中栓付き容器
【課題】中栓を簡単に取り外すことができ、繰り返し使用することができる中栓付き容器を提供する。
【解決手段】
円筒形の口部を有する容器本体、前記容器本体内の内容物の排出口を有し、前記容器本体の円筒形の口部と係合する中栓、および前記容器本体の口部とネジ係合する外キャップからなる中栓付き容器であって、前記円筒形の口部の外側面に、外側面を１周する凸部、前記凸部の下方に位置し前記外側面を１周する環状溝、および前記凸部を斜めに横断し前記環状溝に繋がるスリットを設け、前記中栓は円筒形の側面を有し、前記側面の内面に突起を設け、前記中栓の突起を、前記凸部に設けられた溝を通過させ、前記環状溝へと移動させることにより、前記突起と前記凸部が係合することで、前記中栓は前記容器本体の口部に係合する。
【解決手段】
円筒形の口部を有する容器本体、前記容器本体内の内容物の排出口を有し、前記容器本体の円筒形の口部と係合する中栓、および前記容器本体の口部とネジ係合する外キャップからなる中栓付き容器であって、前記円筒形の口部の外側面に、外側面を１周する凸部、前記凸部の下方に位置し前記外側面を１周する環状溝、および前記凸部を斜めに横断し前記環状溝に繋がるスリットを設け、前記中栓は円筒形の側面を有し、前記側面の内面に突起を設け、前記中栓の突起を、前記凸部に設けられた溝を通過させ、前記環状溝へと移動させることにより、前記突起と前記凸部が係合することで、前記中栓は前記容器本体の口部に係合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、中栓付き容器に関する。
【背景技術】
【０００２】
液体等を収容する容器には、中身を詰めた後で閉じる中栓が用いられている中栓付き容器が多数存在する。一般的な中栓は容器の口部の内側に嵌合されており、特に圧入により中栓が嵌合されている場合には、中栓を簡単には外すことができないものが多い。
【０００３】
従来の中栓付き容器は収容しているシャンプーや化粧料等を使い切ったら廃棄していたので中栓を外す必要が無かったので、中栓を開け易くするのではなく使用中に中栓が開かないように圧入により嵌合したものが多かった。しかしながら、最近は中身だけを詰め替えて再利用するリフィル容器が増えてきたために、中栓を開け易くするために、突起等を用いて中栓を容器に係合させた中栓付き容器（特許文献１参照）等が用いられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００１−１５８４５６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、突起を用いて中栓を容器に係合させる場合には、中栓を取り付けるのは簡単でも取り外すのに力が必要なものが多く、使い難いという問題があった。中栓を取り外し易い構造を用いたとしても、中栓の取り外しを繰り返し行っていると突起の係合が緩くなるという問題がある。
【０００６】
そこで、本発明は簡単な操作で中栓を取り外すことができ、長期間繰り返し使用することができる中栓付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の中栓付き容器は、円筒形の口部を有する容器本体、前記容器本体内の内容物の排出口を有し、前記容器本体の円筒形の口部と係合する中栓、および前記容器本体の口部とネジ係合する外キャップからなる中栓付き容器であって、前記円筒形の口部の外側面に、前記外側面を１周する突出部、前記突出部の下方に位置し前記外側面を１周する環状溝、前記突出部を斜めに横断し前記環状溝に繋がるスリット、および前記環状溝の下方に位置し前記外キャップに設けられたネジ山とネジ係合するネジ山を設け、前記中栓は円筒形の側面を有し、前記側面の内面に前記突出部と係合する係止突起を設け、前記中栓の係止突起を前記突出部に設けられた前記スリットを通過させ、前記環状溝へと移動させることにより、前記係止突起を前記突出部に係合させて前記中栓を前記容器本体の口部に取り付