説明

中空導波路およびMEMS反射素子を備える光経路設定装置

少なくとも1つの光入力(4)と、複数の光出力(6、8)と、MEMS可動反射素子(58、102)の配列とを有する半導体基板(52)を備える、光経路設定装置が説明される。可動反射素子(58、102)の配列は、光が任意の1つの光入力(4)から上記複数の光出力(6、8)の2つ以上のいずれか1つに選択的に経路設定され得るように、構成可能である。任意の1つの光入力から、上記複数の光出力(6、8)の2つ以上のいずれか1つに選択的に経路設定される光は、中空導波路(54)内で誘導される。一実施形態では、クロスコネクト光マトリクススイッチが説明される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムなどで使用するための光経路設定装置に関し、詳細には、可動反射素子の配列を組み込んだ光経路設定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気通信およびデータネットワークは、ますます、光ファイバリンクを使って実施されるようになりつつある。これまでは、ファイバによって運ばれた光信号は、電気信号および電気領域で実行される任意の信号経路設定機能に変換された。しかしながら、近年においては、全光スイッチングデバイスが、光ファイバネットワークを介して信号を経路設定することに関連するコストおよび複雑さを低減する可能性を提供することが認識されている。
【0003】
全光スイッチの初期の一例が欧州特許第0221288号明細書に記載されている。この構成は、光信号を2つの出力のどちらか一方に経路設定するように電磁アクチュエータによって動かされ得るミラーを備える。代替の、より複雑な光スイッチングシステムが、英国特許第2193816号に記載されている。英国特許第2193816号明細書のシステムは、複数の中空導波路を有するハウジングブロック、および所望の光経路設定機能を提供するためにブロックに挿入されるミラーを支持する制御棒を備える。しかしながら、この種の装置は、物理的に大きく、欧州特許第0221288号明細書の場合には、比較的電力消費の大きいアクチュエータを必要とする。
【0004】
微小電子機械システム(MEMS)装置を使って選択的経路設定機能が提供される光経路設定装置も知られている。例えば、MEMSベースの2次元マトリクススイッチが、R.L.Wood、R MadadevanおよびE Hillにより、米国ロサンゼルス、2002年3月、光ファイバ通信会議会議録の論文TU05(paper TU05 of the proceedings of the Optical Fibre Communications Conference, March 2002, Los Angeles, USA)に記載されている。この装置は、磁気的に回転されて「持ち上がった」状態になり、静電気的にその状態に保持される、ポップアップMEMSミラーの2次元配列を備える。この構成は、自由空間入力光ビームが、「スルー」チャネルからいくつかの「クロス」チャネルのいずれか1つに、選択的に経路設定されることを可能にする。このようにして、2次元マトリクススイッチが提供される。
【0005】
Woodらによって記載されている種類の光学装置の1つの欠点は、MEMSミラーが位置する自由空間領域を含めることに関連付けられる、光損失のレベルの高さである。特に、回折効果は、ビームが各自由空間路に沿って伝搬する際にビーム直径の増大を生じさせる。これは、光がその後出力光ファイバに結合される際の効率を低下させる。また、MEMSミラーの任意の角度不整合は、光ビームに軸ずれ(lateral offset)を生じさせる。この種の角度不整合の影響は累積的である。すなわち、軸ずれは、光が複数の不整合のあるミラーから反射されると増幅される。これは、出力光ファイバへの結合効率をさらに低下させる。
【0006】
代替のMEMSベースの光経路設定装置が、米国特許出願公開第2003/0035613号明細書に記載されている。米国特許出願公開第2003/0035613号明細書の装置は、中空多モード光導波路がそこに形成される上層および下層を備える。これらの上層および下層の中空導波路は、重なり合うように構成され、重なり合う導波路領域の近傍にフレキシブル金属レバーが設けられる。この金属レバーは、例えば、下層に形成された導波路からの光を上層の導波路に誘導するように変形され得る。このようにして、光経路設定機能が得られる。しかしながら、上層と下層の正確な整合、および機械的に堅固で信頼性の高いフレキシブルレバーを設けることが、そのような装置の加工を相当複雑にしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、前述の欠点の少なくとも一部を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、面内光経路設定装置は、少なくとも1つの光入力と、複数の光出力と、光が任意の1つの光入力から上記複数の光出力の2つ以上のいずれか1つに選択的に経路設定され得るように構成可能な、微小電子機械システム(MEMS)可動反射素子の配列とを有する半導体基板を備え、任意の1つの光入力から上記複数の光出力の2つ以上のいずれか1つに選択的に経路設定される光が、中空導波路内で誘導されることを特徴とする。
