説明

両開き式の収納箱

【課題】収納物の収納及び取出しを容易かつ短時間で行うことができると共に、収納した収納物を展示した際の見栄えを良くすることも可能な両開き式の収納箱を提供する。
【解決手段】中央底部11及び中央底部11の左右両側にそれぞれ第1及び第2の折れ目12、13を介して回動可能に連接された同一形状の左、右底部14、15を備えた底板16と、左、右底部14、15の外側端にそれぞれ基端が連接する対となる左、右蓋17、18と、左底部14及び左蓋17の前後両側にそれぞれ立設され、左底部14及び左蓋17の連結を補強する左前板19及び左後板20と、右底部15及び右蓋18の前後両側にそれぞれ立設され、右底部15及び右蓋18の連結を補強する右前板21及び右後板22と、底板16に支持され収納物23を載せる載置部24を備える中板25とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ケーキ類、その他菓子類、飾り物を収納する両開き式の収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
ホールケーキ、ロールケーキ、パウンドケーキ等のケーキ類を収納する容器は、ケーキ類を載置する載置台と、載置台に上方から被せる蓋とを有し、載置台の周縁部には、蓋のガイドとなる低い周壁が立設されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−156478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、載置台に周壁が設けられているため、ケーキ類を載置台に載せる場合及び載置台に載せたケーキ類を取出す場合に、周壁が邪魔になるという問題がある。また、載置台にケーキ類を載せて展示する場合、ケーキ類の周囲に周壁が存在するため、見栄えが悪くなるという問題も生じる。更に、蓋を被せる際は、ケーキの表面及びケーキに施されたデコレーションを疵付けないように蓋を被せる必要があり、蓋をすばやく被せることができず、収納に時間を要するという問題がある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、収納物の収納及び取出しを容易かつ短時間で行うことができると共に、収納した収納物を展示した際の見栄えを良くすることも可能な両開き式の収納箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う本発明に係る両開き式の収納箱は、中央底部、及び該中央底部の左右両側にそれぞれ第1及び第2の折れ目を介して回動可能に連接された同一形状の左、右底部を備えた底板と、
前記左、右底部の外側端にそれぞれ基端が連接する対となる左、右蓋と、
前記左底部及び前記左蓋の前後両側にそれぞれ立設され、該左底部及び該左蓋の連結を補強する左前板及び左後板と、
前記右底部及び前記右蓋の前後両側にそれぞれ立設され、該右底部及び該右蓋の連結を補強する右前板及び右後板と、
前記底板に支持され収納物を載せる載置部を備える中板とを有し、
前記左、右蓋が閉じられた際に、前記底板は平坦になって前記左、右蓋の先端は当接し、前記左前板及び前記右前板の垂直辺は当接すると共に該左前板及び該右前板の水平辺は前記中央底部の前側に当接し、前記左後板及び前記右後板の垂直辺は当接すると共に該左後板及び該右後板の水平辺は前記中央底部の後側に当接し、前記左、右蓋が開かれた際に、前記中央底部の左右両側がそれぞれ前記左、右底部で支持されて上方に持上げられる。
【0007】
本発明に係る両開き式の収納箱において、前記左蓋は直交して連結される第1及び第2の左平板からなって、前記第1の左平板の基端は、前記左底部の外側端に連接され、かつ前記第1の左平板と前記左底部とは直交し、前記右蓋は直交して連結される第1及び第2の右平板からなって、前記第1の右平板の基端は、前記右底部の外側端に連接され、かつ前記第1の右平板と前記右底部とは直交することができる。
【0008】
本発明に係る両開き式の収納箱において、前記左蓋及び前記右蓋は、それぞれ外側に膨らむ湾曲形状とすることもできる。
【0009】
本発明に係る両開き式の収納箱において、前記載置部の幅は、前記左底部、前記中央底部、及び前記右底部のそれぞれの幅の合計と同一寸法となって、前記中央底部に該載置部の中央部が固着されていることが好ましい。
【0010】
