説明

中継装置および中継方法

【課題】無線端末と無線基地局との間で通信データを中継しない場合であっても、ゲートウェイ装置の電力が不要に消費される。
【解決手段】ゲートウェイ装置の制御部は、ステップS402、ステップS403で、無線端末と無線基地局宛との間で中継すべき通信データが存在するか否かを判断し、中継すべき通信データが存在する場合は、ステップS401で、ビーコン周期をデフォルト値に戻す。一方、中継すべき通信データが存在しない場合は、ステップS405で、ビーコン周期を所定区間拡張する。これにより、無線端末と無線基地局との間で通信データを中継しない場合に、ビーコン周期が長くなるので、無線端末と無線基地局との間の中継が必要ない場合に、ビーコンの出力する頻度を少なくすることで、ゲートウェイ装置の消費電力を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線端末装置およびそれを用いた無線通信システムに係り、広域無線通信と局地的無線通信を小型機能ボックスに収容し、局地的無線通信手段を用いて容易に広域無線通信を行うマルチ無線を利用してデータの送受信を行う中継装置および中継方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブロードバンド通信の普及にともない、家庭内やオフィスで簡単にネットワークを構築して大量なデータのやりとりを行う通信が可能となってきた。また、データを手軽に扱える通信手段として無線による通信が機器の低価格化、および小型化により急速に普及してきている。このような通信技術の発展により、パソコンなどの情報データから家庭内の画像、音声データまで無線通信による情報のやりとりが容易に実現する環境が整いつつある。また、ケーブル敷設の手間を解除する手段として、局地的無線接続および広域無線接続を同時に行う電話システムを実現するための中継装置および中継方法も提供されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2005−538653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、無線で行うブロードバンド通信の特徴であるモバイル用途の持ち運びの容易さや高速通信の利点を兼ね備えたマルチ無線のゲートウェイ装置をバッテリ駆動で行い、移動時にもバッテリの消耗を気にせず使用するためには、ゲートウェイ装置自体の低消費電力化が必要であり、モバイル使用としては大変重要な要素と位置づけられている。この問題を解決し、データ通信の高速化を維持する低消費電力のモバイル装置が近年求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明は、無線端末と基地局との間で通信データを中継する中継装置であって、前記無線端末と前記基地局との間で中継すべき通信データが存在するか否かを判断する判断手段と、前記無線端末との通信タイミングを制御する制御信号の周期を変更する周期変更手段とを備え、前記判断手段により中継すべき通信データが存在しないと判断された場合に、前記周期変更手段は前記制御信号の周期を長くする中継装置および中継方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、無線端末と基地局との間で通信データを中継しない場合に、制御信号の周期が長くなるので、無線端末と基地局との間の中継が必要ない場合に、制御信号の出力する頻度を少なくすることで、中継装置の消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態における無線通信システムを示す図
【図2】本発明の実施の形態におけるモバイルゲートウェイ装置を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態における無線端末を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態におけるモバイルゲートウェイ装置の一部を示すブロック図
【図5】実施の形態1における、通信状態に応じてモデムデータ処理のクロック制御による実現方法を示すフローチャート
【図6】実施の形態2おける通信状態に応じてモデムデータ処理のクロック制御によるクロック停止の実現方法を示すフローチャート
【図7】実施の形態3おける通信状態に応じて局所的無線通信を管理するビーコン周期を制御する実現方法を示すフローチャート
【図8】実施の形態4におけるビーコン周期の拡張処理を示すフローチャート
【図9】実施の形態5におけるビーコン周期の拡張処理を示すフローチャート
【図10】実施の形態6における中継装置を示す外観斜視図
【図11】実施の形態6における中継装置のハードウェアを示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0008】
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、無線端末と基地局との間で通信データを中継する中継装置であって、前記無線端末と前記基地局との間で中継すべき通信データが存在するか否かを判断する判断手段と、前記無線端末との通信タイミングを制御する制御信号の周期を変更する周期変更手段とを備え、前記判断手段により中継すべき通信データが存在しないと判断された場合に、前記周期変更手段は前記制御信号の周期を長くする中継装置である。
【0009】
第1の発明によれば、無線端末と基地局との間で通信データを中継しない場合に、制御信号の周期が長くなるので、無線端末と基地局との間の中継が必要ない場合に、制御信号の出力する頻度を少なくすることで、中継装置の消費電力を低減することができる。
【0010】
上記課題を解決するためになされた第2の発明は、第1の中継装置であって、前記周期変更手段は、前記判断手段により中継すべき通信データが存在しないと判断された時点から、所定時間を経過後、前記制御信号の周期を長くする中継装置である。
【0011】
