二台のミラーの走査システム
走査ビーム投影システムは、2ミラー走査システム(110)を含む。第一のミラーは、第一の方向に走査し、第二のミラーは、第二の方向に走査する。高速走査ミラー(320)は、折り返しミラー(312)から変調された光線を受け、変調された光線を低速走査ミラーへ向かわせる。折り返しミラーは、出力光学要素に形成されるか、又は、低速走査ミラーと共通の基板に形成されることができる。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
走査された光線は、モバイルマイクロプロジェクタ(携帯可能な超小型プロジェクタ)、自動車用ヘッドアップディスプレイ、頭部装着型ディスプレイのような用途を含む多種多様の用途のための表示画像を生成するために使用される。ディスプレイは、望ましい視野を補償するために変調された光線(変調光ビーム)を偏向させるため一つ以上のミラー(反射鏡)の角運動を使用することによって作り出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
単一のミラーシステムは、非常に小型の光学系を提供するが、複数の次元での単一ミラーの運動制御は、技術課題をもたらす。二台のミラーのシステム(2ミラーシステム)は、より簡単なミラー制御を可能にするが、本質的に単一ミラーシステムより大型である。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】図1は、本発明の様々な実施形態による走査ビーム投影システムのブロック図である。
【図2】図2は、本発明の様々な実施形態によるモバイル機器を示す図である。
【図3】図3は、二台の走査ミラー及び一台の折り返しミラーを含む走査システムの側面図である。
【図4】図4は、二台の走査ミラー及び一台の折り返しミラーを含む走査システムの平面図である。
【図5】図5は、二台の走査ミラー及び一台の折り返しミラーを含む走査システムの斜視図である。
【図6】図6は、二台の走査ミラー及び二台の折り返しミラーを含む走査システムの側面図である。
【図7】図7は、二台の走査ミラー、二台の折り返しミラー、及び出力光学要素を含む走査システムの側面図である。
【図8】図8は、二台の走査ミラー、二台の折り返しミラー、及び出力光学要素を含む走査システムの平面図である。
【図9】図9は、二台の走査ミラー、二台の折り返しミラー、及び出力光学要素を含む走査システムの斜視図である。
【図10】図10は、走査プラットフォーム及び一体型折り返しミラーを含む基板を示す図である。
【図11】図11は、一体型の折り返しミラー及び走査プラットフォームに貼り付けられた反射機器を含む基板を示す図である。
【図12】図12は、走査された光線の歪みを示す図である。
【図13】図13は、一体型折り返しミラー及び走査プラットフォームに貼り付けられた反射機器を含む基板を示す図である。
【図14】図14は、本発明の様々な実施形態によるくさび型光学要素を用いた画像歪みの変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
実施形態の説明
以下の詳細な説明では、一例として、本発明が実施されることがある具体的な実施形態を示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、十分に詳細に説明されているので、当業者は本発明を実施することができる。本発明の様々な実施形態は、差異があるが、必ずしも相互に排他的ではないことが理解されるべきである。例えば、一実施形態と関連して詳細な説明中に記載された特有の特性、構造、又は、特徴は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくその他の実施形態の範囲内で実施されることがある。その上、開示された各実施形態の範囲内の個別の要素の場所又は配置が本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく変更されてもよいことは理解されるべきである。以下の詳細な説明は、従って、限定的な意味で解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、適切に解釈された添付の特許請求の範囲と、この特許請求の範囲の権利が与えられた同等物の全範囲とだけによって定められる。図面中、類似した符号は、様々な図面を通じて同一又は同様の機能性を参照する。
【0005】
図1は、本発明の様々な実施形態による走査ビーム投影システム(走査線投影システム、スキャンビームプロジェクションシステム)を示す。図1に示されるように、走査ビーム投影システム100は、画像処理部102と、変調光源104と、2ミラー走査システム110とを含む。画像処理部102は、任意の画像ソース(画像源)でもよい。例えば、一部の実施形態では、画像処理部102は、静止画像を保持するメモリを含む。他の実施形態では、画像処理部102は、ビデオ画像を含むメモリを含む。さらなる実施形態では、画像処理部102は、コネクタ、無線リンクなどを使用して外部ソースからの画像又はビデオを含む。画像処理部102は、光源104を変調すべきときを決定するために、処理回路及びソフトウェアをさらに含むことがある。
【0006】
変調光源104は、レーザ光線であってもよい光線112を放射する能力を有する、レーザダイオードなどの任意のレーザ光源を用いることができる。光線112は、単色でもよく、又は、様々な波長の光を含むことができる。例えば、一部の実施形態では、変調光源104は、赤色、緑色、及び青色レーザ光源を含み、光線112は、種々の強度で赤色、緑色、及び青色光を含む。
【0007】
2ミラー走査システム110は、光線112を受け、走査機能を実行する。第一のミラーは、第一の次元に光線(ビーム)を走査し、第二のミラーは、第二の次元に光線を走査する。例えば、第一のミラーは、走査線を形成するために光線を水平方向に走査することがあり、第二のミラーは、走査線全体を垂直方向に反射することがある。二つのミラーが正確なタイミングで作動すると、ラスタ画像が領域120に描かれる。
【0008】
一部の実施形態では、2ミラー走査システム110は、出力光学要素と一体化された折り返しミラーを含む。折り返しミラーを出力光学要素と一体化することは、2ミラー走査システムを小型化することを可能とする。さらに、一部の実施形態では、折り返しミラーは、走査ミラー基板に一体化される。例えば、微小電気機械システム(MEMS)の走査ミラーは、基板によって支持されることが可能であり、折り返しミラーは、基板に形成されること、又は、基板と一体化されることが可能である。これは、折り返しミラーを走査ミラーと非常に接近して位置合わせすることを可能とし、また2ミラー走査システムをより小型化することを可能とする。2ミラー走査システムと、一体型折り返しミラーを含む出力光学要素と、一体型折り返しミラーを含む走査ミラー基板との様々な実施形態は、以下でより詳細に説明される。
【0009】
図2は、本発明の様々な実施形態によるモバイル機器を示す。モバイル機器200は、通信能力の有無にかかわらず、手持ち式の投影機器(ハンドヘルドプロジェクション機器)でもよい。例えば、一部の実施形態では、モバイル機器200は、他の能力をほとんど、又は、全く備えていない手持ち式のプロジェクタであってもよい。さらに、例えば、一部の実施形態では、モバイル機器200は、通信のため使用可能な機器でもよく、例えば、携帯電話機、スマートフォン、個人情報端末(PDA)、全地球測位システム(GPS)受信機などを含む。さらに、モバイル機器200は、無線通信(ワイヤレス、例えばWiMax)若しくはセルラー接続を介してより大型のネットワークに接続されることがあり、又は、この機器は、規制されていないスペクトル接続(例えば、WiFi規格)を介してデータメッセージ若しくはビデオコンテンツを受け取ることができる。
【0010】
モバイル機器200は、120で光を使って画像を作り出すため2ミラー走査システム110を含む。モバイル機器200はまた、画像処理部と変調光源とをさらに含むが(図1)、これらは、明瞭さのため図2から意図的に省かれている。
【0011】
モバイル機器200は、ディスプレイ210、キーパッド220、オーディオポート202、制御ボタン204、カードスロット206、オーディオ/ビデオ(A/V)ポート208を含む。これらの要素はいずれも不可欠ではない。例えば、モバイル機器200は、ディスプレイ210、キーパッド220、オーディオポート202、制御ボタン204、カードスロット206、又は、A/Vポート208のうちのいずれも含まずに、2ミラー走査システム110だけを含むことがある。一部の実施形態は、これらの要素のうちの一部を含む。例えば、補助的なプロジェクタ製品は、2ミラー走査システム110、制御ボタン204、及びA/Vポート208を含むことがある。
【0012】
ディスプレイ210は、任意の種類のディスプレイとすることができる。例えば、一部の実施形態では、ディスプレイ210は、液晶ディスプレイ(LCD)画面を備えている。ディスプレイ210は、120に投影された同じコンテンツ、又は、異なるコンテンツを常に表示することがある。例えば、補助的なプロジェクタ製品は、同じコンテンツを常に表示することがあり、他方で、携帯電話機の実施形態は、120に1種類のコンテンツを投影し、同時にディスプレイ210に様々なコンテンツを表示する。キーパッド220は、電話機キーパッド又はその他の任意の種類のキーパッドでもよい。
【0013】
A/Vポート208は、ビデオ信号及び/又はオーディオ信号を受け入れ及び/又は送信する。例えば、A/Vポート208は、デジタルオーディオ及びビデオデータを伝達するため適しているケーブルを受け入れるデジタルポートとすることができる。さらに、A/Vポート208は、コンポジット入力を受け入れるためRCAジャケットを含むことがある。さらに、A/Vポート208は、アナログビデオ信号を受け入れるためVGAコネクタを含むことがある。一部の実施形態では、モバイル機器200は、A/Vポート208を通して外部信号源に繋がれることがあり、モバイル機器200は、A/Vポート208を通して受け入れられたコンテンツを投影することができる。その他の実施形態では、モバイル機器208は、コンテンツの発生源でもよく、A/Vポート208は、コンテンツを異なる機器へ送信するため使用される。
