説明

中空糸脱気膜の洗浄方法

【課題】脂肪又はタンパク質を1種類以上含む液体を脱気する中空糸脱気膜を洗浄するのに好適な方法を提供すること。
【解決手段】脂肪若しくはタンパク質を1種類以上含む液体を脱気した中空糸脱気膜に、洗浄液を通液する、又は、その液体を脱気した中空糸脱気膜を、洗浄液に浸漬する中空糸脱気膜の洗浄方法であって、該洗浄液は界面活性剤が添加された水溶液であることを特徴とする中空糸脱気膜の洗浄方法。界面活性剤は食品用途に使用可能なノニオン系界面活性剤、又は、アニオン系界面活性剤であることが好ましい。中空糸脱気膜の脱気性能を、その液体を通液する前の初期状態に回復させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空糸脱気膜の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中空糸脱気膜は液体中の懸濁物質や汚染物質をろ過するために使用される所謂ろ過膜と異なり、液中の溶存ガスを除去する目的で使用される膜であって、膜に存在する細孔径が小さい(ナノレベル)か、或いは細孔の存在しない緻密層を有する中空糸膜である。中空糸脱気膜では液体は中空糸膜を透過することがなく、溶存ガスだけが溶解・拡散により中空糸膜を透過する。中空糸脱気膜は水からの溶存酸素の除去などに主に使用されているが、水だけでなく様々な液体の脱気にも応用が検討されている。その使用例の一つとして脂肪又はタンパク質を1種類以上含む液体を脱気することが試みられている。
【0003】
ところで、逆浸透膜、限外濾過膜、精密濾過膜などのろ過膜は種々の原水のろ過に用いられている。ろ過の継続に伴いろ過膜に付着した汚れが膜表面の細孔を塞ぎ徐々にろ過性能が低下してしまう。このろ過性能を維持するために種々の洗浄方法が知られている。ろ過膜を洗浄して汚れを除去する方法としては、工業的には(1)流水で表面を洗う方法、(2)ろ過をする際に液を流す方向と逆の方向に水を流して汚れを除去する方法(逆洗と呼ばれている)が行われている。
【0004】
一方、食品工業などに於いては生産設備を洗浄する場合、CIP(Cleaning in Place)洗浄が一般に行われている(例えば、特許文献1参照)。CIP洗浄では濯ぎ、アルカリ洗浄、中間水洗、酸洗浄、最終水洗といった工程を経るのが標準的である。CIP洗浄は酸、アルカリを使用し化学的に汚れを除去するものである。アルカリ洗浄用としては、例えば、水酸化ナトリウムを主成分とし有機キレート剤、塩類などを含んだ薬液(例えば、特許文献2参照)、また、酸洗浄用としてはリン酸を主成分とした薬液が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特表2002−540253号公報
【特許文献2】特開2005−126567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
脂肪又はタンパク質を1種類以上含む液体を中空糸脱気膜で脱気する場合、原液と接している中空糸脱気膜の表面に徐々に液体中の脂肪又はタンパク質の成分が付着し脱気性能が低下してくる。そこで、中空糸脱気膜の脱気性能を初期状態に回復するために中空糸脱気膜を洗浄する必要が生じてくる。
【0006】
しかしながら、中空糸脱気膜を洗浄する場合、上記のようなろ過膜の洗浄方法やCIP洗浄を適用しようとすると、以下のような問題点がある。まず、流水で中空糸膜を洗浄する方法では中空糸膜の汚れを完全に除去するには非常に大きな流水速度が必要となり、これを実現する流水量を確保することは実用的ではない。次に、脱気膜は液体をほとんど透過しないので逆洗は不可能である。
【0007】
