説明

中空糸膜フィルタのエアパージ用ろ過システムとそのエアパージ方法

【課題】高純度薬品をフィルタでろ過する際にマイクロバブルを効率的に低減し、ろ過システムを早期に立ち上げることが可能な中空糸膜フィルタのエアパージ用ろ過システム、及びそのエアパージ方法を提供する。
【解決手段】中空糸膜フィルタで液体をろ過するろ過システムにおいて、前記中空糸膜フィルタの1次側又は2次側に当該中空糸膜フィルタを減圧するための真空ポンプを配設し、通液初期に発生するマイクロバブルを効率的に低減することを特徴とする中空糸膜フィルタのエアパージ用ろ過システム、及び中空糸膜フィルタで液体をろ過する際に、予め真空ポンプで当該中空糸膜フィルタを減圧にした後、液体を前記中空膜フィルタに供給してろ過することを特徴とする中空糸膜フィルタのエアパージ方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空糸膜フィルタのエアパージ用ろ過システム、及び中空糸膜フィルタのろ過システムにおけるエアパージ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体分野における微細化技術の進歩に伴い、その製造工程で使用されるフォトレジスト、洗浄液、超純水等の高純度薬品は極めて高い清浄度が要求されている。そのため、高純度薬品中に不純物として含まれる微粒子及びゲルをフィルタでろ過することが行われている。
【0003】
フィルタは微粒子及びゲルを効果的に除去できる反面、液体をろ過する際に、フィルタのろ過媒体である分離膜中に存在するエアが液体に気液混合され、マイクロバブルを生成することが知られている。
【0004】
マイクロバブルは、微粒子及びゲルと同様に半導体製品の歩留まり及び信頼性に悪影響を与える。フォトレジストを例に取ると、フォトレジスト中にマイクロバブルが存在すると、フォトレジストをウェーハに塗布した際の塗膜にそれを起点とする欠陥が発生し、後工程の歩留まりに大きく影響する。
【0005】
マイクロバブルは、微粒子及びゲルと同様にパーティクルカウンタで計測することができるので、高純度薬品をろ過するろ過装置では、パーティクルカウンタを用いて、液体に含まれる微粒子及びマイクロバブル等の不純物の単位容積当たりの個数を計測している。
【0006】
例えば、図5に示すろ過装置1で高純度薬品をろ過する際には、装置の立ち上げ操作として、液体タンク2に貯留された液体Lを供給ポンプ3によりフィルタ4に供給するとともに、排気口5の第3弁9を開いてフィルタ4内の空気を排出し、空気が排出された後に排気口5の第3弁9を閉じ、液体Lをフィルタ4に長時間循環させるか、又は多量通液させる。このとき、第4弁10は閉じられているので、ろ過流路11を通って液体タンク2へ戻る液体L中の微粒子数をパーティクルカウンタ6で計測している。
【0007】
一般に、ろ過装置には、中空糸膜フィルタ及び平膜プリーツフィルタが使用されるが、中空糸膜フィルタは、平膜プリーツフィルタに比べるとサポート及びコア等の支持体が不要なので集積度及び容積効率が高く、また、デッドスペースが少ないために液ロスが低減でき、さらには、ろ過面積が大きいために高流量、低圧損でかつ長寿命であるという優れた特徴を有しているため、特に高純度薬品や超純水のろ過に用いられている。
【0008】
電子工業用薬品をフィルタでろ過する際に液体中のマイクロバブルの発生を低減する方法としては、特許文献1に、予め電子工業用薬品の温度を下げた後にフィルタでろ過し、マイクロバブルの発生を低減する電子工業用薬品中の微粒子除去方法が提案されている。
【0009】
また、特許文献2には、液体中のマイクロバブルによる微粒子計測への影響を低減した液中微粒子計測システムとして、液中微粒子計測センサーに先立って気層部を減圧し、液体中の脱気をする装置及び液温を調節するサーモコントローラを取り付けた液中微粒子計測システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−5546号公報
【特許文献2】特開昭61-181939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、中空糸膜フィルタを使用して高純度薬品や超純水をろ過した場合には、エアの抜け道はポッティング側にしかなく、また中空糸膜内の管路抵抗が大きく、かつ膜面積が大きいために、フィルタが均一に濡れるまでには時間がかかる。その結果、ろ過装置の立ち上げに要する時間が、平膜プリーツフィルタを使用した場合より長くなる問題がある。
【0012】
一方、特許文献1に記載された微粒子除去方法は、電子工業用薬品の温度を下げるための冷却装置が必要であり、装置が大型化して高価になるとともに、電子工業用薬品を冷却するためのエネルギーが必要であるために運用コストがかさむ問題がある。
