説明

予備成形物を搬送するため設備、および該予備成形物を搬送するための方法

予備成形物搬送設備(2)は、把持部材(6)と、それらを加熱オーブンに送り込むヘッド(7)とを備え、上記加熱オーブンにおいて問題を引き起こし得る予備成形物を選択する検出システムと、選択された予備成形物(2)の内側底面に圧力を加えることによって、上記選択された予備成形物をそれぞれその把持ヘッド(7)から分離する手段とを有し、これらは、ジェット状の加圧流体を上記底面に向けることが可能なノズル(15)からなる。把持部材(6)および把持ヘッド(7)は、上記選択された予備成形物内に直接ジェット状の加圧流体を加えることを可能にする、孔(9)の形状をした開口部を備える。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、概して、一般的に予備成形物と呼ばれる中空体を加熱および吹き込み成形した後に得られる熱可塑性物質からなる容器を製造する分野に関し、より具体的には、一連の搬送装置を含み、それぞれの搬送装置が予備成形物を設備内の垂直位置に移動させるために、該予備成形物を運ぶように設計された少なくとも1つの把持部材を備えた搬送システムに関する。
【0002】
それゆえ、本発明は、加熱に際して予備成形物のボディを解放するために、予備成形物のネック部分で予備成形物を保持することができる搬送装置を用い、個別かつ順に上記予備成形物を移動させてPET等の熱可塑性物質からなる予備成形物を製造、または加工するためのインライン処理設備に適用される。
【0003】
一般的に、予備成形物は、その軸端部の一方が閉じている管状円筒体の一般的な形状を有し、予備成形物のもう一方の開口部分から、完成された容器としての最終的形状を有するネックと、略放射状に延びるカラーとが伸展している。後の説明では、“ネックを備える容器”という表現は、ネックを有する任意の中空体、すなわち予備成形物であると理解されたい。つまり、吹き込み形成または引き伸ばし吹き込み形成によって形成される容器であり、換言すれば、最終形状を有し、追加処理(ラベリングまたは充填工程等)を必要とする容器のことである。
【0004】
特に、予備成形物を搬送する場合、吹き込み形成工程の前に加熱するために、各予備成形物をそのネック(“把持部”)で引き上げることを可能にする搬送装置を設けることが必要であり、これによって予備成形物を加熱ゾーンに移動させることができる。該加熱ゾーンはたいてい、温度が結晶温度よりも低く維持されつつ、上記予備成形物のボディをガラス遷移温度まで加熱する熱調節トンネルオーブンである。
【0005】
この搬送を達成するために、予備成形物のネックの内側(内側の把持部)に係合するのに適した心棒を備え、単純に圧力および摩擦の力による接着によって予備成形物を把持する把持部材を備えた搬送装置を用いる方法が知られている。
【0006】
仏国特許出願公開第2706876号明細書では、出願人の名の下に、スプリットリング端部を有する把持ヘッドによって予備成形物の内側を掴む装置が提案されている。
【0007】
内側を掴むことと同様の原理によると、出願人の名の下に、仏国特許出願公開第2794109号明細書において提案されているように、1セットの搬送要素からなり、各要素がいくつかの領域からなる環状スプリットリングを端部に有する予備成形物を搬送するためのシステムを実現する方法が知られている。上記リングが予備成形物のネックに内側から係合するとき、弾性部材によって放射状に外側に力が加えられた領域は、ネックの内側円筒表面を押し付けることが可能である。
【0008】
または、例えば、出願人の名の下に、仏国特許出願公開第2882963号明細書に記載されているように、予備成形物のネックの外側面(外側把持)を握ることも可能である。
【0009】
この予備成形物が熱調節オーブンに入るとき、予備成形物の全外側表面にわたって均一な加熱を実現させるために、予備成形物自体が回転する。予備成形物が型に流し込まれるとき、内側および外側に、型を軸方向に把持ヘッドと揃えることはできない。
【0010】
この場合、予備成形物はラインから外れ、なおかつ予備成形物自体が回転の動きをするので、予備成形物のボディ、特にその端部は、オーブンの加熱ランプと接触してしまい、加熱ランプを壊すことによって著しい被害を発生させ得る。また、時には予備成形物が発火し得る。
【0011】