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の中栓付き容器は、円筒形の口部を有する容器本体、前記容器本体内の内容物の排出口を有し、前記容器本体の円筒形の口部と係合する中栓、および前記容器本体の口部とネジ係合する外キャップからなる中栓付き容器であって、前記円筒形の口部の外側面に、前記外側面を１周する突出部、前記突出部の下方に位置し前記外側面を１周する環状溝、前記突出部を斜めに横断し前記環状溝に繋がるスリット、および前記環状溝の下方に位置し前記外キャップに設けられたネジ山とネジ係合するネジ山を設け、前記中栓は円筒形の側面を有し、前記側面の内面に前記突出部と係合する係止突起を設け、前記中栓の係止突起を前記突出部に設けられた前記スリットを通過させ、前記環状溝へと移動させることにより、前記係止突起を前記突出部に係合させて前記中栓を前記容器本体の口部に取り付けることにより、前記中栓を簡単に取り外すことができ、繰り返し使用しても前記中栓の係合状態が緩むことなく長期間使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】中栓付き容器の断面図である。
【図２】中栓の斜視図であり、（ａ）は上からの斜視図、（ｂ）は下からの斜視図である。
【図３】容器本体の口部を拡大した斜視図である。
【図４】外キャップを取り外した状態の中栓付き容器の部分斜視図である。
【図５】容器本体の口部の平面図である。
【図６】係止突起を２個、スリットを４個設けた場合の中栓と口部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
本発明を図を用いて以下に詳細に説明する。図１が中栓付き容器１の断面図である。本発明の中栓付き容器１は、図１，４に示すように、円筒形の口部５を有する容器本体２、前記容器本体２の口部５と係合する円筒形の側面１０を有する中栓３、および前記容器本体２の口部５とネジ係合する円筒形の側面１５を有する外キャップ４からなり、前記中栓３を取り外して前記容器本体２に新しい内容物を入れることで繰り返し使用されるシャンプー等のリフィル容器として使用される。
【００１１】
前記容器本体２は、図１，３に示すように、上部が細くなったボトル形状で、本体の上部に前記口部５が円筒形に形成されている。図３に示すように、前記口部５の外側面は上部が下部よりも半径が小さい段差を有する円筒形となっており、前記口部５の上段が前記中栓３との係合に用いられ、下段が前記外キャップ４との係合に用いられる。前記容器本体２の形状はボトル形状に限定するものではなく、その他の形状を用いることも可能である。
【００１２】
前記中栓３との係合のために、前記口部５の外側面の上段に、外側面を１周する突出部７、前記突出部７の下方に位置し外側面を１周する環状溝９、および前記突出部７を斜めに横断し前記環状溝９に繋がるスリット８を設け、前記外キャップ４との係合のために、前記口部５の外側面の下段にネジ山６を設ける。図５に示すように、前記スリット８は前記口部５の外側面上で対向するように２個配置しているが、特に個数を限定するものではなく、前記スリット８の傾斜角度、幅、断面形状等も適宜設定可能である。また、前記スリット８の上端部を拡げることで、後述する係止突起１１を前記スリット８に挿入し易くすることもできる。
【００１３】
前記中栓３は、図２に示すように、上面中央に前記容器本体２内に収容された内容物を排出する排出口１３が設けられ、前記排出口１３を取り囲むように凸部１４がリング状に形成されており、前記容器本体２との係合に用いられる前記側面１０の内側に前記口部５内に挿入される円筒形の挿入部１２が形成されている。そして、前記側面１０の内面には、２個の係止突起１１を対向する位置に設けている。前記係止突起１１は、前記スリット８に挿入するために、前記スリット８の傾斜角度に合わせて斜めに（上面が平行四辺形となるように）形成しているが、前記スリット８に挿入し易い形状であれば特に形状を限定するものではなく、半球状、矩形状等様々な形状を用いることができる。