【0014】
オーディオポート202は、オーディオ信号を供給する。例えば、一部の実施形態では、モバイル機器200は、オーディオ及びビデオを保存、再生することができるメディアプレーヤである。これらの実施形態では、ビデオは、120で投影され、オーディオは、オーディオポート202で出力されることがある。その他の実施形態では、モバイル機器200は、A/Vポート208でオーディオ信号及びビデオ信号を受信する補助的なプロジェクタとすることができる。これらの実施形態では、モバイル機器200は、ビデオコンテンツを120で投影し、オーディオコンテンツをオーディオポート202で出力することがある。
【0015】
モバイル機器200はまた、カードスロット206を含む。一部の実施形態では、カードスロット206に挿入されたメモリカードは、オーディオポート202で出力されるオーディオ、及び/又は、120で投影されるビデオデータの供給源を提供することがある。カードスロット206は、例えば、マルチメディア・メモリ・カード(MMC)、メモリスティックDUO、セキュアデジタル(SD)メモリカード、及び、スマート・メディア・カードを含む任意の種類の固体メモリデバイスを受け入れることができる。上記リストは、例示的であり、網羅的ではないことが意図されている。
【0016】
一部の実施形態では、2ミラー走査システム110は、720p画像又は1080p画像のような高解像度(HD)画像を表示する。これらの実施形態では、二台の別個の走査ミラーは、HDラスタ画像を作り出すために変調光源と相対的に制御される。以下でより詳細に説明されるように、2ミラー型の実施形態は、小型のまま維持されるので、モバイル機器200の形状因子は、同様に小さいまま維持される。
【0017】
図3−5は、二台の走査ミラーと単一の折り返しミラーとを含む走査システムの側面図、平面図及び斜視図である。さて、図3を参照すると、2ミラー走査システム300は、走査ミラー320及び330と、出力光学要素310とを含む。出力光学要素310の表面312は、折り返しミラーを形成する。動作中、光線302は、システム300に入射し、折り返しミラー312から反射する。走査ミラー320は、折り返しミラーから反射された光を受けるように位置合わせされ、光線を第一の次元に走査する。走査ミラー330は、走査ミラー320からの光線を受けるように位置合わせされ、この光線を第二の次元に走査する。出力光学要素310は、走査ミラー330からの光線に交差するように位置合わせされ、ここで折り返しミラー312が出力光学要素310に位置合わせされている。走査ミラー330からの光は、出力光学要素310を通過した後、走査システム300を出る。2ミラー走査システム300を出る光は、二台の走査ミラーの動作によって二次元に走査され、ラスタ画像を304に描く。
【0018】
走査ミラー320は、軸321周りの角変位を用いて前後に走査する。図3では、軸321は、紙面に示されている。図4に示されるように、走査ミラー330は、軸331周りの角変位を用いて前後に走査する。図4では、軸331は、紙面の中に示されている。二本の軸321及び331は、走査ミラー320及び330による別個の次元での走査を生じさせるように、互いに実質的に90度をなすように向けられる。
【0019】
一部の実施形態では、走査ミラー320は、「高速走査」ミラーであり、走査ミラー330は、「低速走査」ミラーであるが、これは、本発明を限定するものではない。例えば、走査ミラー320は、走査ミラー330より高速に又は低速に走査することがある。一部の実施形態では、走査ミラー320は、画像中の水平線毎に一回ずつ掃引(スイープ)することがあり、走査ミラー330は、画像中の垂直帰線毎に一回ずつ掃引することがある。当業者は、二台の走査ミラーの掃引レートと光源の変調レートとを変化させることは、様々な画像解像度に対応することを理解されるであろう。例えば、垂直掃引レートと相対的に水平掃引レートを増加させると、より多くの水平線が画像に生じ、光源の変調レートを増加させると、水平線一本当たりにより多くの画素が画像に生じる。
【0020】
走査ミラー320及び330は、説明されているように光線を走査するために適している任意の機器でもよい。例えば、一部の実施形態では、走査ミラー320及び330は、MEMS走査ミラーである。MEMS走査ミラーの運動は、一つ以上の制御信号に応答して一つ以上の作動機構によって制御されることがある。例えば、一部の実施形態では、一つ以上の導電性コイル及び/又は一つ以上の固定磁石を含む磁気作動機構が用いられることがある。他の実施形態では、静電作動機構が用いられることがある。本発明の様々な実施形態は、走査ミラー320及び330のどちらかに使用される作動機構の種類によっても限定されることはない。
【0021】
折り返しミラー312は、出力光学要素310の一部である。一部の実施形態では、折り返しミラー312は、出力光学要素310に塗布された反射コーティングを含む。他の実施形態では、折り返しミラー312は、すべての光が反射されるように、入力光線302が折り返しミラー312上で臨界角を下回る入射角を確実にとることによって形成される。さらなる実施形態では、別個のミラーが折り返しミラー312を形成するため光学要素310に貼り付け又は接合される。
【0022】
一部の実施形態では、出力光学要素310は、出力画像を変えるくさび型光学要素である。一つ以上の実施形態では、出力光学要素310は、本質的に走査ビームディスプレイ又はイメージングシステム(画像化システム)になり得る2ミラー走査システム300によって生成され、そして、軸外からの入力光線によって引き起こされる走査された光線の軌道と、走査ミラーから画像平面への変換との結果である画像の中の歪みを低減又は除去するために利用されることが可能である。代替的に、例えば、増大されるか、又は、そうでなければ分けられた歪みが用途に応じて望ましい場合、出力光学要素310は、2ミラー走査システム300によって生成された画像の中の歪みの量を分ける、又は、増大するため用いられることがある。一般に、出力光学要素310は、2ミラー走査システム300によって生成又は獲得された画像の歪みのある程度の変更をもたらすため利用されることが可能である。一つ以上の実施形態では、出力光学要素310は、一般に、光学素子、又は、光学素子の組み合わせで構成されることが可能であり、第一の表面又は平面314が第二の表面又は平面316に対して非平行角(平行ではない角度)で配置されている。一つ以上の実施形態では、このような出力光学要素310の配置は、プリズム、又は、錐台、ピラミッド形、錐などのような類似した形状の光学要素を備えることが可能であり、及び/又は、代替的には、出力光学要素310は、第一の表面314を具現化するために第一のガラス又はその他の光学材料の板を備え、第二の表面316を具現化するために第二のガラス又はその他の光学材料の板を備え、折り返しミラー312を具現化するために第三のガラス又はその他の光学材料の板を備えることができる。
【0023】
出力光学要素310を折り返しミラー312と組み合わせることは、残りの光学部品がより接近して位置合わせされることを可能とし、それによって、2ミラー走査システム300によって占有される全体的な体積を削減する。例えば、走査ミラー320及び330は、出力光学要素310により接近させ、かつ、互いにより接近させて位置合わせされる。これにより、走査ミラー330の寸法の縮小、及び、出力光学要素310の寸法の縮小という結果になる。
【0024】
一部の実施形態では、走査ミラー320は、静止時に、走査ミラー320の反射面が入力光線302に平行であるように位置合わせされるが、これは、本発明を限定するものではない。入力光線302は、実際の光線が示された断面の範囲内のどこに存在してもよいことを示すために複数の線によって表現される。出力光も同じ理由のため複数の線で示される。図3−5は、ミラーが中心に置かれたとき、及び、ミラーがこれらの角変位の頂点(角変位の最大位置)にあるときの出力光の軌道を示す。実際の動作中、光線は、連続的に掃引される。
【0025】
一部の実施形態では、出力光学要素310は、走査ミラーの一方又は両方を保持するための搭載機能を含んでいる。例えば、出力光学要素310は、折り返しミラー及び出力光学要素に対する走査ミラーを確実に適切な配置とするため、両方の走査ミラーの配置を維持する具体的な機能を含むことがある。一部の実施形態では、出力光学要素310は、同時に搭載部及び光学要素としての役割を果たすプラスチック部品である。
【0026】
図6は、二台の走査ミラー及び二台の折り返しミラーを含む走査システムの側面図である。走査システム600は、二台の折り返しミラー640及び650と、二台の走査ミラー620及び630とを含む。動作において、第一の折り返しミラー640は、入力光線602を反射するように位置合わせされ、第二の折り返しミラー650は、第一の折り返しミラー640から受けた光を反射するように位置合わせされ、第一の走査ミラー620は、第二の折り返しミラー650から光を受け、第一の次元に走査された光線を提供するように位置合わせされ、第二の走査ミラー630は、第一の走査ミラー620から光線を受け、第二の次元に走査された光線を提供するように位置合わせされ、ここで第二の走査ミラー630及び第二の折り返しミラー650は共通した基板610に結合される。
【0027】
走査ミラー630が静止時に基板610と同じ平面に存在することが示されるが、出力光604は、静止時、並びに、走査ミラーの角変位の頂点にあるとき、走査ミラー630から反射されることが示される。一部の実施形態では、走査ミラー630は、基板610と異なる平面にある一つ以上の部品を含む。好適な基板、走査ミラー、及び、折り返しミラーの様々な実施形態は、後続の図を参照して以下でさらに説明される。