それゆえ、オーブン加熱ランプの損傷等の不具合を防ぐために、予備成形物がオーブンに入る前に、該予備成形物を取り外す動作、すなわち、加熱オーブンの中を通るときに不具合を発生し得る全ての予備成形物を取り外す動作を行う必要がある。
【0012】
この取り外す動作は一般的に、オーブンに入るのに際して、設計上の欠陥を生じ得る予備成形物の加熱を防ぐことを可能にする。
【0013】
出願人の名の下に、仏国特許出願公開第2872805号明細書には、予備成形物を取り外すためのシステムが記載されている。
【0014】
本文献には、光検出手段がどの予備成形物が取り外されるかを判断するために設けられており、プログラム可能なコントローラ等の適当なコマンド装置の影響の下、放出部材が介在して問題の予備成形物を取り去り、例えば、該予備成形物が回収箱の中に落ちるように構成されている。
【0015】
上記システムでは、十分満足のいく結果が得られるが、該システムを適用するには複雑であり、とりわけ、設備の製造速度を低下させる。特に、放出部材の反応時間は、予備成形物の開放のために比較的長くなる。
【0016】
さらに、現行の予備成形物の製造速度、および予備成形物が進む速度では、予備成形物を個々に放出することができない。これは、空気コマンド手段の反応時間に起因して、いくつかの予備成形物が放出手段によって影響を及ぼされるためであり、概して、平均して3つの連続する予備成形物が放出されるからである。
【0017】
予備成形物を形成するコストのため、また、正確に把持ヘッドに配置されている予備成形物、または不具合を有しない予備成形物の破棄を防ぐために、不正確に固定された予備成形物、または不正確に形成された予備成形物のみの取り外しを可能にする装置を製造することは特に価値のあることである。このような装置は、予備成形物の高速での搬送に適用できる。さらに、予備成形物の取り外しに適用できるだけでなく、いかなるタイプの中空体の取り外しにも適用できるシステムを製造することは特に価値のあることである。
【0018】
さらに、隣り合って配置されたいくつかの予備成形物を取り外すことによって、予備成形物搬送チェーン(3つの連続する把持ヘッド)において著しい空き領域が存在する。オーブン内の予備成形物間の大きな空間は、上記オーブンのランプの前を通過するとき、他の予備成形物の加熱を妨げる。この結果、予備成形物の均一な加熱に不具合が生じる。
【0019】
さらに、予備成形物の製造における現在の変化は、カラーの寸法を減少させる傾向にあるが、これにより、該カラーは、ますます薄くなり、ますます幅広くなっている。このため、より頻繁に握りの問題を発生させる。
【0020】
それゆえ、中空体のネックに設けられるカラーのサイズに依存しない、該中空体を取り外すためのシステムを製造することは特に有利である。
【0021】
このため、本発明は、中空体を取り外すためのシステムであって、高搬送速度で1つの予備成形物を取り外すことを可能にし、なおかつ上記予備成形物のカラーの寸法特性に依存しないシステムを用いて、従来技術に関連する様々な問題を解決することを提案する。
【0022】
本発明の第1の側面によれば、本発明は、引き伸ばし吹き込み形成によって続いて形成されるために、適切な温度に設定される加熱オーブン等の処理ユニットに予備成形物を搬送するための設備に関し、該設備は、
-エンドレス搬送チェーンによって運ばれ、上記予備成形物を運び、上記加熱オーブンの中へ搬送するために握りヘッドがそれぞれに設けられた握り手段と、
-上記加熱オーブンの上流における上記予備成形物の通路に配置される少なくとも1つの検出システムであって、形状認識カメラ等のように、例えば予備成形物の配列が、それらの握りヘッドの主軸の配列と対応しない状態を、上記加熱オーブンで引き起こす傾向のある予備成形物を選択する、検出システムと、
-握りヘッドから選択される各予備成形物を取り外すための手段と、
-上記検出システムからの情報に基づいて、選択された予備成形物の放出を命令するための装置と、
-放出された予備成形物を取り出すための手段とを含み、上記選択された予備成形物の内側底面に圧力をかけ、特に上記選択された予備成形物とその握りヘッドを分離するために、上記選択された予備成形物とその握りヘッドとの間の接着力を上回るように十分な圧力をかけるための手段を含む。
【0023】
さらに本発明によると、上記選択された予備成形物における圧力を、その底面にかけることが可能な手段は、
-上記選択された予備成形物の底面に、加圧流体のジェットを噴霧することが可能なノズルと、