【００１４】
前記外キャップ４は、図４に示すように、蓋となる上面、前記容器本体２の口部５とのネジ係合に用いられる円筒形の側面１５から構成され、上面の内面には密閉度を高めるためのパッキン１７が設けられている。前記側面１５の内面には、前記口部５に設けられたネジ山６とねじ係合するネジ山１６が設けられている。
【００１５】
前記中栓３と前記容器本体２の係合について説明する。前記中栓３を前記容器本体２に取り付けるときには、前記中栓３を前記容器本体２の口部５の上から被せて前記口部５に押しつけながら右方向に回転させる。すると、前記中栓３に設けられた係止突起１１が前記口部５の突出部７の上面と接した状態で回転し、前記突出部７のスリット８の所に来ると前記係止突起１１が前記スリット８内に入り斜め下へと移動していく。このとき、２個の係止突起１１は２個のスリット８内をそれぞれ同じように移動している。これにより、前記中栓３は回転しながら下方へと移動することとなる。
【００１６】
前記係止突起１１が前記スリット８を通過すると、次に前記突出部７の下方に位置する環状溝９に入り、前記環状溝９内を水平方向に移動する。前記係止突起１１を前記環状溝９内において２個のスリット８の間で停止させると、前記係止突起１１は前記突出部７によって上方への移動が制限され、２個の係止突起１１と前記突出部７が係合した状態となり、前記中栓３が前記口部５と係合し前記容器本体２に取り付けられた状態となる。このように前記中栓３が前記容器本体２に係合された状態で、前記排出口１３から前記容器本体２に収容された内容物を排出して中栓付き容器本体１が使用される。
【００１７】
前記中栓３を前記容器本体２から取り外すときには、前記中栓３を上に引っ張りながら左方向に回転させる。すると、前記中栓３に設けられた係止突起１１が前記口部５の突出部７の下面と接した状態で前記環状溝９内を移動し、前記係止突起１１が前記突出部７のスリット８の所に来ると前記スリット８内に入り今度は斜め上へと移動していく。これにより前記中栓３は回転しながら上方へと移動することとなる。前記係止突起１１が前記スリット８を通過すると、前記中栓３は前記容器本体２の口部５との係合が完全に解除されて、前記中栓３は前記容器本体２から取り外される。
【００１８】
前記中栓３を取り外すあるいは取り付ける際に、前記係止突起１１を前記スリット８に入れるためには、前記係止突起１１が前記スリット８に対してどのような位置にあるのかにもよるが、前記中栓３を最大で半回転させる必要がある。そして、前記係止突起１１が前記スリット８を通過するのに必要な分にいくらかプラスして前記中栓３を回転させると前記中栓３を取り外すあるいは取り付けることができる。これにより、本発明の中栓付き容器１は前記中栓３を１回転させることなく取り外すあるいは取り付けることができるので、ネジ係合を用いる場合よりも簡単に取り外すあるいは取り付けることができる。
【００１９】
前記中栓３の取り外しあるいは取り付けに必要な回転数は、前記係止突起１１および前記スリット８の数によって変化する。前記係止突起１１および前記スリット８の数が少なければ回転数が多くなり、数が多ければ回転数は少なくなる。しかし、前記係止突起１１および前記スリット８を１個だけ設けた場合でも、前記中栓３を１回転強回転させることで、前記中栓３を取り外すあるいは取り付けることができるので、ネジ係合を用いた場合よりも大幅に回転数は少なくなるので、前記中栓３の操作が簡単であるといえる。
【００２０】
ただし、１個の係止突起１１を用いた場合、中栓３を取り外すあるいは取り付けるときに、前記係止突起１１が前記スリット８を移動する際に前記中栓３が傾いてスムーズに前記中栓３を動かせなくなる可能性があるので、スムーズに前記中栓３を動かすためには複数の係止突起１１およびスリット８を設けることが好ましい。
【００２１】
