説明

乳癌に対するモリンダ・シトリフォリアの予防効果

本発明は、ヤエヤマアオキ植物体から得た加工成分の新規用途を特徴とする。より詳しくは、本発明は、乳癌を治療するための、詳しくは、胸部の乳房領域内の癌原性細胞の転移を阻害および/または阻止するための、ならびに、転移した乳癌細胞を破壊するための、加工モリンダ・シトリフォリア、すなわち、モリンダ・シトリフォリア果汁、ピューレ、またはピューレジュースの新規用途を特徴とする。本発明は、ピューレまたは果汁のいずれかの形態の加工したモリンダ・シトリフォリアを含む食品または医薬品または組成物の消費を含む。本発明はまた、水溶性モリンダ・シトリフォリアを含む組成物を投与することによる、乳腺細胞の発癌物質媒介性変化を阻害する方法および発癌物質媒介性損傷からDNAを保護する方法を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品、ならびに健康およびウェルネス食品、詳しくは、胸部の乳房領域内で癌原性細胞のさらなる増殖を阻害、阻止、および予防するよう、ならびに既存の癌原性細胞を破壊するよう設計された医薬品または健康およびウェルネス食品に関する。つまり、本発明は、乳癌の阻害的、阻止的および予防的治療法に関する。
【背景技術】
【0002】
毎年、何千人ものアメリカ人が乳癌と診断されている。2002年、米国では、女性255,000人と男性1500人を越える人が診断され、女性40,000人と男性400人近くがこの疾病によって死亡したと推定された。乳癌の治療プロトコールは他の種類の癌とよく似ている。このような方法には、手術、放射線治療、化学療法およびホルモン療法が含まれる。
【0003】
手術は最後の手段として用いられることが多いが、放射線療法、化学療法および/またはホルモン療法は、乳癌のどのステージでも悪性腫瘍の増殖を阻害および/または破壊するよう用いることができる。このような細胞傷害性治療は非常にうまくいくことが多いが、このような治療では相当数の健常細胞も破壊されてしまう。特に、ホルモン療法の場合には、実際には、患者が他の種類の癌を発症する機会を高めてしまうこともある。従来の乳癌治療を受けている人に、通常、起こる副作用の中には、吐き気、下痢、脱毛、および光に対する過敏性、ならびに体重減少がある。これらの衰弱性の副作用によって、このような治療を施すことができる頻度および投与量が制限され、それによって認知される治療の効果が制限され、長期間の時間をかけたこのような治療が必要となっている。
【0004】
したがって、乳癌患者では、付随する衰弱性の病気を引き起こさない、腫瘍増殖を阻害する非侵襲性の方法が必要とされている。付随する体重減少を抑える、乳腺腫瘍増殖を阻害する方法も必要とされている。最後に、有害な副作用を引き起こさない期間内で腫瘍増殖を有効に阻害および/または破壊するよう、比較的短期間にわたって攻撃的に投与できる、抗腫瘍形成作用を有する化合物が必要とされている。
【0005】
このような方法および化合物を本明細書において特許請求する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、乳腺細胞の腫瘍への変化を阻害するための、有効量のモリンダ・シトリフォリア果汁、ピューレまたはピューレジュースを含有する化合物の投与を教示する。一実施形態では、本発明は、腫瘍阻害量の、モリンダ・シトリフォリア果汁、モリンダ・シトリフォリアピューレおよびモリンダ・シトリフォリアピューレジュースからなる群から選択されるモリンダ・シトリフォリア製品を哺乳類に投与することを含む、哺乳類において乳腺腫瘍増殖を阻害する方法である。本発明の別の実施形態では、抗腫瘍形成作用を有する無毒性化合物を含み、無毒性化合物が、有効量のモリンダ・シトリフォリア果汁、モリンダ・シトリフォリアピューレおよびモリンダ・シトリフォリアピューレジュースからなる群から選択されるモリンダ・シトリフォリア製品と、メチルスルホニルメタンとを含む。本発明のある別の実施形態は乳癌の治療法を含み、この方法は、アルコール系の溶液に加工モリンダ・シトリフォリア製品を添加し、溶液からモリンダ・シトリフォリア製品の有効成分を単離および抽出し、有効成分を1種以上の癌原性細胞に冒された領域に曝露し、それによって癌原性細胞の増殖を阻害、阻止および/または破壊する、ことを含む。
