説明

乳癌に罹患している雌哺乳動物に対する臨床転帰の傾向を評価する方法

本発明は、生物試料における特定の核酸配列の発現を考慮して、乳癌に罹患している雌哺乳動物について臨床転帰の傾向を評価する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳癌に罹患している雌哺乳動物についての臨床転帰の傾向を評価する方法に関し、好ましくは、アントラサイクリン系化学療法などの化学療法で処置した後の臨床転帰の傾向を評価する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乳癌は女性において最も一般的な皮膚以外の悪性腫瘍であり、女性の癌死亡率の2番目に主要な原因である(非特許文献1)。
世界的に、乳癌は女性において最も一般的な癌である。2000年にはヨーロッパでは350,000名の新たな乳癌の症例が存在すると推定され、乳癌による死亡数は130,000名と推定された。乳癌はヨーロッパにおける女性の間における全ての新たな癌の症例の26.5%、および癌死亡の17.5%の原因である。2000年では西ヨーロッパにおいて発生率は最高であり、フランスにおいては第3位である(新規症例42,000名、および死亡12,000名)。このように発生率および死亡率が高率であるのに関わらず、乳癌と診断された女性の生存者は、ヨーロッパおよびフランスにおいて1970年代末以降増大した。おそらくこの改善は早期の診断およびスクリーニングプログラム、ならびにアジュバント全身療法に関係するものであろう。
【0003】
乳癌用のアジュバント化学療法(CT)は、過去20年にわたって大きく変化している。早期乳癌被験者協力グループ(Early Breast Cancer Trialists’Collaborative group)が分析し更新し公開した概観は、アジュバントCTの投与が再発と死亡のリスクをそれぞれ23.5%、15.3%も有意に低減したことを示す。同じ概観によれば、アジュバントCTで処置したリンパ節陽性の患者に対する10年の無再発生存は、50歳より若い患者では47.6%、50歳から69歳の患者では43.6%であり、10年全生存(OS)は、それぞれ53.8%および48.6%であった。この概観は、シクロホスファミド、メトトレキセート、および5FU(CMF)の標準の組合せと比べると、アントラサイクリンを含んでいたレジメンは、乳癌の再発の年間のリスクを12%も低減し、死亡の年間のリスクを11%も低減したことも実証していた。このようなレジメンはCMFよりかなり有効である(再発については2p=0.0001、乳癌の死亡については2p<0.00001)。
【0004】
米国において最も一般的に用いられるアントラサイクリン系のアジュバントCTレジメンは、21日毎に投与する4サイクルのドキソルビシン プラス シクロホスファミド(AC)からなる。3週毎の6サイクルのFAC(シクロホスファミド、ドキソルビシン、およびフルオロウラシル)も好適なアジュバントレジメンとして受け入れられている。エピルビシンは、等モルの投与量の場合、ドキソルビシンよりも心毒性が低いので(ドキソルビシンおよびエピルビシンの推薦される蓄積投与量は、それぞれ550mg/m2および1,000mg/m2である)、いくつかのグループはエピルビシンを導入した。カナダNCIの研究は、6サイクルのシクロホスファミド、エピルビシン、フルオロウラシル(CEF)は6サイクルのCMFより優れていたことを示す。GFEA(Groupe Francais d’Etudes Adjuvantes;フランスアジュバント試験グループ)は、数年間、乳癌の処置におけるエピルビシンを研究した。FECレジメン(フルオロウラシル、エピルビシン、シクロホスファミド)を、リンパ節陽性患者の試験設定において評価した。6サイクルのアジュバントFEC50(エピルビシン50mg/m2)は3サイクルよりも良好である。引き続き、リンパ節陽性の手術可能な乳癌を有する65歳未満の患者における試験において、FEC50対FEC100(エピルビシン100mg/m2)を比較した。6サイクルのFEC100が再発率の改善および良好な生存に関連していた。このように、3週間毎の6サイクルのFECは、早期の乳癌に好適であり、「標準の」アジュバントレジメンとして数年前にフランスで一般的に受け入れられた。
【0005】
最近、乳癌のアジュバント処置に強力な薬剤としてタキサンが注目されている。20,000名を超える患者の関与した試験が報告されたり、あるいは進行中である。リンパ節陽性の乳癌においてタキサン(パクリタキセル、ドセタキセル)を用いたアジュバント試験に関する最近の発表は、5年の無病生存率(DFS)または全生存(OS)における絶対差において2%から7%までの範囲の、付加的な利点(タキサンのないレジメンと比べて)を実証していた。2つの試験は、4サイクルのAC:CALGB9344およびNSABP B−28後、引き続き4コースのパクリタキセルを組み入れる利点を示していた。2つの試験は、ドセタキセル:FACレジメン(6サイクル)をTACレジメン(ドセタキセル、ドキソルビシン、およびフルオロウラシル、6サイクル)と比べるBCIRG 01試験、およびPACS 01試験を組み入れる利点を示していた。PACS 01試験(1,999名の患者が含まれる)は、FNCLCC(French Federation of Anti−Cancer Centers)によって助成され、これはFEC100レジメン(6サイクル)を、リンパ節陽性の患者に3週毎に3サイクルのFECと、その後3サイクルのドセタキセルを、100mg/m2の投与量で投与する連続レジメンと比較した。60ヶ月のフォローアップの中間に、3サイクルのFEC100でのアジュバントCT、その後3サイクルのドセタキセルでは、無再発生存(再発のハザード率における低減、17%、p=0.04)およびOS(死亡のハザード率における低減、23%、p=0.005)を改善した(13)。5年のDFSは78.3%(3FEC100−3ドセタキセルアーム)対73.2%(6FEC100アーム)であり、5年OSは、それぞれ90.7対86.7である。BCIRG試験との比較では、発熱性好中球減少、感染症、および心機能異常の発病率は、特に連続アームにおいて非常に低い。これらの試験の結果として、アントラサイクリンおよびタキサンの組合せは、リンパ節陽性の乳癌に対する新しい標準的なアジュバントCTとなっている。FNCLCC(PACS)が助成するいくつかの他の試験は、エピルビシン−ドセタキセルの組合せの最適のスキームを研究し、PACS 04試験は、リンパ節陽性患者において、FEC 100レジメン(6サイクル)を3週毎のエピルビシン75mg/m2+ドセタキセル75mg/m2の組合せと比較した。フォローアップは、(2004年8月末で)3,015名の患者を含めて進行中である。PACS 06は、G−CSFと関連して、FEC100×2週毎3サイクル、その後ドセタキセル100mg/m2×2週毎3サイクルを、FECおよびドセタキセル間の2週間または4週間いずれかの間隔と比較した。主なエンドポイントは、6コースにわたって1週間を超える、投与量の低減または処置の遅れを必要とするあらゆる毒性を有する患者の割合と定義した。2005年5月、74名を包含した後、補充を停止し、以下の結果であった、FEC 100×2週毎3サイクル、その後ドセタキセル100mg/m2×2週毎3サイクル、FECとドセタキセルとの間の2週間の間隔は、過剰の皮膚/手足症候群の重症の毒性のため実行可能ではない。
【0006】
現在、早期の乳癌におけるアジュバントCTは、腋窩リンパ節の状態、腫瘍の病理学的サイズおよびグレード分け、ホルモン受容体の発現、患者の年齢といった古典的な予後因子に応じて示されている。これらの因子は、疾患の全体的な不均一性を反映するには依然として不十分であり、これらのどれもCTの最適なレジメンを選択するために検証されておらず、アントラサイクリン−タキサン組合せをリンパ節陽性の患者全てに提供する結果になっている。しかし、最近の研究では、サブグループの患者において、タキサンの付加はFACまたはFECに比べて利点をもたらさず、タキサンなしのこれらの古典的なレジメンはある患者には長期生存をもたらし得たことを示していた。潜在的な毒性およびアントラサイクリン−タキサンの組合せの費用、ならびに進行中のアジュバントレジメンにおける新薬の導入/開発(カペシタビン、トラスツズマブなどの標的治療、抗アロマターゼなどのホルモン治療、ジホスホネートなどのCT)と全部で、これらのデータは、アジュバントCTの所与のレジメン後の臨床転帰を予想する(予後および/またはCTに対する反応を予想する)パラメータの同定を必要としている。
【0007】
アジュバントCTの有効性を予想する生物学的因子を見つけるために、主に回顧的な多くの研究が行われているが、現在のところ個々に認められている因子は未だ存在しない。現在の予後因子は、疾患の不均一な臨床的振舞いを不十分に評価しているにすぎない。結果として、N−患者の多くが不必要なアントラサイクリン系のアジュバントCTを受けており、N+患者の全てがアントラサイクリンおよびタキサンに基づくレジメンを受けている(非特許文献2)。しかし、タキサンは、標準的処置として未だ世界的に受け入れられていない(非特許文献3)。最近の無作為化試験は(非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8)、タキサンを加えると、5年生存率が有意であるがわずかに(3から7%)上昇することを示している。これは、患者の大多数にアントラサイクリン−タキサン組合せの効果がないことを示唆している。アジュバントの設定における新薬の利用可能性および乳癌の不均一性により、全ての薬物に系統的に関連付けずに処置を個別設計することが必要となっている。この挑戦により、CT後の転移のリスクをより良好に評価すると思われる。アントラサイクリン系のアジュバントCTの有効性を予想する生物学的因子(非特許文献9)は未だ検証されておらず、ルーチン使用に導入されていない。
【0008】
アジュバントCTの特異的なレジメンの恩恵を受ける患者か、恩恵を受けない患者かを選択するための予測的因子は極めて興味を引くものである。乳癌は、多数の分子変更の蓄積を特徴とする複雑な遺伝的疾患である。病理学的因子および臨床学的因子は、腫瘍の不均一な臨床的振舞いを引き起こす複雑な事象のカスケードを捕捉するには不十分である。
【0009】
ハイスループットの分子技術がこの複雑さに取り組むための新規なツールを提供する。特に、DNAマイクロアレイにより、数千の遺伝子のmRNA発現レベルを同時かつ定量的に単一のアッセイで分析することが可能になっている。最初の研究の結果は有望であり、広範囲にわたる乳癌の遺伝子の発現プロファイルは、グループにおける腫瘍の新規なサブグループは先験的に同一であるが異なる結果を伴うことを明らかにしている。
【0010】
いくつかの回顧的な研究により、乳癌におけるDNAマイクロアレイの予後潜在性が確認されている(非特許文献10)。ほとんどの研究は、あらゆるアジュバントの全身性の治療なし(非特許文献11、非特許文献12、非特許文献13、非特許文献14)、アジュバントHT後(非特許文献15、非特許文献16、非特許文献17)、およびネオアジュバントCT後(非特許文献18、非特許文献19)の生存に集中していた。いくつかの試験は、1次CTに対する反応を直接分析した(非特許文献20、非特許文献21、非特許文献22、非特許文献23)。アジュバントCTの結果に関しては、小型(非特許文献24、非特許文献25、非特許文献26)または不均一なシリーズ(非特許文献27)の少数のデータだけが入手可能である。これらの試験全てにおいて、予後および/または予測的な多重遺伝子のサインが、個々の分子のパラメータや臨床病理学的(pathoclinical)なパラメータより好成績だと思われた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】フィア等(FEAR et al.)、IEEE Potentials、22巻(1)、12〜18頁、2003年
【非特許文献2】ピカート等(Piccart et al.)、The Breast、14巻、439〜445頁、2005年
【非特許文献3】コロッザ等(Colozza et al.)、Oncologist、11巻、111〜125頁、2006年
【非特許文献4】バズダー等(Buzdar et al.)、Clin Cancer Res、8巻、1073〜1079頁、2002年
【非特許文献5】ヘンダーソン等(Henderson et al.)、J Clin Oncol、21巻、976〜983頁、2003年
【非特許文献6】マモーナス等(Mamounas et al.)、J Clin Oncol、23巻、3686〜3696頁、2005年
【非特許文献7】マーチン等(Martin et al.)、N Engl J Med、352巻、2302〜2313頁、2005年
【非特許文献8】ロシュ等(Roche et al.)、J Clin Oncol、24巻、5664〜5671頁、2006年
【非特許文献9】ヘイズ(Hayes)、The Breast、14巻、493〜499頁、2005年
【非特許文献10】ベルトゥッシ等(Bertucci)、Omics、10巻、429〜443頁、2006年
【非特許文献11】バンデビジバー等(van de Vijver et al.)、N Engl J Med、347巻、1999〜2009頁、2002年
【非特許文献12】ファントヴィール等(van’t Veer et al.)、Nature、415巻、530〜536頁、2002年
【非特許文献13】ワン等(Wang et al.)、Lancet、365巻、671〜679頁、2005年
【非特許文献14】フォーケンス等(Foekens)、J Clin Oncol、24巻、1665〜1671頁、2006年
【非特許文献15】マ等(Ma et al.)、Cancer Cell、5巻、607〜616頁、2004年
【非特許文献16】パイク等(Paik et al.)、N Engl J Med、351巻、2817〜2826頁、2004年
【非特許文献17】オウ等(Oh et al.)、J Clin Oncol、24巻、1656〜1664頁、2006年
【非特許文献18】ソルリエ等(Sorlie et al.)、Proc Natl Acad Sci U S A、98巻、10869〜10874頁、2001年
【非特許文献19】ソルリエ等(Sorlie et al.)、Proc Natl Acad Sci U S A、100巻、8418〜8423頁、2003年
【非特許文献20】エアーズ等(Ayers et al.)、J Clin Oncol、22巻、2284〜2293頁、2004年
【非特許文献21】ベルトゥッシ等(Bertucci et al.)、Cancer Res、64巻、8558〜8565頁、2004年
【非特許文献22】チャン等(Chang et al.)、Lancet、362巻、362〜369頁、2003年
【非特許文献23】ハンネマン等(Hannemann et al.)、J Clin Oncol.、23巻、3331〜3342頁、2005年
【非特許文献24】ベルトゥッシ等(Bertucci et al.)、Lancet、360巻、173〜174頁
【非特許文献25】discussion、174巻、2002年
【非特許文献26】ベルトゥッシ等(Bertucci et al.)、Hum Mol Genet、9巻、2981〜2991頁、2000年
【非特許文献27】パウィタン等(Pawitan et al.)、Breast Cancer Res、7巻、R953〜964頁、2005年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
CTの候補である患者においてアジュバントCTを適応させることが必要とされている。アジュバントの設定における進行中の新薬の導入は、低く不均一である利益と、病気を起こし費用がかかる代償に一般に関連付けられるが、所与のCTレジメン後の転移リスクの評価、およびCTレジメンを何に用いるかに関する決定を洗練することを必要とする。
【0013】
鋭意研究した結果、本願発明者らは、CT後の臨床転帰を予測する遺伝子マーカーのセット、およびそれを使用する方法を同定した。これは、最も有益なCTレジメンに患者を導くことによる、分子的個別設計へのステップとなるものである。これは、長年腫瘍学で用いられている「画一医療(one shoe fits all)」戦略や進行中の治療増大からの脱却を可能にするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、以下の工程を備える、乳癌に罹患している雌哺乳動物の臨床転帰を評価する方法に関する。
