説明

中空柱用補強具および該中空柱用補強具を用いた中空柱の補強方法

【課題】中空柱の地際部分を短時間で簡単かつ強固に補強する中空柱用補強具および該中空柱用補強具用いた中空柱の補強方法を提供する。
【解決手段】ガイド軸に平行に配設される複数の補強用棒状部材を複数の均等配置治具で中空柱の周方向に等角度で均等に配設して構成される中空柱用補強具を吊下用ワイヤで吊り下げながら中空柱内に挿入して下降し、砕石の上のほぼ中央部に支持脚を安定的に載置し、複数の補強用棒状部材の上端が隠れる程度までモルタルを投入して中空柱の地際部分を補強している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部の所定長部分が地中に埋設されて地上に立設されている例えば交通標識を掲示するための標識用の鋼管などからなる標識柱などの中空柱の地際を補強すべく中空柱内の地際に配設される中空柱用補強具および該中空柱用補強具を用いた中空柱の補強方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路の側部や交差点の角などに立設されている交通用の標識は、例えば図4に符号3で示すように、地上に立設され中空で太さの等しい鋼管柱で構成された標識柱31と、この標識柱31の上部に取り付けられた標識部33とを有し、標識柱31の地中に埋設された中程には、標識柱31と直交するように根かせ37が取り付けられるとともに、更に地中に埋設された標識柱31の地際部分は、コンクリートからなる基礎部35で固められ、これにより標識柱31が簡単に倒れにくいようにしている。なお、標識柱31の上端の頂部開口には、図5に標識柱31の断面構造を示すように、例えば樹脂製の上部蓋を構成するキャップ39が着脱自在に嵌め込まれ、標識柱31内部に雨水等が侵入するのを防止している。
【0003】
なお、根かせ37は、断面形状がコの字状の棒状体(いわゆる、チャネル)やL字状の棒状体(いわゆる、アングル)を標識柱31と直交する向き、すなわち水平方向に標識柱31にボルト37aを貫通させてナット37bで締結して取り付けたものである。
【0004】
図4および図5を参照して、標識柱31の寸法の一例を示すと、標識柱31の地表から標識部33の下部までの長さaは、例えば180cmであり、標識柱31の地中に埋設されている部分の長さ、所謂根入れ深さbは、70cm〜80cm以上であり、また根かせ37の標識柱31の下端からの長さcは、40cm〜50cm程度である。すなわち、根かせ37は地表から、例えば30cmの深さに設けられることになる。更に、根かせ37の長さDは、45cmである。また、標識柱31の外径寸法は60.5mm、内径寸法は55.9mmである。また、基礎部35は地表からの深さ(板厚)が8cm〜12cmであり、外形は30cm×30cm程度のほぼ正方形である。
【0005】
また、事故等によって損傷を受けた標識柱の地表部分を交換する技術も知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平6−173226号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように道路の側部や交差点の角などに立設される標識柱31は、中空の鋼管で構成されて、一定以上の強度を有するが、上述した寸法からも分かるように、例えば標識柱31の外径寸法は60.5mm、内径寸法は55.9mmであり、肉厚が4.6mmというように比較的細く、薄い鋼管柱で構成されているため、トラックなどの車両が当ったりすると、その地際部分、すなわち地中に埋設された部分と地上に露出した部分との境の地際の部分から曲がり易いとともに、また標識柱31の地際部分には、例えば犬などがマーキングのために好んで排尿することが多いため、他の部分に比較して常に湿潤した環境となり、そのため腐食しやすく、この腐食した地際部分から倒壊する可能性は否めない。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、中空柱の地際部分を短時間で簡単かつ強固に補強する中空柱用補強具および該中空柱用補強具用いた中空柱の補強方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するため、請求項1記載の中空柱用補強具は、下部の所定長部分が地中に埋設されて地上に立設された中空柱の地際を補強すべく中空柱内の地際に配設される中空柱用補強具であって、中空柱の中心軸に中空柱の地際を挟んで下方に所定長、上方に所定長配設されるガイド軸と、このガイド軸の下端部に取り付けられ、中空柱内の地際において中空柱用補強具を安定的に支持する支持脚と、前記ガイド軸のほぼ全長に沿って平行に配設される複数の補強用棒状部材と、前記ガイド軸の少なくとも上端部および下端部の2箇所に中心部が取り付けられ、複数の補強用棒状部材を前記ガイド軸に沿って中空柱の周方向に等角度で均等に配設するように複数の補強用棒状部材が挿通されて保持される複数の保持部が中心部を囲んで取り付けられている複数の均等配置治具と、前記ガイド軸の上端に形成され、中空柱用補強具を吊り下げるための吊下ワイヤが取り付けられる吊下用孔とを有することを要旨とする。
