説明

乗車状況管理装置及び乗車状況管理方法

【課題】現在及び次駅に停車した時点の乗車状況を、車両毎に正確に把握する乗車状況管理装置等を提供する。
【解決手段】乗車状況管理装置は、読み取り装置から、券を特定する識別子、降車駅、及び車両を特定する情報を受信すると、券を特定する識別子が記憶部に既に記憶されているか否かによって、列車に現在乗車しているすべての乗客に対応するレコードを維持し、任意の時点の時刻と列車を特定する情報とに基づいて、列車が直前に停車した駅と次に停車する駅を特定し、前記レコードをソートすることによって、車両毎に現在の乗客数を取得し、降車駅毎に降車人数を取得し、列車を特定する情報と受信した車両を特定する情報とに基づいて、定員を車両毎に取得し、取得した定員、乗客数及び降車人数に基づいて、現時点と、次に停車する駅において降車すべき乗客が降車した時点とにおける混雑度を示す乗車状況を、車両毎に取得し、乗車状況表示装置に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗車状況管理装置及び乗車状況管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、鉄道の自由席車両における乗車状況を把握するための技術として、自動改札情報システムから取得した改札通過時の入場時刻等の情報を使用して、どの列車がどの駅間でどの程度混雑するかをおおよその精度でリアルタイムに把握する技術が知られている。
また、車両に搭載した重量センサを使用して、各列車の各車両の乗車率を算出する技術も知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−186783号公報(段落0016、0023)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、自動改札情報システムを使用した技術では、自動改札機通過時点での情報しか取得できないので、自動改札機を通過した乗車券等の保持者が、どの列車のどの車両に乗車したのかを高い精度で確定できない。
特許文献1の技術では、リアルタイムで各列車の各車両のおおよその乗車率は把握できるが、正確な空席数等は把握できない。また、乗客の降車駅を把握することができないため、どの駅に停車した後はどの車両でいくつの空席が発生するか等の予想ができない。
【0005】
そこで、本発明では、現在及び次駅に停車した時点の乗車状況を、車両毎に正確に把握する乗車状況管理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る乗車状況管理装置は、読み取り装置から、券を特定する識別子、降車駅、及び車両を特定する情報を受信し、券を特定する識別子が記憶部に既に記憶されているか否かを判断することによって、列車に現在乗車している乗客に対応するレコードを維持し、任意の時点の時刻と列車を特定する情報とに基づいて、列車が直前に停車した駅を特定し、列車を特定する情報と特定した列車が直前に停車した駅とに基づいて、列車が次に停車する駅を特定し、前記レコードを集計することによって、車両毎に現在の乗客数を取得し、降車駅毎に降車人数を取得し、列車を特定する情報と受信した車両を特定する情報とに基づいて、定員を車両毎に取得し、取得した定員、乗客数及び降車人数に基づいて、現時点と、次に停車する駅において降車すべき乗客が降車した時点とにおける混雑度を示す乗車状況を、車両毎に取得し、乗車状況を乗車状況表示装置に表示すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、現在及び次駅に停車した時点の乗車状況を、車両毎に正確に把握する乗車状況管理装置等を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態の概要を説明する図である。
【図2】本実施形態に係る乗車状況管理システムの構成図である。
【図3】(a)は本実施形態に係る乗車情報データベースの一例を示す図であり、(b)は本実施形態に係る号車別降車駅人数データベースの一例を示す図である。
【図4】(a)は本実施形態に係る車両定員マスタの一例を示す図であり、(b)は本実施形態に係る停車駅マスタの一例を示す図である。
【図5】(a)は本実施形態に係る運行情報データベースの一例を示す図であり、(b)は本実施形態に係る当駅・次駅乗車状況データベースの一例を示す図であり、(c)は本実施形態に係る乗車状況イメージデータの一例を示す図である。
【図6】本実施形態に係る乗車状況取得処理手順のフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る乗車状況イメージ取得処理手順のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以降、本発明を実施するための形態(「本実施形態」という)を、図等を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
以降では、自由席車両を有する列車の乗車状況を算出する例を説明する。
図1に沿って、本実施形態の概要を説明する。
図1(a)は、列車10の概念図である。この列車は、1〜16号車を有する16両編成であり、すべての車両が自由席になっている。1〜16号車にはICチップが埋め込まれたICチップ乗車券を携帯する乗客が乗車することができる。
