含む高沸点留分と、水溶液中に多量のシアン化水素を含む低沸点留分とを得る工程;及び塔内に重合阻止有効量の上記式I(式I中、Phはフェニレン基であり、R及びRは同一又は異なっていて約2〜約10個の炭素原子を有するヒドロキシを含まない有機部位であり、ただしR又はRのいずれもフェニル基ではない)により表される少なくとも1のフェニレンジアミン化合物を維持する工程。
【0024】
本発明のまた別の側面は、アンモニア及び酸素気体源によるプロピレン又はプロパンの接触アンモ酸化により形成された有価値窒素含有有機化合物の回収方法を提供する。本方法は、下記工程を含む:アクリロニトリル及び高沸点有機化合物を含む水溶液を準備する工程;該水溶液を多重ステージ塔内にて蒸留によるなどして分画して、約100℃を超えて沸騰する有機化合物を本質的に全て含む高沸点留分と、少なくとも99wt%のアクリロニトリルを含む側部抜き出し生成物流と、高沸点有機化合物を実質的に含まない低沸点留分と、を得る工程;及び塔内に重合阻止有効量の少なくとも1の上記式I(式I中、Phはフェニレン基であり、R及びRは同一又は異なっていて約2〜約10個の炭素原子を有するヒドロキシを含まない有機部位であり、ただしR又はRのいずれもフェニル基ではない)で表される化合物を維持する工程。
【0025】
本発明の好ましい側面は、イソブチレン又はイソブタンのアンモニア及び酸素気体源との接触アンモ酸化により形成された有価値窒素含有有機化合物の回収方法を提供する。本方法は、下記工程を含む:イソブチレン及び/又はイソブタンのアンモニアと酸素気体源とのアンモ酸化反応のメタクリロニトリル、シアン化水素及び他の有機副産物を含む水溶液を準備する工程;該水溶液を多重ステージ塔内で蒸留によるなどして分画して、水溶液中に多量のメタクリロニトリルを含む高沸点留分と、水溶液中に多量のシアン化水素を含む低沸点留分とを得る工程;及び塔内に、重合阻止有効量の上記式I(式I中、Phはフェニレン基であり、R及びRは同一又は異なっていて約2〜約10個の炭素原子を有するヒドロキシを含まない有機部位であり、ただしR又はRのいずれもフェニル基ではない)で表される少なくとも1の化合物を維持する工程。
【0026】
本発明の別の好ましい側面は、有価値窒素含有有機化合物の回収方法を提供する。本方法は、下記工程を含む:コバルトを含む不均質触媒の存在下でアンモニア及び酸素気体源によるプロピレンのアンモ酸化により気体状反応流出物を形成する工程;この気体状反応流出物を水性液体と接触させて、アクリロニトリル、シアン化水素及び他の有機副産物を含む水溶液を得る工程;該水溶液を多重ステージ塔内で蒸留によるなどして分画して、水溶液中に多量のアクリロニトリルを含む高沸点留分と、水溶液中に多量のシアン化水素を含む低沸点留分と、を得る工程;及び、塔内に重合阻止有効量の少なくとも1の上記式I(式I中、Phはフェニレン基であり、R及びRは同一又は異なっていて約2〜約10個の炭素原子を有するヒドロキシを含まない有機部位であり、ただしR又はRのいずれもフェニル基ではない)で表される化合物を維持する工程。
【0027】
本発明の組成物及び方法において重合阻止剤として用いられる予め選択された分類のp−フェニレンジアミン化合物の総量は、不飽和脂肪族ニトリル生成物の重合を効果的に阻止するに十分な量であり、もちろん用いられる特定の条件に応じて変動する。プロセス流がより高温及び/又はより長い持続時間に維持される場合には、より多量のp−フェニレンジアミン化合物が一般に必要になる。好ましくは、回収及び精製のための抽出、蒸留及び相分離の1種以上の間、予め選択された分類のp−フェニレンジアミン化合物の総量は、水溶液中に存在する不飽和脂肪族ニトリルの約5ppm未満である。典型的には、重合阻止有効量は、水溶液中の不飽和脂肪族ニトリルの約10〜約10,000ppmの範囲にある。より好ましくは、水溶液中の不飽和脂肪族ニトリルの約50〜約1000ppmの範囲にある。最も好ましくは、水溶液中の不飽和脂肪族ニトリルの約75〜約750ppmの範囲にある。
【0028】
本発明をより完全に理解するために、添付図面及び下記の実施例により詳細に説明する実施形態を参照されたい。
[実施形態の説明]
【0029】
特許請求の範囲は、本発明を特徴づける新規な特性を記載する。しかし、本発明自身並びに有利な効果は、添付図面と共に下記好ましい実施形態の記載を参照することにより最もよく理解されるであろう。
【0030】
本発明の方法は、一般にオレフィンと典型的には圧縮空気を含む酸素源を伴うアンモニアとの気相接触酸化及び/又は熱酸化により製造された気体状混合物からアクリロニトリル又はメタクリロニトリルなどの不飽和脂肪族ニトリル生成物の回収及び精製に特に適切に用いることができる。プロピレンのアンモニアとのアンモ酸化によるアクリロニトリルの周知で最も広範に用いられている商業的プロセスは、Sohio Processである。
【0031】
周知のように、酸化触媒の性能は、この酸化プロセス及び他の酸化プロセスの経済性において重要な因子であり、おそらく最も重要な因子である。触媒性能は、活性、すなわち反応体の転化率、選択率、すなわち所望の生成物への反応体の転化率、反応器単位容積あたりかつ単位時間あたりの所望の生成物の製造速度及び触媒寿命、すなわち活性又は選択率が顕著に損失する前の稼働中(on−stream)の有効時間により測定される。
