説明

並設トンネルの接合方法

【課題】 サブトンネルのメイントンネルに対する出っ張り量を大きくしても、接合作業中に土圧に対する十分な強度を確保できると共に、施工が容易な並設トンネルの接合方法を提供する。
【解決手段】 メイントンネル1とこれに並設されたサブトンネル2とを接合する方法であって、上記メイントンネル1とサブトンネル2との対向部1x、2xに、少なくとも一方のトンネル1、2内から双方のトンネル1、2を連通する穴11を形成し、該穴11に少なくとも一方のトンネル1、2内から分割桁4bを挿通させ、該分割桁4bを別の分割桁(4a、4c)と繋げることにより、一端がメイントンネル1の内面に他端がサブトンネル2の内面に固定された補強桁4を構築した後、上記対向部1x、2xを除去してメイントンネル1とサブトンネル2とを接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メイントンネルとこれに並設されたサブトンネルとを接合する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、図8に示すように、道路トンネル等において、本線となるメイントンネルMの側部に分岐線となるサブトンネルSを並設し、これらトンネルM、S同士を連通させてランプ合流部を構築する需要が生じ、本発明者等は以下の工法を創案した。
【0003】
(1)メイントンネルMとサブトンネルSとの接合部近傍の地山を地盤改良し、接合部のセグメントMS、SSをボルトナットBで締結し、締結部分をコンクリート打設により固め、双方のトンネルM、Sの外殻を瓢箪型に繋げた後、不要部分のセグメントSX、MXを除去する。
【0004】
(2)上記地盤改良の後に、接合部のセグメントSS、MSを溶接部材Wを介して溶接することで固定し、双方のトンネルM、Sの外殻を瓢箪型に繋げた後、不要部分のセグメントSX、MXを除去する。
【0005】
上記(1)、(2)いずれの工法においても、双方のトンネルM、Sの外殻を繋げて瓢箪型のトンネルとした後に不要部分のセグメントMX、SXを除去するのであるが、不要部分のセグメントMX、SXを除去したとき、瓢箪型トンネルの括れ部Nが土圧に対して荷重的に苦しくなる。
【0006】
このため、(1)では、括れ部Nに加わる土圧に対抗するべく、双方のトンネルM、SのセグメントMS、SSの締結強度を高める必要があり、ボルトBの本数を多くする必要があるが、ボルトBの本数が多くなると、各ボルトBの芯合わせのための施工精度及び作業性等の問題が生じる。
【0007】
(2)の場合、括れ部Nにて十分な接合強度を得るべく、溶接部材Wの数を多くする必要があり、ボルトBの場合と同様に溶接部材Wの設置に関する施工精度及び作業性等の問題が生じる他、各溶接部材WをセグメントMS、SSに溶接するときの溶接量の多さも問題となる。
【0008】
このような問題は、メイントンネルMに対するサブトンネルSの出っ張り量を大きくした場合、特に顕著となる。
【0009】
ところで、特許文献1には、メイントンネルMとサブトンネルSとの対向部のセグメントMX、SXを貫通するようにしてトンネルM、S内に水平に補強桁を配置し、この補強桁の一端をメイントンネルMの内周面に当接させると共に他端をサブトンネルSの内周面に当接させ、括れ部Nに加わる土圧に対抗し得るようにした構造が開示されており、かかる構造によればメイントンネルMに対するサブトンネルSの出っ張り量を大きくできると考えられる。
【0010】
【特許文献1】特開平4−169698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上記文献1には、メイントンネルMの内径よりも長い上記補強桁をどのようにしてトンネルM、S内で組み立ててセグメントMX、SXを貫通させて水平に配置するかは記載されていない。上記補強桁をセグメントMX、SXを貫通させ、不要部分のセグメントMX、SXを除去して最終的にトンネルM、S同士を接合する作業に関しては、かかる作業中に土圧に対する十分な強度を確保できるようになっている必要がある。
【0012】
そこで、本発明の目的は、サブトンネルのメイントンネルに対する出っ張り量を大きくしても、接合作業中に土圧に対する十分な強度を確保できると共に、施工が容易な並設トンネルの接合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、メイントンネルとこれに並設されたサブトンネルとを接合する方法であって、上記メイントンネルとサブトンネルとの対向部に、少なくとも一方のトンネル内から双方のトンネルを連通する穴を形成し、該穴に少なくとも一方のトンネル内から分割桁を挿通させ、該分割桁を別の分割桁と繋げることにより、一端がメイントンネルの内面に他端がサブトンネルの内面に固定された補強桁を構築した後、上記対向部を除去してメイントンネルとサブトンネルとを接合するようにしたものである。