【0011】
図1(b)は、列車を構成するある車両11(2号車)の平面図である。
乗客は、車両に乗車する際、及び車両から降車する際は、乗降扉12を通る。さらに、乗客は、デッキから室内に入る際、室内扉13を通り、隣の車両に移動する際、連結部扉14を通る。
なお、室内扉13の位置については、デッキ(室内扉13と連結部扉14との間の空間)とトイレ15との間、又は、トイレ15と室内との間のいずれかに設けることとする。後者の場合、室内側からトイレ15へ行くために車内扉13を通過する乗客については、後記する乗車情報データベース31(図3(a))のレコードとしては現れない。
【0012】
図1(c)は、室内側から室内扉13のある壁面を見た図である。
ICチップリーダ4は、室内扉13の近傍に設置されている。室内扉13の左右にICチップリーダ4のアンテナ5が相互に対向して設置されている。
ICチップリーダ4は、2つのアンテナ5と接続され、そのアンテナ間に電波(読取り波)を送信することによってアンテナ間を通過するICチップを監視する。そして、ICチップ内に記憶された情報を読取るものとする。このアンテナ5間をICチップが通過することを、以降「ゲートを通過する」のように表現することがある。
【0013】
車両11がデッキを有さない場合は、ICチップリーダ4は、乗降扉12の近傍及び連結部扉14の近傍に設置される。
なお、ICチップリーダ4の車両毎の数は特に限定されない。通勤型の車両のように、乗降扉12が多い車両ではICチップリーダ4の数も多くなる。要するに、乗客が乗降車する際、及び隣接する車両11へ移動する際に、乗客が携帯するICチップ乗車券のICチップに記憶されている情報をもれなく取得できる位置にあればよい。
なお、アンテナ間に電波を送信するタイミングについては、例えば室内扉13や乗降扉12の開閉タイミングや、扉近辺の床下に配置されたマットスイッチが重量を感知したタイミングに合わせることが好ましく、必ずしも、常時電波が送信されている必要はない。
【0014】
乗車状況表示機3は、例えば、室内端部の上方壁面(図1(c)参照)、及び、デッキ内の壁面(図1(b)参照)に設置される。乗車状況表示機3には、乗車状況イメージデータ37(図5(c))が表示される(詳細後記)。車両11がデッキを有さない場合は、乗車状況表示機3は、例えば、連結部扉14の近傍に設置される。
乗車状況イメージデータ37は、自由席の車両のみに表示されてもよい。さらに、駅のホームや待合室等に設置される表示装置に表示されてもよい。
【0015】
図1(d)は、列車10が走行する路線の図である。現在、列車はA駅とB駅との間を、B駅の方向に向かって走行している。このとき、列車より左側(後方)にある駅のうち、列車が直前に停車した駅を「当駅」という。列車より右側(前方)にある駅のうち、列車が次に停車する駅を「次駅」という。列車が停車せずに通過する駅は、「当駅」にも「次駅」にもなり得ない。
【0016】
(乗車状況管理システム)
図2に沿って、乗車状況管理システムを説明する。
乗車状況管理システム1は、乗車状況管理装置2、乗車状況表示機3、ICチップリーダ4を有する。これらはネットワーク5(LANと車内無線を組み合わせたものであるのが一般意的である)で相互に接続されている。
乗車状況管理装置2は、一般的なコンピュータであり、中央制御装置21、通信装置22、主記憶装置23、補助記憶装置24を有する。これらはバスによって相互に接続されている。
補助記憶装置24は、乗車情報データベース31、号車別降車駅人数データベース32、車両定員マスタ33、停車駅マスタ34、運行情報データベース35及び当駅・次駅乗車状況データベース36を格納している。これらの内容については後記する。
乗車状況取得部41及び乗車状況イメージ取得部42は、プログラムである。以降、「○○部は」と主体を記した場合は、中央制御装置21が、補助記憶装置24から各プログラムを読み出し、主記憶装置23にロードしたうえで、各プログラムの機能を実現するものとする。
【0017】
(ICチップ乗車券)
ICチップ乗車券6は、自由席車両に乗車する乗客が携帯する券である。
ICチップ乗車券6の表面には、券の名称「自由席特急券・乗車券」、乗車駅「東京」、降車駅「岡山」、発行場所「東京駅」、金額「15850円」及びICチップID「00001」が記載されている。
ICチップ乗車券6には、ICチップ7が埋め込まれている。ICチップ7には、少なくとも、降車駅及びICチップIDが記憶されている。これらの情報は、ICチップリーダ4によって非接触的に読取ることが可能である。
【0018】
乗車状況管理装置2は、列車内の任意の場所(一般的には、車掌室内、運転席内)に設置され得る。
【0019】
(乗車情報データベース)
図3(a)に沿って乗車情報データベース31を説明する。
乗車情報データベース31には、ICチップID欄101に記憶されたICチップIDに関連付けて、号車番号欄102には号車番号が、降車駅欄103には降車駅が、ゲート通過時刻欄104にはゲート通過時刻が、それぞれ記憶されている。
【0020】
ICチップID欄101のICチップIDは、ICチップ7を一意に特定する識別子である。