【0028】
一部の実施形態では、折り返しミラー640は省略される。これらの実施形態では、入力光線は、最初に、折り返しミラー650に入射する。走査ミラー620は、折り返しミラー650から光を受け、この光を第一の次元に走査し、次に、走査ミラー630は、この光を第二の次元に走査する。
【0029】
一部の実施形態では、走査ミラー620は、「高速走査」ミラーであり、走査ミラー630は、「低速走査」ミラーであるが、これは、本発明を限定するものではない。例えば、走査ミラー620は、走査ミラー630より高速に又は低速に走査することがある。一部の実施形態では、走査ミラー620は、画像中の水平線毎に一回ずつ掃引することがあり、走査ミラー630は、画像の中で垂直帰線毎に一回ずつ掃引することがある。当業者は、二台の走査ミラーの掃引レートと光源の変調レートとを変化させることは、様々な画像解像度に対応することを理解されるであろう。例えば、垂直掃引レートと相対的に水平掃引レートを増加させると、より多くの水平線が画像に生じ、光源の変調レートを増加させると、水平線一本当たりにより多くの画素が画像に生じる。
【0030】
走査ミラー620及び630は、説明されているように光線を走査するため適している任意の機器でもよい。例えば、一部の実施形態では、走査ミラー620及び630は、MEMS走査ミラーである。走査ミラー620及び630の角運動は、一つ以上の制御信号に応答して一つ以上の作動機構によって制御されることがある。例えば、一部の実施形態では、一つ以上の導電性コイル及び/又は一つ以上の固定磁石を含む磁気作動機構が用いられることがある。他の実施形態では、静電作動機構が用いられることがある。本発明の様々な実施形態は、走査ミラー620及び630のどちらかに使用される作動機構の種類によっても限定されることはない。
【0031】
折り返しミラー650は、基板610に形成される。一部の実施形態では、折り返しミラー650は、基板610に塗布された反射コーティングを含む。他の実施形態では、別個のミラーが折り返しミラー650を形成するため基板610に貼り付け又は接合される。
【0032】
共通した基板610上で折り返しミラー650と走査ミラー630とを組み合わせることは、残りの光学部品がより接近して位置合わせされることを可能とし、それによって、2ミラー走査システム600によって占有される全体的な体積を削減する。例えば、走査ミラー620は、走査ミラー630により接近させて位置合わせすることができ、走査ミラー630の大きさに関する要件の軽減という結果になる。
【0033】
一部の実施形態では、走査ミラー620は、静止時に走査ミラー620の反射面が入力光線602に平行であるように位置合わせされるが、これは、本発明を限定するものではない。入力光線602は、実際の光線が示された断面の範囲内のどこに存在してもよいことを示すために複数の線によって表現される。出力光も同じ理由のため複数の線で示される。図6は、ミラーが中心に置かれたとき、及び、ミラーがこれらの角変位の頂点にあるときの出力光の軌道を示す。実際の動作において、光線は、連続的に掃引される。
【0034】
図7−9は、二台の走査ミラー、二台の折り返しミラー、及び、出力光学要素を含む走査システムの側面図、平面図及び斜視図である。ここで、図7を参照すると、2ミラー走査システム700は、走査ミラー720及び730と、折り返しミラー712及び750と、光学要素710とを含む。折り返しミラー711は、出力光学要素710の表面に形成される。動作中に、光線702は、システム700に入り、折り返しミラー712へ反射する。折り返しミラー750は、折り返しミラー712から反射された光を受けるように位置合わせされる。走査ミラー720は、折り返しミラー750から反射された光を受けるように位置合わせされ、第一の次元に光線を走査する。走査ミラー730は、走査ミラー720から光線を受けるように位置合わせされ、第二の次元にこの光線を走査する。出力光学要素710は、走査ミラー730からの光線に交差するように位置合わせされ、ここで、折り返しミラー712は、出力光学要素710上で位置合わせされる。走査ミラー730からの光は、出力光学要素710を通過した後、走査システム700を出る。2ミラー走査システム700を出る光は、二台の走査ミラーの動作によって二次元に走査され、ラスタ画像を704で描く。
【0035】
走査ミラー720は、軸721周りの角変位を用いて前後に走査する。図7では、軸721は、紙面に示されている。図8に示されるように、走査ミラー730は、軸731周りの角変位を用いて前後に走査する。図8では、軸731は、紙面に示されている。二本の軸721及び731は、走査ミラー720及び730による別個の次元での走査を生じさせるように、互いに実質的に90度をなすように向けられる。
【0036】
一部の実施形態では、走査ミラー720は、「高速走査」ミラーであり、走査ミラー730は、「低速走査」ミラーであるが、これは、本発明を限定するものではない。例えば、走査ミラー720は、走査ミラー730より高速に又は低速に走査することがある。一部の実施形態では、走査ミラー720は、画像中の水平線毎に一回ずつ掃引することがあり、走査ミラー730は、画像中の垂直帰線毎に一回ずつ掃引することがある。当業者は、二台の走査ミラーの掃引レートと光源の変調レートとを変化させることは、様々な画像解像度に対応することが理解されるであろう。例えば、垂直掃引レートと相対的に水平掃引レートを増加させると、より多くの水平線が画像に生じ、光源の変調レートを増加させると、水平線一本当たりにより多くの画素が画像に生じる。
【0037】
走査ミラー720及び730は、説明されているように光線を走査するために適している任意の機器でもよい。例えば、一部の実施形態では、走査ミラー720及び730は、MEMS走査ミラーである。MEMS走査ミラーの運動は、1個以上の制御信号に応答して一台以上の作動機構によって制御されてもよい。例えば、一部の実施形態では、一つ以上の導電性コイル及び/又は一つ以上の固定磁石を含む磁気作動機構が用いられてもよい。他の実施形態では、静電作動機構が用いられてもよい。本発明の様々な実施形態は、走査ミラー720及び730のどちらに使用される作動機構の種類によっても限定されることはない。
【0038】
折り返しミラー712は、出力光学要素710の一部である。一部の実施形態では、折り返しミラー712は、出力光学要素710に塗布された反射コーティングを含む。他の実施形態では、折り返しミラー712は、すべての光が反射されるように、入力光線702が折り返しミラー712上で臨界角を下回る入射角を確実にとることによって形成される。さらなる実施形態では、別個のミラーが折り返しミラー712を形成するため光学要素710に貼り付け又は接合される。
【0039】
一部の実施形態では、出力光学要素710は、出力画像を変えるくさび型光学要素である。一つ以上の実施形態では、出力光学要素710は、本質的に走査ビームディスプレイ又はイメージングシステムになり得る2ミラー走査システム700によって生成され、そして、軸外入力光線によって引き起こされる走査された光線の軌道と、走査ミラーから画像平面への変換との結果である画像の中の歪みを低減又は除去するため用いられることがある。代替的に、例えば、増大されるか、又は、そうでなければ分けられた歪みが用途に応じて望ましい場合、出力光学要素710は、2ミラー走査システム700によって生成された画像の中の歪みの量を分ける、又は、増大するため用いられることがある。一般に、出力光学要素710は、2ミラー走査システム700によって生成又は獲得された画像の歪みのある程度の変更をもたらすため利用されることがある。一つ以上の実施形態では、出力光学要素710は、一般に、光学素子、又は、光学素子の組み合わせを備えることがあり、第一の表面又は平面714が第二の表面又は平面716に対して非平行角で配置されている。一つ以上の実施形態では、このような出力光学要素710の配置は、プリズム、又は、錐台、ピラミッド形、錐などのような類似した形状の光学要素を備えることがあり、及び/又は、代替的に、出力光学要素710は、第一の表面714を具現化するためにガラス又はその他の光学材料の第一の板を備え、第二の表面716を具現化するために第二のガラス又はその他の光学材料の板を備え、折り返しミラー712を具現化するために第三のガラス又はその他の光学材料の板を備えることがある。
【0040】
出力光学要素710を折り返しミラー712と組み合わせることは、残りの光学部品がより接近して位置合わせされることを可能とし、それによって、2ミラー走査システム700によって占有される全体的な体積を削減する。例えば、走査ミラー720及び730は、出力光学要素710により接近させ、かつ、互いにより接近させて位置合わせされる。これにより、走査ミラー730の寸法の縮小、及び、出力光学要素710の寸法の縮小という結果になる。
【0041】
一部の実施形態では、折り返しミラー750及び走査ミラー730は、図6に示されるように、共通した基板上に形成される。一部の実施形態では、折り返しミラー750は、基板に塗布された反射コーティングを含む。他の実施形態では、別個のミラーが、折り返しミラー750を形成するため基板に貼り付け又は接合される。
【0042】
共通した基板上で折り返しミラー750と走査ミラー730とを組み合わせることは、残りの光学部品がより接近して位置合わせされることを可能とし、それによって、2ミラー走査システム700によって占有される全体的な体積を削減する。例えば、走査ミラー720は、走査ミラー730により接近させて位置合わせすることができ、走査ミラー730の大きさに関する要件の軽減という結果になる。これは、さらに、走査ミラー720への入射角をより小さくすることを可能とし、パッケージの小型化および歪みの低減という結果になる。
【0043】