第2の発明によれば、制御信号の周期を、中継すべき通信データが存在しないと判断してから、直ちに変更されることがないので、無線端末は、変更された制御信号の周期に良好に追従することができる。
【0012】
上記課題を解決するためになされた第3の発明は、第1の中継装置であって、前記判断手段により中継すべき通信データが存在すると判断された場合に、前記周期変更手段は、通信データの通信間隔に同期するように、前記制御信号の周期を変更する中継装置である。
【0013】
第3の発明によれば、制御信号の周期と通信間隔が同期しない場合に起こりえる、通信データのキューイングを抑制することで、電力消費の増大を抑制することができる。
【0014】
上記課題を解決するためになされた第4の発明は、第3の中継装置であって、さらに、通信データの通信間隔を計数する計数手段を備え、前記前記周期変更手段は、前記計数手段により計数された通信間隔に同期するように、前記制御信号の周期を変更することを特徴とする中継装置である。
【0015】
第4の発明によれば、通信間隔を計数することで、制御信号の周期を正確な通信間隔と同期させることができる。
【0016】
上記課題を解決するためになされた第5の発明は、第3の中継装置であって、前記通信データは音声データであることを特徴とする中継装置である。
【0017】
第5の発明によれば、過剰なキューイングによる音声データのジッタを抑制することができるので、良好な音声通話を行うことができる。
【0018】
上記課題を解決するためになされた第6の発明は、第1の中継装置であって、前記周期変更手段は、前記制御信号の周期が所定周期を超えた場合に、前記制御信号の周期をデフォルト値まで短くすることを特徴とする中継装置である。
【0019】
第6の発明によれば、制御信号の周期を過剰に長くしないようにすることができる。
【0020】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1を図1、図2を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態における無線通信システムを示す図である。また、図2は、本発明の実施の形態におけるモバイルゲートウェイ装置を示すブロック図である。無線通信システム500は、無線端末300、モバイルゲートウェイ装置200、および広域回線用無線基地局103を備える。無線端末300とモバイルゲートウェイ装置200は、局地的無線接続の一例であるWiFi(IEEE802.11通信方式)で接続される。モバイルゲートウェイ装置200と広域回線用無線基地局103は、広域無線接続の一例であるWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)で接続される。モバイルゲートウェイ装置200は、中継装置の一例であり、2つの無線通信モデムを内蔵している。一方のモデムは、局地的無線接続であるWiFi準拠の通信モデムであり、他方のモデムは、広域無線接続であるWiMAX準拠の通信モデムである。なお、広域回線用無線基地局103は基地局の一例であって、モバイルゲートウェイ装置および基地局間を無線でなく、有線(Ethernet(登録商標)すなわちLANケーブル、PLC(PowerLineCommunication)、同軸線、電話線など)で接続可能である。同様に、無線端末およびモバイルゲートウェイ装置間は無線接続ではなく、有線(Ethernet(登録商標)すなわちLANケーブル、PLC(PowerLineCommunication)、同軸線、電話線など)で接続可能である。
【0021】
なお、局地的無線接続は、WiFiに限らず、DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)などが含まれる。また、広域無線接続には、WiMAXに限らず、加入者通信網であれば、どのような通信網であってもよく、例えば、セルラー(例えば、CDMA、TDMA、GSM)接続、PCS(Personal Communications Service)接続、固定式無線接続などが含まれる。
【0022】
ユーザは、インターネットなどの外部の網に接続してデータ通信を行う際、例えばノートPC(図示せず)からのアクセスを例にとると、モバイルゲートウェイ装置から局地的無線接続に対するアクセスアドレスをノートPCなどに配布し、このアドレスを元にノートPCから無線通信システムにWiFi無線でインターネットのアクセスデータを通信する。モバイルゲートウェイ装置では、ノートPCから送られてきたインターネット網へのデータをモバイルゲートウェイ装置内のモデムインターフェースを使って広域無線接続であるWiMAX側のアクセスアドレスに変換し、WiMAX通信を使ってインターネット網へデータを通信させる。インターネットアクセスが許可された後、インターネットのサービスをモバイルゲートウェイ装置経由でノートPCからの局所的無線アクセスであるWiFiと広域無線アクセスであるWiMAXを変換し、インターネットアクセス網へデータ通信が可能となる。また、モバイルゲートウェイ装置は、局所的無線接続を有する無線端末の複数台に、アドレスを付与することができるとともに、同時に複数台の無線端末に対して、局所的無線接続を許可し、広域無線アクセス網を共有することができる。一実施形態では、無線ネットワークは専用の加入者回線用無線ネットワークである。別の実施形態では、無線ネットワークは、移動型無線(例えば携帯電話)のためにも使われるセルラーネットワークあるいはPCSネットワークである。広域回線用無線基地局103はインターネット網に接続されている。別の実施形態では、基地局は私設交換機あるいは私設セルラーネットワークのような異なる電話網を経由してインターネット網に接続されている。
【0023】