ICチップ乗車券6には1つのICチップ7が埋め込まれているので、ICチップIDはICチップ乗車券6を一意に特定する識別子でもある。そして、本実施形態では、1人の乗客が1枚のICチップ乗車券6を携帯することを前提としており、結局ICチップIDは、乗客を一意に特定する識別子でもある。
号車番号欄102の号車番号は、列車10を構成する車両11に付与された番号であり、ある1つの列車10のなかで、車両11を特定する情報である。通常は連結順に「01、02、・・・」の自然数が付与される。そして、例えば「01」という号車番号を付与された車両を「01号車」と呼ぶことがある。
降車駅欄103の降車駅は、ICチップ7に記憶されている降車駅である。
ゲート通過時刻欄104のゲート通過時刻は、ICチップリーダ4が、ICチップ7に記憶されている情報を読み出した時刻である。ゲート通過時刻は、クロック機能を有するICチップリーダ4が生成する。
なお、後記するように、室内扉13を乗客がデッキ側から室内側に移動する場合に、乗車情報データベース31のレコードが作成される。したがって、ゲート通過時刻は、乗客がデッキ側から室内側に移動した時刻である。
【0021】
乗客Xは、ICチップ乗車券6を携帯しており、そのICチップ乗車券6に埋め込まれたICチップ7に記憶されたICチップIDは「00001」であり、降車駅は「Q駅」であるとする。そして、乗客Xは、以下のように移動したとする。
(1)10時00分00秒の時点で、乗客Xが、P駅にて、ある列車10の2号車に乗車し、室内扉13をデッキ側から室内側に移動する。
(2)10時04分55秒の時点で、乗客Xが、隣の車両11(3号車)に移動するために、2号車の室内扉13を室内側からデッキ側に移動する。
(3)10時05分00秒の時点で、乗客Xが、隣の車両11(3号車)に移動するために、3号車の室内扉13をデッキ側から室内側に移動する。
(4)10時20分00秒の時点で、乗客Xが、Q駅にて降車するために、3号車の室内扉13を室内側からデッキ側に移動する。
【0022】
乗車情報データベース31のレコードは、以下のように推移する。
上記(1)の時点で、「00001,02,Q駅,10:00:00」のレコード(図示せず)が新たに作成される。
上記(2)の時点で、(1)において作成されたレコードは削除される。
上記(3)の時点で、「00001,03,Q駅,10:05:00」のレコード(図示せず)が新たに作成される。
上記(4)の時点で、(3)において作成されたレコードは削除される。
よって、現時点において、列車内にいるすべての乗客毎に1つのレコードが乗車情報データベース31に存在することになる。厳密に言えば、この例では、デッキ及び連結部扉14間にいる乗客に係るレコードは存在しない。
【0023】
乗車情報データベース31のレコードが、図3(a)に記載されている通りであったとする。このとき、例えば、以下のことがらがわかる。
・現在時刻は、「10:08:00」を経過したある時刻である。
・列車は、今後少なくとも、B駅、C駅、D駅及びE駅に停車する。
・現在、ICチップ乗車券6を携帯している乗客は、列車の中に少なくとも4人存在する。
・各乗客が携帯するICチップ乗車券6に埋め込まれたICチップ7のICチップIDは「00001」、「00010」、「00020」及び「00022」である。
・この4人のうち、2名は「01」号車に、1名は「03」号車に、1名は「04」号車にいる。
・「00001」のICチップIDを有するICチップ7が埋め込まれたICチップ乗車券6を携帯する乗客は、「10:00:00」以降、「01」号車にいる。この乗客は、「B駅」で降車する予定である。この乗客が「10:00:00」以前、どこにいたかは図3(a)からはわからない。
【0024】
(号車別降車駅人数データベース)
図3(b)に沿って号車別降車駅人数データベース32を説明する。
号車別降車駅人数データベース32には、号車番号欄111に記憶された号車番号に関連付けて、降車駅欄112には各駅での降車人数が、乗客数欄118には乗客数が、それぞれ記憶されている。
【0025】
号車番号欄111の号車番号は、図3(a)の号車番号と同じである。
降車駅欄112は、各駅の名称を見出しとして有する小欄113〜117を有している。各小欄113〜117には、現在列車内にいる乗客数のうち、各駅での降車人数が記憶されている。
各小欄113〜117の見出しの駅名は、路線の駅順(図1(d)参照)、すなわち列車が停車又は通過して行く順に、左から右に並んでいる(但し始発駅を除く)。
乗客数欄118の乗客数は、各駅での降車人数の和であり、現在その車両に乗車している乗客の総数である。
列車10がある駅に到着し、その駅において降車するべき乗客が降車すると、その駅の名称を見出しとして有する小欄の降車人数は、すべて「0」となる。
【0026】
図3(b)を参照すると、例えば以下のことがらがわかる。
・この列車は16両編成である。
・現在、列車は、B駅に停車する直前の状態である。
・現在、「01」号車には、80人の乗客がいる。
・「01」号車にいる乗客のうち、今後、5名は「B駅」で、5名は「C駅」で、10名は「D駅」で、15名は「E駅」で降車する。
・「B駅」では、少なくとも30人(5+10+10+5)が降車する。
