説明

乗客表示システム、プログラム、及び、携帯情報端末

【課題】それぞれの乗客の非接触型ICカードの定期券等から降車駅情報を取得する乗客表示システムであって、自らが降車する駅より前に降車する他の乗客の位置の情報をより直感的に示すことのできる乗客表示システムを提供する。
【解決手段】ネットワークに接続された、路線情報データを有するサーバー装置と、ユーザーの降車駅を示す情報を有する携帯情報端末とを備える乗客表示システムであって、サーバー装置は、路線情報データと、ユーザーの降車駅を示す情報とに基づいて、ユーザー以外の乗客が前記ユーザーの降車駅より手前の停車駅で下車するかを判定する判定手段と、前記判定手段によって特定される前記ユーザーの降車駅より手前に下車する乗客を示す表示と、前記ユーザーの降車駅以降に下車する乗客を示す表示とを異なるように前記携帯情報端末に表示させることを指示する表示制御手段とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通勤電車等の列車において、各車両の乗客の降車状況をリアルタイムで閲覧することのできるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、列車の乗客がどの駅で降りるかという情報を、各乗客が知りたいという要望がある。例えば、新幹線や特急列車において、自由席の満席状況や乗客の降車駅の情報を予め参照することができるようにすることで、これから列車に乗車しようとする者が、指定席券を購入するか、自由席券を購入するかを判断することができる。
【0003】
なお、特許文献1には、特急列車等の座席に着席検知機能と検札機能とを兼ねた自動検札装置を備えることで、車両の乗客の乗車駅と降車駅とを示す情報を表示させる着席状況表示システムが開示されている。
【0004】
ところで、特に通勤時間帯の列車においては、乗客の降車情報を取得したいというニーズは高い。通勤時間帯の列車は、大変混雑しており、どの座席が空くか(どの乗客が降車するか)を知ることができれば、乗客は事前にどの座席が空くかを把握できるので、いち早く座ることができる。
【0005】
例えば、特許文献2には、列車の各座席に設けられる、座席に着席した乗客の乗車期間情報を乗客の持っている非接触ICカードから読み取り、次の停車駅で降車する乗客の位置を示す座席状況表示システムが開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平07−296267号公報
【特許文献2】特開2003−44558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1及び特許文献2において開示されているそれぞれのシステムでは、乗客が、いずれも他の乗客の降車駅を参照することはできる構成を提供している。しかしながら、それぞれの乗客が自分の降車する駅の前後の停車駅を正確に把握しているのは稀であり、乗客が、直感的にどの座席が空席になるかを把握することは上述のシステムにおいては、困難であった。
【0008】
また、プライバシー保護のため、乗客自身の乗降車する駅の情報を他人に知られたくないという問題もあるが、上述の特許文献1及び特許文献2において開示されているシステムにおいては、その点はまったく考慮されていない。
【0009】
そこで、本発明は、それぞれの乗客の非接触型ICカードの定期券等から降車駅情報を取得する乗客表示システムであって、自らが降車する駅より前に降車する他の乗客の位置の情報をより直感的に示すことのできる乗客表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の乗客表示システムは、ネットワークに接続した路線情報データを有するサーバー装置と、携帯情報端末とを備える乗客表示システムであって、前記携帯情報端末は、ユーザーの降車駅を示す情報を記録する乗車区間情報格納手段と、前記ユーザーが乗車中の車両の乗客を示す情報を乗客の位置情報に基づいて表示する乗客表示手段とを備え、前記サーバー装置は、前記路線情報データと、前記ユーザーの降車駅を示す情報とに基づいて、前記ユーザー以外の乗客が前記ユーザーの降車駅より手前の停車駅で下車するかを判定する判定手段と、前記判定手段によって特定される前記ユーザーの降車駅より手前に下車する乗客を示す表示と、前記ユーザーの降車駅以降に下車する乗客を示す表示とを異なるように表示させることを前記乗客表示手段に指示する第1の表示制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明の第2の乗客表示システムは、前記サーバー装置は、さらに、前記ユーザーの降車駅より手前に下車する乗客を示す表示を、降車駅までの到着時間によって表示を異なるように表示させる第2の表示制御手段を備えることを特徴とする。