-上記部材と、上記選択された予備成形物の握りヘッドにおいて構成される孔状の開口部とからなり、加圧流体のジェットは、上記孔が上記ノズルの前を通過するときに噴射される。
【0024】
本発明の他の構成によると、上記選択された予備成形物のための加圧流体が注入される孔は、下流開口部の方向の断面に狭小部分を有する漏斗状の上流開口部を含む。
【0025】
また本発明によると、上記加圧流体の注入を命令するために用いられるプログラム可能なコントローラは、上記加圧流体が上記選択された予備成形物に噴射されるための適切な段階を確立するために構成されるプログラムを含み、上記段階は、上記選択された予備成形物の放出を確実にするには十分長い孔に、上記加圧流体を注入する時間を確保するように、上記選択された予備成形物が噴射ノズルの前を通過する時間より略長い期間の間、延長される。
【0026】
本発明はまた、上記加熱オーブンにおける通過の間に問題を起こし得る各予備成形物を取り除くために、それらが加熱オーブンに搬送される間、予備成形物を解放するための方法に関し、上記方法は、
-上記加熱オーブンにおいて問題を起こし得る欠陥を上記予備成形物の中から検出するために、上記加熱オーブンに入る前に、通過する予備成形物を監視する工程と、
-適切な力を望ましくない予備成形物の内側底面にかけることによって、特に、上記望ましくない予備成形物とその握りヘッドとの間にかけられる圧力および摩擦の力を上回るように十分な力をかけることによって、上記加熱オーブンの上流の握りヘッドから望ましくないとみなされる各予備成形物を分離する工程と、
-適切な容器の中に、排除された予備成形物を集める工程とからなる。
【0027】
また本発明によると、解放方法は、上記握りヘッドにおける適切な孔において、上記望ましくない予備成形物の内部体積を貫通する加圧流体のジェットの注入を行って、望ましくない予備成形物をその握りヘッドから分離する工程からなる。
【0028】
本発明の他の構成によると、解放方法は、加圧流体を上記予備成形物へ注入するきっかけを作るために、上記望ましくない予備成形物の通路を予測する工程と、少なくとも、上記握りヘッドが上記流体を噴霧するためのノズルの前を通過するまで、上記加圧流体の注入を維持する工程とからなる。
【0029】
ここで、本発明について実施例を用いて説明するが、該実施例は、解説のみを目的としており、本発明の範囲を決して限定するものではない。また、本発明は、以下の図面に基づいており、該図は、本発明に係る中空体を搬送し、掴むための装置の横断面を示す図であり、上記装置は、吹き込みノズルと連携して、予備成形物を取り外す動作を実行可能にする。
【0030】
図1は、熱可塑性物質からなる予備成形物2等の中空体を搬送するための装置1の横断面を、簡略化して示した図である。予備成形物2は、略縦方向に伸びるボディ3と、略横方向に伸びるカラー5によって、ボディ3から分離されるネック4とを有する。
【0031】
搬送装置1は、予備成形物2に固定される把持ヘッド7を有する把持部材6を備えている。把持ヘッド7は、予備成形物のネック4に封止固定されることが好ましい。
【0032】
図1は、予備成形物2の“内側”を把持する構成を示しており、上記仏国特許出願公開第2794109号明細書に記載されている、“内側”を把持するタイプを示している。すなわち、把持ヘッド7は、ネック4の内側面を圧するように、ネック4の内側に挿入されている。
【0033】
しかしながら、本発明に係る原理は、予備成形物2の“外側”掴みにおいても同様に適用されることを理解されたい。すなわち、把持ヘッド7がネック4の外側面を圧すると、概してネック4のスレッド8を圧する。
【0034】
本発明によると、把持部材6は、把持ヘッド7を通って開口している孔9を少なくとも1つ有している。
【0035】
このため、本発明の第1の適用によると、予備成形物2のボディ3によって形成された密閉空間10内に開口している孔9への加圧流体(好ましくは、2から5バール程度の、少なくとも数バールの圧力で圧縮される空気)の注入によって、予備成形物2は把持ヘッド7から分離される。これによって、上記空間10が完全に封止されているか否かの検知を行うことができる。
【0036】
または、予備成形物2の内側は、上記ヘッド7に固定される、中空のボディ3によって形成された密閉空間10内に開口している孔9に、消毒液を注入することによって消毒することも可能である。