前記係止突起１１および前記スリット８の数は適宜設定可能であり、前記係止突起１１と前記スリット８を異なる数とすることも可能である。例えば、図６に示すように、係止突起１１を２個、スリット８を４個としてもよい。この場合、２個の係止突起１１を対向する位置に配置すると、前記スリット８は２個の係止突起１１に対応するように２個を１組として配置する必要がある。ここでは４個のスリット８を等間隔で配置している。
【００２２】
このような中栓３を取り外すあるいは取り付ける場合、２個の係止突起１１は最も近い前記スリット８に入るので、最大でも前記中栓３を１／４回転させると２個の係止突起１１は対向する２個のスリット８へとそれぞれ入る。前記係止突起１１が前記スリット８に入った後は、前記スリット８が２個の場合と同じ分だけ前記中栓３を回転させれば、前記中栓を取り外すあるいは取り付けることができる。これにより、さらに少ない回転数で前記中栓３の取り付けあるいは取り外しが可能となる。
【００２３】
上述のように前記係止突起１１と前記スリット８を異なる数とする場合、前記係止突起１１の数よりも前記スリット８の数を多くする必要がある。また、前記スリット８の数を増やしすぎると中栓３が簡単に外れてしまう可能性もあるので数の決定には注意が必要である。
【００２４】
図４に示すように前記中栓３を前記容器本体２に取り付けた状態では、前記係止突起１１は前記環状溝９内を水平方向に移動可能であるので、前記中栓３に力が加えられた場合、前記中栓３は回転する可能性がある。しかしながら、上前記中栓３は単に回転しただけでは前記口部５から外れることはなく、回転させると同時に上方向に引っ張って前記スリット８内へと前記係止突起１１を入れなければ外れることはないので、中栓付き容器１を使用しているときに何らかの力が前記中栓３に加えられたとしても前記中栓３が簡単に外れることはないので、通常の使用方法では前記中栓３の係合状態は安定して保たれている。
【００２５】
前記外キャップ４を前記容器本体２に取り付けるときは、従来のネジ係合を用いているので、前記外キャップ４を前記中栓３の上から被せて右方向に回転させて、前記外キャップ４のネジ山１６を前記口部５のネジ山６とネジ係合させる。これにより、前記外キャップ４は前記容器本体２に取り付けられる。
【００２６】
そして、図１に示すように、前記外キャップ４が前記口部５と係合したときに、前記パッキン１７が前記中栓３の上端部と密着し、さらに前記中栓３の上面に形成された凸部１４が前記パッキン１７に喰い込んだ状態となっており、これにより前記容器本体２の密閉度が高められ、前記排出口１３から内容物が漏れるのを防いでいる。
【００２７】
このように、本発明の前記中栓付き容器１の中栓３は従来のように突起を用いて容器本体２に係合させているが、前記中栓３を取り外すあるいは取り付けるとき、前記スリット８を係止突起１１を通過させることで無理に力を加えることなく簡単に係合あるいは係合の解除を行うことができるので、従来よりも簡単な操作で前記中栓３の取り付けおよび取り外しを行うことができる。また、前記係止突起１１を変形させたり、前記突出部７を乗り越えたりさせることが無いので、前記中栓３を繰り返し使用したとしても前記係止突起１１が変形したりあるいは擦り減ったりして前記中栓３の係合状態が緩むことがなく、長期間安定して使用することが可能となる。
【符号の説明】
【００２８】
１ 中栓付き容器
２ 容器本体
３ 中栓
４ 外キャップ
５ 口部
６ ネジ山
７ 突出部
８ スリット
９ 環状溝
１０ 側面
１１ 係止突起
１２ 挿入部
１３ 排出口
１４ 凸部
１５ 側面
１６ ネジ山
１７ パッキン
【技術分野】
【０００１】
本発明は、中栓付き容器に関する。
【背景技術】
【０００２】
液体等を収容する容器には、中身を詰めた後で閉じる中栓が用いられている中栓付き容器が多数存在する。一般的な中栓は容器の口部の内側に嵌合されており、特に圧入により中栓が嵌合されている場合には、中栓を簡単には外すことができないものが多い。
【０００３】