本発明の第1のプログラムは、ユーザーの降車駅を示す情報に基づいて、前記ユーザー以外の乗客が前記ユーザーの降車駅より手前の停車駅で下車するかを判定させる判定ステップと、前記判定手段によって特定される前記ユーザーの降車駅より手前に下車する乗客を示す表示と、前記ユーザーの降車駅以降に下車する乗客を示す表示とを異なるように表示させる表示制御ステップとを備えることを特徴とする。
本発明の第1の携帯情報端末は、ネットワークを介して路線情報データを有するサーバー装置に接続可能な携帯情報端末であって、前記携帯情報端末は、ユーザーの降車駅を示す情報を記録する乗車区間情報格納手段と、前記ユーザーが乗車中の車両の乗客を示す情報を乗客の位置情報に基づいて表示する乗客表示手段とを備え、前記サーバー装置が、前記路線情報データと、前記ユーザーの降車駅を示す情報とに基づいて、前記ユーザー以外の乗客が前記ユーザーの降車駅より手前の停車駅で下車するかを判定した結果に基づいて、前記判定した結果によって特定される前記ユーザーの降車駅より手前に下車する乗客を示す表示と、前記ユーザーの降車駅以降に下車する乗客を示す表示とを異なるように表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、それぞれの乗客の非接触型ICカードの定期券等から降車駅情報を取得する乗客表示システムであって、それぞれの乗客が自らが降車する駅より前に降車する他の乗客の位置の情報をより直感的に示すことのできる乗客表示システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態の乗客表示システムを説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の乗客表示システムの動作を説明するための第1のフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態の乗客表示システムの動作を説明するための第1のフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態の乗客表示システムにおける利用者情報2001の一例である。
【図5】本発明の実施の形態の乗客表示システムにおける車両識別情報2002の一例である。
【図6】本発明の実施の形態の乗客表示システムにおける判定情報2005の一例である。
【図7】本発明の実施の形態の乗客表示システムにおけるレイアウト情報2006の一例である。
【図8】本発明の実施の形態の乗客表示システムにおける表示画面の一例である。
【図9】本発明の実施の形態の乗客表示システムにおける他の乗客の表示方法を判定する方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態の乗客表示システムを説明するためのブロック図である。
【0014】
図1を参照すると、乗客表示ステムは、車両装置10と、サーバー装置60と、利用者端末90と、ネットワーク1000から構成される。
【0015】
まず、本発明の実施の形態における乗客表示システムの概略を説明すると、この乗客表示システムは、利用者端末90から、ネットワーク1000を介してサーバー装置60に座席情報の表示要求を送信すると、利用者端末90を操作しているユーザーが乗車している車両の他の乗客が、該ユーザーよりも手前の駅で降車する場合に、降車までの時間(例えば、「5分以内に降車」、「10分以内に降車」等)といった情報を個々の乗客について例えば色分けによって区別するなどの表示を行う。該情報を表示させるために、所定の時間間隔で、車両装置10が、各乗客が所有する利用者端末(或いは乗客の所有する非接触型ICカードで構成されている定期券や乗車券であっても良い)から乗車駅・降車駅情報を収集し、サーバー装置60に送信する。
【0016】
車両装置10は、各列車の車両1両ずつに設置(搭載)されている装置であり、利用者端末90とは、短距離無線通信によって通信する。本発明の実施の形態における短距離無線通信技術としては、例えば、具体的にはZigBee技術が挙げられる。ZigBee技術で実装する場合、車両装置10は、ZigBee Routerと言われる端末である。
【0017】