・列車は、既に「A駅」に停車した上で発車しているので、A駅での降車人数(欄113)は「0」になっている。
【0027】
(車両定員マスタ)
図4(a)に沿って車両定員マスタ33を説明する。
車両定員マスタ33には、列車名欄121に記憶された列車名に関連付けて、号車番号欄122には各号車の定員が記憶されている。
列車名欄121の列車名は、列車の名称である。列車の名称は、図4(a)では「列車名1」のようになっているが、例えば愛称と数字の組合せで「○○1号」のように表記され、列車を特定する情報でもある。
物理的に同一の列車が、終着駅で折り返すたびに別の列車名を付されて、別列車として運行されることがある。本実施形態においては、この場合は、別々の列車名を有する別々の列車として扱う。
号車番号欄122は、各号車番号を見出しとして有する小欄123〜126を有している。各小欄123〜126には、各号車の定員が記憶されている。ここでは、定員は座席数とする。通勤型の車両等では、立ちスペースを定員に加えてもかまわない。
【0028】
(停車駅マスタ)
図4(b)に沿って停車駅マスタ34を説明する。
停車駅マスタ34には、列車名欄131に記憶された列車名に関連付けて、停車駅欄132には各駅における停車情報が記憶されている。
【0029】
列車名欄131の列車名は、図4(a)の列車名と同じである。
停車駅欄132は、各駅の名称を見出しとして有する小欄133〜137を有している。各小欄133〜137には、各駅における停車情報が記憶されている。停車情報とは、その駅にその列車が停車するか否かを示す情報である。ここでは、停車を示す「○」及び通過を示す「×」のうちのいずれかである。
小欄133〜137の見出しの駅名は、路線の駅順(図1(d)参照)、すなわち列車が停車又は通過して行く順に、左から右に並んでいる(但し始発駅を除く)。
【0030】
(運行情報データベース)
図5(a)に沿って運行情報データベース35を説明する。
運行情報データベース35には、列車名欄141に記憶された列車名に関連付けて、発車予定時刻欄142には、各駅における発車予定時刻が記憶されている。
【0031】
列車名欄141の列車名は、図4(a)の列車名と同じである。但し、ここでの列車名は、その乗車状況管理装置2が搭載されている列車に係る列車名である。
発車予定時刻欄142は、各駅の名称を見出しとして有する小欄143〜146を有している。各小欄143〜146には、列車が各駅を発車する予定時刻である発車予定時刻が記憶されている。列車がその駅を通過する場合には「−」が記憶されている。
小欄143〜146の見出しの駅名は、路線の駅順(図1(d)参照)、すなわち列車が停車又は通過して行く順に、左から右に並んでいる(但し始発駅を除く)。
なお、運行情報データベース35には、その列車に係るレコードのみが記憶されているものとする。
【0032】
(当駅・次駅乗車状況データベース)
図5(b)に沿って当駅・次駅乗車状況データベース36を説明する。
当駅・次駅乗車状況データベース36には、号車番号欄151に記憶された号車番号に関連付けて、当駅乗車率欄152には当駅乗車率が、次駅乗車率欄153には次駅乗車率が、それぞれ記憶されている。
【0033】
号車番号欄151の号車番号は、図3(a)の号車番号と同じである。
当駅乗車率欄152の当駅乗車率は、現時点での乗車率(当駅乗車率=乗客数÷定員×100)である。
次駅乗車率欄153の次駅乗車率は、次駅において降車するべき乗客が降車し、新たな乗客が乗車する直前の乗車率(次駅乗車率=(乗客数−次駅での降車人数)÷定員×100)である。
したがって、各レコードについて、当駅乗車率≧次駅乗車率となっている。
【0034】
(乗車状況イメージデータ)
図5(c)に沿って乗車状況イメージデータ37を説明する。
乗車状況イメージデータ37は、所定の時間毎に、乗車状況管理装置2が作成し、乗車状況表示機3に表示されるデータである。
乗車状況イメージデータ37には、区分欄161に記憶された区分に関連付けて、1号車欄162には1号車の乗車状況が、2号車欄163には2号車の乗車状況が、・・・、16号車欄165には16号車の乗車状況が、それぞれ記憶されている。
【0035】
区分欄161の区分は、「現在の乗車状況」及び「次駅での乗車状況」のうちのいずれかである。「現在の乗車状況」は、そのレコードの情報が、現在に係るものであることを示し、「次駅での乗車状況」は、そのレコードの情報が、次駅において降車するべき乗客が降車し、新たな乗客が乗車する直前の時点に係るものであることを示している。
各号車欄162〜165の各号車の乗車状況は、各号車の混雑度を示す情報であり、「満」、「混」及び「空」のうちのいずれかである。ここでは、乗車率75%未満に対して「空」が、乗車率75%以上100%未満に対して「混」が、乗車率100%以上に対して「満」が、それぞれ対応している。
なお、乗車状況は、文字情報以外の情報、例えば赤、黄、緑等の色彩情報でもよい。
【0036】
以降では、本実施形態に係る処理手順を説明する。処理手順には、(1)乗車状況取得処理手順及び(2)乗車状況イメージ取得処理手順の2つがある。
(1)の乗車状況取得処理手順は、ICチップリーダ4が、ICチップ7に記憶されている情報を読み取る都度開始され、乗車状況管理装置2が、乗車情報データベース31を更新して終了する。所定の時間が経過した場合は、さらに当駅・次駅乗車状況データベース36を作成して終了する。