本発明に係る両開き式の収納箱において、前記載置部の前後には、前記左、右蓋が開かれた際に、前記左前板及び前記右前板の隙間、並びに前記左後板及び前記右後板の隙間を埋める前側壁部及び後側壁部が設けられ、しかも、該前側壁部及び該後側壁部の高さhは、前記底板の幅をa、前記左底部及び前記右底部の幅をbとした場合、
0.8×(a/2−b)<h<1.5×(a/2−b)
の式を満足することが好ましい。
【0011】
本発明に係る両開き式の収納箱において、前記載置部の左右両側には、それぞれ左側壁部と右側壁部が設けられ、更に該左側壁部と該右側壁部の外側端には左化粧板部と右化粧板部の基端がそれぞれ折り曲げ可能に連接されていることが好ましい。
【0012】
本発明に係る両開き式の収納箱において、前記前側壁部、前記後側壁部、前記左側壁部、及び前記右側壁部の高さは同一であることが好ましい。
【0013】
本発明に係る両開き式の収納箱において、前記底板、前記左、右蓋、前記左前板、前記左後板、前記右前板、及び前記右後板は厚紙で形成され、前記第1及び第2の折れ目はV溝とすることができる。
【0014】
本発明に係る両開き式の収納箱において、前記厚紙の厚みは1.5mm以上3.5mm以下とすることができる。
ここで、厚紙の厚みが1.5mm未満では、左、右底部で支持されて上方に持上げられる中央底部で載置部を介して収納物を保持することができない。また、厚紙の厚みが3.5mmを超えると厚紙の使用量が増加し収納箱の重量が重くなると共に製造コストが上昇するため好ましくない。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る両開き式の収納箱においては、左、右蓋を開いた際に、中央底部の左右両側がそれぞれ左、右底部で支持されて上方に持上げられるので、底板に支持された載置部は中央底部で支えられて上方に持上げられる。このため、載置部に収納物を容易かつすばやく載せることができる。そして、載置部に載せた収納物は、左、右蓋が開かれた状態では、上方に保持されるため、収納物を展示した際の見栄えを良くすることができる。また、左、右蓋を開いて収納物を取出す際には、載置部に載置されて上方に保持されている状態の収納物を取出すので、収納物の取出しを容易かつ短時間で行うことができる。
一方、左、右蓋を閉じた際に、左、右蓋の先端は当接し、左前板及び右前板の垂直辺は当接すると共に左前板及び右前板の水平辺は中央底部の前側に当接し、左後板及び右後板の垂直辺は当接すると共に左後板及び右後板の水平辺は中央底部の後側に当接するので、すばやく蓋を被せることができ、収納物の収納を容易かつ短時間で行うことができる。なお、左、右蓋を閉じた際に、底板は平坦になるので、載置部の底板による支持が確実になり収納物を安定して保持することができる。
【0016】
本発明に係る両開き式の収納箱において、左蓋が直交して連結される第1及び第2の左平板からなって、右蓋が直交して連結される第1及び第2の右平板からなる場合、収納箱の内容積を大きくすることができると共に、左、右蓋を閉じた際に収納箱が直方体となり、積み重ねることができる。
【0017】
本発明に係る両開き式の収納箱において、左蓋及び右蓋が、それぞれ外側に膨らむ湾曲形状となっている場合、左、右蓋を閉じた際に収納箱の上部側が角張らず、左、右蓋を閉じた際の左、右蓋の一体性が強く現れ、左、右蓋の表面に描いた絵や模様を効果的に引き立たせることができデザイン性に優れる。
【0018】
本発明に係る両開き式の収納箱において、載置部の幅が、左底部、中央底部、及び右底部のそれぞれの幅の合計と同一寸法となって、中央底部に載置部の中央部が固着されている場合、左、右蓋を開いた際に、載置部を真ん中に配置でき、左、右蓋を閉じた際に、載置部の左右両側が左、右蓋の内面にそれぞれ当接するため左、右蓋を隙間なく閉じることができる。
【0019】
本発明に係る両開き式の収納箱において、載置部の前後に、左、右蓋が開かれた際に、左前板及び右前板の隙間、並びに左後板及び右後板の隙間を埋める前側壁部及び後側壁部が設けられ、しかも、前側壁部及び後側壁部の高さhが、底板の幅をa、左底部及び右底部の幅をbとして、0.8×(a/2−b)<h<1.5×(a/2−b)の式を満足するようにした場合、左、右蓋が開かれた際に、左蓋、右蓋、左前板、左後板、右前板、右後板、前側壁部、及び後側壁部により、中央部に載置部が配置され上方に開口する両開き式の収納箱を形成することができ、収容物を両開き式の収納箱内に収容した状態で適正に展示できる。
【0020】