a)前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号374(nm_000212)、配列番号1027(nm_007365)、配列番号598(nm_000636)、配列番号717(nm_024598)、配列番号573(nm_001527)、配列番号83(nm_015065)、配列番号12(nm_002964)、配列番号405(nm_000852)、配列番号856(nm_005564)、配列番号384(nm_002466)、配列番号167(nm_002627)、配列番号51(nm_198433)、配列番号999(nm_145290)、配列番号979(nm_004414)、配列番号2(nm_005245)、配列番号98(nm_016267)、配列番号751(nm_002423)、配列番号696(nm_001428)、配列番号1050(BC034638)、配列番号488(nm_002979)、配列番号262(nm_005194)、配列番号1020(nm_000359)、配列番号1106(BC015969)、配列番号952(nm_003878)、配列番号675(nm_001512)、配列番号289(nm_020179)、配列番号553(nm_004701)、配列番号579(nm_001814)、配列番号760(nm_005746)、配列番号805(nm_014624)、配列番号361(nm_002906)、配列番号448(nm_198569)、配列番号170(nm_002428)、配列番号878(nm_002774)、配列番号1117、配列番号612(nm_032515)、配列番号540(nm_003159)、配列番号823(nm_000100)、配列番号131(nm_145280)、配列番号705(nm_005596)、配列番号31(nm_005558)、および配列番号199(nm_024323)、これらの断片、誘導体、または相補配列を含むかそれらからなる群から選択される少なくとも10個の核酸配列の発現レベルを比較することによってメタジーン調整値underERを生成する工程。
【0015】
好ましくは、前記群において少なくとも20個の核酸配列が選択され、より好ましくは、前記群において少なくとも25個の核酸配列が選択される。
一実施形態において、前記メタジーン調整値underERは、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号374(nm_000212);配列番号1027(nm_007365);配列番号598(nm_000636);配列番号573(nm_001527);配列番号83(nm_015065);配列番号12(nm_002964);配列番号405(nm_000852);配列番号856(nm_005564);配列番号167(nm_002627);配列番号51(nm_198433);配列番号98(nm_016267);配列番号751(nm_002423);配列番号696(nm_001428);配列番号262(nm_005194);配列番号1020(nm_000359);配列番号579(nm_001814);配列番号760(nm_005746);配列番号805(nm_014624);配列番号878(nm_002774);および配列番号612(nm_032515)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される20個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される。
【0016】
別の実施形態において、前記メタジーン調整値underERは、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号374(nm_000212);配列番号1027(nm_007365);配列番号598(nm_000636);配列番号573(nm_001527);配列番号83(nm_015065);配列番号12(nm_002964);配列番号405(nm_000852);配列番号856(nm_005564);配列番号167(nm_002627);配列番号51(nm_198433);配列番号98(nm_016267);配列番号751(nm_002423);配列番号696(nm_001428);配列番号262(nm_005194);配列番号1020(nm_000359);配列番号579(nm_001814);配列番号760(nm_005746);配列番号805(nm_014624);配列番号878(nm_002774);配列番号612(nm_032515);配列番号384(nm_002466);配列番号2(nm_005245);配列番号1050(BC034638);配列番号952(nm_003878);配列番号361(nm_002906);配列番号31(nm_005558);および配列番号199(nm_024323)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される27個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される。
【0017】
b)前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号598(nm_000636)、配列番号1122、配列番号364(nm_002253)、配列番号387(nm_006563)、配列番号34(nm_001229)、配列番号657(nm_000633)、配列番号384(nm_002466)、配列番号451(nm_001110)、配列番号999(nm_145290)、配列番号1056(AK126297)、配列番号15(nm_003243)、配列番号1090(AK125808)、配列番号1120、配列番号12(nm_002964)、配列番号743(nm_006875)、配列番号414(nm_000546)、配列番号374(nm_000212)、配列番号711(nm_002291)、配列番号663(nm_006928)、配列番号1102(AK124587)、配列番号237(nm_002644)、配列番号60(nm_022640)、配列番号361(nm_002906)、配列番号119(nm_004730)(または配列番号1109(NM_002019))、配列番号167(nm_002627)、配列番号339(nm_144970)、配列番号333(nm_145037)、配列番号83(nm_015065)、配列番号330(nm_018291)、配列番号1024(nm_030666)、配列番号229(nm_004586)、配列番号925(nm_005257)、配列番号788(nm_001005369)、配列番号1104(AK128524)、配列番号1103(BX108410)、配列番号66(nm_000416)、配列番号1030(nm_024007)、配列番号1119、配列番号1068(AK024670)、配列番号241(nm_000801)、配列番号398(nm_003084)、配列番号74(nm_000878)、配列番号1087(AK074131)、配列番号955(nm_001986)、配列番号71(nm_004633)、配列番号1105(BC072392)、配列番号856(nm_005564)、配列番号231(nm_006678)、配列番号593(nm_001511)、配列番号384(nm_002466)、配列番号519(nm_020125)、配列番号579(nm_001814)、配列番号1039(nm_006209)、配列番号31(nm_005558)、配列番号327(nm_173825)、配列番号573(nm_001527)、配列番号98(nm_016267)、配列番号1059(AK091113)、配列番号886(nm_000075)、配列番号1032(nm_005688)、配列番号1091(XM_378178)、配列番号233(nm_178155)、配列番号938(nm_003012)、配列番号264(nm_152862)、配列番号546(nm_005874)、配列番号1099(BC066343)配列番号1037(nm_023068)、配列番号550(nm_004848)、配列番号1027(nm_007365)、配列番号1005(nm_014938)、配列番号820(nm_000593)、および配列番号370(nm_000106)、これらの断片、誘導体、または相補配列を含むかそれらからなる群から選択される少なくとも6個の核酸配列の発現レベルを比較することによってメタジーン調整値underPRを生成する工程。
【0018】
好ましくは、前記群において少なくとも10個の核酸配列が選択され、例として、前記群において少なくとも20個の核酸配列、または少なくとも30個の核酸配列、より好ましくは少なくとも36個の核酸配列が選択される。
【0019】
一実施形態において、前記メタジーン調整値underPRは、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号364(nm_002253);配列番号34(nm_001229);配列番号657(nm_000633);配列番号339(nm_144970);配列番号229(nm_004586);配列番号1119、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される6個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される。
【0020】
別の実施形態において、前記メタジーン調整値underPRは、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号364(nm_002253);配列番号34(nm_001229);配列番号657(nm_000633);配列番号339(nm_144970);配列番号229(nm_004586);配列番号1119;配列番号387(nm_006563);配列番号1056(AK126297);配列番号15(nm_003243);配列番号1120;配列番号414(nm_000546);配列番号374(nm_000212);配列番号711(nm_002291);配列番号663(nm_006928);配列番号237(nm_002644);配列番号60(nm_022640);配列番号119(nm_004730);配列番号330(nm_018291);配列番号1024(nm_030666);配列番号925(nm_005257);配列番号1104(AK128524);配列番号1103(BX108410);配列番号66(nm_000416);配列番号1068(AK024670);配列番号374(nm_000212);配列番号74(nm_000878);配列番号231(nm_006678);配列番号593(nm_001511);配列番号384(nm_002466);配列番号1039(nm_006209);配列番号327(nm_173825);配列番号886(nm_000075);配列番号1032(nm_005688);配列番号264(nm_152862);配列番号1037(nm_023068);および配列番号1005(nm_014938)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される36個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される。
【0021】
c)前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号1071(NM_001033047)、配列番号254(nm_005581)、配列番号6(nm_003225)、配列番号883(nm_000125)、配列番号543(nm_005080)、配列番号681(nm_020974)、配列番号63(nm_001002295)、配列番号212(nm_024852)、配列番号635(nm_001002029)、配列番号535(nm_003226)、配列番号1125、配列番号109(nm_000662)、配列番号342(nm_001846)、配列番号927(nm_004703)、配列番号1124、配列番号124(nm_014899)、配列番号280(nm_020764)(または配列番号1110(nm_024522))、配列番号297(nm_016463)、配列番号791(nm_016835)、配列番号210(nm_178840)、配列番号827(nm_152499)、配列番号1064(nm_000767)、配列番号147(nm_014675)、配列番号323(nm_001014443)、配列番号106(nm_004619)、配列番号181(nm_000848)、配列番号376(nm_057158)、配列番号116(nm_014034)、配列番号252(nm_000758)、配列番号797(nm_022131)、配列番号911(nm_000168)、配列番号720(nm_004726)、配列番号889(nm_000561)、配列番号250(nm_000930)、配列番号179(nm_004747)、配列番号786(nm_033388)、配列番号177(nm_015996)、配列番号1047(BC012900)、配列番号301(nm_004326)、配列番号207(nm_003940)、配列番号936(nm_003462)、配列番号916(nm_001453)(または配列番号1116(nm_004040))、配列番号1052(BX096026)、配列番号159(nm_000224)、配列番号1096(AK127274)、配列番号28(nm_021800)、配列番号1054(AK123264)、配列番号25(nm_012391)(または配列番号1108(nm_053279))、配列番号825(nm_024704)、配列番号145(nm_017786)、配列番号491(nm_004374)、配列番号485(nm_003834)、配列番号1072(AY007114)、配列番号274(nm_032108)、配列番号258(nm_080545)、配列番号292(nm_014371)、配列番号803(nm_183047)、配列番号349(nm_031946)、配列番号1123、配列番号763(nm_014585)、配列番号438(nm_001759)、配列番号94(nm_014315)、配列番号845(nm_001089)、配列番号1084(BX648964)、配列番号734(nm_025137)、配列番号943(nm_002141)、配列番号1085(nm_000720)、および配列番号276(nm_012202)、これらの断片、誘導体、または相補配列を含むかそれらからなる群から選択される少なくとも10個の核酸配列の発現レベルを比較することによってメタジーン調整値underEGFRを生成する工程。
【0022】
好ましくは、前記群において少なくとも20個の核酸配列が選択され、例として、前記群において少なくとも24個の核酸配列、または少なくとも30個の核酸配列、より好ましくは少なくとも37個の核酸配列が選択される。
【0023】
一実施形態において、前記メタジーン調整値underEGFRは、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号1071(nm_001033047);配列番号254(nm_005581);配列番号6(nm_003225);配列番号883(nm_000125);配列番号543(nm_005080);配列番号681(nm_020974);配列番号63(nm_001002295);配列番号212(nm_024852);配列番号635(nm_001002029);配列番号535(nm_003226);配列番号1125);配列番号1124;配列番号297(nm_016463);配列番号791(nm_016835);配列番号827(nm_152499);配列番号207(nm_003940);配列番号916(nm_001453)(または配列番号1116(nm_004040));配列番号1052(BX096026);配列番号159(nm_000224);配列番号25(nm_012391)(または配列番号1108(nm_053279));配列番号845(nm_001089);および配列番号1085(nm_000720)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される24個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される。
【0024】
別の実施形態において、前記メタジーン調整値underEGFRは、、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号1071(nm_001033047);配列番号254(nm_005581);配列番号6(nm_003225);配列番号883(nm_000125);配列番号543(nm_005080);配列番号681(nm_020974);配列番号63(nm_001002295);配列番号212(nm_024852);配列番号635(nm_001002029);配列番号535(nm_003226);配列番号1125;配列番号1124;配列番号297(nm_016463);配列番号791(nm_016835);配列番号827(nm_152499);配列番号207(nm_003940);配列番号916(nm_001453)(または配列番号1116(nm_004040));配列番号1052(BX096026);配列番号159(nm_000224);配列番号25(nm_012391)(または配列番号1108(NM_053279));配列番号845(nm_001089);配列番号1085(NM_000720);配列番号109(nm_000662);配列番号342(nm_001846);配列番号927(nm_004703);配列番号280(nm_020764)(または配列番号1110(NM_024522));配列番号210(nm_178840);配列番号181(nm_000848);配列番号116(nm_014034);配列番号250(nm_000930);配列番号177(nm_015996);配列番号825(nm_024704);配列番号145(nm_017786);および配列番号276(nm_012202)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される37個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される。
