説明

事故点探査システム

【課題】電線路の事故点を特定するための探査電流を精度良く検出できる配電線の事故点探査システムを提供する。
【解決手段】探査電流に重畳された商用周波雑音は、探査電流から商用周期時間前の波形データを差し引くことで除去できる。演算部55に1符号長遅延部551および引算部552を設け、探査電流の波形データDinを1符号長遅延部551で1符合長時間幅だけ遅延させ、この遅延波形データD1を探査電流の波形データDinから減じて得られた波形データが処理結果Doutとして出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力の供給を停止あるいは健全区間から切り離された事故配電線に探査電流を流して事故点を探査する事故点探査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
健全区間から切り離された事故配電線の事故点を探査する方式として、特許文献1には、切り離された配電線に高電圧パルスを印加して事故点を焼成することで電流を流し、変流器で検出された電流の大きさと方向とに基づいて探査を行う方式が開示されている。ここでの検出は、事故点が焼成された後、高圧架空配電線の探査区間内の各部における電流の大きさおよび方向を、例えば長尺竿で高圧架空配電線に掛けたCT(変流器)を含む送信部により検出して地上に送信し、これを地上の受信部で受信することにより行われる。課電装置−高圧架空配電線−地絡事故点−課電装置の閉回路に含まれる高圧架空配電線に流れる探査電流は、その閉開路外の高圧架空配電線に流れる電流よりも大きな値を示し、かつ地絡事故点を境にして電流の値が大きく変わるので、その位置を特定できる。
【0003】
特許文献2には、直流電圧を印加して検出された直流電流の大きさまたは方向に基づいて地絡事故地点の特定を可能とした方式が提案されている。ここでは、磁束の大きさを検出するホール素子が鉄心に組み込まれたクランプ式変流器を使用し、直流電流が所定の検出レベル以上の大きさで発光する。抵抗地絡とギャップ地絡とで検出レベルを調整する零調整器が設けられている。また、配電線に流れる直流電流による磁界の検出後に鉄心が完全に消磁されず僅かな磁気が残存しているため、その残存磁気による零点のずれを補正できる。
【特許文献1】特開2003−43093号公報
【特許文献2】特開2003−35740号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、直流電圧を周期性の電圧に変換し、少なくとも変換した周期性の1周期期間オンとしてオン・オフ振幅変調する電圧を昇圧した高電圧パルスで消費電力を低減すると共に装置をコンパクト化し、かつオン・オフの時間幅で高電圧の調整を行うことが提案されている。しかしながら、課電部のオン・オフの変調を検出に利用するまでに至っていない。
【0005】
さらに、従来の探査電流を検出する方式は、検出レベルの設定や零点の補正によりなされている。しかしながら、課電部の省電力化やコンパクト化を考えた場合には、検出すべき電流が微小となり、検出感度の向上と耐雑音性の強化とが大きな課題となる。
【0006】
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、配電線路の事故点を特定するための探査電流を精度良く検出できる配電線の事故点探査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明は、電力の供給を停止あるいは電力供給源から切り離された事故停電区間の配電線に課電し、この配電線に流れる電流に基づいて事故点を探査する事故点探査システムにおいて、以下のような手段を講じた点に特徴がある。
【0008】
(1)1符号長が商用周期のN倍にされた所定の課電パターンによる課電を繰り返して、事故点を有する配電線に探査電流を供給する手段と、配電線に流れる探査電流を計測し、この探査電流を1符号長の整数倍だけ遅延させた遅延後探査電流を生成し、探査電流から前記遅延後探査電流を減じて得られる信号に基づいて事故点を探査する探査装置とを具備したことを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、探査電流から遅延後探査電流が減ぜられるので、回路等で発生する直流雑音を除去できる。また、探査電流に対して遅延後探査電流が商用周期の整数倍だけ遅延されているので、探査電流から商用周波および高調波成分の雑音を除去できる。
【0010】
前記1符合長が商用周期またはそのN倍でなくとも,直流雑音は除去できる。
【0011】