【0032】
本発明の方法の実施は、いかなる特定のアンモ酸化流動床触媒にも依存しない。プロピレン及びイソブチレンのアンモ酸化に対してより選択的である適切な触媒はビスマス、コバルト、鉄、ニッケル、錫塩、及びモリブデン酸、モリブデンリン酸及びモリブデンケイ酸から調製することができる。タングステン、銅、テルル及び酸化ヒ素などの他の成分を組み入れて、低温活性及び生産性を高めてもよい。
【0033】
触媒性能が依存する因子としては、組成、調製方法、担体及び焼成条件を挙げることができる。化学性能要求に加えて他の重要な特性としては、表面積、多孔度、密度、ポアサイズ(孔径)分布、硬度、強度及び機械的摩擦抵抗を挙げることができる。
【0034】
プロピレン及びイソブチレンのアンモ酸化によるアクリロニトリル及びメタクリロニトリルの製造に用いることができる特定の触媒及びプロセスを請求する特許としては、それぞれ米国特許2,481,826号明細書;同2,904,580号明細書;同3,044,966号明細書;同3,050,546号明細書;同3,197,419号明細書;同3,198,750号明細書;同3,200,084号明細書;同3,230,246号明細書、同3,248,340号明細書及び同3,352,764号明細書(すべての特許は参照として本願に包含される)がある。
【0035】
アンモ酸化用の供給物は組み合わせられて、プロピレン、空気、アンモニア及び場合によっては補助的な酸素源の混合物を含む。有利には、供給物組成は、モル基準でプロピレン約9%以下の範囲とする。アンモ酸化反応器内での気体状混合物は、通常の運転中、可燃性である酸素が非常に低濃度になるように維持されている。同様に、反応器始動手順及び停止手順も、可燃性供給混合物を避けるように設計される。
【0036】
アンモ酸化反応器からの流出物は、急冷塔内で、向流接触する酸性化水流により冷却される。急冷塔からの気体は、吸着塔底部に移動して、ここで、アクリロニトリル、アセトニトリル及び他の比較的可溶性のガスが吸着される。非吸着性のガスは排気される。
【0037】
富水流(水リッチ流)として知られる吸着塔の底部からの流は、回収塔に移されて、ここで抽出蒸留される。回収塔は、多数の連通ゾーン又はステージ内で液体及び蒸気が向流的に接触する適宜の接触手段であってよい。回収塔からのオーバーヘッド蒸気は、アクリロニトリルが豊富で、他の成分は主として水及びシアン化水素であり、ニトライト類、ニトライト類の特性を有する化合物及びこれらの前駆体などの望ましくない不純物で汚染されている。オーバーヘッド蒸気はデカンター内で凝縮して集められ、液体は液−液相分離される。密度がより低い相は有機相であり、密度が高い下部相は水相である。水及びシアン化水素で汚染されている主としてアクリロニトリルである有機相は、さらなる精製のために抜き出される。水相は、回収塔の上部区域から還流される。
【0038】
本発明の実施形態は、プロセス流の公知の処理を含み得る。例えば、米国特許3,442,771は、少量の不純物(例えば、ニトライト類、過酸化物及びこれらの前駆体)を水で汚染されている不飽和モノニトリル(例えば、アクリロニトリル)から除去するプロセスを開示する。このプロセスは、アルカリ性溶液を不飽和ニトリルと水との部分的に凝縮している共沸混合物に添加する工程を含み、共沸混合物は抽出蒸留塔、特に回収塔から得られたオーバーヘッド流として得られている。アルカリ性溶液の効果は、少量の不純物の反応生成物を共沸混合物の水相に抽出させて、有機相を不純物を比較的含まない状態にすることである。次に、共沸混合物はデカンターに移されて、液−液相分離が生じる。粗アクリロニトリルを含む有機相は、次いで、さらなる精製のために取り出され、一方、反応生成物を含む水相は回収塔に再循環される。
【0039】
本発明の好ましい実施形態において、1以上の水性再循環流は酸で処理されてpHを低下させる。好ましくは、酸は硫酸などの鉱酸又は酢酸、アクリル酸、ギ酸などの有機酸又はグリコールでよく、費用、入手性、親和性、金属性などにより決定してよい。
【0040】
運転条件下で、アクリロニトリルは、回収及び精製区域内で重合して、機器の運転に影響し、望ましくない正味生成量の損失の原因となり、生産速度を減少させ、時間の経過と共に費用のかかる運転停止を導く固体堆積物を形成し得る。
【0041】
有利には、本発明の方法の実施において、重合阻止剤は各ユニットに供給されて、重合阻止有効量の少なくとも1の予め選択されたp−フェニレンジアミン化合物を維持し、こうしてポリマー形成及び結果的に生じる機器の故障を防止する。
【0042】
[発明の好ましい実施形態の簡単な説明]
本発明は、多くの異なる形態での実施形態が可能であるが、本明細書及び添付図面は、本発明の使用の実施例としていくつかの特定の形態だけを開示する。特に、アンモニア及び酸素源によるプロピレンのアンモ酸化、水性急冷液体でアンモ酸化からの気体状混合物を急冷して、アクリロニトリル、シアン化水素、アセトニトリル及び他の有機副産物を含む水溶液を得ること、及びアクリロニトリル生成物を回収して精製し、シアン化水素及び場合によってはアセトニトリル生成物を回収するための蒸留及び相分離の一体型シーケンスを含む本発明の好ましい実施形態が示され及び/又は記載されている。