【0013】
特許文献2に記載された液中微粒子計測システムは、液体の温度を下げるためのサーモコントローラが必要なため、装置が複雑化するとともに、温調するためのエネルギーが必要であり経済的でない。また、脱気するための装置として純水精製装置で用いる真空脱気装置等が用いられているので、装置が複雑化、大型化し、取得価格がかさむという問題がある。
【0014】
本発明は、上記の課題点を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、高純度薬品をフィルタでろ過する際にマイクロバブルを効率的に低減し、ろ過システムを早期に立ち上げることが可能な中空糸膜フィルタのエアパージ用ろ過システム、及びそのエアパージ方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、中空糸膜フィルタで液体をろ過するろ過システムにおいて、前記中空糸膜フィルタの1次側又は2次側に当該中空糸膜フィルタを減圧するための真空ポンプを配設し、通液初期に発生するマイクロバブルを効率的に低減することを特徴とする中空糸膜フィルタのエアパージ用ろ過システムである。
【0016】
請求項2に係る発明は、中空糸膜フィルタの2次側に設けたろ過流路の途中にパーティクルカウンタを設けた中空糸膜フィルタのエアパージ用ろ過システムである。
【0017】
請求項3に係る発明は、中空糸膜フィルタで液体をろ過する際に、予め真空ポンプで当該中空糸膜フィルタを減圧にした後、液体を前記中空糸膜フィルタに供給してろ過することを特徴とする中空糸膜フィルタのエアパージ方法である。
【0018】
請求項4に係る発明は、タンク内の液体を中空糸膜フィルタの1次側に供給する供給ポンプと、前記中空糸膜フィルタの1次側の流入流路に設けた第1開閉弁と、前記中空糸膜フィルタの2次側のろ過流路に設けた第2開閉弁と、前記中空糸膜フィルタの1次側又は2次側に第3開閉弁を介して真空ポンプを配設し、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁を閉じた状態で前記第3開閉弁を開き、前記真空ポンプを起動して前記中空糸膜フィルタ内のエアを排出して減圧し、次いで、前記供給ポンプを起動し、かつ、前記第1開閉弁を徐々に開き、前記中空糸膜フィルタ内に液体が満たされた後に前記第3開閉弁を閉じ、かつ、前記真空ポンプを停止させるとともに、前記第2開閉弁を開いて前記流入流路より液体をろ過することにより、前記中空糸膜フィルタ内のエアパージを行うようにした中空糸膜フィルタのエアパージ方法である。
【0019】
請求項5に係る発明は、第2開閉弁を設けた前記ろ過流路の途中にパーティクルカウンタを設けた中空糸膜フィルタのエアパージ方法である。
【0020】
請求項6に係る発明は、中空糸膜フィルタで液体をろ過する際に、前記中空糸膜フィルタに液体を供給し充填した後に、真空ポンプで前記中空糸膜フィルタ内を減圧し、その後に液体を前記中空糸膜フィルタでろ過することを特徴とする中空糸膜フィルタのエアパージ方法である。
【0021】
請求項7に係る発明は、タンク内の液体を中空糸膜フィルタの1次側に供給する供給ポンプと、前記中空糸膜フィルタの1次側の流入流路に設けた第1開閉弁と、前記中空糸膜フィルタの2次側のろ過流路に設けた第2開閉弁と、前記中空糸膜フィルタの1次側又は2次側に第3開閉弁を介して真空ポンプを配設し、前記第1開閉弁と前記第2開閉弁を開け、かつ、前記第3開閉弁を閉じた状態で、前記供給ポンプを起動して前記中空糸膜フィルタ内に液体を供給し、前記中空糸膜フィルタ内に液体が満たされた後に前記第1開閉弁と前記第2開閉弁を閉じ、かつ、前記第3開閉弁を開けて前記真空ポンプを起動して前記中空糸膜フィルタ内のエアを排出して減圧状態にし、次いで、前記第3開閉弁を閉じ、かつ、前記真空ポンプを停止させるとともに、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を開いて前記流入流路より液体をろ過することにより、前記中空糸膜フィルタ内のエアパージを行うようにした中空糸膜フィルタのエアパージ方法である。
【0022】
請求項8に係る発明は、ろ過流路の途中にパーティクルカウンタを設けた中空糸膜フィルタのエアパージ方法である。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に係る発明によると、中空糸膜フィルタ内を当該中空糸膜フィルタの1次側又は2次側に設けた真空ポンプにより減圧することができるので、通液初期に気液混合により生じるマイクロバブルを効率的に低減させることができ、ろ過システムを早期に立ち上げることができる。
【0024】