一方、食品工業において一般的なCIP洗浄には、アルカリ又は酸の薬液が用いられる(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、これらの薬液は、物質を移送する配管(多くの場合、管径が太い)や、容器などの洗浄に効果的であっても、脱気膜の洗浄方法としては、薬液が残留して洗浄が不十分になるおそれがあり、適していない。例えば、牛乳等の脱気に使用する場合、たんぱく質が酸等で凝固して、洗浄が不十分となる。特に、中空糸膜の場合は、管径が細く、大容量の洗浄水を流しにくいので、このような現象が顕著となる。
【0008】
また、アルコールのような脱気膜に適用可能な有機溶剤を用いて洗浄を行うと効果があることが本検討を行う中で見いだされた。しかし、これら有機溶剤は危険物に該当し、実際に食品生産ラインなどに使用する場合、運用上課題が生じることがある。
【0009】
そこで、本発明は上記の点に鑑みてなされるものであり、脂肪又はタンパク質を1種類以上含む液体を脱気した中空糸脱気膜を洗浄するのに好適な方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明の第一の発明は、脂肪又はタンパク質を1種類以上含む液体を脱気した中空糸脱気膜に、洗浄液を通液する中空糸脱気膜の洗浄方法であって、該洗浄液は界面活性剤が添加された水溶液であることを特徴とする中空糸脱気膜の洗浄方法である。本発明の第二の発明は、脂肪又はタンパク質を1種類以上含む液体を脱気した中空糸脱気膜を、洗浄液に浸漬する中空糸脱気膜の洗浄方法であって、該洗浄液は界面活性剤が添加された水溶液であることを特徴とする中空糸脱気膜の洗浄方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の中空糸脱気膜の洗浄方法によれば、洗浄液として界面活性剤が添加された水溶液を用いるので、脂肪又はタンパク質を1種類以上含む液体を脱気した中空糸脱気膜の脱気性能を、その液体を通液する前の初期状態に回復させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明について以下に具体的に説明する。
【0013】
本発明の中空糸脱気膜の洗浄方法は脂肪又はタンパク質を1種類以上含む液体から溶存ガスを除去する中空糸脱気膜に適用される。例えば、食品工業における牛乳やヨーグルト等の乳製品、及び乳清飲料、牛乳や粉ミルクを使用するコーヒー飲料や茶類飲料、スープ類、果汁(レモンやオレンジ、グレープフルーツ等の柑橘果汁、リンゴ果汁等)や野菜汁(ニンジン、緑色野菜、ハーブ等)を使用する清涼飲料等、各種飲料の製造において製造工程中の液体を脱気する中空糸脱気膜の洗浄方法である。ここで脂肪、たんぱく質は動物性、植物性を問わない。「脂肪又はタンパク質を1種類以上含む液体」には、1種類以上の脂肪を含む液体、1種類以上のタンパク質を含む液体、1種類以上の脂肪及び1種類以上のタンパク質を含む液体が含まれる。また、この液体に乳化剤を含有したものも含まれる。乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン、サポニンのほかセルロース、ガム類などの高分子化合物による乳化安定剤が挙げられる。
【0014】
本発明の中空糸脱気膜の洗浄方法は、特に、脂肪又はタンパク質を1種類以上含む液体を脱気する中空糸脱気膜の溶存酸素除去率の性能回復に対して効果が著しいことを見出した。即ち本発明の中空糸脱気膜の洗浄方法によって、溶存酸素除去率の回復がはかれる。溶存ガスに含まれる酸素は脂肪又はタンパク質を1種類以上含む液体の酸化劣化をひき起こすとされ、極力溶存酸素を除くことが望まれる。
【0015】
ここで、溶存酸素除去率は以下の式(1)のように計算される。
溶存酸素除去率(%)
=(原液溶存酸素濃度−処理液溶存酸素濃度)/原液溶存酸素濃度×100・・・(1)
【0016】