(2)の乗車状況イメージ取得処理手順は、乗車状況表示機3が、所定の時間が経過したことを契機として、乗車状況管理装置2に対し、乗車状況イメージデータ37の送信要求を行うたびに開始され、乗車状況表示機3が乗車状況イメージデータ37を表示して終了する。
(2)の処理手順が開始されるには、(1)の処理手順が実行され、当駅・次駅乗車状況データベース36が作成されていることが前提となる。また、(1)での所定の時間と(2)での所定の時間は、長さが同じである必要はなく、同期している必要もない(詳細後記)。さらに、(1)及び(2)での所定の時間は、時間帯、季節、路線、遅延状況、望まれるサービスの水準等に応じて設定されるものとする。
【0037】
(乗車状況取得処理手順)
図6に沿って乗車状況取得手順を説明する。
ステップS201において、ICチップリーダ4は、ICチップ7の情報を読み取る。
具体的には、ICチップリーダ4は、アンテナ5間で電波を送信することによってゲートを通過するICチップ7を監視しており、ICチップ7がゲートを通過すると、ICチップ7に記憶されている、ICチップID及び降車駅を読み取る。
【0038】
ステップS202において、ICチップリーダ4は、ゲート通過情報を送信する。
具体的には、ICチップリーダ4は、ステップS201において取得したICチップID及び降車駅を、号車番号及びゲート通過時刻とともに乗車状況管理装置2に対して送信する(これら4つの情報を「ゲート通過情報」という)。
ICチップリーダ4は、クロック機能を有しており、ICチップ7の情報を読み取った時点の時刻を「ゲート通過時刻」とし、また、ICチップリーダ4が設置されている車両の号車番号を有しているものとする。
【0039】
ステップS203において、乗車状況管理装置2の乗車状況取得部41は、ゲート通過情報を受信する。
【0040】
ステップS204において、乗車状況取得部41は、受信したICチップIDが存在するか否かを判断する。
具体的には、乗車状況取得部41は、受信したゲート通過情報に含まれているICチップIDを検索キーとして、乗車情報データベース31を検索し、該当するレコードが存在する場合(ステップS204“YES”)はステップS205に進み、それ以外の場合(ステップS204“NO”)は、ステップS206に進む。
【0041】
ステップS205において、乗車状況取得部41は、レコードを削除する。
具体的には、乗車状況取得部41は、ステップS204において検索した結果該当したレコードを削除する。
この場合は、乗客が降車するか隣の車両に移った場合である。
【0042】
ステップS206において、乗車状況取得部41は、レコードを追加する。
具体的には、乗車状況取得部41は、第一に、乗車情報データベース31の新たなレコードを作成する。
第二に、ステップS203において受信したゲート通過情報に含まれる、ICチップID、号車番号、降車駅及びゲート通過時刻を、新たなレコードのICチップID欄101、号車番号欄102、降車駅欄103及びゲート通過時刻欄104に、それぞれ記憶する。
この場合は、乗客が乗車するか隣の車両から移ってきた場合である。
【0043】
ステップS207において、乗車状況取得部41は、所定の時間が経過したか否かを判断する。
具体的には、乗車状況取得部41は、号車別降車駅人数データベース32を直前に作成した時点の時刻を記憶しているものとし(ステップS209にて後記)、その時刻と、現時点の時刻を比較する。乗車状況取得部41もクロック機能を有しているものとする。
比較の結果、号車別降車駅人数データベース32を直前に更新した時点の時刻と、現時点の時刻との間の時間が所定の時間(例えば1分)以上である場合(ステップS207“YES”)は、ステップS208に進む。それ以外の場合(ステップS207“NO”)は、乗車状況取得処理手順を終了する。このような分岐処理は、過度に頻繁なデータの書換を防止するための処理である。
なお、号車別降車駅人数データベース32を一度も更新していない場合(全号車を通じ、最初のゲート通過情報についての処理である場合)は、当然ステップS208に進む。
さらに、乗車状況取得部41は、このような判断をすることなく、乗車状況取得処理手順を終了し、任意の時刻にユーザによる指示を受け付けた場合に限り、ステップS208に進むこととしてもよい。
【0044】
ステップS208において、乗車状況取得部41は、号車別降車駅人数データベース32を作成する。
具体的には、乗車状況取得部41は、第一に、乗車情報データベース31のすべてのレコードを、号車番号をキーにしてソートし、続いて降車駅をキーにしてソートする。
第二に、号車番号毎に、同じ降車駅を有するレコードの数を数える。
第三に、号車別降車駅人数データベース32の新たなレコードを作成する。
第四に、号車番号を、新たに作成したレコードの号車番号欄111に記憶する。
第五に、同じ降車駅を有するレコードの数を、その降車駅の駅名を見出しとして有する小欄113〜117に記憶する。
第六に、小欄113〜117に記憶された数を合計し、乗客数欄118に記憶する。
前記「第二」〜「第六」の処理は、号車番号毎に繰り返される。
【0045】
