説明

乳児用のブロック玩具

【課題】乳児用のブロック玩具の提供。
【解決手段】本発明は乳児用のブロック玩具に係り、さらに詳しくは、主として乳児が目的とする立体形状を様々な形状に組み立て易く、且つ、自由に拡張することができ、創作範囲を広げて乳児の知能発達と興味誘発が図れるように工夫された乳児用のブロック玩具に関する。
本発明の構成は、合成樹脂材から成形され、ブロック胴体10から一体に辺継ぎ部11を連結するが、この辺継ぎ部11は、対応する相対ブロック胴体10の辺継ぎ部11とそれぞれ対称となる大きさに成形し、対応する2つのブロック胴体10の辺継ぎ部11をそれぞれ同じ直線上につながった状態に維持するための結着手段20が配設されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乳児用のブロック玩具に係り、さらに詳しくは、主として乳児が目的とする立体形状を様々な形状に組み立て易く、且つ、自由に拡張することができ、創作範囲を広げて乳児の知能発達と興味誘発が図れるように工夫された乳児用のブロック玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、組み立て式ブロック玩具は、様々な形状の単位ブロックを乳児が直接的に結合および分解できるように構成することにより、興味を誘発させ、達成感を感じるようにし、これにより、乳児の創意力と知能を発達させるための遊戯具である。
【0003】
従来の組み立て式ブロック玩具は、上部面に多数の嵌合突起を形成し、下部面には上部面に形成された嵌合突起が嵌合可能な多数の溝が形成されている。
【0004】
しかしながら、この種の組み立て式ブロック玩具は、単にそれぞれの単位ブロックを上下に組み立てて特定の模型を完成するため、模型の立体感が単純であるだけではなく、乳児がうんざりしてしまうなどの問題点があった。
【0005】
このような単調さを克服するために、正三角組み立て部材と正四角組み立て部材を用いて立体物を組み立てるブロック玩具が提案されている(例えば、下記の特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,055,019号
【特許文献2】大韓民国登録実用新案公報20−141302号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の特許文献1および2の場合、ブロック体の面方向に対向するブロック体の面が嵌め込まれて連結されるような構造に構造されていた。
【0008】
このため、目標とする1つの立体物を連結することはできるとはいえ、一層様々な立体物を様々な角度に拡張・変形することを期待することができないという欠点があり、これもまた乳児をうんざりさせてしまうという不都合があった。
【0009】
また、立体図形を完成する過程で互いに近づくそれぞれのブロックが互いに立体物の縁部を形成することとなる。
【0010】
すなわち、例えば、正六面体を組み合わせると、直角に位置する2つのブロックの端辺が互いに立体物の縁部にそれぞれ位置するため、1つの縁部に2つの辺が形成される形状を有することとなる。
【0011】
このため、完成された立体物の鋭利さを感じることを妨げるか、あるいは、完成度を下げてしまう原因となっていた。
【0012】
本発明は上記の不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、隣り合うブロック体の連結方向から様々な角度で新たな立体物が継続して拡張・連結できるようにした乳児用のブロック玩具を提供するところにある。
【0013】
本発明の他の目的は、様々な形状の立体物が組み立て可能であるため、乳児の興味誘発および知能発達に役立つ乳児用のブロック玩具を提供するところにある。
【0014】
本発明のさらに他の目的は、乳児が組み立て易くして取り扱いの便利性を向上させた乳児用のブロック玩具を提供するところにある。
【0015】
本発明のさらに他の目的は、完成される立体物の形状の縁部輪郭を一層正確にして立体物の理解度と完成度を高めて製品の商品性を大幅に向上させた乳児用のブロック玩具を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、本発明は、合成樹脂材から成形され、ブロック胴体10から一体に辺継ぎ部11を連結するが、この辺継ぎ部11は、対応する相対ブロック胴体10の辺継ぎ部11とそれぞれ対称となる大きさに成形し、対応する2つのブロック胴体10の辺継ぎ部11をそれぞれ同じ直線上につながった状態に維持するための結着手段20が配設されることを特徴とする乳児用のブロック玩具を提供する。
【0017】
前記ブロック胴体10には、対応する辺継ぎ部11が組み合わせられた状態で、立体物の縁部基準が形成される中心位置に頂点12が先鋭な形状に成形されることが好ましい。
【0018】
前記結着手段20は、各辺継ぎ部11の端部に中空の空間部23を有する接触板22を形成し、この空間部23内に永久磁石21を収納して磁力によって近づく相対辺継ぎ部11の空間部23に収納される永久磁石21が自着するように構成されるものである。