【0007】
本発明は、乳癌患者において、付随する衰弱性の病気を引き起こさない、非侵襲性の腫瘍増殖を阻害する方法を提供する。
【0008】
本発明は、付随する体重減少を抑える、乳腺腫瘍増殖を阻害する方法を提供する。
【0009】
さらに、本発明は、有害な副作用を引き起こさない期間内で腫瘍増殖を有効に阻害および/または破壊するよう、比較的短期間にわたって攻撃的に投与できる抗腫瘍形成作用を有する化合物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の前記で列挙した特徴およびその他の特徴および利点が得られるように、添付の図で図示されるその具体的な実施形態を参照することで本発明のより詳しい説明が提供される。図は本発明の代表的な実施形態を示すに過ぎず、したがって、本発明の範囲を制限すると考えられるものではないという理解の下で、本発明を、添付の図を用いて、さらに具体的に、また詳細に記載および説明する。
【0011】
図1は、本発明にしたがう、腫瘍の有病率に対する特定のモリンダ・シトリフォリア含有化合物の有効性についてのグラフ表示である。
【0012】
図2は、本発明にしたがう、雌のACIラットにおいてエストロゲンによって誘導される乳腺腫瘍発生に対するモリンダ・シトリフォリア含有化合物の予防効果についてのグラフ表示である。
【0013】
図3は、本発明にしたがう、腫瘍形成を誘導するためにエストロゲンを埋め込まれたラットの相対的体重のグラフ表示であり、ここで、特定のラットは、エストロゲン誘導性腫瘍形成の作用に対抗するようモリンダ・シトリフォリア含有化合物で処理されている。
【0014】
図4は、種々の化合物で処理されたラットの相対的な腫瘍の大きさのグラフ表示である。
【0015】
図5は、本発明の特定の実施形態にしたがう、ジメチルスルホキシドのメチルスルホニルメタンへの変換についてのグラフ表示である。
【0016】
本明細書の図において一般的に記載され、例示されるような本発明の要素は、さまざまな異なる構成で準備し、設計できることは容易に理解されよう。したがって、本発明のシステムおよび方法の実施形態について以下のより詳細な説明は、特許請求される本発明の範囲を制限しようとするものではなく、単に本発明の目下のところ好ましい実施形態を代表するものである。
【0017】
本発明は、乳癌を治療する方法、詳しくは、胸部の乳房領域内で癌原性細胞増殖を阻害、阻止、および/または予防する方法、ならびに加工した形態のモリンダ・シトリフォリアを含む製剤を用いて胸部内で既存の癌原性細胞を破壊する方法および製剤を記載する。
【0018】
以下の詳細な説明は、本発明の利点および態様をより明確に指し示し、提示するために項目に分ける。起源、加工技術、および健康上の利益を含め、モリンダ・シトリフォリアについての一般的な説明を以下に行い、乳癌を治療するために用いられる、モリンダ・シトリフォリアに基づく製剤および組成物についての、実証研究の例および達成された結果を含む、より詳細な説明をそれに続ける。
【0019】
モリンダ・シトリフォリアの一般的な説明
科学的にはモリンダ・シトリフォリアL.(Morinda citrifolia)として知られる、ヤエヤマアオキまたはノニの木は、高さが最高10mまでの潅木または低木である。葉は向かい合って配置しており、楕円形から卵形である。小さな白い花が、多肉質の、球形の、頭のような塊に含まれている。果実は大きく、多肉質で、卵形である。成熟すると、乳白色になり、食べられるが、不快な風味と匂いがある。この植物は南東アジア原産であり、遠い昔にインドから東ポリネシアまでの広い範囲に広がった。世界中で不規則的に成長しており、大農場や小さな個人の栽培地で栽培されてきた。モリンダ・シトリフォリアの花は、小さく、白色で、3〜5浅裂し、管状で、香りが高く、約1.25cmの長さである。花は、卵形、楕円体または丸みを帯び、でこぼこした塊に融合している、多数の小さな小核果からなる複果となり、蝋様で、白色または緑がかった白色または黄色がかった、半透明の皮がついている。この果実には、ジャガイモと同様、その表面に「目」がある。この果実は、果汁が多く、苦く、くすんだ黄色または黄色がかった白色をしており、多数の赤茶色の、硬い、長円−三角形の、翼状の2つに分かれた核を含み、その各々に4つの種が含まれている。