【0014】
また、メイントンネルとこれに並設されたサブトンネルとを接合する方法であって、上記メイントンネルの内部に、一端が該メイントンネルの内面に固定され他端が上記サブトンネル側に指向された分割桁を、トラス構造を介して支持し、上記サブトンネルの内部から上記他端に向けて及び/又は上記メイントンネルの内部から上記他端の指向方向に向けて双方のトンネルの対向部を貫通する穴を形成し、上記サブトンネルの内部及び/又は上記メイントンネルの内部から別の分割桁を上記穴に挿通させて上記他端に接続することで補強桁を構築し、該補強桁の一端を上記サブトンネルの内面に固定した後、上記対向部を除去してメイントンネルとサブトンネルとを接合するようにしたものである。
【0015】
上記対向部を除去する際、該対向部の一部を残し、この状態で上記補強桁の上記対向部の近傍の部分と上記メイントンネルの内面とを別の部材で連結し、その後上記一部を除去してもよい。
【0016】
上記メイントンネルが周方向の一部に凹部を有し、該凹部に嵌るように上記サブトンネルを並設してもよい。
【0017】
上記穴を形成するに先立って、少なくとも一方のトンネルの内部から、地盤改良を行ってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る並設トンネルの接合方法によれば、サブトンネルのメイントンネルに対する出っ張り量を大きくしても、接合作業中に土圧に対する十分な強度を確保できると共に、施工が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の好適実施形態を添付図面を用いて説明する。
【0020】
図1〜図4は、本実施形態に係る並設トンネルの接合方法の各工程を示す説明図である。本実施形態によれば、図面裏表方向に形成されたメイントンネル1とこれに並設されたサブトンネル2とを接合するに際して、サブトンネル2のメイントンネル1に対する出っ張り量を図8のタイプよりも大きくしても、以下に説明するように、接合作業中に土圧に対して十分な強度を確保でき、しかも容易に施工できる。
【0021】
先ず、図1に示すように、メイントンネル1を図面裏表方向に形成すると共に、これに並設させてサブトンネル2を形成する。メイントンネル1は、周方向の一部(左側部)に凹部3を有し、この凹部3に嵌り込むようにサブトンネル2が並設されている。これらメイントンネル1とサブトンネル2とを長手方向に接合するのであるが、最初、メイントンネル1の内部に、一端(右端4ar)がメイントンネル1の内面に固定され他端(左端4al)がサブトンネル2側に指向された分割桁4aを、トラス構造5を介してメイントンネル1の内面に支持させる。
【0022】
詳しくは、メイントンネル1の天井面1aに、リブ6を有する曲面状のベースプレート7を周方向に間隔を隔てて固定し、リブ6にトラス構造5の束材5aを鉛直に取り付け、束材5aの下端に分割桁4aを水平に取り付け、分割桁4aの右端4arをベースプレート7を介してメイントンネル1の内面に固定(溶接・ボルト等)すると共にリブ6に固定し、天井面1aのリブ6と分割桁4aのリブ8との間にトラス構造5の斜材5bを介設する。
【0023】
同様に、メイントンネル1の底面1bに、リブ6を有する曲面状のベースプレート7を周方向に間隔を隔てて固定し、リブ6にトラス構造5の束材5aを鉛直に取り付け、束材5aの上端に分割桁4aを水平に取り付け、分割桁4aの右端4arをベースプレート7を介してメイントンネル1の内面に固定すると共に柱9に固定し、底面1bのリブ6と分割桁4aのリブ8との間にトラス構造5の斜材5bを介設する。
【0024】
上下の分割桁4a、4a及びトラス構造5、5は、メイントンネル1の軸方向に所定間隔を隔てて複数設けられる。上側及び下側の分割桁4aの組み付け順は、どちらが先であってもよく、同時でも構わない。なお、各束材5a及び斜材5bには、圧縮・引っ張りのみが作用し、曲げが加わらないと考える(トラス構造5)。このため、各束材5a及び斜材5bは、各リブ6、8において、束材5aの中心線と斜材5bの中心線とが一点で交わるように配置されることが好ましい。
【0025】