【0025】
d)組み合わせたメタジーン値と前記雌哺乳動物の臨床転帰との関係を確立する数学的方法を用いて、前記メタジーン調整値からスコア(Sc)を生成する工程。
一実施形態において、工程d)で用いられる数学的方法は、コックス回帰分析(ライト等(Wright et al.)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、100巻(17)、9991〜9996頁、2003年)、またはCART分析(ブレイマン等(Breiman et al.)、Classification and Regression Trees、Chapman & Hall、1984年)からなる。
【0026】
特定の実施形態において、数学的方法はコックス回帰分析であり、スコア(Sc)は以下の式:Sc=a×underER+b×underPR+c×underEGFRに従って生成される。(式中、「a」は、[−6.26;+0.49]の区間に含まれ、「b」は、[−2.65;+0.29]の区間に含まれ、「c」は、[−6.69;+1.65]の区間に含まれる)
例えば、式は、Sc=−2.90279×underER−1.47423×underPR−4.17198×underEGFRである。
【0027】
さらに本発明は、以下の工程を備える、乳癌に罹患している雌哺乳動物の臨床転帰を評価する方法に関する。
a)前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号1071(NM_001033047)、配列番号254(nm_005581)、配列番号6(nm_003225)、配列番号883(nm_000125)、配列番号543(nm_005080)、配列番号681(nm_020974)、配列番号63(nm_001002295)、配列番号212(nm_024852)、配列番号635(nm_001002029)、配列番号535(nm_003226)、配列番号1125、配列番号109(nm_000662)、配列番号342(nm_001846)、配列番号927(nm_004703)、配列番号1124、配列番号124(nm_014899)、配列番号280(nm_020764)(または配列番号1110(nm_024522))、配列番号297(nm_016463)、配列番号791(nm_016835)、配列番号210(nm_178840)、配列番号827(nm_152499)、配列番号1064(nm_000767)、配列番号147(nm_014675)、配列番号323(nm_001014443)、配列番号106(nm_004619)、配列番号181(nm_000848)、配列番号376(nm_057158)、配列番号116(nm_014034)、配列番号252(nm_000758)、配列番号797(nm_022131)、配列番号911(nm_000168)、配列番号720(nm_004726)、配列番号889(nm_000561)、配列番号250(nm_000930)、配列番号179(nm_004747)、配列番号786(nm_033388)、配列番号177(nm_015996)、配列番号1047(BC012900)、配列番号301(nm_004326)、配列番号207(nm_003940)、配列番号936(nm_003462)、配列番号916(nm_001453)(または配列番号1116(nm_004040))、配列番号1052(BX096026)、配列番号159(nm_000224)、配列番号1096(AK127274)、配列番号28(nm_021800)、配列番号1054(AK123264)、配列番号25(nm_012391)(または配列番号1108(nm_053279))、配列番号825(nm_024704)、配列番号145(nm_017786)、配列番号491(nm_004374)、配列番号485(nm_003834)、配列番号1072(AY007114)、配列番号274(nm_032108)、配列番号258(nm_080545)、配列番号292(nm_014371)、配列番号803(nm_183047)、配列番号349(nm_031946)、配列番号1123、配列番号763(nm_014585)、配列番号438(nm_001759)、配列番号94(nm_014315)、配列番号845(nm_001089)、配列番号1084(BX648964)、配列番号734(nm_025137)、配列番号943(nm_002141)、配列番号1085(nm_000720)、および配列番号276(nm_012202)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される少なくとも1つの核酸配列の発現レベルを比較することによってメタジーン調整値underEGFRを生成する工程。
【0028】
好ましくは、前記核酸配列は、配列番号681(nm_020974)、その断片、誘導体、または相補配列である。
好ましくは、前記群において少なくとも10個の核酸配列が選択され、例として、前記群において少なくとも20個の核酸配列、または少なくとも24個の核酸配列、より好ましくは少なくとも37個の核酸配列が選択される。
【0029】
一実施形態において、前記メタジーン調整値underEGFRは、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号1071(nm_001033047);配列番号254(nm_005581);配列番号6(nm_003225);配列番号883(nm_000125);配列番号543(nm_005080);配列番号681(nm_020974);配列番号63(nm_001002295);配列番号212(nm_024852);配列番号635(nm_001002029);配列番号535(nm_003226);配列番号1125);配列番号1124;配列番号297(nm_016463);配列番号791(nm_016835);配列番号827(nm_152499);配列番号207(nm_003940);配列番号916(nm_001453)(または配列番号1116(nm_004040));配列番号1052(BX096026);配列番号159(nm_000224);配列番号25(nm_012391)(または配列番号1108(NM_053279));配列番号845(nm_001089);および配列番号1085(NM_000720)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される24個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される。
【0030】
別の実施形態において、前記メタジーン調整値underEGFRは、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号1071(nm_001033047);配列番号254(nm_005581);配列番号6(nm_003225);配列番号883(nm_000125);配列番号543(nm_005080);配列番号681(nm_020974);配列番号63(nm_001002295);配列番号212(nm_024852);配列番号635(nm_001002029);配列番号535(nm_003226);配列番号1125;配列番号1124;配列番号297(nm_016463);配列番号791(nm_016835);配列番号827(nm_152499);配列番号207(nm_003940);配列番号916(nm_001453)(または配列番号1116(nm_004040));配列番号1052(BX096026);配列番号159(nm_000224);配列番号25(nm_012391)(または配列番号1108(NM_053279));配列番号845(nm_001089);配列番号1085(NM_000720);配列番号109(nm_000662);配列番号342(nm_001846);配列番号927(nm_004703);配列番号280(nm_020764)(または配列番号1110(NM_024522));配列番号210(nm_178840);配列番号181(nm_000848);配列番号116(nm_014034);配列番号250(nm_000930);配列番号177(nm_015996);配列番号825(nm_024704);配列番号145(nm_017786);および配列番号276(nm_012202)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される37個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される。
【0031】
b)前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号405(nm_000852)、配列番号374(nm_000212)、配列番号1122、配列番号598(nm_000636)、配列番号262(nm_005194)、配列番号1099(BC066343)、配列番号696(nm_001428)、配列番号1059(AK091113)、配列番号751(nm_002423)、配列番号1121、配列番号286(nm_002417)、配列番号244(nm_199002)、配列番号18(nm_001880)、配列番号121(nm_014553)、配列番号1107(BC073775)、配列番号103(nm_003619)、配列番号1118、配列番号42(nm_000757)、および配列番号1067(AK123784)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される少なくとも1つの核酸の、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における発現レベルを比較することによってメタジーン調整値overEGFRを生成する工程。
【0032】
好ましくは、前記核酸配列は配列番号1107(BC073775)または配列番号1099(BC066343)、これらの断片、誘導体、または相補配列である。
より好ましくは、前記群において少なくとも5個の核酸配列が選択され、例として、前記群において少なくとも10個の核酸配列、より好ましくは少なくとも12個の核酸配列が選択される。
【0033】
一実施形態において、前記メタジーン調整値overEGFRは、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号1122;配列番号598(nm_000636);配列番号696(nm_001428);配列番号1059(AK091113);および配列番号121(nm_014553)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される5個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される。
【0034】
別の実施形態において、前記メタジーン調整値overEGFRは、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号1122;配列番号598(nm_000636);配列番号696(nm_001428);配列番号1059(AK091113);配列番号121(nm_014553);配列番号262(nm_005194);配列番号1099(BC066343);配列番号751(nm_002423);配列番号1121;配列番号286(nm_002417);配列番号103(nm_003619);および配列番号1118、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される12個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される。
【0035】
c)組み合わせたメタジーン値と前記雌哺乳動物の臨床転帰との関係を確立する数学的方法を用いて、前記メタジーン調整値からスコア(Sc)を生成する工程。
一実施形態において、工程c)で用いられる数学的方法は、コックス回帰分析またはCART分析である。
【0036】
別の実施形態において、数学的方法はコックス回帰であり、スコア(Sc)は以下の式:Sc=a×overEGFR+b×underEGFRに従って生成される。(式中、「a」は、[−1.85;0.81]の区間に含まれ、「b」は、[−3.86;0.70]の区間に含まれる)
例えば、式は、Sc=−1.33×overEGFR−2.28×underEGFRである。
【0037】
さらに本発明は、a)前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における少なくとも2つの遺伝子の発現レベルを比較することによって、例えば、表IXまたはXII、好ましくは表XII(以下に記載)のAffymetrix(登録商標)Probe Setの群において選択される核酸配列を用いることによって、メタジーン調整値underERを生成する工程と、b)前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における少なくとも2つの遺伝子の発現レベルを比較することによって、例えば、表XまたはXIII、好ましくは表XIII(以下に記載)のAffymetrix(登録商標)Probe Setの群において選択される核酸配列を用いることによって、前記メタジーン調整値underPRを生成する工程と、c)前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における少なくとも2つの遺伝子の発現レベルを比較することによって、例えば、表XIまたはXIV、好ましくは表XIV(以下に記載)のAffymetrix(登録商標)Probe Setの群において選択される核酸配列を用いることによって、前記メタジーン調整値underEGFRを生成する工程と、d)組み合わせたメタジーン値と前記雌哺乳動物の臨床転帰との関係を確立する数学的方法を用いて、前記メタジーン調整値からスコア(Sc)を生成する工程とを備える、乳癌に罹患している前記雌哺乳動物の臨床転帰を評価する方法に関する。
【0038】
一実施形態において、工程d)において用いられる数学的方法は、コックス回帰またはCART分析である。
別の実施形態において、工程d)において用いられる数学的方法はコックス回帰であり、スコア(Sc)は以下の式:Sc=a×underER+b×underPR+c×underEGFRに従って生成される。(式中、「a」は、[−6.26;+0.49]の区間に含まれ、「b」は、[−2.65;+0.29]の区間に含まれ、「c」は、[−6.69;+1.65]の区間に含まれる)
例えば、式は、Sc=−2.90279×underER−1.47423×underPR−4.17198×underEGFRである。
【0039】
好ましくは、各工程a)、b)、およびc)の発現レベルの比較は、各々それぞれ群の少なくとも5個の、好ましくは10個の、好ましくは全ての前記遺伝子または核酸配列について行われる。
【0040】
様々な実施形態において、前記方法は、前記雌哺乳動物からの生物試料における核酸配列の発現レベルを定量する第1の工程を含むことができる。
他の様々な実施形態において、これらの方法は、生物試料からの前記スコア(Sc)をベースラインまたは対照試料からのスコア(Sc)と比較する工程e)を含むことができる。
【0041】
他の様々な実施形態において、前記生物試料は乳房腫瘍試料である。「試料」は、細胞または組織を意味する。
他の様々な実施形態において、前記方法は、前記雌哺乳動物から少なくとも1つの生物試料を採取する工程をさらに含む。
【0042】
別の実施形態において、前記方法は、薬剤処置、好ましくは化学療法処置を雌哺乳動物に施して、この処置に反応した雌哺乳動物の臨床転帰を最適化する工程を含む。薬剤処置は、1つまたは複数のタキサン化合物、例えば、ドセタキセルまたはパクリタキセルを使用することを備えることができる。雌哺乳動物が以前の抗癌処置、例えば、1つまたは複数のアントラサイクリン化合物(例えば、エピルビシン、ドキソルビシン、ピラルビシン、イダルビシン、ゾルビシン、またはアクラルビシン、好ましくはエピルビシン)を使用する処置に反応しなかった場合、この処置を投与することができる。
【0043】
