説明

中継装置及び中継方法

【課題】
リンクアグリゲーションの縮退が発生した時、リンクアグリゲーションを用いて接続された2台の中継装置により、双方向通信が不可となる端末の数を少なくすること。
【解決手段】
中継装置3006、3007は、リンクアグリゲーションからフレームを受信した時にフレームの情報を記録し、リンクアグリゲーションからフレームを送信する時に記録した情報を参照することで、リンクアグリゲーションによって仮想的に束ねられた複数の物理回線からフレームの送信に使用する物理回線を決定し、リンクアグリゲーションのフレームの振分けによって決定するフレームの送信に使用するリンクアグリゲーションによって仮想的に束ねられた複数の物理回線からフレームの送信に使用する物理回線を修正する処理を導入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継装置及び中継方法に係り、特に、通信ネットワーク中に設けられ、フレームの中継を行う中継装置、また、リンクアグリゲーション内のフレーム振り分けなど、中継装置がフレームの中継に使用するポートを決定するための中継方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを構成する中継装置において、通信に使用する通信回線の冗長化技術は必須である。回線の冗長化を実現する技術として、リンクアグリゲーション(LA:Link Aggregation)がある。リンクアグリゲーションは、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers) 802.1AXにて規定されている、回線の冗長化のための技術であり、複数の物理回線を仮想的に束ね、一つの仮想的な回線として見せかけることができることが特徴である。このように、複数の物理回線を束ねて、一つの仮想的な回線に見せることにより、回線の冗長化が実現できる。この、リンクアグリゲーションを用いて仮想的に束ねられた複数の物理回線の集合を、リンクアグリゲーショングループ(LAG:Link Aggregation Group)と呼ぶ。
【0003】
リンクアグリゲーションを使用している一つの仮想回線で通信を行うためには、実際に通信に使用する仮想回線内の物理回線を、何らかの手法で決定する必要がある。リンクアグリゲーションを用いた通信では、フレームの送信に使用する仮想回線内の物理回線を決定し、送信する。フレームの送信に使用する仮想回線内の物理回線は、フレーム内のMAC(Media Access Control)アドレスや、IP(Internet Protocol)アドレスといった情報を基にして、演算を行って決定する。これを、リンクアグリゲーションのフレーム振分けと呼ぶ。リンクアグリゲーションのフレーム振分けの処理を行い、リンクアグリゲーショングループ内のどの物理回線を通信に使用するかの決定については、通常、各中継装置が通信フロー毎に任意に指定できる(例えば、特許文献1)。リンクアグリゲーションでは、各中継装置のフレーム振分けの決定により、リンクアグリゲーション内の任意の物理回線を使用し、通信を行う。
【0004】
リンクアグリゲーションのフレーム振分けにより、通信フローはリンクアグリゲーショングループ内の特定の物理回線を流れる。このとき、回線障害等により、リンクアグリゲーショングループ内の物理回線が使用できなくなると、中継装置はリンクアグリゲーショングループ内の使用可能な物理回線の中から、通信に使用する物理回線を再度決定し、その物理回線を使用して通信を再開する。この処理により、リンクアグリゲーショングループ内の特定の物理回線が使用できなくなっても、他の使用可能であるリンクアグリゲーション内の物理回線を使用し、継続して通信を行うことができる。これを、リンクアグリゲーションの縮退と呼ぶ。リンクアグリゲーションの縮退が発生したとき、使用できなくなったリンクアグリゲーショングループ内の物理回線を使用していた通信フローについては、物理回線が使用できなくなってから、中継装置が再度フレーム振分け処理を行い、使用可能な別のリンクアグリゲーショングループ内の物理回線を使用するまで、通信が停止する。
【0005】
リンクアグリゲーショングループ内の物理回線が使用できなくなることによって縮退したリンクアグリゲーションは、その後、使用できなくなった物理回線の復旧によって、縮退した状態から復旧する。このとき、リンクアグリゲーションを使用する中継装置では、リンクアグリゲーション内の使用できなくなった物理回線の復旧時、再度通信に使用する仮想回線内の物理回線の決定を行い、フレームを送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−54089号公報
【特許文献2】特開2006−5437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述の通り、リンクアグリゲーションを使用した通信では、各中継装置が個別にリンクアグリゲーションのフレーム振分け処理を行うため、リンクアグリゲーショングループ内の一部の物理回線が使用できなくなった場合、その物理回線を使用している通信フローは、物理回線が使用できなくなってから、中継装置が再度フレーム振分け処理を行い、使用可能な別のリンクアグリゲーショングループ内の物理回線を使用するまでの間、停止してしまう。この結果、片側のみの通信フローでは通信の継続ができず、多数の端末間の通信が停止してしまう。
【0008】
中継装置2台の間で構成されたリンクアグリゲーションの例を、図1に示す。図1は、リンクアグリゲーションを用いた通信フローの例示であり、端末1 1001から端末2 1002への通信フロー1017と、端末1 1001から端末3 1003への通信フロー1019と、は、リンクアグリゲーショングループ 1015内の物理回線3 1010を使用することを想定する。逆方向の端末2 1002から端末1 1001への通信フロー1016と、端末3 1003から端末1 1001への通信フロー1018と、は、リンクアグリゲーショングループ1015内の物理回線2 1009を使用することを想定する。同様に、端末1 1001から端末4 1004への通信フロー1020と、端末1 1001から端末5 1005への通信フロー1022と、は、リンクアグリゲーショングループ 1015内の物理回線2 1009を使用することを想定する。逆方向の端末4 1004から端末1 1001への通信フロー1021と、端末5 1005から端末1 1001への通信フロー1023と、は、リンクアグリゲーショングループ1015内の物理回線3 1010を使用し、端末1 1001と、端末2 1002間と、端末1 1001と、端末3 1003間と、端末1 1001と、端末4 1004間と、端末1 1001と、端末5 1005間と、で双方向通信を行うことを想定する。
【0009】
このような場合に、回線3 2010が使用できなくなった場合の例を、図2に示す。回線3 2010が使用できなくなったことにより、回線3 2022を使用していた通信フロー2022と、通信フロー2019と、通信フロー2021と、が停止する。この場合、通信フロー2022は端末1 1001から端末2 1002と、端末3 1003と、に向かう通信フローであり、通信フロー2019は端末4 1004から端末1 1001に向かう通信フローであり、通信フロー2021は端末5 1005から端末1 1001に向かう通信フローである。そのため、すべての双方向通信が停止してしまう。このような、リンクアグリゲーションを用いて通信を行うそれぞれの端末について、リンクアグリゲーショングループ内の一部の物理回線が使用できなくなることにより、通信が停止する可能性のある端末の範囲が広くなることが課題となる。
【0010】
本発明は、以上の点に鑑み、リンクアグリゲーションの縮退が発生した時、リンクアグリゲーションを用いて接続された2台の中継装置により、双方向通信が不可となる端末の数を少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の課題を解決するために、リンクアグリゲーションからフレームを受信した時にフレームの情報を記録し、リンクアグリゲーションからフレームを送信する時に記録した情報を参照することで、フレームの送信に使用するリンクアグリゲーショングループ内の物理回線を決定し、リンクアグリゲーションのフレームの振分けによって決定するフレームの送信に使用するリンクアグリゲーショングループ内の物理回線を修正する処理を導入する。
【0012】
本発明のひとつの態様によると、情報ネットワーク装置における複数物理回線を集約し仮想的なひとつの回線とみたててフレーム中継を行うリンクアグリゲーションでのフレーム中継方法において、
リンクアグリゲーションからのフレーム受信処理において、フレーム内の送信元MACアドレス情報と宛先MACアドレス情報、および、該フレームを受信したリンクアグリゲーション内の物理回線と関連付ける情報を記録することを特徴とし、
リンクアグリゲーションからのフレーム送信処理において、前述情報を参照し、フレーム送信に使用するリンクアグリゲーション内の物理回線を決定する第一の送信回線決定ステップを備え、
リンクアグリゲーションによる任意のフレーム送信に使用するリンクアグリゲーション内の物理回線を決定する第二の送信回線決定ステップを備え、
第二の送信回線決定ステップにて決定した物理回線に比して第一の送信回線決定ステップにて決定した物理回線を優先して送信回線と判定することを特徴とするフレーム中継方法が提供される。
【0013】
また、上述の情報ネットワーク装置における複数物理回線を集約し仮想的なひとつの回線とみたててフレーム中継を行うリンクアグリゲーションでのフレーム中継方法において、
リンクアグリゲーションからのフレーム受信処理において、フレーム内の該フレームの送信元を示す情報と宛先を示す情報、および、該フレームを受信したリンクアグリゲーション内の物理回線と関連付ける情報を記録することを特徴とし、
リンクアグリゲーションからのフレーム送信処理において、上述と同様の特徴をもつことができる。
【0014】
また、上述の情報ネットワーク装置における複数物理回線を集約し仮想的なひとつの回線とみたててフレーム中継を行うリンクアグリゲーションでのフレーム中継方法において、集約された複数物理回線の一部が使用できなくなった場合に、

リンクアグリゲーションからのフレーム受信処理において、上述と同様の特徴を持ち、
リンクアグリゲーションからのフレーム送信処理において、上述と同様の二つの送信回線決定ステップを備え、第一の送信回線決定ステップにて決定した物理回線が使用できない場合に、第二の送信回線決定ステップにて決定した物理回線を送信回線と判定することを特徴とすることができる。
【0015】
さらに、上述の情報ネットワーク装置における複数物理回線を集約し仮想的なひとつの回線とみたててフレーム中継を行うリンクアグリゲーションでのフレーム中継方法において、
リンクアグリゲーションからのフレーム受信処理において、上述の特徴に代えて、ユーザがコマンドによって送信元MACアドレス情報と宛先MACアドレス情報、および、リンクアグリゲーション内の物理回線と関連付ける情報を設定することを特徴とし、
リンクアグリゲーションからのフレーム送信処理において、上述と同様の特徴をもつことができる。

本発明の他の態様によると、上述のフレーム中継方法を備えることを特徴とする、中継装置を提供する。
【0016】
本発明の第1の解決手段によると、
リンクアグリゲーショングループ(LAG)と、そのLAGに束ねられるLAG内物理ポートと、LAG内物理ポートのポート状態を示す物理ポート状態と、の関連を記憶するリンクアグリゲーション(LA)テーブルと、
受信したフレームの受信元情報と、アドレス情報と、の関連を記憶する経路情報保持テーブルと、
フレームの受信処理及び送信処理を行うためのLA制御部と、
前記LA制御部からフレームを受け、スイッチング制御を行うためのスイッチング制御部と、
を備えた中継装置、及び、前記中継装置における中継方法であって、