【0043】
本明細書に具現化され広く記載されているように、本発明の方法は、触媒の存在下で反応器ゾーン内で、プロピレン及びイソブチレンからなる群より選択されるオレフィンをアンモニア及び酸素と反応させて、対応する不飽和モノニトリル(すなわち、アクリロニトリル又はメタクリロニトリル)を含む反応器流出物を製造し、不飽和モノニトリルを含む反応器流出物を急冷塔に移動させて、ここで不飽和モノニトリルを含む反応器流出物を少なくとも第1水性流と接触させて反応器流出物を冷却させ、冷却された不飽和モノニトリルを含む反応器流出物を吸着塔に移動させて、不飽和モノニトリルを含む反応器流出物を少なくとも第2水性流と接触させて、吸着塔からの底流として不飽和モノニトリルを分離して取り出し、不飽和モノニトリルを含む底流を回収及び精製区域に移動させて、ここで不飽和モノニトリルが回収され精製され、少なくとも1の水性プロセス流を再循環させてプロセスの効率を改良することを含む。
【0044】
本発明は、記載されている実施形態に限定されるべきではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲により示されるであろう。
本発明の装置は、ある種の慣用の成分と一緒に用いられる。これらの詳細は、完全には説明したり記載したりしないが、当業者には明らかであり、このような成分の必要な機能は理解されるであろう。説明も記載もされていないプラント付属物の例は、重合阻止剤及び/又はその溶液の調製及び配給用の設備、温度の緩やかな条件での蒸留に必要な運転圧力を維持するための蒸気排出装置又は真空ポンプ、廃液用収集及び廃棄システム及び緊急排気システムを含む。
【0045】
好ましくは、本発明の方法は、固体粒子状触媒上で、アンモニアの存在下で、プロピレン及びイソブチレンからなる群より選択されるオレフィンの空気酸化から適切な気体状混合物を誘導する。適切なオレフィン源は、約15%以下の対応するアルカン、典型的には約2〜約10%の対応するアルカン、及び約5%以下のより重い炭化水素化合物、好ましくは約2%未満のより重い炭化水素化合物を含み得る。
【0046】
最良の結果のために、アンモ酸化プロセスは、流動床反応器内で行われる。得られる高いオレフィン変換率ゆえに、単パスシステムで通常は十分である。ほぼ化学量論量のプロピレン、アンモニア及び酸素を触媒粒子の流動床に導入する。適切な運転条件は、約3〜約35psig(20.7〜241.4kPaG)、より好ましくは約5〜約25psig(34.5〜172.4kPaG)の範囲にある圧力を含む。一般に、温度は、約700〜1000゜F(371〜538℃)の範囲にあり、好ましくは約750〜950゜F(399〜510℃)の範囲にある。反応熱は、蒸気の発生により除かれて温度を制御し、約300〜約500℃の温度で高められた圧力で蒸気を発生させる。
【0047】
有利には、酸化は、高い変換率に一致した最も低い温度で行われる。変換率は、温度と共に増加し、選択率は一般に、温度が大きく増加した場合にだけ減少する。触媒寿命もまた、温度が増加すると共に減少する。触媒は、初期レベルに近い生産性及び選択率を維持して触媒活性が徐々に失われることを補償するように、触媒の作用寿命にわたり温度を徐々に増加させる運転条件の範囲全体で高性能を与えるように設計される。
【0048】
市販の触媒は、プロピレンからアクリロニトリルへの高い変換率を達成するので、数秒間の滞留時間でアンモ酸化反応器の1回通過運転が通常である。商業的に回収可能な多量のアセトニトリル及びシアン化水素酸は、任意の副産物である。
【0049】
アンモ酸化反応器からの流出物は、冷却され、向流吸着系中で水によって洗い落とされ(スクラブされ)、向流吸着系から主として窒素からなるオフガスが排気される。有機生成物、主としてアクリロニトリル、アセトニトリル及びHCNは水中に集められ、最良の結果のためには、約8%以下、好ましくは、約2.5〜約7.5%、より好ましくは約3〜約7%のアクリロニトリル及び副産物の水溶液を与える。
【0050】
アクリロニトリル及び副産物の水溶液は、蒸留及び相分離工程の一体型システム内で処理され、有機生成物が回収され、少なくともアクリロニトリルが精製される。水溶液はアクリロニトリル回収塔に送られ、アクリロニトリル回収塔から粗アクリロニトリル及びHCNを含有する塔頂流が回収される。塔からの液体側部抜き出し流は小さな塔内で分画されてアセトニトリルを副産物として取り除くか、より一般的には焼却廃棄される。水は、アクリロニトリル回収塔の底部から除かれる。塔頂流からの凝縮物は分離され、HCNはヘッド塔のオーバーヘッド内で除かれる。底部のアクリロニトリルは、さらに生成物塔内で精製されて、繊維グレードのアクリロニトリルを得る。
【0051】
特に、本発明の好ましい実施形態により有価値アクリロニトリル生成物及びシアン化水素を得るための一体化された蒸留手段の概略図である図面を参照すれば、水溶液からの有機化合物の分離は回収塔30及び洗浄ドラム40として示されており、シアン化水素の回収は右側の分離塔50として示され、アクリロニトリル生成物の精製は洗浄ドラム60及び生成物塔70として示されている。
【0052】