さらなる態様において、本発明による方法は、以前の抗癌処置、例えば、1つまたは複数のアントラサイクリン化合物(例えば、エピルビシン、ドキソルビシン、ピラルビシン、イダルビシン、ゾルビシン、またはアクラルビシン、好ましくはエピルビシン)を使用する処置に反応しなかった雌哺乳動物を同定するために用いてもよい。
【0044】
他の様々な実施形態において、データの比較または分析は、コンピュータを媒介する統計的な分析を伴うことができる。また、前記方法は、任意選択で、印刷された報告書の生成をさらに伴うことができる。
【0045】
本発明は、前記方法を行うための命令を備えるコンピュータプログラムにさらに関する。
最後に、本発明は、前記コンピュータプログラムの記録された記録媒体に関する。
【発明を実施するための形態】
【0046】
別段の記載がなければ専門用語は慣例的な使い方に従って用いられる。
本発明の様々な実施形態の理解を容易にするために、特定の用語について以下に説明する。
【0047】
哺乳動物は、ヒト、マウス、ラット、モルモット、サル、ネコ、イヌ、ブタ、ウマ、またはウシに、好ましくはヒトに、最も好ましくは女性に相当する。
生物試料:細胞、組織試料、または乳癌からのバイオプシーなどのあらゆる生物学的材料。
【0048】
本明細書で用いた「メタジーン」は、それに対して腫瘍全体にわたる発現の変動(しかし、必ずしも発現レベルではない)が相関する一群の遺伝子に相当する。メタジーンは、当業者であれば実施例に記載する方法に従って簡単に計算することができる。
【0049】
本明細書で用いられる「対照」は、乳房からの細胞、組織試料、またはバイオプシーからの、1つまたは複数の生物試料に相当する。前記対照は、試験するものと同じ雌哺乳動物から、または別の雌哺乳動物から、好ましくは同じ種から、または雌哺乳動物の集団から、試験雌哺乳動物もしくは対象と同じでもよく、または異なっていてもよい、好ましくは同じ種から得ることができる。前記対照は、乳癌からの細胞、細胞系、組織試料、またはバイオプシーからの生物試料に相当してよい。好ましくはEGFR、RE、PR、および/またはKI−67の発現は、例えば、IHC(免疫組織化学)、FISH(蛍光インサイチューハイブリダイゼーション)、または定量的PCRによって、生物試料に対して確立されている。
【0050】
インシリコ(in silico)研究:文字通り「コンピュータ内」システムに関するインシリコ研究は、実験室(in vitro)および動物(in vivo)の実験ではなく、コンピュータモデルを用いて、生物学的モデル、薬物、および他の介入を試験するための方法を伴う。インシリコ方法は、核酸配列発現の定量分析を含む1つまたは複数の記録を含むデータベースなどの既存のデータベースの分析を伴い得る。このようなデータベースの分析には、データベース中のデータのマイニング、解析、選択、識別、ソーティング、またはフィルタリングが含まれ得る。データベース中のデータは、クラスター化アルゴリズム、自動検出アルゴリズム、識別テスト、相関、回帰アルゴリズム、または他の統計的モデリングアルゴリズムも受けさせることができる。
【0051】
インシリコ研究を用いて、薬物処置を選択し、試験し、検証することができ、実験の戦略を評価することができる。インシリコのシステムは、実験室ベースの研究を補足するが、in vitroおよびin vivoの実験室の実験に対する必要性を最小にすることによって生産性および効率を高める。
【0052】
本明細書で説明するある実施形態において、インシリコのシステムが用いられる。特に、本開示は、乳癌に罹患している雌哺乳動物の臨床転帰に関する状態を評価するためのインシリコ方法を提供する。このような方法は、データベース中のデータを評価することを伴う。データベース中のデータは、通常、1つまたは複数の個体からの生物試料からの核酸の定量を含んでいる。
【0053】
本明細書で論じる定量的データには、個々の核酸配列に対するモル定量データもしくは相対的データ(対照に比べた発現の検証)、またはサブセットの核酸配列が含まれる。核酸試料の定量的な側面は、分析の間に1つまたは複数の定量的内部標準(例えば、1つの対照の核酸配列)を含むことによって提供され、かつ/または改善されてよい。本明細書に記載する内部標準により、各核酸配列発現の真の定量が可能になる。
【0054】
真の定量データは、別々の個々の分析の各々において測定された核酸配列の数に関わらず、複数の供給源(それが異なる研究室からの作業であっても、異なる対象からの試料であっても、または単に異なる日に処理加工された試料であっても)から単一のシームレスなデータベース中に組み入れることができる。
【0055】
いずれの開示した方法において、比較または分析は、統計的な、またはコンピュータの介在する分析を伴う。
組み合わされたメタジーン調整値間の関係を確立するための数学的モデル(または方法)は、試験する雌哺乳動物と同じ民族および同じ乳癌の特徴を示す雌哺乳動物の集団に対して実現される。
【0056】
スコア(Sc)を計算するために用いられる式におけるメタジーン係数(a、b、c)は、同じ民族および同じ特徴を示す哺乳動物のメスからなる、用いられる腫瘍試料のデータベースに従って変化することがある。当業者であれば、ライト等(Wright et al.)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、100巻(17)、9991〜9996頁、2003年に記載されているいわゆるコックス回帰を用いることによってこれらの係数を計算することができる。
【0057】
場合により、いくつかの開示した実施形態において、方法は、雌哺乳動物からのスコア(Sc)を、好ましくは同じ種からの別の雌哺乳動物からのスコア(Sc)と、あるいは好ましくは同じ種からの(試験する雌哺乳動物もしくは対象と同じであってもよく、または異なってもよい)雌哺乳動物の集団からの編集されたスコア(Sc)と比較することをさらに含む。
【0058】
このような方法の詳しい例において、対照は、雌哺乳動物の集団から確立されたスコア(Sc)に相当するベースラインである。
ベースラインは、実施例に記載した手順を考慮して、当業者によって簡単に決定される。最適のベースラインは、2群の最も有意な差の結果に腫瘍を分けるスコア分布を用いることによって得られる。
【0059】
1例として(以下に記載する)、本発明者らは、0.136を超えるスコア(Sc)を有する女性は、0.0393未満のスコア(Sc)を有する女性よりも臨床転帰が劣る傾向が少なくとも2倍であることを確立した。
【0060】
いずれの開示した方法は、印刷された報告書(例えば、データから引き出されるいくつかもしくは全ての結果の、いくつかまたは全てのデータの報告、あるいは、対象もしくは個体の結果と、他の個体もしくは対照もしくはベースラインの結果の間のスコアまたは比較)の生成をさらに伴うことができる。
【0061】
核酸配列に対する定量データまたは相対的データを収集する方法は多く存在し、分析的な方法は、乳癌に罹患している雌哺乳動物の臨床転帰の評価における、核酸配列発現の有用性に影響を及ぼさない。生物試料における核酸発現の量を決定するための方法は、当業者にはよく知られている。このような方法の1例として、ノーザンブロット、cDNAアレイ、オリゴアレイ、または定量的逆転写PCRを列挙することができる。
【0062】
前記方法が、多数の候補遺伝子のmRNA発現レベルの定量的試験を可能にする、cDNAアレイまたはオリゴアレイであるのが好ましい。
DNAアレイは、ナイロン膜、スライドガラス、ガラスビーズ、またはシリコンチップなどの固体の支持体または基体上に、系統的な順序でスポットされた多数のDNA分子からなる。アレイ上の各DNAのスポットのサイズに応じて、DNAアレイは、マイクロアレイ(各DNAのスポットの直径が250ミクロン未満である)およびマクロアレイ(スポットの直径が300ミクロンを超える)に分類することができる。用いられる固体基体のサイズが小さい場合、アレイはDNAチップとも呼ばれる。用いられるスポット技術に応じて、ガラスのマイクロアレイ上のスポットの数は、数百から数千の範囲であることができる。
【0063】
典型的には、DNAアレイによって遺伝子発現をモニターする方法は以下の工程を伴う。
a)対象からポリヌクレオチドの試料を得る工程、および
b)プローブが、先に記載した核酸配列、その断片、誘導体、または相補配列を有するポリヌクレオチドからなる、工程(a)で得た試料のポリヌクレオチドを、固体支持体上に固定化した前記プローブと反応させる工程。
c)ステップ(b)の反応生成物を検出する工程。
【0064】
本発明において、「ポリヌクレオチド」の語は、合成の、非天然の、または変化したヌクレオチド塩基を場合により含んでいる、1本鎖または2本鎖である重合体のRNAまたはDNAを意味する。重合体のDNAの形態のポリヌクレオチドは、cDNA、ゲノムDNA、または合成DNAの1つまたは複数のセグメントからなっていてよい。
【0065】
本発明において、「断片」の語は、ストリンジェントな条件下で、1例として、10個を超えるヌクレオチド、好ましくは15個を超えるヌクレオチド、最も好ましくは25個を超えるヌクレオチド、1例として50個を超えるヌクレオチド、または100個を超えるヌクレオチドの特異的なハイブリダイゼーションを可能にする核酸の配列を意味する。
【0066】
本発明において、「誘導体」の語は、同定された核酸配列に80%を超える同一性、好ましくは90%を超える同一性、1例として95%を超える同一性、最も詳しくは99%を超える同一性を有する配列を意味する。
【0067】
本発明において、「支持体上への固定化」は、共有結合、水素結合、イオン性の相互作用、疎水性の相互作用またはその他による付着を含めた、それへの直接的または間接的な結合を意味する。
【0068】
対象から単離され、ステップ(a)で得られるポリヌクレオチド試料は、RNA、好ましくはmRNAである。患者から単離された前記ポリヌクレオチド試料は、mRNAの逆転写によって得られたcDNA、またはmRNAもしくはcDNAに対する特異的なプローブの特異的なハイブリダイゼーションの後のライゲーションの生成物に相当することもできる。
【0069】
好ましくは、工程(a)で得られたポリヌクレオチド試料を、固体支持体上に固定化したプローブと、ステップ(b)の反応の前に標識する。このような標識化は当業者にはよく知られており、それだけには限定されないが、放射性、比色、酵素、分子増幅、生物発光、電気化学、または蛍光の標識化が含まれる。
【0070】
工程(c)の反応生成物を、前記反応生成物を対照の試料とさらに比較することによって定量すると有利である。
検出が、各核酸配列に対する相対的な発現(転写)レベルを計算/定量することを伴うのが好ましい。
【0071】
次いで、先に記載した各核酸配列に対する相対的な発現レベルの決定により、本発明の方法によって、乳癌に罹患している対象、すなわち雌哺乳動物の臨床転帰を評価するのが可能になる。
【0072】
乳癌に罹患している雌哺乳動物の臨床転帰を評価する方法は、好ましくは雌哺乳動物からの乳癌組織または細胞である、生物試料を採取する工程をさらに伴うことができる。このような試料採取の方法は当業者にはよく知られており、1例として外科手術を列挙することができる。
【0073】
開示した方法は、このような試料採取の工程を含まないin vitroの方法にも相当することができる。
薬剤処置、特に化学療法処置が乳癌に罹患している雌哺乳動物の臨床転帰に影響を及ぼすか否かを決定する方法も提供され、この方法は、雌哺乳動物からの生物試料における前記核酸配列の発現の定量、および前記雌哺乳動物に対するスコア(Sc)の決定を伴う。
【0074】
さらなる実施形態は、臨床転帰に関するその潜在的な有効性、効力、または副作用に対して治療薬剤または薬剤を評価または同定する方法であり、この方法は、乳癌に罹患している雌哺乳動物からの生物試料における前記核酸配列の定量、および前記雌哺乳動物に対するスコア(Sc)の決定を伴う。
【0075】
また、本明細書は、乳癌に罹患している雌哺乳動物からの臨床転帰の傾向における変化を評価する方法も提供する。この方法は、雌哺乳動物から少なくとも2つの生物試料を採取することを伴い、試料の1つは事象の前に、1つは事象の後に採取する。様々な特定の実施形態において、事象は、時間(例えば、分、時間、日、週、月、または年)の経過、治療薬剤(または推定上の、もしくは潜在的な治療薬剤)での処置、薬剤(または推定上の、もしくは潜在的な薬剤)での処置を伴う。
【0076】
本願の特定の実施形態は、乳癌に罹患している雌哺乳動物の臨床転帰に、状態が影響を及ぼしているか否か、またはどの程度状態が影響を及ぼしているかを決定する方法である。この方法は、対象に状態を受けさせ、対象から生物試料を採取し、生物試料を分析して前記対象に対するスコア(Sc)を生成し、対象に対する前記スコア(Sc)を対照と比較することを伴う。この比較から、試験スコア(Sc)と対照との間の違いまたは類似性をもとに、乳癌に罹患している雌哺乳動物の臨床転帰に状態が影響を及ぼしているか否か、またはどの程度状態が影響を及ぼしているかについての結論を引き出す。この実施形態に対して企図されるように、対象に受けさせる状態には、それだけには限定されないが、薬剤または治療薬剤または候補薬剤の適用が含まれ得る。
【0077】
対象:雌哺乳動物。
このような方法の特定の例において、核酸配列発現プロファイルは、対象からの前状態のスコア(Sc)、または複数の個体のスコア(Sc)から集められた編集されたスコア(Sc)である。他の例において、対照のスコア(Sc)は、先に記載した対照スコア(Sc)から確立された対照またはベースラインである。
【0078】
薬剤処置:対象に適切に投与された場合に臨床転帰に有益な効果を有する、または有するべきであるあらゆる薬剤処置、レジメン、または投与量、(タンパク質、ペプチド(例えばホルモン)、他の有機分子もしくは無機分子もしくは化合物、またはこれらの組合せの投与など、)前記薬剤が化学療法で用いられるのが好ましい。
【0079】
他の方法で説明がなされなければ、本明細書で用いられる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の技術者が一般に理解するのと同じ意味を有する。本明細書に記載するものと類似または同等の方法および材料を本発明の実践または試験で用いることができるが、適切な方法および材料を以下に記載する。本明細書で言及する全ての出版物、特許出願、特許、および他の参照は、その全文を本願明細書に援用する。対立の場合には、用語の説明を含めた本明細書が規制する。さらに、材料、方法、および実施例は説明的なものにすぎず、限定を意図するものではない。
【0080】
様々な実施形態において、開示した方法は、乳癌に罹患している雌哺乳動物の臨床転帰を改善する薬剤処置を選択する工程をさらに含む。
本発明は、本質的に限定的であると理解してはならない、出願者が行った研究の状況において行われた実験的研究の記載を読んだ上で、より明確に理解されよう。
【0081】
実施例1:有意なメタジーン組合せの同定
1)目標:
彼らのゲノムプロファイルに関し患者の薬物応答性を評価することが現在可能であるが、非転移性乳癌に対する標準的なアジュバント化学療法(アントラサイクリンおよびタキサン)は体系的に適切ではない可能性があり、彼らのゲノムプロファイルによれば、女性はむしろタキサンなしでアントラサイクリン単独に基づく治療が有効である可能性がある。
【0082】
第1の目的は、遺伝子発現に基づき異なる臨床成績の2群の患者を識別する、遺伝子セットを同定することであった。この目標は、9,000遺伝子マイクロアレイを用い、タキサンなしでアジュバントアントラサイクリンに基づくCTで治療された患者から得た323個の腫瘍の遺伝子発現プロファイルを定義すること(同定セット)、メタジーン中の個々の遺伝子をグループ分けすることおよびER、PR、HER2/Neu、MIB/KI67、EGFRの生物学的状態、免疫組織化学またはFISHのような独立した方法により決定されたサンプルの状態、と密接に相関したメタジーンを同定すること、により達成した。次に、コックス比例ハザード比分析を用いて、臨床成績により患者を分別するためにこれらのメタジーンを統合した。スコアからなるモデルを提供するこの後者のステップは、スコア=Σβi.xiここでβi.は固定パラメータでありxiはメタジーンの値であるような、線形結合として表わされた。
【0083】
第2の目的は、コックスモデルおよびそのメタジーン成分を、患者の独立コホートにおける臨床成績を予測するために予め検証することである(検証セット)。この目標は、同様の技術を用いて、多施設臨床試験を背景としてタキサンなしでアジュバントアントラサイクリンに基づくCTで治療された患者から得た164個の腫瘍の遺伝子発現プロファイルを定義することにより達成した。
【0084】
2)患者:
アジュバントアントラサイクリンに基づくおよび非タキサンに基づくCTで治療された、504個の初期乳癌の多施設および後ろ向き系列(Institut Paoli Calmettes、Centre Leon Berard、Institut Bergonieならびに臨床試験PACS01およびPEGASE01からの腫瘍)をプロファイル化した。各患者に対する臨床的および病理学的基準を以下の表に要約し、同定および検証セットと対応する。
【0085】
【表1】