【0009】
請求項1記載の中空柱用補強具では、中空柱の中心軸に配設されるガイド軸のほぼ全長に沿って平行に配設される複数の補強用棒状部材が複数の均等配置治具により中空柱の周方向に等角度で均等に配設され、ガイド軸の下端部には支持脚が取り付けられて中空柱用補強具を安定的に支持するため、この中空柱用補強具を中空柱内の地際に挿入してモルタルで固めることにより中空柱の地際は強固に補強され、中空柱は地際部分から極めて倒壊しにくいとともに、また鋼管部分が腐食したとしても複数の補強用棒状部材からなる強固な内部構造とモルタルにより鋼管柱は容易には倒れ難く、折れ難くなっている。
【0010】
請求項2記載の中空柱用補強具は、前記補強用棒状部材が、アラミド繊維の集合体をロッド状に形成したアラミドロッドまたはPC鋼線を有することを要旨とする。
【0011】
請求項2記載の中空柱用補強具では、複数の補強用棒状部材が複数のアラミドロッドまたは複数のPC鋼線で構成されるため、補強用棒状部材は非常に折れ難くなり、この折れ難い補強用棒状部材で構成される中空柱用補強具は極めて強固なものとなり、従って該中空柱用補強具を中空柱内の地際に挿入することにより、中空柱は地際部分から極めて倒壊しにくいものとなる。
【0012】
請求項3記載の中空柱用補強具は、前記中空柱が、中空の鋼管柱であることを要旨とする。
【0013】
請求項3記載の中空柱用補強具では、中空柱が中空の鋼管柱であり、このような鋼管柱で構成される種々の中空柱に中空柱用補強具を適用することができる。
【0014】
請求項4記載の中空柱の補強方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の中空柱用補強具を用いた中空柱の補強方法であって、中空柱の上端の頂部開口の上部蓋を除去し、地中において中空柱を直交するように設けられた根かせの位置まで頂部開口から中空柱内に砕石を投入する砕石投入工程と、中空柱用補強具の吊下用孔に吊下用ワイヤを取り付けて中空柱用補強具を吊り下げながら中空柱の頂部開口から中空柱内に挿入する挿入工程と、この吊り下げながら中空柱内に挿入された中空柱用補強具を徐々に降下させ、前記投入された砕石の上面のほぼ中央部に前記支持脚を安定的に載置する下降載置工程と、前記支持脚が砕石上に安定に載置された後、中空柱の頂部開口からモルタルを中空柱用補強具の複数の補強用棒状部材の上端が隠れる程度まで投入して硬化させるモルタル投入工程と、吊下用孔に取り付けられている吊下げ用ワイヤを中空柱の頂部開口から取り出し、該頂部開口に上部蓋を取り付けて固定する吊下用ワイヤ取出し工程とを有することを要旨とする。
【0015】
請求項4記載の中空柱の補強方法では、中空柱内に砕石を投入してから、中空柱用補強具を吊下用ワイヤで吊り下げながら中空柱内に挿入して下降し、砕石の上のほぼ中央部に支持脚を安定的に載置し、複数の補強用棒状部材の上端が隠れる程度までモルタルを投入して中空柱の地際部分を補強しているため、中空柱内に中空柱用補強具を挿入してモルタルを投入するだけという簡単かつ経済的な方法で中空柱を短時間で強固に補強できるとともに、この補強により中空柱は地際部分から倒壊しにくくなる。
【0016】
請求項5記載の中空柱の補強方法は、前記吊下用ワイヤが、吊下げワイヤリングを介して中空柱用補強具の吊下用孔に取り付けられることを要旨とする。
【0017】
請求項5記載の中空柱の補強方法では、中空柱用補強具の吊下用孔に吊下げワイヤリングを介して吊下用ワイヤを取り付けているため、吊下げワイヤの取り付けが簡単である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の中空柱用補強具によれば、中空柱の中心軸に配設されるガイド軸のほぼ全長に沿って平行に配設される複数の補強用棒状部材が複数の均等配置治具により中空柱の周方向に等角度で均等に配設され、ガイド軸の下端部には支持脚が取り付けられて中空柱用補強具を安定的に支持するので、この中空柱用補強具を中空柱内の地際に挿入してモルタルで固めることにより中空柱の地際を短時間で簡単かつ強固に補強でき、中空柱は地際部分から折れたり、倒壊しにくくなるとともに、また鋼管部分が腐食したとしても複数の補強用棒状部材からなる強固な内部構造とモルタルにより鋼管柱は容易には倒れ難く、折れ難くなっている。
【0019】
また、本発明の中空柱用補強具を用いた中空柱の補強方法では、砕石を投入された中空柱内に中空柱用補強具を吊下用ワイヤで吊り下げながら挿入して下降し、砕石の上のほぼ中央部に支持脚を安定的に載置し、複数の補強用棒状部材の上端が隠れる程度までモルタルを投入して中空柱の地際部分を補強しているので、中空柱内に中空柱用補強具を挿入してモルタルを投入するだけという簡単かつ経済的な方法で中空柱を短時間で強固に補強できるとともに、この補強により中空柱は地際部分から倒壊しにくくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施例に係わる中空柱用補強具の構成を示す斜視図である。同図に示す中空柱用補強具1は、図4、5に示す標識柱31内の地際部分に挿入されて、標識柱31を補強するものであり、標識柱31の中心軸に配設されるガイド軸11を有する。また、このガイド軸11のほぼ全長に沿って平行に複数本の、本実施形態では3本の補強用棒状部材であるアラミドロッド15が配設されている。アラミドロッド15は、アラミド繊維の集合体をロッド状に形成したものである。なお、ガイド軸11は、例えば長さ50cm、直径8mm程度のPC鋼線で構成される。また、本発明は、補強用棒状部材がアラミドロッド15であることに限定されるものでなく、例えばPC鋼線でもよいものである。
【0022】
前記ガイド軸11と3本のアラミドロッド15は、上端部と下端部の2箇所において均等配置治具である上部ロッド配置用治具13aおよび下部ロッド配置用治具13b(以下、必要によりロッド配置用治具13を総称する)でそれぞれ一体的に固定されている。また、ガイド軸11の上端には、上部連結具17aが取り付けられ、ガイド軸11の下端には下部連結具17bを介して支持脚19が取り付けられている。なお、本実施形態では、ロッド配置用治具13として上部ロッド配置用治具13aと下部ロッド配置用治具13bの2個を使用しているが、本発明はこれに限定されるものでなく、任意の数のロッド配置用治具13を使用し得るものである。
【0023】
上部連結具17aは、詳しくは、側部の上下に吊下用孔173とガイド軸固定ねじ171が螺合するねじ穴とが形成されていて、このねじ穴にガイド軸固定ねじ171を螺合して、このガイド軸固定ねじ171の先端をガイド軸11の上端に当接させてから締め付けることにより上部連結具17aがガイド軸11に固定されることになる。また、吊下用孔173は、図7に示すように、中空柱用補強具1の全体を吊り下げるための吊下げワイヤ45を取り付けるための吊下げワイヤリング43を取り付けるための孔である。
【0024】
また、下部連結具17bは、上部連結具17aと同様に側部の上下にガイド軸取付用ねじ175が螺合するねじ穴と支持脚取付用ねじ177が螺合するねじ穴とが形成されている。ガイド軸取付用ねじ175は、下部連結具17bの側部上側のねじ穴に螺合し、その先端をガイド軸11の下端に当接させてから締め付けることにより下部連結具17bがガイド軸11に固定される。更に、支持脚取付用ねじ177は、下部連結具17bの側部下側のねじ穴に螺合し、その先端を支持脚19の上部に突出している部分に当接させてから締め付けることにより支持脚19が下部連結具17bを介してガイド軸11に固定されることになる。
【0025】
前記上部ロッド配置用治具13aおよび下部ロッド配置用治具13b(以下、ロッド配置用治具13と総称する)は、詳しくは、図2に示すように、中央部にガイド軸保持環部131が配設され、このガイド軸保持環部131に形成されたガイド軸用挿通孔131aにガイド軸11が挿通され保持されるようになっている。また、このガイド軸保持環部131から放射状に保持環支持部133が3本、円周方向に、すなわちロッド配置用治具13が標識柱31内に挿入された場合において標識柱31の円周方向に等角度で均等に延出し、この3本の保持環支持部133の先端にロッド保持環部135がそれぞれ形成され、この3個のロッド保持環部135にそれぞれ形成されたロッド挿通保持孔135aにアラミドロッド15が挿通され保持されるようになっている。
【0026】
更に詳しくは、各ロッド保持環部135の一側にはロッド挿通保持孔135a内に挿通されたアラミドロッド15をねじで固定するためのねじ受け部137が台状に突出して設けられ、このねじ受け部137の中心に穿孔されたねじ孔を用いてロッド固定ねじ139(いわゆるイモネジ)によりアラミドロッド15を固定する。
【0027】
このロッド固定ねじ139のそれぞれの向きは、ロッド配置用治具13に対する外接円の円周に沿う向き、若しくは若干(外接円からはみ出ない程度で)外側向きとなっている。これにより、このねじ受け部137及びロッド固定ねじ139のねじ頭が前記外接円を外側に越えることがない。