【0019】
また、前記結着手段20は、各辺継ぎ部11の端部に爪部24を形成し、近づく相対辺継ぎ部11の爪部24をそれぞれ収容する係止溝26が凹設される連結部材25から構成されてもよい。
【0020】
ここで、前記永久磁石21を収容する空間部23は、永久磁石21が回転自在に永久磁石21の大きさよりも大きく成形することとなる。
【0021】
前記永久磁石21としては、円筒状に、且つ、円周方向に極性が分割されるように成形したものを選択する。
【0022】
前記ブロック胴体10に形成される辺継ぎ部11は、正三角位置に3つ形成される。
【0023】
前記ブロック胴体10に形成される辺継ぎ部11は、正四角位置に4つ形成される。
【発明の効果】
【0024】
本発明の構成によれば、ブロック胴体10の各辺方向に対応するブロック胴体10が連結されつつ立体物を継続して拡張・連結することができる。
【0025】
このため、より様々な形状の立体物が組み立て可能になるため、乳児の興味誘発および知能発達に役立つ。
【0026】
また、対応するブロック胴体10が組み立てられた後、立体物を成形するときに、立体形状の縁部において1つの正確な形状ラインを示すことができるので、立体物の理解度と完成度を高めて製品の商品性を大幅に向上させることができる。
【0027】
さらに、乳児が組み立て易くして取り扱いの便利性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明によって完成された学習用ブロックが組み立てられる例を示す斜視図。
【図2】本発明の組み立て状態を例示する分解斜視図。
【図3】本発明の組み立て状態を例示する一部切欠正面図。
【図4】本発明の結着手段の構成を示す一部切欠要部斜視図。
【図5】本発明のブロック胴体によって例えばピラミッドが完成された例を示す斜視図。
【図6】本発明のブロック胴体が4角および3角形状が組み合わせられる状態を例示する一部切欠正面図。
【図7】本発明の結着手段に対する他の実施形態を示す組み立て状態正面図。
【図8】本発明の結着手段に対する他の実施形態を示す要部分解斜視図。
【図9】ブロック胴体の他の実施形態を示す組み立て状態正面図。
【図10】図3における「A」部の拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態を詳述する。
【0030】
本発明である前記ブロック胴体10は、合成樹脂材から成形するが、図示のごとく、所定の厚さの正四角形または三角形状に各辺に向かって辺継ぎ部11が所定の長さだけ一体に延びて成形される。
【0031】
また、図面においては、ブロック胴体10を正三角形または三角形状に例示しているが、正五角形または八角形状に製作してもよい。
【0032】
ブロック胴体10の各辺継ぎ部11は、対応する相対ブロック胴体10の辺継ぎ部11とそれぞれ互いに対称となる大きさに成形する。
【0033】
すなわち、図示のごとく、一方のブロック胴体10の辺継ぎ部11と同じ直線上に対応する他のブロック胴体10の辺継ぎ部11が互いにずれる位置に近づいて2つの辺継ぎ部11、11が連結されて1つの延びた辺または立体物の縁部を形成することとなる。
【0034】
また、対応する2つのブロック胴体10の辺継ぎ部11をそれぞれ同じ直線上につながった状態に維持するための結着手段20が配設される。
【0035】
本発明の結着手段20としては、まず、各辺継ぎ部11の端部に中空の空間部23を有する接触板22を形成し、この空間部23内に永久磁石21を収納して磁力によって近づく相対辺継ぎ部11の空間部23に収納される永久磁石21が自着するものからなってもよい。
【0036】
すなわち、図1から図6に示すように、各辺継ぎ部11の先端部に接触板22を一体に形成するが、この接触板22の内部に中空の空間部23を形成して、この空間部23に円筒状の永久磁石21をいずれも同じ構造にそれぞれ内蔵する。
【0037】
空間部23の大きさよりも小さな永久磁石21を収容しているため、円筒状の永久磁石21は内部において回転自在になる。
【0038】
この永久磁石21は、図4に示すように、中心を軸として円周方向に極性が‘N、S’極に分割される構造のものが選択される。
【0039】
このため、ブロック胴体10の接触板22が互いに近づく場合、空間部23の内部において永久磁石21が互いに自由に回転しつつ他の極性の位置において自着することとなる。
【0040】
また、本発明の結着手段20に対する他の実施形態として、図7および図8に示すように、各辺継ぎ部11の端部には爪部24を突設し、近づく相対辺継ぎ部11の爪部24から距離を隔てた状態で連結部材25を介して結着されるようにしてもよい。
【0041】
この連結部材25には、両側の中央が開けられ、その内側に爪部24が嵌合して引っ掛かる係止溝26がそれぞれ形成されている。
【0042】