【0086】
【表2】

【0087】
【表3】

【0088】
3)遺伝子プロファイリングの方法:
放射標識した[A33P]−dCTP cDNAプローブを、全RNA3μgからの逆転写により得る。プローブを次に、9600個のスポットしたcDNA(Discovery(商標)プラットフォーム)を含むナイロンメンブレンからなるIPSOGENの10K DiscoveryChip(商標)上にハイブリダイズした。
【0089】
ハイブリダイゼーションに続いて、メンブレンを洗浄して蛍光体イメージングプレートに暴露し、次いでFuji−BAS 5000機でスキャンする。シグナル強度はFuji ArrayGauge v1.2プログラムを用いて定量化し、結果として生じる生データを解析する。
【0090】
4)解析:
4−1:正規化および選別:
生データをIpsogenデータベースから出力する。それに対するスポットしたDNA量が低すぎるスポットを、さらなる解析から無効にする。データを次に、非線形ランクに基づく方法(サバッティ等(Sabatti et al.)、2002)を用いて参照サンプルと比較して正規化する。正規化したデータを次に、その発現レベルが非特異的なシグナルに匹敵しそして測定が非常に不確定である低い強度の遺伝子を除外するために選別する。
【0091】
それらのプロファイルの類似性によりサンプルおよび遺伝子をグループ分けして、データの品質管理を階層的クラスタ分析に基づき実行する。サンプルおよび遺伝子クラスタの生物学的妥当性は、良質のデータを保証しさらなる解析を可能とする。
【0092】
いくつかのサンプル系列を解析したので、系列間の比較性を保証するために追加のデータ正規化を実行した。比較性を階層的クラスタ分析で確認した。
4−2:表現型シグネチャ同定:
いくつかの表現型マーカー、ER、PR、HER2/Neu、MIB/KI67、EGFRに対し、Bioconductor(ガー、デュドイトならびにスピード(Ge、Dudoit and Speed)、2003)で利用できるMaxT法を用いて監視下解析を行った。この5個のマーカーは全て、標準的な免疫組織化学(IHC)で測定された。
【0093】
監視下解析を、ER、PR、HER2/NeuならびにEGFRマーカーに対する159個のサンプル同定セットと、MIB/KI67に対する114個のサンプル同定セットに対して行った。各同定したシグネチャを次に、1〜4の独立したデータセットで検証した。
【0094】
検証は、LPS法(線形予測スコア)(ライト等(Wright et al.)、PNAS、2003、vol.100、no.17、9991−9996)を用いての独立したサンプルに対する状態予測にあった。全ての独立したサンプルの予測は、それぞれの同定したシグネチャに対する感受性および特異性の判断を可能とした。
【0095】
4−3:メタジーン計算:
メタジーンを、腫瘍にわたってその発現変動(しかし発現レベルである必要はない)が相関する遺伝子群とみなした。その前提は、単独の遺伝子からの発現レベルの測定で生じた誤差は、複数の遺伝子を考慮した場合大いに減少するということである。従って個々の遺伝子が不十分に測定される場合でさえ、メタジーン値におけるその寄与は考慮した遺伝子の数により重みを加えられ、そしてメタジーンに対する最終値はあまり影響を受けない。
【0096】
メタジーンを、監視下および監視なしデータの両方から計算した。
表現型シグネチャ由来のメタジーン:表現型シグネチャを、免疫組織化学(IHC)またはFISHなどの現行の基準により評価された所与の表現型マーカーと相関し、遺伝子と対応する。遺伝子は、5%リスクで発現差異の有意性をテストする改変t検定(MaxT法)により相関したと考慮した。各表現型シグネチャは、その発現レベルが非相関である2つの遺伝子のサブセットから構成される。1つの遺伝子群は腫瘍群で高発現しており(例えばER+腫瘍)、一方もう1つの群は同じ腫瘍群で低発現している。発現変動はサンプルにわたって相関しているが、発現レベルは遺伝子間で変動し得、次いで非ロバスト平均発現へとつながっている。たとえ発現レベルが変動しても、参照サンプルによる発現差異は全ての遺伝子に対し同じダイナミックレンジに属しており、平均計算が可能となると想定されている。各腫瘍に対し、各遺伝子測定は参照サンプル中の遺伝子の発現レベルにより分けられ(ログ比)そして対応するメタジーンはこれらのログ比の平均である。
【0097】
各シグネチャは、2つの非相関したメタジーンの計算を可能とした。例えば、ERシグネチャは、underER(ER+腫瘍で低発現している遺伝子)およびoverER(ER+腫瘍で過剰発現している遺伝子)の2つのメタジーンを与える。
【0098】
監視なし解析由来のメタジーン:メタジーンをまた、468個のサンプルセットについての階層的クラスタ分析に基づき、サンプルにわたって相関した発現変動を持つ遺伝子群と定義した。遺伝子群は、少なくとも5個の遺伝子を含む場合保持され、0.5より大きなノード相関係数を持っていた。監視下解析により以前に同定されたメタジーンと対応する遺伝子群は、さらに考慮しなかった。メタジーンを、所与の群に含まれる遺伝子のログ比の平均として得た。
【0099】
4−4:生物統計学
古典的な監視下解析に基づいては、転移に対するいかなるロバスト遺伝子シグネチャも同定することができなかったので、明らかに単一系列の相関した遺伝子は転移を予測することができないようである。
【0100】
生物統計学アプローチを次に生存分析に準拠し、そしてその目的は、非転移患者から転移患者を分ける代わりに、有意に異なる成績の2群の患者を同定することであった。考慮した発症は転移であり、局所再発などのいかなる以前の発症も考慮していない。
【0101】
モデル計算:SBRグレード、腫瘍サイズ、またはリンパ節転移などのすでに存在している予後因子に予後情報を与えることが可能となるメタジーンの組合せを同定するために、コックス回帰を用いた。コックス比例ハザード比分析は尤度関数の計算に存し、それは患者に対し、その人がここまで生存したと知るための、所定の時間での発症(死亡、転移)を観察するための見込みを与える。尤度関数は、時間と無関係であり、全ての患者に共通である「ベースライン」リスク、および異なる説明変数(この値は患者間で異なる)に関連しているリスクを考慮に入れている。ベースラインリスク関数は未知であり、患者間の比が考慮される限り除外される。次に対数尤度を、それぞれが所与の係数により適切に重みを加えられている説明変数の一次関数として定義する。係数を、対数尤度関数を最大にするアルゴリズムにより推定する。
【0102】
これに対し、最も有意なメタジーンを選択するために前進ステップワイズアプローチを用い、閾値p値を10%に固定した。メタジーン情報に依存しかつすでに知られている臨床的パラメータに影響されないモデルを得るために、臨床的パラメータ、SBRグレード、腫瘍サイズならびに単独のパラメータで合成されたリンパ節、NPI(ノッティンガム予後指数)で解析を階層化した。さらに、同定セットは異なる抗癌センターを起源とする患者からなるので、起源のセンターについての解析も階層化した。
【0103】
メタジーンの組合せが得られれば、各メタジーンに対するアルゴリズムによって計算された係数により重みを加えたメタジーン値の線形結合に基づき、各患者に対するスコアを計算した。係数の指数値は、メタジーンに関連したハザード比に対応する。各パラメータ推定値に対し、アルゴリズムは95%信頼区間を与える。ゆえに信頼区間に含まれる任意の値の組合せは、患者を有意に異なる予後群に分別するのに用いることができる。
【0104】
予後群決定:同定セットのスコアの分布を、患者を異なる成績の2群に分けるために最も有意なカットオフを決定するために用いた。第1、第2、ならびに第3四分位数の3つの閾値を試し、2群の患者を比較するためにそれぞれの場合でログランク検定を実行した。最適化した閾値を定義するために段階的アプローチを用いて、全てのスコア値を潜在的な閾値としてテストした。
【0105】
カットオフは、それに対するログランク検定に関連したp値が最も有意であったものであった。
個々の検証セットに対する検証:検証セットのそれぞれの患者に対し、スコアを計算し、同定セットで決定した係数および閾値を用いて患者を2つの予後群に分別した。スコアは、個々の患者の成績(DFS−無病生存率)を考慮せずに計算した。
【0106】
検証はログランク検定のp値により正しく評価され、それは検証したモデルを考慮するためには<5%でなくてはならない。
臨床的パラメータとモデルを統合する多変量コックス解析を実行することにより、標準パラメータと比較して関連性のある情報を効果的に加えた、同定したモデルを検証した。
【0107】
サンプル予測:予測される任意の新しいサンプルに対し、生データを以前に定義した参照サンプルにより正規化し、メタジーンを計算する。同定セットで計算した式は次に、新しいサンプルに適用される各サンプルの特異的なスコアへの帰属を可能とする。スコアを同定方法から最適化された閾値と比較し、患者は、そのスコアが閾値より低いまたは等しければ予後良好群に、そのスコアが閾値より高ければ予後不良群に属すると宣言される。
【0108】
5)結果:
5−1:メタジーン選定
監視下解析から計算された9のメタジーン、および監視なし解析からの17のメタジーンから始めた。
【0109】
メタジーンとロバスト性の間の相関に基づく最初の解析は、潜在的な候補を19のメタジーンに減らし、7は監視下解析由来であり12は監視なし解析由来であった。
5−2:単変量解析
各メタジーンを最初に単変量コックス解析でテストし、以下の表に示すようにそれらのどれもが単独では有意ではないと分かった。
【0110】
【表4】

【0111】
5−3:選択したメタジーンおよびその組合せの説明
多変量コックス解析法は、予後に関連した有意なメタジーンおよびその組合せの同定を可能とした。選択したメタジーンおよびその組合せの構成要素を以下に説明する。
【0112】
実施例2:第1のメタジーン組合せの同定
前進ステップワイズ法を用いたコックス解析で、良好または不良予後に関連した3の以下の有意なメタジーン(underER、underPRおよびunderEGFR)を同定した。
【0113】
【表5】



【0114】
【表6】





【0115】
【表7】





【0116】
【表8】

【0117】
これらのパラメータに基づき、予後に対するスコアを以下の様に確立している:
スコア=−2.90279×underER−1.47423×underPR−4.17198×underEGFR
閾値最適化:全ての可能性のある閾値をテストした。トレーニングセットのスコア分布の第1、第2そして第3四分位数を例とし、ログランク検定に関連したp値に対してそれぞれ0.502、0.0057及び<0.0001であると分かった。
【0118】
第3四分位数(カットオフ=0.087646)を次に、最も高い有意性で患者を2群に分けるための最適なカットオフと定義した。
スコア上の誤差は、閾値あたりの信頼区間を計算することにより統合し、その範囲でサンプル分類を非ロバストとみなした。スコアのガウス分布を考慮し、標準的な偏差計算方法を用いて閾値あたりの信頼区間を推定した(集団の推定した標準偏差/√n)。
【0119】
本発明者らは、0.136以上のスコア(Sc)を有する女性は0.0393未満のスコア(Sc)の女性より少なくとも2倍の不良臨床成績の傾向を持つということを確立している。
【0120】
モデル検証:検証セット由来の164人の患者のそれぞれに対してスコアを計算し、同定セットで決定したカットオフにより患者を2群に分別した。164人の患者において、モデルをよく検証し(p=4.7 10-02、ログランク検定)、患者を80%5年MFS(患者の84%)の予後良好群および63%5年MFS(患者の13%)の予後不良群、患者の3%は解釈可能ではない、に分別した。臨床試験PACS01(N=128)で構成される検証セットのサブセットにおいて、予後良好群での88%の5年MFS(患者の80%)および予後不良群での65%の5年MFS(患者の16%、患者の4%は解釈可能ではない)という同様の検証(p=3.9 10-03、ログランク検定)を得た。
【0121】
モデル実行:標準的な臨床的パラメータと比べて、モデルの重要度を決定するために多変量解析を実行した。グレード、リンパ節、ER状態、年齢などを考慮した場合でさえ、モデルは多変量解析においてなおも有意であり、独立した、補足的な、ならびに有意な予後情報を提供するということを示唆している。
【0122】
【表9】