(1)前記LA制御部は、
フレームと受信元物理ポートを受け、受け取った受信元物理ポートを、前記LAテーブル内のLAG内物理ポートと照合し、
受信元物理ポートを束ねるLAGが存在する場合、受信元情報に該LAGを設定し、一方、受信元物理ポートを束ねるLAGが存在しない場合、受信元情報に前記受信元物理ポートを設定し、
前記フレーム及び前記受信元情報を、前記スイッチング制御部に転送し、
(2)前記スイッチング制御部は、
前記LA制御部から転送された受信元情報及び前記フレーム内の送信元アドレスを、経路情報保持テーブルに記録し、
経路情報保持テーブルを検索し、前記フレーム内の宛先アドレスと一致するアドレス情報がある場合、それに対応する受信元情報を送信先情報として指定し、一方、一致するアドレス情報がない場合、フレームを受信したポート以外の複数のポートを送信先情報として指定し、
前記フレーム及び送信先情報を、前記LA制御部に転送し、
(3)前記LA制御部は、
前記LAテーブルを参照し、前記スイッチング制御部から受け取った前記送信先情報の示すLAG又はひとつ又は複数のポートに該当するひとつ又は複数のLAG内物理ポートに、物理ポート状態が使用可のポートが存在するかどうかを検索し、
該LAG内物理ポートのひとつ又は複数に物理ポート状態が使用可のポートがある場合、該LAG内物理ポートの中からフレームの送信に使用する送信先ポートを決定して、前記フレームと及び前記送信先ポートを転送し、
一方、物理ポート状態が使用可であるLAG内物理ポートが存在しない場合、該フレームを廃棄する
ことを特徴とする中継装置、及び、中継方法が提供される。
【0017】
本発明の第2の解決手段によると、
リンクアグリゲーショングループ(LAG)と、そのLAGに束ねられるLAG内物理ポートと、LAG内物理ポートのポート状態を示す物理ポート状態と、の関連を記憶するリンクアグリゲーション(LA)テーブルと、
受信したフレームの受信元情報と、アドレス情報と、の関連を記憶する経路情報保持テーブルと、
フレームの受信LAG又は受信ポートを表す受信LAG/ポートと、フレームを受信したLAG内物理ポートと、フレームの宛先アドレス及び送信元アドレスと、を関連して記憶するLA受信情報保持テーブルと、
フレームの受信処理及び送信処理を行うためのLA制御部と、
前記LA制御部からフレームを受け、スイッチング制御を行うための前記スイッチング制御部と、
を備えた中継装置、及び、前記中継装置における中継方法であって、

(1)前記LA制御部は、
受信したフレームの送信元アドレス及び宛先アドレスを元に、前記LA受信情報保持テーブル内に一致する情報が存在するかを検索し、
一致する情報がない場合、フレームの受信LAGと、フレームを受信したLAG内物理ポートと、受信したフレームの送信元アドレス及び宛先アドレスと、を前記LA受信情報保持テーブルに新規に記録し、
一方、一致する情報が存在する場合、さらに、受信LAG及びLAG内物理ポートを元に、前記LA受信情報保持テーブル内に一致する情報があるかどうかを判定し、
一致する情報がない場合、受信したフレームの宛先アドレス及び送信元アドレスに一致する情報の受信LAG及びLAG内物理ポートを更新し、
前記フレームと、フレームの受信LAG又は受信ポートを表す受信元情報と、を前記スイッチング制御部に転送し、

(2)前記スイッチング制御部は、
前記LA制御部から転送された受信元情報及び前記フレーム内の送信元アドレスを、前記経路情報保持テーブルに記録し、
経路情報保持テーブルを検索し、前記フレーム内の宛先アドレスと一致するアドレス情報がある場合、それに対応する受信元情報を送信先情報として指定し、一方、一致するアドレス情報がない場合、フレームを受信したポート以外の複数のポートを送信先情報として指定し、
前記フレーム及び送信先情報を、前記LA制御部に転送し、

(3)前記LA制御部は、
前記スイッチング制御部から転送された前記フレームと送信先情報とを受信し、
前記LA受信情報保持テーブル内に、転送されたフレームの送信元アドレス及び宛先アドレス及び送信先情報と、送信元アドレス及び宛先アドレス及び受信LAG/ポートが一致する情報があるかどうか検索し、
一致する情報がある場合、該情報に関連付けられたLAG内物理ポートを元に前記LAテーブルを照合し、該LAG内物理ポートの物理ポート状態の情報が使用可となっているかの判定を行い、
対応する物理ポート状態の情報が使用可となっていれば、該LAG内物理ポートをフレームの送信先ポートとして指定し、前記フレームとともに転送し、
一方、前記LA受信情報保持テーブル内に送信元アドレス及び宛先アドレス及び受信LAG/ポートが一致する情報がない場合、もしくは、一致した情報があってもそのLAG内物理ポートの物理ポート状態の情報が使用不可の場合、
前記LA制御部は、
前記LAテーブルを参照し、前記スイッチング制御部から受け取った前記送信先情報の示すLAG又はひとつ又は複数のポートに該当するひとつ又は複数のLAG内物理ポートに、物理ポート状態が使用可のポートが存在するかどうかを検索し、
該LAG内物理ポートのひとつ又は複数に物理ポート状態が使用可のポートがある場合、該LAG内物理ポートの中からフレームの送信に使用する送信先ポートを決定して、前記フレームと及び前記送信先ポートを転送し、
一方、物理ポート状態が使用可であるLAG内物理ポートが存在しない場合、該フレームを廃棄する
中継装置、及び、中継方法が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、リンクアグリゲーションの縮退が発生した時、リンクアグリゲーションを用いて接続された2台の中継装置が、それぞれ任意に通信に使用するリンクアグリゲーション内の物理回線を決定する場合と比較し、双方向通信が不可となる端末の数を少なくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】中継装置2台の間で構成されたリンクアグリゲーションの例を示す。
【図2】リンクアグリゲーショングループ内の物理回線が使用できなくなった場合の例を示す。
【図3】リンクアグリゲーションで接続された中継装置の1台が、本実施の形態の処理を導入した場合の、通信フローの例を示す。
【図4】本実施の形態の処理を導入した中継装置の1台が、リンクアグリゲーショングループ内の物理回線が使用できなくなった場合の例についての説明図を示す。
【図5】本実施の形態を適用する中継装置の構成図を示す。
【図6a】物理ポート制御部5007でのフレーム受信処理を示すフローチャートである。
【図6b】物理ポート制御部5007でのフレーム送信処理を示すフローチャートである。
【図6c】LA制御部5005でのフレーム受信処理を示すフローチャートである。
【図6d】LA制御部5005でのフレーム送信処理を示すフローチャートである。
【図6e】物理ポート制御部5007でのフレーム受信処理を示すフローチャートである。
【図7a】リンクアグリゲーションを用いて接続された、2台の中継装置によるネットワークの構成図を示す。
【図7b】中継装置内のLAテーブルを示す。
【図8a】リンクアグリゲーションを用いた通信フローを示す。
【図8b】リンクアグリゲーションを用いた通信中のLAテーブルを示す。
【図9a】リンクアグリゲーションの縮退が発生した直後の通信フローを示す。
【図9b】リンクアグリゲーションの縮退が発生した直後のLAテーブルを示す。
【図10a】リンクアグリゲーションの縮退後、再度フレーム振分けを行った後の通信フローを示す。
【図10b】リンクアグリゲーションの縮退後、再度フレーム振分けを行った後のLAテーブルを示す。
【図11a】リンクアグリゲーションの縮退から復旧した後の通信フローを示す。
【図11b】リンクアグリゲーションの縮退から復旧した後のLAテーブルを示す。
【図12a】本実施の形態の処理を適用した、LA制御部のフレーム受信処理のフローチャートである。
【図12b】本実施の形態の処理を適用した、LA制御部のフレーム送信処理のフローチャートである。
【図13a】リンクアグリゲーションを用いて接続された、本実施の形態を適用する中継装置を含む2台の中継装置によるネットワークの構成図を示す。
【図13b】本実施の形態の処理を適用する中継装置内の、LAテーブルを示す。
【図13c】本実施の形態の処理を適用する中継装置内の、LA受信情報保持テーブルを示す。
【図14a】本実施の形態の処理を適用する中継装置が、リンクアグリゲーションから受信する通信フローを示す。
【図14b】本実施の形態の処理を適用する中継装置内の、リンクアグリゲーションからフレームを受信した時のLAテーブルを示す。
【図14c】本実施の形態の処理を適用する中継装置内の、リンクアグリゲーションからフレームを受信した時のLA受信情報保持テーブルを示す。
【図15a】本実施の形態の処理を適用する中継装置が、リンクアグリゲーションから送信する通信フローを示す。
【図15b】本実施の形態の処理を適用する中継装置内の、リンクアグリゲーションからフレームを送信する時のLAテーブルを示す。
【図15c】本実施の形態の処理を適用する中継装置内の、リンクアグリゲーションからフレームを送信する時のLA受信情報保持テーブルを示す。
【図16a】本実施の形態の処理を適用する中継装置を流れる、双方向の通信フローを示す。
【図16b】双方向の通信フローが流れる、本実施の形態の処理を適用する中継装置内のLAテーブルを示す。
【図16c】双方向の通信フローが流れる、本実施の形態の処理を適用する中継装置内のLAテーブルを示す。
【図17a】本実施の形態の処理を適用する中継装置で、リンクアグリゲーションの縮退が発生した直後の通信フローを示す。
【図17b】リンクアグリゲーションの縮退が発生した直後の、本実施の形態の処理を適用する中継装置内のLAテーブルを示す。
【図17c】リンクアグリゲーションの縮退が発生した直後の、本実施の形態の処理を適用する中継装置内のLA受信情報保持テーブルを示す。
【図18a】リンクアグリゲーションの縮退が発生し、本実施の形態の処理を適用する中継装置でフレーム振分け処理を行った後の通信フローを示す。
【図18b】フレーム振分け処理を行った後の、本実施の形態の処理を適用する中継装置内のLAテーブルを示す。
【図18c】フレーム振分け処理を行った後の、本実施の形態の処理を適用する中継装置内のLA受信情報保持テーブルを示す。
【図19a】リンクアグリゲーションの縮退が発生し、本実施の形態の処理を適用する中継装置と隣接する中継装置でフレーム振分け処理を行った後の通信フローを示す。
【図19b】隣接する中継装置でフレーム振分けを行った後の、本実施の形態の処理を適用する中継装置内のLAテーブルを示す。
【図19c】隣接する中継装置でフレーム振分けを行った後の、本実施の形態の処理を適用する中継装置内のLA受信情報保持テーブルを示す。
【図20a】リンクアグリゲーションの縮退後の、安定状態となった本実施の形態の処理を適用する中継装置を流れる通信フローを示す。
【図20b】リンクアグリゲーションの縮退後の、通信フローが安定した状態での本実施の形態の処理を適用する中継装置内のLAテーブルを示す。
【図20c】リンクアグリゲーションの縮退後の、通信フローが安定した状態での本実施の形態の処理を適用する中継装置内のLAテーブルを示す。
【図21a】リンクアグリゲーションの縮退が復旧し、本実施の形態の処理を適用する中継装置でフレーム振分け処理を行った後の通信フローを示す。
【図21b】フレーム振分け処理を行った後の、本実施の形態の処理を適用する中継装置内のLAテーブルを示す。
【図21c】フレーム振分け処理を行った後の、本実施の形態の処理を適用する中継装置内のLA受信情報保持テーブルを示す。
【図22a】リンクアグリゲーションの縮退が復旧し、本実施の形態の処理を適用する中継装置と隣接する中継装置でフレーム振分け処理を行った後の通信フローを示す。
【図22b】隣接する中継装置でフレーム振分けを行った後の、本実施の形態の処理を適用する中継装置内のLAテーブルを示す。
【図22c】隣接する中継装置でフレーム振分けを行った後の、本実施の形態の処理を適用する中継装置内のLA受信情報保持テーブルを示す。
【図23】LA受信情報保持テーブル5012内に記録される情報を、ユーザに見える形で表示した例を示す。
【図24】宛先IPアドレスと、送信元IPアドレスと、を記録するLA受信情報保持テーブルの例を示す。
【図25】LA受信情報保持テーブル5012内に記録する情報をユーザが設定する場合の設定コマンド例を示す。
【図26】LA受信情報保持テーブル5012内に記録する情報をユーザが設定したときの、LA制御部5005でのフレーム受信処理を示すフローチャートである。
【図27a】LA受信情報保持テーブル5012内に記録する情報をユーザが設定したときの、リンクアグリゲーションの縮退が発生したときの通信フローを示す。
【図27b】LA受信情報保持テーブル5012内に記録する情報をユーザが設定したときの、リンクアグリゲーションの縮退が発生したときの本実施の形態を適用する中継装置内のLAテーブルを示す。
【図27c】LA受信情報保持テーブル5012内に記録する情報をユーザが設定したときの、リンクアグリゲーションの縮退が発生したときの本実施の形態を適用する中継装置内のLA受信情報保持テーブルを示す。
【図28】経路情報保持テーブル5011の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
1.概略