このため、合成樹脂材から成形されるブロック胴体10と連結部材25は両方ともプラスチック弾性力を有しているため、爪部24と係止溝26の位置を一致させた状態で僅かな力を加えると、「かちゃん」とする音がすると共に、爪部24が係止溝26に嵌合されて引っ掛かる。
【0043】
このように、連結部材25の両側から全ての辺継ぎ部11の端部に形成された爪部24を係止溝26に嵌合して引っ掛ける方法により、ブロック胴体10の辺継ぎ部11が互いにずれる位置に近づいて2つの辺継ぎ部11、11が連結されて1つの延長した辺または立体物の縁部を形成することとなる。
【0044】
また、連結部材25からブロック胴体10を取り外したいときには、上記とは逆に、辺継ぎ部11が連結部材25から外れる方向に僅かな力を加えると、プラスチック弾性によって係止溝26から爪部24が外される。
【0045】
一方、前記ブロック胴体10には、対応する辺継ぎ部11が組み立てられた状態で、立体物の縁部基準が形成される中心位置に頂点12が鋭利な形状に成形されることが好ましい。
【0046】
このため、図3、図7、図9に示すように、複数のブロック胴体10の辺継ぎ部11が前記結着手段20によって一直線上に連結された後、各頂点12が同じ位置において互いに点状態で接触され得る。
【0047】
そして、この状態で、立体物形状に切り替えるために、2つのブロック胴体10の角度が、例えば、直角を維持するように変形しても、各頂点12が1つの基準点を形成することとなる。
【0048】
このとき、各辺継ぎ部11は、完成された立体物の縁部線を形成することとなる。
【0049】
前記ブロック胴体10が正三角形である場合、その角辺に形成される辺継ぎ部11は、正三角位置に3つ形成される。
【0050】
また、前記ブロック胴体10が正四角形である場合、その各辺に形成される辺継ぎ部11は正四角位置に4つ形成される。
【0051】
このような本発明は、所望の様々な形状に立体物を完成することができ、便利に正確な辺方向、または縁部の位置に辺継ぎ部11が1本の直線を維持しつつ組み合わされるので、乳児による取り扱いの便利性を向上させることが可能になる。
【0052】
さらに、完成される立体物の形状の縁部輪郭が正確に完成できて、立体物の理解度と完成度を高めて製品の商品性も大幅に向上させることができる。
【符号の説明】
【0053】
10…ブロック胴体
11…辺継ぎ部
12…頂点
20…結着手段
21…永久磁石
22…接触板
23…空間部
24…爪部
25…連結部材
26…係止溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂材から成形され、ブロック胴体(10)から一体に辺継ぎ部(11)を連結するが、
この辺継ぎ部(11)は、対応する相対ブロック胴体(10)の辺継ぎ部(11)とそれぞれ対称となる大きさに成形し、
対応する2つのブロック胴体(10)の辺継ぎ部(11)をそれぞれ同じ直線上につながった状態に維持するための結着手段(20)が配設されることを特徴とする乳児用のブロック玩具。
【請求項2】
前記ブロック胴体(10)には、対応する辺継ぎ部(11)が組み合わせられた状態で、立体物の縁部基準が形成される中心位置に頂点(12)が先鋭な形状に成形されることを特徴とする請求項1に記載の乳児用のブロック玩具。
【請求項3】
前記結着手段(20)は、各辺継ぎ部(11)の端部に中空の空間部(23)を有する接触板(22)を形成し、この空間部(23)内に永久磁石(21)を収納して磁力によって近づく相対辺継ぎ部(11)の空間部(23)に収納される永久磁石(21)が自着するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の乳児用のブロック玩具。
【請求項4】
前記結着手段(20)は、各辺継ぎ部(11)の端部に爪部(24)を形成し、近づく相対辺継ぎ部(11)の爪部(24)をそれぞれ収容する係止溝(26)が凹設される連結部材(25)から構成されることを特徴とする請求項1に記載の乳児用のブロック玩具。
【請求項5】
ここで、前記永久磁石(21)を収容する空間部(23)は、永久磁石(21)が回転自在に永久磁石(21)の大きさよりも大きく成形することを特徴とする請求項3に記載の乳児用のブロック玩具。
【請求項6】
前記永久磁石(21)は、円筒状に、且つ、円周方向に極性が分割されるように成形したことを特徴とする請求項3に記載の乳児用のブロック玩具。
【請求項7】
前記ブロック胴体(10)に形成される辺継ぎ部(11)は、正三角位置に3つ形成されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の乳児用のブロック玩具。
【請求項8】
前記ブロック胴体(10)に形成される辺継ぎ部(11)は、正四角位置に4つ形成されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の乳児用のブロック玩具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate