説明

中継装置、及び中継システム

【課題】視聴者が用いている機器に対して適切に映像データの中継を行うことができる中継装置、及び中継システムを提供する。
【解決手段】本発明のホームゲートウェイ2は、配信された映像データを複数の映像再生機器3〜6に中継する。ホームゲートウェイ2は、映像データを視聴するユーザを識別するためのアカウントを前記複数の映像再生機器のいずれかを介して受け付ける受付部29と、前記アカウントの受け付けに介在した映像再生機器に対して、前記アカウントに応じた中継制御を行う中継制御部23と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像サーバ等から配信される映像コンテンツをテレビ等に中継するための中継装置、及び中継システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ等のAV家電機器やパソコンを相互に接続することでホームネットワークを構築し、相互にデータや映像コンテンツ等を共有することが行われている(例えば、特許文献1参照)。このようなホームネットワークは、IP放送等の映像コンテンツをインターネットを介して取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−10084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ホームネットワークにおいては、外部からの通信回線を終端する終端装置に接続されるホームゲートウェイが、各機器側からの要求に応じて配信される映像コンテンツや、配信側の決定に基づいて配信される映像コンテンツ等を中継し、各機器に配信する。
【0005】
しかし、上記ホームネットワークでは、複数の視聴者が、種々の機器を用いてネットワークに接続して映像コンテンツ等の視聴を行うため、例えば、ある視聴者が、一のテレビで映像コンテンツを視聴していたが、一時的に視聴を中断し、他のテレビで続きを視聴しようとするといったことも考えられる。
上記の場合、通常、中継装置は、各機器ごとに割り当てられたアドレス等に基づいて、中継制御を行うので、視聴者に応じた中継制御を行うことができないという問題がある。
視聴者は、ホームネットワークに接続する複数の機器の内のいずれかを用いて映像コンテンツ等を視聴するが、中継装置は、どのような視聴者がその機器を用いて視聴しているのかを把握できない。このため、上記従来の中継装置は、視聴者が現に用いている映像再生機器に対して適切に中継制御を行うことができなかった。
元来放送はブロードキャスト的性質を有し、視聴者が個々の嗜好にあわせてコンテンツを選択していた。このため、配信側が能動的に視聴者やその視聴者の有する機器を選択するのに適していなかった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、視聴者が用いている機器に対して適切に映像データの中継を行うことができる中継装置、及び中継システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、複数の映像再生機器が接続されるとともに、配信された映像データを前記映像再生機器に中継する中継装置であって、前記映像データを視聴する視聴者を識別するための識別情報を前記複数の映像再生機器のいずれかを介して受け付ける受付部と、前記識別情報の受け付けに介在した映像再生機器に対して、前記識別情報に応じた中継制御を行う中継制御部と、を備えていることを特徴としている。
【0008】
上記のように構成された中継装置によれば、中継制御部が、識別情報の受け付けに介在した映像再生機器に対して、前記識別情報に応じた中継制御を行うので、視聴者が映像データの視聴に用いている映像再生機器を特定でき、特定した映像再生機器に対して、視聴者に応じた中継制御を行うことができる。この結果、視聴者が用いている映像再生機器に対して適切に映像データの中継を行うことができる。
【0009】
(2)(3)上記中継装置において、前記識別情報ごとの前記映像データの視聴に関する履歴情報が登録されたデータベースを記憶する記憶部をさらに備え、前記中継制御部は、前記データベースに登録された履歴情報に基づいて、前記識別情報に応じた中継制御を行うことが好ましい。
この場合、中継制御部は、履歴情報に基づいて、視聴者に応じて好適なコンテンツや、情報等をより適切に提供することができる。
さらに、前記中継制御部は、前記識別情報に応じた中継制御として、前記履歴情報に基づいて前記映像データについてのリジュームも行うことができる。
【0010】
(4)また、前記中継制御部は、前記視聴者に対して送信される、前記映像データ以外の通信データを受信し、前記識別情報の受け付けに介在した映像再生機器に、当該識別情報に対応する前記視聴者宛の前記通信データを中継するものであってもよい。
この場合、中継制御部は、映像データ以外の視聴者宛の通信データを、当該視聴者が用いている映像再生機器に対して中継するので、視聴者は、前記通信データを映像再生機器を介して確認することができ、利便性が向上する。
【0011】
(5)また、本発明は、複数の映像再生機器と、配信された映像データを前記複数の映像再生機器に中継する中継装置とを備えた中継システムであって、前記映像データを視聴する視聴者を識別するための識別情報を前記複数の映像再生機器のいずれかを介して受け付ける受付部と、前記識別情報の受け付けに介在した映像再生機器に対して、前記識別情報に応じた中継制御を行う中継制御部と、を備えていることを特徴としている。
【0012】
上記構成の中継システムによれば、上記中継装置と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、視聴者が用いている映像再生機器に対して適切に映像データの中継を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ホームネットワークの一例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るホームゲートウェイの構成を示すブロック図である。
【図3】受付部が、各機器の画面に表示させる入力画面の一例を示す図である。
【図4】記憶部に記憶されたユーザデータベースの一例を示す図である。
【図5】記憶部に記憶された機器データベースの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、ホームネットワークNの一例を示す図である。図1に示すように、ホームネットワークNは、例えば、ユーザの住宅H内に構築されており、図示しない終端装置を介してIP網等の通信ネットワーク1に接続されたホームゲートウェイ2を備えている。ホームゲートウェイ2(以下、HGW2ともいう)には、パソコン3や、フォトフレーム4、PDA(Personal Digital Assistant)5、テレビ6等が有線LAN又は無線LANによって通信可能に接続されており、これら各機器によって、ホームネットワークNは構成されている。
【0016】
HGW2は、通信ネットワーク1に接続するインターフェースを有する他、パソコン3やテレビ6等のホームネットワークNを構成する各機器が接続される有線LAN又は無線LANによるインターフェースを有しており、各機器の相互間通信を制御する機能を有するとともに、各機器が通信ネットワーク1を介して行う外部とのデータ通信に関して、プロトコル変換を行って中継する中継装置としての機能を有している。
【0017】
通信ネットワーク1には、地上デジタル放送、BSデジタル放送、VOD(Video On Demand)等の映像コンテンツに係る映像データを送信又は再送信する送信サーバ7や、同じく映像コンテンツに係る映像データを送信するCDN(Contents Delivery Network)8等が接続されている。なお、各種デジタル放送の映像コンテンツは通信ネットワーク1経由ではなく、HGW2に放送受信機を設けることで受信するようにしてもよい。
また、通信ネットワーク1には、DRM(Digital Rights Management)サーバ9や、各家庭の映像再生機器に対して広告コンテンツに係る広告映像データを配信する広告サーバ10、電子メールの配信を行うためのメールサーバ11、電話通信回線12も接続されている。
なお、ここで、広告映像データとは、広告を主目的として独立して配信される広告コンテンツのための映像データである。広告映像データによって表される広告コンテンツは、送信サーバ7やCDN8が配信する映像コンテンツの合間に表示されたり、前記映像コンテンツに重ねて表示されたりする。
【0018】
ユーザは、映像再生機器である、パソコン3や、フォトフレーム4、PDA5、テレビ6を用いて、送信サーバ7や、CDN8から配信される映像データを受信することで映像コンテンツを視聴することができる。
送信サーバ7や、CDN8が送信する映像データは、通信ネットワーク1を介してHGW2によって受信される。HGW2は、受信した映像データを中継し、各映像再生機器に対して送信する。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態に係るHGW2の構成を示すブロック図である。図2に示すように、HGW2は、通信ネットワーク1に接続するための第一IF部21と、ホームネットワークNの各機器に接続するための第二IF部22と、各種データの配信先の制御を行う中継制御部23とを備えている。
また、HGW2は、各種映像データを配信先の映像再生機器の再生可能な映像データの形式の映像データに変換する機能を有するトランスコーダ24と、DRMによる再生制限を解除する機能を有する制限解除部25とを備えている。
【0020】
また、HGW2は、映像データを視聴する視聴者であるユーザを識別するための識別情報としてのアカウントを受け付けるための受付部29と、ホームネットワークNの各機器それぞれの映像再生に関する属性を示す映像再生情報を取得する取得部26と、ユーザのアカウントが各種情報と関連付けて登録されているユーザデータベース27aや、取得部26が取得した映像再生情報を各機器ごとに対応付けた機器データベース27bを記憶する記憶部27とを備えている。
【0021】
受付部29は、ユーザのアカウントを受け付けるため、各機器の電源がオフ状態からオン状態になったことを検知する機能を有するとともに、各機器がオン状態になったことを検知すると、ユーザにアカウントを入力させるための入力画面を各機器の画面に表示させる機能を有している。
【0022】
図3は、受付部29が、各機器の画面に表示させる入力画面の一例を示す図である。図に示すように、入力画面40には、現に映像再生機器の画面の前にいるユーザに自らのアカウント及びパスワードを入力させるための入力欄41,42が設けられている。
ユーザがリモコン等を操作することで入力欄41,42に自らのアカウント及びパスワードを入力し、入力画面40上に設けられた「ログイン」ボタン43を操作すると、受付部29は、入力されたアカウント及びパスワードをHGW2に向けて送信させるように映像再生機器を制御する。このとき、受付部29は、アカウント及びパスワードとともに、当該アカウントを入力するのに用いられた映像再生機器のアドレス情報も取得する。
【0023】
受付部29は、ユーザのアカウントを受け付けると、記憶部27に記憶されたユーザデータベース27aを参照し、受け付けたアカウント及びパスワードが、ユーザデータベース27aに登録された情報と一致しているか否かを確認する。なお、この例ではアカウント及びパスワードを用いてユーザを識別している。しかしながら、指紋認証やその他の方法によりユーザを識別するようにしてもよい。また例えば登録ユーザに対応するアイコンを複数表示し、いずれかをユーザに選択させることで、ユーザを同定するようにしてもよい。
【0024】
図4は、記憶部27に記憶されたユーザデータベース27aの一例を示す図である。図4に示すように、ユーザデータベース27aは、各情報が各ユーザごとのアカウントが、各種情報と関連付けて登録されている。
アカウントが関連付けられている情報として、ユーザ名、パスワード、ログイン状況、ユーザ情報、履歴情報、及びリジューム情報が登録されている。よって、ユーザデータベース27aを用いることで、当該機器を使用としている。
【0025】
パスワードは、上述のアカウントの入力時に同時に入力を求める情報であり、ログインを求めるユーザが本人であるか否かを確認するための情報である。
ログイン状況は、各ユーザがいずれの機器を介してログインしているか否かを示す情報であり、各ユーザがログオンするために用いた機器名及び/又はそのアドレスが登録されている。
ユーザ情報としては、各ユーザの性別や、年齢、電子メールのアドレス、電話番号等が登録されている。
履歴情報は、各ユーザが過去に視聴した映像データ等の情報であり、「過去に再生した広告コンテンツの情報」、及び広告コンテンツ以外の「過去に再生した映像コンテンツの情報」それぞれについて、再生可能形式情報や、コンテンツの内容に関する情報が登録されている。
リジューム情報は、中継制御部23が各ユーザが直近に視聴した映像データに関するリジューム処理を実行するために必要な情報である。
【0026】
受付部29は、記憶部27に記憶されたユーザデータベース27aを参照し、受け付けたアカウント及びパスワードと、ユーザデータベース27aに登録されているアカウントとパスワードとが一致する場合に、当該アカウントのユーザのログインを許可する。
【0027】
取得部26は、各機器それぞれの再生可能形式情報を収集する。収集した情報は、記憶部27の機器データベース27bに登録される。
図5は、記憶部27に記憶された機器データベース27bの一例を示す図である。図5に示すように、機器データベース27bは、ホームネットワークNの各機器ごとに各情報が関連付けて登録されている。それぞれに割り当てられるアドレス情報ごとに対応付けられている。
【0028】
機器データベース27bには、機器の名称の他、各機器に割り当てられているIPアドレス等のアドレス情報や、再生可能形式情報が登録されている。
再生可能形式情報とは、各機器が再生可能な映像データのデータ形式(再生可能形式)を示す情報であり、図5に示すように、例えば、符号化方式(例えば、MPEG2)、ビットレート(例えば、12Mbps)、フレームレート(例えば、30fps)、解像度(例えば、1920×1080)、アスペクト比(例えば、16:9)、ストリームフォーマット(例えば、TS)といった情報が含まれている。
【0029】
なお、再生可能形式情報を構成する各情報は、各機器が再生可能な値の範囲、あるいは複数の形式で表されることがある。通常、映像を再生する機器は、再生可能形式において、許容範囲が設けられている場合があるからである。
【0030】
取得部26は、上記再生可能形式情報を取得するために、各機器それぞれに対して情報の送信を要求することもできるし、各機器が送信サーバ7やCDN8に対して送信する映像コンテンツの視聴を要求するための要求信号に、再生可能形式情報が含まれている場合には、前記要求信号から再生可能形式情報を取得することもできる。
さらに、取得部26は、送信サーバ7やCDN8から機器に向けて送信される映像データを取得し、解析することで、上記再生可能形式情報を取得することもできる。
取得部26は、各機器に送信される各情報を取得しつつ監視することで、再生可能形式情報を取得する。
【0031】
図2に戻って、中継制御部23は、通信ネットワーク1を介して送信サーバ7やCDN8から送信される映像データを受信し、所定の機器に配信されるように中継する機能を有している。
また、中継制御部23は、メールサーバ11や電話通信回線12からユーザに送信される映像データ以外の通信データとしての電子メールや、電話通信データに関する情報を受信し、宛先のユーザがログインしている機器に中継する機能も有している。
HGW2は、中継制御部23が中継する、電子メールや、電話通信データに関する情報を、当該ユーザが使用している映像再生機器の画面に表示する機能を有する通信データ処理部28をさらに備えている。
通信データ処理部28は、中継制御部23が受信し中継した電子メールや、電話通信データに関する情報を受け取ると、宛先のユーザがログインしている機器の画面に電子メールや電話を受信したことを報知する報知情報や、ユーザの操作に応じて当該電子メールの内容を画面に表示させる機能を有している。
【0032】
トランスコーダ24は、中継制御部23が中継する映像データを、中継先の機器の再生可能な映像データの形式に変換する。トランスコーダ24は、映像データ又は広告映像データが中継制御部23から与えられると、当該映像データ又は広告映像データの宛先となる機器の再生可能形式情報を記憶部27の機器データベースから取得し、取得した再生可能形式情報に基づいて映像データ又は広告映像データのデータ形式を変換する。
【0033】
制限解除部25は、上述したように、DRMによる再生制限を解除する機能を有している。制限解除部25は、例えば、ユーザがDRMによって再生制限されている映像コンテンツの視聴をする際、当該ユーザの操作に応じてDRMサーバ9から解除キーの送信を要求する。この解除キーは、上記映像コンテンツの再生制限を解除するためのデータである。
制限解除部25は、DRMサーバ9から送信される解除キーを受信すると、この解除キーを用いて上記映像コンテンツの再生制限を解除し、第二IF部22に出力する。
制限解除部25は、再生制限を解除する必要のない映像データや広告映像データが与えられると、これらデータについては、特に処理することなく第二IF部22に出力する。
【0034】
制限解除部25が出力した映像データ及び広告映像データは、第二IF部22を介して、宛先として設定された所定の機器それぞれに送信される。
【0035】
次に、本実施形態のHGW2による映像データの中継処理について説明する。
ここでは、あるユーザがテレビA(図1)を用いて映像データを視聴する場合における処理について説明する。
まず、ユーザがテレビAの電源をオン状態とすると、それを検出したHGW2の受付部29は、テレビAの画面に、入力画面40(図3)を表示させる。
ユーザが入力画面40に設けられた各入力欄に自らのアカウント及びパスワードを入力し、「ログイン」ボタン43を操作すると、受付部29は、入力されたアカウント及びパスワードを受け付け、ユーザデータベース27aに登録された情報と一致しているか否かを確認する。