(2)1符号長が商用周期のN倍にされた所定の課電パターンによる課電を繰り返して、事故点を有する配電線に探査電流を供給する手段と、配電線に流れる探査電流を計測し、その1符号長の整数倍の期間の移動平均を算出し、この移動平均に基づいて事故点を探査する探査装置とを具備したことを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、探査電流が平均化されるのでランダム雑音を低減できる。また、探査電流が課電パターンの一周期にわたって加算されることで商業周波雑音が相殺されるので、探査電流から商用周波および高調波成分の雑音を除去できる。
【0013】
前記1符合長が商用周期またはそのN倍でなくとも,ランダム雑音は低減できる。
【0014】
(3)所定の課電パターンによる課電を繰り返して、事故点を有する配電線に探査電流を供給する手段と、配電線に流れる探査電流を検出し、この探査電流と前記課電パターンとの相関を代表する信号に基づいて事故点を探査する探査装置とを具備したことを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、検出された探査電流の各符号期間の振幅が微小であって、符号ごとの評価が難しい場合であっても、探査電流の符号列に周期性があり、両者の相関が高ければ各符号列に応答した出力が得られるので、検出感度を上げることができる。
【0016】
(4)探査電流の課電パターンをM系列符号とすることにより、相互相関形状が既知で急峻な相互相関値を得られるので、検出がさらに容易となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、事故点探査時の探査電流に重畳される直流雑音、商用周波雑音、およびランダム雑音を効率良く除去できるので探査電流を精度良く検出できるようになる。したがって、探査電流を検出できる位置および検出できない位置、さらには探査電流の大きさに基づいて、事故点を正確に探査できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係る事故点探査システムが適用される配電設備の主要部の構成を示したブロック図である。
【0019】
事故区間が切り離された、もしくは停電された配電線1を対象とした事故点の探査は、課電部4を、前記配電線1の各相(1a,1b,1c)へは接続線4aで接続し、大地3へは接地線4bで接続することで配電線1と大地3との間を課電し、事故点2を介して配電線1と大地3との間に流れる探査電流7を検出部5で検出することにより行われる。事故点2より遠方の配電線1や、事故点2の手前であっても健全相(1a,1b)には探査電流7がほとんど流れないため、検出部5で検出される電流値の大きさなどで事故点2を探査できる。
【0020】
図2は、前記課電部4および検出部5の主要部の構成を示した機能ブロック図であり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表している。
【0021】
課電部4において、課電パターン発生部41は、符号系列が例えば[1110010]であるような7ビットパターン、あるいは図3に示したように、この符号系列の1符合の時間幅が商用周波数(60Hz)の1周期の整数倍(本実施形態では、18倍)である0.3secに設定され、前記7ビットパターンを1kHz毎のポイント値としたM系列パターンを課電の基本パターンとして発生する。
【0022】
コントロール部42は、探査電流発生部43の電源部43aを前記課電パターンで繰り返しスイッチングする。探査電流発生部43では、図4に示したように、前記課電パターンによる課電が繰り返され、この課電パターンに応じた探査電流7が、接続線4a、配電線1(事故相1c)、事故点2、大地3および接地線4bをループとして流れる。なお、ここでは探査電流7が直流波形であるものとして説明するが、本発明はこれのみに限定されず、交流波形であっても良い。
【0023】
検出部5において、計測部51はホール素子、磁気センサあるいはCT(電流変成器)などのセンサを含み、前記探査電流7の電流値を所定のサンプリング周期で繰り返しデジタル値に変換している。なお、本実施形態では計測部51がアナログフィルタ51aを含み、計測された探査電流値はアナログフィルタ51aで雑音を除去されAD変換部52へ供給される。AD変換部52は、入力された探査電流波形を、制御部53から指示される所定の時間間隔でサンプリングし、デジタル値に変換して波形記憶部54に時系列で記憶する。上記した探査電流7のサンプリング、およびそのデジタル値の記憶はリアルタイムで実行される。
【0024】