【0020】
果実は、完熟すると腐ったチーズのような強い匂いを放つ。果実は、いくつかの国の人々には食品として食されてきたが、モリンダ・シトリフォリア植物体の最も一般的な用途は、赤色と黄色の色素の供給源としてであった。最近、モリンダ・シトリフォリア植物体の栄養上および健康上の利点が注目されるようになり、以下にさらに論じる。
【0021】
モリンダ・シトリフォリアの果実は、事実上は食べるのに適さないので、人が消費するためにおいしくなるよう果実を加工し、カンジダ症を治療するために用いられる食品に含めなければならない。加工モリンダ・シトリフォリア果汁は、熟したモリンダ・シトリフォリア果実の種と皮をジュースと果肉から分離すること、ジュースから果肉を濾過すること、およびジュースをパッケージングすることによって調製できる。あるいは、ジュースをパッケージングするのではなく、ジュースを、凍結された、または低温殺菌された成分として別の食品に直ちに含めることもできる。いくつかの実施形態では、ジュースと果肉を裏ごしして均質な混合物とし、他の成分と混合してもよい。別のプロセスとしては、果実およびジュースを凍結乾燥することが挙げられる。果実およびジュースは、最終ジュース製品の製造の際に再構成できる。さらに別のプロセスとしては、果実およびジュースを、風乾した後に粉砕することが挙げられる。
【0022】
本発明は、モリンダ・シトリフォリア植物体の果汁および抽出したオイルを利用する。目下のところ好ましい、モリンダ・シトリフォリア果汁の製造プロセスでは、果実を手作業で選別しても機械設備で選別してもよい。果実は、直径が少なくとも1インチ(2〜3cm)最大12インチ(24〜36cm)で収穫できる。果実の色は濃緑色から黄緑色、白色まで、およびその間の色のグラデーションの範囲であることが好ましい。収穫後、果実を十分に洗浄し、その後何らかの加工を行う。
【0023】
果実は0〜14日完熟または熟成させるが、ほとんどの果実は2〜3日保管される。果実は、地面と接触しないように設備上に置かれることによって完熟または熟成させる。熟成の間、布または網素材で覆うことが好ましいが、覆わなくても熟成させることができる。さらなる加工に向けて準備が整うと、果実の色が、薄緑、薄黄色、白色または透明感のある色に明るくなる。果実を損傷について、または過度の緑色および硬い硬度について調べる。許容できる果実と損傷した果実および硬く緑色の果実を分ける。
【0024】
完熟し、熟成した果実は、さらなる加工および輸送のためにプラスチックの内張りをした容器に入れることが好ましい。熟成した果実の容器は0〜30日保管することができる。ほとんどの果実容器は、加工の前に7〜14日間保管する。場合によっては、容器をさらなる加工の前に冷蔵条件下で保存することができる。果実を保存容器から取り出し、手作業によるか、機械による分離器によって加工する。ジュースと果肉から種子と皮を分離する。
【0025】
シュースと果肉を保存および輸送用容器にパッケージングする。あるいは、ジュースと果肉を直ちに加工して完成ジュース製品にすることもできる。容器は冷蔵、凍結または室温条件に保存してもよい。モリンダ・シトリフォリアジュースおよびピューレはブレンドして均質な混合物にすることが好ましく、その後、その他の成分、例えば、矯味剤、甘味料、栄養成分、植物成分および着色料と混合することができる。完成ジュース製品は加熱し、181°F(83℃)の最低温度またはより高温の最高212°F(100℃)で低温殺菌することが好ましい。
【0026】
製品を、プラスチック製、ガラス製、または加工温度に耐えられる他の適した材料の最終容器に詰め、密閉する。この容器を充填温度で維持し、または迅速に冷却してもよいが、次いで、運送用容器に入れる。運送用容器は、最終容器中の製品の温度を維持または制御するように包むことが好ましい。