モバイルゲートウェイ装置200には、広域回線用無線モデム207と、局所的無線モデム206とが含まれている。広域回線用無線モデム207は、無線データ通信モデムであり、無線データ接続とWiMAXや加入者回線であるセルラーのような無線ネットワークとの通信のためのプロトコルあるいは電波インターフェースとを維持するものである。局所的無線モデム206は、別の無線データ通信モデムであり、無線LAN接続のような、時分割多重通信方式で複数の無線LAN通信手段を有した無線装置と同時接続使用を行うことができ、局地的接続あるいは短距離接続のためのプロトコルあるいは電波インターフェースとを維持するものである。なお、中継装置の一例として、モバイルゲートウェイ装置を示したが、モバイルルータであってもよい。また、中継装置は必ずしも携帯性は必須ではないので、単にゲートウェイやルータも中継装置の概念に含まれる。以下の説明では、モバイルゲートウェイ装置200は、以下単に「ゲートウェイ装置200」と称す。
【0024】
広域回線用無線モデム207に接続され、第2アンテナ203にも接続された第2無線通信インターフェース205は、典型的な無線インターフェースであり、無線周波数(RF)構成要素、送受信切換器、低雑音増幅器(LNA)、帯域フィルター(BPF)、絶縁装置、および電力増幅器を含んでいる。広域回線用無線接続を用いて信号を送信するために、広域回線用無線モデム207が第2無線通信インターフェース205へ変換信号を供給する。第2アンテナ203は無線ネットワークから受信した信号を送受切換器へ供給する。送受切換器は、増幅信号をBPFへ供給するためのLNAへその信号を供給する。BPFはRF構成要素へ濾過信号を供給し、RF構成要素はその信号を広域回線用無線モデム207へ供給する。
【0025】
局所的無線モデム206は、第1アンテナ202および第1無線通信インターフェース204に接続されている。第1無線通信インターフェース204および第1アンテナ202は、第2無線通信インターフェース205および第2アンテナ203に類似した作用を行い、局所的無線モデム206とWiFi無線機能を有する端末との間で信号を送信および受信を行う。
【0026】
広域回線用無線モデム207および局所的無線モデム206は両方ともモデムインターフェース208に接続されている。モデムインターフェース208は2つのモデム206、207の間で信号を処理しかつ受け渡しする。モデムインターフェース208は、信号およびデータの任意の対話すなわちフォーマティングをもたらして、無線端末とインターネット網との間におけるデータの受け渡しを維持する。例えば、一実施形態では、モデムインターフェース208は、局所的無線モデム206から変調信号を受信し、その信号を前処理して、広域回線用無線モデム207のための信号を作成する。代わりの実施形態では、広域回線用無線モデム207および局所的無線モデム206は、他のモデムのための適切なフォーマットで出力データを供給し、それで直接、相互に作用する。この場合、上記モデムインターフェース208はモデム内で省略されるか、統合される。
【0027】
ゲートウェイ装置200には、このゲートウェイ装置200の作用を維持するとともに制御するために、制御部209とその関連記憶部210とが含まれている。制御部209およびモデム206,207は互いに作用して、無線ネットワークによりデータの送信および受信を行う。制御部209にはコマンドインターフェース211が接続されている。コマンドインターフェース211はゲートウェイ装置200によって受信された局所的無線を有する端末からのコマンドと、局所的無線を有する端末へのコマンドとを処理する。制御部209およびコマンドインターフェース211は、受信されたコマンドを実行させるために、関連して作用を行う。
【0028】
ゲートウェイ装置200には、広域回線用無線接続端末および局所的無線接続端末に典型的な追加構成要素である、ゲートウェイ装置200の動力付き構成要素に接続された電源である電池213および、ボタンやスイッチ、ディスプレイなどが含まれているユーザインターフェース212が備え付けられている。
【0029】
図3は、本発明の実施の形態における無線端末を示すブロック図を示す。局所的無線モデム304は、無線データ通信モデムであり、無線データ接続と、典型的な無線通信手段を有するノートPCのような、家庭内ネットワーク接続装置である無線ルータと局地的接続あるいは短距離無線接続のためのプロトコルあるいは電波インターフェース、または無線LAN接続のための時分割多重接続方式を持つプロトコルあるいは電波インターフェースとを維持するものである。局所的無線モデム304は、アンテナ302にも接続された無線通信インターフェース303に接続されている。無線通信インターフェース303およびアンテナ302は、先に説明された無線通信インターフェース204およびアンテナ202に類似した作用を行い、局所的無線モデム304とゲートウェイ装置200との間で信号を送信および受信を行う。
【0030】
無線端末300には、制御部307とその関連記憶部308とが含まれている。制御部307および局所的無線モデム304は互いに作用して、ゲートウェイ装置および無線ネットワークによりインターネット通信の送信および受信を行う。制御部307にはコマンドインターフェース309が接続されている。コマンドインターフェース309は無線端末300によって受信されたゲートウェイ装置のためのコマンドと、ゲートウェイ装置から受信された無線端末300のためのコマンドを処理する。制御部307およびコマンドインターフェース309は、受信されたコマンドを実行するために、関連して作用を行う。
【0031】
無線端末300には、無線接続端末に典型的な追加構成要素である、無線端末300の動力付き構成要素に接続された電源である電池310および、マイクロホン、スピーカが含まれる音声ブロック306、ボタン、スイッチ、ディスプレイ305が含まれている。
【0032】
ゲートウェイ装置200および無線接続端末300はさらに、ユーザがゲートウェイ装置200の広域回線用無線ネットワークに接続されたインターネット網によりデータの送信および受信をすることができるように、互いに作用しあう。例えば、局所的無線接続端末からゲートウェイ装置200を通してインターネット網に接続し、WEBなどのアクセスができるように基本的なアクセス接続処理を施す。