本発明及び本実施の形態の処理を導入した中継装置を使用した場合の通信フローの例を、図3に示す。中継装置1 3006が、本実施の形態を適用した中継装置であり、リンクアグリゲーションを用いた通信において、リンクアグリゲーションを介して接続されている、中継装置2 3007からリンクアグリゲーショングループ内物理ポートを通してフロー3016と、フロー3017とを回線2 3009から、フロー3018と、フロー3019と、を回線3 3010からそれぞれ受信する。それぞれのフローに対する応答のフローを、中継装置1 3006は、フロー3016と、フロー3017とを回線2 3009を使用して、フロー3018と、フロー3019と、を回線3 3010を使用して、それぞれ送信する。
【0021】
中継装置の1台が、リンクアグリゲーショングループ内の物理回線が使用できなくなった時のリンクアグリゲーションの縮退が発生した場合の例を、図4に示す。端末1 4001と端末2 4002間の双方向の通信フロー4016と、端末1 4001と端末3 4003間の双方向の通信フロー4017と、がLAG1 4015内の回線2 4009を、端末1 4001と端末3 4003間の双方向の通信フロー4018と、端末1 4001と端末3 4003間の双方向の通信フロー4019と、がLAG1 4015内の回線3 4010を、それぞれ使用している。このため、回線3 4010が使用できなくなった場合、端末1 4001と端末2 4002間の双方向の通信フロー4016と、端末1 4001と端末3 4003間の双方向の通信フロー4017と、については、リンクアグリゲーショングループ内の物理回線が使用できなくなったことの影響を受けず、通信を継続することができる。このように、前述の図2の例で示した、リンクアグリゲーションを用いて接続された2台の中継装置が、それぞれ任意に通信に使用するリンクアグリゲーション内の物理回線を決定する場合と比較し、物理回線が使用できなくなることの影響を受ける双方向の通信フローを、少なくすることができる。
【0022】
2.第1の実施の形態