一部の実施形態では、走査ミラー720は、静止時に走査ミラー720の反射面が入力光線702に平行であるように位置合わせされるが、これは、本発明を限定するものではない。入力光線702は、実際の光線が示された断面の範囲内のどこに存在してもよいことを示すために複数の線によって表現される。出力光も同じ理由のため複数の線で示される。図7−9は、ミラーが中心に置かれたとき、及び、ミラーがこれらの角変位の頂点にあるときの出力光の軌道を示す。実際の動作において、光線は、連続的に掃引される。
【0044】
一部の実施形態では、出力光学要素710は、2ミラー走査システム700内部の他の部品を保持する搭載機能を含む。例えば、出力光学要素710は、折り返しミラー750及び走査ミラー730が搭載される基板を保持するための機能を含むことがある。同様に、例えば、出力光学要素710は、走査ミラー720の配置を維持するための機能を含むことがある。これらの搭載機能を出力光学要素710の一部として設けることは、折り返しミラー及び出力光学要素に対する走査ミラーの適切な配置を可能とする。一部の実施形態では、出力光学要素710は、同時に搭載部及び光学要素としての役割を果たすプラスチック部品である。
【0045】
図10は、走査プラットフォーム(走査のための基本構造)及び一体型折り返しミラーを含む基板を示す。基板1000は、走査プラットフォーム1030及び一体型折り返しミラー1050を有していることが示される。基板1000は、シリコンのようなMEMS機器に適した材料から形成されることがあるが、本発明はこれに限定されない。
【0046】
走査プラットフォーム1030は、面1032を含む。一部の実施形態では、面1032は、反射性であり、ミラーとしての役割を果たす。これらの実施形態では、走査プラットフォーム1030は、走査ミラーである。これらの実施形態では、走査ミラーが静止しているときの基板1000の側面図は、基板610(図6)に類似しているように見える。
【0047】
走査プラットフォーム1030は、湾曲部1002及び1004によってプラットフォーム1000に連結される。駆動機構部(図示せず)は、湾曲部1002及び1004によって作り出される軸周りの基板1000に対する調節可能な角変位を、走査プラットフォーム1030が受けるように引き起こす。いかなる種類の駆動機構部でも本発明の範囲から逸脱することなく使用することができる。例えば、磁気作動機構又は静電機構が用いられてもよい。
【0048】
折り返しミラー1050は、基板1000と一体化された固定ミラーである。一部の実施形態では、折り返しミラー1050は、基板1000に反射コーティングを含み、他の実施形態では、折り返しミラー1050は、基板1000に貼り付けられ又は接合された反射機器を含む。折り返しミラー1050の反射面は、基板1000に平行でもよく、又は、基板1000に平行でなくてもよい。例えば、一部の実施形態では、反射コーティングが、基板1000に平行である折り返しミラー1050を形成するため基板1000に塗布される。他の実施形態では、非平行面(平行ではない面)を有するミラーが基板1000に平行ではない折り返しミラー1050を形成するため基板1000に接合されることがある。
【0049】
基板1000は、上記実施形態のいずれでも利用されてもよい。例えば、基板1000は、図6を参照して説明された実施形態における基板610として使用されてもよい。同様に、例えば、基板1000は、走査ミラー730が走査プラットフォーム1030に対応し、折り返しミラー750が折り返しミラー1050に対応する図7−9を参照して記載された実施形態において使用されることがある。
【0050】
図11は、一体型折り返しミラーと、走査プラットフォームに貼り付けられた反射機器を含む基板を示す。図11に示されるように、基板1000に連結された走査プラットフォームは、この走査プラットフォームに貼り付け又は接合されたミラー1130を有してもよい。ミラー1130は、反射面1132を含む。静止時に、反射面1132は、折り返しミラー1050に平行であるが、異なる平面にある。一部の実施形態では、折り返しミラー1050は、ミラー1030の厚さに類似した厚さを有し、ミラー1130が静止しているとき、折り返しミラーとミラーとは、実質的に同じ平面内にある。
【0051】
ミラー1131は、矩形として示されるが、これは、本発明を限定するものではない。例えば、様々な寸法又は形状のミラーを使用することができる。ミラー1130の大きさを変更することは、走査ミラーの内部性質を変化させ、これは、システム全体を設計するときに有利なように使用することが可能となる。
【0052】
図12は、走査された光線の歪みを示す。スポット1210、1220及び1230は、左右に走査されたとき、走査されたレーザ光線の相対的なスポット形状を示す。これは、第二の走査ミラー(図3の330、図6の630、図7の730、及び、図11の1130)への光線入射が反射面の全域に亘って一様な厚さの直線を生じさせないかもしれないことを例証するために、やや誇張されて示される。1210及び1230での光線とミラーの反射面との間の入射角が大きいほど、スポットは拡散する。
【0053】
図13は、一体型折り返しミラーと、走査プラットフォームに貼り付けられた反射機器とを含む基板を示す。基板1000は、図10及び11に示された基板と同じである。図13に示されるように、基板1000に連結された走査プラットフォームは、ミラー1330が貼り付けられるか、又は、接合されてもよい。ミラー1330は、反射面1332を含む。ミラー1330の形状は、非円形であり、かつ、非矩形である(円形ではなく、且つ矩形ではない)。様々な実施形態では、ミラー1330は、様々な形状をもつことがある。図13に示された形状は、図12におけるスポット形状の包絡線に対応するが、これは、本発明を限定するものではない。
【0054】
静止時に、反射面1332は、折り返しミラー1050に平行であるが、異なる平面にある。一部の実施形態では、折り返しミラー1050は、ミラー1330の厚さに類似した厚さを有し、ミラー1050が静止しているとき、折り返しミラーとミラーは、実質的に同じ平面内にある。
【0055】
図14は、本発明の様々な実施形態による、くさび型光学要素を介した画歪み(画像の歪み)の変化を例示する図である。図14に示されるような画像1400が、2ミラー走査システムによって表示可能である。画像1400は、軸外の光線を様々な折り返しミラー及び走査ミラーへ供給することから生じる画歪みをもつことがあり、この画歪みは、軸外からの入力光線によって引き起こされる走査された光線の軌道と、走査ミラーから画像平面への変換との結果である。軸外からの光線の供給に起因するこのような画歪みは、キーストーン歪み又はスマイル歪みとも称される画像1400の非四角形レイアウト1402という結果をもたらすことがある。このような画歪みは、画像1400が実際には平坦な表面に投影されているときに、球面に投影された直線的な画像の変化に類似することがある。スマイル歪みは、極座標から直線又は直交座標への画像データの再マッピング(対応関係の再定義)の結果であるリマッピング歪みと呼ばれることもある。一つ以上の実施形態では、出力光学要素310(図3−5)及び710(図7−10)は、上述のような出力光学要素310及び710の表面314、714に対する表面312、712の概ねくさび形状の配置によって、画像1400のほぼ正方形の直線的なレイアウトを生ずるためこのような画像歪みを補正する能力がある。一つ以上の実施形態では、図14に示されるようなこのスマイル歪みの実施例は、出力光学要素が使用されていないとき、画像1400の約13%の歪みを表すことがある。様々な2ミラー走査システムの実施形態において出力光学要素を使用することにより、歪みは、約5%以下まで低減されることがあるが、発明の実施形態は、この点に関して限定されない。
【0056】
本発明は、ある種の実施形態と関連して説明されたが、当業者が容易に理解するように、変更及び変形が本発明の範囲から逸脱することなく行われてもよいことが理解されるべきである。このような変更及び変形は、本発明と添付の特許請求の範囲に記載された事項の範囲内であると判断されるべきである。
【背景技術】
【0001】
背景
走査された光線は、モバイルマイクロプロジェクタ(携帯可能な超小型プロジェクタ)、自動車用ヘッドアップディスプレイ、頭部装着型ディスプレイのような用途を含む多種多様の用途のための表示画像を生成するために使用される。ディスプレイは、望ましい視野を補償するために変調された光線(変調光ビーム)を偏向させるため一つ以上のミラー(反射鏡)の角運動を使用することによって作り出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
単一のミラーシステムは、非常に小型の光学系を提供するが、複数の次元での単一ミラーの運動制御は、技術課題をもたらす。二台のミラーのシステム(2ミラーシステム)は、より簡単なミラー制御を可能にするが、本質的に単一ミラーシステムより大型である。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】図1は、本発明の様々な実施形態による走査ビーム投影システムのブロック図である。
【図2】図2は、本発明の様々な実施形態によるモバイル機器を示す図である。
【図3】図3は、二台の走査ミラー及び一台の折り返しミラーを含む走査システムの側面図である。
【図4】図4は、二台の走査ミラー及び一台の折り返しミラーを含む走査システムの平面図である。
【図5】図5は、二台の走査ミラー及び一台の折り返しミラーを含む走査システムの斜視図である。
【図6】図6は、二台の走査ミラー及び二台の折り返しミラーを含む走査システムの側面図である。
【図7】図7は、二台の走査ミラー、二台の折り返しミラー、及び出力光学要素を含む走査システムの側面図である。
【図8】図8は、二台の走査ミラー、二台の折り返しミラー、及び出力光学要素を含む走査システムの平面図である。
【図9】図9は、二台の走査ミラー、二台の折り返しミラー、及び出力光学要素を含む走査システムの斜視図である。
【図10】図10は、走査プラットフォーム及び一体型折り返しミラーを含む基板を示す図である。