【0009】
したがって、本発明の装置は、MEMS可動反射素子の配列を使って、光が少なくとも1つの入力から2つ以上の出力のいずれか1つに選択的に経路設定される、いわゆるマトリクススイッチを提供する。(1つまたは複数の)入力と出力の間の様々な光路は中空光導波路を含み、基板面に実質的に平行な面にある。すなわち、この装置は「面内」光経路設定装置である。本発明の光経路設定装置は、独立の部品とすることもでき、PCT特許出願GB第2003/000331号明細書に記載されている種類の平面光回路(PLC)の一部を形成することもできる。
【0010】
本発明の装置は、以前にWoodsらにより記載されている種類の従来技術のマトリクススイッチより有利である。というのは、中空導波路内でMEMS可動反射素子へ、およびこの素子から光を誘導すれば、自由空間回折および角度不整合の影響による不要なビーム減衰が低減されるからである。中空導波路の誘導効果のために損失が低減されることにより、配列中の反射素子間の分離、および配列の次数を増大させることも可能になる。本発明の装置は、自由空間装置における回折効果が比例的に大きくなるはずの直径の小さいビームと共に使用されるとき、特に有利である。また、Woodsらの文献に記載されている種類の装置における角度不整合誤りは、後続の別の不整合のあるミラーからの反射によって増幅されることも忘れてはならない。これに対して、本発明の装置における反射素子の角度不整合は、不整合の量に応じて一定の結合損失を生じる。そのような不整合誤りは後続の反射によって増幅されない。
【0011】
また、本発明の装置は、製作時の複雑さも著しく低く、米国特許出願公開第2003/0035613号明細書に記載されている種類のデュアルプレーン中空導波路装置より機械的に堅固である。米国特許出願公開第2003/0035613号明細書に記載されている装置は多モード伝搬だけしかサポートせず、したがって、本来的に本発明の装置より損失が大きいことにも留意されたい。
【0012】
本発明の装置が一定の経路設定機能を提供するためには、中空導波路を画定する側壁に若干のギャップがあることが必要となり得る。これらの非誘導領域は、導波路のわずかな部分しか占めないように構成され得るが、ギャップは、導波路の光損失をわずかに増大させ得る。しかしながら、この影響はごくわずかであり、そのようなギャップがある場合でも、中空導波路は、従来技術の自由空間伝搬装置と比べて低い損失をもたらす。
【0013】
中空光導波路構造が作成されるとき、その中空は、空気で満たされている可能性が高いことに留意されたい。しかしながら、これは、決して本発明の範囲を限定するものとみなすべきではない。中空は、任意の流体(例えば、液体や窒素などの不活性ガス)を含むことも、真空とすることもできる。中空という用語は、単に、どんな固体材料も存在しないコアを意味する。さらに、「光」および「光学の」という用語は、本明細書では、紫外から遠赤外までの波長を有する任意の電磁放射を指すのに使用される。
【0014】
シリコンなどの半導体基板が好ましい。というのは、これらの半導体基板は、DRIE(deep reactive ion etching)法などの微細加工技術を使って適切な正確さでエッチングされ得るからである。基板は、有利には、例えば、シリコンオンゲルマニウム(SiGe)、シリコンオンサファイア、シリコンオンインシュレータ(SOI)、シリコンオングラスといった多層ウェハを含み得る。微細加工技術は、通常、パターンを画定するリソグラフィステップと、それに続いてパターンを、基板材料上、または基板材料中の1つ以上の層に変換する、エッチングステップを伴うことを、当業者は認識するであろう。リソグラフィステップは、フォトリソグラフィ、X線またはe−ビームリソグラフィを含み得る。エッチングステップは、イオンビームミリング、化学エッチング、ドライプラズマエッチング、または(ディープシリコンエッチングとも呼ばれる)ディープドライエッチングを使って実行され得る。この種の微細加工技術は、スパッタリング、CVD、および無電解めっきまたは電気めっきなど様々な積層技術とも共存し得る。
【0015】
有利には、半導体基板は、共に中空導波路を定義するベース部分およびリッド部分を備える。そのような構成は、PCT特許出願GB第2003/000331号に詳細に記載されており、この装置を製作するのに好都合なやり方を提供するものである。
【0016】
MEMS可動反射素子の選択は、必要とされる運動の速度および量に左右される。反射素子は、MEMS作動装置の一構成部分として形成することもでき、MEMSアクチュエータに取り付けることもできる。本明細書では、MEMSは、微細機械加工要素、微小システム技術、微小ロボット工学および微小工学などを含むものと解釈する。MEMS可動反射素子は、有利には、大きな投入(例えば5μmから100μmの最大偏光)操作を提供するための(例えば湾曲ビーム構成などの)電熱式作動機構を備え得る。電磁、静電(例えば、櫛形ドライブなど)、バイモルフまたは圧電などの代替作動機構も使用され得る。MEMS装置作動技術およびそれに関連する加工技術の詳細は、1997年CRC Press社(Boca Raton)刊、Marc Madou著、「微細加工の原理(Fundamental of Microfabrication)」、ISBN0−8493−9451−1に記載されている。