本発明に係る両開き式の収納箱において、載置部の左右両側に、それぞれ左側壁部と右側壁部が設けられ、更に左側壁部と右側壁部の外側端には左化粧板部と右化粧板部の基端がそれぞれ折り曲げ可能に連接されている場合、左、右蓋が開かれた際に、左化粧板部と右化粧板部により左、右蓋の内面側をそれぞれ覆うことができ、両開き式の収納箱内の装飾性が向上し、収容物を展示した際の見栄えを向上させることができる。
【0021】
本発明に係る両開き式の収納箱において、前側壁部、後側壁部、左側壁部、及び右側壁部の高さが同一である場合、左、右蓋が閉じられた際に、前側壁部、後側壁部の左右両端が左側壁部及び右側壁部の前後両側を押圧するため、左、右蓋の開時に左化粧板部と右化粧板部がそれぞれ左側壁部と右側壁部に折れ曲がった状態で連接していても、左、右蓋の閉時には左化粧板部と右化粧板部がそれぞれ左側壁部と右側壁部に対して伸びた状態(平坦な状態)になり、左側壁部、左化粧板部、右側壁部、右化粧板部をそれぞれ左、右蓋の内面に沿わせて容易に収容することができる。
【0022】
本発明に係る両開き式の収納箱において、底板、左蓋、右蓋、左前板、左後板、右前板、及び右後板が厚紙で形成されている場合、収納箱の保形性及び強度を容易に保つことができる。また、第1及び第2の折れ目がV溝である場合、左、右蓋の開閉動作に合わせて、中央底部に対する左、右底部の回動を容易に行うことができる
【0023】
本発明に係る両開き式の収納箱において、厚紙の厚みが1.5mm以上3.5mm以下である場合、左、右蓋が開かれた際に、中央底部の左右両側をそれぞれ左、右底部で支持して上方に持上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態に係る両開き式の収納箱において蓋が閉じられた状態の斜視図、図2は同両開き式の収納箱において蓋が開かれた状態の斜視図、図3は図2のP−P矢視断面図、図4は本発明の第2の実施の形態に係る両開き式の収納箱において蓋が閉じられた状態の斜視図である。なお、図3において、左半分は蓋が開かれた状態の断面を、右半分は蓋が閉じられた状態の断面を示している。
【0025】
図1〜図3に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る両開き式の収納箱10は、中央底部11及び中央底部11の左右両側にそれぞれ第1及び第2の折れ目の一例である第1及び第2のV溝12、13を介して回動可能に連接された同一形状の左、右底部14、15を備えた底板16と、左、右底部14、15の外側端にそれぞれ基端が連接する対となる左、右蓋17、18と、左底部14及び左蓋17の前後両側にそれぞれ立設され、左底部14及び左蓋17の連結を補強する左前板19及び左後板20と、右底部15及び右蓋18の前後両側にそれぞれ立設され、右底部15及び右蓋18の連結を補強する右前板21及び右後板22と、底板16に支持され収納物の一例であるロールケーキ23を載せる載置部24を備える中板25とを有している。以下詳細に説明する。
【0026】
底板16は、厚みが1.5〜3.5mm、例えば2.2mmの厚紙を用いて形成されている。ここで、厚紙には、芯紙(例えば、厚みが1.3〜3.1mmの白ボール紙)の表裏両面に被覆紙(例えば、厚みが0.1〜0.2mmのケント紙)が貼られた合紙を使用できる。そして、底板16は、ロールケーキ23の幅がW(mm)、長さがL(mm)の場合、厚紙から、例えば、幅aがW+(10〜20)mm、長尺方向長さcがL+(10〜20)mmの長方形を切り出し、切り出した長方形の厚紙の一面側に、左右(幅方向)両端からそれぞれbmm内側の部位に長手方向に沿ってVカットマシーンを用いて頂角が45°となる第1及び第2のV溝12、13を加工することにより形成される。ここで、第1及び第2のV溝12、13の深さは、一面側の被覆紙と芯紙を貫通する深さとなっている。従って、第1及び第2のV溝12、13の底には、芯紙の他面側に貼られた被覆紙が存在している。
【0027】