本発明を実施するための第1の実施の形態を説明する。
まず、本実施の形態を適用する中継装置5001の構成図を、図5に示す。中継装置5001は、
・ユーザからのコマンド入力を受け付けて処理を行うコマンド処理部5003を含み、装置全体の制御を行う装置制御部5002と、
・経路情報保持テーブル5011内の情報を更新、または使用することで、送信先ポートを決定する処理を行うスイッチング制御部5004と、
・LAGの状態を記録するLAテーブル5013と、LAG使用時にフレームの送信先となるLAG内物理ポートを、LAテーブル5013の情報を使用して計算するハッシュ計算部5006と、
・本発明及び本実施の形態にて追加するLA受信情報保持テーブル5012と、を含むLA制御部5005と、
・物理ポート1 5008と、物理ポート2 5009と、物理ポート3 5010と、を含み、中継装置に搭載される物理ポートを管理し、制御する物理ポート制御部5007と、
を備える。なお、LA制御部5005は、LAGとLAG内の物理ポートを管理することができる。
【0023】
物理ポート1 5008と、物理ポート2 5009と、物理ポート3 5010と、にはそれぞれ、回線1 5014と、回線2 5015と、回線3 5016と、が接続する。中継装置5001には、物理ポートを4つ以上搭載してもよい。4つ以上の物理ポートを搭載した場合も、すべての物理ポートは物理ポート制御部5007内に含まれる。本実施の形態では、特に物理ポート1 5008と、物理ポート2 5009と、物理ポート3 5010と、を例に説明する。これらの物理ポート1 5008と、物理ポート2 5009と、物理ポート3 5010と、は、同一のレイヤ2ブロードキャストドメインに属する。以上が、本実施の形態を適用する中継装置 5001の構造となる。
【0024】
次に、中継装置1 5001が、複数の物理回線をリンクアグリゲーションで束ねた仮想回線(LAG)からレイヤ2フレームを受信し、それを他方のポートに送信するまでのレイヤ2フレーム中継動作と、そのときの中継装置1 5001での処理と、について、図6a〜図6eのフローチャートと、図7a〜図7bと、図8a〜図8bと、を用いて説明する。
【0025】
図7aに、実施の形態の説明に使用する、リンクアグリゲーションで接続された2台の中継装置によるネットワークの構成図を示す。この構成は、図5で説明した機構を持つ中継装置1 7006と、中継装置2 7007と、通信を行う端末1 7001と、端末2 7002と、端末3 7003と、端末4 7004と、端末5 7005と、端末1 7001と中継装置1 7006とを接続する回線1 7008と、端末1 7001と端末2 7002を接続する回線2 7009と回線3 7010と、端末2 7002と中継装置2 7007とを接続する回線4 7011と、端末3 7003と中継装置2 7002とを接続する回線5 7012と、端末4 7004と中継装置2 7007とを接続する回線6 7013と、端末5 7005と中継装置2 7007とを接続する回線7 7014と、回線2 7009と回線3 7010を束ねるLAG1 7015とを備える。
【0026】
このときの、中継装置1 7006内にあるLAテーブル7016の構造および状態を、図7bに示す。LAテーブル7016は、LAG ID 7017と、該当するLAGに束ねられているLAG内物理ポート7018と、上述の物理ポートの状態を示す物理ポート状態7019と、を含む。なお、LAG内物理ポートの物理ポート番号は、回線番号に対応する。たとえば、LAG内物理ポートの物理ポート2は、回線2に接続される。また、LAテーブルの物理ポート状態は、中継装置のLA制御部5005が、回線一定周期又は所定タイミング等に監視して、回線の障害等の使用不可、復旧等の使用可を検出したとき、Down又はUpに遷移させて記憶する。
【0027】
このときの通信フローを、図8aに示す。端末2 8002から、LAG1 8015中の回線2 8009を経由し端末1 8001宛のフロー8016と、端末4 8004から、LAG1 8015中の回線3 8010を経由し端末1 8001宛のフロー8018と、端末1 8001から、LAG1 8015中の回線3 8010を経由し端末2 8002宛のフロー8017と、端末1 8001から、LAG1 8015中の回線2 8009を経由し端末4 8004宛のフロー8019と、の4つのフローが存在する。
【0028】
以上の通信フローが存在するときの、中継装置1 8006内のLAテーブルの状態を、図8bに示す。
以降は、端末1 7001と、端末2 7002間と、端末1 7001と、端末4 7004間と、の通信フローを用いて説明する。ここで対象となる通信フローを構成するフレームは、宛先MACアドレスと、送信元MACアドレスと、データと、を保持しているものとする。以下、フレーム内に保持されている宛先MACアドレスをDMAC(Destination Media Access Control)、送信元MACアドレスをSMAC(Source Media Access Control)と呼ぶ。
【0029】
中継装置1 8006でのLAGを用いたレイヤ2フレーム中継処理を、図6 a〜図6eのフローチャートを用いて説明する。中継装置1 8006でのLAGを用いたレイヤ2フレーム中継処理は、図6aに示す物理ポート制御部5007でのフレーム受信処理と、図6cに示すLA制御部5005でのフレーム受信処理と、図6eに示すスイッチング制御部5004処理と、図6dに示すLA制御部5005でのフレーム送信処理と、図6bに示す物理ポート制御部5007でのフレーム送信処理と、で実現できる。以下に、それぞれの処理について説明する。
【0030】
(受信処理)
まず、物理ポート制御部5007でのフレーム受信処理について説明する。中継装置1 8006がフレームを受信すると、図6aに示す物理ポート制御部5007でのフレーム受信処理を行う。フレームを受信(6001)した物理ポート5008〜5010が、物理ポート制御部5007にフレームを転送(6001)する。転送されたフレームを受けた物理ポート制御部5007は、フレームと、受信元物理ポートの情報と、をLA制御部5005に転送する。以上が、物理ポート制御部5007でのフレーム受信処理となる。
【0031】
次に、LA制御部5005でのフレーム受信処理について説明する。物理ポート制御部5007からフレームと、受信元物理ポートの情報と、を受けたLA制御部5005では、図6cに示すLA制御部5005でのフレーム受信処理を行う。LA制御部5005でのフレーム受信処理は、図7bに示すLAテーブル7016を使用する。LAテーブル7016は、LAG7017と、そのLAGに束ねられるLAG内物理ポート7018と、LAG内物理ポート7018のポート状態を示す物理ポート状態7019と、の関連を保持しておくテーブルである。LAテーブル7016の情報は、コマンド等によって、ユーザが明示的に指定できる。LA制御部5005は、物理ポート制御部5007から受け取った受信元物理ポート情報を、LAテーブル7016内のLAG内物理ポートフィールド7018に保持している情報と照合し(6006)、受信元物理ポートを束ねるLAGが存在する場合、フレームの受信元情報を、受信元物理ポートを束ねるLAGに設定する(6007)。受信元物理ポートを束ねるLAGが存在しない場合、受信ポート制御部5007から受け取った受信元物理ポートを、そのまま受信元情報に設定する(6018)。フレームと、上述の処理によって決定した受信元情報と、をスイッチング制御部5004に転送する(6006)。以上が、LA制御部5005でのフレーム受信処理となる。
【0032】
(スイッチング処理)
次に、スイッチング制御部5004処理について説明する。LA制御部5005からフレームを受けたスイッチング制御部5004では、図6eに示すスイッチング制御部5004処理を行う。スイッチング制御部5004は、フレーム内のSMACと、フレームを受信した受信元情報と、を経路情報保持テーブル5011に記録する(6013)。
経路情報保持テーブル5011の例を、図28に示す。経路情報保持テーブル28001は、受信したフレームのSMACを保持しておくMAC情報フィールド28003と、そのフレームを受信した受信元情報を保持しておく受信元情報28002と、を含む。
【0033】
次に、フレーム内のDMACを、経路情報保持テーブル28001内のMAC情報フィールド28003の情報から検索(6014)し、一致するMAC情報があれば、対応する受信元情報28002に記録された受信元情報を、送信先情報として指定(6015)する。対応する受信元情報28002がない場合は、同一ブロードキャスト(又はマルチキャスト)ドメイン内で、フレームを受信したポート以外の全てのポートを送信先情報として指定(6016)する。送信先情報の指定が完了すると、LA制御部5005にフレームと、送信先情報と、を転送(6017)する。以上が、スイッチング制御部5004処理となる。
【0034】
(送信処理)
次に、LA制御部5005でのフレーム送信処理について説明する。スイッチング制御部5004からフレームと、送信先情報と、を受けたLA制御部5005では、図6dに示すLA制御部5005でのフレーム送信処理を行う。LA制御部5005でのフレーム送信処理は、図9aに示すLAテーブル5013を使用する。LA制御部5005では、スイッチング制御部5004から受け取った送信先情報を、LAテーブル7016から照合し、送信先情報に該当するLAGのLAG内物理ポート7018又は、送信先情報で指定されたポートに該当するLAG内物理ポート7018に、状態がUpのポートが存在するかどうかの検索を行う(6009)。LAG内物理ポート7018に、状態がUpのポートがある場合、LA制御部5005では、ハッシュ計算部5006が、送信先情報に指定されたLAGに束ねられ、かつ物理ポート状態がUpであるLAG内物理ポートの中から、フレームの送信に使用する物理ポートを送信先ポートとして計算、決定(6010)し、フレームと、決定された送信先ポートの情報と、を物理ポート制御部5007に転送する(6012)。上記に該当する、送信先ポートに指定されたLAGに束ねられ、かつ物理ポート状態がUpであるLAG内物理ポートが存在しない場合、LA制御部でフレームを廃棄する(6011)。以上が、LA制御部5005でのフレーム送信処理となる。
【0035】
次に、物理ポート制御部5007でのフレーム送信処理について説明する。LA制御部5005からフレームと、送信先ポート情報と、を受けた物理ポート制御部5007は、図8bに示す物理ポート制御部5007でのフレーム送信処理を行う。物理ポート制御部5007では、LA制御部5005から受け取った、送信先ポートに該当する物理ポートに、フレームを転送し(6004)、フレームを転送された物理ポートからフレームを転送する(6005)。以上が、物理ポート制御部5007でのフレーム送信処理となる。
以上が、中継装置1 5001が、複数の物理回線をリンクアグリゲーションで束ねた仮想回線(LAG)からレイヤ2フレームを受信し、それを他方のポートに送信するまでのレイヤ2フレーム中継動作と、そのときの中継装置1 5001での処理となる。
【0036】
(縮退)
次に、複数の物理回線をリンクアグリゲーションで束ねた仮想回線(LAG)を用いたレイヤ2フレームの中継動作時、LAGを構成する一部の物理回線が障害等により使用できなくなった場合の、レイヤ2フレーム中継動作について、通信フロー状態の遷移に着目し、図9a〜図9bと、図10a〜図10bと、を用いて説明する。
【0037】
LAGの縮退が発生した場合の中継フローについて、図9aに示す。図9aは、図8aで示す通信フローの状態から、回線3 9010がダウンした状態に遷移したことを示す。回線3 9010のダウンにより、回線3 9010を流れていた通信フローである、フロー9017と、フロー9018と、が停止する。
このときの中継装置1 9006のLAテーブルの状態を、図9bに示す。LAテーブル9020では、ダウンした回線3 9010を接続していた物理ポート3 5010の状態を示す物理ポート状態9023が、状態Downに遷移する。
【0038】
続いて遷移する、通信フローの状態について、図10aに示す。中継装置1 10006において、図10bに示すLAテーブル10020を使用し、図6dに示すLA制御部5005でのフレーム送信処理を行うと、処理6010において、物理ポート3 5010をフレームの送信先ポートとして使用しなくなる。そのため、図9aにおいて回線3 9010を使用し、回線3 9010のダウンによって通信が停止したフロー9017と、フロー9018と、はそれぞれ、図10aにおいては回線2 10009を使用するフロー10018と、フロー10019と、で通信を再開する。以上が、複数の物理回線をリンクアグリゲーションで束ねた仮想回線(LAG)を用いたレイヤ2フレームの中継動作時、LAGを構成する一部の物理回線が障害等により使用できなくなった場合の、レイヤ2フレーム中継動作となる。
【0039】
(復旧)
次に、前述の状態から、使用できなくなっていたLAGを構成する物理回線が、復旧した場合のレイヤ2フレーム中継動作について、通信フローの状態の遷移に着目し、図11a〜図11bを用いて説明する。
【0040】
図11aは、図10aの状態から、縮退の状態から復旧した時の通信フローの状態を示す。このときの中継装置1 LAテーブルの状態を、図11bに示す。回線3 11010が復旧したことにより、LAテーブル11020の物理ポート3に対応する物理ポート状態11023が、状態Upに遷移する。このことにより、中継装置1 11006は、図6dに示すLA制御部5005でのフレーム送信処理において、回線3 11010と接続する物理ポート3 5010を、フレームの送信先ポートとして使用可能となる。結果、LAG縮退時に回線2 11009を使用していた通信フローのうち、フロー11018と、フロー11019と、が、回線3 11010を使用する。以上が、使用できなくなっていたLAGを構成する物理回線が、復旧した場合のレイヤ2フレーム中継動作となる。
【0041】
3.第2の実施の形態