【0017】
好ましくは、MEMS可動反射素子は、反射コーティングを備える。反射コーティングは、動作波長において適当な反射特性を有する任意の材料によって施され得る。内反射による反射を提供するには、導波路コアを形成する材料(通常は空気)より小さい屈折率を有する材料が使用され得る。例えば、反射コーティングは、好都合には、金、銀または銅などの金属層によって提供され得る。金属は、その金属の物理的特性によって決定される波長範囲にわたって適当に低い屈折率を示す。E.D.Palik著、「光学定数のハンドブック(the handbook of optical constants)」、Academic Press、ロンドン、1998年などの標準テキストブックは、様々な材料の波長依存屈折率に関する正確なデータを提供している。特に、金は、約500nmから2.2μmの範囲内の波長において、空気の屈折率より小さい屈折率を有する。これは、1400nmから1600nmまでの重要な通信帯域内の波長を包含する。銅は、560nmから2200nmまでの波長範囲にわたって1より小さい屈折率を示し、銀は、320nmから2480nmの波長範囲にわたって類似の屈折率特性を有する。
【0018】
金属層は、当業者に知られている様々な技法を使って堆積され得る。これらの技法には、スパッタリング、蒸着、化学蒸着(CVD)および(電気または無電解)めっきが含まれる。CVDおよびめっき技法は、大きな方向依存の厚さ変動なしで金属層を堆積させることができる。回転するサンプルおよび/またはソースを使用するスパッタリングも、均一な被覆を提供するはずである。めっき技法は、バッチ(すなわち、複数基板並列)処理が行われることを可能にするため、特に有利である。
【0019】
金属層を堆積させる前に、反射素子上に接着層および/またはバリア拡散層が堆積され得ることを、当業者は認識するであろう。例えば、金の堆積の前に、クロムまたはチタンの層が接着層として設けられ得る。プラチナなどの拡散バリア層も、金堆積の前に、接着層上に堆積され得る。代替として、接着層と拡散層を組み合わせたもの(窒化チタン、チタンタングステン合金、絶縁層など)も使用され得る。
【0020】
反射コーティングは、全誘電体、半導体/誘電体または金属/誘電体スタックによっても提供され得る。(1つまたは複数の)誘電体層の光学的厚さが、コーティングの反射特性を決定する干渉効果を提供することを、当業者は認識するであろう。誘電体材料は、CVDまたはスパッタリングまたは反応性スパッタリングによって堆積され得る。代替として、誘電体層は、堆積された金属層との化学反応によっても形成され得る。例えば、銀層をハロゲン化物と化学的に反応させて、ハロゲン化銀の薄い表層を生じさせることができる。
【0021】
言い換えると、反射コーティングは、全誘電体、半導体/誘電体または金属/誘電体スタックによって提供され得る。(1つまたは複数の)誘電体層の光学的厚さが必要とされる干渉効果をもたらし、ゆえに、コーティングの反射特性を決定することを、当業者は認識するであろう。コーティングの反射特性は、ある程度、コーティングがその上に位置する材料の特性にも依存し得る。したがって、反射素子が形成される材料は、基層を形成することもでき、そのような任意の多層誘電体スタックの一部とすることもできる。
【0022】
好都合には、中空導波路の内面は反射コーティングを備える。中空導波路の内面に施される反射コーティングは、前述の種類の金属または誘電体または金属/誘電体スタックとすることができる。中空導波路の内面に施される任意のコーティングは、可動反射素子に施される任意のコーティングと同じであっても、異なっていてもよい。
【0023】
好都合には、MEMS可動反射素子の少なくとも1つは、ポップアップミラーである。例えば、Woodらによって記載されている種類の電磁式ポップアップミラーが使用され得る。代替として、MEMS可動反射素子の少なくとも1つは、有利には、シャッタを備えることもできる。シャッタは、適切な作動機構と一体的に形成され、またはそれに取り付けられ得る。シャッタは、シャッタ端部形状に対する幾何学的制約条件を取り除く「跳ね上げ式」構造としても形成され得る。以下でより詳細に説明するように、中空導波路の使用は、MEMS可動反射素子がより小さい整合許容差で製作されることを可能にすることに留意されたい。
【0024】
好ましくは、各MEMS可動反射素子は、中空導波路と一体の構造として形成される。このように、MEMS素子は中空導波路と同じプロセスで形成され、そのため、さらなる処理または装置組み立てを必要とせずに装置を製造する単純なやり方が提供される。代替として、MEMS可動反射素子は、有利には、別個のプロセスで、中空導波路が形成される基板にMEMS可動反射素子を取り付けるのに使用されるハイブリッド集積技術で形成することもできる。
【0025】