【0033】
図4は、本発明の実施の形態におけるモバイルゲートウェイ装置の一部を示すブロック図である。図4において、ゲートウェイ装置200は、局所的無線モデム206である局所的無線通信である無線LANモデムと、広域回線用無線モデム207である広域回線用無線通信であるWiMAXモデムの、両無線モデムを有している。局所的無線モデム206は、第1RF変復調部405、第1ベースバンド処理部406、第1通信制御部407、およびクロック生成制御部408を有している。広域回線用無線モデム207は、第2RF変復調部413、第2ベースバンド処理部414、第2通信制御部415、およびクロック生成制御部416を有している。また、ゲートウェイ装置200は、第1無線通信インターフェース204、および第2無線通信インターフェース205を有している。第1無線通信インターフェース204は、第1送信受信切り替えスイッチ402、第1パワーアンプ403、および第1LNA404を有している。第2無線通信インターフェース205は、第2送信受信切り替えスイッチ410、第2パワーアンプ411、および第2LNA412を有している。なお、図4では、図1に示したモデムインターフェースを省略している。
【0034】
局所的無線接続の通信モデムである第1モデムでは、第1通信制御部407が図1で示された無線端末300で送受信のデータをモデムインターフェースで加工するとともに、無線通信の送信、受信などを制御する機能を有する。通信データは第1ベースバンド処理部406で、局所的無線モデムのベースバンド処理による変復調とデータパケット化の符号化/復号化が行われる。第1RF変復調部405では、無線周波数のキャリア周波数へ第1ベースバンド処理部406でベースバンド変調されたデータを変復調処理が行われる。データの送信は第1パワーアンプ403でRFデータの電力増幅が成され第1送信受信切り替えスイッチ402で送信がアクティブの場合は第1アンテナ202を通じて空間上に無線データとして伝送される。受信に関しては、第1アンテナ202を通じて受信した無線データを第1送信受信切り替えスイッチ402を経由して第1LNA404でデータ振動増幅を施された後、第1RF変復調部405にてRF信号の復調が行われる。また、第2モデムでは、第2通信制御部415が図1で示された広域回線用基地局103へ通信される送受信データをモデムインターフェースで加工するとともに、無線通信の送信、受信などを制御する機能を有する。通信データは代ベースバンド処理部414で、局所的無線モデムのベースバンド処理による変復調とデータパケット化の符号化/復号化が行われる。第2RF変復調部413では、無線周波数のキャリア周波数へ第2ベースバンド処理部414でベースバンド変調されたデータを変復調処理が行われる。データの送信は第2パワーアンプ411で送信がアクティブの場合は第2アンテナ203を通じて空間上に無線データとして伝送される。受信に関しては、第2アンテナ203を通じて受信した無線データを第2送信受信切り替えスイッチ410を経由して第2LNA412でデータ信号増幅を施された後、第2RF変復調部413にてRF信号の復調が行われる。
【0035】
図5は、実施の形態1における、通信状態に応じてモデムデータ処理のクロック制御による実現方法を示すフローチャートを示している。
【0036】
初めに、無線端末300はインターネットなどに接続する際、ゲートウェイ装置200と局所的無線を経由してデータをゲートウェイ装置200へ送信する。ゲートウェイ装置200では、広域回線用無線で通信できる第2モデムに変換され、ステップS101で、広域回線用無線基地局103を経由してインターネット網に接続されデータ通信が行われる。ステップS102で、第1モデムと第2モデムの通信レートをゲートウェイ装置200内の制御部209で計数する。ステップS103で、第1モデムおよび第2モデムのクロックを制御する。具体的には、上記計数結果をもとに、通信レートに応じた第1モデムのクロック周波数をクロック生成制御部408で決定するとともに、第2モデムにおいても同様にクロック周波数をクロック生成制御部416で決定する。また、ステップS104で、第1モデムと第2モデムの通信間隔をゲートウェイ装置200内の制御部209で計数する。この計数結果をもとに、ステップS105では、通信間隔に応じて、例えば通信間隔が広い場合には動作速度を低くして処理速度を落とし、低消費電力化を図る作用を施し、通信間隔が狭い場合には動作速度を速くして処理速度を上げる作用を施す。具体的には、第1モデムの通信間隔が広い場合には、ゲートウェイ装置200の第1モデムのクロック生成制御部408でクロック周波数を低くし、第1モデムの処理速度を落とす。また、第1モデムの通信間隔が狭い場合には、ゲートウェイ装置200の第1モデムのクロック生成制御部408でクロック周波数を高くし、第1モデムの処理速度を上げる。第2モデムについても同様に、第2モデムの通信間隔が広い場合には、ゲートウェイ装置200の第2モデムのクロック生成制御部416でクロック周波数を低くし、第2モデムの処理速度を落とす。また、第2モデムの通信間隔が狭い場合には、ゲートウェイ装置200の第2モデムのクロック生成制御部416でクロック周波数を高くし、第1モデムの処理速度を上げる。
【0037】
この一連の操作の結果、ゲートウェイ装置200の局所的無線モデムである第1モデムと広域回線用無線モデムである第2モデムの各々に対して、通信レートと通信間隔をもとに消費電力を作用するクロック周波数をダイナミックに変えることが可能となり、通信の高速化を損なうことなく、消費電力の低減を図ることができる。
【0038】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2を図6のフローチャートを用いて説明する。図6は、実施の形態2おける通信状態に応じてモデムデータ処理のクロック制御によるクロック停止の実現方法を示すフローチャートを示している。
【0039】