本発明の中空糸脱気膜の洗浄方法において用いる界面活性剤は、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、両性など特に制限はないが、ノニオン系又はアニオン系界面活性剤がより好ましい。食品用途で使用する本発明の中空糸脱気膜の洗浄方法においては、界面活性剤が食品用途に使用可能なノニオン系界面活性剤、又は、アニオン系界面活性剤であることが好ましい。具体的にはポリオキシエチレン脂肪酸メチル、脂肪酸アルカノールアミド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤やアルキルスルホン酸およびその塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩などのアニオン系界面活性剤が挙げられる。界面活性剤を使用する際、溶媒として水を用いるが、添加する界面活性剤の濃度に特に制限はなく、洗浄効果の発揮される濃度、例えば0.01〜5質量%の範囲が好ましく、0.1〜5質量%の範囲がより好ましい。界面活性剤は単独で使用するだけでも洗浄効果が示されるが、最適な洗浄効果のためにアルカリ性物質、塩、キレート剤などと併用しても構わない。アルカリ性物質はその添加量が多いほど有機物の加水分解能力が増すので特に制限はない。しかし、安全性を考慮した場合、添加後の溶液のpHが8〜11程度であることが好ましい。
【0017】
本発明の中空糸脱気膜の洗浄方法においては、中空糸脱気膜を洗浄液に浸漬する、又は、洗浄液を中空糸脱気膜に通液することで中空糸脱気膜の洗浄を行う。
【0018】
本発明の中空糸脱気膜の洗浄方法において、中空糸脱気膜を洗浄液に浸漬する場合、中空糸脱気膜を振とうしても構わない。浸漬は中空糸膜の接液する側だけ行う、又は、気相側も含めて行う、のどちらでも構わない。洗浄温度は脱気膜およびこれをケーシングした脱気モジュールに影響を与えなければ任意に選ぶことができる。本発明の中空糸脱気膜の洗浄方法は、70℃以下で実施することができる。70℃を超える温度の熱水を使用しないことにより、熱による膜へのダメージが軽減されるため、中空糸膜の耐久性向上が可能である。洗浄温度の下限値は特に制限はないが、液の凍結を防止するために4℃以上が好ましい。
【0019】
本発明の中空糸脱気膜の洗浄方法において、洗浄液を中空糸脱気膜に通液する場合、中空糸膜の接液する側だけ行う、又は、気相側も含めて行う、のどちらでも構わない。洗浄液の流量に特に制限はないが、脱気を行う際の液流量と同程度の流量で行うことが好ましい。具体的に、洗浄液の流量は膜面積1mあたり0.05〜5L/min程度が好ましい。通液する時間が短時間であれば、100℃以下の範囲で洗浄温度は特に限定しなくてもよく、熱による膜へのダメージを考慮し、洗浄温度を適宜設定すればよい。特に、膜へのダメージを軽減するために70℃以下で実施することがより好ましい。また、洗浄温度の下限値は特に制限はないが、液の凍結を防止するために4℃以上が好ましい。
【0020】
洗浄時間は特に制限はないが、好ましくは1分から15時間、より好ましくは5分から1時間である。
【0021】
洗浄手順は特に制限はないが、例えば、前濯ぎ、界面活性剤を用いた本洗浄、後濯ぎの順で行う。濯ぎ温度は膜へのダメージを考慮した場合、洗浄温度と同じであることが好ましい。すなわち、濯ぎ時間が短時間であれば、100℃以下の範囲で洗浄温度は特に限定しなくても良く、熱による膜へのダメージを考慮し、洗浄温度を適宜設定すればよい。特に膜へのダメージを軽減するために、70℃以下で実施することがより好ましい。また、洗浄温度の下限値は特に制限はないが、液の凍結を防止するために4℃以上がより好ましい。
【0022】
中空糸脱気膜は、その表面、又は、その内部に、細孔を有しない緻密層を有することが好ましい。緻密層を有する場合、中空糸脱気膜を介して液体が漏洩するおそれがない。中空糸脱気膜の素材としては、各種の脂肪又はタンパク質を1種類以上含む液体に侵されにくいポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂などの合成樹脂製が好ましく、緻密層厚みを薄くすることが可能なポリ(4−メチル−1−ペンテン)からなる中空糸脱気膜がより好ましい。中空糸脱気膜はハウジングに一定量の中空糸が充填されたモジュールと称する形態で使用される。その際に中空糸内部に液体を流す内部灌流、中空糸外部に液体を流す外部灌流の2つのタイプがある。どちらのタイプでも特に制限はないが、外部灌流の方が脱気効率が高く、好ましい。