以上を踏まえ、以下に本発明の第2の実施の形態について説明する。
この実施の形態では、リンクアグリゲーションからフレームを受信した時にフレームの情報を記録し、リンクアグリゲーションからフレームを送信する時に記録した情報を参照することで、フレームの送信に使用するリンクアグリゲーショングループ内の物理回線を決定し、リンクアグリゲーションのフレームの振分けによって決定するフレームの送信に使用するリンクアグリゲーショングループ内の物理回線を修正する処理を導入する。前述の処理を導入することで、双方向通信を同じ物理回線で行うレイヤ2フレーム中継動作について、図12a〜図12bのフローチャートと、図13a〜図13cと、図14a〜図14cと、図15a〜図15cと、図16a〜図16cと、を用いて説明する。
【0042】
本実施の形態を適用した中継装置を含む、リンクアグリゲーションで接続された、2台の中継装置によるネットワークの構成図を、図13aに示す。図13aに示す構成は、本実施の形態をMACアドレスを使用するように実装した中継装置1 13006と、上述したLAG通信を行う中継装置2 13007と、の2台の中継装置を備える。その他の環境については、図7(a)に示した通信環境と同一である。
【0043】
このときの中継装置1 13006内のLAテーブル13016の状態を図13bに示す。図13aの時点では、回線2 13009と、回線3 13010と、はともにアップしている状態のため、LAテーブル13016内の物理ポート状態13019は、物理ポート2と、物理ポート3と、ともに状態はUpとなる。
【0044】
本実施の形態にて追加となる、LA受信情報保持テーブル13020を、図13cに示す。LA受信情報保持テーブル13020は、フレームを受信したLAG又はポートを記録する受信LAフィールド13021と、フレームを受信したLAG内物理ポートを記録する受信ポートフィールド13022と、受信したフレームのDMACを記録する宛先MAC情報フィールド13023と、受信したフレームのSMACを記録する送信元MAC情報フィールド13024と、フレームを受信してからの時間を表す受信時タイマフィールド13025と、を含む。以上が、複数の物理回線を束ねた仮想回線内の同じ物理回線を用いて双方向通信を行うレイヤ2フレーム中継動作を行う環境となる。
【0045】
次に、中継装置1 13006がLAG1 13015からフレームを受信した場合の通信フローの状態を、図14aに、フレームを受信した後の中継装置1 14006内部のLAテーブル14018の状態を図14bに、フレームを受信した後の中継装置1 14006内部のLA受信情報保持テーブルの状態を図14cに、このときの中継装置1 14006内部の処理を表すフローチャートを、図12aに示す。
【0046】
(受信処理)
図12aは、本実施の形態を適用した中継装置が、LAG側からフレームを受信した場合のLA制御部5005における受信処理を示したフローチャートである。物理ポート制御部5007でのフレーム受信処理と、スイッチング制御部5004処理と、物理ポート制御部5007でのフレーム送信処理と、はそれぞれ図6aと、図6eと、図6bと、それぞれ同一となり、LA制御部5005でのフレーム受信処理のみが異なる。そのため、ここではLA制御部5005でのフレーム受信処理に着目して説明する。中継装置1 13006がフレームを受信すると、図6aに示す物理ポート制御部5007でのフレーム受信処理を行い、図12aに示すLA制御部5005でのフレーム受信処理を行う。LA制御部5005では、受信したフレームのSMACと、DMACと、を元に、LA受信情報保持テーブル13022内に一致する情報が存在するかの検索を行う(12001)。一致する情報がない場合、受信したフレームのSMACと、DMACと、フレームを受信したLAGと、フレームを受信したLAG内物理ポートと、をLA受信情報保持テーブル13022に新規に記録する。このとき、受信時タイマフィールド13027には、0を記録する(12002)。一致する情報が存在する場合、続いてフレームを受信したLAGと、フレームを受信したLAG内物理ポートと、の情報を、LA受信情報保持テーブル13022内に記録されている、一致したフレームを受信したLAGと、フレームを受信したLAG内物理ポートと、照合し、一致するかを判定する(12003)。情報が一致しない場合、受信したフレームと一致する宛先MAC情報フィールド13023と、送信元MAC情報フィールド13024と、に関連付けられている受信LAフィールド13021と、受信ポート12022と、の情報を、それぞれ受信したフレームのLAGと、LAG内物理ポートと、の情報に更新する。このとき、関連付けられている受信時タイマフィールド13025には、0を記録する(12004)。情報が一致する場合、受信したフレームと一致する宛先MAC情報フィールド13023と、送信元MAC情報フィールド13024と、に関連付けられている受信時タイマフィールド13025に、0を記録する(12005)。LA受信情報保持テーブル13020の情報更新が完了すると、LA制御部5005は、スイッチング制御部5004にフレームと、フレームを受信したLAG又は受信元ポートを表す受信元情報と、を転送し(12006)、以降、図6eにて説明したスイッチング制御部5004制御部での処理と、同等の処理を行う。上述のLA制御部5005でのフレーム受信処理を完了した後の、LAテーブル14018を図14bに、LA受信情報保持テーブル14022を図14cに、それぞれ示す。LAテーブル14018は、通信フローが発生する前のLAテーブル13017と、の違いはない。LA受信情報保持テーブル14022は、図12aに示すLA制御部5005でのフレーム受信処理により、フロー14016と、フロー14017と、で受信したフレームの情報が記録される。以上が、中継装置1 13006がLAG1 13015からレイヤ2フレームを受信した場合の通信フローと、中継装置と、の動作となる。
【0047】
(送信処理)
次に、中継装置1 13006が、LAG1 13015向けにレイヤ2フレームを送信する動作を、図15a〜図15cを用いて説明する。このときの通信フローを、図15aに示す。中継装置1 15006側が、端末1 15001を接続する回線1 15008からフレームを受信し、LAG1 15015からフレームを送信するフロー15016と、フロー15017と、を考える。また、このときのLAテーブル15018の状態を図15bに、LA受信情報保持テーブル15022の状態を図15cに、それぞれ示す。以上のレイヤ2フレーム中継処理を行う際、物理ポート制御部5007と、スイッチング制御部5004と、はそれぞれ図6bと、図6eと、で説明した処理と同等の処理を行うため、LA制御部5005でのフレーム送信処理に着目して説明する。
【0048】
LA制御部5005でのフレーム送信処理のフローチャートを、図12bに示す。スイッチング制御部5004から転送されたフレームと、送信先情報と、をLA制御部5005で受信する。LA制御部5005では、転送されたフレームのSMACと、DMACと、送信先情報と、をLA受信情報保持テーブル15022内の宛先MAC情報フィールド15025と、送信元MAC情報フィールド15026と、受信LA15023と、それぞれ一致する情報があるかどうかの検索を行う(12007)。一致する情報がある場合、そのLA受信情報保持テーブル15022内の該当する情報に関連付けられた受信ポート情報15024と、LAテーブル15018内のLAG内物理ポート15020と、を照合し、対応するLAG内物理ポート15020に関連付けられた物理ポート状態15021の情報がUpとなっているかの判定を行う(12008)。対応する物理ポート状態15021の情報がUpとなっていれば、前述の転送されたフレームのSMACと、DMACと、送信先ポートの情報と、一致するLA受信情報保持テーブル15022内の宛先MAC情報フィールド15025と、送信元MAC情報フィールド15026と、受信LA15023と、に対応する受信ポート15024に保持されているLAG内物理ポートを、フレームの送信先ポートとして指定し、フレームとあわせて物理ポート制御部5007に転送する(12009)。LA受信情報保持テーブル15022内の宛先MAC情報フィールド15025と、送信元MAC情報フィールド15026と、受信LA15023と、が一致する情報がない場合、もしくは、一致した情報があっても、その受信ポート15024に対応付けられたLAテーブル15018内の物理ポート状態15021の情報がDownの場合、図6dで示すLA制御部でのフレーム送信処理と同等の処理(12010)を行い、フレームの送信先ポートを指定し、物理ポート制御部5007に、フレームと、フレームの送信先ポートと、を転送する。この後、図6bに示す物理ポート制御部5007でのフレーム送信処理により、フレームが送信される。以上の処理により、図15aに示すフロー15016と、フロー15017と、が実現できる。
【0049】
前述の、中継装置1 14006が、LAG1 14015からフレームを受信する動作と、中継装置1 15006が、LAG1 15015向けにレイヤ2フレームを送信する動作と、の組み合わせにより、図16aに示す、中継装置1 16006と、中継装置2 16007と、の間のLAG1 16015を経由した、双方向の端末間通信動作となる。端末1 16001と、端末2 16002と、の間のフロー16016と、フロー16018と、はLAG1 16015内の回線2 16009を使用して通信を行い、端末1 16001と、端末4 16004と、の間のフロー16017と、フロー16019と、はLAG1 16015内の回線3 16010を使用して通信を行うことを保証できる。以上が、複数の物理回線を束ねた仮想回線内の同じ物理回線を用いて双方向通信を行うレイヤ2フレーム中継動作となる。
【0050】
(縮退)
次に、複数の物理回線を束ねた仮想回線内の同じ物理回線を用いて双方向通信を行うレイヤ2フレーム中継動作時、LAGを構成する一部の物理回線が障害等により使用できなくなった場合の、レイヤ2フレーム中継動作について、図16aからの通信フロー状態の遷移に着目し、図17a〜図17cと、図18a〜図18cと、図19a〜図19cと、図20a〜図20cと、を用いて説明する。図16a中の回線2 16009を使用するフロー16016と、フロー16018と、は、回線3 16010のダウンの影響をまったく受けず、通信フローの状態も変化しないため、以降の説明を省略する。
【0051】
まず、回線3 16010の断が発生した場合の通信フローの状態を、図17aに示す。回線3 17010が使用できなくなっているため、回線3 17010を使用するフロー17016と、フロー17017と、の通信が停止する。このときのLAテーブル17018の状態を図17bに、LA受信状態保持テーブル17022の状態を図17cに示す。図17aの時点では、中継装置1 17006では回線3 17010の使用不可を検出していないため、LAテーブル17018内の物理ポート状態17021に変化はない。
【0052】
次に、中継装置1 18006にて回線3 18010の使用不可を検出した時の通信フローの状態を、図18aに示す。また、このときのLAテーブル18018の状態を図18bに、LA受信状態保持テーブル18022の状態を図18cに示す。中継装置1 18006が回線3 18010の使用不可を検出し、LAテーブル18018内の物理ポート3に対応する物理ポート状態18021が、Down状態に遷移する。LAテーブル18018内の物理ポート3に対応する物理ポート状態18021がDown状態に遷移することにより、図12bに示すLA制御部5005でのフレーム送信処理において、処理12008におけるLAテーブル18018内物理ポート情報18021がDownとなり、図6dに示すLA制御部5005でのフレーム送信処理により、ハッシュ計算部5006によってLAテーブル18018内物理ポート情報18021がUpとなっている物理ポートの中から、フレーム送信に使用する物理ポートを選択する。以上の処理により、フロー18016は、中継装置1 18006の回線3 18010からの送信が行われず、回線2 18009からの送信に変更される。
【0053】
次に、中継装置2 19007でも回線3 19010の使用不可を検出した時の通信フローの状態を、図19aに示す。また、このときのLAテーブル19018の状態を図19bに、LA受信状態保持テーブル19022の状態を図19cに示す。中継装置2 19007でも回線3 19010の使用不可を検出したため、フロー19017を回線3 19010からの送信を行わず、回線2 19009からの送信に変更される。このタイミングで、端末1 19001と、端末4 19004と、の間の双方向通信が回復する。
【0054】
次に、中継装置1 20006が、回線2 20009からフロー20017を受信した後の通信フローの状態を、図20aに示す。また、このときのLAテーブル20018の状態を図20bに、LA受信情報保持テーブル20022の状態を図20cに示す。LAG1 20015側からフレームを受信したため、図12aに示すLA制御部5005でのフレーム受信処理が動作し、処理12003にてLA受信情報保持テーブル20022内の宛先MAC情報フィールド20025と、送信元MAC情報フィールド20026と、を持つフレームを受信したLAG内物理ポートが、受信ポート20024の情報と差異があることを検出する。このとき、該当のLA受信情報保持テーブル20022内の宛先MAC情報フィールド20025と、送信元MAC情報フィールド20026と、に対応付けられた受信ポート20024の情報を、新たにフレームを受信した物理ポート2 5009の情報に更新する。このことにより、図12bに示すLA制御部5005でのフレーム送信処理において、処理12008におけるLAテーブル20018内物理ポート情報20021がUpとなり、LA受信情報保持テーブル20022内の宛先MAC情報フィールド20025と、送信元MAC情報フィールド20026と、に対応づけられた受信ポート20024に記録された、物理ポート2を送信先ポートとして指定する。以上の処理により、ハッシュ計算部5006を使用することなく、回線3 20010を送信先ポートからの送信をとめることができる。よって、図20aに示す状態が、複数の物理回線を束ねた仮想回線内の同じ物理回線を用いて双方向通信を行うレイヤ2フレーム中継動作時、LAGを構成する一部の物理回線が障害等により使用できなくなった場合の、通信フローの安定状態となる。以上が、複数の物理回線を束ねた仮想回線内の同じ物理回線を用いて双方向通信を行うレイヤ2フレーム中継動作時、LAGを構成する一部の物理回線が障害等により使用できなくなった場合の、レイヤ2フレーム中継動作となる。
【0055】
(復旧)
次に、前述の状態から、使用できなくなっていたLAGを構成する物理回線が、復旧した場合のレイヤ2フレーム中継動作について、通信フローの状態の遷移に着目し、図21a〜図21cと、図22a〜図22cと、を用いて説明する。
回線3 21010が復旧した直後の通信フローの状態を、図21aに示す。また、このときのLAテーブル21018の状態を図21bに、LA受信情報保持テーブル21022の状態を図21cに示す。中継装置1 21006と、中継装置2 21007と、が回線3 21010の復旧を検出し、LAテーブル21018内の物理ポート3に対応する物理ポート状態21021を、Upに遷移させる。この処理により、中継装置2 21007からLAG1 21015を経由し、中継装置1 21006に到達するフロー21017は、回線3 21010を使用する。
【0056】
次に、フロー21017にて、中継装置1 21006がフレームを受信した後の状態を、図22aに示す。また、このときのLAテーブル22018の状態を図22bに、LA受信情報保持テーブル22022の状態を図22cに示す。フロー22017にて、中継装置1 22006がフレームを受信し、その結果としてLA受信情報テーブル内の受信ポート情報22024が、物理ポート3の情報で更新される。結果として、中継装置1 22006からLAG1 22015を経由して中継装置2 22007に向かうフロー22016は、回線3 22010を使用して通信を継続する。
【0057】
以上が、使用できなくなっていたLAGを構成する物理回線が、復旧した場合のレイヤ2フレーム中継動作となる。以上のように、本実施の形態を適用した中継装置は、LAGによって接続された対向の中継装置の、LAG内の通信に使用する物理ポートの選択に従い、対向の中継装置が選択した、LAG内の通信に使用する物理ポートと直接接続されているLAG内物理ポートを使用して、通信を行うこととなる。
以上が、本発明を実施するための例となる。
【0058】
4.LA受信情報保持テーブル