初めに、無線端末300はインターネットなどに接続する際、ゲートウェイ装置200と局所的無線を経由してデータをゲートウェイ装置200へ送信する。ゲートウェイ装置200では、広域回線用無線で通信できる第2モデムに変換され、ステップS201で、広域回線用無線基地局103を経由してインターネット網に接続されデータ通信が行われる。ステップS202で、第1モデムと第2モデムで通信するデータの有無をゲートウェイ装置200内の制御部209で確認する。この結果をもとに、ステップS203で、例えば第1モデムで通信するデータがない区間が一定以上ある場合に、第1モデムをスリープ制御する。また、第2モデムで通信するデータがない区間が一定以上ある場合に、第2モデムをスリープ制御する。具体的には、第1モデムで通信するデータがない区間が一定以上ある場合に、ゲートウェイ装置200内の制御部209で第1モデム部のスリープ制御を決定し、第1モデムのクロック生成制御部408のクロック生成を一時的に停止する。同様に第2モデムで通信するデータがない区間が一定以上ある場合に、ゲートウェイ装置200内の制御部209で第2モデム部のスリープ制御を決定し、第2モデムのクロック生成制御部416のクロック生成を一時的に停止する。逆に、第1モデムで通信するデータがある場合には、ゲートウェイ装置200内の制御部209で第1モデム部の動作を行うように、第1モデムのクロック生成制御部408にてクロック生成を実施する。また、同様に、第2モデムで通信するデータがある場合には、ゲートウェイ装置200内の制御部209で第2モデム部の動作を行うように、第2モデムのクロック生成制御部416にてクロック生成を実施する。
【0040】
また、ステップS204で、第1モデムと第2モデムの通信間隔をゲートウェイ装置200内の制御部209で計数する。この計数結果をもとに、ステップS205で、通信間隔に応じて、例えば通信間隔が広い場合には空いた区間に対してクロックを停止するスリープ制御を施す。具体的には、第1モデムの通信間隔が広い場合には、ゲートウェイ装置200の第1モデムのクロック生成制御部408で通信しない区間を見つけて、クロックをその区間停止し、第1モデムの動作を止める。また、第1モデムの通信間隔が狭い場合には、ゲートウェイ装置200の第1モデムのクロック生成制御部408でクロック停止を解除し、第1モデムの処理を行う。第2モデムについても同様に、第2モデムの通信間隔が広い場合には、ゲートウェイ装置200の第2モデムのクロック生成制御部416で通信しない区間を見つけて、クロックをその区間停止し、第2モデムの動作を止める。また、第2モデムの通信間隔が狭い場合には、ゲートウェイ装置200の第2モデムのクロック生成制御部416でクロック停止を解除し、第2モデムの処理を行う。
【0041】
この一連の操作の結果、ゲートウェイ装置200の局所的無線モデムである第1モデムと広域回線用無線モデムである第2モデムの各々に対して通信の有無を確認し、通信をしない区間を見つけてダイナミックに各々のモデムの動作を止めるスリープ機能を働かせ、通信動作を損なうことなく、消費電力の低減を図ることが可能となる。
【0042】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3を図7のフローチャートを用いて説明する。図7は、実施の形態3おける通信状態に応じて局所的無線通信を管理するビーコン周期を制御する実現方法を示すフローチャートを示している。
【0043】
初めに、無線端末300はインターネットなどに接続する際、ゲートウェイ装置200と局所的無線を経由してデータをゲートウェイ装置200へ送信する。ゲートウェイ装置200では、広域回線用無線で通信できる第2モデムに変換され、ステップS301で、広域回線用無線基地局103を経由してインターネット網に接続されデータ通信が行われる。
【0044】
ステップS302で、局所的無線回線である第1モデムで通信するデータの有無をゲートウェイ装置200内の制御部209で確認する。この結果をもとに、ステップS303で、例えば第1モデムで通信するデータがない区間が一定以上ある場合に、第1モデムの周期を制御する第1通信制御部407で局所的無線回線のネットワークを制御するビーコン周期を広げ、通信負荷を軽減させ消費電力の低減を実行する。逆に第1モデムで通信するデータが存在する場合には、第1モデムの周期を制御する第1通信制御部407で局所的無線回線のネットワークを制御するビーコン周期を戻し、正常に通信ができる周期間隔にする。また、ステップS304で、第1モデムの通信間隔をゲートウェイ装置200内の制御部209で計数する。この計数結果をもとに、ステップS305で、通信間隔に応じて、例えば通信間隔が広い場合には第1モデムの周期を制御する第1通信制御部407で局所的無線回線のネットワークを制御するビーコン周期を広げ、通信負荷を軽減させ消費電力の低減を実行する。逆に第1モデムで通信するデータが存在する場合には、第1モデムの周期を制御する第1通信制御部407で局所的無線回線のネットワークを制御するビーコン周期を戻し、正常に通信ができる周期間隔にする。
【0045】
この一連の操作の結果、ゲートウェイ装置200の局所的無線モデムである第1モデムと広域回線用無線モデムである第2モデムの各々に対して通信の有無を確認し、通信をしない区間を見つけてダイナミックに各々のモデムの動作を止めるスリープ機能を働かせ、通信動作を損なうことなく、消費電力の低減を図ることが可能となる。
【0046】
以上のように、本発明の無線通信システムは、局所的無線通信と広域回線用無線通信をひとつの装置で実現でき、局所的無線装置しか有しない無線端末においても、本無線通信システムを用いることで、広域回線用無線通信を使用することが可能なシステムである。
【0047】
また、本発明は局所的無線と広域回線用無線の通信負荷に応じて、システム内部のモデムに供給するクロック周波数をダイナミックに切り替えることにより、持ち運びが可能な電池駆動のモバイル装置として重要となる消費電力の低減を実行できるシステムであり、移動時における電力供給の心配を排除した携帯性を実現できる装置を提供することが可能となる。