制御部53は、波形記憶部54に記憶された探査電流の波形データを読み出して演算部55に提供する。演算部55は、後に詳述するように、ノイズ成分を含む探査電流の波形データに所定の波形成形処理を施して探査電流の波形を検出する。表示部56は、検出された探査電流を表示する。またブザーなどで知らせる場合や通信される場合もある。
【0025】
次いで、本実施形態の動作を、(1)回路等で発生するランダム雑音、(2)地磁気や回路オフセットにより生じる直流雑音、および(3)他の回線からの影響により生じる商用周波雑音、に隠れてしまう探査電流の検出を例にして詳細に説明する。
【0026】
図5は、前記演算部55の第1実施形態の構成を模式的に示したブロック図であり、図6は、図5の各部の波形を示した図である。本実施形態は、商用周波数雑音および直流雑音が重畳された探査電流から各雑音成分が除去されて探査電流が検出される。
【0027】
探査電流に重畳された商用周波雑音は、探査電流から商用周期時間前の波形データを差し引くことで除去できる。そこで、本実施形態では演算部55に1符号長遅延部551および引算部552を設け、探査電流の波形データDinを1符号長遅延部551で1符合長時間幅だけ遅延させ、この遅延波形データD1を探査電流の波形データDinから減じて得られた波形データが処理結果Doutとして出力される。
【0028】
図7は、前記演算部55の第2実施形態の構成を示したブロック図であり、図8は、図7の各部の波形を示した図である。本実施形態は、商用周波雑音およびランダム雑音が重畳された探査電流から各雑音成分が除去されて探査電流が検出される。
【0029】
探査電流に重畳されたランダム雑音は平均処理で低減できる。そこで、本実施形態では演算部55に1符号長移動平均部553を設け、探査電流の波形データDinを1符号長平均部553において1符合長時間幅で移動平均化して得られる波形データが処理結果Doutとして出力される。
【0030】
図9は、前記演算部55の第3実施形態の構成を示したブロック図であり、図10は、図9の各部の波形を示した図である。本実施形態は、商用周波数雑音、ランダム雑音および直流雑音が重畳された探査電流から各雑音成分が除去されて探査電流が検出される。
【0031】
本実施形態では、演算部55にM系列符号長移動平均部554、引算部555、M系列符号長相互相関部556およびM系列符号記憶部557を設けている。探査電流の波形データDinはM系列符号長移動平均部554においてM系列符合長時間幅で移動平均化され、この移動平均波形データD2を引算部555で探査電流の波形データDinから減じて中間データD3を生成し、さらに、この中間データD3に対してM系列符号長相互相関部556でM系列符号D4と相互相関処理を行って得られた波形データが処理結果Doutとして出力される。前記M系列符号長相互相関部556は、中間データD3と課電パターンのM系列符号D4との相互相関処理を行い、その相関値を出力する。
【0032】
次いで、上記した各実施形態の動作を更に詳細に説明する。図4に示した課電パターンにより発生した探査電流7に商用周波雑音および直流雑音が重畳されていると、計測部51では、図11に示したような雑音重畳波形が検出される。この雑音重畳波形に対して、前記演算部55において、前記図5,6に関して説明した波形成形処理(1符号長遅延波形の減算)を実行すると、図12に示したように、商用周波雑音と直流雑音とが除去されて探査電流7を検出できるようになる。
【0033】
図13では、検出波形のスペクトルが破線で、演算処理後のスペクトルが実線で、それぞれ示されており、演算処理により雑音の成分が低減されていることが確認できる。
【0034】
一方、前記探査電流7が流れず、商用周波雑音および直流雑音のみの相では、計測部51において図14に示した波形が検出される。この波形に対して、前記演算部55において、前記図5,6に関して説明した波形成形処理(1符号長遅延)を同様に実行すると、図15に示したように、商用周波雑音と直流雑音とが全て除去される。図16では、検出波形のスペクトルが破線で、演算処理後のスペクトルが実線で、それぞれ示されており、1符号長遅延波形を雑音波形から減じる演算処理により雑音成分が除去されていることが確認できる。
【0035】
図12,15を比較すれば明らかなように、本実施形態によれば、事故点2を有する配電線1の任意の箇所において、探査電流7が流れる相と流れない相および探査電流7が流れる事故点2より課電部4側と流れない事故点2以降とで、検出される波形を全く異ならせることができるので、探査電流7が流れる配電位置と探査電流7が流れない配電位置とを簡単かつ正確に識別できるようになる。
【0036】