また、エアパージ用ろ過システムに冷却装置、調温装置等を使用する必要がないため、当該システムを小型化、簡単化することができ、価格を安くすることができる。さらに、当該システムの運転にあたっては、冷却装置、調温装置等を作動させるエネルギーも不要であり、経済的価値は極めて大きい。
【0025】
請求項2に係る発明によると、中空糸膜フィルタでろ過した液体に含まれるマイクロバブルの数をパーティクルカウンタにより定量的に計測し、エアパージの状態を正確に把握することができる。
【0026】
請求項3に係る発明によると、中空糸膜フィルタの分離膜中に存在するエアを真空ポンプにより排出した後に液体を供給してろ過するので、通液初期に中空糸膜フィルタ内のエアと液体との気液混合により生じるマイクロバブルを効率的に低減させ、当該フィルタのエアパージに要する時間を大幅に短縮することができる。このため、中空糸膜フィルタを使用したろ過装置の立上げに要する時間が大幅に短縮され、当該ろ過装置でろ過した液体を使用する半導体製造装置の稼働率を向上させ、生産性を上げることができる。
【0027】
請求項4に係る発明によると、中空糸膜フィルタの分離膜中に存在するエアを真空ポンプにより排出した後に液体を供給してろ過するので、通液初期に中空糸膜フィルタ内のエアと液体との気液混合により生じるマイクロバブルを効率的に低減させ、当該フィルタのエアパージに要する時間を大幅に短縮することができる。
【0028】
請求項5に係る発明によると、中空糸膜フィルタでろ過した液体に含まれるマイクロバブルの数をパーティクルカウンタにより定量的に計測できるので、エアパージを終了し、半導体製造装置にろ過済みの液体を供給可能になる時点を正確に判断することができる。
【0029】
請求項6に係る発明によると、中空糸膜フィルタに液体を供給、充填した後に中空糸膜フィルタの分離膜中に存在するエアを真空ポンプにより吸引して排出するので、通液初期に中空糸膜フィルタ内のエアと液体との気液混合により生じるマイクロバルブの発生を低減させ、当該フィルタのエアパージに要する時間を大幅に短縮することができる。このため、中空糸膜フィルタを使用したろ過装置の立上げに要する時間が大幅に短縮され、当該ろ過装置でろ過した液体を使用する半導体製造装置の稼働率を向上させ、生産性を上げることができる。
【0030】
請求項7に係る発明によると、中空糸膜フィルタに液体を供給、充填した後に中空糸膜フィルタの分離膜中に存在するエアを真空ポンプにより吸引して排出するので、通液初期に中空糸膜フィルタ内のエアと液体との気液混合により生じるマイクロバルブの発生を低減させ、当該フィルタのエアパージに要する時間を大幅に短縮することができる。
【0031】
請求項8に係る発明によると、中空糸膜フィルタでろ過した液体に含まれるマイクロバブルの数をパーティクルカウンタにより定量的に計測できるので、エアパージを終了し、半導体製造装置にろ過済みの液体を供給可能になる時点を正確に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明における中空糸膜フィルタのエアパージ用ろ過システムの一実施形態を示す概念図である。
【図2】図1の中空糸膜フィルタのエアパージ用ろ過システムでエアパージする中空糸膜フィルタの一部切欠き拡大断面図である。
【図3】本発明における中空糸膜フィルタのエアパージ用ろ過システムの他の実施形態を示す概念図である。
【図4】通液時間−マイクロバブル数を示すグラフである。
【図5】従来のろ過装置を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明における中空糸膜フィルタのエアパージ用ろ過システム(以下、「本システム」という。)の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本システムの一実施形態を示す概念図であり、図2は図1の本システムによりエアパージする中空糸膜フィルタの一部切欠き拡大断面図である。
【0034】
図1に示すように、本システム21は、液体(高純度薬品)タンク22と、供給ポンプ23と、中空糸膜フィルタ24と、真空ポンプ25と、パーティクルカウンタ26とを備えている。
【0035】
液体タンク22内には液体(高純度薬品)Lが貯えられており、液体タンク22と液体タンク22内の液体Lを中空糸膜フィルタ24の1次側に供給する供給ポンプ23とは、搬送流路27を介して接続されている。
【0036】
供給ポンプ23と中空糸膜フィルタ24の1次側とは、流入流路28により接続され、流入流路28には、液体Lの中空糸膜フィルタ24への供給を制御する第1開閉弁29が設けられている。
【0037】
中空糸膜フィルタ24の2次側には、ろ過された液体Lを中空糸膜フィルタ24から流出させるためのろ過流路30が接続されており、ろ過流路30には中空糸膜フィルタ24からの液体Lの流出を制御するための第2開閉弁31が設けられている。