【0028】
つまり、これによりロッド保持環部135をそれぞれ外周側に寄せて配置することができ、アラミドロッド15を極力外側に配置することが可能となる。更に、ねじ受け部137及びロッド固定ねじ139が外側に向けて突出しないことから、中空柱用補強具1を標識柱31内で昇降する際に、標識柱31の内壁のビスや錆等の各種突起物に引っ掛かり昇降の妨げとなることを防止することができる。なお、ガイド軸保持環部131のガイド軸用挿通孔131aの内径は10mm程度であり、ロッド保持環部135のロッド挿通保持孔135aの内径は9mm程度である。
【0029】
なお、上述したように図4に示す本実施形態のロッド配置用治具13は、3本のアラミドロッド15を保持し得るように3個のロッド保持環部135のみを有するが、本発明は、これに限定されるものではなく、3個以上の任意の数のアラミドロッド15を保持し得るように任意の数のロッド保持環部135を有することができるものである。
【0030】
例えば、図4は、4本のアラミドロッド15を保持し得るように4個のロッド保持環部135を有するロッド配置用治具130を示しているものである。このように4個のロッド保持環部135を有するロッド配置用治具130においても、4個のロッド保持環部135は4本のアラミドロッド15を標識柱31の円周方向に等角度で均等に保持し得るように配設されていることは勿論のことである。なお、図4において、図2に示す構成部分と同じ機能を有する構成部分は、図2と同じ符号で示されている。
【0031】
次に、以上のように構成される中空柱用補強具を用いて標識柱31を補強する方法について説明する。
【0032】
まず、図5に示すように中空の鋼管で構成される標識柱31の上端の頂部開口に取り付けられているキャップ39を取り外し、この頂部開口から図6に示すように標識柱31の内部に砕石41を投入する。この砕石41の投入は、図6に示すように根かせ37の位置まで行われる。
【0033】
次に、図1に示すように構成された中空柱用補強具1の上部連結具17aの吊下用孔173に図7に示すように吊下げワイヤリング43を取り付け、この吊下げワイヤリング43に吊下げワイヤ45を取り付ける。そして、この吊下げワイヤ45を手などで保持したり、またはクレーンなどに連結し、吊下げワイヤ45を介して中空柱用補強具1を吊り下げ、標識柱31の頂部開口から中空柱用補強具1を標識柱31の内部に挿入し、図7で矢印101で示すように、徐々に標識柱31内を下降される。
【0034】
この中空柱用補強具1の下降は、中空柱用補強具1の下端に取り付けた支持脚19が砕石41の上面に当接するまで行う。そして、図8に示すように、支持脚19が砕石41に当接したら、この支持脚19が砕石41の上面のほぼ中央部に位置するように位置調整し、その位置で安定的に載置する。なお、このように支持脚19が砕石41の上面のほぼ中央部に載置された場合、中空柱用補強具1を構成する3本のアラミドロッド15は、図8に示すように、上半分が地際より上方に延出し、下半分が地際から下の地中に位置するように設定することが好ましい。
【0035】
このように支持脚19が砕石41の上に安定的に載置された後、図9に示すように、標識柱31の頂部開口からモルタル47を投入し、複数のアラミドロッド15の上端が隠れる程度までモルタル47を投入して硬化させる。
【0036】
次に、中空柱用補強具1の吊下げワイヤリング43に取り付けられた吊下げワイヤ45を標識柱31の頂部開口から取り出し、それから標識柱31の頂部開口にキャップ39を取り付けて固定すると、図10に示すように中空柱用補強具1で補強された標識柱31が完成する。
【0037】
以上のようにして、標識柱31は、その地際部分に中空柱用補強具1を挿入され、モルタル47で固められて、標識柱31の地際部分が非常に強固に補強される。従って、仮にトラックなどの車両が標識柱31に当ったとしても、標識柱31は地際部分から容易に曲がることがなくなるとともに、また犬などのおしっこにより標識柱31の地際部分が腐食したとしても、複数のアラミドロッド15をモルタル39で固めることにより、標識柱31は地際部分から倒壊しにくいようになる。
【0038】
上記実施形態では、中空柱として標識柱31に適用した場合を例として説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、任意の中空柱に適用可能なことは言うまでもないことである。また、各構成要素の形状や大きさ、更に数量もそれぞれの条件に応じて適宜変更することが可能であることは勿論のことである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施例に係わる中空柱用補強具の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す中空柱用補強具に使用されているロッド配置用治具を示す斜視図である。