前述のように、MEMS可動反射素子を光学的にリンクさせる中空光導波路を備えることは、反射素子の所与の角度不整合に伴う光損失を低減させる。代替として、中空光導波路は、装置に所与の光効率を提供しつつ、MEMS可動反射素子の必要な角度整合精度を低減させるためにも使用され得る。
【0026】
好都合には、各可動反射装置は、それが中空導波路に突出している完全に(または一部)挿入された位置と、完全に後退した位置の間で移動可能である。代替として、反射装置は、導波路内の2つの異なる位置の間で移動可能とすることもできる。
【0027】
可動反射素子は、有利には、規則的な配列として構成される。配列は、規則的に配置することもでき、所望の経路設定効果を提供する任意の構成とすることもできる。線形(すなわち1次元)または2次元配列が使用され得る。好ましくは、配列は、16以上の可動反射装置を備える。また、いくつかの面内装置を積み重ね、そのスタック中の各2次元配列間でリンクする導波路を設けることも可能である。
【0028】
1つの好ましい構成では、複数の光出力は、少なくとも1つのスルー出力および少なくとも1つのクロス出力を含む。MEMS可動反射素子は、挿入位置においては、「スルー」および「クロス」中空導波路チャネルに対して約45°の角度を有する反射面を備え得る。このようにして、装置は、可動反射素子が後退したとき、光が少なくとも1つの入力から少なくとも1つのスルー出力に経路設定され、ミラーが挿入されたとき、光が入力から関連するクロス出力に経路設定されるように構成され得る。言い換えると、2次元クロススイッチが製作され得る。そのようなクロススイッチは、Woodらによって記載されている種類の従来技術の装置より低い光減衰を有するはずである。
【0029】
好都合には、上記少なくとも1つの光入力および複数の光出力の少なくとも1つは、光ファイバを収容する手段を備える。例えば、光ファイバを収容する手段は、光ファイバを適当な位置でクランプし、それによって装置への光接続を可能にするように構成されている、装置に形成された整合スロットを含み得る。非中空ファイバの場合、バッファ層とクラッディングの両方を保持するために、階段状光ファイバ整合スロットが設けられ得る。中空光ファイバのコアと装置の中空導波路との整合も、例えば、整合スロットにおいて光ファイバクラッディングをクランプすることによって達成され得る。中空光ファイバの使用は、空芯から空芯への接続には不要な反射がないため、特に有利なはずである。
【0030】
上記光入力および/または上記光出力の少なくとも1つは、好都合には、面外反射素子を備え得る。このようにして、本発明の複数の装置がスタックとして構成され得る。
【0031】
光ファイバのコアと装置の中空導波路の間の効率的結合を実現するために、中空導波路の断面は、光ファイバコアの断面に適合する必要がある。非中空ファイバの場合、クラッディングへの漏れは、ファイバによって運ばれるモードの幅が、実際には、コアの直径より大きいことを意味する。例えば、通常、単一モードグラスファイバの10μmの非中空コアは、約14μmの直径の合計1/eTEM00フィールド幅を有する。モード幅が中空導波路のモード幅と異なる場合、レンズ(例えば、ボールまたはGRINロッドなど)を使って光フィールドを拡大または縮小し、光が、PLCの中空導波路のサイズと異なるサイズのコアを有するファイバとの間で結合され得るようにすることができる。非中空コアファイバのファイバ端には反射防止コーティングが施され得る。
【0032】
装置の中空導波路に光を結合する別個の平行化手段の必要をなくするレンズドファイバ(lensed fibre)も使用され得る。
【0033】
有利には、1つ以上の中空光導波路の一部は、実質上(本明細書では正方形を含む)長方形の断面を有する。正方形、またはほぼ正方形の断面の中空導波路は、その損失が実質上偏光独立的であり、光の偏光状態が不明であり、または変動するときに好ましい導波路を提供する。導波路を、その幅より大きい深さ、またはその逆を有する寸法とすることは、偏光依存性損失を増大させるが、導波路を通って伝搬する光の偏光状態が知られているときには有利となり得る。
【0034】
長方形断面の導波路は好都合であるが、多くの代替の導波路形状も用いられ得る。例えば、円形、楕円形またはV形導波路も提供され得る。
【0035】
好都合には、中空導波路は、基本モード伝搬をサポートする寸法とされる。本発明は、MEMS可動反射素子の、関連する中空光導波路に対する正確な整合を提供することができ、したがって、中空光導波路の部分間の効率的な基本モード結合が達成され得る。
【0036】
代替として、中空導波路は、多モード伝搬をサポートする寸法とすることもできる。多モード中空導波路構造が設けられる場合、隣接する可動反射素子は、有利には、中空導波路の再イメージング距離ずつ間隔をあけて配置され得る。再イメージング現象、および所与の導波路の再イメージング距離の計算に関する詳細については、以下でより詳細に説明する。簡単に言うと、再イメージング効果は、入力フィールドの再現を、そのフィールドの多モード導波路への入射から一定の距離で提供する。可動反射素子を、相互に連結する導波路を通って伝搬する光の再イメージング距離ずつ間隔をあけて配置することで、再イメージング点を、可動反射素子の近傍に位置させることが可能になる。これは、装置を通る光路長すべてをこの再イメージング長の倍数とすることを可能にする。したがって、入力光ファイバからの入力フィールドが光出力のいずれかにおいて再現され、それによって、出力光ファイバへの光の効率的結合が可能になる。再イメージング効果の使用は、可動反射素子の位置設定を容易にするために導波路が破壊されなければならない回折損失も低減する。