車両装置10は、制御部20と、短距離通信部30と、通信部40と、記憶部50とを有する。制御部20は、記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより、乗客情報取得手段21と、乗客情報制御手段22とを論理的に備える。
【0018】
サーバー装置60は、車両装置10及び利用者端末90とそれぞれネットワーク1000を介して通信することが可能なサーバー装置である。
【0019】
サーバー装置60は、制御部70と、通信部80と、記憶部140とを有する。制御部70は、記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより、乗客情報制御手段71と、表示画面生成手段72とを論理的に備える。
【0020】
なお、車両装置10とサーバー装置60とは、同一の機器で実装されても良い。
【0021】
利用者端末90は、列車を利用する乗客がそれぞれ保有する携帯情報端末である。上述の通り、利用者端末90は、車両装置10と、例えばZigBee技術などの短距離向けの無線通信で通信することが可能である。利用者端末90は、ZigBee技術で実装する場合、ZigBee End Deviceと言われる端末である。利用者端末90は、具体的には、データ通信可能な携帯電話やPersonal Digital Assistant(以下、PDAという)やPCリモーターといった名称で知られる携帯情報端末を指す。また、一般にネットブックと呼ばれる小型のノートパソコンであっても良い。
【0022】
利用者端末90は、制御部100と、表示部110と、通信部120と、短距離通信部130とを有する。制御部100は、記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより、情報共有手段101と、表示制御手段102とを論理的に備える。
【0023】
ネットワーク1000は、データ通信可能なネットワークであって、本発明の実施の形態においては、無線のネットワークとして説明するが、必ずしもこれに限定されない。
【0024】
次に、図2及び図3を参照して、本発明の実施の形態の動作について説明する。図2及び図3は、本発明の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【0025】
図2を参照すると、まず、乗客情報取得手段21は、車両(不図示)内の利用者端末に対して、短距離通信部30を介して、問い合わせを行う信号(以下、問い合わせ信号という。)を送信する(ステップS101)。
【0026】
この信号は、車両内の全ての利用者端末に向けて発信するブロードキャスト信号であり、図2では利用者端末90のみに発信しているが、その他の乗客の利用者端末に対しても発信する。
【0027】
ステップS101で送信された問い合わせ信号を、利用者端末90が受信できた場合、情報共有手段101は、利用者端末90の利用者情報2001を送信する(ステップS102)。
【0028】
ステップS102で送信される利用者情報2001の一例を、図4に示す。図4を参照すると、利用者情報2001には、利用者(乗客)の識別番号と、乗車駅を示す情報、降車駅を示す情報、乗換駅を示す情報等が含まれる。
【0029】
なお、利用者情報2001には、例えば、他の利用者に参照させたくない旨を示すプライバシー設定情報や、優先席が推奨される旨の情報(例えば、妊娠中である場合などが挙げられる)が含まれていても良い。
【0030】
ステップS102で、利用者情報2001が送信され、車両装置10が利用者情報の受信に成功すると、乗客情報制御手段22は、サーバー装置60に、当該利用者(乗客)のユーザー識別情報と当該利用者(乗客)の乗換駅と降車駅と、当該利用者の位置を示す情報(以下、ユーザー位置情報という。)と、車両装置10の車両識別情報2002とを送信する(ステップS103)。
【0031】
なお、乗客の乗車駅、乗換駅、降車駅の情報は、予め利用者(乗客)が、利用者端末90において設定しておいても良い。或いは、利用者端末90の制御部に通信手段を備え、当該通信手段が、利用者(乗客)が保有している非接触型ICカードを備えている定期券や鉄道を利用するためのカード(料金が予めチャージされているもの)と通信して、利用者の利用区間を示す情報(乗車駅、乗換駅、降車駅の情報)等を取得するようにしても良い。さらに、利用者端末90の記憶部に登録されているスケジュールに含まれる目的地情報などから取得するようにしても良い。さらに加えると、定期券のように利用区間を示す情報が含まれていないICカードであっても、例えば、ICカードに含まれる過去の乗車駅と降車駅との履歴情報に基づいて利用区間の情報を推測させるようにしても良い。