【図11】図11は、一体型の折り返しミラー及び走査プラットフォームに貼り付けられた反射機器を含む基板を示す図である。
【図12】図12は、走査された光線の歪みを示す図である。
【図13】図13は、一体型折り返しミラー及び走査プラットフォームに貼り付けられた反射機器を含む基板を示す図である。
【図14】図14は、本発明の様々な実施形態によるくさび型光学要素を用いた画像歪みの変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
実施形態の説明
以下の詳細な説明では、一例として、本発明が実施されることがある具体的な実施形態を示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、十分に詳細に説明されているので、当業者は本発明を実施することができる。本発明の様々な実施形態は、差異があるが、必ずしも相互に排他的ではないことが理解されるべきである。例えば、一実施形態と関連して詳細な説明中に記載された特有の特性、構造、又は、特徴は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくその他の実施形態の範囲内で実施されることがある。その上、開示された各実施形態の範囲内の個別の要素の場所又は配置が本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく変更されてもよいことは理解されるべきである。以下の詳細な説明は、従って、限定的な意味で解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、適切に解釈された添付の特許請求の範囲と、この特許請求の範囲の権利が与えられた同等物の全範囲とだけによって定められる。図面中、類似した符号は、様々な図面を通じて同一又は同様の機能性を参照する。
【0005】
図1は、本発明の様々な実施形態による走査ビーム投影システム(走査線投影システム、スキャンビームプロジェクションシステム)を示す。図1に示されるように、走査ビーム投影システム100は、画像処理部102と、変調光源104と、2ミラー走査システム110とを含む。画像処理部102は、任意の画像ソース(画像源)でもよい。例えば、一部の実施形態では、画像処理部102は、静止画像を保持するメモリを含む。他の実施形態では、画像処理部102は、ビデオ画像を含むメモリを含む。さらなる実施形態では、画像処理部102は、コネクタ、無線リンクなどを使用して外部ソースからの画像又はビデオを含む。画像処理部102は、光源104を変調すべきときを決定するために、処理回路及びソフトウェアをさらに含むことがある。
【0006】
変調光源104は、レーザ光線であってもよい光線112を放射する能力を有する、レーザダイオードなどの任意のレーザ光源を用いることができる。光線112は、単色でもよく、又は、様々な波長の光を含むことができる。例えば、一部の実施形態では、変調光源104は、赤色、緑色、及び青色レーザ光源を含み、光線112は、種々の強度で赤色、緑色、及び青色光を含む。
【0007】
2ミラー走査システム110は、光線112を受け、走査機能を実行する。第一のミラーは、第一の次元に光線(ビーム)を走査し、第二のミラーは、第二の次元に光線を走査する。例えば、第一のミラーは、走査線を形成するために光線を水平方向に走査することがあり、第二のミラーは、走査線全体を垂直方向に反射することがある。二つのミラーが正確なタイミングで作動すると、ラスタ画像が領域120に描かれる。
【0008】
一部の実施形態では、2ミラー走査システム110は、出力光学要素と一体化された折り返しミラーを含む。折り返しミラーを出力光学要素と一体化することは、2ミラー走査システムを小型化することを可能とする。さらに、一部の実施形態では、折り返しミラーは、走査ミラー基板に一体化される。例えば、微小電気機械システム(MEMS)の走査ミラーは、基板によって支持されることが可能であり、折り返しミラーは、基板に形成されること、又は、基板と一体化されることが可能である。これは、折り返しミラーを走査ミラーと非常に接近して位置合わせすることを可能とし、また2ミラー走査システムをより小型化することを可能とする。2ミラー走査システムと、一体型折り返しミラーを含む出力光学要素と、一体型折り返しミラーを含む走査ミラー基板との様々な実施形態は、以下でより詳細に説明される。
【0009】
図2は、本発明の様々な実施形態によるモバイル機器を示す。モバイル機器200は、通信能力の有無にかかわらず、手持ち式の投影機器(ハンドヘルドプロジェクション機器)でもよい。例えば、一部の実施形態では、モバイル機器200は、他の能力をほとんど、又は、全く備えていない手持ち式のプロジェクタであってもよい。さらに、例えば、一部の実施形態では、モバイル機器200は、通信のため使用可能な機器でもよく、例えば、携帯電話機、スマートフォン、個人情報端末(PDA)、全地球測位システム(GPS)受信機などを含む。さらに、モバイル機器200は、無線通信(ワイヤレス、例えばWiMax)若しくはセルラー接続を介してより大型のネットワークに接続されることがあり、又は、この機器は、規制されていないスペクトル接続(例えば、WiFi規格)を介してデータメッセージ若しくはビデオコンテンツを受け取ることができる。
【0010】
モバイル機器200は、120で光を使って画像を作り出すため2ミラー走査システム110を含む。モバイル機器200はまた、画像処理部と変調光源とをさらに含むが(図1)、これらは、明瞭さのため図2から意図的に省かれている。
【0011】
モバイル機器200は、ディスプレイ210、キーパッド220、オーディオポート202、制御ボタン204、カードスロット206、オーディオ/ビデオ(A/V)ポート208を含む。これらの要素はいずれも不可欠ではない。例えば、モバイル機器200は、ディスプレイ210、キーパッド220、オーディオポート202、制御ボタン204、カードスロット206、又は、A/Vポート208のうちのいずれも含まずに、2ミラー走査システム110だけを含むことがある。一部の実施形態は、これらの要素のうちの一部を含む。例えば、補助的なプロジェクタ製品は、2ミラー走査システム110、制御ボタン204、及びA/Vポート208を含むことがある。
【0012】
ディスプレイ210は、任意の種類のディスプレイとすることができる。例えば、一部の実施形態では、ディスプレイ210は、液晶ディスプレイ(LCD)画面を備えている。ディスプレイ210は、120に投影された同じコンテンツ、又は、異なるコンテンツを常に表示することがある。例えば、補助的なプロジェクタ製品は、同じコンテンツを常に表示することがあり、他方で、携帯電話機の実施形態は、120に1種類のコンテンツを投影し、同時にディスプレイ210に様々なコンテンツを表示する。キーパッド220は、電話機キーパッド又はその他の任意の種類のキーパッドでもよい。
【0013】
A/Vポート208は、ビデオ信号及び/又はオーディオ信号を受け入れ及び/又は送信する。例えば、A/Vポート208は、デジタルオーディオ及びビデオデータを伝達するため適しているケーブルを受け入れるデジタルポートとすることができる。さらに、A/Vポート208は、コンポジット入力を受け入れるためRCAジャケットを含むことがある。さらに、A/Vポート208は、アナログビデオ信号を受け入れるためVGAコネクタを含むことがある。一部の実施形態では、モバイル機器200は、A/Vポート208を通して外部信号源に繋がれることがあり、モバイル機器200は、A/Vポート208を通して受け入れられたコンテンツを投影することができる。その他の実施形態では、モバイル機器208は、コンテンツの発生源でもよく、A/Vポート208は、コンテンツを異なる機器へ送信するため使用される。
【0014】
オーディオポート202は、オーディオ信号を供給する。例えば、一部の実施形態では、モバイル機器200は、オーディオ及びビデオを保存、再生することができるメディアプレーヤである。これらの実施形態では、ビデオは、120で投影され、オーディオは、オーディオポート202で出力されることがある。その他の実施形態では、モバイル機器200は、A/Vポート208でオーディオ信号及びビデオ信号を受信する補助的なプロジェクタとすることができる。これらの実施形態では、モバイル機器200は、ビデオコンテンツを120で投影し、オーディオコンテンツをオーディオポート202で出力することがある。
【0015】
モバイル機器200はまた、カードスロット206を含む。一部の実施形態では、カードスロット206に挿入されたメモリカードは、オーディオポート202で出力されるオーディオ、及び/又は、120で投影されるビデオデータの供給源を提供することがある。カードスロット206は、例えば、マルチメディア・メモリ・カード(MMC)、メモリスティックDUO、セキュアデジタル(SD)メモリカード、及び、スマート・メディア・カードを含む任意の種類の固体メモリデバイスを受け入れることができる。上記リストは、例示的であり、網羅的ではないことが意図されている。
【0016】
一部の実施形態では、2ミラー走査システム110は、720p画像又は1080p画像のような高解像度(HD)画像を表示する。これらの実施形態では、二台の別個の走査ミラーは、HDラスタ画像を作り出すために変調光源と相対的に制御される。以下でより詳細に説明されるように、2ミラー型の実施形態は、小型のまま維持されるので、モバイル機器200の形状因子は、同様に小さいまま維持される。
【0017】