従来の中栓付き容器は収容しているシャンプーや化粧料等を使い切ったら廃棄していたので中栓を外す必要が無かったので、中栓を開け易くするのではなく使用中に中栓が開かないように圧入により嵌合したものが多かった。しかしながら、最近は中身だけを詰め替えて再利用するリフィル容器が増えてきたために、中栓を開け易くするために、突起等を用いて中栓を容器に係合させた中栓付き容器（特許文献１参照）等が用いられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００１−１５８４５６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、突起を用いて中栓を容器に係合させる場合には、中栓を取り付けるのは簡単でも取り外すのに力が必要なものが多く、使い難いという問題があった。中栓を取り外し易い構造を用いたとしても、中栓の取り外しを繰り返し行っていると突起の係合が緩くなるという問題がある。
【０００６】
そこで、本発明は簡単な操作で中栓を取り外すことができ、長期間繰り返し使用することができる中栓付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の中栓付き容器は、円筒形の口部を有する容器本体、前記容器本体内の内容物の排出口を有し、前記容器本体の円筒形の口部と係合する中栓、および前記容器本体の口部とネジ係合する外キャップからなる中栓付き容器であって、前記円筒形の口部の外側面に、前記外側面を１周する突出部、前記突出部の下方に位置し前記外側面を１周する環状溝、前記突出部を斜めに横断し前記環状溝に繋がるスリット、および前記環状溝の下方に位置し前記外キャップに設けられたネジ山とネジ係合するネジ山を設け、前記中栓は円筒形の側面を有し、前記側面の内面に前記突出部と係合する係止突起を設け、前記中栓の係止突起を前記突出部に設けられた前記スリットを通過させ、前記環状溝へと移動させることにより、前記係止突起を前記突出部に係合させて前記中栓を前記容器本体の口部に取り付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の中栓付き容器は、円筒形の口部を有する容器本体、前記容器本体内の内容物の排出口を有し、前記容器本体の円筒形の口部と係合する中栓、および前記容器本体の口部とネジ係合する外キャップからなる中栓付き容器であって、前記円筒形の口部の外側面に、前記外側面を１周する突出部、前記突出部の下方に位置し前記外側面を１周する環状溝、前記突出部を斜めに横断し前記環状溝に繋がるスリット、および前記環状溝の下方に位置し前記外キャップに設けられたネジ山とネジ係合するネジ山を設け、前記中栓は円筒形の側面を有し、前記側面の内面に前記突出部と係合する係止突起を設け、前記中栓の係止突起を前記突出部に設けられた前記スリットを通過させ、前記環状溝へと移動させることにより、前記係止突起を前記突出部に係合させて前記中栓を前記容器本体の口部に取り付けることにより、前記中栓を簡単に取り外すことができ、繰り返し使用しても前記中栓の係合状態が緩むことなく長期間使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】中栓付き容器の断面図である。
【図２】中栓の斜視図であり、（ａ）は上からの斜視図、（ｂ）は下からの斜視図である。
【図３】容器本体の口部を拡大した斜視図である。
【図４】外キャップを取り外した状態の中栓付き容器の部分斜視図である。
【図５】容器本体の口部の平面図である。
【図６】係止突起を２個、スリットを４個設けた場合の中栓と口部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
本発明を図を用いて以下に詳細に説明する。図１が中栓付き容器１の断面図である。本発明の中栓付き容器１は、図１，４に示すように、円筒形の口部５を有する容器本体２、前記容器本体２の口部５と係合する円筒形の側面１０を有する中栓３、および前記容器本体２の口部５とネジ係合する円筒形の側面１５を有する外キャップ４からなり、前記中栓３を取り外して前記容器本体２に新しい内容物を入れることで繰り返し使用されるシャンプー等のリフィル容器として使用される。
【００１１】