(削除)
次に、LA受信情報保持テーブル5012内に記録された情報を、LAG制御部又は他の制御部によりユーザの指示を受けずに削除する方法について説明する。
前述のとおり、LA受信情報保持テーブル5012内の情報は、LAGからのフレーム受信を契機として、動的に更新される。この更新されるタイミングで、図15cに示す、LA受信情報保持テーブル1522内の受信時タイマ15027は、一律0に更新される。その後、LA受信情報保持テーブル15022内の宛先MAC情報フィールド15025と、送信元MAC情報フィールド15026と、受信LA15023と、に一致するフレームを受信しない場合、対応する受信タイマ15027の情報は、毎秒増加していく。この受信タイマ15027の情報が一定の値に到達した場合、その到達した受信タイマ15027に対応するLA受信情報保持テーブル15022内の情報を削除する。以上が、LA受信情報保持テーブル5012内に記録された情報を、ユーザの指示を受けずに削除する方法となる。
【0059】
(表示)
次に、LA受信情報保持テーブル5012内に記録される情報を、LAG制御部又は他の制御部によりユーザに見える形で表示する方法について説明する。
LA受信情報保持テーブル5012内に記録される情報を、ユーザに見える形で表示することは、ユーザが中継装置にコマンドを入力して行う。ユーザが入力したコマンドは、コマンド処理部5003にて受け付けられ、装置制御部5002からLA制御部5005内のLA受信情報保持テーブル5012の情報を取得する。
【0060】
LA受信情報保持テーブル5012内に記録される情報を、ユーザに見える形で表示した例を、図23に示す。表示例23001のLAG ID23002と、Recv Port 23003と、Dest MAC 23004と、Src MAC 23005と、Recv Timer23006と、は、それぞれLA受信情報保持テーブル15022内の、受信LA 15023と、受信ポート15024と、宛先MAC情報フィールド15025と、送信元MAC情報フィールド15026と、受信時タイマ15027と、に対応する。以上が、LA受信情報保持テーブル5012内に記録される情報を、ユーザに見える形で表示する方法となる。
【0061】
5.変形例

続いて、変形例を説明する。
第1及び第2の実施の形態におけるLA受信情報保持テーブル5012内の宛先MAC情報フィールド15025と、送信元MAC情報フィールド15026と、に記録する情報は、フレーム内に保持されている、SMAC以外の送信元を示す情報と、DMAC以外の宛先を示す情報と、に置き換えてもよい。例として、図24に、第1の実施の形態に示したMACアドレス情報の代わりに、IP(Internet Protocol)アドレス情報を保持したLA受信情報保持テーブル24001の例を示す。この場合、送信元IPアドレス情報フィールド24004と、宛先IPアドレス情報フィールド24005と、に記録される情報を使用し、図12aにて示したLA制御部5005でのフレーム受信処理と、図12bにて示したLA制御部5005でのフレーム送信処理と、を行う。以上の処理により、複数の物理回線を束ねた仮想回線内の同じ物理回線を用いて双方向通信を行うフレーム中継動作を実現する。
以上が、第1及び第2の実施の形態(さらに、以下に説明する第3の実施の形態)の変形例となる。
【0062】
6.第3の実施の形態