【0027】
ジュースおよび果肉は、濾過設備によってジュースと果肉を分離することによってさらに加工することができる。濾過設備は、それだけには限らないが、遠心デカンター、サイズが1ミクロンから最大2000ミクロンの、より好ましくは500ミクロン未満のスクリーンフィルター、フィルタープレス、逆浸透濾過、および他の任意の標準的な市販の濾過装置からなることが好ましい。作動フィルター圧は、0.1psig〜約1000psigの範囲であることが好ましい。流速は0.1g.p.m.〜最大1000g.p.m.の範囲であることが好ましく、5から50g.p.m.がより好ましい。湿潤果肉を洗浄し、少なくとも1回、最大10回濾過し、果肉からジュースを回収する。通常、湿潤果肉の繊維含量は10〜40重量パーセントである。湿潤果肉は、最低181°F(83℃)の温度で低温殺菌し、次いで、さらなる加工のためにドラムにつめるか、高繊維製品にすることが好ましい。
【0028】
オイルを抽出および加工する方法は、本明細書に参照により組み込まれる、1999年8月27日に出願された同時係属出願第09/384,785号に記載されている。通常、モリンダ・シトリフォリアオイルには、トリグリセリドのようないくつかの異なる脂肪酸、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、およびリノレン酸など、ならびにより少量で存在する他の脂肪酸の混合物が含まれている。さらに、オイルに、オイルの損傷を阻害する抗酸化剤を含めることが好ましい。従来の食品用抗酸化剤を用いることが好ましい。
【0029】
モリンダ・シトリフォリア植物体は天然成分が豊富である。発見されている成分としては、葉に由来する、アラニン、アントラキノン、アルギニン、アスコルビン酸、アスパラギン酸、カルシウム、β−カロテン、システイン、シスチン、グリシン、グルタミン酸、グリコシド、ヒスチジン、鉄、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、ナイアシン、フェニルアラニン、リン、プロリン、樹脂、リボフラビン、セリン、β−シトステロール、チアミン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、ウルソル酸、およびバリン、花に由来する、アカセチン−7−o−β−d(+)−グルコピラノシド、5,7−ジメチル−アピゲニン−4’−o−β−d(+)−ガラクトピラノシド、および6,8−ジメトキシ−3−メチルアントラキノン−1−o−β−ラムノシル−グルコピラノシド、果実に由来する、酢酸、アスペルロサイド、ブタン酸、安息香酸、ベンジルアルコール、1−ブタノール、カプリル酸、デカン酸、(E)−6−ドデセノ−γ−ラクトン、(Z,Z,Z)−8,11,14−エイコサトリエン酸、エライジン酸、エチルデカノエート、エチルヘキサノエート、エチルオクタノエート、エチルパルミテート、(Z)−6−(エチルチオメチル)ベンゼン、オイゲノール、グルコース、ヘプタン酸、2−ヘプタノン、ヘキサナル、ヘキサンアミド、ヘキサン二酸、ヘキサン酸(hexanoic acid)(ヘキサン酸(hexoic acid))、1−ヘキサノール、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、ラウリン酸、リモネン、リノレン酸、2−メチルブタン酸、3−メチル−2−ブテン−1−オル、3−メチル−3−ブテン−1−オル、メチルデカノエート、メチルエライデート、メチルヘキサノエート、メチル3−メチルチオ−プロパノエート、メチルオクタノエート、メチルオレエート、メチルパルミテート、2−メチルプロパン酸、3−メチルチオプロパン酸、ミリスチン酸、オクタン酸、オレイン酸、パルミチン酸、カリウム、スコポレチン、ウンデカン酸、(Z,Z)−2,5−ウンデカジエン−1−オル、およびボミフォル(vomifol)、根に由来する、アントラキノン、アスペルロサイド(ルビクロリン酸)、ダムナカンサル、グリコシド、モリンダジオール、モリンジン、モリンドン、粘着性物質、ノル−ダムナカンサル、ルビアジン、ルビアジンモノメチルエーテル、樹脂、ソランジジオール、ステロール、およびトリヒドロキシメチルアントラキノン−モノメチルエーテル、根皮に由来する、アリザリン、クロロルビン、グリコシド(ペントース、ヘキソース)、モリンダジオール、モリンダニグリン、モリンジン、モリンドン、樹脂性物質、ルビアジンモノメチルエーテル、およびソランジジオール、木部に由来する、アントラガロール−2,3−ジメチルエーテル、組織培養物に由来する、ダムナカンサル、ルシジン、ルシジン−3−プリメベロシド、およびモリンドン−6β−プリメベロシド、苗に由来する、アリザリン、アリザリン−α−メチルエーテル、アントラキノン、 