ここで、ユーザー位置情報は、たとえば、利用者端末90の例で説明すると、ステップS102で、短距離通信部30が、利用者端末90から利用者情報を受信したときの、利用者情報が送られてきた方角を示す情報と、距離を示す情報とから特定される。これらは、ZigBee技術を利用すると特定可能となるものである。
また、車両装置10の車両識別情報2002の一例を図5に示す。図5を参照すると、車両識別情報2002には、車両装置10が設置されている車両を示す情報と、その車両の路線を示す情報と、列車情報とが含まれており、より具体的には、Y手線の、第123号の、3両目といった情報である。
【0032】
ステップS103で、ユーザー識別情報等が送信され、サーバー装置60が受信に成功すると、乗客情報制御手段71は、受信した情報を、記憶部140に格納されている乗客情報データベース2003に記録する(ステップS104)。
以上の処理を終了すると、再びステップS101の処理に戻り、ステップS104までの処理を繰り返す。以上のような処理で、利用者(乗客)ごとの位置情報や降車駅の情報がサーバー装置60の乗客情報データベース2003に記録される。
【0033】
次に、図3を参照して、乗客情報を利用者端末90の表示部110に表示させるまでの動作を説明する。図3は当該動作を説明するためのフローチャートである。
【0034】
図3を参照すると、まず、情報共有手段101が、ユーザーによる利用端末90の操作によって、サーバー装置60に対して、乗客情報の表示要求を送信する(ステップS201)。このとき、情報共有手段101は、利用者情報2001に含まれる、利用者のユーザー識別情報も一緒に送信する。
【0035】
ステップS201で、表示要求とユーザー識別情報とが送信されると、乗客情報制御手段71は、ユーザー識別情報に基づいて、乗客情報データベース2003を参照して、ユーザーの降車駅を示す情報を取得する(ステップS202)。
【0036】
図4に示す利用者情報2001の例が、乗客情報データベース2003に記録されているとして説明すると、ユーザー識別情報が0001の乗客の利用区間は山田駅から田町駅までの区間である。
なお、乗車駅と降車駅は、乗客データベース2003を参照して、ユーザー識別情報に基づいて特定できる。乗客データベース2003には、ユーザー識別情報が0001の乗客に対応する、当該乗客が乗車している車両を特定する車両識別情報2002が記録されている。車両識別情報2002を参照することで、当該乗客が乗車している車両が特定できるため、乗客が、どの路線のどの列車に乗っているかは特定でき、その乗車している列車の方向(上り、下りのどちらかという情報)から乗車駅と降車駅も特定できる。このようにして、ユーザー識別情報に基づいて、降車駅が特定される。
なお、様々な乗客の中には、乗換駅で降車する場合もある。この場合は、記憶部40に記録されている路線データ2004を参照して、降車駅が、乗客データベース2003に記録されている、当該乗客が乗車している車両を示す車両識別情報2002から取得できる路線に存在する駅であるかを参照する。路線に降車駅が存在しない場合には、乗換駅で降車すると判断して、乗換駅を中間の降車駅と設定するようにすれば良い。
【0037】
ステップS202で、ユーザー識別情報が0001の乗客の降車駅(或いは中間の降車駅)が特定されると、乗客情報制御手段71が、乗客が乗車している車両を特定する情報を、乗客データベース2003に記録されている車両識別情報2002を参照して取得する(ステップS203)。
【0038】
ステップS203で、ユーザー識別情報が0001の乗客の乗車している車両を特定する情報を取得すると、その車両識別情報2002と同一の車両に乗車している全ての乗客の利用者情報を、乗客データベース2003から抽出する(ステップS204)。
【0039】
ステップS204で、同一の車両に乗車している乗客の利用者情報を抽出すると、抽出された全ての乗客について、路線データ2004を参照して、ユーザー識別情報が0001の乗客の降車駅(或いは中間の降車駅)より手前で降車するかどうかを判定する(ステップS205)。
【0040】
ステップS205で、全ての乗客について手前で降車するかどうかを判定した後、乗客情報制御手段71は、それぞれの乗客について、その結果を反映した判定情報2005を作成する(ステップS206)。なお、判定情報2005の一例を図6に示す。