【0123】
【表10】

【0124】
【表11】

【0125】
メタジーン削減:
underER、underPRおよびunderEGFRを伴うこのモデルにおいて、遺伝子の数を、MaxT法を用いたメタジーン同定でのそれらの有意性により定義した。たとえ遺伝子が相互によく相関していても、それらの中には、解析する遺伝子の数を減らし解析処理を単純にするためにさらなる解析から除き得るものもある。
【0126】
メタジーンを構成している各遺伝子とメタジーンの間の相関を計算し、それらのメタジーンへの増加性相関により遺伝子を区分けし、1個の除いた遺伝子から始め除いた遺伝子を除く全てのものまで、メタジーンとの相関が最も低い遺伝子を進行的に除去した。
【0127】
これらの新しい遺伝子のセットのそれぞれに対し、新しいメタジーンおよびその最初のメタジーンとの相関を計算した。0.91〜0.99に変動する所与の相関カットオフを選択し、モデルの対応する新しいメタジーンと統合した。これは各患者に対する新たなスコアおよび予後群を作りだし、最初のモデルと最適化したメタジーンを伴うモデルの間の所与の予後群の属性を比較することを可能とした。判断基準は、2つの予後群内の2つの患者分類(最初のモデルと最適化したもの)の間で等価であった。
【0128】
例として、メタジーンunderER由来の遺伝子の数を42個から27個に減らすことができ(表I)、そして検証セットで2つの予後群中の患者分類に対して97%の等価性(メタジーンを最適化した場合、患者のわずか3%のみが逆の予後群であると予測されるということを意味している)を保っている。20個の遺伝子で(表I)、一致は95%のままである。
【0129】
同様に、メタジーンunderPRは、検証セットでの患者分類に対してそれぞれ96%および94%等価性で、73個から35個(表II)および6個の遺伝子(表II)に減らし得る。
【0130】
メタジーンunderEGFRは、検証セットでの患者分類に対してそれぞれ95%および91%の一致で、71個から34個(表III)および22個の遺伝子(表III)に減らし得る。
【0131】
3のメタジーンの最適化を考慮し、最初のモデルで用いた186個の遺伝子の代わりに、102個および50個の遺伝子でそれぞれ91%および90%の一致である検証セットに達した。
【0132】
実施例3:第2に有意なメタジーン組合せの同定
EGFR+の大部分がER−であり、ERおよびEGFRマーカーは相関しているので、メタジーンunderERおよびunderPRに代わることができる別の組合せを単独のメタジーンoverEGFRにより見出した。
【0133】
【表12】


【0134】
【表13】

【0135】
これらのパラメータに基づき、予後に対するスコアを以下の様に確立している:
スコア=−1.33×overEGFR−2.28×underEGFR
閾値最適化:[0.103〜0.177]の信頼区間と関連した第3四分位数を選択し(カットオフ=0.14)、患者を予後良好群での79%5年MFSおよび予後不良群での60%の5年MFS(p=0.041、ログランク検定)の2群に選別した。
【0136】
モデル検証:トレーニングセットで同定した式で検証セットの164人の患者に対するスコアを計算し、定義した閾値により患者を分けた。モデルを、予後良好群での5年の82%MFS(患者の76%)、および予後不良群での54%MFS(患者の20%、患者の5%は解釈可能ではない)でよく検証した(p=1.1 10-03、ログランク検定)。臨床試験PACS01(N=128)で構成される検証セットのサブセットにおいて、予後良好群での87%の5年MFS(患者の75%)および予後不良群での60%の5年MFS(患者の19%、患者の6%は解釈可能ではない)という同様の検証(p=2.9 10-03、ログランク検定)を得た。
【0137】
モデル実行:前述のようにモデルの重要度を決定するために多変量解析を実行した。
【0138】
【表14】

【0139】
【表15】

【0140】
【表16】

【0141】
メタジーン削減:
underEGFRおよびoverEGFRシグネチャで解析するために、他のメタジーンに対して前述したように遺伝子の数を最適化した。
【0142】
メタジーンoverEGFRは、検証セットでそれぞれ96%および94%の一致で、19個から12個(表IV)または5個の遺伝子(表IV)に減らすことができた。
最適化したunderEGFRメタジーンをとり、92個の代わりに37個(表III)および24個の遺伝子(表III)をそれぞれ考慮して95および91%の一致を得た。
【0143】
メタジーンの中には、有意な予後値を有したまま単独の遺伝子のレベルにまで減らすことができたものもあった。
このような遺伝子に基づくモデルの例は、SCUBE2(配列番号681)およびIGKC(配列番号1107または1099)を含む。SCUBE2はunderEGFRメタジーンの要素であり、一方IGKCはoverEGFRメタジーンの一部である。
【0144】
【表17】

【0145】
閾値最適化:第3四分位数(カットオフ=0.095)、信頼区間[0.0513〜0.1387])が最も有意であり(p=9.1 10-04、ログランク検定)、同定セットを予後良好群(5年で77%MFS)および予後不良群(5年で51%MFS)に分別した。
【0146】
モデル検証:検証セット由来の164人の患者を統計的に有意な成績(p=4 10-04、ログランク検定)を有する2群に分別するために以前に計算した係数および閾値を用いた。予後良好群は83%の5年MFS(患者の69%)を有し、一方予後不良群は55%の5年MFS(患者の24%、患者の7%は解釈可能ではない)を有した。臨床試験PACS01(N=128)で構成される検証セットのサブセットにおいて、予後良好群での90%の5年MFS(患者の69%)および予後不良群での61%の5年MFS(患者の23%、患者の7%は解釈可能ではない)という同様の検証(p=1.3 10-03、ログランク検定)を得た。
【0147】
モデル実行:前述のようにこの簡易化したモデルの重要度を決定するために多変量解析を実行した。
【0148】
【表18】

【0149】
【表19】

【0150】
【表20】

【0151】
本発明に取り組むのに異なる核酸アレイプラットフォームを用いることができ、cDNAプラットフォーム(以下に記載のImageまたは「Ipso」クローン)、Affymetrix(登録商標)プラットフォーム(GeneChip(登録商標)probe set)ならびに他のものを含むが、これらに限定されない。
【0152】
実施例4:cDNAプラットフォームでの本発明によるメタジーン組合せの使用
以下の表は、上述の方法によりcDNAプラットフォームで用いられ得る本発明のメタジーンの例である。例えば、以下のunderER、underPRならびにunderEGFRメタジーンは、コックス回帰分析およびスコアSc=−2.90279×underER−1.47423×underPR−4.17198×underEGFR、「a」、「b」および「c」に対する説明で前述した区間を伴う(そしてunderEGFRおよびoverEGFRを含む上述の組合せと同様に、IGKC+SCUBE2の組合せも)を用いて上述の方法に用いられ得る。下欄の表中の配列3’および配列5’は、それぞれのImageまたはIpsoクローンを同定する配列を示す。
【0153】
【表21】







【0154】
【表22】













【0155】
【表23】












【0156】
【表24】




【0157】
実施例5:Affymetrix(登録商標)プラットフォーム(GeneChip(登録商標)Human Genome U133 plus 2.0 array)での本発明によるメタジーンの使用
2つのプラットフォーム間の合致を判断するために、Affymetrix(登録商標)プラットフォームで検証セット由来の113個のサンプルをプロファイル化した。
【0158】
3のメタジーンの中に含まれている配列に対応するAffymetrix(登録商標)probesetを見つけるために、標準的な配列アラインメント(blast)アルゴリズムを用いてマッピングを実行した。
【0159】
所与の遺伝子に対し、いくつかのImageクローンが存在し得、その各々が遺伝子の特定の領域、最も一般的には3’領域をカバーする。Affymetrix(登録商標)probesetはおよそ1000ヌクレオチドの、遺伝子の特異的な領域をターゲット化するようにもデザインされている。同じ遺伝子を考慮する場合であっても、CloneインサートとAffymetrix(登録商標)ターゲットは必ずしも重複している必要はない。
【0160】
この情報が与えられば、Discovery(商標)とAffymetrix(登録商標)プラットフォームの間の一致を見つけるための2つの可能性がある:
i)特異的な遺伝子を表わしている参照配列(ReSeq)に対するcloneインサートとprobesetの配列をアラインメントし、たとえこれらの配列が重複しない場合であってもそのRefseqに相同性を持つペア(Clone、Probeset)を選定する;
ii)注目する領域によりシグナルが異なり得ると想定し、重複しているペアのみ考慮する。この2つ目のアプローチは、Discoveryクローンに対応するAffymetrix(登録商標)probe setを選択するのに選ばれた。
【0161】
Affymetrix(登録商標)プラットフォームの生データを、Bioconductor(イリザリー等(Irizarry et al.,)、2...)(Affymetrix(登録商標)package)で利用できるRMA(ロバストマルチチップ平均)法を用いてまず正規化し、次にプラットフォーム間の影響を考慮に入れそして各サンプルに対するスコアを計算し、補正した。正規化およびメタジーン計算に対しDiscovery(商標)プラットフォームについて前述したのと同じデータ処理を行った。
【0162】
例として、Discovery(商標)およびAffymetrix(登録商標)プラットフォームでの予後良好または予後不良群へのサンプル分類を比較し、閾値付近の適切な信頼区間を用いた場合に95%を得た。
【0163】
以下の表(IX〜XIV)は、上述の方法によりAffymetrix(登録商標)プラットフォームと共に用い得る本発明のメタジーンの例である。各メタジーンに対し(IX〜XIV)、少なくとも2、好ましくは5、最も好ましくは10または全ての記載したマーカー、例えば、遺伝子、またはマーカー由来のポリヌクレオチド、例えば、Affymetrix(登録商標)Probe Setが、これらの方法を実行するのに用いられ得る。記載したAffymetrix(登録商標)Probe Setの配列は同封の配列表に示されており、www.Affymetrix.com等のインターネットから公的に入手することもできる。例えば、これらのunderER、underPRおよびunderEGFRメタジーンは、コックス回帰分析およびスコアSc=a×underER+b×underPR+c×underEGFR(式中、「a」は区間[−6.26;+0.49]に含まれ、「b」は区間[−2.65;+0.29]に含まれ、「c」は区間[−6.69; +1.65]に含まれる)を用いて上述の方法に用いられ得る。例えば式は、Sc=−2.90279×underER−1.47423×underPR−4.17198×underEGFRである。好ましくは、一方では表IX〜XIのメタジーンは共に用いられ、他方では表XII〜XIVのメタジーンは共に用いられる。
【0164】
スコア上の誤差は、閾値あたりの信頼区間を計算することにより統合し、その範囲でサンプル分類は非ロバストとみなされた。スコアのガウス分布を考慮し、標準的な偏差計算方法を用いて閾値あたりの信頼区間を推定した(集団の推定した標準偏差/√n)。
【0165】
本発明者らは、0.16以上のスコア(Sc)を有する女性は0.015未満のスコア(Sc)の女性より少なくとも2倍の不良臨床成績の傾向を持つということを確立している。
【0166】
【表25】


【0167】
【表26】


【0168】
【表27】



【0169】
【表28】


【0170】
【表29】


【0171】
【表30】



【0172】
あるcDNAプラットフォーム(例えば、Discovery(商標))と別のプラットフォーム(例えばAffymetrix(登録商標))との一致を見つけるための上述の手順は、当業者であれば、本発明に従う他のメタジーンに対し同様に適用され得る。
【図1】

