【図3】図2に示すロッド配置用治具の別の構成例を示す斜視図である。
【図4】標識柱に取り付けた交通標識を掲示している標識を示す図である。
【図5】図4に示す標識に使用されている標識柱の内部構造を示す断面図である。
【図6】図5に示す標識柱の内部に砕石が投入された状態を示す図である。
【図7】図5に示すように標識柱内に砕石が投入された後、標識柱内に中空柱用補強具を挿入し吊り下げながら下降する工程を示す斜視図である。
【図8】図7に示すように標識柱内に挿入された中空柱用補強具を砕石の上に載置した状態を示す図である。
【図9】図8に示すように中空柱用補強具を砕石の上に載置した後、中空柱用補強具の上にモルタルを投入した状態を示す図である。
【図10】図9に示すように中空柱用補強具の上にモルタルを投入した後、吊下げワイヤを取り出し、標識柱の頂部開口にキャップを取り付けて固定した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1 中空柱用補強具
3 標識
11 ガイド軸
13、130 ロッド配置用治具
15 アラミドロッド
17a 上部連結具
17b 下部連結具
19 支持脚
37 根かせ
39 キャップ
41 砕石
47 モルタル
131 ガイド軸保持環部
131a ガイド軸用挿通孔
133 保持環支持部
135 ロッド保持環部
135a ロッド挿通保持孔
137 ねじ受け部
139 ロッド固定ねじ
171 ガイド軸固定ねじ
173 吊下用孔
175 ガイド軸取付用ねじ
177 支持脚取付用ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部の所定長部分が地中に埋設されて地上に立設された中空柱の地際を補強すべく中空柱内の地際に配設される中空柱用補強具であって、
中空柱の中心軸に中空柱の地際を挟んで下方に所定長、上方に所定長配設されるガイド軸と、
このガイド軸の下端部に取り付けられ、中空柱内の地際において中空柱用補強具を安定的に支持する支持脚と、
前記ガイド軸のほぼ全長に沿って平行に配設される複数の補強用棒状部材と、
前記ガイド軸の少なくとも上端部および下端部の2箇所に中心部が取り付けられ、複数の補強用棒状部材を前記ガイド軸に沿って中空柱の周方向に等角度で均等に配設するように複数の補強用棒状部材が挿通されて保持される複数の保持部が中心部を囲んで取り付けられている複数の均等配置治具と、
前記ガイド軸の上端に形成され、中空柱用補強具を吊り下げるための吊下ワイヤが取り付けられる吊下用孔と
を有することを特徴とする中空柱用補強具。
【請求項2】
前記補強用棒状部材は、アラミド繊維の集合体をロッド状に形成したアラミドロッドまたはPC鋼線を有することを特徴とする請求項1記載の中空柱用補強具。
【請求項3】
前記中空柱は、中空の鋼管柱であることを特徴とする請求項1記載の中空柱用補強具。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の中空柱用補強具を用いた中空柱の補強方法であって、
中空柱の上端の頂部開口の上部蓋を除去し、地中において中空柱を直交するように設けられた根かせの位置まで頂部開口から中空柱内に砕石を投入する砕石投入工程と、
中空柱用補強具の吊下用孔に吊下用ワイヤを取り付けて中空柱用補強具を吊り下げながら中空柱の頂部開口から中空柱内に挿入する挿入工程と、
この吊り下げながら中空柱内に挿入された中空柱用補強具を徐々に降下させ、前記投入された砕石の上面のほぼ中央部に前記支持脚を安定的に載置する下降載置工程と、
前記支持脚が砕石上に安定に載置された後、中空柱の頂部開口からモルタルを中空柱用補強具の複数の補強用棒状部材の上端が隠れる程度まで投入して硬化させるモルタル投入工程と、
吊下用孔に取り付けられている吊下げ用ワイヤを中空柱の頂部開口から取り出し、該頂部開口に上部蓋を取り付けて固定する吊下用ワイヤ取出し工程と
を有することを特徴とする中空柱用補強具を用いた中空柱の補強方法。
【請求項5】
前記吊下用ワイヤは、吊下げワイヤリングを介して中空柱用補強具の吊下用孔に取り付けられることを特徴とする請求項4記載の中空柱用補強具を用いた中空柱の補強方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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