【0023】
中空糸膜中の微生物制御と言う観点から、殺菌剤(過酸化水素、過酢酸、次亜塩素酸)等を併用・使用しても良い。
【0024】
以下に実施例で本発明について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例1】
【0025】
ポリ(4−メチル−1−ペンテン)製の中空糸脱気膜(外径180μm、内径100μm)を横糸にポリエステル繊維を縦糸として編み込み、中空糸外径換算で膜面積1.8mの簾を得た。これを外形寸法約φ110mm×240mmのハウジングに給水管を中心として簾を巻いた状態で組み込み、中空糸端面をウレタン樹脂によって封止し、外部灌流型モジュールを作成した。このモジュールの初期性能(初期溶存酸素除去率(%))を測定した後、牛乳を流量3L/minで5時間通液し脱気を行った。牛乳通液後の溶存酸素除去率(%)を測定してから、以下のように中空糸外側(接液側)の洗浄を行った。
(1)温水(60〜70℃)を流量3L/minで5〜10分通液。
(2)高級アルコール系ノニオン界面活性剤であるウォッシュメイト(登録商標、株式会社アデカクリーンエイド製)を2質量%、アルカリ1質量%に調整した洗浄液を60℃に加温し流量3L/minで20分通液。
(3)水洗を常温で20分。
この洗浄後に脱気性能(洗浄後の溶存酸素除去率(%))を測定した。それぞれの溶存酸素除去率(%)の測定条件は水流量5L/min、水温25℃、気相側真空度2.7kPa(20Torr)である。結果を表1に示した。また、原液溶存酸素濃度は8.1mg/Lであった。
【実施例2】
【0026】
ポリ(4−メチル−1−ペンテン)製の中空糸脱気膜(外径180μm、内径100μm)を横糸にポリエステル繊維を縦糸として編み込み、中空糸外径換算で膜面積1.25mの簾を得た。これを外形寸法約φ65mm×140mmのハウジングに給水管を中心として簾を巻いた状態で組み込み、中空糸端面をポリエチレン樹脂によって封止し、外部灌流型モジュールを作成した。このモジュールの初期性能(初期溶存酸素除去率(%))を測定した後、牛乳を流量3L/minで5時間通液し脱気を行った。牛乳通液後の溶存酸素除去率(%)を測定してから、以下のように中空糸外側(接液側)の洗浄を行った。
(1)温水(60〜70℃)を流量3L/minで5〜10分通液。
(2)高級アルコール系ノニオン界面活性剤であるウォッシュメイト(登録商標、株式会社アデカクリーンエイド製)を2質量%、アルカリ1質量%に調整した洗浄液を60℃に加温し流量3L/minで20分通液。
(3)水洗を常温で20分。
この洗浄後に脱気性能(洗浄後の溶存酸素除去率(%))を測定した。それぞれの溶存酸素除去率(%)の測定条件は水流量3.5L/min、水温25℃、気相側真空度2.7kPa(20Torr)である。結果を表1に示した。また、原液溶存酸素濃度は8.1mg/Lであった。
【実施例3】
【0027】
ポリ(4−メチル−1−ペンテン)製の中空糸脱気膜(外径180μm、内径100μm)を横糸にポリエステル繊維を縦糸として編み込み、中空糸外径換算で膜面積15mの簾を得た。これを外形寸法約φ165mm×615mmのハウジングに給水管を中心として簾を巻いた状態で組み込み、中空糸端面をウレタン樹脂、エポキシ樹脂によって封止し、外部灌流型モジュールを作成した。このモジュールの初期性能(初期溶存酸素除去率(%))を測定した後、牛乳を流量30L/minで5時間通液し脱気を行った。牛乳通液後の溶存酸素除去率(%)を測定してから、以下のように中空糸外側(接液側)の洗浄を行った。
(1)温水(60〜70℃)を流量17L/minで5〜10分通液。