【0037】
一般的に、ヘッド7に固定される中空のボディ3によって形成された密閉空間10に対して適当な相互作用および/または所望の処理作用を及ぼすいかなる孔種類の流体を孔9に注入することが可能である。
【0038】
このため、孔9は、把持部材6の内側において略直線状に上記部材6を通過するように設計されている。この孔9は概して円筒形状であり、部材6の中心に形成される。すなわち、把持部材6が把持主軸X-Xを規定することを考慮して、上記軸X-Xに対して、予備成形物2が正確に把持ヘッド7に固定されているか、および把持ヘッド7の線に沿っているかを判断している。これによって、孔9は、把持の主軸X-Xと略同軸上に形成される。
【0039】
より正確には、把持部材6は、上記把持ヘッド7を有する心棒11と、上記心棒11が取り付けられた把持ロッド12とを含んでおり、該心棒11は脱着可能に取り付けられていることが好ましい。
【0040】
このため、孔9は、把持ロッド12および心棒11に形成され、該把持ロッド11および該心棒11を中空にする。
【0041】
孔における加圧流体を注入する間の圧力損失を制限するために、上記孔は把持部材の内側に略直線的に設計されている。また、該孔は、略円筒形の一般的な形状であることが有利である。
【0042】
より正確には、孔9は、流体の注入のための上流開口部13と、把持ヘッド7内に設けられた下流開口部14とを有する。上流開口部13は、その横断面が下流開口部14の方向に狭くなっている。
【0043】
上流開口部13において、最大量の流体が流路として方向付けられ、なおかつ孔9に入るようにするために、上流開口部13は、孔9の大部分の断面よりも大きな断面を有しており、特に、下流開口部14の断面よりも大きな断面を有するように構成されている。
【0044】
図1には、単一の中央孔9を有する搬送装置1が示されているが、複数の孔9を設けることも可能である。例えば、把持の主軸X-Xと同軸状に配置される複数の孔9を設けることも可能であるし、二次孔に分岐する複数の孔9を設け、すべての孔が把持ヘッド7内に開口するように構成することも可能である。
【0045】
さらに、本発明の第2の側面によると、より一般的には、本発明は、例えば、上記仏国特許出願公開第2872805号明細書において見られるように、図示しないが、周知である種類のエンドレスチェーン上に次から次に一列で移動する複数の搬送装置1を含む中空体2を搬送するための設備に関する。
【0046】
搬送設備は、例えば、2から5バールの圧力で加圧流体等のジェット状の流体を注入するための手段を有するが、それは以下の見識からなるものである。この種類の機械では、40バールまでの圧力が利用可能であり、流体の注入および吹き込みを行うための上記手段は、搬送装置1がエンドレスチェーンを移動するときに、搬送装置1内に形成される少なくとも1つの孔9の通路の1点に向けられる。
【0047】
注入手段は、図示しない設備の外枠に取り付けられ、固定される吹き込みノズル15の形態を有していることが好ましい。このため、上記ノズル15は、エンドレスチェーンに関連する搬送装置1の移動の間に、孔9の上流開口部13の通路における1点に向けられる。
【0048】
ノズル15を介して注入される流体の大幅な損失を防ぐために、上記ノズル15は、搬送装置1の孔の上流開口部13における通路の1点に面して配置され、該ノズル15と該上流開口部13との間の距離は、例えば、1ミリメートル単位または数ミリメートル単位の極わずかな距離しかない。
【0049】
本発明の一つの適用によると、搬送設備は、把持の主軸X-Xおよび把持ヘッド7の軸に対する予備成形物2のボディ3の配列の不具合を検出するために、形状認識カメラ(図示しないが、周知の種類のもの)等の検出手段をさらに有している。これによって、上記把持ヘッド7によって搬送される予備成形物2を、加圧吹き込み流体の注入によって把持ヘッド7から分離することができる。
【0050】
この注入の指示は、上記検出手段から得られる情報を受信し、処理するプログラム可能なコントローラを介して行われる。
【0051】
このプラグラム可能なコントローラは、予備成形物を加熱するためのオーブンにおいて問題を起こし得る欠陥を有するものとして認識される予備成形物への加圧流体の注入指示をするように構成されているプログラムを含む。
【0052】