【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳癌に罹患している雌哺乳動物の臨床転帰を評価する方法であって、
a)前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号374(nm_000212)、配列番号1027(nm_007365)、配列番号598(nm_000636)、配列番号717(nm_024598)、配列番号573(nm_001527)、配列番号83(nm_015065)、配列番号12(nm_002964)、配列番号405(nm_000852)、配列番号856(nm_005564)、配列番号384(nm_002466)、配列番号167(nm_002627)、配列番号51(nm_198433)、配列番号999(nm_145290)、配列番号979(nm_004414)、配列番号2(nm_005245)、配列番号98(nm_016267)、配列番号751(nm_002423)、配列番号696(nm_001428)、配列番号1050(BC034638)、配列番号488(nm_002979)、配列番号262(nm_005194)、配列番号1020(nm_000359)、配列番号1106(BC015969)、配列番号952(nm_003878)、配列番号675(nm_001512)、配列番号289(nm_020179)、配列番号553(nm_004701)、配列番号579(nm_001814)、配列番号760(nm_005746)、配列番号805(nm_014624)、配列番号361(nm_002906)、配列番号448(nm_198569)、配列番号170(nm_002428)、配列番号878(nm_002774)、配列番号1117、配列番号612(nm_032515)、配列番号540(nm_003159)、配列番号823(nm_000100)、配列番号131(nm_145280)、配列番号705(nm_005596)、配列番号31(nm_005558)、および配列番号199(nm_024323)、これらの断片、誘導体、または相補配列を含むかそれらからなる群から選択される少なくとも10個の核酸配列の発現レベルを比較することによってメタジーン調整値underERを生成する工程と、
b)前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号598(nm_000636)、配列番号1122、配列番号364(nm_002253)、配列番号387(nm_006563)、配列番号34(nm_001229)、配列番号657(nm_000633)、配列番号384(nm_002466)、配列番号451(nm_001110)、配列番号999(nm_145290)、配列番号1056(AK126297)、配列番号15(nm_003243)、配列番号1090(AK125808)、配列番号1120、配列番号12(nm_002964)、配列番号743(nm_006875)、配列番号414(nm_000546)、配列番号374(nm_000212)、配列番号711(nm_002291)、配列番号663(nm_006928)、配列番号1102(AK124587)、配列番号237(nm_002644)、配列番号60(nm_022640)、配列番号361(nm_002906)、配列番号119(nm_004730)(または配列番号1109(NM_002019))、配列番号167(nm_002627)、配列番号339(nm_144970)、配列番号333(nm_145037)、配列番号83(nm_015065)、配列番号330(nm_018291)、配列番号1024(nm_030666)、配列番号229(nm_004586)、配列番号925(nm_005257)、配列番号788(nm_001005369)、配列番号1104(AK128524)、配列番号1103(BX108410)、配列番号66(nm_000416)、配列番号1030(nm_024007)、配列番号1119、配列番号1068(AK024670)、配列番号241(nm_000801)、配列番号398(nm_003084)、配列番号74(nm_000878)、配列番号1087(AK074131)、配列番号955(nm_001986)、配列番号71(nm_004633)、配列番号1105(BC072392)、配列番号856(nm_005564)、配列番号231(nm_006678)、配列番号593(nm_001511)、配列番号384(nm_002466)、配列番号519(nm_020125)、配列番号579(nm_001814)、配列番号1039(nm_006209)、配列番号31(nm_005558)、配列番号327(nm_173825)、配列番号573(nm_001527)、配列番号98(nm_016267)、配列番号1059(AK091113)、配列番号886(nm_000075)、配列番号1032(nm_005688)、配列番号1091(XM_378178)、配列番号233(nm_178155)、配列番号938(nm_003012)、配列番号264(nm_152862)、配列番号546(nm_005874)、配列番号1099(BC066343)配列番号1037(nm_023068)、配列番号550(nm_004848)、配列番号1027(nm_007365)、配列番号1005(nm_014938)、配列番号820(nm_000593)、および配列番号370(nm_000106)、これらの断片、誘導体、または相補配列を含むかそれらからなる群から選択される少なくとも6個の核酸配列の発現レベルを比較することによってメタジーン調整値underPRを生成する工程と、
c)前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号1071(NM_001033047)、配列番号254(nm_005581)、配列番号6(nm_003225)、配列番号883(nm_000125)、配列番号543(nm_005080)、配列番号681(nm_020974)、配列番号63(nm_001002295)、配列番号212(nm_024852)、配列番号635(nm_001002029)、配列番号535(nm_003226)、配列番号1125、配列番号109(nm_000662)、配列番号342(nm_001846)、配列番号927(nm_004703)、配列番号1124、配列番号124(nm_014899)、配列番号280(nm_020764)(または配列番号1110(NM_024522))、配列番号297(nm_016463)、配列番号791(nm_016835)、配列番号210(nm_178840)、配列番号827(nm_152499)、配列番号1064(NM_000767)、配列番号147(nm_014675)、配列番号323(nm_001014443)、配列番号106(nm_004619)、配列番号181(nm_000848)、配列番号376(nm_057158)、配列番号116(nm_014034)、配列番号252(nm_000758)、配列番号797(nm_022131)、配列番号911(nm_000168)、配列番号720(nm_004726)、配列番号889(nm_000561)、配列番号250(nm_000930)、配列番号179(nm_004747)、配列番号786(nm_033388)、配列番号177(nm_015996)、配列番号1047(BC012900)、配列番号301(nm_004326)、配列番号207(nm_003940)、配列番号936(nm_003462)、配列番号916(nm_001453)(または配列番号1116(NM_004040))、配列番号1052(BX096026)、配列番号159(nm_000224)、配列番号1096(AK127274)、配列番号28(nm_021800)、配列番号1054(AK123264)、配列番号25(nm_012391)(または配列番号1108(NM_053279))、配列番号825(nm_024704)、配列番号145(nm_017786)、配列番号491(nm_004374)、配列番号485(nm_003834)、配列番号1072(AY007114)、配列番号274(nm_032108)、配列番号258(nm_080545)、配列番号292(nm_014371)、配列番号803(nm_183047)、配列番号349(nm_031946)、配列番号1123、配列番号763(nm_014585)、配列番号438(nm_001759)、配列番号94(nm_014315)、配列番号845(nm_001089)、配列番号1084(BX648964)、配列番号734(nm_025137)、配列番号943(nm_002141)、配列番号1085(NM_000720)、および配列番号276(nm_012202)、これらの断片、誘導体、または相補配列を含むかそれらからなる群から選択される少なくとも10個の核酸配列のレベルを比較することによってメタジーン調整値underEGFRを生成する工程と、
d)組み合わせたメタジーン値と前記雌哺乳動物の臨床転帰との関係を確立する数学的方法を用いて、前記メタジーン調整値からスコア(Sc)を生成する工程と
を備える、乳癌に罹患している雌哺乳動物の臨床転帰を評価する方法。
【請求項2】
前記工程d)で用いられる数学的方法がコックス回帰またはCART分析を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工程d)で用いられる数学的方法がコックス回帰であり、スコア(Sc)が以下の式:Sc=a×underER+b×underPR+c×unde−rEGFRに従って生成され、式中、「a」は[−6.26;+0.49]の区間に含まれ、「b」は[−2.65;+0.29]の区間に含まれ、「c」は[−6.69;+1.65]の区間に含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記スコアScが、以下の式:Sc=−2.90279×underER−1.47423×underPR−4.17198×underEGFRに従って生成される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記メタジーン調整値underERを生成する工程a)が、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、前記群において選択される少なくとも20個の核酸配列の発現レベルを比較することによって得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記メタジーン調整値underERを生成する工程a)が、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、前記群において選択される少なくとも25個の核酸配列の発現レベルを比較することによって得られる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記メタジーン調整値underERが、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号374(nm_000212);配列番号1027(nm_007365);配列番号598(nm_000636);配列番号573(nm_001527);配列番号83(nm_015065);配列番号12(nm_002964);配列番号405(nm_000852);配列番号856(nm_005564);配列番号167(nm_002627);配列番号51(nm_198433);配列番号98(nm_016267);配列番号751(nm_002423);配列番号696(nm_001428);配列番号262(nm_005194);配列番号1020(nm_000359);配列番号579(nm_001814);配列番号760(nm_005746);配列番号805(nm_014624);配列番号878(nm_002774);および配列番号612(nm_032515)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される20個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記メタジーン調整値underERの生成が、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号374(nm_000212);配列番号1027(nm_007365);配列番号598(nm_000636);配列番号573(nm_001527);配列番号83(nm_015065);配列番号12(nm_002964);配列番号405(nm_000852);配列番号856(nm_005564);配列番号167(nm_002627);配列番号51(nm_198433);配列番号98(nm_016267);配列番号751(nm_002423);配列番号696(nm_001428);配列番号262(nm_005194);配列番号1020(nm_000359);配列番号579(nm_001814);配列番号760(nm_005746);配列番号805(nm_014624);配列番号878(nm_002774);配列番号612(nm_032515);配列番号384(nm_002466);配列番号2(nm_005245);配列番号1050(BC034638);配列番号952(nm_003878);配列番号361(nm_002906);配列番号31(nm_005558);および配列番号199(nm_024323)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される27個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記メタジーン調整値underPRを生成する工程b)が、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、前記群において選択される少なくとも10個の核酸配列の発現レベルを比較することによって得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記メタジーン調整値underPRを生成する工程b)が、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、前記群において選択される少なくとも20個の核酸配列の発現レベルを比較することによって得られる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記メタジーン調整値underPRを生成する工程b)が、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、前記群において選択される少なくとも30個の核酸配列の発現レベルを比較することによって得られる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記メタジーン調整値underPRを生成する工程b)が、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、前記群において選択される少なくとも36個の核酸配列の発現レベルを比較することによって得られる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記メタジーン調整値underPRが、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号364(nm_002253);配列番号34(nm_001229);配列番号657(nm_000633);配列番号339(nm_144970);配列番号229(nm_004586);配列番号1119、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される6個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記メタジーン調整値underPRが、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号364(nm_002253);配列番号34(nm_001229);配列番号657(nm_000633);配列番号339(nm_144970);配列番号229(nm_004586);配列番号1119;配列番号387(nm_006563);配列番号1056(AK126297);配列番号15(nm_003243);配列番号1120;配列番号414(nm_000546);配列番号374(nm_000212);配列番号711(nm_002291);配列番号663(nm_006928);配列番号237(nm_002644);配列番号60(nm_022640);配列番号119(nm_004730);配列番号330(nm_018291);配列番号1024(nm_030666);配列番号925(nm_005257);配列番号1104(AK128524);配列番号1103(BX108410);配列番号66(nm_000416);配列番号1068(AK024670);配列番号374(nm_000212);配列番号74(nm_000878);配列番号231(nm_006678);配列番号593(nm_001511);配列番号384(nm_002466);配列番号1039(nm_006209);配列番号327(nm_173825);配列番号886(nm_000075);配列番号1032(nm_005688);配列番号264(nm_152862);配列番号1037(nm_023068);および配列番号1005(nm_014938)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される36個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記メタジーン調整値underEGFRを生成する工程c)が、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、前記群において選択される少なくとも20個の核酸配列の発現レベルを比較することによって得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記メタジーン調整値underEGFRを生成する工程cが、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、前記群において選択される少なくとも24個の核酸配列の発現レベルを比較することによって得られる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記メタジーン調整値underEGFRを生成する工程c)が、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、前記群において選択される少なくとも30個の核酸配列の発現レベルを比較することによって得られる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記メタジーン調整値underEGFRを生成する工程c)が、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、前記群において選択される少なくとも37個の核酸配列の発現レベルを比較することによって得られる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記メタジーン調整値underEGFRが、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号1071(nm_001033047);配列番号254(nm_005581);配列番号6(nm_003225);配列番号883(nm_000125);配列番号543(nm_005080);配列番号681(nm_020974);配列番号63(nm_001002295);配列番号212(nm_024852);配列番号635(nm_001002029);配列番号535(nm_003226);配列番号1125);配列番号1124;配列番号297(nm_016463);配列番号791(nm_016835);配列番号827(nm_152499);配列番号207(nm_003940);配列番号916(nm_001453)(または配列番号1116(nm_004040));配列番号1052(BX096026);配列番号159(nm_000224);配列番号25(nm_012391)(または配列番号1108(NM_053279));配列番号845(nm_001089);および配列番号1085(NM_000720)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される24個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記メタジーン調整値underEGFRが、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号1071(nm_001033047);配列番号254(nm_005581);配列番号6(nm_003225);配列番号883(nm_000125);配列番号543(nm_005080);配列番号681(nm_020974);配列番号63(nm_001002295);配列番号212(nm_024852);配列番号635(nm_001002029);配列番号535(nm_003226);配列番号1125;配列番号1124;配列番号297(nm_016463);配列番号791(nm_016835);配列番号827(nm_152499);配列番号207(nm_003940);配列番号916(nm_001453)(または配列番号1116(nm_004040));配列番号1052(BX096026);配列番号159(nm_000224);配列番号25(nm_012391)(または配列番号1108(NM_053279));配列番号845(nm_001089);配列番号1085(NM_000720);配列番号109(nm_000662);配列番号342(nm_001846);配列番号927(nm_004703);配列番号280(nm_020764)(または配列番号1110(NM_024522));配列番号210(nm_178840);配列番号181(nm_000848);配列番号116(nm_014034);配列番号250(nm_000930);配列番号177(nm_015996);配列番号825(nm_024704);配列番号145(nm_017786);および配列番号276(nm_012202)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される37個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記雌哺乳動物からの生物試料において、前記核酸配列の発現レベルを定量する第1の工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記生物試料からの前記スコア(Sc)を、ベースラインまたは対照の試料からのスコア(Sc)と比較する工程e)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記生物試料からの前記スコア(Sc)が、前記雌哺乳動物からの臨床転帰と相関している、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記雌哺乳動物から少なくとも1つの生物試料を採取する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記方法がin vitroの方法であり、前記雌哺乳動物から少なくとも1つの生物試料を採取するいかなる工程も含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記生物試料が乳房腫瘍試料である、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記哺乳動物が、ヒト、マウス、ラット、モルモット、サル、ネコ、イヌ、ブタ、ウマ、およびウシからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記哺乳動物がヒトである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