図3−5は、二台の走査ミラーと単一の折り返しミラーとを含む走査システムの側面図、平面図及び斜視図である。さて、図3を参照すると、2ミラー走査システム300は、走査ミラー320及び330と、出力光学要素310とを含む。出力光学要素310の表面312は、折り返しミラーを形成する。動作中、光線302は、システム300に入射し、折り返しミラー312から反射する。走査ミラー320は、折り返しミラーから反射された光を受けるように位置合わせされ、光線を第一の次元に走査する。走査ミラー330は、走査ミラー320からの光線を受けるように位置合わせされ、この光線を第二の次元に走査する。出力光学要素310は、走査ミラー330からの光線に交差するように位置合わせされ、ここで折り返しミラー312が出力光学要素310に位置合わせされている。走査ミラー330からの光は、出力光学要素310を通過した後、走査システム300を出る。2ミラー走査システム300を出る光は、二台の走査ミラーの動作によって二次元に走査され、ラスタ画像を304に描く。
【0018】
走査ミラー320は、軸321周りの角変位を用いて前後に走査する。図3では、軸321は、紙面に示されている。図4に示されるように、走査ミラー330は、軸331周りの角変位を用いて前後に走査する。図4では、軸331は、紙面の中に示されている。二本の軸321及び331は、走査ミラー320及び330による別個の次元での走査を生じさせるように、互いに実質的に90度をなすように向けられる。
【0019】
一部の実施形態では、走査ミラー320は、「高速走査」ミラーであり、走査ミラー330は、「低速走査」ミラーであるが、これは、本発明を限定するものではない。例えば、走査ミラー320は、走査ミラー330より高速に又は低速に走査することがある。一部の実施形態では、走査ミラー320は、画像中の水平線毎に一回ずつ掃引(スイープ)することがあり、走査ミラー330は、画像中の垂直帰線毎に一回ずつ掃引することがある。当業者は、二台の走査ミラーの掃引レートと光源の変調レートとを変化させることは、様々な画像解像度に対応することを理解されるであろう。例えば、垂直掃引レートと相対的に水平掃引レートを増加させると、より多くの水平線が画像に生じ、光源の変調レートを増加させると、水平線一本当たりにより多くの画素が画像に生じる。
【0020】
走査ミラー320及び330は、説明されているように光線を走査するために適している任意の機器でもよい。例えば、一部の実施形態では、走査ミラー320及び330は、MEMS走査ミラーである。MEMS走査ミラーの運動は、一つ以上の制御信号に応答して一つ以上の作動機構によって制御されることがある。例えば、一部の実施形態では、一つ以上の導電性コイル及び/又は一つ以上の固定磁石を含む磁気作動機構が用いられることがある。他の実施形態では、静電作動機構が用いられることがある。本発明の様々な実施形態は、走査ミラー320及び330のどちらかに使用される作動機構の種類によっても限定されることはない。
【0021】
折り返しミラー312は、出力光学要素310の一部である。一部の実施形態では、折り返しミラー312は、出力光学要素310に塗布された反射コーティングを含む。他の実施形態では、折り返しミラー312は、すべての光が反射されるように、入力光線302が折り返しミラー312上で臨界角を下回る入射角を確実にとることによって形成される。さらなる実施形態では、別個のミラーが折り返しミラー312を形成するため光学要素310に貼り付け又は接合される。
【0022】
一部の実施形態では、出力光学要素310は、出力画像を変えるくさび型光学要素である。一つ以上の実施形態では、出力光学要素310は、本質的に走査ビームディスプレイ又はイメージングシステム(画像化システム)になり得る2ミラー走査システム300によって生成され、そして、軸外からの入力光線によって引き起こされる走査された光線の軌道と、走査ミラーから画像平面への変換との結果である画像の中の歪みを低減又は除去するために利用されることが可能である。代替的に、例えば、増大されるか、又は、そうでなければ分けられた歪みが用途に応じて望ましい場合、出力光学要素310は、2ミラー走査システム300によって生成された画像の中の歪みの量を分ける、又は、増大するため用いられることがある。一般に、出力光学要素310は、2ミラー走査システム300によって生成又は獲得された画像の歪みのある程度の変更をもたらすため利用されることが可能である。一つ以上の実施形態では、出力光学要素310は、一般に、光学素子、又は、光学素子の組み合わせで構成されることが可能であり、第一の表面又は平面314が第二の表面又は平面316に対して非平行角(平行ではない角度)で配置されている。一つ以上の実施形態では、このような出力光学要素310の配置は、プリズム、又は、錐台、ピラミッド形、錐などのような類似した形状の光学要素を備えることが可能であり、及び/又は、代替的には、出力光学要素310は、第一の表面314を具現化するために第一のガラス又はその他の光学材料の板を備え、第二の表面316を具現化するために第二のガラス又はその他の光学材料の板を備え、折り返しミラー312を具現化するために第三のガラス又はその他の光学材料の板を備えることができる。
【0023】
出力光学要素310を折り返しミラー312と組み合わせることは、残りの光学部品がより接近して位置合わせされることを可能とし、それによって、2ミラー走査システム300によって占有される全体的な体積を削減する。例えば、走査ミラー320及び330は、出力光学要素310により接近させ、かつ、互いにより接近させて位置合わせされる。これにより、走査ミラー330の寸法の縮小、及び、出力光学要素310の寸法の縮小という結果になる。
【0024】
一部の実施形態では、走査ミラー320は、静止時に、走査ミラー320の反射面が入力光線302に平行であるように位置合わせされるが、これは、本発明を限定するものではない。入力光線302は、実際の光線が示された断面の範囲内のどこに存在してもよいことを示すために複数の線によって表現される。出力光も同じ理由のため複数の線で示される。図3−5は、ミラーが中心に置かれたとき、及び、ミラーがこれらの角変位の頂点(角変位の最大位置)にあるときの出力光の軌道を示す。実際の動作中、光線は、連続的に掃引される。
【0025】
一部の実施形態では、出力光学要素310は、走査ミラーの一方又は両方を保持するための搭載機能を含んでいる。例えば、出力光学要素310は、折り返しミラー及び出力光学要素に対する走査ミラーを確実に適切な配置とするため、両方の走査ミラーの配置を維持する具体的な機能を含むことがある。一部の実施形態では、出力光学要素310は、同時に搭載部及び光学要素としての役割を果たすプラスチック部品である。
【0026】
図6は、二台の走査ミラー及び二台の折り返しミラーを含む走査システムの側面図である。走査システム600は、二台の折り返しミラー640及び650と、二台の走査ミラー620及び630とを含む。動作において、第一の折り返しミラー640は、入力光線602を反射するように位置合わせされ、第二の折り返しミラー650は、第一の折り返しミラー640から受けた光を反射するように位置合わせされ、第一の走査ミラー620は、第二の折り返しミラー650から光を受け、第一の次元に走査された光線を提供するように位置合わせされ、第二の走査ミラー630は、第一の走査ミラー620から光線を受け、第二の次元に走査された光線を提供するように位置合わせされ、ここで第二の走査ミラー630及び第二の折り返しミラー650は共通した基板610に結合される。
【0027】
走査ミラー630が静止時に基板610と同じ平面に存在することが示されるが、出力光604は、静止時、並びに、走査ミラーの角変位の頂点にあるとき、走査ミラー630から反射されることが示される。一部の実施形態では、走査ミラー630は、基板610と異なる平面にある一つ以上の部品を含む。好適な基板、走査ミラー、及び、折り返しミラーの様々な実施形態は、後続の図を参照して以下でさらに説明される。
【0028】
一部の実施形態では、折り返しミラー640は省略される。これらの実施形態では、入力光線は、最初に、折り返しミラー650に入射する。走査ミラー620は、折り返しミラー650から光を受け、この光を第一の次元に走査し、次に、走査ミラー630は、この光を第二の次元に走査する。
【0029】
一部の実施形態では、走査ミラー620は、「高速走査」ミラーであり、走査ミラー630は、「低速走査」ミラーであるが、これは、本発明を限定するものではない。例えば、走査ミラー620は、走査ミラー630より高速に又は低速に走査することがある。一部の実施形態では、走査ミラー620は、画像中の水平線毎に一回ずつ掃引することがあり、走査ミラー630は、画像の中で垂直帰線毎に一回ずつ掃引することがある。当業者は、二台の走査ミラーの掃引レートと光源の変調レートとを変化させることは、様々な画像解像度に対応することを理解されるであろう。例えば、垂直掃引レートと相対的に水平掃引レートを増加させると、より多くの水平線が画像に生じ、光源の変調レートを増加させると、水平線一本当たりにより多くの画素が画像に生じる。
【0030】
走査ミラー620及び630は、説明されているように光線を走査するため適している任意の機器でもよい。例えば、一部の実施形態では、走査ミラー620及び630は、MEMS走査ミラーである。走査ミラー620及び630の角運動は、一つ以上の制御信号に応答して一つ以上の作動機構によって制御されることがある。例えば、一部の実施形態では、一つ以上の導電性コイル及び/又は一つ以上の固定磁石を含む磁気作動機構が用いられることがある。他の実施形態では、静電作動機構が用いられることがある。本発明の様々な実施形態は、走査ミラー620及び630のどちらかに使用される作動機構の種類によっても限定されることはない。
【0031】
折り返しミラー650は、基板610に形成される。一部の実施形態では、折り返しミラー650は、基板610に塗布された反射コーティングを含む。他の実施形態では、別個のミラーが折り返しミラー650を形成するため基板610に貼り付け又は接合される。
【0032】
共通した基板610上で折り返しミラー650と走査ミラー630とを組み合わせることは、残りの光学部品がより接近して位置合わせされることを可能とし、それによって、2ミラー走査システム600によって占有される全体的な体積を削減する。例えば、走査ミラー620は、走査ミラー630により接近させて位置合わせすることができ、走査ミラー630の大きさに関する要件の軽減という結果になる。