続いて、第3の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態においてリンクアグリゲーションからフレームを受信時に記録する、LA受信情報保持テーブル5012の受信したフレームのSMACと、DMACと、フレームを受信したLAGと、フレームを受信したLAG内物理ポートと、の情報に代えて、ユーザが入力するコマンドによって設定される、SMACと、DMACと、それらに関連付けられるLAG内物理ポート情報と、を用い、第1の実施の形態にて示したフレームの中継動作を行ってもよい。
【0063】
SMACと、DMACと、それらに関連付けられるLAG内物理ポート情報と、をユーザが設定するためのコマンド例を、図25に示す。コマンド25003と、コマンド25004と、はリンクアグリゲーショングループに属するポートを指定する。
コマンド25005は、リンクアグリゲーショングループ内の特定の物理ポートを使用してフレームの送信を行うため、SMACと、DMACと、LAG内物理ポートと、を指定する。コマンド25005によって設定したSMACと、DMACと、LAG内物理ポートと、を記録する、LA受信情報保持テーブル27022を図27cに示す。LA受信情報保持テーブル5012に、記録された情報がフレームの受信によって行われたか、あるいはコマンド25005によって行われたかを判別するためのTypeフィールド27027を追加する。本実施の形態では、Typeフィールド27027にDynamicと記録されていると、該当する情報がフレームの受信を契機として記録されたことを示すこととし、Staticと記録されていると、該当する情報がコマンド25005によって設定されたことを示すこととする。以上が、SMACと、DMACと、それらに関連付けられるLAG内物理ポート情報と、をユーザが設定するためのコマンド例となる。
次に、ユーザが入力するコマンドによって設定される、SMACと、DMACと、それらに関連付けられるLAG内物理ポート情報と、を用いた場合のフレーム中継処理を、図26のフローチャートと、図27a〜cと、を用いて説明する。
【0064】
LA受信情報保持テーブル27022内にTypeフィールド27027を追加することで、データの設定がフレームの受信によって行われたか、あるいはユーザの入力する設定コマンドによって行われたかの区別を行う。データの設定がフレームの受信によって行われた場合、Typeフィールド27027にはDynamicと記録する。また、ユーザの入力する設定コマンドによって行われた場合、Typeフィールド27027にはStaticと記録する。このときのLA受信情報保持テーブル27022の例を、図27cに示す。
【0065】
(受信処理等)
LA受信状態保持テーブル27022を使用し、通信に使用するリンクアグリゲーション内の物理回線を指定した時の中継装置内部の処理は、物理ポート制御部5007でのフレーム受信処理と、スイッチング制御部5004処理と、LA制御部5005でのフレーム送信処理と、物理ポート制御部5007でのフレーム送信処理と、は前述の図6aと、図6eと、図6dと、図6bと、それぞれ同一となり、LA制御部5005でのフレーム受信処理のみが異なる。そのため、ここではLA制御部5005でのフレーム受信処理に着目して説明する。
【0066】
図6aに示すLA制御部5005のフレーム受信処理のフローチャートを、図26に示す。中継装置がフレームを受信すると、図6aに示す物理ポート制御部5007でのフレーム受信処理を行い、フレームと、フレームを受信した物理ポート情報と、をLA制御部5005に転送する。LA制御部5005では、受信したフレームのSMACと、DMACと、を元に、LA受信情報保持テーブル27022内に一致する情報が存在するかの検索を行う(26001)。一致する情報がない場合、受信したフレームのSMACと、DMACと、フレームを受信したLAGと、フレームを受信したLAG内物理ポートと、をLA受信情報保持テーブル27022に新規に記録する。このとき、Typeフィールド27027にはDynamicを、受信時タイマフィールド27028には、0を記録する(26003)。一致した情報が存在する場合、続いてその一致した情報の、Typeフィールド27027を照合する(26002)。TypeがStaticであれば、LA受信情報保持テーブルの情報を更新せず、スイッチング制御部5004にフレームと、フレームを受信したLAG又は受信元ポートを表す受信元情報と、を転送する(26007)。TypeがDynamicであれば、前述のLA制御部5005でのフレーム受信処理と、同等の処理を行う。図26の処理26004以降の処理は、図12aの処理12003以降の処理と、同一となる。以上が、LA受信情報保持テーブル5012の受信したフレームの宛先MAC情報フィールドと、送信元MAC情報フィールドと、フレームを受信したLAGと、フレームを受信したLAG内物理ポートと、の情報をユーザが入力するコマンドによって記録した場合のフレーム中継処理となる。
【0067】
(縮退)
次に、LA受信情報保持テーブル5012の受信したフレームのSMACと、DMACと、フレームを受信したLAGと、フレームを受信したLAG内物理ポートと、の情報をユーザが入力するコマンドによって記録した場合に、リンクアグリゲーショングループ内の一部の物理回線が使用できなくなった場合の動作について説明する。リンクアグリゲーショングループ内の一部の物理回線が使用できなくなった場合の通信フローを図27aに、そのときのLAテーブル27018を図27bに、それぞれ示す。LA受信情報保持テーブル27022には、端末1MACと、端末4MACと、は物理ポート3に関連づけられている。しかし、物理ポート3はLAテーブル27018では物理ポート状態27021がDownとなっているため、フレームの送信先として物理ポート3を使用することはできない。このため、図6dに示すLA制御部5005でのフレーム送信処理を行い、物理ポート状態27021がUpとなっている物理ポートから、フレーム送信に使用するポートを決定し、フレームを送信する。第1又は第2の実施の形態に示した場合では、中継装置2 27007側から回線2 27009を使用してフレームを受信することで、LA受信情報保持テーブル27022の情報を更新したが、Typeフィールド27027に記録されている情報がStaticのため、情報の更新は行わない。この場合、LA受信情報保持テーブル27022によるフレームの送信に使用するポートの決定が行えないため、図6dに示すLA制御部5005でのフレーム送信処理によって、フレームの送信に使用する物理ポートを決定する。以上が、ユーザが入力するコマンドによって設定される、SMACと、DMACと、それらに関連付けられるLAG内物理ポート情報と、を用いた場合の動作となる。
【0068】
(復旧)
前述の状態から、使用できなくなっていたLAGを構成する物理回線が、復旧した場合のレイヤ2フレーム中継動作については、第1の実施の形態に記載の動作と同様の動作にて行う。
以上が、第3の実施の形態となる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、IEEEで規定されているリンクアグリゲーション以外に、現在及び将来規定されるリンクアグリゲーションと同等な規定に適用することができる。
また、以上の説明では主にMACについて記載したが、本発明は、これに限らず適宜のアドレス情報を用いる場合に適用することができる。
【符号の説明】
【0070】
1001〜1005、2001〜2005、3001〜3005、4001〜4005、7001〜7005、8001〜8005、9001〜9005、10001〜10005、11001〜11005、13001〜13005、14001〜14005、15001〜15005、16001〜16005、17001〜17005、18001〜18005、19001〜19005、20001〜20005、21001〜21005、22001〜22005、27001〜27005 通信端末1〜5
1006〜1007、2006〜2007、3006〜3007、4006〜4007、7006〜7007、8006〜8007、9006〜9007、10006〜10007、11006〜11007、13006〜13007、14006〜14007、15006〜15007、16006〜16007、17006〜17007、18006〜18007、19006〜19007、20006〜20007、21006〜21007、22006〜22007、27006〜27007 中継装置1〜2
1008〜1014、2008〜2014、3008〜3014、4008〜4014、7008〜7014、8008〜8014、9008〜9014、10008〜10014、11008〜11014、13008〜13014 物理回線1〜7
1015、2015、3015、4015、7015、8015、9015、10015、11015、13015、14015、15015、16015、17015、18015、19015、20015、21015、22015、27015 リンクアグリゲーショングループ1
1016、2016、8016、9016、10016、11016、14016、16018 通信端末2から通信端末1への通信フロー
1017、8017、9017、10018、11017、15016、16016 通信端末1から通信端末2への通信フロー
1018、2017 通信端末3から通信端末1への通信フロー
1019 通信端末1から通信端末3への通信フロー
1020、2018、8019、10019、11019、15017、16017、17016、18016、19016、20016、21016、22016、27016 通信端末1から通信端末4への通信フロー
1021、2019、8018、9018、10017、11018、14017、16019、17017、18017、19017、20017、21017、22017、27017 通信端末4から通信端末1への通信フロー
1022、2020、8019、9019 通信端末1から通信端末5への通信フロー
1023、2021 通信端末5から通信端末1への通信フロー
2022 通信端末1から通信端末2または通信端末3への通信フロー
3016、4016 通信端末1と通信端末2との間の通信フロー
3017、4017 通信端末1と通信端末3との間の通信フロー
3018、4018 通信端末1と通信端末4との間の通信フロー
3019、4019 通信端末1と通信端末5との間の通信フロー
5001 中継装置
5002 装置制御部
5003 コマンド制御部
5004 スイッチング制御部
5005 LA制御部
5006 ハッシュ計算部
5007 物理ポート制御部
5008、5009、5010 物理ポート
5011 経路情報保持テーブル
5012、13020、14022、15022、16024、17022、18022、19022、20022、21022、22022、27022、24001 LA受信情報保持テーブル
5023、7016、8020、9020、10020、11020、13016、14018、15018、16020、17018、18018、19018、20018、21018、22018、27018 LAテーブル
5014〜16 物理回線
7017、8021、9021、10021、11021、13017、14019、15019、16021、17019、18019、19019、20019、21019、22019、27019 LAGフィールド
7018、8022、9022、10022、11022、13018、14020、15020、16022、17020、18020、19020、20020、21020、22020、27020 LAG内物理ポートフィールド
7019、8023、9023、10023、11023、13019、14021、15021、16023、17021、18021、19021、20021、21021、22021、27021 物理ポート状態フィールド
13021、14023、15023、16025、17023、18023、19023、20023、21023、22023、27023、24002 受信LAフィールド
13022、14024、15024、16026、17024、18024、19024、20024、21024、22024、27024、24003 受信ポートフィールド
13023、14025、14025、16027、17025、18025、19025、20025、21025、22025、27025 宛先MACフィールド
13024、14026、15026、16028、17026、18026、19026、20026、21026、22026、27026 送信元MACフィールド
13025、14027、15027、16029、17027、18027、19027、20027、21027、22027、27027、24006 受信時タイマフィールド
23001 表示例
24004 宛先IP情報フィールド
24005 送信元IP情報フィールド
25001 設定コマンド例
28001 経路情報保持テーブル
28002 受信元情報フィールド
28003 MAC情報フィールド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リンクアグリゲーショングループ(LAG)と、そのLAGに束ねられるLAG内物理ポートと、LAG内物理ポートのポート状態を示す物理ポート状態と、の関連を記憶するリンクアグリゲーション(LA)テーブルと、
受信したフレームの受信元情報と、アドレス情報と、の関連を記憶する経路情報保持テーブルと、
フレームの受信処理及び送信処理を行うためのLA制御部と、
前記LA制御部からフレームを受け、スイッチング制御を行うためのスイッチング制御部と、
を備え、

(1)前記LA制御部は、
フレームと受信元物理ポートを受け、受け取った受信元物理ポートを、前記LAテーブル内のLAG内物理ポートと照合し、
受信元物理ポートを束ねるLAGが存在する場合、受信元情報に該LAGを設定し、一方、受信元物理ポートを束ねるLAGが存在しない場合、受信元情報に前記受信元物理ポートを設定し、
前記フレーム及び前記受信元情報を、前記スイッチング制御部に転送し、
(2)前記スイッチング制御部は、
前記LA制御部から転送された受信元情報及び前記フレーム内の送信元アドレスを、経路情報保持テーブルに記録し、
経路情報保持テーブルを検索し、前記フレーム内の宛先アドレスと一致するアドレス情報がある場合、それに対応する受信元情報を送信先情報として指定し、一方、一致するアドレス情報がない場合、フレームを受信したポート以外の複数のポートを送信先情報として指定し、
前記フレーム及び送信先情報を、前記LA制御部に転送し、
(3)前記LA制御部は、
前記LAテーブルを参照し、前記スイッチング制御部から受け取った前記送信先情報の示すLAG又はひとつ又は複数のポートに該当するひとつ又は複数のLAG内物理ポートに、物理ポート状態が使用可のポートが存在するかどうかを検索し、
該LAG内物理ポートのひとつ又は複数に物理ポート状態が使用可のポートがある場合、該LAG内物理ポートの中からフレームの送信に使用する送信先ポートを決定して、前記フレームと及び前記送信先ポートを転送し、
一方、物理ポート状態が使用可であるLAG内物理ポートが存在しない場合、該フレームを廃棄する
ことを特徴とする中継装置。

【請求項2】
請求項1に記載の中継装置において、
さらに、前記LA制御部とフレームを送受信して、ひとつ又は複数の物理ポートからフレームを受信し、ひとつ又は複数の物理ポートへフレームを送信する物理ポート制御部を備え、
フレームを受けた前記物理ポート制御部は、フレームと受信元物理ポートとを前記LA制御部に転送し、
前記LA制御部からフレームと送信先ポートとを受けた前記物理ポート制御部は、受け取った送信元ポートに該当する物理ポートにフレームを転送する
ことを特徴とする中継装置。

【請求項3】
請求項1又は2に記載の中継装置において、
前記LA制御部は、複数の物理ポートに接続される複数の回線の状態を監視し、前記LAテーブルの物理ポート状態に記憶された複数の回線の使用可若しくは使用不可、又は、正常若しくは障害若しくは復旧に関する状態を記憶することを特徴とする中継装置。

【請求項4】
リンクアグリゲーショングループ(LAG)と、そのLAGに束ねられるLAG内物理ポートと、LAG内物理ポートのポート状態を示す物理ポート状態と、の関連を記憶するリンクアグリゲーション(LA)テーブルと、
受信したフレームの受信元情報と、アドレス情報と、の関連を記憶する経路情報保持テーブルと、
フレームの受信LAG又は受信ポートを表す受信LAG/ポートと、フレームを受信したLAG内物理ポートと、フレームの宛先アドレス及び送信元アドレスと、を関連して記憶するLA受信情報保持テーブルと、
フレームの受信処理及び送信処理を行うためのLA制御部と、
前記LA制御部からフレームを受け、スイッチング制御を行うための前記スイッチング制御部と、
を備え、

(1)前記LA制御部は、
受信したフレームの送信元アドレス及び宛先アドレスを元に、前記LA受信情報保持テーブル内に一致する情報が存在するかを検索し、
一致する情報がない場合、フレームの受信LAGと、フレームを受信したLAG内物理ポートと、受信したフレームの送信元アドレス及び宛先アドレスと、を前記LA受信情報保持テーブルに新規に記録し、
一方、一致する情報が存在する場合、さらに、受信LAG及びLAG内物理ポートを元に、前記LA受信情報保持テーブル内に一致する情報があるかどうかを判定し、
一致する情報がない場合、受信したフレームの宛先アドレス及び送信元アドレスに一致する情報の受信LAG及びLAG内物理ポートを更新し、
前記フレームと、フレームの受信LAG又は受信ポートを表す受信元情報と、を前記スイッチング制御部に転送し、