薬剤処置を雌哺乳動物に施して、この処置に反応した雌哺乳動物の臨床転帰を最適化する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
少なくとも2つの生物試料を雌哺乳動物から採取する工程をさらに含み、前記2つの試料を前記薬剤処置の前および後に採取する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記雌哺乳動物の臨床転帰を改善する薬剤処置を選択する工程をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
印刷された報告書を生成する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
請求項1に記載の方法を実行するための命令を備えるコンピュータプログラム。
【請求項34】
請求項33に記載のコンピュータプログラムの記録された記録媒体。
【請求項35】
a)雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号1071(NM_001033047)、配列番号254(nm_005581)、配列番号6(nm_003225)、配列番号883(nm_000125)、配列番号543(nm_005080)、配列番号681(nm_020974)、配列番号63(nm_001002295)、配列番号212(nm_024852)、配列番号635(nm_001002029)、配列番号535(nm_003226)、配列番号1125、配列番号109(nm_000662)、配列番号342(nm_001846)、配列番号927(nm_004703)、配列番号1124、配列番号124(nm_014899)、配列番号280(nm_020764)(または配列番号1110(NM_024522))、配列番号297(nm_016463)、配列番号791(nm_016835)、配列番号210(nm_178840)、配列番号827(nm_152499)、配列番号1064(NM_000767)、配列番号147(nm_014675)、配列番号323(nm_001014443)、配列番号106(nm_004619)、配列番号181(nm_000848)、配列番号376(nm_057158)、配列番号116(nm_014034)、配列番号252(nm_000758)、配列番号797(nm_022131)、配列番号911(nm_000168)、配列番号720(nm_004726)、配列番号889(nm_000561)、配列番号250(nm_000930)、配列番号179(nm_004747)、配列番号786(nm_033388)、配列番号177(nm_015996)、配列番号1047(BC012900)、配列番号301(nm_004326)、配列番号207(nm_003940)、配列番号936(nm_003462)、配列番号916(nm_001453)(または配列番号1116(NM_004040))、配列番号1052(BX096026)、配列番号159(nm_000224)、配列番号1096(AK127274)、配列番号28(nm_021800)、配列番号1054(AK123264)、配列番号25(nm_012391)(または配列番号1108(NM_053279))、配列番号825(nm_024704)、配列番号145(nm_017786)、配列番号491(nm_004374)、配列番号485(nm_003834)、配列番号1072(AY007114)、配列番号274(nm_032108)、配列番号258(nm_080545)、配列番号292(nm_014371)、配列番号803(nm_183047)、配列番号349(nm_031946)、配列番号1123、配列番号763(nm_014585)、配列番号438(nm_001759)、配列番号94(nm_014315)、配列番号845(nm_001089)、配列番号1084(BX648964)、配列番号734(nm_025137)、配列番号943(nm_002141)、配列番号1085(NM_000720)、および配列番号276(nm_012202)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される少なくとも1つの核酸配列の発現レベルを比較することによってメタジーン調整値underEGFRを生成する工程と、
b)前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号405(nm_000852)、配列番号374(nm_000212)、配列番号1122、配列番号598(nm_000636)、配列番号262(nm_005194)、配列番号1099(BC066343)、配列番号696(nm_001428)、配列番号1059(AK091113)、配列番号751(nm_002423)、配列番号1121、配列番号286(nm_002417)、配列番号244(nm_199002)、配列番号18(nm_001880)、配列番号121(nm_014553)、配列番号1107(BC073775)、配列番号103(nm_003619)、配列番号1118、配列番号42(nm_000757)、および配列番号1067(AK123784)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される少なくとも1つの核酸配列の発現レベルを比較することによってメタジーン調整値overEGFRを生成する工程と、
c)組み合わせたメタジーン値と前記雌哺乳動物の臨床転帰との関係を確立する数学的方法を用いて、このメタジーン調整値からスコア(Sc)を生成する工程と
を備える、乳癌に罹患している雌哺乳動物の臨床転帰を評価する方法。
【請求項36】
前記工程c)で用いられる数学的方法がコックス回帰またはCART分析を備える、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記工程c)で用いられる数学的方法がコックス回帰であり、スコア(Sc)が以下の式:Sc=a×overEGFR+b×underEGFRに従って生成され、式中、「a」は、[−1.85;0.81]の区間に含まれ、「b」は、[−3.86;0.70]の区間に含まれるる、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
スコアScが、以下の式:Sc=−1.33×overER−2.28×underEGFRに従って生成される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記メタジーン調整値underEGFRを生成する工程a)が、前記群において選択される少なくとも10個の核酸配列の、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における発現レベルを比較することによって得られる、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記メタジーン調整値underEGFRを生成する工程a)、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、前記群において選択される少なくとも20個の核酸配列の発現レベルを比較することによって得られる、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記メタジーン調整値underEGFRを生成する工程a)、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、前記群において選択される少なくとも24個の核酸配列の発現レベルを比較することによって得られる、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記メタジーン調整値underEGFRを生成する工程a)が、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、前記群において選択される少なくとも37個の核酸配列の発現レベルを比較することによって得られる、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記メタジーン調整値underEGFRが、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号681(nm_020974)からなる核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される、請求項35に記載の方法。
【請求項44】
前記メタジーン調整値underEGFRが、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号1071(nm_001033047);配列番号254(nm_005581);配列番号6(nm_003225);配列番号883(nm_000125);配列番号543(nm_005080);配列番号681(nm_020974);配列番号63(nm_001002295);配列番号212(nm_024852);配列番号635(nm_001002029);配列番号535(nm_003226);配列番号1125);配列番号1124;配列番号297(nm_016463);配列番号791(nm_016835);配列番号827(nm_152499);配列番号207(nm_003940);配列番号916(nm_001453)(または配列番号1116(nm_004040));配列番号1052(BX096026);配列番号159(nm_000224);配列番号25(nm_012391)(または配列番号1108(NM_053279));配列番号845(nm_001089);および配列番号1085(NM_000720)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される24個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される、請求項35に記載の方法。
【請求項45】
前記メタジーン調整値underEGFRが、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号1071(nm_001033047);配列番号254(nm_005581);配列番号6(nm_003225);配列番号883(nm_000125);配列番号543(nm_005080);配列番号681(nm_020974);配列番号63(nm_001002295);配列番号212(nm_024852);配列番号635(nm_001002029);配列番号535(nm_003226);配列番号1125;配列番号1124;配列番号297(nm_016463);配列番号791(nm_016835);配列番号827(nm_152499);配列番号207(nm_003940);配列番号916(nm_001453)(または配列番号1116(nm_004040));配列番号1052(BX096026);配列番号159(nm_000224);配列番号25(nm_012391)(または配列番号1108(NM_053279));配列番号845(nm_001089);配列番号1085(NM_000720);配列番号109(nm_000662);配列番号342(nm_001846);配列番号927(nm_004703);配列番号280(nm_020764)(または配列番号1110(NM_024522));配列番号210(nm_178840);配列番号181(nm_000848);配列番号116(nm_014034);配列番号250(nm_000930);配列番号177(nm_015996);配列番号825(nm_024704);配列番号145(nm_017786);および配列番号276(nm_012202)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される37個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記メタジーン調整値overEGFRを生成する工程b)が、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、前記群において選択される少なくとも5個の核酸配列の発現レベルを比較することによって得られる、請求項35に記載の方法。
【請求項47】
前記メタジーン調整値overEGFRを生成する工程b)が、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、前記群において選択される少なくとも10個の核酸配列の発現レベルを比較することによって得られる、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記メタジーン調整値overEGFRを生成する工程b)が、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、前記群において選択される少なくとも12個の核酸配列の発現レベルを比較することによって得られる、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記メタジーン調整値overEGFRが、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号1107(BC073775)または配列番号1099(BC066343)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される、請求項35に記載の方法。
【請求項50】
前記メタジーン調整値overEGFRが、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号1122;配列番号598(nm_000636);配列番号696(nm_001428);配列番号1059(AK091113);および配列番号121(nm_014553)、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される5個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される、請求項35に記載の方法。
【請求項51】
前記メタジーン調整値overEGFRが、前記雌哺乳動物からの生物試料および対照における、配列番号1122;配列番号598(nm_000636);配列番号696(nm_001428);配列番号1059(AK091113);配列番号121(nm_014553);配列番号262(nm_005194);配列番号1099(BC066343);配列番号751(nm_002423);配列番号1121;配列番号286(nm_002417);配列番号103(nm_003619);および配列番号1118、これらの断片、誘導体、または相補配列からなる群から選択される12個の核酸配列の発現レベルを比較することによって生成される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記雌哺乳動物からの生物試料において、前記核酸配列の発現レベルを定量する第1の工程をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項53】
前記生物試料からの前記スコア(Sc)を、ベースラインまたは対照の試料からの(Sc)と比較する工程e)をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項54】
前記生物試料からの前記スコア(Sc)が、前記雌哺乳動物からの臨床転帰と相関する、請求項35に記載の方法。
【請求項55】
前記雌哺乳動物から少なくとも1つの生物試料を採取する工程をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項56】
前記方法がin vitroの方法であり、前記雌哺乳動物から少なくとも1つの生物試料を採取するいかなる工程も含まない、請求項35に記載の方法。
【請求項57】
前記生物試料が乳房腫瘍試料である、請求項35に記載の方法。
【請求項58】
前記哺乳動物が、ヒト、マウス、ラット、モルモット、サル、ネコ、イヌ、ブタ、ウマ、およびウシからなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項59】
前記哺乳動物がヒトである、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
薬剤処置を雌哺乳動物に施して、該処置に反応した該雌哺乳動物の臨床転帰を最適化する工程をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項61】
少なくとも2つの生物試料を雌哺乳動物から採取する工程をさらに含み、該2つの試料を前記薬剤処置の前および後に採取する、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記雌哺乳動物の臨床転帰を改善する薬剤処置を選択する工程をさらに含む、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
印刷された報告書を生成する工程をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項64】
請求項35に記載の方法を実行するための命令を備えるコンピュータプログラム。
【請求項65】
請求項64に記載のコンピュータプログラムの記録された記録媒体。
【請求項66】
前記薬剤処置が1つまたは複数のタキサン化合物を使用することを備える、請求項29または60に記載の方法。
【請求項67】
前記雌哺乳動物が以前の抗癌処置に反応しなかった、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記以前の処置が1つまたは複数のアントラサイクリンを使用することを備える、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
以前の抗癌処置に反応しなかった雌哺乳動物を同定するための、請求項1または35に記載の方法。
【請求項70】
前記以前の処置が1つまたは複数のアントラサイクリンを使用することを備える、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
a)雌哺乳動物からの生物試料および対照における少なくとも2つの遺伝子の発現レベルを比較することによって、例えば、表IXまたはXII、好ましくは表XIIのAffymetrix(登録商標)Probe Setの群において選択される核酸配列を用いることによって、メタジーン調整値underERを生成する工程と、
b)該雌哺乳動物からの生物試料および対照における少なくとも2つの遺伝子の発現レベルを比較することによって、例えば、表XまたはXIII、好ましくは表XIIIのAffymetrix(登録商標)Probe Setの群において選択される核酸配列を用いることによって、該メタジーン調整値underPRを生成する工程と、
c)該雌哺乳動物からの生物試料および対照における少なくとも2つの遺伝子の発現レベルを比較することによって、例えば、表XIまたはXIV、好ましくは表XIVのAffymetrix(登録商標)Probe Setの群において選択される核酸配列を用いることによって、該メタジーン調整値underEGFRを生成する工程と、
d)組み合わせたメタジーン値と該雌哺乳動物の臨床転帰との関係を確立する数学的方法を用いて、該メタジーン調整値からスコア(Sc)を生成する工程と
を備える、乳癌に罹患している該雌哺乳動物の臨床転帰を評価する方法。
【請求項72】
工程d)で用いられる数学的方法が、コックス回帰またはCART分析を備える、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
工程d)で用いられる数学的方法がコックス回帰であり、スコア(Sc)が以下の式:Sc=a×underER+b×underPR+c×underEGFRに従って生成され、式中、「a」は、[−6.26;+0.49]の区間に含まれ、「b」は、[−2.65;+0.29]の区間に含まれ、「c」は、[−6.69;+1.65]の区間に含まれる、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
スコアScが、以下の式:Sc=−2.90279×underER−1.47423×underPR−4.17198×underEGFRに従って生成される、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
各工程a)、b)、およびc)の発現レベルの比較が、各々それぞれの群の少なくとも5個の遺伝子または核酸配列について行われる、請求項71に記載の方法。
【請求項76】
各工程a)、b)、およびc)の発現レベルの比較が、各々それぞれの群の少なくとも10個の、好ましくは全ての遺伝子または核酸配列について行われる、請求項71に記載の方法。
【請求項77】
前記雌哺乳動物からの生物試料における前記遺伝子または核酸配列の発現レベルを定量する第1の工程をさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項78】
生物試料からの前記スコア(Sc)をベースラインまたは対照試料からのスコア(Sc)と比較する工程e)をさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項79】
生物試料からの前記スコア(Sc)が、前記雌哺乳動物からの臨床転帰と相関している、請求項71に記載の方法。
【請求項80】
前記雌哺乳動物から少なくとも1つの生物試料を採取する工程をさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項81】
前記方法がin vitroの方法であり、前記雌哺乳動物から少なくとも1つの生物試料を採取するいかなる工程も含まない、請求項71に記載の方法。
【請求項82】
前記生物試料が乳房腫瘍試料である、請求項71に記載の方法。
【請求項83】
前記哺乳動物がヒトである、請求項71に記載の方法。
【請求項84】
薬剤処置を雌哺乳動物に施して、該処置に反応した該雌哺乳動物の臨床転帰を最適化する工程をさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項85】
少なくとも2つの生物試料を雌哺乳動物から採取する工程をさらに含み、該2つの試料を前記薬剤処置の前および後に採取する、請求項71に記載の方法。
【請求項86】
前記雌哺乳動物の臨床転帰を改善する薬剤処置を選択する工程をさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項87】
印刷された報告書を生成する工程をさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項88】
請求項71に記載の方法を実行するための命令を備えるコンピュータプログラム。
【請求項89】
請求項88に記載のコンピュータプログラムの記録された記録媒体。

【公表番号】特表2010−524456(P2010−524456A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503621(P2010−503621)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【国際出願番号】PCT/IB2008/002334
【国際公開番号】WO2008/155661
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(503196846)
【氏名又は名称原語表記】IPSOGEN
【住所又は居所原語表記】232 Boulevard Sainte−Marguerite,F−13273 Marseille Cadex 09,France
【出願人】(500488225)アンスティテュ ナシオナル ド ラ サント エ ド ラ ルシュルシェ メディカル(アンセルム) (26)
【氏名又は名称原語表記】INSTITUT NATIONAL DE LA SANTE ET DE LA RECHERCHE MEDICALE(INSERM)
【住所又は居所原語表記】101,rue de Tolbiac,F−75654 Paris Cedex 13 France
【出願人】(503196857)
【氏名又は名称原語表記】Institut Paoli Calmettes
【住所又は居所原語表記】232 Boulevard Sainte−Marguerite,F−13009 Marseille,France
【Fターム(参考)】