一般に、プロピレンとアンモニア及び酸素との接触アンモ酸化により得ることができる気体状混合物からの少なくともアクリロニトリルの回収及び精製の一体化されたプロセスの運転中、アンモ酸化の有機生成物を含有する水溶液は、アンモ酸化反応器からの気体状流出物を水性急冷液体で急冷することにより得られる。
【0053】
水溶液は、急冷システム又は中間体貯蔵部(図示せず)から導管22を通して回収塔30の上部に供給される。液体流は、回収塔30の底部近くから導管23を通して抜き出され、交換器24内で冷却される。冷却された液体流の適切な部分は、導管25を通して回収塔30の上部に分配され、冷却された液体流の残りの部分は、アセトニトリル回収塔に送られ、及び/又は廃棄される(図示せず)。回収塔30の底部からの水性流は、マニフォールド31及び導管32を通して急冷システムに再循環される。必要に応じて、回収塔30内での分離の適切な条件を維持するために、回収塔30の底部からの液体は、マニフォールド31及び導管33、再沸器34、導管35を通して塔30に再循環される。
【0054】
回収塔30の頂部からの離脱後、蒸気流は導管36を通して凝縮装置38に流入し、凝縮物と一緒に導管39を通して洗浄ドラム40に流入する。より濃密な相は、導管28を通して洗浄ドラム40から抜き出され、典型的には水性供給溶液と一緒に回収塔30に戻される。あまり濃密でない相は、洗浄ドラム40から導管42を通して右側の分離塔50に供給される。
【0055】
必要に応じて、分離塔50内での分離の適切な条件を維持するために、分離塔50の底部からの液体は、マニフォールド51、導管53、再沸器54及び導管55を通して分離塔50に再循環される。右側の分離塔50の頂部からの離脱後、蒸気流は導管56を通して凝縮装置システム57に流入する。必要に応じて、還流のために、凝縮物流は、マニフォールド58及び導管59を通して右側の分離塔50に移される。シアン化水素を含む凝縮物は、導管46を通してシアン化水素貯蔵タンク(図示せず)に送られる。
【0056】
本発明に従い分離塔の運転中、重合阻止有効量の少なくとも1の式Iで表されるp−フェニレンジアミンを含む組成物、好ましくは、N,N’−ジ−sec−プロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソブチル−p−フェニレンジアミン及びN,N’−ジ−tert−ブチル−p−フェニレンジアミンからなる群より選択されるp−フェニレンジアミンを含む組成物が分離塔中に維持される。
【0057】
一般に、重合阻止有効量は、水溶液中に存在する不飽和モノニトリルの約5ppm未満である。本発明の好ましい実施形態において、重合阻止有効量は、水溶液中のアクリロニトリルの約10〜約10,000ppmの範囲である。より好ましくは、重合阻止有効量は水溶液中のアクリロニトリルの約50〜約1000ppmの範囲である。最も好ましくは、重合阻止有効量は、水溶液中アクリロニトリルの約75〜約750ppmの範囲である。
【0058】
液体は、分離塔50の底部から抜き出されて、マニフォールド51及び導管52を通して洗浄ドラム60に移動する。より濃密な相は、洗浄ドラム60から導管29を通して抜き出され、典型的には水性供給溶液と一緒に回収塔30に戻される。あまり濃密でない相は、洗浄ドラム60から導管62を通して移動して、塔頂部近くで生成物塔70に供給される。純粋なアクリロニトリルモノマー生成物は、導管78を通して側部抜き出し口から抜き出され、貯蔵部(図示せず)に送られる。生成物塔70の底部から、重質有機化合物を含有する水性流が導管72を通して廃水廃棄システム(図示せず)に送られる。生成物塔70の頂部からの離脱後、蒸気流は導管76を通して凝縮装置66に流入し、凝縮物と一緒に導管68を通して洗浄ドラム60に流入する。
【0059】
本発明に従い生成物塔の運転及び/又は洗浄中、重合阻止有効量の式Iで表される少なくとも1のp−フェニレンジアミンを含む組成物、好ましくはN,N’−ジ−sec−プロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソブチル−p−フェニレンジアミン及びN,N’−ジ−tert−ブチル−p−フェニレンジアミンからなる群より選択されるp−フェニレンジアミンを含む組成物が生成物塔内に維持される。
【0060】
一般に、これらの運転中、重合阻止有効量は水溶液中に存在する不飽和モノニトリルの約5ppm未満である。本発明の好ましい実施形態において、重合阻止有効量は、水溶液中アクリロニトリルの約10〜約10,000ppmの範囲にある。より好ましくは、重合阻止有効量は、水溶液中アクリロニトリルの約50〜約1000ppmの範囲にある。最も好ましくは、重合阻止有効量は水溶液中アクリロニトリルの約75〜約750ppmの範囲にある。
【0061】
流は、回収塔30の側部抜き出し口から抜き出され、導管82を通して分留塔80に供給される。分留塔80の底部からの液体流は、側部抜き出し口下方の導管84を通して回収塔30に戻される。分留塔80の頂部からの離脱後、蒸気流は導管86を通して凝縮装置90に流入し、ここでアセトニトリルを含む凝縮物が形成される。凝縮物相の一部は、マニフォールド92及び導管94を通しての還流として分留塔80に移動する。凝縮物相の他の部分は、導管96を通して粗アセトニトリル貯蔵タンクに移動し及び/又は廃棄される(図示せず)。