前記容器本体２は、図１，３に示すように、上部が細くなったボトル形状で、本体の上部に前記口部５が円筒形に形成されている。図３に示すように、前記口部５の外側面は上部が下部よりも半径が小さい段差を有する円筒形となっており、前記口部５の上段が前記中栓３との係合に用いられ、下段が前記外キャップ４との係合に用いられる。前記容器本体２の形状はボトル形状に限定するものではなく、その他の形状を用いることも可能である。
【００１２】
前記中栓３との係合のために、前記口部５の外側面の上段に、外側面を１周する突出部７、前記突出部７の下方に位置し外側面を１周する環状溝９、および前記突出部７を斜めに横断し前記環状溝９に繋がるスリット８を設け、前記外キャップ４との係合のために、前記口部５の外側面の下段にネジ山６を設ける。図５に示すように、前記スリット８は前記口部５の外側面上で対向するように２個配置しているが、特に個数を限定するものではなく、前記スリット８の傾斜角度、幅、断面形状等も適宜設定可能である。また、前記スリット８の上端部を拡げることで、後述する係止突起１１を前記スリット８に挿入し易くすることもできる。
【００１３】
前記中栓３は、図２に示すように、上面中央に前記容器本体２内に収容された内容物を排出する排出口１３が設けられ、前記排出口１３を取り囲むように凸部１４がリング状に形成されており、前記容器本体２との係合に用いられる前記側面１０の内側に前記口部５内に挿入される円筒形の挿入部１２が形成されている。そして、前記側面１０の内面には、２個の係止突起１１を対向する位置に設けている。前記係止突起１１は、前記スリット８に挿入するために、前記スリット８の傾斜角度に合わせて斜めに（上面が平行四辺形となるように）形成しているが、前記スリット８に挿入し易い形状であれば特に形状を限定するものではなく、半球状、矩形状等様々な形状を用いることができる。
【００１４】
前記外キャップ４は、図４に示すように、蓋となる上面、前記容器本体２の口部５とのネジ係合に用いられる円筒形の側面１５から構成され、上面の内面には密閉度を高めるためのパッキン１７が設けられている。前記側面１５の内面には、前記口部５に設けられたネジ山６とねじ係合するネジ山１６が設けられている。
【００１５】
前記中栓３と前記容器本体２の係合について説明する。前記中栓３を前記容器本体２に取り付けるときには、前記中栓３を前記容器本体２の口部５の上から被せて前記口部５に押しつけながら右方向に回転させる。すると、前記中栓３に設けられた係止突起１１が前記口部５の突出部７の上面と接した状態で回転し、前記突出部７のスリット８の所に来ると前記係止突起１１が前記スリット８内に入り斜め下へと移動していく。このとき、２個の係止突起１１は２個のスリット８内をそれぞれ同じように移動している。これにより、前記中栓３は回転しながら下方へと移動することとなる。
【００１６】
前記係止突起１１が前記スリット８を通過すると、次に前記突出部７の下方に位置する環状溝９に入り、前記環状溝９内を水平方向に移動する。前記係止突起１１を前記環状溝９内において２個のスリット８の間で停止させると、前記係止突起１１は前記突出部７によって上方への移動が制限され、２個の係止突起１１と前記突出部７が係合した状態となり、前記中栓３が前記口部５と係合し前記容器本体２に取り付けられた状態となる。このように前記中栓３が前記容器本体２に係合された状態で、前記排出口１３から前記容器本体２に収容された内容物を排出して中栓付き容器本体１が使用される。
【００１７】
前記中栓３を前記容器本体２から取り外すときには、前記中栓３を上に引っ張りながら左方向に回転させる。すると、前記中栓３に設けられた係止突起１１が前記口部５の突出部７の下面と接した状態で前記環状溝９内を移動し、前記係止突起１１が前記突出部７のスリット８の所に来ると前記スリット８内に入り今度は斜め上へと移動していく。これにより前記中栓３は回転しながら上方へと移動することとなる。前記係止突起１１が前記スリット８を通過すると、前記中栓３は前記容器本体２の口部５との係合が完全に解除されて、前記中栓３は前記容器本体２から取り外される。