【0038】
中空糸膜フィルタ24の1次側と中空糸膜フィルタ24内を減圧するための真空ポンプ25とは、排気流路32を介して接続されており、排気流路32には中空糸膜フィルタ24からの排気を制御する第3開閉弁33が設けられている。
【0039】
排気流路32の中空糸膜フィルタ24の1次側と第3開閉弁33との間に分岐部34を設け、還流流路35を分岐させている。還流流路35は液体タンク22へと延伸され、排気流路32に流入した液体Lを液体タンク22に還流させるために使用される。還流流路35には、液体Lの液体タンク22への還流を制御する第4開閉弁36を設けている。なお、この第4開閉弁36は通常は閉止されている。
【0040】
第2開閉弁31の下流側に分岐部37を設け、ろ過流路30を供給流路38と循環流路39とに分岐させている。供給流路38には、中空糸膜フィルタ24でろ過された液体Lの供給を制御する第5開閉弁40が設けられている。循環流路39は液体タンク22へと延伸され、途中に循環を制御する第6開閉弁41が設けられ、液体Lを中空糸膜フィルタ24で循環ろ過する際に、液体Lを液体タンク22に戻すために使用される。
【0041】
ろ過流路30の途中に分岐部42を設け、計測流路43を分岐させている。計測流路43は、ろ過される液体Lに含まれるマイクロバブルを計測するパーティクルカウンタ26に接続されている。
【0042】
ここで、本システム21に使用されている中空糸膜フィルタ24の構造について簡単に説明する。
図2に示すように、中空糸膜44は複数結束されて、キャップ45、46とケーシング47とで構成されるケーシング本体48内に収容されている。この状態で結束端部49が封止されてポッティング部50が設けられている。これにより、中空糸膜44がポッティング部50により封止された状態でケーシング本体48内に内蔵され、中空糸膜フィルタ24を構成している。
【0043】
キャップ45には、液体Lを中空糸膜フィルタ24内に流入させるための流入口51、及び中空糸膜フィルタ24内のエアを外部に排出して中空糸膜フィルタ24内部を減圧するための排気口52が設けられている。また、キャップ46には、ろ過された液体Lを中空糸膜フィルタ24外に流出させる流出口53が設けられている。
【0044】
図1に示す本システム21では、真空ポンプ25を中空糸膜フィルタ24の一次側に接続しているが、真空ポンプ25を中空糸膜フィルタ24に接続する目的は、中空糸膜フィルタ24内のエアを排出し、中空糸膜フィルタ内を減圧することである。このため、真空ポンプ25は、中空糸膜フィルタ24の一次側又は二次側のどちら側に接続しても構わない。
【0045】
次に、真空ポンプを中空糸膜フィルタの2次側に接続して構成した他の実施形態を説明する。
図3に示す他のシステム61は、液体(高純度薬品)タンク62と、供給ポンプ63と、中空糸膜フィルタ64と、真空ポンプ65と、パーティクルカウンタ66とを備えている。
【0046】
液体タンク62内には液体(高純度薬品)Lが貯えられており、液体タンク62と液体タンク62内の液体Lを中空糸膜フィルタ64の1次側に供給する供給ポンプ63とは、搬送流路67を介して接続されている。
【0047】
供給ポンプ63と中空糸膜フィルタ64の1次側とは、流入流路68により接続され、流入流路68には、液体Lの中空糸膜フィルタ64への供給を制御する第1開閉弁69が設けられている。
【0048】
中空糸膜フィルタ64の2次側には、ろ過された液体Lを中空糸膜フィルタ64から流出させるためのろ過流路70が接続されており、ろ過流路70には中空糸膜フィルタ64からの液体Lの流出を制御するための第2開閉弁71が設けられている。
【0049】
ろ過流路70の中空糸膜フィルタ64の2次側と第2開閉弁71との間には、分岐部72が設けられ、分岐部72と中空糸膜フィルタ64内を減圧するための真空ポンプ65とは、排気流路73により接続されており、排気流路73には中空糸膜フィルタ64からの排気を制御する第3開閉弁74が設けられている。
【0050】
ろ過流路70の第2開閉弁71の下流側に分岐部75を設け、ろ過流路70を供給流路76と循環流路77とに分岐させている。供給流路76には、中空糸膜フィルタ64でろ過された液体Lの供給を制御する第5開閉弁78が設けられている。循環流路77は液体タンク62へと延伸され、途中に循環を制御する第6開閉弁79が設けられ、液体Lを中空糸膜フィルタ64で循環ろ過する際に、液体Lを液体タンク62へ戻すために使用される。
【0051】
ろ過流路70の第2開閉弁71と分岐部75の間に分岐部80を設け、計測流路81を分岐させている。計測流路81は、ろ過される液体Lに含まれるマイクロバブルを計測するパーティクルカウンタ66に接続されている。
【0052】