【0062】
本発明の好ましい実施形態は、水溶液中に含まれるアクリロニトリルの少なくとも90%を含むアクリロニトリル生成物を回収する。より好ましくは、水溶液中に含まれるアクリロニトリルの約95%がモノマーグレード生成物として回収される。
【実施例】
【0063】
以下の実施例は、本明細書に開示された特定の実施形態を説明するためのものである。しかし、これらの実施例は、本願明細書に開示された発明の範囲を逸脱しない多くの変形例があり、当業者が認識するように、本発明の範囲を限定するものではない。
【0064】
[実験]
重合阻止剤をスクリーニングするために、内部が加熱されたセルを用いた。ストリップチャートに連結されているHach 2100AN濁度計を用いて、溶液の濁度を検出した。使用したアクリロニトリルは、使用前に蒸留した。定温浴を用いて、熱い水/エチレングリコール溶液を加熱されたセル中に循環させ、所望の温度を維持し、濁度を監視した。
【0065】
[一般的な方法]
提供者から受け取ったままの抗酸化剤を用いた。2,2−アゾ−ビス−イソブチロニトリル(AIBN)が遊離ラジカル源であった。試験するための一般的方法は、新たに蒸留したアクリロニトリル、阻止剤及びAIBNの混合物を調製する工程と、この混合物を濁度を監視しながら高められた温度に供する工程と、を含んでいた。
【0066】
[実施例1−3]
これらの実施例は、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン(以下、DBPA阻止剤という)を用いた場合を示す。
【0067】
[実施例1]
18.94gのアクリロニトリルと0.00241gのDBPA阻止剤の混合物を熱い管内に置いて、次に0.0266gのAIBNを混合物に添加した。混合物を65℃まで加熱して、濁度を監視した。濁りの開始は228分後に認められた。AIBNとDBPA阻止剤とのモル比は15であった。
【0068】
[実施例2]
AIBNとDBPA阻止剤のモル比が22であった点を除いて実施例1を繰り返した。濁りの開始は150分後に認められた。
【0069】
[実施例3]
AIBNとDBPA阻止剤とのモル比が29であった点を除いて実施例1を繰り返した。濁りの開始は128分後に認められた。
【0070】
[比較例A−C]
これらの比較例は、重合を阻害するために、ベンゼン環に直接結合しているOH基を有するベンゼン、すなわちフェノールのヒドロキシ誘導体である化合物を使用した場合を示す。
【0071】
[比較例A]
18.97gのアクリロニトリルと0.00232gのヒドロキノン(p−ジヒドロキシベンゼン、mp170.3℃)の混合物を熱い管内に置いて、次いで0.0554gのAIBNを混合物に添加した。混合物を65℃まで加熱して、濁度を監視した。濁りの開始は、74分後に認められた。AIBNと阻止剤とのモル比は16であった。
【0072】
[比較例B]
AIBNと阻止剤とのモル比が18であった点を除いて比較例Aを繰り返した。濁りの開始は56分後に認められた。
【0073】
[比較例C]
AIBNと阻止剤とのモル比が31であった点を除いて比較例Aを繰り返した。濁りの開始は20分後に認められた。
【0074】
これらのデータは、濁度の測定に至るまでの時間が、AIBNと阻止剤とのモル比が15〜30の範囲全体にわたって、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンを用いる場合にヒドロキノンを用いる場合よりも3〜4と2/3倍(14/3)長いことを示す。
[比較例D]
19.26gのアクリロニトリルと0.00087gのヒドロキノンと0.00106gのDBPA阻止剤との混合物を熱い管内に置いて、次いで0.0500gのAIBNを混合物に添加した。混合物を65℃まで加熱して、濁度を監視した。濁りの開始は、74分後に認められた。AIBNと阻止剤とのモル比は24であった。
【0075】
この比較例は、本発明のヒドロキノン(p−ジヒドロキシベンゼン)とAIBN阻止剤(N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン)との組み合わせを用いると、AIBNだけを用いる場合よりも濁りの開始までの時間が約1/2に短縮されることを示す。
【0076】
[実施例4]
18.38gのアクリロニトリルと0.00241gのDBPA阻止剤と0.01862gの氷酢酸の混合物を熱い管内に置いて、次いで0.0492gのAIBNを混合物に添加した。混合物を65℃まで加熱して、濁度を監視した。濁りの開始は、130分後に認められた。AIBNと阻止剤とのモル比は27であった。酢酸はプロセス中でpHを制御するために用いることができ、この実施例は酢酸がDBPA阻止剤の性能に不利な影響を与えないことを示す。
【0077】
[実施例5]
19.09gのアクリロニトリルと0.00244gのDBPA阻止剤と0.00156gのアクリル酸との混合物を熱い管内に置いて、次いで0.0515gのAIBNを混合物に添加した。混合物を65℃まで加熱して、濁度を監視した。濁りの開始は、129分後に認められた。AIBNと阻止剤とのモル比は28であった。アクリル酸は、製造され得る副産物であり、この実施例はアクリル酸がDBPA阻止剤の性能に不利な影響を与えないことを示す。