ステップS209において、乗車状況取得部41は、当駅・次駅乗車状況データベース36を作成する。
具体的には、乗車状況取得部41は、第一に、現時点の時刻を検索キーとして、運行情報データベース35を検索して、当駅を取得する。
現時点の時刻の直前の発車予定時刻を有する小欄の見出しとなっている駅の名称が「当駅」である。
第二に、運行情報データベース35に記憶されている列車名を検索キーとして、停車駅マスタ34を検索して、該当したレコードを取得する。
第三に、該当したレコードにおいて、「当駅」の名称を見出しとして有する小欄よりも右側にある小欄のうち「○」が記憶されており、かつ最も左側にある小欄の見出しである駅の名称を「次駅」として取得する。
第四に、運行情報データベース35に記憶されている列車名、号車別降車駅人数データベース32に含まれている任意の号車番号を検索キーとして車両定員マスタ33を検索し、両者の検索キーが交差するセルの定員を取得する。
第五に、「第四」において検索キーとした号車番号を検索キーとして号車別降車駅人数データベース32を検索し、該当したレコードの乗客数を取得する。そして、乗客数÷定員×100の値を算出し、その値を当駅乗車率とする。
第六に、「第五」の検索の結果該当したレコードの「次駅」を見出しとして有する小欄の降車人数を取得し、(乗客数−取得した降車人数)÷定員×100の値を算出し、その値を次駅乗車率とする。
第七に、当駅・次駅乗車状況データベース36の新たなレコードを作成し、号車番号、当駅乗車率及び次駅乗車率を、号車番号欄151、当駅乗車率欄152及び次駅乗車率欄153に、それぞれ記憶する。
「第四」〜「第七」の処理を、号車番号毎に繰り返し、その後、繰返しが終了した時刻を保持するものとする。
ここで、乗車状況取得処理手順は終了する。
【0046】
当駅・次駅乗車状況データベース36は、後記する乗車状況イメージ取得処理手順において、乗車状況表示機3からの要求がある都度、乗車状況イメージデータ37を作成するために用いられる。そのほかの用途としても、列車名と作成された時刻とを付したうえで補助記憶装置24に記憶しておけば、例えば、ダイヤ改正時の資料として活用できる。
【0047】
(乗車状況イメージ取得処理手順)
図7に沿って乗車状況イメージ取得処理手順を説明する。
ステップS301において、乗車状況表示機3は、乗車状況管理装置2に対して、乗車状況イメージデータ37の送信要求を送信する。
具体的には、乗車状況表示装置3は、クロック機能を有しており、所定の時間(例えば1分)が経過する都度、乗車状況管理装置2に対して、乗車状況イメージデータ37の送信要求を送信する。
【0048】
ステップS302において、乗車状況管理装置2の乗車状況イメージ取得部42は、乗車状況管理装置2から、乗車状況イメージデータ37の送信要求を受信する。
【0049】
ステップS303において、乗車状況イメージ取得部42は、乗車状況イメージデータ37を作成する。
具体的には、乗車状況イメージ取得部42は、第一に、当駅・次駅乗車状況データベース36を補助記憶装置24から読み出す。
第二に、読み出した当駅・次駅乗車状況データベース36の当駅乗車率及び次駅乗車率を乗車状況に置き換える。このとき、前記したように、75%未満の当駅(次駅)乗車率を「空」に、75%以上100%未満の当駅(次駅)乗車率を「混」に、100%以上の当駅(次駅)乗車率を「満」に、それぞれ置き換えて記憶する。
第三に、当駅・次駅乗車状況データベース36の号車番号「01」、「02」、・・・を、それぞれ「1号車」、「2号車」・・・に置き換える。続いて、欄(行)の見出し「当駅乗車率」及び「次駅乗車率」を、それぞれ「現在の乗車状況」及び「次駅での乗車状況」に置き換えて記憶する。
第四に、当駅・次駅乗車状況データベース36の行と列とを入れ替えた後、乗車状況表示機3に対して画像として出力可能なデータに変換し、これを乗車状況イメージデータ37とする。この段階で、乗車状況イメージデータ37は、図5(c)の状態になっている。
【0050】
ステップS304において、乗車状況イメージ取得部42は、乗車状況表示機3に対して、乗車状況イメージデータ37を送信する。
【0051】
ステップS305において、乗車状況表示機3は、乗車状況管理装置2から、乗車状況イメージデータ37を受信する。
【0052】
ステップS306において、乗車状況表示機3は、乗車状況イメージデータ37を表示する。
ここで、乗車状況イメージ取得処理手順は終了する。
【0053】
(変形例1)
前記では、乗車状況管理装置2は、各列車10に搭載され、その列車10に係る乗車状況イメージデータ37を作成する例を説明した。
しかしながら、乗車状況管理装置2は、列車10との通信が確保されさえすれば、駅や中央指令センタ等の施設内に設置されてもよい。
そして、さらに、1つの乗車状況管理装置2が、複数の列車の乗車状況イメージデータ37を作成するものとしてもよい。この場合、ICチップリーダ4が乗車状況管理装置2に対して送信するゲート通過情報には、列車名が含まれ、乗車情報データベース31、号車別降車駅人数データベース32、及び当駅・次駅乗車状況データベース36は、列車名毎に複数存在するものとし、運行情報データベース35は、複数の列車名についてのレコードを有するものとする。また、複数の列車名についての乗車状況イメージデータ37が、同時に乗車状況表示機3に表示されるものとする。