左蓋17は、直交して連結される第1及び第2の左平板26、27からなって、第1の左平板26の基端は、左底部14の外側端に連接され、第1の左平板26と左底部14とは直交している。また、右蓋18は、直交して連結される第1及び第2の右平板28、29からなって、第1の右平板28の基端は、右底部15の外側端に連接され、かつ第1の右平板28と右底部15とは直交している。ここで、第1の左平板26と第1の右平板28は同一形状で、第1の左平板26と第1の右平板28の幅はそれぞれ、例えば、ロールケーキ23の高さがHmmの場合、H+(5〜10)mmで、第1の左平板26と第1の右平板28の長さは底板16の長さと同一である。また、第2の左平板27と第2の右平板29は同一形状で、第2の左平板27と第2の右平板29の幅はそれぞれ、底板16の幅aの1/2、第2の左平板27と第2の右平板29の長さは底板16の長さと同一である。そして、第1及び第2の左平板26、27並びに第1及び第2の右平板28、29は、底板16の形成に使用したのと同一の厚紙を使用して形成することができ、第1及び第2の左平板26、27の連結並びに第1及び第2の右平板28、29の連結、第1の左平板26と左底部14の連接並びに第1の右平板28と右底部15の連接は接着剤を用いて行われている。
【0028】
左、右底部14、15の幅が同一で、第1及び第2のV溝12、13の頂角が45°なので、左、右蓋17、18を開いて、中央底部11に対して左、右底部14、15がそれぞれ直交する角度まで左、右底部14、15を回動させると、第1の左平板26と左底部14及び第1の右平板28と右底部15とはそれぞれ直交しているため、第1の左平板26及び第1の右平板28は中央底部11から同一距離の位置に中央底部11と平行に配置される。
【0029】
左前板19、左後板20、右前板21、及び右後板22は同一寸法の長方形状で、底板16の形成に使用したのと同一の厚紙を使用して形成する。ここで、左前板19の一方の短辺側端部を左底部14の前側に形成した浅溝30に装入して、左前板19の他方の短辺側端部を左蓋17の第2の左平板27の前側に形成した浅溝31に装入して、左前板19の一方の長辺側端部を左蓋17の第1の左平板26の前側に形成した浅溝32に装入してそれぞれ接着剤を介して連結されている。また、左後板20の一方の短辺側端部を左底部14の後側に形成した浅溝(図示せず)に装入して、左後板20の他方の短辺側端部を左蓋17の第2の左平板27の後側に形成した浅溝33に装入して、左後板20の一方の長辺側端部を左蓋17の第1の左平板26の後側に形成した浅溝(図示せず)に装入してそれぞれ接着剤を介して連結されている。なお、左前板19及び左後板20の幅(図2において高さ方向の幅)を調整して、左蓋17が開かれた際に、左前板19及び左後板20の各他方の長辺の高さは、第2の左平板27の先端の高さと同一とする。すなわち、図2の左、右蓋17、18を開いた状態で、左前板19、第2の左平板27、及び左後板20の上端高さを同じにしている。
【0030】
右前板21の一方の短辺側端部を右底部15の前側に形成した浅溝(図示せず)に装入して、右前板21の他方の短辺側端部を右蓋18の第2の右平板29の前側に形成した浅溝34に装入して、右前板21の一方の長辺側端部を右蓋18の第1の右平板28の前側に形成した浅溝35に装入してそれぞれ接着剤を介して連結されている。また、右後板22の一方の短辺側端部を右底部15の後側に形成した浅溝(図示せず)に装入して、右後板22の他方の短辺側端部を右蓋18の第2の右平板29の後側に形成した浅溝36に装入して、右後板22の一方の長辺側端部を右蓋18の第1の右平板28の後側に形成した浅溝(図示せず)に装入してそれぞれ接着剤を介して連結されている。なお、右前板21及び右後板22の幅(図2において高さ方向の幅)を調整して、右蓋18が開かれた際に、右前板21及び右後板22の各他方の長辺の高さは、第2の右平板29の先端の高さと同一とする。すなわち、図2の左、右蓋17、18を開いた状態で、右前板21、第2の右平板29、及び右後板22の上端高さを同じにしている。
【0031】
更に、中央底部11の前側には左底部14の前側に形成した浅溝30と右底部15の前側に形成した浅溝を連通する浅溝37が、中央底部11の後側には左底部14の後側に形成した浅溝と右底部15の後側に形成した浅溝を連通する浅溝(図示せず)がそれぞれ形成されている。以上の構成とすることにより、左、右蓋17、18が閉じられた際に、中央底部11及び左、右底部14、15から形成される底板16は平坦になって、左、右蓋17、18の先端、すなわち、第2の左平板27の先端と第2の右平板28の先端は当接する。そして、左前板19の垂直辺(すなわち、左前板19の他方の長辺)と右前板21の垂直辺(すなわち、右前板21の他方の長辺)は当接し、左前板19の水平辺(すなわち、左前板19の一方の短辺の先端部)と、右前板21の水平辺(すなわち、右前板21の一方の短辺の先端部)は、浅溝37に装入されて中央底部11の前側に当接する。また、左後板20の垂直辺(すなわち、左後板20の他方の長辺)と右後板22の垂直辺(すなわち、右後板22の他方の長辺)は当接し、左後板20の水平辺(すなわち、左後板20の一方の短辺の先端部)と、右後板22の水平辺(すなわち、右後板22の一方の短辺の先端部)は、形成された浅溝に装入されて中央底部11の後側に当接する。