メイントンネル1及びサブトンネル2の少なくとも一方の内部から接合部近傍の地山に向けて止水剤(薬剤、モルタル等)を注入し、地盤改良10を行う。これにより、双方のトンネル1、2のセグメントの対向部1x、2xに後述する穴11(図2)を開けたときの止水性を確保している。なお、この地盤改良10と上述した分割桁4a及びトラス構造5の組み付けとは、どちらが先であってもよく、同時でも構わない。
【0026】
次に、図2に示すように、サブトンネル2の内部から上記分割桁4aの左端4alへ向けて上記対向部1x、2xを貫通する穴11を形成し、この穴11にサブトンネル2の内部から別の分割桁4bを挿通させ、この分割桁4bの右端4brを分割桁4aの左端4alに、溶接やボルトナット等によりメイントンネル1内で接合する。なお、上記穴11を、メイントンネル1の内部から、上記分割桁4aの左端4alの指向方向に向けて形成してもよく、上記別の分割桁4bを、メイントンネル1の内部から上記穴11に挿通してもよい。この場合、上記分割桁4aを短めに形成し、その左端4alと対向部1xとの間に、作業スペースを確保することが好ましい。
【0027】
次に、別の分割桁4bの左端4blに、更に別の分割桁4cの右端4crを突き合わせてサブトンネル2内にて同様にして接合し、この分割桁4cの左端4clをサブトンネル2の内面に固定する。これにより、分割桁4a、4b、4cからなり、水平方向に延出された補強桁4が構築される。補強桁4は、一端(左端4cl)がサブトンネル2の内面に固定され、他端(右端4ar)がメイントンネル1の内面に固定されることになる。
【0028】
かかる補強桁4の構築は、上側のものを構築後に下側のものを構築してもよいし、順序を逆にしてもよいし、上側及び下側のものを同時に構築してもよい。
【0029】
なお、上記補強桁4は上述の構築方法に限られることはなく、図5に示すように、上記分割桁4aを左側分割桁4axと右側分割桁4ayとから構成し、対向部1x、2xに穴11を形成した後、図6に示すように左側分割桁4ax(請求項1の分割桁に相当)をトラス構造5から取り外して穴11に挿通させ、左側分割桁4axの左端とサブトンネル2の内面に取り付けた分割桁4dとの間に分割桁4e(請求項1の別の分割桁に相当)を挟み込ませるように接続し、左側分割桁4axの右端とメイントンネル1の内部に残された分割桁片4ayとの間に分割桁4f(請求項1の別の分割桁に相当)を挟み込ませるように接続し、以て補強桁4を構築してもよい。こうすれば、補強桁4の構築をメイントンネル1内及びサブトンネル2内の双方から行えるので、施工場所が分散され、作業効率が向上する。
【0030】
また、図5の状態から、左側分割桁4axを、図7に示すように穴11を挿通させ、サブトンネル2の内面に取り付けた分割桁4gに接続させた後、左側分割桁4axの右端とメイントンネル1の内部に残された分割桁片4ayとの間に分割桁4f(請求項1の別の分割桁に相当)を挟み込ませるように接続し、以て補強桁4を構築してもよい。こうすれば、右側分割桁4ay、左側分割桁4ax及び分割桁4hをメイントンネル1内からのみ供給できるので、それらの供給ルートが一本となって供給システムを低コストで構成できる。
【0031】
なお、図5〜図7を用いて説明した補強桁4の構築方法において、上記左側分割桁4axを一旦トラス構造5に仮取付けすることなく、直接上記穴11に挿入するようにしてもよい。
【0032】
こうして補強桁4を構築したならば、図3に示すように(なお、図3は図2の続きの工程)、メイントンネル1側の対向部1xのセグメントを溶断やボルトナットを緩めることで取り外し、サブトンネル2側の対向部2xのセグメントの一部(上下の補強桁4の間の部分2xc)を残して、上側補強桁4より上方の部分2xu及び下側補強桁4より下方の部分2xdを同様にして取り外す。なお、上記部分2xcは、図3では空中に浮いているように見えるが、実際には図面裏表方向において隣り合う部分2xcに接続されている。
【0033】
上記対向部1x、及び部分2xu、2xdを取り外すと、各トンネル1、2が開放断面となるため、土圧に対する各トンネル1、2の剛性(トンネルの外殻自体に因る剛性)が著しく低下するが、本実施形態では開放に先立ってメイントンネル1及びサブトンネル2内に補強桁4をトンネル幅方向に架け渡しているため、トラス構造5による荷重分散効果とも相俟って、各トンネル1、2が開放断面となっても土圧に対して十分な剛性を確保できる。
【0034】