【0078】
[比較例E]
この比較例は、重合を阻止するために、2個のベンゼン環を有するアミン化合物、すなわち、ジフェニルアミンの使用を示す。19.95gのアクリロニトリルと0.00184gのジフェニルアミン(mp 52℃)との混合物を熱い管内に置いて、次いで、0.0363gのAIBNを混合物に添加した。混合物を65℃まで加熱して、濁度を監視した。濁りの開始は、84分後に認められた。AIBNと阻止剤とのモル比は20であった。
【0079】
[比較例F及びG]
これらの比較例は、重合を阻止するためにヒドロキシアミン誘導体である化合物を同等に用いて非常に劣悪な結果が得られることを示す。
【0080】
[実施例F]
20.46gのアクリロニトリルと0.00201gのN,N−ジエチルヒドロキシアミンとの混合物を熱い管内に置いて、次いで0.040gのAIBNを混合物に添加した。混合物を65℃まで加熱して、濁度を監視した。濁りの開始は、10分後に認められた。AIBNと阻止剤とのモル比は11であった。
【0081】
[実施例G]
AIBNと阻止剤とのモル比が4であった点を除いて実施例5を繰り返した。濁りの開始は、14分後に認められた。
【0082】
本発明のために、「分留」は異なる沸点の数種の揮発性成分の混合物を分離する方法として規定され、混合物は最も低い沸点にて蒸留され、蒸留されている蒸気の組成が変化してしまったことを示す蒸気の温度が上昇するまで蒸留物は1留分として集められる。この蒸気は、別個の留分として集められる。「分画」は、各ステージが蒸留によるなどして物質の1種のある割合を混合物から除く連続ステージでの混合物の分離として規定される。特にことわらない限り、「塔」は気−液分画により流体(気体又は液体)成分の連続分離に広く用いられる装置として規定される。
【0083】
本発明のために、「主として」とは、約50%を超えるものとして規定する。「実質的に」とは、十分な頻度で生じるかあるいはシステムの関連する化合物の巨視的特性に計測可能な影響を与えるような割合で存在するものとして規定する。このような影響にとっての頻度又は割合が明らかではない場合には、約20%以上とみなすべきである。用語「本質的に」とは、巨視的特性及び最終的な製品に無視できる程度の効果しか持たない小さな変動が許されることを絶対的に除いて、典型的には約1%以下として規定される。
【0084】
本発明のいくつかの側面をよりよく伝えるために、実施例を提示し、仮説を進めた。本発明の範囲は、特許請求の範囲のみによって決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応器内で触媒の存在下で、プロパン、プロピレン、イソブタン及びイソブチレンからなる群から選択される少なくとも1の供給化合物をアンモニアと酸素源と反応させて、対応する不飽和モノニトリルを含む反応器流出物を製造する工程と;
不飽和モノニトリルを含む反応器流出物を急冷/吸着区域に移動させ、ここで不飽和モノニトリルを含む反応器流出物を少なくとも第1の水性流と接触させて反応器流出物を冷却し、その後、冷却された反応器流出物を吸着塔内で少なくとも第2の水性流と接触させて水溶液中不飽和モノニトリルを分離し回収する工程と;
不飽和モノニトリルを含む水溶液を回収及び精製区域に移動させ、ここで不飽和モノニトリルを回収し、少なくとも第1蒸留塔及び第2蒸留塔内で精製する工程と;
該蒸留塔の1以上内で、重合阻止有効量の式I:
【化1】

(式中、Phはフェニレン基であり、R及びRは同一又は異なっていて約2〜約10個の炭素原子を有するヒドロキシを含まない有機部位であり、ただしR又はRのいずれもフェニル基ではない)
で表される少なくとも1のフェニレンジアミン化合物を維持する工程と、
を含む不飽和モノニトリルの製造方法。
【請求項2】
重合阻止有効量は、水溶液中に存在する不飽和モノニトリルの約5ppm未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
フェニレンジアミン化合物の液体源と第1蒸留塔及び/又は第2蒸留塔に移動中の不飽和モノニトリルを含む水溶液とを混合する工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
不飽和モノニトリルはアクリロニトリル又はメタクリロニトリルであり、供給化合物はプロピレン及びイソブチレンからなる群より選択される対応するオレフィンである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
有機部位R及びRは、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシルの直鎖及び分岐炭化水素基からなる群の一員である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
フェニレンジアミン化合物はN,N’−ジアルキル−p−フェニレンジアミン化合物群の一員である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