さらに、乗車状況表示機3は、駅の待合室やホーム等に設置されてもよい。このような構成とすれば、乗車状況イメージデータ37を視認した乗車待ちの者に対して、乗車する列車を選択させることによって、混雑を平準化することができる。
【0054】
(変形例2)
また、乗車状況管理装置2は、前記ステップS208及びS209の車両毎に行う処理においては、自由席である車両のみを処理の対象としてもよい。このとき、乗車状況管理装置2は、車両を特定する情報に関連付けてその車両が自由席であるか否かを示す情報を記憶したデータベース(図示せず)を保有するものとする。
更に、乗車状況管理装置2は、すべての車両を対象にしつつも、自由席である車両の情報については強調表示するような乗車状況イメージデータ37を作成してもよい。
【0055】
(変形例3)
前記では、ICチップリーダ4が、ICチップ7から、ICチップID及び降車駅を読み取ることとした。しかしながら、ICチップ7には降車駅を記憶させず、ICチップリーダ4は、ICチップIDだけを読み取ることとしてもよい。この場合、乗車状況管理装置2は、読み出したICチップIDに基づいて、所定の外部のデータベース(外部情報)を参照し、降車駅を取得するものとする。
【0056】
(変形例4)
また、前記においては、ICチップリーダ4は乗降扉12又は室内扉13の近傍に設置されるものとした。しかしながら、カード載置式のICチップリーダ4を、個々の座席(例えば肘掛部)に設置し、乗客は、着席している間はICチップ乗車券6をICチップリーダ4に載置しておくこととしてもよい。
【0057】
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 乗車状況管理システム
2 乗車状況管理装置
3 乗車状況表示機
4 ICチップリーダ(読み取り装置)
5 ネットワーク
6 ICチップ乗車券
7 ICチップ
10 列車
11 車両
12 乗降扉
13 室内扉
14 連結部扉
15 トイレ
21 中央制御装置(制御部)
22 通信装置
23 主記憶装置(記憶部)
24 補助記憶装置(記憶部)
31 乗車情報データベース(第1の対応情報)
32 号車別降車駅人数データベース
33 車両定員マスタ(第2の対応情報)
34 停車駅マスタ(第3の対応情報)
35 運行情報データベース(第4の対応情報)
36 当駅・次駅乗車状況データベース
37 乗車状況イメージデータ
41 乗車状況取得部
42 乗車状況イメージ取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車を構成する車両毎に設置された乗車状況表示装置との間で通信を確保され、
前記車両毎の所定の位置に設置され、乗客が携帯する券から、券を特定する識別子及び降車駅を読み取る読み取り装置の読み取り結果を用いて、前記車両毎に乗車状況を管理する乗車状況管理装置であって、
前記乗車状況管理装置の記憶部は、
前記券を特定する識別子、降車駅、及び車両を特定する情報を相互に関連付けて記憶した第1の対応情報と、
前記列車を特定する情報と前記車両を特定する情報との組合せに関連付けて定員を記憶した第2の対応情報と、
前記車両を特定する情報と前記列車が走行する路線に存在する駅との組合せに関連付けて、当該駅に前記列車が停車するか否かを示す情報を記憶した第3の対応情報と、
前記列車を特定する情報と前記路線に存在する駅との組合せに関連付けて、前記列車が当該駅を発車する予定時刻を記憶した第4の対応情報と、を格納し、
前記乗車状況管理装置の制御部は、
前記読み取り装置から、前記券を特定する識別子、前記降車駅、及び前記車両を特定する情報を受信し、
前記受信した券を特定する識別子を含む前記第1の対応情報のレコードが、既に前記記憶部に記憶されているか否かを判断することにより、前記列車に現在乗車している乗客に対応する前記第1の対応情報のレコードを維持し、
任意の時点の時刻と前記列車を特定する情報とに基づき、前記第3及び第4の対応情報を検索し、前記列車が次に停車する駅を特定し、
前記第1の対応情報のレコードを集計することによって、車両毎に現在の乗客数を取得し、降車駅毎に降車人数を取得し、
前記列車を特定する情報と前記受信した車両を特定する情報とを検索キーとして、前記第2の対応情報を検索し、前記定員を車両毎に取得し、
前記取得した定員、前記取得した乗客数及び前記取得した降車人数に基づいて、現時点と、前記特定した次に停車する駅において降車すべき乗客が降車した時点とにおける混雑度を示す乗車状況を、車両毎に取得し、
前記取得した乗車状況を前記乗車状況表示装置に表示すること、
を特徴とする乗車状況管理装置。
【請求項2】
前記第1の対応情報のレコードには、前記列車を特定する情報が含まれ、
前記乗車状況管理装置の制御部は、
前記読み取り装置から、前記列車を特定する情報を受信し、
複数の前記列車について、前記第1の対応情報のレコードを維持し、
複数の前記列車について、前記乗車状況を前記乗車状況表示装置に表示すること、
を特徴とする請求項1に記載の乗車状況管理装置。
【請求項3】
前記乗車状況管理装置の記憶部は、
前記車両に関連付けて前記車両が自由席であることを示す情報を記憶し、
前記乗車状況管理装置の制御部は、