なお、中空糸膜フィルタ64の1次側に管路82を接続し、管路82には第4開閉弁83を設けているが、本形態ではこの管路82を使用しないので、第4開閉弁83は常時閉止されている。
【0053】
本システム21及び他のシステム61が使用されるろ過装置が処理する高純度薬品としては、主に半導体、液晶等の電子工業分野で使用されるフォトレジスト、現像液、洗浄液、剥離液、エッチング液等が挙げられる。具体的な薬品としては、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、アセトン、N-メチル-2-ピロリジノン、γ-ブチロラクトン、メタノール、2-プロパノール、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、水酸化ナトリウム、アンモニア水、超純水等の単体又は混合物、又はこれらに特定の樹脂又は添加剤が溶解された溶液である。
【0054】
このため、本システム21及び他のシステム61に使用される液体タンク、流路を構成する管、開閉弁の素材には、耐薬品性が高く、低溶出であることが求められるが、これらの条件を満たすものであれば、特に素材を限定するものではない。
【0055】
供給ポンプ23、63は、耐薬品性が高く、供給する液体Lの清浄度を害しないものであれば特に限定しないが、接液部に回転部または摺動部のないダイアフラムポンプ、ベローズポンプ、チューブポンプが特に好ましい。
【0056】
中空糸膜フィルタ24、64は、高純度薬品に対する清浄度の要求より、フィルタのろ過精度は0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下であることが求められる。このため、フィルタ孔径を微細化しても流量低下を少なく抑えることができる中空糸膜44を用いている。この中空糸膜44の素材としては、耐薬品性に優れるフッ素樹脂、ポリオレフィン、ナイロン等が適している。
【0057】
真空ポンプ25、65は、中空糸膜フィルタ24、64内のエアを排出して減圧できるものならば、特に限定しない。例えば、ロータリーポンプ、ダイアフラムポンプ、スクロールポンプ、液封式ポンプ、アスピレータ等が用いられる。本発明の本システム11は半導体クリーンルーム内で使用される場合があることから、油や液体を使用せず、半導体の製造工程を汚染しないドライ真空ポンプが好ましい。
【0058】
パーティクルカウンタ26、66は、高純度薬品に対する清浄度の要求レベルを満足するものであれば特に限定はないが、検出精度として0.2μm以下が好ましく、0.05μm以下がさらに好ましい。
【0059】
続いて、本システム21及び他のシステム61により、中空糸膜フィルタ24、64のエアパージを短時間で行うエアパージ方法を説明する。この方法は、中空糸膜フィルタ24、64内のエアを排気した後、液体Lを循環ろ過してエアパージする方法である。
【0060】
先ず、本システム21による場合を説明する。第1開閉弁29、第2開閉弁31及び第4開閉弁36を閉じた状態で、第3開閉弁33を開き、真空ポンプ25を起動して、中空フィルタ24内のエアを排出する。
【0061】
中空膜フィルタ24内が所期の圧力に減圧された後に供給ポンプ23を起動し、第1開閉弁29を徐々に開き、液体タンク22に貯えられている液体Lを中空糸膜フィルタ24に供給する。中空糸膜フィルタ24内に液体Lが満たされた後、第3開閉弁33を閉じるとともに真空ポンプ25を停止し、第2開閉弁31を開き、液体Lの循環ろ過を開始する。
【0062】
パーティクルカウンタ26でろ過された液体Lに含まれる微粒子数を計数し、微粒子数が基準値以下になるまで液体Lの循環ろ過を継続する。パーティクルカウンタ26で計数した液体L中の微粒子数が基準値以下になれば中空膜フィルタ24のエアパージは完了したので、ろ過された液体Lの全部又は一部を必要に応じて第5開閉弁40を介して供給する。
【0063】
次に、他のシステム61による場合を説明する。第1開閉弁69、第2開閉弁71及び第4開閉弁83を閉じた状態で、第3開閉弁74を開き、真空ポンプ65を起動して、中空フィルタ64内のエアを排出する。
【0064】
中空膜フィルタ64内が所期の圧力に減圧された後に供給ポンプ63を起動し、第1開閉弁69を徐々に開き、液体タンク62に貯えられている液体Lを中空糸膜フィルタ64に供給する。中空糸膜フィルタ64内に液体Lが満たされた後、第3開閉弁74を閉じるとともに真空ポンプ65を停止し、第2開閉弁71を開き、液体Lの循環ろ過を開始する。
【0065】
パーティクルカウンタ66でろ過された液体Lに含まれる微粒子数を計数し、微粒子数が基準値以下になるまで液体Lの循環ろ過を継続する。パーティクルカウンタ66で計数した液体L中の微粒子数が基準値以下になれば中空膜フィルタ64のエアパージは完了したので、ろ過された液体Lの全部又は一部を必要に応じて第5開閉弁78を介して供給する。