不飽和モノニトリルはアクリロニトリルであり、供給化合物はプロパン及びプロピレンからなる群の一員である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
フェニレンジアミン化合物はN,N’−ジ−sec−プロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソブチル−p−フェニレンジアミン及びN,N’−ジ−tert−ブチル−p−フェニレンジアミンからなる群の一員である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
フェニレンジアミン化合物はN,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
プロパン、プロピレンまたはイソブチレンのアンモニアと酸素気体源とによる接触アンモ酸化により形成された有価値窒素含有有機化合物の回収方法であって、
アクリロニトリルまたはメタクリロニトリル、シアン化水素及び他の有機副産物類を含む水溶液を調製する工程と;
該水溶液を少なくとも第1多重ステージ塔及び第2多重ステージ塔において蒸留によるなどして分画する工程と;
該塔内に式I:
【化2】

(式中、Phはフェニレン基であり、R及びRは同一または異なっていて約2〜約10個の炭素原子を有するヒドロキシを含まない有機部位であり、ただしRまたはRのいずれもフェニル基ではない)
で表される少なくとも1の化合物の重合阻止有効量を維持する工程と、
を含む方法。
【請求項11】
重合阻止有効量は、水溶液中に存在する不飽和モノニトリルの約50〜約1000ppmの範囲にある、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
有機部位R及びRは、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシルの直鎖及び分鎖炭化水素基類からなる群の一員である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
フェニレンジアミン化合物は、N,N’−ジアルキル−p−フェニレンジアミン化合物群の一員である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
不飽和モノニトリルはアクリロニトリルであり、供給化合物はプロパン及びプロピレンからなる群の一員である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
フェニレンジアミン化合物はN,N’−ジ−sec−プロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソブチル−p−フェニレンジアミン及びN,N’−ジ−tert−ブチル−p−フェニレンジアミンからなる群の一員である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
フェニレンジアミン化合物はN,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンである、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
プロピレン及び/又はプロパンのアンモニアと酸素気体源とによる接触アンモ酸化により形成された有価値窒素含有有機化合物の回収方法であって、
プロピレン及び/又はプロパンとアンモニアと酸素気体源とのアンモ酸化反応のアクリロニトリル、シアン化水素及び他の有機副産物類を含む水溶液を調製する工程と;
該水溶液を多重ステージ塔内で蒸留によるなどして分画して、水溶液中に多量のアクリロニトリルを含む高沸点留分と、水溶液中に多量のシアン化水素を含む低沸点留分とを得る工程と;
塔内で、式I:
【化3】

(式中、Phはフェニレン基であり、R及びRは同一または異なっていて約2〜約10個の炭素原子を有するヒドロキシを含まない有機部位であり、ただしRまたはRのいずれもフェニル基ではない)
で表される少なくとも1のフェニレンジアミン化合物の重合阻止有効量を維持する工程と、
を含む方法。
【請求項18】
有機部位R及びRは、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシルの直鎖及び分鎖炭化水素基類からなる群の一員である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
フェニレンジアミン化合物は、N,N’−ジ−sec−プロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソブチル−p−フェニレンジアミン及びN,N’−ジ−tert−ブチル−p−フェニレンジアミンからなる群の一員である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
フェニレンジアミン化合物は、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
アンモニアと酸素気体源とによるプロピレン又はプロパンの接触アンモ酸化により形成された有価値窒素含有有機化合物の回収方法であって、
アクリロニトリルと高沸点有機化合物とを含む水溶液を調製する工程と;