注入プログラムは、選択された予備成形物に加圧流体を噴霧するのに適した段階を有している。上記段階は、例えば、孔上記選択された予備成形物が噴霧ノズルの前を通過する際にかかった時間よりも、実質的に長い期間だけ延長する。このように、孔に上記加圧流体を注入する時間を十分に確保することによって、上記選択された予備成形物の取り外しを確実にすることができる。
【0053】
この注入段階は、加圧流体を噴霧するためのノズル15の前に位置する望ましくない予備成形物の通路に面する、上記望ましくない予備成形物に、加圧流体を注入するトリガーを予測する構成にすることも可能である。そして、把持ヘッド7が、上記流体を噴霧するための上記ノズル15の前を完全に通過するまで、加圧流体の注入を維持するように構成することも可能である。
【0054】
このため、本発明は、搬送装置1に固定される予備成形物2を搬送するための方法を一般的に実現することを可能にする。上記方法は、上記搬送装置1を通過するように設計され、上記搬送装置1に固定される予備成形物2のボディ3内の空間10に開口する少なくとも1つの孔9を介して流体を注入する工程を含む。
【0055】
本発明の他の適用によると、消毒液は孔9を介して注入される。または、加圧流体を注入することによって、中空体2を把持ヘッド7から分離することが可能となる。
【0056】
それゆえ、つまり、本発明の一つの適用によると、検出手段を用いて、予備成形物2が軸X-Xとの配列から外れているか、または製造欠陥を有しているかを検出する。そして、プログラム可能なコントローラおよび適当なプログラム、および/または演算手段を用いて、予備成形物を有する搬送装置1、より正確にはその孔9が、流体を注入吹き込みするための手段15の前をいつ通過するのかを判断する。これに基づいて、予備成形物(または、把持ヘッド7に固定される任意の中空体)を取り外すために、流体の注入を指示する。
【0057】
流体注入手段の反応時間は、上述した従来技術に係るピストンをベースとした空気手段の反応時間よりも著しく速い。そのため、これによって1回につき1つだけの予備成形物を取り外すことができる。
【0058】
それゆえ、本発明の第1の適用によると、把持ヘッドに固定される中空体によって形成される密閉空間に開口する孔に孔加圧吹き込み流体の注入によって、中空体は上記ヘッドから分離することが可能である。
【0059】
または、上記中空体の内側は、上記ヘッドに固定される中空体によって形成される密閉空間内に開口する孔の中に消毒液体を注入することによって消毒することができる。
【0060】
本発明によると、ネックを有する容器を搬送するための設備であって、例えば、予備成形物吹き込み成形ユニットから離れる際等に欠陥を生じる中空体を取り外す必要が時々生じるような場合に、一般的に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】熱可塑性物質からなる予備成形物等の中空体を搬送するための装置の横断面を、簡略化して示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予備成形物(2)を引き伸ばし吹き込み成形によって成形するための適当な温度に加熱された加熱オーブン等の処理ユニットに、複数の該予備成形物(2)を搬送するための設備であって、
上記設備は、
-上記予備成形物(2)を運び、なおかつ該予備成形物を上記加熱オーブン内に搬送するための把持ヘッド(7)が設けられ、エンドレスコンベアチェーンによって運ばれる複数の把持部材(6)と、
-上記加熱オーブンの上流の上記予備成形物(2)の通路に配置され、例えば、上記予備成形物の配列が、上記把持ヘッド(7)の主軸の配列と対応しない等という問題を上記加熱オーブンにおいて引き起こす傾向を有する上記予備成形物を選択する形状認識カメラのような、少なくとも1つの検出システムと、
-選択された各予備成形物を、上記把持ヘッド(7)から分離させるための手段と、
-上記検出システムからの情報に基づいて、上記選択された予備成形物の取り外しを指示するための、プログラム可能なコントローラのような装置と、
-取り外された上記予備成形物を取り出すための手段とを備え、
上記設備においては、上記選択された予備成形物(2)と上記把持ヘッド(7)とを分離するために、上記選択された予備成形物(2)の内側の底面に圧力、特に、上記選択された予備成形物(2)と上記把持ヘッド(7)との間の接着力を上回る十分な圧力を加えるための手段を備えていることを特徴とする設備。