図17は、図4に示した課電パターンにより発生した探査電流7に商用周波雑音およびランダム雑音が重畳されているときに、前記計測部51で検出される雑音重畳波形を示した図である。この雑音重畳波形に対して、前記演算部55において、前記図7,8に関して説明した波形成形処理(1符号長移動平均)を実行すると、図18に示した波形が検出される。
【0037】
図19では、検出波形のスペクトルが破線で、演算処理後のスペクトルが実線で、それぞれ示されており、1符号長移動平均の演算処理により雑音の成分が低減されていることが確認できる。
【0038】
一方、前記探査電流7が流れず、商用周波雑音およびランダム雑音のみの相では、計測部51において図20に示した波形が検出され、この波形に対して、前記演算部55において、前記図7,8に関して説明した波形成形処理を同様に実行すると、図21に示したように、商用周波雑音および直流雑音が除去される。
【0039】
図22では、検出波形のスペクトルが破線で、演算処理後のスペクトルが実線で、それぞれ示されており、1符号長移動平均の演算処理により雑音の成分が低減されていることが確認できる。
【0040】
図18,21を比較すれば明らかなように、本実施形態でも、事故点2を有する配電線1の任意の箇所において、探査電流7が流れる相と流れない相および探査電流7が流れる事故点2より課電部4側と流れない事故点2以降とで、検出される波形を全く異ならせることができるので、探査電流7が流れる配電位置と探査電流7が流れない配電位置とを簡単かつ正確に識別できるようになる。
【0041】
図23は、図4に示した課電パターンにより発生した探査電流7に直流雑音、商用周波雑音およびランダム雑音が重畳されているときに、前記計測部51で検出される雑音重畳波形を示した図である。この雑音重畳波形に対して、前記演算部55において、前記図9,10に関して説明した波形成形処理(移動平均波形の減算および相関処理)を実行すると、図24に示した波形が検出される。
【0042】
図25では、検出波形のスペクトルが破線で、演算処理後のスペクトルが実線で、それぞれ示されており、演算処理により雑音の成分が低減されていることが確認できる。
【0043】
一方、前記探査電流7が流れず、直流雑音、商用周波雑音およびランダム雑音のみの相では、計測部51において図26に示した波形が検出され、この波形に対して、前記演算部55において、前記図9,10に関して説明した波形成形処理を同様に実行すると、図27に示したように、直流雑音、商用周波雑音およびランダム雑音が全て除去される。
【0044】
図28では、検出波形のスペクトルが破線で、演算処理後のスペクトルが実線で、それぞれ示されており、演算処理により雑音の成分が低減されていることが確認できる。
【0045】
図24,27を比較すれば明らかなように、本実施形態でも、事故点2を有する配電線1の任意の箇所において、探査電流7が流れる相と流れない相および探査電流7が流れる事故点2より課電部4側と流れない事故点2以降とで、検出される波形を全く異ならせることができるので、探査電流7が流れる配電位置と探査電流7が流れない配電位置とを簡単かつ正確に識別できるようになる。
【0046】
このように、本実施形態によれば、探査電流7が流れる配電位置と探査電流7が流れないは配電位置とを簡単かつ正確に識別できるようになるので、検出器5による検出位置を変えながら探査電流7を監視すれば、事故点を正確かつ容易に探索できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る事故点探査システムが適用される配電設備のブロック図である。
【図2】課電部および検出部の主要部の構成を示した機能ブロック図である。
【図3】課電の符号パターンを示した図である。
【図4】課電パターンを示した図である。
【図5】本発明の第1実施形態の構成を示したブロック図である。
【図6】図5の各部の波形を示した図である。
【図7】本発明の第2実施形態の構成を示したブロック図である。
【図8】図7の各部の波形を示した図である。
【図9】本発明の第3実施形態の構成を示したブロック図である。
【図10】図9の各部の波形を示した図である。
【図11】商用周波雑音および直流雑音が重畳された探査電流の波形図である。
【図12】図11の探査電流を図5の構成で処理して得られる雑音除去後の波形図である。
【図13】雑音除去の前後における探査電流のスペクトルを比較して示した図である。
【図14】商用周波雑音および直流雑音の重畳波形図である。
【図15】図14の雑音を図5の構成で処理して得られる出力波形図である。
【図16】雑音除去の前後における出力波形のスペクトルを比較して示した図である。