アスペルロサイド、ヘキサン酸、モリンダジオール、モリンドン、モリンドゲニン(morindogenin)、オクタン酸、ウルソル酸が挙げられる。
【0030】
本発明の組成物または製剤および投与方法
以下の製剤は、本発明によって考慮されるいくつかの好ましい製剤を表す。
製剤1
成分 重量パーセント
モリンダ・シトリフォリア果汁 100%
製剤2
成分 重量パーセント
モリンダ・シトリフォリア果汁 85〜99.99%
水 0.1〜15%
製剤3
成分 重量パーセント
モリンダ・シトリフォリア果汁 85〜99.99%
他の果汁 0.1〜15%
製剤4
成分 重量パーセント
モリンダ・シトリフォリア果汁 50〜90%
水 0.1〜50%
他の果汁 0.1〜30%
【0031】
好ましい一方法では、前述のように乳癌を患っている人が、朝、空腹時に少なくとも1オンスの製剤1を、および夜、床につく直前の空腹時に少なくとも1オンスを摂取する。1つの例においては、決して制限しようとするものではないが、有益なモリンダ・シトリフォリアは、ユタ州、オレムのモリンダ・インコーポレイテッドによって製造されたタヒチアン・ノニ(登録商標)ジュースに加工されている。
【0032】
もう1つの好ましい実施形態では、乳癌と診断されるか、その症状がある人が、少なくとも1オンスの製剤2を1日2回、異常増殖が軽減されるまで摂取する。
【0033】
以下の実施例により、乳房または胸部領域内での癌原性細胞に対するモリンダ・シトリフォリアの効果を説明し、提示する。これらの実施例は決して制限しようとするものではなく、乳房または胸部内での癌原性細胞に対するモリンダ・シトリフォリアの有益な、有利な、および治療上の効果を単に例示するものである。本発明の他の非限定的例を以下に記載する。
【実施例1】
【0034】
本実施例では、乳癌であるか、乳癌と診断され、それに苦しんでいる患者は、処方箋なしで買える、店頭販売薬での症状の治療を望んでいる。癌を治療するために、個人は、加工モリンダ・シトリフォリア果汁を含有する、特定されている所定量の食品組成物を消費する。人は、乳房内の癌原性細胞が阻害、阻止、および/または破壊され、感染が減少するか排除されるまで、加工モリンダ・シトリフォリア果汁を含有する食品を断続的に消費する。
【実施例2】
【0035】
E2誘導性乳腺腫瘍に対するモリンダ・シトリフォリア含有化合物の効果
65週齢の雌のラットを、各々15個体のラットの4群に分け、普通食を与えた。別の8個体の雌のラットを齢を適合させた対照として用いた。実験ラットの一群に、5%プラセボを飲料水に入れて与え、第2の実験群に5%モリンダ・シトリフォリアジュースを飲料水に入れて与え、第3の実験群に5%メチルスルホニルメタン(「MSM」)を飲料水に入れて与え、第4の実験群に5%モリンダ・シトリフォリアジュースと5%MSMとの組合せを飲料水に入れて与えた。2週間後、すべての動物の皮下に、2.5mgのコレステロールと混合した22.5mgの17β−エストラジオール(E2)を含有する25mgペレットを埋め込んだ。エストロゲン(E2)埋め込み後、各実験群にそれぞれの製剤を90日間与えた。齢を適合させた対照動物は25mgのコレステロールペレットインプラントを受けた。
【0036】