【0066】
次いで、本システム21及び他のシステム61で、中空糸膜フィルタ24、64のエアパージを短時間で行う他のエアパージ方法を説明する。この方法は、中空糸膜フィルタ24、64内に液体Lを満たした後に中空糸膜フィルタ24、64内のエアを排気し、その後、液体Lを循環ろ過して中空糸膜フィルタ24、64のエアパージする方法である。
【0067】
先ず、本システム21による場合を説明する。第1開閉弁29及び第2開閉弁31を開き、第3開閉弁33及び第4開閉弁36を閉じた状態で供給ポンプ23を起動し、液体タンク22に貯えられている液体Lを中空糸膜フィルタ24に供給する。
【0068】
中空糸膜フィルタ24内が液体Lで満たされた後、第1開閉弁29及び第2開閉弁31を閉じ、第3開閉弁33を開くとともに真空ポンプ25を起動し、中空糸膜フィルタ24内のエアを排出し、中空糸膜フィルタ24内を減圧する。
【0069】
中空糸膜フィルタ24内が所期の圧力に減圧された後に、第3開閉弁33を閉じるとともに真空ポンプ25を停止し、第1開閉弁29及び第2開閉弁31を開き、液体Lをフィルタ24内に供給して、液体Lの循環ろ過を開始する。
【0070】
パーティクルカウンタ26でろ過された液体Lに含まれる微粒子数を計数し、微粒子数が基準値以下になるまで液体Lの循環ろ過を継続する。パーティクルカウンタ26で計数した液体L中の微粒子数が基準値以下になれば中空糸膜フィルタ24のエアパージは完了したので、ろ過された液体Lの全部又は一部を必要に応じて第5開閉弁40を介して供給する。
【0071】
次に、他のシステム61による場合を説明する。第1開閉弁69及び第2開閉弁71を開き、第3開閉弁74及び第4開閉弁83を閉じた状態で供給ポンプ63を起動し、液体タンク62に貯えられている液体Lを中空糸膜フィルタ64に供給する。
【0072】
中空糸膜フィルタ64内が液体Lで満たされた後、第1開閉弁69及び第2開閉弁71を閉じ、第3開閉弁74を開くとともに真空ポンプ65を起動し、中空糸膜フィルタ64内のエアを排出し、中空糸膜フィルタ64内を減圧する。
【0073】
中空糸膜フィルタ64内が所期の圧力に減圧された後に、第3開閉弁74を閉じるとともに真空ポンプ65を停止し、第1開閉弁69及び第2開閉弁71を開き、液体Lをフィルタ64内に供給して、液体Lの循環ろ過を開始する。
【0074】
パーティクルカウンタ66でろ過された液体Lに含まれる微粒子数を計数し、微粒子数が基準値以下になるまで液体Lの循環ろ過を継続する。パーティクルカウンタ66で計数した液体L中の微粒子数が基準値以下になれば中空糸膜フィルタ64のエアパージは完了したので、ろ過された液体Lの全部又は一部を必要に応じて第5開閉弁78を介して供給する。
【0075】
以上で述べた二つのエアパージ方法の何れかの方法により、本システム21又は他のシステム61を用いて中空糸膜フィルタ24、64のエアパージを行うと、立ち上げ時におけるマイクロバブルの発生を効率的に低減させることができ、中空糸膜フィルタを用いたろ過装置の立ち上げ時間を大幅に短縮することができる。
【実施例】
【0076】
以下に、本発明における図1に示した本システム21及び図3に示した他のシステム61と、図5に示した従来のろ過装置でエアパージ性能をそれぞれ測定し、その結果を比較した。
【0077】
本システム21と他のシステム61との相違点は、本システム21は真空ポンプを中空糸膜フィルタの1次側に接続しているのに対し、他のシステム61は真空ポンプを中空糸膜フィルタの2次側に接続している点である。
【0078】
また、本システム21及び他のシステム61と、従来のろ過装置との相違点は、本システム21及び他のシステム61は、中空糸膜フィルタ内のエアを排気する真空ポンプを含む構成のシステムであるのに対し、従来のろ過装置は真空ポンプを含まない点にある。
【0079】
本システム21、他のシステム61及び従来のろ過装置は、真空ポンプを除き、同一の構成品を用いて構成している。フィルタとしてポリエチレン中空糸膜フィルタ(株式会社キッツマイクロフィルター製ポリフィックスPE(商品名)、公称孔径5nm、ろ過面積0.35m)を、真空ポンプとしてダイヤフラム型ドライ真空ポンプ(アルバック機工株式会社製DAP−6D)を、パーティクルカウンタとして液中パーティクルセンサ(リオン株式会社製KS−41A)を使用した。また、ろ過対象の高純度薬品としては、2-プロパノール(電子工業グレード)を使用した。
【実施例1】
【0080】
本システム21を用い、中空糸膜フィルタ24内のエアを排気した後に液体Lを循環ろ過し、液体L中に含まれる微粒子数を計測した。