【図17】商用周波雑音およびランダム雑音が重畳された探査電流の波形図である。
【図18】図17の探査電流を図7の構成で処理して得られる雑音除去後の波形図である。
【図19】雑音除去の前後における探査電流のスペクトルを比較して示した図である。
【図20】商用周波雑音およびランダム雑音の重畳波形図である。
【図21】図20の雑音を図7の構成で処理して得られる出力波形図である。
【図22】雑音除去の前後における出力波形のスペクトルを比較して示した図である。
【図23】商用周波雑音、直流雑音およびランダム雑音が重畳された探査電流の波形図である。
【図24】図23の探査電流を図9の構成で処理して得られる雑音除去後の波形図である。
【図25】雑音除去の前後における探査電流のスペクトルを比較して示した図である。
【図26】商用周波雑音、直流雑音およびランダム雑音の重畳波形図である。
【図27】図26の雑音を図9の構成で処理して得られる出力波形図である。
【図28】雑音除去の前後における出力波形のスペクトルを比較して示した図である。
【符号の説明】
【0048】
1…配電線,2…事故点,3…大地,4a…接続線,4b…接地線,5…検出部,7…探査電流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力の供給を停止あるいは電力供給源から切り離された事故停電区間の配電線を課電し、この配電線に流れる電流に基づいて事故点を探査する事故点探査システムにおいて、
一定時間の1符号長である所定の課電パターンを発生する課電パターン発生手段と、
前記課電パターンによる課電を繰り返して、事故点を有する配電線に探査電流を供給する探査電流発生手段と、
前記配電線に流れる探査電流を計測する探査電流計測手段と、
前記計測された探査電流を前記1符号長の整数倍だけ遅延させた遅延後探査電流を出力する遅延手段と、
前記計測された探査電流から前記遅延後探査電流を減じる減算手段とを含み、
前記減算手段の出力に基づいて探査電流の有無を検出することを特徴とする事故点探査システム。
【請求項2】
電力の供給を停止あるいは電力供給源から切り離された事故停電区間の配電線に課電し、この配電線に流れる電流に基づいて事故点を探査する事故点探査システムにおいて、
一定時間の1符号長である所定の課電パターンを発生する課電パターン発生手段と、
前記課電パターンによる課電を繰り返して、事故点を有する配電線に探査電流を供給する探査電流発生手段と、
前記配電線に流れる探査電流を計測する探査電流計測手段と、
前記計測された探査電流の、前記1符号長の整数倍の期間の移動平均を算出する移動平均手段とを含み、
前記移動平均手段の出力に基づいて探査電流の有無を検出することを特徴とする事故点探査システム。
【請求項3】
前記1符合長を商用周期またはその整数倍N倍とすることを特徴とする請求項1または2に記載の事故点探査システム。
【請求項4】
電力の供給を停止あるいは電力供給源から切り離された事故停電区間の配電線に課電し、この配電線に流れる電流に基づいて事故点を探査する事故点探査システムにおいて、
所定の課電パターンを発生する課電パターン発生手段と、
前記課電パターンによる課電を繰り返して、事故点を有する配電線に探査電流を供給する探査電流発生手段と、
前記配電線に流れる探査電流を計測する探査電流計測手段と、
前記計測された探査電流と前記課電パターンとの相関を代表する信号を出力する相関出力手段とを含み、
前記相関出力手段の出力に基づいて探査電流の有無を検出することを特徴とする事故点探査システム。
【請求項5】
前記計測された探査電流の移動平均を算出する移動平均手段と、
前記計測された探査電流から前記移動平均手段の出力信号を減じる減算手段とを含み、
前記相関算出手段は、前記減算手段の出力信号と前記課電パターンとの相関を求めることを特徴とする請求項4に記載の事故点探査システム。
【請求項6】
前記課電パターンがM(最大周期:maximal)系列であることを特徴とする請求項4または5に記載の事故点探査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−92434(P2009−92434A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261296(P2007−261296)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(000164438)九州電力株式会社 (245)
【出願人】(000164391)株式会社キューキ (15)
【Fターム(参考)】