【0032】
中板25は、載置部24と、載置部24の前後にそれぞれ設けられた前側壁部38及び後側壁部39と、載置部24の左右両側にそれぞれ設けられた左側壁部40及び右側壁部41とを有し、例えば、コートボールを用いて形成されている。ここで、載置部24の長さは左前板19(右前板21)と左後板20(右後板22)間の距離と同一で、載置部24の幅は、左底部14、中央底部11、及び右底部15のそれぞれの幅の合計と同一寸法となって、中央底部11に載置部24の中央部が接着剤を介して固着されている。これによって、左、右蓋17、18を開いた際に、左、右蓋17、18の中央に載置部24を配置することができ、載置部24にロールケーキ23を載せるとロールケーキ23を開いた左、右蓋17、18の中央部に配置することができる。また、左、右蓋17、18を閉じた際に、載置部24の左右両側が左、右蓋17、18の内面にそれぞれ当接するため、左、右蓋17、18を隙間なく閉じることができる。
【0033】
載置部24の前後に、同一高さの前側壁部38及び後側壁部39を設けることで、左、右蓋17、18が開かれた際に、左前板19及び右前板21の隙間、並びに左後板20及び右後板22の隙間を埋めることができる。ここで、前側壁部38及び後側壁部39の高さhは、左側壁部40と右側壁部41の高さと同一であり、左側壁部40及び右側壁部41の長さは左前板19(右前板21)と左後板20(右後板22)間の距離と同一である。更に、前側壁部38及び後側壁部39の高さhは、底板16の幅をa、左底部14及び右底部15の幅をbとした場合、0.8×(a/2−b)<h<1.5×(a/2−b)の式を満足する。
【0034】
載置部24の左右両側に設けられた左側壁部40と右側壁部41の外側端には、左化粧板部42と右化粧板部43の基端がそれぞれ左、右折り曲げ線44、45を介して折り曲げ可能に連接されている。ここで、左化粧板部42と右化粧板部43の幅をkとすると、左側壁部40の高さhと左化粧板部42の高さkの総和は第1の左平板26の内側寸法(左底部14と第2の左平板27間の距離)に等しく、右側壁部41の高さhと右化粧板部43の高さkの総和は第1の右平板28の内側寸法(右底部15と第2の右平板29間の距離)に等しく、左化粧板部42と右化粧板部43の長さは、左前板19(右前板21)と左後板20(右後板22)間の距離と同一である。これによって、左、右蓋17、18が開かれた際に、左化粧板部42の先端を第1の左平板26と第2の左平板27の隅に掛止して左折り曲げ線44を上方に突出させ、右化粧板部43の先端を第1の右平板28と第2の右平板29の隅に掛止し右折り曲げ線45を上方に突出させて、両開き式の収納箱10内に中板25を収容することができる。また、左、右蓋17、18が閉じられた際に、前側壁部38、後側壁部39、左側壁部40、及び右側壁部41の高さが同一であるので、前側壁部38、後側壁部39の左右両端が左側壁部40及び右側壁部41の前後両側を押圧して、左折り曲げ線44を上方に突出させて屈折していた左側壁部40と左化粧板部42を平坦にして第1の左平板26の内面側に当接させ、右折り曲げ線45を上方に突出させて屈折していた右側壁部41と右化粧板部43を平坦にして第1の右平板28の内面側に当接させるため、左側壁部40、左化粧板部42、右側壁部41、右化粧板部43をそれぞれ左、右蓋17、18の内面に沿わせて容易に収容することができる。
【0035】
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る両開き式の収納箱10の作用について説明する。
第1及び第2のV溝12、13を介して、中央底部11と左、右底部14、15との連接が行われているので、左、右底部14、15を中央底部11に対して回動可能とすることができ、左、右蓋17、18の開閉を行うことができる。
【0036】