図1〜4に見られるように、プラセボ群の動物には、コレステロール対照群と比べ相当な体重減少があった。モリンダ・シトリフォリア群またはMSM群の動物にはわずかな体重減少があった。コレステロールからなるペレットを受けたラットの中には、乳腺腫瘍を示したものはなかった。プラセボ群のE2インプラントを施された全てのラットは乳腺腫瘍を有していた。この群では100パーセントのラットが、3〜7個の腫瘍を有していた。モリンダ・シトリフォリア群ではラットの71%が、2〜5個の腫瘍を有していた。MSM群ではラットの57パーセントが、1〜4個の腫瘍を有していた。組合せ群ではラットの43パーセントが0〜3個の腫瘍を有していた。
【0037】
E2埋め込みの180日後、プラセボ群、モリンダ・シトリフォリア群、MSM群および組合せ群における平均腫瘍面積はそれぞれ、17、12、10および6mm2であった。E2埋め込みの160日後、対照、プラセボ、モリンダ・シトリフォリア、MSMおよび組合せ群の生存率はそれぞれ、100%、0%、47%、73%および87%であった。E2埋め込みの180日後、各群の生存率はそれぞれ、100%、0%、0%、20%および60%であった。200日では、生存率はそれぞれ、100%、0%、0%、0%および27%であった。
【0038】
本発明は、その基本的な特徴の精神から逸脱することなく、他の具体的な形態で実施できる。記載した実施形態は、あらゆる点で例示的なものに過ぎず制限するものではないと考えられるものとする。したがって、本発明の範囲は、前述の記載によってではなく添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の等価意味および範囲内になるすべての変化はその範囲内に包含されるものとする。
【0039】
特許請求され保護が望まれるものは以下に示される。
【0040】
本発明の前記で列挙した特徴および他の特徴および利点が得られるように、添付の図で図示されるその具体的な実施形態を参照することで本発明のより詳しい説明が提供される。図は本発明の代表的な実施形態を示すに過ぎず、したがって、本発明の範囲を制限すると考えられるものではないという理解の下で、本発明を、添付の図を用いて、さらに具体的に、また詳細に記載および説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、腫瘍の有病率に対する特定のモリンダ・シトリフォリア含有化合物の有効性についてのグラフ表示である。
【図2】図2は、乳腺腫瘍発生に対するモリンダ・シトリフォリア含有化合物の予防効果についてのグラフ表示である。
【図3】図3は、腫瘍形成を誘導するためにエストロゲンを埋め込まれたラットの相対的体重のグラフ表示である。
【図4】図4は、種々の化合物で処理されたラットの相対的な腫瘍の大きさのグラフ表示である。
【図5】図5は、ジメチルスルホキシドのメチルスルホニルメタンへの変換についてのグラフ表示である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発癌物質が媒介する乳腺細胞の癌への変化を阻害する方法であって、
患者に、加工モリンダ・シトリフォリア果汁を含む経口組成物を投与するステップ
を含む、方法。
【請求項2】
前記投与が、100パーセントの加工モリンダ・シトリフォリア果汁を8オンスのボーラス投与量で毎日2回投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
乳癌を治療する方法であって、
加工モリンダ・シトリフォリア製品をアルコール系の溶液に添加するステップと、
前記溶液からモリンダ・シトリフォリアの有効成分を単離し、抽出するステップと、
前記抽出した有効成分を患者に投与するステップと
を含み、前記抽出した有効成分が、癌原性細胞の増殖を阻害、阻止、破壊することを特徴とする方法。
【請求項4】
前記加工モリンダ・シトリフォリア製品が加工モリンダ・シトリフォリア果汁を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記加工モリンダ・シトリフォリア製品が加工モリンダ・シトリフォリアピューレを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記加工モリンダ・シトリフォリア製品が加工モリンダ・シトリフォリアピューレジュースを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記アルコール系の溶液が、本質的に、メタノール、エタノール、および酢酸エチル、およびその他のアルコール系の誘導体からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