【0037】
要約すると、本発明は、複数の光路を介して複数の出力に接続された少なくとも1つの入力を備える、光経路設定装置を提供するものである。この装置は、装置を通る光路を変更するように動かされ得る複数の反射素子を有し、光は、中空導波路の各光路に沿って誘導される。
【0038】
半導体材料を含む基板について前述したが、類似の装置は、様々な代替基板上にも形成され得ることに留意されたい。基板は、有利には、シリコン酸化膜ベースとすることができ、例えば、石英、シリカ、ガラスなどから形成され得る。また、基板をエンボス加工することもでき、あるいはパターンをポリマー層でリトグラフを用いて定義することもできる。製造上の見地からすれば、バッチ微細加工技術を使用することは有利となり得る。
【0039】
次に、本発明を、単に例示として、図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
図1を参照すると、従来技術のマトリクススイッチ2が示されている。
【0041】
マトリクススイッチ2は、4つの入力光ファイバ4aから4d(一括して入力ファイバ4と呼ぶ)、4つの出力光ファイバ6aから6d(一括して出力ファイバ6と呼ぶ)、4つのクロスコネクト出力光ファイバ8aから8d(一括してクロスコネクト出力ファイバ8と呼ぶ)を備える。入力ファイバ4、出力ファイバ6およびクロスコネクト出力ファイバ8のそれぞれは、関連する平行化レンズ10を有する。4×4列のMEMSポップアップミラー22aから22p(一括してMEMS配列22と呼ぶ)を備える、基板20が設けられる。MEMS配列22中の各ミラーは、配列制御手段(図示せず)による適当な制御信号の適用により、格納された構成または直立の構成として配置され得る。
【0042】
入力ファイバ4、出力ファイバ6および基板20は、MEMS配列22中の各ミラーが格納された構成にあるときには、入力ファイバ4aからの光が基板上の自由空間を平行ビームとして伝搬し、出力ファイバ6aに直接結合されるように構成される。同様に、入力ファイバ4b、4c、4dからの光も、それぞれ、出力ファイバ6b、6c、6dに結合されるように構成される。
【0043】
また、基板は、ミラー22a、22e、22iおよび22mのいずれかが、入力ファイバ4aと出力ファイバ6aの間で定義される自由空間光路に挿入され得るようにも構成される。ミラー22a、22e、22iおよび22mは、直立構成にあるときには、光が入力ファイバ4aと出力ファイバ6aの間の光路から出て、適宜、クロスコネクト出力8a、8b、8cまたは8dの方へ方向づけられるような向きとされる。このように、入力ファイバ4のそれぞれからの光は、その対応する出力ファイバ6まで通過し、またはMEMS配列22の適当なミラーによって、4つのクロスコネクト出力ファイバ8のいずれか1つに経路設定され得る。したがって、2次元マトリクススイッチが形成される。
【0044】
図1において、ミラー22b、22e、22pは直立構成にあり、残りのミラーは格納された構成にある。ゆえに、光ビーム30aは、入力ファイバ4aから出て、ミラー22eを介してクロスコネクト出力8cに経路設定されることが分かる。光ビーム30bは、入力ファイバ4bからミラー22bを介してクロスコネクトファイバ8dに経路設定され、光ビーム30cは、入力ファイバ4cから真直ぐに出力ファイバ6cまで通過し、ミラー22pは、光ビーム30dを、入力ファイバ4dからクロスコネクト出力ファイバ8aに経路設定させる。多数の経路設定オプションが可能であること、すなわち、各入力は、その関連する出力まで通過することも、クロスコネクト出力のいずれか1つに経路設定されることも可能であることが、当業者には直ちに理解されるはずである。
【0045】
前述のように、図1に示す種類の従来技術の装置は、入力ファイバと出力ファイバの間の光の自由空間伝搬から生じるいくつかの欠点を有する。特に、平行化レンズ10を備えるにもかかわらず、ビーム回折が、マトリクスを通って伝播する際にビーム直径を増大させ、その結果として出力ファイバへの不良な結合が生じる。さらに、MEMSミラーの角度整合の不正確さが、出力面における軸ずれを引き起こし、その結果として関連する出力ファイバへの光の不良な結合が生じる。これらの問題は、高次のスイッチに関連付けられたより長い経路では悪化する。
【0046】
図2を参照すると、本発明のマトリクススイッチ50が示されている。マトリクススイッチ50は、図1を参照して説明した従来技術の装置と同じ光経路設定機能を提供するように設計される。
【0047】
マトリクススイッチ50は、多数の長方形断面チャネル54を有するシリコン基板52を備える。基板へのリッド部分(図示せず)の取り付けが中空光導波路を定義する。基板の中空導波路を、入力光ファイバ4、出力光ファイバ6およびクロスコネクト出力光ファイバ8に光学的に結合するために、レンズ56が設けられる。
【0048】
反射MEMS構成部品58aから58pの配列(一括してMEMS配列58と呼ぶ)も設けられる。MEMS配列58の各構成部品は、個々の導波路チャネルに沿って伝搬する光の経路変更を提供するために中空光導波路に挿入され得る反射面を備える。MEMS構成部品は、図1を参照して前述した、Woodらによって記載されている種類のポップアップミラーを備え得る。代替として、MEMS構成部品は、反射シャッタ、およびシャッタを適宜基板の中空導波路内外に移動させるための、関連するMEMS作動手段を備えることもできる。
【0049】
中空導波路と一体的に形成され得る、そのようなMEMS装置を使用する利点は、中空導波路を取り囲む材料中にMEMS装置を形成することによって獲得され得る、高度のミラー整合性である。また、中空導波路は回折効果を低減させ、それによって、装置の全体的光効率が増大する。
【0050】
図3を参照すると、本発明による別のマトリクススイッチ100が示されている。図2の装置と共通して、この装置は、適当なリッド部分(図示せず)と組み合わせて多モード中空光導波路を定義するように形成された、多数の長方形断面のチャネル54を有するシリコン基板52を備える。反射MEMS構成部品102aから102pの配列(一括してMEMS配列102と呼ぶ)も設けられる。入力光ファイバ4、出力光ファイバ6およびクロスコネクト出力光ファイバ8は、前述の2次元マトリクススイッチ経路設定機能を実施するように構成される。
【0051】
MEMS配列102の各構成部品は、構成部品の各行および列が距離「a」ずつ隔てられた、規則的な4×4グリッド構成として配置される。各入力光ファイバ4、各出力光ファイバ6および各クロスコネクト出力光ファイバ8の端も、MEMS配列102の関連する構成部品から距離「a」のところに位置する。
【0052】
マトリクススイッチ100の構成は、多モード導波路に見られるいわゆる「再イメージング」現象を活用する寸法とされる。長さ「a」は、所与の断面寸法の多モード導波路について、入力ビームプロファイルのイメージが、MEMS配列102中の各構成部品の近傍で再現されるよう、中空導波路の再イメージング長(またはその倍数)になるように選択される。
【0053】
再イメージング効果は他の文献により詳細に記載されている。例えば、PCT特許出願GB第2003/000331号明細書を参照されたい。簡単に言えば、多モード導波路(特に長方形断面を備えるもの)は、導波路の長さを、その幅と深さに対して適当な関係を有するように設計することによって、所与の波長の対称、反対称または非対称光フィールドの再イメージングを提供するように設計され得ることが分かっている。言い換えると、入力ビームのガウス入力プロファイルは、所与の導波路に沿って一定の距離を伝搬した後、再イメージング(すなわち再現)される。この効果は、ビーム再現も生じさせる。すなわち、ビームの複数のイメージが、再イメージング長より短い距離のところに形成される。これらの効果は、以前、米国特許第5410625号に記載されており、多モード干渉(MMI)ビーム分割装置の基礎を提供するものである。
【0054】
一例として、正方形断面の導波路における対称フィールドを考察する。これは、導波路幅の二乗を伝搬放射の波長で割ることにより与えられる、再イメージング長を有する。対称フィールドの再イメージングは、再イメージング長および再イメージング長の倍数のところで発生する。
【0055】
ゆえに、50.0μm幅の中空導波路および1.55μmの放射の場合には、再イメージング長は1.613mmである。この対称フィールドは、この長さと、この長さの整数倍のところ、すなわち、3.23mm、4.84mmなどにおいて再イメージングされるはずである。例えば、単一モード光ファイバからのTEM00ガウス入力ビームは、1.613mmの距離のところで再イメージングされ得る。
【0056】
代替として、非対称光フィールドの場合では、再イメージングは、対称フィールド再イメージングに必要とされる長さの8倍、すなわち、50μm幅の中空導波路では12.09mmのところで発生する。この長さの半分、すなわち6.05mmのところに、この非対称フィールドの鏡像も形成される。特に、多モード領域の中心線から入力をオフセットすると、中心線のどちらかの側に同等にオフセットして、導波路に沿った所定の距離のところに再イメージングされる非対称入力が提供される。
【0057】
導波路の深さおよび幅が実質上異なる長方形導波路の場合には、2つの導波路断面寸法(例えば、深さと幅など)に関連する再イメージング長も自ずと異なる。しかしながら、長方形中空導波路の寸法間の関係を、特定の幅および深さについて同一長さのところで再イメージングが生成されるように構成することによって、任意のフィールドが再イメージングされ得る。したがって、中空長方形導波路において、幅wおよびwの軸に関連付けられた再イメージング長が同一になるように構成することによって、対称フィールドが再イメージングされ得る。
【0058】
図3の距離「a」は、入力光ファイバ4から中空光導波路に直接入射されたガウス光ビームの、再イメージング距離(またはその倍数)に対応する。したがって、各入力ファイバ4によって中空光導波路に入射された光ビームのイメージが、MEMS配列102の各構成部品の近傍に提供されることが分かる。図4に、装置100の領域120における光強度フィールド122をより詳細に示す。
【0059】
図3および図4に示す構成は、中空導波路と関連する光ファイバの間で光を結合するための平行化手段(例えば、レンズなど)が必要とされないという利点を有する。さらに、MEMS配列102の各構成部品を再イメージング距離に配置することは、MEMS構成部品の許容可能な角度整合誤差をさらに軽減する。また、再イメージング効果の使用は、可動反射素子の位置設定を容易にするために導波路が破壊されなければならない回折損失も低減する。
【0060】
図5および図6を参照すると、中空導波路の部分間の結合効率に対する反射構成部品の角度不整合の影響が示されている。
【0061】
図5には、第1の中空導波路140および第2の中空導波路142が形成されている、シリコン基板52が示されている。導波路には反射素子144が位置し、第1の中空導波路140によって運ばれる光を、第2の中空導波路142に反射するように構成される。反射素子144は、装置製造公差によって決定される一定の角度不整合(∂θ)を有する。
【0062】
図6に、第1の中空導波路140から第2の中空導波路142への基本(EH11)モードの電力結合効率を、ミラー144の角度不整合(∂θ)の関数として示す。中空ファイバの部分間の効率的結合での許容可能な角度整合誤差は、Woodらによって記載されている種類のマトリクススイッチでの角度整合要件に比べて、大幅に緩和されていることが分かる。詳細は、図4、および0.05°を上回るミラー整合精度が必要とみなされるWoodらの文献での関連する記述を参照されたい。
【0063】
4×4MEMS配列について前述したが、線形(すなわち1次元)配列を含む他の配列も使用され得る。実際、本発明の利点は、配列サイズ(したがって、入力ファイバと出力ファイバの間の経路長)が増大するにつれて増大する。したがって、前述の種類の中空導波路装置の使用は、高次光スイッチが提供されることを可能にする。また、多数の本発明の装置を積み重ねて3次元マトリクス配列を形成し、光が、中空導波路または自由空間において平行面から結合されるようにすることも可能であろう。多数の技法を使って、光を基板と直交する方向に向けるために、基板面から約45°の角度を有する反射器を設けることも可能であろう。例えば、−9°軸外の<100>シリコンの異方性エッチングによってモノリシック反射器を設けることもでき、あるいは基板にハイブリッド反射器を設置することもできる。
【0064】
また、中空光導波路は、チップ上に形成された複数の構成部品間、または複数のチップ間の光相互接続を設けるのにも使用され得る。例えば、図7に、中空光導波路202を定義する複数のチャネルを備えるシリコン基板200を示す。基板200の中空導波路202は、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)204の12の光出力を、InGaAs検出器配列206の12の対応する検出素子に接続するのに使用される。不可欠ではないが、中空光導波路は、各VCSELによって作り出される入力フィールドの再イメージングが、検出素子のところで発生するような寸法とすることができる。
【0065】
図8を参照すると、中空光導波路チャネル211および複数のポップアップMEMSミラー212を備える、半導体基板210が示されている。この構成は、より詳細に前述した種類のマトリクススイッチを提供する。このマトリクススイッチを使って、VCSEL配列204の各素子からの光が、第1の検出器配列206または第2の検出器配列208のいずれかの検出素子に経路設定され得る。このようにして、チップの様々な構成部品間の光相互接続が容易に再構成され得る。
【0066】
図9に、図8の装置の線I−Iに沿った分解断面図を示す。VCSEL配列204および第1の検出器配列206は、知られている加工技術を使ってチップ218上に一体的に形成されることが分かる。半導体基板210は、基板面において共に中空光導波路211を定義するリッド部分216と組み合わされる。基板210には角度をつけたミラー214が設けられ、リッド216を貫通して中空導波路部分220が設けられて、光が、基板上の構成部品との間で結合されてマトリクススイッチの面に入ることを可能にする。このようにして、再構成可能なチップ内光接続が提供される。この種の光結合構成を使って、2つ以上のチップが光学的に結合され、または単一のチップ上に形成された様々な構成部品間のチップ内光接続が提供され得ることを、当業者は理解するはずである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】従来技術のマトリクススイッチを示す図である。
【図2】本発明のマトリクススイッチを示す図である。
【図3】再イメージング効果を利用する、本発明の別のマトリクススイッチを示す図である。
【図4】図3に示す装置の一部を示す拡大図である。
【図5】反射装置の潜在的角度不整合を示す図である。
【図6】そのような角度不整合の、中空導波路の2部分間の結合効率に対する影響を示す図である。
【図7】チップ内光結合のための中空光導波路の使用を示す図である。
【図8】マトリクススイッチを使ったチップ内光結合を示す平面図である。
【図9】図8の結合方式を示す側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの光入力と、複数の光出力と、光が任意の1つの光入力から前記複数の光出力の2つ以上のいずれか1つに選択的に経路設定され得るように構成可能な、微小電子機械システム(MEMS)可動反射素子の配列とを有する半導体基板を備える、面内光経路設定装置であって、任意の1つの光入力から前記複数の光出力の2つ以上のいずれか1つに選択的に経路設定される光が、中空導波路内で誘導されることを特徴とする、装置。
【請求項2】
半導体基板はシリコンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
半導体基板はシリコンオンインシュレータ(SOI)ベースのウェハを含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記中空導波路は、半導体基板において微細加工技術を使って形成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
微細加工技術はDRIE法を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
半導体基板は、前記中空導波路を画定するように構成されたベース部分およびリッド部分を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記MEMS可動反射素子は反射コーティングを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
中空導波路の内面は反射コーティングを備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも1つのMEMS可動反射素子はポップアップミラーである、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つのMEMS可動反射素子は半導体基板から一体構造として形成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも1つのMEMS可動反射素子は半導体基板にハイブリッド結合される、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
少なくとも1つのMEMS可動反射素子は、中空導波路に突出している完全に挿入された位置と、完全に後退した位置との間で移動可能である、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
MEMS可動反射素子は規則的な配列として構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
配列は16以上のMEMS可動反射素子を備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
複数の光出力は、少なくとも1つのスルー出力および少なくとも1つのクロス出力を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記光入力および/または前記光出力の少なくとも1つは、光ファイバを収容する手段を備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記中空導波路は実質的に長方形の断面を有する、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
中空導波路は、基本モード伝搬をサポートする寸法とされる、請求項1から17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
中空導波路は多モード伝搬をサポートする寸法とされる、請求項1から17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
隣接する可動反射素子は、中空導波路の再イメージング距離ずつ間隔をあけて配置される、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記光入力および/または前記光出力の少なくとも1つは、面外反射素子を備える、請求項1から20のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−520925(P2006−520925A)
【公表日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505992(P2006−505992)
【出願日】平成16年3月22日(2004.3.22)
【国際出願番号】PCT/GB2004/001213
【国際公開番号】WO2004/083916
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(501352882)キネテイツク・リミテツド (93)
【Fターム(参考)】