ステップS206で判定情報2005を作成すると、表示画面生成手段72が、利用者端末90の表示部110に表示させる画面の作成を行う(ステップS207)。
ステップS207の具体的な動作を説明する。まず、ユーザー識別情報が0001の乗客の乗車している車両の車両識別情報2002から、車両装置を特定する(本発明の実施の形態では、車両装置10として説明する)。車両装置10の記憶部50には、レイアウト情報2006が格納されている(なお、各車両装置のレイアウト情報は、サーバ装置60の記憶部140に格納することにしても良い。)。レイアウト情報とは、その車両の座席や乗車口の位置を表した情報であり、レイアウト情報2006の一例を図7に示す。
次にレイアウト情報2006に、ユーザー識別情報が0001の乗客の位置を示す位置情報(ユーザー位置情報に相当する)が、ステップS103の処理時に、乗客データベース2003に送信されているから、この位置情報に基づいて、レイアウト情報2006の上にプロットする。この処理を、ユーザー識別情報が0001の乗客が乗車する車両に乗車している他の乗客についても行い、全ての乗客のプロットを行っていく。全ての乗客のプロットを行った結果の一例を、図8に示す。図8を参照すると、座席に着席している乗客も、立っている乗客についても同様にプロットされていることがわかる。
さらに、ステップS205の処理で判定したように、ユーザー識別情報が0001の乗客以外の乗客のうち、ユーザー識別情報が0001の乗客の降車駅(或いは中間の降車駅)より手前に降りる乗客以外については、例えば、黒色で表示する。つまり、黒色で表示された乗客は、ユーザー識別情報が0001の乗客よりも後に降車する乗客である。
また、異なる表示方法として、路線データ2004を参照して、現在車両が走行している位置を示す情報(駅と駅との区間を示す情報であっても良い)に基づいて、それぞれの乗客が降車駅まで到着する時間を判定して、現在から5分以内に降車する乗客は赤色、現在から10分以内に降車する乗客は青色といったように、降車までの時間によって表示色を変えるようにしても良い(具体例として、図9に示す)。或いは、利用者端末90の操作ボタン(不図示)を操作して、次の停車駅で降車する乗客をハイライト表示し、さらに操作ボタンを操作すると、次の次の停車駅で降車する乗客をハイライト表示するといった表示を行うようにしても良い。
さらに、異なる表示方法として、プライベートを設定している乗客や降車駅の情報が検出できない場合については、灰色で表示するといった表示も行ってよい。或いは、優先席が推奨される乗客については、黄色で表示するといった表示も行うようにしても良い。こうすることで、車両内の優先席に座っている乗客が、近傍に優先席を譲らなければならない乗客がいることが容易に判断できる。
このようにして、ステップS207において、画面の作成がされると、表示画面生成手段72は、生成した画面を利用者端末90の表示部110に表示させるために、ネットワーク1000を介して利用者端末90に対して、通信部80を介して送信する(ステップS208)。
ステップS208で作成された画面が送信され、通信部120を介して当該画面を受信することに成功すると、表示制御手段102は、受信した画面を表示部110に表示する(ステップS209)。
以上のような処理によって、乗客である利用者は、利用者端末上で、同じ車両に乗車している乗客が自身より手前で降車するかを直感的に確認することができる。
また、例えば、乗車前の利用者が、自身が乗車しようとしている車両を利用者端末90から車両識別情報に基づいて検索し、表示部110に検索された車両識別情報の車両の現在の混雑状況を確認するといったことも、本システムで実現することが可能である。
さらに、特定の利用者同士が、ユーザー識別情報を指定することで、指定されたユーザー識別情報を有する乗客が、どの車両のどの位置に乗車しているかを検索することができるため、電車内での待ち合わせに用いることも本システムでは可能である。
【符号の説明】
【0041】
10 車両装置10
20 制御部
21 乗客情報取得手段
22 乗客情報制御手段
30 短距離通信部
40 通信部
50 記憶部
60 サーバ装置
70 制御部
71 乗客情報制御部
72 表示画面生成手段
80 通信部
90 利用者端末
100 制御部
101 情報共有手段
102 表示制御手段
110 表示部
120 通信部
130 短距離通信部
1000 ネットワーク
2001 利用者情報
2002 車両識別情報