【００１８】
前記中栓３を取り外すあるいは取り付ける際に、前記係止突起１１を前記スリット８に入れるためには、前記係止突起１１が前記スリット８に対してどのような位置にあるのかにもよるが、前記中栓３を最大で半回転させる必要がある。そして、前記係止突起１１が前記スリット８を通過するのに必要な分にいくらかプラスして前記中栓３を回転させると前記中栓３を取り外すあるいは取り付けることができる。これにより、本発明の中栓付き容器１は前記中栓３を１回転させることなく取り外すあるいは取り付けることができるので、ネジ係合を用いる場合よりも簡単に取り外すあるいは取り付けることができる。
【００１９】
前記中栓３の取り外しあるいは取り付けに必要な回転数は、前記係止突起１１および前記スリット８の数によって変化する。前記係止突起１１および前記スリット８の数が少なければ回転数が多くなり、数が多ければ回転数は少なくなる。しかし、前記係止突起１１および前記スリット８を１個だけ設けた場合でも、前記中栓３を１回転強回転させることで、前記中栓３を取り外すあるいは取り付けることができるので、ネジ係合を用いた場合よりも大幅に回転数は少なくなるので、前記中栓３の操作が簡単であるといえる。
【００２０】
ただし、１個の係止突起１１を用いた場合、中栓３を取り外すあるいは取り付けるときに、前記係止突起１１が前記スリット８を移動する際に前記中栓３が傾いてスムーズに前記中栓３を動かせなくなる可能性があるので、スムーズに前記中栓３を動かすためには複数の係止突起１１およびスリット８を設けることが好ましい。
【００２１】
前記係止突起１１および前記スリット８の数は適宜設定可能であり、前記係止突起１１と前記スリット８を異なる数とすることも可能である。例えば、図６に示すように、係止突起１１を２個、スリット８を４個としてもよい。この場合、２個の係止突起１１を対向する位置に配置すると、前記スリット８は２個の係止突起１１に対応するように２個を１組として配置する必要がある。ここでは４個のスリット８を等間隔で配置している。
【００２２】
このような中栓３を取り外すあるいは取り付ける場合、２個の係止突起１１は最も近い前記スリット８に入るので、最大でも前記中栓３を１／４回転させると２個の係止突起１１は対向する２個のスリット８へとそれぞれ入る。前記係止突起１１が前記スリット８に入った後は、前記スリット８が２個の場合と同じ分だけ前記中栓３を回転させれば、前記中栓を取り外すあるいは取り付けることができる。これにより、さらに少ない回転数で前記中栓３の取り付けあるいは取り外しが可能となる。
【００２３】
上述のように前記係止突起１１と前記スリット８を異なる数とする場合、前記係止突起１１の数よりも前記スリット８の数を多くする必要がある。また、前記スリット８の数を増やしすぎると中栓３が簡単に外れてしまう可能性もあるので数の決定には注意が必要である。
【００２４】
図４に示すように前記中栓３を前記容器本体２に取り付けた状態では、前記係止突起１１は前記環状溝９内を水平方向に移動可能であるので、前記中栓３に力が加えられた場合、前記中栓３は回転する可能性がある。しかしながら、上前記中栓３は単に回転しただけでは前記口部５から外れることはなく、回転させると同時に上方向に引っ張って前記スリット８内へと前記係止突起１１を入れなければ外れることはないので、中栓付き容器１を使用しているときに何らかの力が前記中栓３に加えられたとしても前記中栓３が簡単に外れることはないので、通常の使用方法では前記中栓３の係合状態は安定して保たれている。
【００２５】
前記外キャップ４を前記容器本体２に取り付けるときは、従来のネジ係合を用いているので、前記外キャップ４を前記中栓３の上から被せて右方向に回転させて、前記外キャップ４のネジ山１６を前記口部５のネジ山６とネジ係合させる。これにより、前記外キャップ４は前記容器本体２に取り付けられる。
【００２６】