【0048】
さらに、本発明は家庭内で広く使われている無線ルータ装置を持ち運び可能な携帯性に留意した宅内と加入者回線を無線に置き換えたシステムであるが、宅内と加入者回線を中継するものに限定するものではなく、無線通信を交換する3つ以上のモデムを内蔵したシステムであってもよい。
【0049】
(実施の形態4)
図8は、実施の形態4におけるビーコン周期の拡張処理を示すフローチャートを示している。ゲートウェイ装置200は、無線端末300に対して所定周期(以下、「ビーコン周期」と称す)でビーコンを送信している。ビーコンは制御信号の一例であり、ビーコン内には、各種の制御情報が格納されている。ビーコン周期は、通常一定であるが、適宜変更可能である。なお、本実施の形態では、ビーコンの初期値としてデフォルト値(例えば20ms)の情報が、記憶部210に格納されている。
【0050】
ステップS401で、ゲートウェイ装置200の制御部209は、ビーコン周期をデフォルト値に設定する。ステップS402で、制御部209は、無線端末300宛の通信データが存在するか否か判断する。広域回線用無線基地局103は、ゲートウェイ装置300にビーコンを周期的に送信しており、無線端末300宛の通信データが存在するか否かの情報は、基地局103が送信するビーコンに格納されている。従って、制御部209は、基地局103から送信されるビーコン内の情報を監視して、無線端末300宛の通信データが存在するか否か判断する。
【0051】
無線端末300宛の通信データが存在すると判断した場合(S402のYes)、ステップS401に戻り、ビーコン周期をデフォルト値に設定する。無線端末300宛の通信データが存在しないと判断した場合(S402のNo)、ステップS403で、制御部209は、無線端末300から送信された通信データが存在するか否か判断する。無線端末300は、ゲートウェイ装置200の配下にあるので、無線端末300からの通信データは全てゲートウェイ装置200を経由する。従って、これらの通信データを監視することで、無線端末300から送信された通信データが存在するか否か判断する。
【0052】
無線端末300からの通信データが存在すると判断した場合(S403のYes)、ステップS401に戻る。無線端末300からの通信データが存在しないと判断した場合(S403のNo)、ステップS404で、制御部209は、所定周期待機する。例えば、ビーコン周期の整数倍の期間を待機してから、次のステップに進む。ステップS405で、制御部209は、ビーコン周期を所定区間、拡張する。例えば、10ms毎にカウントアップするように設定する場合、デフォルト値を20msとして、ビーコン周期は、30ms(=20ms+10ms)に拡張される。
【0053】
ステップS406で、制御部209は、ビーコン周期P(n)が最大値MAXを超えているか否か判断する。ビーコン周期P(n)が最大値MAXを超えていないと判断した場合は(S406のNo)、ステップS402に戻る。ビーコン周期P(n)中の“n”は、ステップS402ないしS406のループの周回回数を示している。例えば、カウントアップは10ms毎、デフォルト値は20ms、周回回数nは5回の場合、ビーコン周期P(5)は70ms(=20ms+10ms×5)となる。
【0054】
ビーコン周期P(n)が最大値MAXを超えたと判断した場合は(S406のYes)、ステップS407で、制御部209はステップS402と同様の処理を実行する。無線端末300宛の通信データが存在すると判断した場合(S407のYes)、ステップS401に戻り、ビーコン周期P(n)をデフォルト値に戻す。無線端末300宛の通信データが存在しないと判断した場合(S407のNo)、ステップS408で、制御部209はステップS403と同様の処理を実行する。無線端末300からの通信データが存在すると判断した場合(S408のYes)、ステップS401に戻り、ビーコン周期P(n)をデフォルト値に戻す。無線端末300からの通信データが存在しないと判断した場合(S408のNo)、ステップS407に戻る。
【0055】
例えば、無線端末300は無線LANを用いた音声通話(VoIP[Voice over Internet Protocol])であるが、現在は通話していないものとする。この場合、無線端末宛および無線端末からの通信データが存在しないので、ステップS402のNo、S403のNoを経由して、ビーコン周期P(n)がカウントアップされていく。ビーコン周期P(n)は最大値MAX(例えば100ms)に達し、音声通話が行われない状態が続くと、ステップS407のNo、S408のNoのループに入り、ビーコン周期は最大値MAXを超えた値で維持される。
【0056】
ここで、ユーザが無線端末300を用いて音声通話を開始すると、ステップS408で、無線端末300からの通信データが存在すると判断されるので(S408のYes)、ステップS401で、ビーコン周期P(n)はデフォルト値に戻る。このデフォルト値を予め、音声通話での音声データの通信間隔に設定しておくことで、ビーコン周期と通信間隔が一致させることができる。これにより、音声データの不要なキューイングを行うことなく、効率的な音声通話を行うことができる。例えばSIP(Session Initiation Protocol)では、デフォルト値を通信間隔である20msに設定すればよい。なお、通信間隔とは、時間的に隣り合う2つの通信データ間の時間幅をいう。
【0057】
以上のように、本実施の形態では、無線端末と基地局との間で通信データを中継しない場合に、ビーコン周期が長くするので、無線端末と基地局との間の中継が必要ない場合に、ビーコンを出力する頻度を少なくすることで、ゲートウェイ装置の消費電力を低減することができる。特に、電源として電池を用いる「モバイル」ゲートウェイ装置では、低消費電力により使用時間の長時間化を図ることができる。
【0058】