そして、左、右蓋17、18を開き、中央底部11に対して左、右底部14、15がそれぞれ直交する角度まで左、右底部14、15を外側に回動させて、水平状態になった第1の左平板26及び第1の右平板28を平坦な台に載せると、中央底部11を、その左右両側をそれぞれ左、右底部14、15で支持して、台の上方に台と平行な状態で持上げて保持することができる。更に、図2に示すように、左、右蓋17、18を開けることで、両開き式の収納箱10を上方に開口して、左、右蓋17、18、左前板19、左後板20、右前板21、右後板22、前側壁部38、及び後側壁部39を周壁として中央部に中央底部11で支持された載置部24が配置された状態とすることができる。その結果、載置部24にロールケーキ23を載せると、ロールケーキ23を両開き式の収納箱10内に収容すると共に、上方に持上げた状態で保持することができ、ロールケーキ23を見栄え良く展示できる。
【0037】
更に、左、右蓋17、18が開かれた際に、左化粧板部42の先端を第1の左平板26と第2の左平板27の隅に掛止して左折り曲げ線44を上方に突出させ、右化粧板部43の先端を第1の右平板28と第2の右平板29の隅に掛止し右折り曲げ線45を上方に突出させて、両開き式の収納箱10内に中板25が収容されるので、左化粧板部42と右化粧板部43により左、右蓋17、18の内面側がそれぞれ覆われて左、右蓋17、18が開かれた際の装飾性を向上させることができ、ロールケーキ23を展示した際の見栄えを更に向上させることができる。そして、前側壁部38、後側壁部39、左側壁部40、及び右側壁部41の高さが同一であるので、左、右蓋17、18が閉じられた際に、前側壁部38、後側壁部39の左右両端が左側壁部40及び右側壁部41の前後両側を押圧する。その結果、左、右蓋17、18の開時に左折り曲げ線44を上方に突出させて屈折していた左側壁部40と左化粧板部42が平坦になって第1の左平板26の内面側に当接し、右折り曲げ線45を上方に突出させて屈折していた右側壁部41と右化粧板部43が平坦になって第1の右平板28の内面側に当接するため、左側壁部40、左化粧板部42、右側壁部41、右化粧板部43をそれぞれ左、右蓋17、18の内面に沿わせて容易に収容することができ、左、右蓋17、18を容易に閉じることができる。
【0038】
図4に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る両開き式の収納箱46は、第1の実施の形態に係る両開き式の収納箱10と比較して、左蓋47及び右蓋48が、それぞれ外側に膨らむ湾曲形状となっており、左前板49、左後板(図示せず)、右前板50、右後板(図示せず)の形状も、左蓋47及び右蓋48に当接する領域が外側に膨らむ湾曲形状になっていることが特徴となっている。このため、第1の実施の形態に係る両開き式の収納箱10と同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。左蓋47及び右蓋48を外側に膨らむ湾曲形状とすると、左、右蓋47、48を閉じた際に両開き式の収納箱46の上部側が角張らず、左、右蓋47、48を閉じた際の左、右蓋47、48の一体性が強く現れ、例えば、左、右蓋47、48の表面に描いた絵や模様を効果的に引き立たせることができデザイン性に優れる。なお、両開き式の収納箱46の作用も両開き式の収納箱10の作用と同一なので説明は省略する。
【0039】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、左、右蓋をそれぞれ同一形状の平板とし、左、右蓋が左、右底部の外側端にそれそれ直角で連接し、その後屈曲や湾曲させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る両開き式の収納箱において蓋が閉じられた状態の斜視図である。
【図2】同両開き式の収納箱において蓋が開かれた状態の斜視図である。
【図3】図2のP−P矢視断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る両開き式の収納箱において蓋が閉じられた状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
10:両開き式の収納箱、11:中央底部、12:第1のV溝、13:第2のV溝、14:左底部、15:右底部、16:底板、17:左蓋、18:右蓋、19:左前板、20:左後板、21:右前板、22:右後板、23:ロールケーキ、24:載置部、25:中板、26:第1の左平板、27:第2の左平板、28:第1の右平板、29:第2の右平板、30、31、32、33、34、35、36、37:浅溝、38:前側壁部、39:後側壁部、40:左側壁部、41:右側壁部、42:左化粧板部、43:右化粧板部、44:左折り曲げ線、45:右折り曲げ線、46:両開き式の収納箱、47:左蓋、48:右蓋、49:左前板、50:右前板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央底部及び該中央底部の左右両側にそれぞれ第1及び第2の折れ目を介して回動可能に連接された同一形状の左、右底部を備えた底板と、