そして、図１に示すように、前記外キャップ４が前記口部５と係合したときに、前記パッキン１７が前記中栓３の上端部と密着し、さらに前記中栓３の上面に形成された凸部１４が前記パッキン１７に喰い込んだ状態となっており、これにより前記容器本体２の密閉度が高められ、前記排出口１３から内容物が漏れるのを防いでいる。
【００２７】
このように、本発明の前記中栓付き容器１の中栓３は従来のように突起を用いて容器本体２に係合させているが、前記中栓３を取り外すあるいは取り付けるとき、前記スリット８を係止突起１１を通過させることで無理に力を加えることなく簡単に係合あるいは係合の解除を行うことができるので、従来よりも簡単な操作で前記中栓３の取り付けおよび取り外しを行うことができる。また、前記係止突起１１を変形させたり、前記突出部７を乗り越えたりさせることが無いので、前記中栓３を繰り返し使用したとしても前記係止突起１１が変形したりあるいは擦り減ったりして前記中栓３の係合状態が緩むことがなく、長期間安定して使用することが可能となる。
【符号の説明】
【００２８】
１ 中栓付き容器
２ 容器本体
３ 中栓
４ 外キャップ
５ 口部
６ ネジ山
７ 突出部
８ スリット
９ 環状溝
１０ 側面
１１ 係止突起
１２ 挿入部
１３ 排出口
１４ 凸部
１５ 側面
１６ ネジ山
１７ パッキン
【特許請求の範囲】
【請求項１】
円筒形の口部を有する容器本体、前記容器本体内の内容物の排出口を有し、前記容器本体の円筒形の口部と係合する中栓、および前記容器本体の口部とネジ係合する外キャップからなる中栓付き容器であって、
前記円筒形の口部の外側面に、前記外側面を１周する突出部、前記突出部の下方に位置し前記外側面を１周する環状溝、前記突出部を斜めに横断し前記環状溝に繋がるスリット、および前記環状溝の下方に位置し前記外キャップに設けられたネジ山とネジ係合するネジ山を設け、
前記中栓は円筒形の側面を有し、前記側面の内面に前記突出部と係合する係止突起を設け、
前記中栓の係止突起を前記突出部に設けられた前記スリットを通過させ、前記環状溝へと移動させることにより、前記係止突起を前記突出部に係合させて前記中栓を前記容器本体の口部に取り付けることを特徴とする中栓付き容器。
【請求項１】
円筒形の口部を有する容器本体、前記容器本体内の内容物の排出口を有し、前記容器本体の円筒形の口部と係合する中栓、および前記容器本体の口部とネジ係合する外キャップからなる中栓付き容器であって、
前記円筒形の口部の外側面に、前記外側面を１周する突出部、前記突出部の下方に位置し前記外側面を１周する環状溝、前記突出部を斜めに横断し前記環状溝に繋がるスリット、および前記環状溝の下方に位置し前記外キャップに設けられたネジ山とネジ係合するネジ山を設け、
前記中栓は円筒形の側面を有し、前記側面の内面に前記突出部と係合する係止突起を設け、
前記中栓の係止突起を前記突出部に設けられた前記スリットを通過させ、前記環状溝へと移動させることにより、前記係止突起を前記突出部に係合させて前記中栓を前記容器本体の口部に取り付けることを特徴とする中栓付き容器。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１１−２５５９２６（Ｐ２０１１−２５５９２６Ａ）
【公開日】平成２３年１２月２２日（２０１１．１２．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１３１８２１（Ｐ２０１０−１３１８２１）
【出願日】平成２２年６月９日（２０１０．６．９）
【出願人】（０００１５８７８１）紀伊産業株式会社 (327)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１２月２２日（２０１１．１２．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年６月９日（２０１０．６．９）
【出願人】（０００１５８７８１）紀伊産業株式会社 (327)
【Ｆターム（参考）】
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