また、無線端末と広域回線用無線基地局の間を中継される通信データが存在しないと判断してから、ビーコン周期を直ちに変更されることがないので、無線端末は、変更された制御信号の周期に良好に追従することができる。
【0059】
(実施の形態5)
図9は、実施の形態5におけるビーコン周期の拡張処理を示すフローチャートを示している。ステップS501で、ゲートウェイ装置200の制御部209は、ビーコン周期をデフォルト値に設定する。ステップS502で、制御部209は、無線端末300宛の通信データが存在するか否か判断する。判断方法は、図8のステップS402と同様である。無線端末300宛の通信データが存在すると判断した場合(S502のYes)、ステップS503で、無線端末300からの通信データまたは無線端末300宛の通信データの通信間隔を計数する。ステップS504で、制御部209は、ビーコン周期と通信間隔が一致しているか否か判断する。ビーコン周期と通信間隔が一致していると判断する場合は(S504のYes)、ステップS502に戻る。ビーコン周期と通信間隔が一致していないと判断する場合は(S504のNo)、ステップS505は、制御部209は、ビーコン周期を変更することで、ビーコン周期を通信間隔に同期させる。
【0060】
無線端末300宛の通信データが存在しないと判断した場合(S502のNo)、ステップS506で、制御部209は、無線端末300からの通信データが存在すると判断する。無線端末300からの通信データが存在すると判断した場合(S506のYes)、ステップS503に進む。すなわち、無線端末300宛の通信データまたは無線端末300からの通信データが存在する場合(つまり、ゲートウェイ装置を介して、無線端末300がデータ通信を行う場合)、ビーコン周期と通信間隔が同期される。無線端末300からの通信データが存在しないと判断した場合(S506のNo)、ステップS507で、制御部209は、所定周期(例えば、ビーコン周期の整数倍)待機する。ステップS508で、制御部209は、ビーコン周期を所定区間、拡張する。
【0061】
ステップS509で、制御部209は、ビーコン周期P(n)が最大値MAXを超えているか否か判断する。ビーコン周期P(n)が最大値MAXを超えていないと判断した場合は(S509のNo)、ステップS502に戻る。ビーコン周期P(n)が最大値MAXを超えたと判断した場合は(S509のYes)、ステップS510で、制御部209はステップS502と同様の処理を実行する。無線端末300宛の通信データが存在すると判断した場合(S510のYes)、ステップS501に戻り、ビーコン周期P(n)をデフォルト値に戻す。無線端末300宛の通信データが存在しないと判断した場合(S510のNo)、ステップS511で、制御部209はステップS506と同様の処理を実行する。無線端末300からの通信データが存在すると判断した場合(S506のYes)、ステップS501に戻り、ビーコン周期P(n)をデフォルト値に戻す。無線端末300からの通信データが存在しないと判断した場合(S511のNo)、ステップS510に戻る。
【0062】
以上のように、本実施の形態では、ビーコン周期と通信間隔が同期されるので、ビーコン周期と通信間隔が同期しない場合に起こりえる、通信データのキューイングを抑制することで、電力消費の増大を抑制することができる。音声データに適用することで、過剰なキューイングによる音声データのジッタを抑制することができるので、良好な音声通話を行うことができる。
【0063】
(実施の形態6)
図10は、実施の形態6における中継装置を示す外観斜視図である。本実施例におけるゲートウェイ装置200は、複数台の無線端末を管理対象とするゲートウェイ装置である。本実施の形態は、ゲートウェイ装置の内部構成を詳細に説明するものであって、この内部構成は、実施の形態1ないし5に適用可能である。
【0064】
ゲートウェイ装置200は、図10に示すように、筐体11を有しており、筐体11の前面には、動作状態などの表示用としてLED(Light Emitting Diode)などのLED12が設けられている。筐体11の背面には、RJ45などLAN用モジュラージャックであるLANジャックが設けられている。LANジャックには、LANケーブルが接続される。
【0065】
図11は、実施の形態6における中継装置のハードウェアを示すブロック図である。ゲートウェイ装置200は、破線で示す筐体11内に、回路モジュール110を有している。回路モジュール110には、LED12、LANジャック14、メインIC111、電池116、無線モジュール117、および無線モジュール123が実装されている。
【0066】
メインIC111は、CPU111aと、メインバス111fやローカルバス111gなどのバスと、バス上のデータの流れを制御するBCU(Bus Control Unit)111bと、Ethernet(登録商標)のMAC(Media Access Control)層を制御するMACブロックのEMAC111cと、SDIOバスを制御するSDIOC111dと、PCI(Periphheral Component Interconnect)バスを制御するPCIU(PCI Unit)111eとを有している。メインIC111内のCPU111aおよびBCU111bは、メインバス111fを介して、メモリブロック114に接続されている。また、CPU111aおよびBCU111bは、ローカルバス111gを介して、メインIC111にクロックを供給する発振器112と、LED12と、メインIC111に初期化信号を出力するリセットIC113とに接続されている。メインIC111内のEMAC111cは、Ethernet(登録商標)の物理層を制御するICであるEPHY(Ethernet(登録商標) PHYsical layer)115に接続されており、EPHY115は、LANジャック14に接続されている。メインIC111内のSDIOC111dは、SDIOインターフェースを有する無線モジュール123に接続されている。メインIC111内のPCIU111eは、PCIインターフェースを有する無線モジュール117に接続されている。