具体的には、第1開閉弁29、第2開閉弁31及び第4開閉弁36を閉じた状態で第3開閉弁33を開き、真空ポンプ25を起動して中空糸膜フィルタ24内のエアを排出し、中空糸膜フィルタ24内を300Torrに減圧した。次に、供給ポンプ23を起動し、第1開閉弁29を徐々に開き、液体タンク22内の2-プロパノールを中空糸膜フィルタ24に供給圧力40kPaで供給した。中空糸膜フィルタ24内に2-プロパノールが満たされたことを確認した後、第3開閉弁33を閉じ、真空ポンプ25を停止した。その後、第2開閉弁31を開き、2-プロパノールを循環ろ過した。ろ過された2-プロパノールの一部をパーティクルカウンタ26に供給し、大きさが0.2μm以上のマイクロバブルの数を計数した。
【実施例2】
【0081】
本システム21を用い、中空糸膜フィルタ24内に液体Lを満たした後に中空糸膜フィルタ24内のエアを排気し、その後、液体Lを循環ろ過し、ろ過した液体L中に含まれる微粒子数を計測した。
具体的には、第1開閉弁29及び第2開閉弁31を開き、第3開閉弁33及び第4開閉弁36を閉じた状態で供給ポンプ23を起動し、2-プロパノールを中空糸膜フィルタ24に供給圧力40kPaで供給し、中空糸膜フィルタ24内に2-プロパノールを満たした。第1開閉弁29及び第2開閉弁31を閉じ、第3開閉弁33を開き、真空ポンプ25を起動して中空糸膜フィルタ24内のエアを排出し、中空糸膜フィルタ24内を300Torrに減圧した。次に、第3開閉弁33を閉じ、真空ポンプ25を停止した。その後、第1開閉弁29及び第2開閉弁31を開き、2-プロパノールを循環ろ過した。ろ過された2-プロパノールの一部をパーティクルカウンタ26に供給し、大きさが0.2μm以上のマイクロバブルの数を計数した。
【実施例3】
【0082】
他のシステム61を用い、中空糸膜フィルタ64内に液体Lを満たした後に中空糸膜フィルタ64内のエアを排気し、その後、液体Lを循環ろ過し、ろ過した液体L中に含まれる微粒子数を計測した。
具体的には、第1開閉弁69及び第2開閉弁71を開き、第3開閉弁74及び第4開閉弁83を閉じた状態で供給ポンプ63を起動し、2-プロパノールを中空糸膜フィルタ64に供給圧力40kPaで供給し、中空糸膜フィルタ64内に2-プロパノールを満たした。第1開閉弁69及び第2開閉弁71を閉じ、第3開閉弁74を開き、真空ポンプ65を起動して中空糸膜フィルタ64内のエアを排出し、中空糸膜フィルタ64内を300Torrに減圧した。次に、第3開閉弁74を閉じ、真空ポンプ65を停止した。その後、第1開閉弁69及び第2開閉弁71を開き、2-プロパノールを循環ろ過した。ろ過された2-プロパノールの一部をパーティクルカウンタ66に供給し、大きさが0.2μm以上のマイクロバブルの数を計数した。
【0083】
本発明における実施例1、実施例2及び実施例3のエアパージ効果を確認するため、比較例1として、図5に示す従来のろ過装置1を用いて、従来の運転方法により液体Lを循環ろ過し、ろ過した液体L中に含まれる微粒子の数を計測した。
具体的には、第1弁7を開き、第2弁8及び第3弁9を閉じ、供給ポンプ3を起動し、液体タンク2内の2-プロパノールを中空糸膜フィルタ4に供給圧力40kPaで供給し、中空糸膜フィルタ4内に2-プロパノールを満たした。次に、排気口5に接続された第3弁9を開き中空糸膜フィルタ4内のエア抜きした後、第3弁9を閉じ、第2弁8を開き、2-プロパノールを循環ろ過した。ろ過された2-プロパノールの一部をパーティクルカウンタ6に供給し、2-プロパノール中に残存する大きさが0.2μm以上のマイクロバブルの数を計数した。
【0084】
実施例1、実施例2、実施例3及び比較例1の計測結果のグラフを図4に示す。図4は、通液時間を横軸に、2-プロパノール中に残存するマイクロバブルの単位容量(ml)当たりの数を縦軸にとり、通液時間の経過による2-プロパノール中のマイクロバブルの減少状況を示したものである。
【0085】
図4より明らかな様に、実施例1、実施例2及び実施例3の残存マイクロバブルの減少傾向は略同じであり、また、比較例1のより著しく短時間で残存マイクロバブルの数が減少している。さらに、実施例1、実施例2及び実施例3では、通液時間4分の時点で残存マイクロバブルの数がゼロ個になっているのに対し、比較例1では通液時間10分が経過してもマイクロバブルが残存し続けている。
【0086】
以上より、中空糸膜フィルタ内を減圧するため、真空ポンプを中空糸膜フィルタの1次側又は2次側の何れの側に設けたエアパージシステムであっても、略同一の効果を得ることを確認した。また、これらのシステムの使用に当たり、中空糸膜フィルタ内のエアを排気した後に液体を循環ろ過するエアパージ方法であっても、中空糸膜フィルタ内に液体を満たした後に中空糸膜フィルタ内のエアを排気し、その後、液体を循環ろ過するエアパージ方法であっても、略同一の効果を得ることができることを確認した。
【0087】