胸部の乳房領域内で癌原性細胞を阻害、阻止および破壊する方法であって、
加工モリンダ・シトリフォリア果汁を含む少なくとも1オンスの食品を、朝、空腹時に経口投与するステップと
少なくとも1オンスの前記食品を夜、就寝前に経口投与するステップと
を含む、方法。
【請求項9】
前記食品が、
約100重量パーセントの量で存在する加工モリンダ・シトリフォリア果汁
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記食品が、
約85〜99.99重量パーセントの間の量で存在する加工モリンダ・シトリフォリア果汁と、
約0.1〜15重量パーセントの間の量で存在する水と
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記食品が、
約85〜99.99重量パーセントの間の量で存在する加工モリンダ・シトリフォリア果汁と、
約0.1〜15重量パーセントの間の量で存在する他の果汁と
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記食品が、
約50〜90重量パーセントの間の量で存在する加工モリンダ・シトリフォリア果汁と、
約0.1〜50重量パーセントの間の量で存在する水と、
約0.1〜30パーセントの間の量で存在する他の果汁と
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記経口投与が、前記患者に2オンスの前記食品を1日2回経口投与することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
発癌物質が媒介する乳腺細胞のメラノーマへの変化を阻害するための組成物であって、モリンダ・シトリフォリア果汁を含む組成物。
【請求項15】
前記モリンダ・シトリフォリア果汁が約100パーセントの前記組成物を含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記モリンダ・シトリフォリア果汁が約85.0〜99.9の間の組成物重量パーセントで存在し、約0.1〜15の間の組成物重量パーセントの量で存在する水をさらに含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記モリンダ・シトリフォリア果汁が約85.0〜99.9組成物重量パーセントの間の量で存在し、約0.1〜15組成物重量パーセントの間の量の他の果汁をさらに含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項18】
前記モリンダ・シトリフォリア果汁が約50〜90組成物重量パーセントの間の量で存在し、約0.1〜50組成物重量パーセントの間の量の水および約0.1〜30組成物重量パーセントの間の量の他の果汁をさらに含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項19】
前記投与が、5%溶液のモリンダ・シトリフォリア果汁を1日3回90日間投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−502299(P2007−502299A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523390(P2006−523390)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/026253
【国際公開番号】WO2005/048919
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(504279337)タヒチアン ノニ インターナショナル インコーポレーテッド (24)
【Fターム(参考)】