メモリブロック114は揮発性メモリであるSDRAM114aと、不揮発性メモリであるFlash ROM114bから構成されている。電池116は線で他の部品に接続していないが必要な部品全てに電力を供給している。無線モジュール117は、無線コントローラ118、RF(Radio Frequency)モジュール119、アンテナ121および122から構成されている。無線コントローラ118は、MAC層を制御するMACブロック118aと、物理層を制御するPHYブロック118bとを有している。メインIC111内のPCIU111eは、MACブロック118aを介して、PHYブロック118bに接続されている。RFモジュール119は、メインIC111から送信または受信状態が設定され、送受信切り替えSW119aおよびSW119bと、受信信号を増幅するLNA119cおよびLNA119dと、送信信号を増幅するPA119eおよびPA119fと、無線信号への変調および無線信号からの復調を行うRF変復調器119gとを有している。RFモジュール119にはクロックを供給する発振器120が接続され、RFモジュール119内のRF変復調器119gは、無線コントローラ118内のPHYブロック118bに接続されている。RFモジュール119内の送受信切り替えSW119aおよびSW119bは、アンテナ202、203に接続されている。無線モジュール123は、無線モジュール117と、使用する無線規格が異なっている。無線モジュール123は、図2の、第1無線通信インターフェース204、および局所的無線モデム206に対応しており、無線モジュール117は、図2の、第2無線通信インターフェース204、および広域回線用無線モデム207に対応している。従って、無線モジュール123は、無線LANを実行し、無線モジュール117は、WiMaxを実行する。なお、無線モジュール117は、無線モジュール123の内部構成と同様であるので、内部構成の詳細は省略する。また、メインIC111は、図2の制御部209に対応しており、メモリブロック114は、図2の記憶部210に対応している。
【産業上の利用可能性】
【0067】
携帯電話や無線LAN用の電子機器、家庭内データ配信装置(STB)はもとより、画像、音声、データ、電話などを無線で配信するシステムを実現する用途にも適応できる中継装置および中継方法を提供する。
【符号の説明】
【0068】
103 広域回線用無線基地局
200 モバイルゲートウェイ装置
202 第1アンテナ
203 第2アンテナ
204 第1無線通信インターフェース
205 第2無線通信インターフェース
206 局所的無線モデム
207 広域回線用無線モデム
208 モデムインターフェース
209 制御部
210 記憶部
211 コマンドインターフェース
212 ユーザインターフェース
213 電池
300 無線端末
302 アンテナ
303 無線通信インターフェース
304 局所的無線モデム
305 ボタン、スイッチ、ディスプレイ
306 マイクロホン、スピーカ
307 制御部
308 記憶部
309 コマンドインターフェース
310 電源
402 第1送信受信切り替えスイッチ
403 第1パワーアンプ
404 第1LNA
405 第1RF変復調部
406 第1ベースバンド処理部
407 第1通信制御部
408 クロック生成制御部
410 第2送信受信切り替えスイッチ
411 第2パワーアンプ
412 第2LNA
413 第2RF変復調部
414 第2ベースバンド処理部
415 第2通信制御部
416 クロック生成制御部
500 無線通信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末と基地局との間で通信データを中継する中継装置であって、
前記無線端末と前記基地局との間で中継すべき通信データが存在するか否かを判断する判断手段と、
前記無線端末との通信タイミングを制御する制御信号の周期を変更する周期変更手段とを備え、
前記判断手段により中継すべき通信データが存在しないと判断された場合に、前記周期変更手段は前記制御信号の周期を長くすることを特徴とする中継装置。
【請求項2】
前記周期変更手段は、前記判断手段により中継すべき通信データが存在しないと判断された時点から、所定時間を経過後、前記制御信号の周期を長くすることを特徴とする請求項1記載の中継装置。
【請求項3】
前記判断手段により中継すべき通信データが存在すると判断された場合に、前記周期変更手段は、通信データの通信間隔に同期するように、前記制御信号の周期を変更することを特徴とする請求項1記載の中継装置。
【請求項4】
さらに、通信データの通信間隔を計数する計数手段を備え、
前記前記周期変更手段は、前記計数手段により計数された通信間隔に同期するように、前記制御信号の周期を変更することを特徴とする請求項3記載の中継装置。
【請求項5】
前記通信データは音声データであることを特徴とする請求項3記載の中継装置。
【請求項6】
前記周期変更手段は、前記制御信号の周期が所定周期を超えた場合に、前記制御信号の周期をデフォルト値まで短くすることを特徴とする請求項1記載の中継装置。
【請求項7】
無線端末と基地局との間で通信データを中継する中継方法であって、
前記無線端末と前記基地局との間で中継すべき通信データが存在するか否かを判断する判断ステップと、
前記無線端末との通信タイミングを制御する制御信号の周期を変更する周期変更ステップとを備え、
前記判断ステップにて中継すべき通信データが存在しないと判断された場合に、前記周期変更ステップにて前記制御信号の周期を長くすることを特徴とする中継方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−44494(P2012−44494A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184596(P2010−184596)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】