ここで、上下の補強桁4には、その左端部4clに作用する土圧によって、トラス構造5の左端に位置する束材5aの接続部Zを基点とした曲げモーメントが生じ、接続部Zと左端部4clとの間の部分においてトンネル内方側への撓みが発生するところ、撓もうとする部分(分割桁4b)が上記一部2xcに形成された穴11の内周壁に押し付けられ、上記撓みが抑えられる。よって、トンネル1、2の変形を防止できる。
【0035】
なお、トラス構造5は、土圧が所定値以下の場合等には省略することもできる。この場合、補強桁4は、その両端が双方のトンネル1、2の内面に夫々固定された両端固定梁となるので、土圧による圧縮荷重を受けてその中央部(分割桁4bの部分)がトンネル内方側に撓もうとするが、この場合も分割桁4bが同様に穴11の内周壁に押し付けられ、上記撓みが抑えられる。
【0036】
こうして、補強桁4、トラス構造5及び穴11の内周壁によってトンネル1、2が受ける土圧を支持した状態で、双方のトンネル1、2のセグメント1S、2Sの間に接続セグメント12Sを溶接やボルト等によって介設し、トンネル1、2の外殻を瓢箪型に繋げる。
【0037】
最後に、図4に示すように、別の分割片4bとメインセグメント1の内面との間に別の部材である斜材13を追加して設けることで、補強桁4を内方に撓ませる力の一部を支持させ、その後、上記部分2xcを溶断やボルトナットを緩めることで取り外し、双方のトンネル1、2を繋げる。
【0038】
この工法によれば、図3に示すように、補強桁4及びトラス構造5によって土圧に対するトンネルの剛性を高め、上記部分2xcによって補強桁4の撓みを支持した状態で対向部1x及び上記部分2xu、2xdを除去し、図4に示すように、斜材13によって補強桁4の撓みを押さえるようにした後に上記部分2xcを除去し、補強桁4の撓みを抑えるための負担を上記部分2xcから斜材13に移し替えるようにしているので、接合作業の全工程に亘って土圧に対する十分な強度を確保できる。よって、サブトンネル2のメイントンネル1に対する出っ張り量を図5よりも大きくでき、自動車用トンネルの合流・分岐部に用いるのに好適となる。
【0039】
また、メイントンネル1とこれより小径のサブトンネル2とが水平方向に繋がった瓢箪型トンネルが得られ、その内部に水平方向に広い有効断面を得られる。かかる瓢箪型トンネルは、下部の補強桁4の上に床板を配置することで、自動車用トンネルの本線と分岐線との合流・分岐部とすることができる。
【0040】
また、上記工法は、サブトンネル2のメイントンネル1に対する出っ張り量やサブトンネル2の直径を図1〜図4のものよりも大きくしても成立し、サブトンネル2をメイントンネル1と同径にしても成立する。これらの場合、補強桁4のサブトンネル2内の部分を別のトラス構造を介してサブトンネル2の内面に支持させることが好ましい。
【0041】
また、作業性・施工性に関しては、「背景技術」の欄で説明した工法(1)、(2)では、図5に示すメイントンネルMのセグメントMSとサブトンネルSのセグメントSSとをボルトナットBや溶接部材Wの溶接等によって接続固定することで双方のトンネルM、Sの接合強度を得ているので、接合後の瓢箪型トンネルの剛性を土圧に対抗できるように高めるためにはボルトナットBや溶接部材Wの数を増やす必要があり、これらボルトナットBや溶接部材Wの設置に関する施工精度及び作業性の負担が高まってしまうことが避けられない。
【0042】
これに対し、本実施形態では、補強桁4、トラス構造5及び斜材13によって接続後の瓢箪型トンネルの土圧に対する剛性を得ているので、各トンネル1、2のセグメント1S、2Sに対する接続セグメント12Sの固定箇所(ボルト止め箇所等)を、前段落で述べたボルトナットBや溶接部材Wの数よりも大幅に減らすことができ、作業性、施工性が向上する。
【0043】
また、予めメイントンネル1内に分割桁4aをトラス構造5を介して取り付けておき、これにサブトンネル2内から穴11を通じて分割桁4b、4cを接続するようにしているので、分割桁4aのトラス構造5を介したメイントンネル1内への取付作業と、穴11を通じた分割桁4b、4cの分割桁4aへの接続作業とを、各トンネル1、2内にてその長手方向に位相をずらして行うことができる。よって、施工場所が分散され、広い作業スペースを容易に確保できる。
【0044】
また、補強桁4のメイントンネル1への取り付けはトラス構造5を介して行っているところ、トラス構造5の各束材5a及び斜材5bは、土圧によって引っ張りか圧縮が生じるのみで曲げが生じないため、断面積を小さくでき、軽量化・低コスト化を推進できる。他方、補強桁4は、各束材5a及び斜材5bを介して上下方向に多少の曲げが入力されるため、上下方向の断面寸法を左右方向のそれよりも大きくする。なお、図例では、補強桁4には、各束材5a及び斜材5bの接続位置に対応させて補強板4x(図3参照)を取り付けている。