【0033】
一部の実施形態では、走査ミラー620は、静止時に走査ミラー620の反射面が入力光線602に平行であるように位置合わせされるが、これは、本発明を限定するものではない。入力光線602は、実際の光線が示された断面の範囲内のどこに存在してもよいことを示すために複数の線によって表現される。出力光も同じ理由のため複数の線で示される。図6は、ミラーが中心に置かれたとき、及び、ミラーがこれらの角変位の頂点にあるときの出力光の軌道を示す。実際の動作において、光線は、連続的に掃引される。
【0034】
図7−9は、二台の走査ミラー、二台の折り返しミラー、及び、出力光学要素を含む走査システムの側面図、平面図及び斜視図である。ここで、図7を参照すると、2ミラー走査システム700は、走査ミラー720及び730と、折り返しミラー712及び750と、光学要素710とを含む。折り返しミラー711は、出力光学要素710の表面に形成される。動作中に、光線702は、システム700に入り、折り返しミラー712へ反射する。折り返しミラー750は、折り返しミラー712から反射された光を受けるように位置合わせされる。走査ミラー720は、折り返しミラー750から反射された光を受けるように位置合わせされ、第一の次元に光線を走査する。走査ミラー730は、走査ミラー720から光線を受けるように位置合わせされ、第二の次元にこの光線を走査する。出力光学要素710は、走査ミラー730からの光線に交差するように位置合わせされ、ここで、折り返しミラー712は、出力光学要素710上で位置合わせされる。走査ミラー730からの光は、出力光学要素710を通過した後、走査システム700を出る。2ミラー走査システム700を出る光は、二台の走査ミラーの動作によって二次元に走査され、ラスタ画像を704で描く。
【0035】
走査ミラー720は、軸721周りの角変位を用いて前後に走査する。図7では、軸721は、紙面に示されている。図8に示されるように、走査ミラー730は、軸731周りの角変位を用いて前後に走査する。図8では、軸731は、紙面に示されている。二本の軸721及び731は、走査ミラー720及び730による別個の次元での走査を生じさせるように、互いに実質的に90度をなすように向けられる。
【0036】
一部の実施形態では、走査ミラー720は、「高速走査」ミラーであり、走査ミラー730は、「低速走査」ミラーであるが、これは、本発明を限定するものではない。例えば、走査ミラー720は、走査ミラー730より高速に又は低速に走査することがある。一部の実施形態では、走査ミラー720は、画像中の水平線毎に一回ずつ掃引することがあり、走査ミラー730は、画像中の垂直帰線毎に一回ずつ掃引することがある。当業者は、二台の走査ミラーの掃引レートと光源の変調レートとを変化させることは、様々な画像解像度に対応することが理解されるであろう。例えば、垂直掃引レートと相対的に水平掃引レートを増加させると、より多くの水平線が画像に生じ、光源の変調レートを増加させると、水平線一本当たりにより多くの画素が画像に生じる。
【0037】
走査ミラー720及び730は、説明されているように光線を走査するために適している任意の機器でもよい。例えば、一部の実施形態では、走査ミラー720及び730は、MEMS走査ミラーである。MEMS走査ミラーの運動は、1個以上の制御信号に応答して一台以上の作動機構によって制御されてもよい。例えば、一部の実施形態では、一つ以上の導電性コイル及び/又は一つ以上の固定磁石を含む磁気作動機構が用いられてもよい。他の実施形態では、静電作動機構が用いられてもよい。本発明の様々な実施形態は、走査ミラー720及び730のどちらに使用される作動機構の種類によっても限定されることはない。
【0038】
折り返しミラー712は、出力光学要素710の一部である。一部の実施形態では、折り返しミラー712は、出力光学要素710に塗布された反射コーティングを含む。他の実施形態では、折り返しミラー712は、すべての光が反射されるように、入力光線702が折り返しミラー712上で臨界角を下回る入射角を確実にとることによって形成される。さらなる実施形態では、別個のミラーが折り返しミラー712を形成するため光学要素710に貼り付け又は接合される。
【0039】
一部の実施形態では、出力光学要素710は、出力画像を変えるくさび型光学要素である。一つ以上の実施形態では、出力光学要素710は、本質的に走査ビームディスプレイ又はイメージングシステムになり得る2ミラー走査システム700によって生成され、そして、軸外入力光線によって引き起こされる走査された光線の軌道と、走査ミラーから画像平面への変換との結果である画像の中の歪みを低減又は除去するため用いられることがある。代替的に、例えば、増大されるか、又は、そうでなければ分けられた歪みが用途に応じて望ましい場合、出力光学要素710は、2ミラー走査システム700によって生成された画像の中の歪みの量を分ける、又は、増大するため用いられることがある。一般に、出力光学要素710は、2ミラー走査システム700によって生成又は獲得された画像の歪みのある程度の変更をもたらすため利用されることがある。一つ以上の実施形態では、出力光学要素710は、一般に、光学素子、又は、光学素子の組み合わせを備えることがあり、第一の表面又は平面714が第二の表面又は平面716に対して非平行角で配置されている。一つ以上の実施形態では、このような出力光学要素710の配置は、プリズム、又は、錐台、ピラミッド形、錐などのような類似した形状の光学要素を備えることがあり、及び/又は、代替的に、出力光学要素710は、第一の表面714を具現化するためにガラス又はその他の光学材料の第一の板を備え、第二の表面716を具現化するために第二のガラス又はその他の光学材料の板を備え、折り返しミラー712を具現化するために第三のガラス又はその他の光学材料の板を備えることがある。
【0040】
出力光学要素710を折り返しミラー712と組み合わせることは、残りの光学部品がより接近して位置合わせされることを可能とし、それによって、2ミラー走査システム700によって占有される全体的な体積を削減する。例えば、走査ミラー720及び730は、出力光学要素710により接近させ、かつ、互いにより接近させて位置合わせされる。これにより、走査ミラー730の寸法の縮小、及び、出力光学要素710の寸法の縮小という結果になる。
【0041】
一部の実施形態では、折り返しミラー750及び走査ミラー730は、図6に示されるように、共通した基板上に形成される。一部の実施形態では、折り返しミラー750は、基板に塗布された反射コーティングを含む。他の実施形態では、別個のミラーが、折り返しミラー750を形成するため基板に貼り付け又は接合される。
【0042】
共通した基板上で折り返しミラー750と走査ミラー730とを組み合わせることは、残りの光学部品がより接近して位置合わせされることを可能とし、それによって、2ミラー走査システム700によって占有される全体的な体積を削減する。例えば、走査ミラー720は、走査ミラー730により接近させて位置合わせすることができ、走査ミラー730の大きさに関する要件の軽減という結果になる。これは、さらに、走査ミラー720への入射角をより小さくすることを可能とし、パッケージの小型化および歪みの低減という結果になる。
【0043】
一部の実施形態では、走査ミラー720は、静止時に走査ミラー720の反射面が入力光線702に平行であるように位置合わせされるが、これは、本発明を限定するものではない。入力光線702は、実際の光線が示された断面の範囲内のどこに存在してもよいことを示すために複数の線によって表現される。出力光も同じ理由のため複数の線で示される。図7−9は、ミラーが中心に置かれたとき、及び、ミラーがこれらの角変位の頂点にあるときの出力光の軌道を示す。実際の動作において、光線は、連続的に掃引される。
【0044】
一部の実施形態では、出力光学要素710は、2ミラー走査システム700内部の他の部品を保持する搭載機能を含む。例えば、出力光学要素710は、折り返しミラー750及び走査ミラー730が搭載される基板を保持するための機能を含むことがある。同様に、例えば、出力光学要素710は、走査ミラー720の配置を維持するための機能を含むことがある。これらの搭載機能を出力光学要素710の一部として設けることは、折り返しミラー及び出力光学要素に対する走査ミラーの適切な配置を可能とする。一部の実施形態では、出力光学要素710は、同時に搭載部及び光学要素としての役割を果たすプラスチック部品である。
【0045】
図10は、走査プラットフォーム(走査のための基本構造)及び一体型折り返しミラーを含む基板を示す。基板1000は、走査プラットフォーム1030及び一体型折り返しミラー1050を有していることが示される。基板1000は、シリコンのようなMEMS機器に適した材料から形成されることがあるが、本発明はこれに限定されない。
【0046】
走査プラットフォーム1030は、面1032を含む。一部の実施形態では、面1032は、反射性であり、ミラーとしての役割を果たす。これらの実施形態では、走査プラットフォーム1030は、走査ミラーである。これらの実施形態では、走査ミラーが静止しているときの基板1000の側面図は、基板610(図6)に類似しているように見える。
【0047】
走査プラットフォーム1030は、湾曲部1002及び1004によってプラットフォーム1000に連結される。駆動機構部(図示せず)は、湾曲部1002及び1004によって作り出される軸周りの基板1000に対する調節可能な角変位を、走査プラットフォーム1030が受けるように引き起こす。いかなる種類の駆動機構部でも本発明の範囲から逸脱することなく使用することができる。例えば、磁気作動機構又は静電機構が用いられてもよい。
【0048】