2003 乗客情報データベース
2004 路線データ
2005 判定情報
2006 レイアウト情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された、路線情報データを格納する格納手段と、車両内の乗客が保有する携帯情報端末から降車駅を示す情報を収集する情報収集手段とを備えるサーバー装置と、ユーザーの降車駅を示す情報を格納する情報格納手段を備える携帯情報端末とを備える乗客表示システムであって、
前記サーバー装置は、前記路線情報データと、前記情報収集手段によって取得した前記ユーザーの降車駅を示す情報とに基づいて、前記ユーザー以外の乗客が前記ユーザーの降車駅より手前の停車駅で下車するかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって特定される前記ユーザーの降車駅より手前に下車する乗客を示す表示と、前記ユーザーの降車駅以降に下車する乗客を示す表示とを異なるように前記携帯情報端末に表示させることを指示する表示制御手段とを備えることを特徴とする乗客表示システム。
【請求項2】
ネットワークに接続された、路線情報データを格納する格納手段と、車両内の乗客が保有する携帯情報端末から降車駅を示す情報を収集する情報収集手段とを備えるサーバー装置と、ユーザーの降車駅を示す情報を格納する情報格納手段を備える携帯情報端末とを備える乗客表示システムであって、
前記携帯情報端末は、ユーザーの降車駅を示す情報を記録する乗車区間情報格納手段と、前記ユーザーが乗車中の車両の乗客を示す情報を乗客の位置情報に基づいて表示する乗客表示手段とを備え、
前記サーバー装置は、前記路線情報データと、前記情報収集手段によって取得された前記ユーザーの降車駅を示す情報とに基づいて、前記ユーザー以外の乗客が前記ユーザーの降車駅より手前の停車駅で下車するかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって特定される前記ユーザーの降車駅より手前に下車する乗客を示す表示と、前記ユーザーの降車駅以降に下車する乗客を示す表示とを異なるように表示させることを指示する第1の表示制御手段とを備えることを特徴とする乗客表示システム。
【請求項3】
前記サーバー装置は、
前記ユーザーの降車駅より手前に下車する乗客を示す表示を、降車駅までの到着時間によって表示を異なるように表示させる第2の表示制御手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の乗客表示システム。
【請求項4】
乗客を示す表示は異なる色によって表示させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の乗客表示システム。
【請求項5】
ユーザーの降車駅を示す情報に基づいて、前記ユーザー以外の乗客が前記ユーザーの降車駅より手前の停車駅で下車するかを判定させる判定ステップと、
前記判定手段によって特定される前記ユーザーの降車駅より手前に下車する乗客を示す表示と、前記ユーザーの降車駅以降に下車する乗客を示す表示とを異なるように表示させる表示制御ステップとを備えることを特徴とする乗客表示システムのプログラム。
【請求項6】
ネットワークを介して路線情報データを有するサーバー装置に接続可能な携帯情報端末であって、
前記携帯情報端末は、ユーザーの降車駅を示す情報を記録する乗車区間情報格納手段と、前記ユーザーが乗車中の車両の乗客を示す情報を乗客の位置情報に基づいて表示する乗客表示手段とを備え、
前記サーバー装置が、前記路線情報データと、前記ユーザーの降車駅を示す情報とに基づいて、前記ユーザー以外の乗客が前記ユーザーの降車駅より手前の停車駅で下車するかを判定した結果に基づいて、前記判定した結果によって特定される前記ユーザーの降車駅より手前に下車する乗客を示す表示と、前記ユーザーの降車駅以降に下車する乗客を示す表示とを異なるように表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする携帯情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−231549(P2010−231549A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−79072(P2009−79072)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】