【0045】
また、上記補強桁4(分割桁4a、4b、4c)、トラス構造5(束材5a、斜材5b)は、標準鋼材(H鋼、I鋼等)を用いることができ、コストダウンに繋がる。また、トラス橋と同様の強度計算が行えるため、設計が容易であり技術的な信頼性が高い。また、応力が全体に分散するため、セグメント1S、2Sの薄肉化・軽量化が可能となる。また、トラス構造5の束材5aと斜材5bとの間に、風管14(ダクト)や電気ケーブル等の部材を設置するためのスペースを確保できる。
【0046】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、メイントンネル1の凹部3を省略し、メイントンネル1とサブトンネル2とを共に断面円形として、これらを並設してもよい。また、複数のサブトンネル2をメイントンネル1に並設し、これらを全て接合してもよく、補強桁4を二分割又は四分割以上としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の好適実施形態を示す並設トンネルの接合方法の第1工程を示す説明図(断面図)である。
【図2】続く第2工程を示す説明図である。
【図3】続く第3工程を示す説明図である。
【図4】続く第4工程を示す説明図である。
【図5】補強桁を構築する際の変形例を示す説明図である。
【図6】補強桁を構築する際の変形例を示す説明図である。
【図7】補強桁を構築する際の変形例を示す説明図である。
【図8】対比例を示す並設トンネルの接合方法の説明図である。
【符号の説明】
【0048】
1 メイントンネル
1x 対向部
2 サブトンネル
2x 対向部
2xc 一部
3 凹部
4 補強桁
4a 分割桁
4ar 分割桁の一端
4al 分割桁の他端
4b 別の分割桁(補強桁4の対向部の近傍の部分)
4c 更に別の分割桁
4cl 補強桁の一端
5 トラス構造
5a 束材
5b 斜材
10 地盤改良
11 穴
13 別の部材としての斜材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メイントンネルとこれに並設されたサブトンネルとを接合する方法であって、
上記メイントンネルとサブトンネルとの対向部に、少なくとも一方のトンネル内から双方のトンネルを連通する穴を形成し、
該穴に少なくとも一方のトンネル内から分割桁を挿通させ、該分割桁を別の分割桁と繋げることにより、一端がメイントンネルの内面に他端がサブトンネルの内面に固定された補強桁を構築した後、
上記対向部を除去してメイントンネルとサブトンネルとを接合するようにしたことを特徴とする並設トンネルの接合方法。
【請求項2】
メイントンネルとこれに並設されたサブトンネルとを接合する方法であって、
上記メイントンネルの内部に、一端が該メイントンネルの内面に固定され他端が上記サブトンネル側に指向された分割桁を、トラス構造を介して支持し、
上記サブトンネルの内部から上記他端に向けて及び/又は上記メイントンネルの内部から上記他端の指向方向に向けて双方のトンネルの対向部を貫通する穴を形成し、
上記サブトンネルの内部及び/又は上記メイントンネルの内部から別の分割桁を上記穴に挿通させて上記他端に接続することで補強桁を構築し、
該補強桁の一端を上記サブトンネルの内面に固定した後、
上記対向部を除去してメイントンネルとサブトンネルとを接合するようにしたことを特徴とする並設トンネルの接合方法。
【請求項3】
上記対向部を除去する際、該対向部の一部を残し、この状態で上記補強桁の上記対向部の近傍の部分と上記メイントンネルの内面とを別の部材で連結し、その後上記一部を除去した請求項1又は2記載の並設トンネルの接合方法。
【請求項4】
上記メイントンネルが周方向の一部に凹部を有し、該凹部に嵌るように上記サブトンネルを並設した請求項1〜3いずれかに記載の並設トンネルの接合方法。
【請求項5】
上記穴を形成するに先立って、少なくとも一方のトンネルの内部から、地盤改良を行う請求項1〜4いずれかに記載の並設トンネルの接合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−16509(P2007−16509A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−199961(P2005−199961)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)
【Fターム(参考)】