前記左、右底部の外側端にそれぞれ基端が連接する対となる左、右蓋と、
前記左底部及び前記左蓋の前後両側にそれぞれ立設され、該左底部及び該左蓋の連結を補強する左前板及び左後板と、
前記右底部及び前記右蓋の前後両側にそれぞれ立設され、該右底部及び該右蓋の連結を補強する右前板及び右後板と、
前記底板に支持され収納物を載せる載置部を備える中板とを有し、
前記左、右蓋が閉じられた際に、前記底板は平坦になって前記左、右蓋の先端は当接し、前記左前板及び前記右前板の垂直辺は当接すると共に該左前板及び該右前板の水平辺は前記中央底部の前側に当接し、前記左後板及び前記右後板の垂直辺は当接すると共に該左後板及び該右後板の水平辺は前記中央底部の後側に当接し、前記左、右蓋が開かれた際に、前記中央底部の左右両側がそれぞれ前記左、右底部で支持されて上方に持上げられることを特徴とする両開き式の収納箱。
【請求項2】
請求項1記載の両開き式の収納箱において、前記左蓋は直交して連結される第1及び第2の左平板からなって、前記第1の左平板の基端は、前記左底部の外側端に連接され、かつ前記第1の左平板と前記左底部とは直交し、前記右蓋は直交して連結される第1及び第2の右平板からなって、前記第1の右平板の基端は、前記右底部の外側端に連接され、かつ前記第1の右平板と前記右底部とは直交することを特徴とする両開き式の収納箱。
【請求項3】
請求項1記載の両開き式の収納箱において、前記左蓋及び前記右蓋は、それぞれ外側に膨らむ湾曲形状となっていることを特徴とする両開き式の収納箱。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の両開き式の収納箱において、前記載置部の幅は、前記左底部、前記中央底部、及び前記右底部のそれぞれの幅の合計と同一寸法となって、前記中央底部に該載置部の中央部が固着されていることを特徴とする両開き式の収納箱。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の両開き式の収納箱において、前記載置部の前後には、前記左、右蓋が開かれた際に、前記左前板及び前記右前板の隙間、並びに前記左後板及び前記右後板の隙間を埋める前側壁部及び後側壁部が設けられ、しかも、該前側壁部及び該後側壁部の高さhは、前記底板の幅をa、前記左底部及び前記右底部の幅をbとした場合、以下の式を満足することを特徴とする両開き式の収納箱。
0.8×(a/2−b)<h<1.5×(a/2−b)
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の両開き式の収納箱において、前記載置部の左右両側には、それぞれ左側壁部と右側壁部が設けられ、更に該左側壁部と該右側壁部の外側端には左化粧板部と右化粧板部の基端がそれぞれ折り曲げ可能に連接されていることを特徴とする両開き式の収納箱。
【請求項7】
請求項5に従属する請求項6記載の両開き式の収納箱において、前記前側壁部、前記後側壁部、前記左側壁部、及び前記右側壁部の高さは同一であることを特徴とする両開き式の収納箱。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の両開き式の収納箱において、前記底板、前記左、右蓋、前記左前板、前記左後板、前記右前板、及び前記右後板は厚紙で形成され、前記第1及び第2の折れ目はV溝であることを特徴とする両開き式の収納箱。
【請求項9】
請求項8記載の両開き式の収納箱において、前記厚紙の厚みは1.5mm以上3.5mm以下であることを特徴とする両開き式の収納箱。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−76824(P2010−76824A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248566(P2008−248566)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(501150174)有限会社ジェイ・パック (2)
【Fターム(参考)】