【0036】
アカウント及びパスワードがユーザデータベース27aに登録されている情報と異なる場合には、受付部29は、このユーザのログインを拒否するとともに、当該ユーザを「ゲスト」として認識し、テレビAの視聴を許可する。ユーザデータベース27aには、「ゲスト」として認識されたユーザに対する特定の履歴情報やリジューム情報等は、登録されていないので、HGW2は、「ゲスト」として認識されたユーザに対しては、当該ユーザが希望する映像データを中継するサービスを提供することができるが、それ以外の後述するサービスを提供することができない。
【0037】
一方、アカウント及びパスワードがユーザデータベース27aに登録されている情報と一致する場合には、受付部29は、このユーザのログインを許可するとともに、当該ユーザが登録されたアカウントを有するユーザであることを認識し、テレビAの視聴を許可する。
また、このとき受付部29は、上述したように、アカウント及びパスワードとともに、当該アカウントを入力するのに用いられた映像再生機器のアドレス情報を取得する。受付部29は、取得した映像再生機器のアドレス情報を、ログインを許可したユーザのアカウントのログイン状況として、当該アカウントに関連付けてユーザデータベース27aに登録する。
これにより、HGW2は、ログインする際に入力されるアカウントによって、テレビAを視聴しているユーザを特定することができるので、当該ユーザに対して種々のサービスを提供することができる。
【0038】
このように、本実施形態のHGW2は、ユーザのアカウントをテレビAを介して受け付け、ユーザのアカウントの受け付けに介在したテレビAに対して、アカウントに応じた中継制御を行うことができる。これにより、ユーザが映像データの視聴に用いている映像再生機器を特定でき、特定した映像再生機器に対して、ユーザに応じた中継制御を行うことができる。この結果、ユーザが用いている映像再生機器に対して適切に映像データの中継を行うことができる。
【0039】
HGW2は、ログインしているユーザに対して、リジューム機能を提供することができる。例えば、当該ユーザが、テレビAを用いて、ある映像コンテンツを視聴しているときに、視聴を途中で終了した場合、中継制御部23は、ユーザデータベース27aに、当該映像コンテンツについてリジューム処理を実行するために必要なリジューム情報を、当該ユーザのアカウントに関連付けて登録する。
その後、当該ユーザが、テレビAとは異なる他のテレビCを介してログインしたとき、中継制御部23は、ユーザデータベース27a内に当該ユーザのアカウントに関連付けて登録されているリジューム情報を参照し、上記映像コンテンツの続きをテレビCに中継し、当該ユーザに視聴させることができる。
【0040】
また、HGW2のユーザデータベース27aには、各ユーザが過去に視聴した映像コンテンツや広告コンテンツに関する履歴情報が登録されているので、HGW2は、これら過去の視聴履歴(視聴中のコンテンツに関する情報を含んでもよい)から、ユーザが望むような映像コンテンツや、広告コンテンツに関する情報をユーザが用いている映像再生機器に表示させたり、ユーザが望むようなコンテンツを選択的に中継したりすることができる。さらに、ユーザデータベース27aには、ユーザ情報として、性別や年齢等も登録されているので、上記履歴情報に代えて又は加え、これらユーザ情報を用いることで、ユーザに応じたコンテンツや、情報等をより適切に提供することができる。
【0041】
このように、本実施形態のHGW2は、ユーザのアカウントごとの履歴情報や、ユーザ情報、リジューム情報が登録されたユーザデータベース27aを記憶する記憶部27を備えており、中継制御部23は、このユーザデータベース27aに登録された各情報に基づいて、ユーザに応じた中継制御を行うように構成されているので、ユーザに応じたコンテンツや、情報等をより適切に提供することができる。
【0042】
また、HGW2は、ログインしているユーザに対して、当該ユーザ宛ての電子メールや、電話通信データを受信すると、当該ユーザがログインしている映像再生機器の画面にユーザ宛ての電子メールや電話を受信したことを報知する報知情報や、ユーザの操作に応じて当該電子メールの内容を画面に表示することができる。
例えば、当該ユーザが、テレビAを用いて、ある映像コンテンツを視聴しているときに、このユーザ宛ての電子メールをHGW2が受信した場合、中継制御部23は、記憶部27のユーザデータベース27aを参照し、受信した電子メールのメールアドレスがユーザ登録されているか否かを確認し、登録されている場合には、そのユーザのログイン状況を確認する。