【請求項2】
上記選択された予備成形物の上記底面に圧力を加えることが可能な手段は、
-上記選択された予備成形物の上記底面にジェット状の加圧流体を噴霧することが可能なノズル(15)と、
-上記部材(6)内および上記選択された予備成形物の上記把持ヘッド(7)内に設けられた孔(9)の形状の開口部とからなり、上記ジェット状の加圧流体は、上記孔(9)が上記ノズル(15)の前を通過するときに噴射されることを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項3】
上記選択された予備成形物を対象とした上記加圧流体が注入される上記孔(9)は、下流開口部(14)の方向に狭くなっている横断面を有する、漏斗の形状をした上流開口部(13)を備えていることを特徴とする請求項2に記載の設備。
【請求項4】
2から5バールの圧力で上記流体を注入するための手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載の設備。
【請求項5】
上記加圧流体の注入を指示するために用いられる上記プログラム可能なコントローラは、上記選択された予備成形物に上記加圧流体を噴射するための適当な段階を確立するために構成されたプログラムを備え、上記孔(9)に上記加圧流体を注入する時間を十分に確保することによって、上記選択された予備成形物の取り外しを確実にするために、孔上記段階は、上記選択された予備成形物が上記ノズル(15)の前を通過する時間よりも実質的に長い期間だけ延長されることを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項6】
加熱オーブンを通過する間に問題を引き起こし得る各予備成形物を取り除くために、上記予備成形物が上記加熱オーブンへ搬送される間に、1つまたは複数の上記予備成形物を取り外すための方法であって、
上記方法は、
-上記予備成形物において、上記加熱オーブンで問題を引き起こし得る欠陥を検出するために、上記予備成形物が上記加熱オーブンに入る前に、通過する上記予備成形物(2)を監視する工程と、
-上記加熱オーブンの上流の、上記予備成形物の把持ヘッド(7)から、望ましくないと判定された各予備成形物を分離させる工程と、
-望ましくないと判定された上記予備成形物を適当な容器に集める工程とからなり、
上記望ましくない予備成形物の内側の底面に適当な力、特に、上記望ましくない予備成形物と上記把持ヘッド(7)との間の圧力および摩擦力を上回る十分な力を加える工程からなることを特徴とする1つまたは複数の予備成形物を取り外すための方法。
【請求項7】
上記望ましくない予備成形物の上記把持ヘッド(7)の適当な孔(9)に、該予備成形物の内部空間を貫通するジェット状の加圧流体の注入を行うことによって、上記望ましくない予備成形物を上記把持ヘッド(7)から分離する工程からなることを特徴とする請求項6に記載の1つまたは複数の予備成形物を取り外すための方法。
【請求項8】
2から5バールの圧力でジェット状の流体を注入する工程からなることを特徴とする請求項6に記載の1つまたは複数の予備成形物を取り外すための方法。
【請求項9】
上記方法は、ジェット状の加圧流体の上記予備成形物内への注入を誘引するために、上記望ましくない予備成形物の通路を予想する工程と、上記流体を噴霧するためのノズル(15)の前を少なくとも上記把持ヘッド(7)が通過するまで、上記ジェット状の流体の注入を維持する工程とからなることを特徴とする請求項6に記載の1つまたは複数の予備成形物を取り外すための方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−502837(P2011−502837A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533646(P2010−533646)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【国際出願番号】PCT/FR2008/052074
【国際公開番号】WO2009/071792
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(504102770)シデル パルティシパション (46)
【氏名又は名称原語表記】SIDEL PARTICIPATIONS
【Fターム(参考)】