さらには、本発明における中空糸膜フィルタのエアパージ用ろ過システムとエアパージ方法を使用すると、従来のろ過装置を用いた場合よりも、著しく短時間で中空糸膜フィルタのエアパージを行い得ることを確認した。
【0088】
半導体工業では、近年、10nm又は5nmと極めて高いろ過精度のフィルタが使用されるようになってきている。フィルタのろ過精度が高くなるに従い、マイクロバブルは抜けにくい傾向となっており、本発明はそのような高いろ過精度のフィルタのエアパージに対してより効果的であり、ろ過装置の立上げ時間の短縮による生産性の向上を通じ、その経済的価値は極めて大きい。
【符号の説明】
【0089】
21、61 中空糸膜フィルタのエアパージ用ろ過システム
22、62 液体タンク
23、63 供給ポンプ
24、64 中空糸膜フィルタ
25、65 真空ポンプ
26、66 パーティクルカウンタ
29、69 第1開閉弁
31、71 第2開閉弁
33、74 第3開閉弁
L 液体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空糸膜フィルタで液体をろ過するろ過システムにおいて、前記中空糸膜フィルタの1次側又は2次側に当該中空糸膜フィルタを減圧するための真空ポンプを配設し、通液初期に発生するマイクロバブルを効率的に低減することを特徴とする中空糸膜フィルタのエアパージ用ろ過システム。
【請求項2】
前記中空糸膜フィルタの2次側に設けたろ過流路の途中にパーティクルカウンタを設けた請求項1に記載の中空糸膜フィルタのエアパージ用ろ過システム。
【請求項3】
中空糸膜フィルタで液体をろ過する際に、予め真空ポンプで当該中空糸膜フィルタを減圧にした後、液体を前記中空糸膜フィルタに供給してろ過することを特徴とする中空糸膜フィルタのエアパージ方法。
【請求項4】
タンク内の液体を中空糸膜フィルタの1次側に供給する供給ポンプと、前記中空糸膜フィルタの1次側の流入流路に設けた第1開閉弁と、前記中空糸膜フィルタの2次側のろ過流路に設けた第2開閉弁と、前記中空糸膜フィルタの1次側又は2次側に第3開閉弁を介して真空ポンプを配設し、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁を閉じた状態で前記第3開閉弁を開き、前記真空ポンプを起動して前記中空糸膜フィルタ内のエアを排出して減圧し、次いで、前記供給ポンプを起動し、かつ、前記第1開閉弁を徐々に開き、前記中空糸膜フィルタ内に液体が満たされた後に前記第3開閉弁を閉じ、かつ、前記真空ポンプを停止させるとともに、前記第2開閉弁を開いて前記流入流路より液体をろ過することにより、前記中空糸膜フィルタ内のエアパージを行うようにした請求項3に記載の中空糸膜フィルタのエアパージ方法。
【請求項5】
前記第2開閉弁を設けた前記ろ過流路の途中にパーティクルカウンタを設けた請求項4に記載の中空糸膜フィルタのエアパージ方法。
【請求項6】
中空糸膜フィルタで液体をろ過する際に、前記中空糸膜フィルタに液体を供給し充填した後に、真空ポンプで前記中空糸膜フィルタ内を減圧し、その後に液体を前記中空糸膜フィルタでろ過することを特徴とする中空糸膜フィルタのエアパージ方法。
【請求項7】
タンク内の液体を中空糸膜フィルタの1次側に供給する供給ポンプと、前記中空糸膜フィルタの1次側の流入路に設けた第1開閉弁と、前記中空糸膜フィルタの2次側のろ過流路に設けた第2開閉弁と、前記中空糸膜フィルタの1次側又は2次側に第3開閉弁を介して真空ポンプを配設し、前記第1開閉弁と前記第2開閉弁を開け、かつ、前記第3開閉弁を閉じた状態で、前記供給ポンプを起動して前記中空糸膜フィルタ内に液体を供給し、前記中空糸膜フィルタ内に液体が満たされた後に前記第1開閉弁と前記第2開閉弁を閉じ、かつ、前記第3開閉弁を開けて前記真空ポンプを起動して前記中空糸膜フィルタ内のエアを排出して減圧状態にし、次いで、前記第3開閉弁を閉じ、かつ、前記真空ポンプを停止させるとともに、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を開いて前記流入流路より液体をろ過することにより、前記中空糸膜フィルタ内のエアパージを行うようにした請求項6に記載の中空糸膜フィルタのエアパージ方法。
【請求項8】
前記ろ過流路の途中にパーティクルカウンタを設けた請求項7に記載の中空糸膜フィルタのエアパージ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−223669(P2012−223669A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91098(P2011−91098)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(504253669)株式会社キッツマイクロフィルター (9)
【Fターム(参考)】