【0043】
この場合、ユーザは、テレビAを用いて映像コンテンツを視聴しているので、テレビAを介してログインしている。よって、HGW2は、テレビAの画面に、電子メールの受信を報知するための情報を表示させる。
さらに、HGW2は、ユーザの操作に応じて、受信した電子メールの内容をテレビAの画面に表示させることもできる。
これによって、ユーザは、現に映像コンテンツの視聴に用いているテレビAによって、電子メールの受信、及びその内容について、確認することができる。
また、他のユーザと共通の番号、例えば家庭の固定IP電話の番号に電話の着信があった場合、その発呼側の電話番号と予め関連付けられたユーザを特定し、当該ユーザ宛に電話があったことをそのユーザがログインしている映像再生機器の画面に報知することができる。
【0044】
上記のように、本実施形態のHGW2は、ユーザに対して送信される、映像データ以外の電子メールや、電話通信等の通信データを受信し、アカウントの受け付けに介在した映像再生機器に、アカウントに対応するユーザ宛の前記通信データを中継するので、ユーザは、前記通信データを映像再生機器を介して確認することができ、利便性が向上する。
【0045】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることはない。例えば、HGW2が、映像データを記憶するためのデータ記憶部と、ログインしているユーザによる各映像再生機器からの所定のコンテンツについての録画予約要求を受信し前記データ記憶部に前記所定のコンテンツに係る映像データを記憶させる録画処理部とを備えていてもよい。
この場合、各映像再生機器は、HGW2によって一元的に予約録画を行うことができ、ユーザは、各映像再生機器のいずれによっても、自己が録画した映像コンテンツを視聴することができる。
【0046】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0047】
2 ホームゲートウェイ(中継装置)
3 パソコン
4 フォトフレーム
5 PDA
6 テレビ
23 中継制御部
27 記憶部
27a ユーザデータベース
29 受付部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の映像再生機器が接続されるとともに、配信された映像データを前記映像再生機器に中継する中継装置であって、
前記映像データを視聴する視聴者を識別するための識別情報を前記複数の映像再生機器のいずれかを介して受け付ける受付部と、
前記識別情報の受け付けに介在した映像再生機器に対して、前記識別情報に応じた中継制御を行う中継制御部と、を備えていることを特徴とする中継装置。
【請求項2】
前記識別情報ごとの前記映像データの視聴に関する履歴情報が登録されたデータベースを記憶する記憶部をさらに備え、
前記中継制御部は、前記データベースに登録された履歴情報に基づいて、前記識別情報に応じた中継制御を行う請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
前記中継制御部は、前記識別情報に応じた中継制御として、前記履歴情報に基づいて前記映像データについてのリジュームを行う請求項2に記載の中継装置。
【請求項4】
前記中継制御部は、前記視聴者に対して送信される、前記映像データ以外の通信データを受信し、前記識別情報の受け付けに介在した映像再生機器に、当該識別情報に対応する前記視聴者宛の前記通信データを中継する請求項1〜3に記載の中継装置。
【請求項5】
複数の映像再生機器と、配信された映像データを前記複数の映像再生機器に中継する中継装置とを備えた中継システムであって、
前記映像データを視聴する視聴者を識別するための識別情報を前記複数の映像再生機器のいずれかを介して受け付ける受付部と、
前記識別情報の受け付けに介在した映像再生機器に対して、前記識別情報に応じた中継制御を行う中継制御部と、を備えていることを特徴とする中継システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−90190(P2013−90190A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229743(P2011−229743)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(502312498)住友電工ネットワークス株式会社 (212)
【Fターム(参考)】