該水溶液を多重ステージ塔内で蒸留によるなどして分画して、約100℃よりも高温で沸騰する有機化合物を本質的にすべて含む高沸点留分と、少なくとも99wt%のアクリロニトリルを含む側部抜き出し生成物流と、高沸点有機化合物を実質的に含まない低沸点留分とを得る工程と;
該塔内で、式I:
【化4】

(式中、Phはフェニレン基であり、R及びRは同一または異なっていて約2〜約10個の炭素原子を有するヒドロキシを含まない有機部位であり、ただしRまたはRのいずれもフェニル基ではない)
で表される少なくとも1の化合物の重合阻止有効量を維持する工程と、
を含む方法。
【請求項22】
有機部位R及びRは、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシル直鎖及び分鎖炭化水素基からなる群の一員である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
フェニレンジアミン化合物は、N,N’−ジ−sec−プロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソブチル−p−フェニレンジアミン及びN,N’−ジ−tert−ブチル−p−フェニレンジアミンからなる群の一員である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
フェニレンジアミン化合物は、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
イソブチレンまたはイソブタンのアンモニアと酸素気体源との接触アンモ酸化により形成された有価値窒素含有有機化合物の回収方法であって、
イソブチレン及び/又はイソブタンのアンモニアと酸素気体源とのアンモ酸化反応のメタクリロニトリル、シアン化水素及び他の有機副産物を含む水溶液を調製する工程と:
該水溶液を多重ステージ塔内で蒸留によるなどして、水溶液中に多量のメタクリロニトリルを含む高沸点留分と、水溶液中に多量のシアン化水素を含む低沸点留分と、を得る工程と;
該塔内で、式I:
【化5】

(式中、Phはフェニレン基であり、R及びRは同一または異なっていて約2〜約10個の炭素原子を有するヒドロキシを含まない有機部位であり、ただしRまたはRのいずれもフェニル基ではない)
により表される少なくとも1の化合物の重合阻止有効量を維持する工程と、
を含む方法。
【請求項26】
フェニレンジアミン化合物は、N,N’−ジ−sec−プロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソブチル−p−フェニレンジアミン及びN,N’−ジ−tert−ブチル−p−フェニレンジアミンからなる群の一員である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
フェニレンジアミン化合物はN,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
有価値窒素含有有機化合物の回収方法であって、
コバルトを含む不均質触媒の存在下でのプロピレンのアンモニアと酸素気体源とによるアンモ酸化の気体状反応流出物を形成する工程と;
該気体状反応流出物を水性液体と接触させて、アクリロニトリル、シアン化水素及び他の有機副産物を含む水溶液を得る工程と;
該水溶液を多重ステージ塔内で蒸留によるなどして分画して、水溶液中に多量のアクリロニトリルを含む高沸点留分と、水溶液中に多量のシアン化水素を含む低沸点留分と、を得る工程と;
該塔内で、式I:
【化6】

(式中、Phはフェニレン基であり、R及びRは同一または異なっていて約2〜約10個の炭素原子を有するヒドロキシを含まない有機部位であり、ただしRまたはRのいずれもフェニル基ではない)
により表される少なくとも1の化合物の重合阻止有効量を維持する工程と、
を含む方法。
【請求項29】
フェニレンジアミン化合物は、N,N’−ジ−sec−プロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソブチル−p−フェニレンジアミン及びN,N’−ジ−tert−ブチル−p−フェニレンジアミンからなる群の一員である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
フェニレンジアミン化合物は、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンである、請求項29に記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−63607(P2011−63607A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−253574(P2010−253574)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【分割の表示】特願2004−559113(P2004−559113)の分割
【原出願日】平成15年11月12日(2003.11.12)
【出願人】(507303398)イネオス・ユーエスエイ・エルエルシー (5)
【Fターム(参考)】