(2)高級アルコール系ノニオン界面活性剤であるウォッシュメイト(登録商標、株式会社アデカクリーンエイド製)を1質量%、アルカリ1質量%に調整した洗浄液を60℃に加温し流量33L/minで20分通液。
(3)水洗を60℃で10分。
この洗浄後に脱気性能(洗浄後の溶存酸素除去率(%))を測定した。それぞれの溶存酸素除去率(%)の測定条件は水流量30L/min、水温25℃、気相側真空度2.7kPa(20Torr)である。結果を表1に示した。また、原液溶存酸素濃度は8.1mg/Lであった。
【0028】
(比較例1)
実施例1と同じモジュールに実施例1と同様に牛乳を通液した後、以下のように中空糸外側(接液側)の洗浄を行った。
(1)温水(60〜70℃)を流量3L/minで5〜10分通液。
(2)酸洗浄液パンクリーナ(登録商標)MS−L(大三工業株式会社製、リン酸系)を1質量%に調整した洗浄液を60℃に加温し流量3L/minで20分通液。
(3)水洗を常温で20分。
(4)アルカリ洗浄液パンクリーナ(登録商標)CIP−2(大三工業株式会社製、水酸化ナトリウム系)を1質量%に調整した洗浄液を60℃に加温し流量3L/minで20分通液。
(5)水洗を常温で20分。
この洗浄後に脱気性能(洗浄後の溶存酸素除去率(%))を測定した。それぞれの溶存酸素除去率(%)の測定条件は水流量5L/min、水温25℃、気相側真空度2.7kPa(20Torr)である。結果を表1に示した。また、原液溶存酸素濃度は8.1mg/Lであった。表1にあるようにCIP洗浄に通常使用されるアルカリ洗浄液や酸洗浄液だけでは十分に膜が洗浄されずに膜に汚れが残存している。この汚れが脱気に対する抵抗となって性能が低下している。
【0029】
(比較例2)
上記比較例1において、酸洗浄液及びアルカリ洗浄液の濃度を2質量%にした以外は比較例1と同様に行った。結果を表1に示す。表1にあるようにCIP洗浄に通常使用されるアルカリ洗浄液や酸洗浄液だけでは十分に膜が洗浄されずに膜に汚れが残存している。この汚れが脱気に対する抵抗となって性能が低下している。
【0030】
【表1】

【0031】
以上のように実施例1〜3では洗浄後の脱気性能は初期性能に回復するが、比較例1、2では性能低下からの回復が不十分である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪又はタンパク質を1種類以上含む液体を脱気した中空糸脱気膜に、洗浄液を通液する中空糸脱気膜の洗浄方法であって、該洗浄液は界面活性剤が添加された水溶液であることを特徴とする中空糸脱気膜の洗浄方法。
【請求項2】
脂肪又はタンパク質を1種類以上含む液体を脱気した中空糸脱気膜を、洗浄液に浸漬する中空糸脱気膜の洗浄方法であって、該洗浄液は界面活性剤が添加された水溶液であることを特徴とする中空糸脱気膜の洗浄方法。
【請求項3】
食品用途で使用する中空糸脱気膜の洗浄方法であって、前記界面活性剤が食品用途に使用可能なノニオン系界面活性剤、又は、アニオン系界面活性剤である請求項1又は2記載の中空糸脱気膜の洗浄方法。
【請求項4】
前記中空糸脱気膜が、その表面、又は、その内部に細孔を有しない緻密層を有する、請求項1〜3のうちいずれか一項記載の中空糸脱気膜の洗浄方法。
【請求項5】
前記中空糸脱気膜がポリ(4−メチル−1−ペンテン)からなる、請求項1〜4のうちいずれか一項記載の中空糸脱気膜の洗浄方法。

【公開番号】特開2007−203187(P2007−203187A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−24784(P2006−24784)
【出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【出願人】(591134199)株式会社ポッカコーポレーション (31)
【出願人】(000002886)大日本インキ化学工業株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】