(2)前記スイッチング制御部は、
前記LA制御部から転送された受信元情報及び前記フレーム内の送信元アドレスを、前記経路情報保持テーブルに記録し、
経路情報保持テーブルを検索し、前記フレーム内の宛先アドレスと一致するアドレス情報がある場合、それに対応する受信元情報を送信先情報として指定し、一方、一致するアドレス情報がない場合、フレームを受信したポート以外の複数のポートを送信先情報として指定し、
前記フレーム及び送信先情報を、前記LA制御部に転送し、

(3)前記LA制御部は、
前記スイッチング制御部から転送された前記フレームと送信先情報とを受信し、
前記LA受信情報保持テーブル内に、転送されたフレームの送信元アドレス及び宛先アドレス及び送信先情報と、送信元アドレス及び宛先アドレス及び受信LAG/ポートが一致する情報があるかどうか検索し、
一致する情報がある場合、該情報に関連付けられたLAG内物理ポートを元に前記LAテーブルを照合し、該LAG内物理ポートの物理ポート状態の情報が使用可となっているかの判定を行い、
対応する物理ポート状態の情報が使用可となっていれば、該LAG内物理ポートをフレームの送信先ポートとして指定し、前記フレームとともに転送し、
一方、前記LA受信情報保持テーブル内に送信元アドレス及び宛先アドレス及び受信LAG/ポートが一致する情報がない場合、もしくは、一致した情報があってもそのLAG内物理ポートの物理ポート状態の情報が使用不可の場合、
前記LA制御部は、
前記LAテーブルを参照し、前記スイッチング制御部から受け取った前記送信先情報の示すLAG又はひとつ又は複数のポートに該当するひとつ又は複数のLAG内物理ポートに、物理ポート状態が使用可のポートが存在するかどうかを検索し、
該LAG内物理ポートのひとつ又は複数に物理ポート状態が使用可のポートがある場合、該LAG内物理ポートの中からフレームの送信に使用する送信先ポートを決定して、前記フレームと及び前記送信先ポートを転送し、
一方、物理ポート状態が使用可であるLAG内物理ポートが存在しない場合、該フレームを廃棄する
中継装置。

【請求項5】
請求項4に記載の中継装置において、
前記LA受信情報保持テーブルには、各エントリに、さらに、フレームを受信してからの時間を表す受信時タイマとを関連して含み、
さらに、前記LA制御部は、受信したフレームを処理するとき、前記LA受信情報保持テーブルにおける、受信したフレームの宛先アドレス及び送信元アドレスに一致する情報の受信タイマを0に記録又はクリアし、
前記LA受信情報保持テーブルの受信タイマの情報が一定の値に到達した場合、その到達した受信タイマに対応する前記LA受信情報保持テーブル内の情報を削除する
ことを特徴とする中継装置。

【請求項6】
請求項4又は5に記載の中継装置において、
さらに、ユーザから入力されたコマンドを受けると、前記LA制御部内の前記LA受信情報保持テーブルの情報を取得し、表示部に表示する装置制御部を備えた
ことを特徴とする中継装置。

【請求項7】
請求項4乃至6のいずれかに記載の中継装置において、
前記LA受信情報保持テーブルは、記録された情報がフレームの受信によって行われたか、あるいはコマンドによって行われたかを判別するためのタイプをさらに含み、
前記LA制御部は、受信したフレームの送信元アドレス及び宛先アドレスを元に、前記LA受信情報保持テーブル内に一致する情報が存在するかを検索し、一致した情報が存在する場合、続いてその一致した情報のタイプがコマンドによって行われたことを示す場合、LA受信情報保持テーブルの情報を更新せず、前記スイッチング制御部に、フレームと、フレームを受信した受信元情報と、を転送することを特徴とする中継装置。

【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の中継装置において、
前記LA受信情報保持テーブル内の記録する送信元アドレス情報と宛先アドレス情報は、それぞれ、宛先MAC情報フィールドと、送信元MAC情報フィールドであることを特徴とする中継装置。

【請求項9】
リンクアグリゲーショングループ(LAG)と、そのLAGに束ねられるLAG内物理ポートと、LAG内物理ポートのポート状態を示す物理ポート状態と、の関連を記憶するリンクアグリゲーション(LA)テーブルと、
受信したフレームの受信元情報と、アドレス情報と、の関連を記憶する経路情報保持テーブルと、
フレームの受信処理及び送信処理を行うためのLA制御部と、
前記LA制御部からフレームを受け、スイッチング制御を行うためのスイッチング制御部と、
を備えた中継装置における中継方法であって、

(1)前記LA制御部は、
フレームと受信元物理ポートを受け、受け取った受信元物理ポートを、前記LAテーブル内のLAG内物理ポートと照合し、
受信元物理ポートを束ねるLAGが存在する場合、受信元情報に該LAGを設定し、一方、受信元物理ポートを束ねるLAGが存在しない場合、受信元情報に前記受信元物理ポートを設定し、
前記フレーム及び前記受信元情報を、前記スイッチング制御部に転送し、
(2)前記スイッチング制御部は、
前記LA制御部から転送された受信元情報及び前記フレーム内の送信元アドレスを、経路情報保持テーブルに記録し、
経路情報保持テーブルを検索し、前記フレーム内の宛先アドレスと一致するアドレス情報がある場合、それに対応する受信元情報を送信先情報として指定し、一方、一致するアドレス情報がない場合、フレームを受信したポート以外の複数のポートを送信先情報として指定し、
前記フレーム及び送信先情報を、前記LA制御部に転送し、
(3)前記LA制御部は、
前記LAテーブルを参照し、前記スイッチング制御部から受け取った前記送信先情報の示すLAG又はひとつ又は複数のポートに該当するひとつ又は複数のLAG内物理ポートに、物理ポート状態が使用可のポートが存在するかどうかを検索し、
該LAG内物理ポートのひとつ又は複数に物理ポート状態が使用可のポートがある場合、該LAG内物理ポートの中からフレームの送信に使用する送信先ポートを決定して、前記フレームと及び前記送信先ポートを転送し、
一方、物理ポート状態が使用可であるLAG内物理ポートが存在しない場合、該フレームを廃棄する
ことを特徴とする中継方法。

【請求項10】
リンクアグリゲーショングループ(LAG)と、そのLAGに束ねられるLAG内物理ポートと、LAG内物理ポートのポート状態を示す物理ポート状態と、の関連を記憶するリンクアグリゲーション(LA)テーブルと、
受信したフレームの受信元情報と、アドレス情報と、の関連を記憶する経路情報保持テーブルと、
フレームの受信LAG又は受信ポートを表す受信LAG/ポートと、フレームを受信したLAG内物理ポートと、フレームの宛先アドレス及び送信元アドレスと、を関連して記憶するLA受信情報保持テーブルと、
フレームの受信処理及び送信処理を行うためのLA制御部と、
前記LA制御部からフレームを受け、スイッチング制御を行うための前記スイッチング制御部と、
を備えた中継装置における中継方法であって、

(1)前記LA制御部は、
受信したフレームの送信元アドレス及び宛先アドレスを元に、前記LA受信情報保持テーブル内に一致する情報が存在するかを検索し、
一致する情報がない場合、フレームの受信LAGと、フレームを受信したLAG内物理ポートと、受信したフレームの送信元アドレス及び宛先アドレスと、を前記LA受信情報保持テーブルに新規に記録し、
一方、一致する情報が存在する場合、さらに、受信LAG及びLAG内物理ポートを元に、前記LA受信情報保持テーブル内に一致する情報があるかどうかを判定し、
一致する情報がない場合、受信したフレームの宛先アドレス及び送信元アドレスに一致する情報の受信LAG及びLAG内物理ポートを更新し、
前記フレームと、フレームの受信LAG又は受信ポートを表す受信元情報と、を前記スイッチング制御部に転送し、

(2)前記スイッチング制御部は、
前記LA制御部から転送された受信元情報及び前記フレーム内の送信元アドレスを、前記経路情報保持テーブルに記録し、
経路情報保持テーブルを検索し、前記フレーム内の宛先アドレスと一致するアドレス情報がある場合、それに対応する受信元情報を送信先情報として指定し、一方、一致するアドレス情報がない場合、フレームを受信したポート以外の複数のポートを送信先情報として指定し、
前記フレーム及び送信先情報を、前記LA制御部に転送し、

(3)前記LA制御部は、
前記スイッチング制御部から転送された前記フレームと送信先情報とを受信し、
前記LA受信情報保持テーブル内に、転送されたフレームの送信元アドレス及び宛先アドレス及び送信先情報と、送信元アドレス及び宛先アドレス及び受信LAG/ポートが一致する情報があるかどうか検索し、
一致する情報がある場合、該情報に関連付けられたLAG内物理ポートを元に前記LAテーブルを照合し、該LAG内物理ポートの物理ポート状態の情報が使用可となっているかの判定を行い、
対応する物理ポート状態の情報が使用可となっていれば、該LAG内物理ポートをフレームの送信先ポートとして指定し、前記フレームとともに転送し、
一方、前記LA受信情報保持テーブル内に送信元アドレス及び宛先アドレス及び受信LAG/ポートが一致する情報がない場合、もしくは、一致した情報があってもそのLAG内物理ポートの物理ポート状態の情報が使用不可の場合、
前記LA制御部は、
前記LAテーブルを参照し、前記スイッチング制御部から受け取った前記送信先情報の示すLAG又はひとつ又は複数のポートに該当するひとつ又は複数のLAG内物理ポートに、物理ポート状態が使用可のポートが存在するかどうかを検索し、
該LAG内物理ポートのひとつ又は複数に物理ポート状態が使用可のポートがある場合、該LAG内物理ポートの中からフレームの送信に使用する送信先ポートを決定して、前記フレームと及び前記送信先ポートを転送し、
一方、物理ポート状態が使用可であるLAG内物理ポートが存在しない場合、該フレームを廃棄する
中継方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図6e】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13a】
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【図13b】
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【図13c】
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【図14a】
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【図14b】
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【図14c】
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【図15a】
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【図15b】
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【図15c】
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【図16a】
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【図16b】
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【図16c】
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【図17a】
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【図17b】
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【図17c】
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【図18a】
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【図18b】
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【図18c】
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【図19a】
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【図19b】
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【図19c】
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【図20a】
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【図20b】
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【図20c】
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【図21a】
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【図21b】
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【図21c】
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【図22a】
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【図22b】
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【図22c】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27a】
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【図27b】
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【図27c】
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【図28】
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