前記車両毎に行う処理においては、自由席である前記車両のみを処理の対象とすること、
を特徴とする請求項1に記載の乗車状況管理装置。
【請求項4】
列車を構成する車両毎に設置された乗車状況表示装置との間で通信を確保され、
前記車両毎の所定の位置に設置され、乗客が携帯する券から、券を特定する識別子を読み取る読み取り装置の読み取り結果を用いて、前記車両毎に乗車状況を管理する乗車状況管理装置であって、
前記乗車状況管理装置の記憶部は、
前記券を特定する識別子、及び車両を特定する情報を相互に関連付けて記憶した第1の対応情報と、
前記列車を特定する情報と前記車両を特定する情報との組合せに関連付けて定員を記憶した第2の対応情報と、
前記車両を特定する情報と前記列車が走行する路線に存在する駅との組合せに関連付けて、当該駅に前記列車が停車するか否かを示す情報を記憶した第3の対応情報と、
前記列車を特定する情報と前記路線に存在する駅との組合せに関連付けて、前記列車が当該駅を発車する予定時刻を記憶した第4の対応情報と、を格納し、
前記乗車状況管理装置の制御部は、
前記読み取り装置から、前記券を特定する識別子、及び前記車両を特定する情報を受信し、
前記受信した券を特定する識別子を含む前記第1の対応情報のレコードが、既に前記記憶部に記憶されているか否かを判断することにより、前記列車に現在乗車している乗客に対応する前記第1の対応情報のレコードを維持し、
任意の時点の時刻と前記列車を特定する情報とに基づき、前記第3及び第4の対応情報を検索し、前記列車が次に停車する駅を特定し、
前記第1の対応情報のレコードを集計することによって、車両毎に現在の乗客数を取得し、
前記受信した券を特定する識別子に基づいて、所定の外部情報を参照し、降車駅を取得し、当該取得した降車駅毎に降車人数を取得し、
前記列車を特定する情報と前記受信した車両を特定する情報とを検索キーとして、前記第2の対応情報を検索し、前記定員を車両毎に取得し、
前記取得した定員、前記取得した乗客数及び前記取得した降車人数に基づいて、現時点と、前記特定した次に停車する駅において降車すべき乗客が降車した時点とにおける混雑度を示す乗車状況を、車両毎に取得し、
前記取得した乗車状況を前記乗車状況表示装置に表示すること、
を特徴とする乗車状況管理装置。
【請求項5】
列車を構成する車両毎に設置された乗車状況表示装置との間で通信を確保され、
前記車両毎の所定の位置に設置され、乗客が携帯する券から、券を特定する識別子及び降車駅を読み取る読み取り装置の読み取り結果を用いて、前記車両毎に乗車状況を管理する乗車状況管理装置を用いた乗車状況管理方法であって、
前記乗車状況管理装置の記憶部は、
前記券を特定する識別子、降車駅、及び車両を特定する情報を相互に関連付けて記憶した第1の対応情報と、
前記列車を特定する情報と前記車両を特定する情報との組合せに関連付けて定員を記憶した第2の対応情報と、
前記車両を特定する情報と前記列車が走行する路線に存在する駅との組合せに関連付けて、当該駅に前記列車が停車するか否かを示す情報を記憶した第3の対応情報と、
前記列車を特定する情報と前記路線に存在する駅との組合せに関連付けて、前記列車が当該駅を発車する予定時刻を記憶した第4の対応情報と、を格納し、
前記乗車状況管理装置の制御部は、
前記読み取り装置から、前記券を特定する識別子、前記降車駅、及び前記車両を特定する情報を受信し、
前記受信した券を特定する識別子を含む前記第1の対応情報のレコードが、既に前記記憶部に記憶されているか否かを判断することにより、前記列車に現在乗車している乗客に対応する前記第1の対応情報のレコードを維持し、
任意の時点の時刻と前記列車を特定する情報とに基づき、前記第3及び第4の対応情報を検索し、前記列車が次に停車する駅を特定し、
前記第1の対応情報のレコードを集計することによって、車両毎に現在の乗客数を取得し、降車駅毎に降車人数を取得し、
前記列車を特定する情報と前記受信した車両を特定する情報とを検索キーとして、前記第2の対応情報を検索し、前記定員を車両毎に取得し、
前記取得した定員、前記取得した乗客数及び前記取得した降車人数に基づいて、現時点と、前記特定した次に停車する駅において降車すべき乗客が降車した時点とにおける混雑度を示す乗車状況を、車両毎に取得し、
前記取得した乗車状況を前記乗車状況表示装置に表示すること、
を特徴とする乗車状況管理方法。
【請求項6】
前記第1の対応情報のレコードには、前記列車を特定する情報が含まれ、
前記乗車状況管理装置の制御部は、
前記読み取り装置から、前記列車を特定する情報を受信し、
複数の前記列車について、前記第1の対応情報のレコードを維持し、
複数の前記列車について、前記乗車状況を前記乗車状況表示装置に表示すること、
を特徴とする請求項5に記載の乗車状況管理方法。
【請求項7】
前記乗車状況管理装置の記憶部は、
前記車両に関連付けて前記車両が自由席であることを示す情報を記憶し、
前記乗車状況管理装置の制御部は、
前記車両毎に行う処理においては、自由席である前記車両のみを処理の対象とすること、
を特徴とする請求項5に記載の乗車状況管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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