折り返しミラー1050は、基板1000と一体化された固定ミラーである。一部の実施形態では、折り返しミラー1050は、基板1000に反射コーティングを含み、他の実施形態では、折り返しミラー1050は、基板1000に貼り付けられ又は接合された反射機器を含む。折り返しミラー1050の反射面は、基板1000に平行でもよく、又は、基板1000に平行でなくてもよい。例えば、一部の実施形態では、反射コーティングが、基板1000に平行である折り返しミラー1050を形成するため基板1000に塗布される。他の実施形態では、非平行面(平行ではない面)を有するミラーが基板1000に平行ではない折り返しミラー1050を形成するため基板1000に接合されることがある。
【0049】
基板1000は、上記実施形態のいずれでも利用されてもよい。例えば、基板1000は、図6を参照して説明された実施形態における基板610として使用されてもよい。同様に、例えば、基板1000は、走査ミラー730が走査プラットフォーム1030に対応し、折り返しミラー750が折り返しミラー1050に対応する図7−9を参照して記載された実施形態において使用されることがある。
【0050】
図11は、一体型折り返しミラーと、走査プラットフォームに貼り付けられた反射機器を含む基板を示す。図11に示されるように、基板1000に連結された走査プラットフォームは、この走査プラットフォームに貼り付け又は接合されたミラー1130を有してもよい。ミラー1130は、反射面1132を含む。静止時に、反射面1132は、折り返しミラー1050に平行であるが、異なる平面にある。一部の実施形態では、折り返しミラー1050は、ミラー1030の厚さに類似した厚さを有し、ミラー1130が静止しているとき、折り返しミラーとミラーとは、実質的に同じ平面内にある。
【0051】
ミラー1131は、矩形として示されるが、これは、本発明を限定するものではない。例えば、様々な寸法又は形状のミラーを使用することができる。ミラー1130の大きさを変更することは、走査ミラーの内部性質を変化させ、これは、システム全体を設計するときに有利なように使用することが可能となる。
【0052】
図12は、走査された光線の歪みを示す。スポット1210、1220及び1230は、左右に走査されたとき、走査されたレーザ光線の相対的なスポット形状を示す。これは、第二の走査ミラー(図3の330、図6の630、図7の730、及び、図11の1130)への光線入射が反射面の全域に亘って一様な厚さの直線を生じさせないかもしれないことを例証するために、やや誇張されて示される。1210及び1230での光線とミラーの反射面との間の入射角が大きいほど、スポットは拡散する。
【0053】
図13は、一体型折り返しミラーと、走査プラットフォームに貼り付けられた反射機器とを含む基板を示す。基板1000は、図10及び11に示された基板と同じである。図13に示されるように、基板1000に連結された走査プラットフォームは、ミラー1330が貼り付けられるか、又は、接合されてもよい。ミラー1330は、反射面1332を含む。ミラー1330の形状は、非円形であり、かつ、非矩形である(円形ではなく、且つ矩形ではない)。様々な実施形態では、ミラー1330は、様々な形状をもつことがある。図13に示された形状は、図12におけるスポット形状の包絡線に対応するが、これは、本発明を限定するものではない。
【0054】
静止時に、反射面1332は、折り返しミラー1050に平行であるが、異なる平面にある。一部の実施形態では、折り返しミラー1050は、ミラー1330の厚さに類似した厚さを有し、ミラー1050が静止しているとき、折り返しミラーとミラーは、実質的に同じ平面内にある。
【0055】
図14は、本発明の様々な実施形態による、くさび型光学要素を介した画歪み(画像の歪み)の変化を例示する図である。図14に示されるような画像1400が、2ミラー走査システムによって表示可能である。画像1400は、軸外の光線を様々な折り返しミラー及び走査ミラーへ供給することから生じる画歪みをもつことがあり、この画歪みは、軸外からの入力光線によって引き起こされる走査された光線の軌道と、走査ミラーから画像平面への変換との結果である。軸外からの光線の供給に起因するこのような画歪みは、キーストーン歪み又はスマイル歪みとも称される画像1400の非四角形レイアウト1402という結果をもたらすことがある。このような画歪みは、画像1400が実際には平坦な表面に投影されているときに、球面に投影された直線的な画像の変化に類似することがある。スマイル歪みは、極座標から直線又は直交座標への画像データの再マッピング(対応関係の再定義)の結果であるリマッピング歪みと呼ばれることもある。一つ以上の実施形態では、出力光学要素310(図3−5)及び710(図7−10)は、上述のような出力光学要素310及び710の表面314、714に対する表面312、712の概ねくさび形状の配置によって、画像1400のほぼ正方形の直線的なレイアウトを生ずるためこのような画像歪みを補正する能力がある。一つ以上の実施形態では、図14に示されるようなこのスマイル歪みの実施例は、出力光学要素が使用されていないとき、画像1400の約13%の歪みを表すことがある。様々な2ミラー走査システムの実施形態において出力光学要素を使用することにより、歪みは、約5%以下まで低減されることがあるが、発明の実施形態は、この点に関して限定されない。
【0056】
本発明は、ある種の実施形態と関連して説明されたが、当業者が容易に理解するように、変更及び変形が本発明の範囲から逸脱することなく行われてもよいことが理解されるべきである。このような変更及び変形は、本発明と添付の特許請求の範囲に記載された事項の範囲内であると判断されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に連結され、名目上は前記基板に平行であり、第一の次元に調節可能な角変位を生じさせるように動作が可能な第一の走査ミラーと、
前記基板に位置合わせされ、前記基板に平行である折り返しミラーと、
前記折り返しミラーから反射された光を受け、光を前記第一の走査ミラーへ反射するように位置合わせされ、前記第一の次元から実質的に90度をなす第二の次元に角変位を生じさせるように動作が可能な第二の走査ミラーと、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記基板は、シリコン基板を備え、前記折り返しミラーは、前記シリコン基板に反射面を備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第一の走査ミラーは、微小電気機械(MEMS)走査プラットフォームを備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
入力光線を前記基板に位置合わせされた前記折り返しミラーへ反射するため第二の折り返しミラーをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第一の走査ミラーは、非円形形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
入力光線を反射する第一の折り返しミラーと、
前記第一の折り返しミラーから受けた光を反射する第二の折り返しミラーと、
前記第二の折り返しミラーから光を受け、第一の次元に走査された光線を供給するように位置合わせされた高速走査ミラーと、
前記高速走査ミラーから光線を受け、第二の次元に走査された光線を供給するように位置合わせされた低速走査ミラーとであって、前記低速走査ミラーと前記第二の折り返しミラーとは共通した基板に連結されている前記低速走査ミラーと、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項7】
前記低速走査ミラーは、前記共通した基板から形成された微小電気機械システム(MEMS)機器を備えていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第二の折り返しミラーは、前記共通した基板の反射部分を備えていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記低速走査ミラーは、前記MEMS機器に接合された反射素子をさらに備えていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記入力光線は、静止時に、前記高速走査ミラーに実質的に平行であることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項11】
入力光線を反射する折り返しミラーと、
前記折り返しミラーからの光を受け、第一の次元に走査された光線を供給するように位置合わせされた第一の走査ミラーと、
前記第一の走査ミラーから光線を受け、第二の次元に走査された光線を供給するように位置合わせされた第二の走査ミラーと、
前記第二の走査ミラーからの光線に交差するように位置合わせされた出力光学要素であって、前記折り返しミラーは前記出力光学要素に位置合わせされている、前記出力光学要素装置と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項12】
前記出力光学要素は、くさび型の要素を備えていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第一の走査ミラーは、前記第二の走査ミラーより高速で走査するための動作が可能であることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項14】
変調レーザ光を生成するレーザ光源と、
変調レーザ光を反射する第一の折り返しミラーと、
前記第一の折り返しミラーから受けた光を反射する第二の折り返しミラーと、
前記第二の折り返しミラーから光を受けるように位置合わせされた第一の走査ミラーと、
前記第一の走査ミラーから光線を受けるように位置合わせされた第二の走査ミラーであって、前記第二の走査ミラーと前記第二の折り返しミラーとは共通した基板に連結されている、前記第二の走査ミラーと、
を備えていることを特徴とするモバイル投影機器。
【請求項1】
基板と、
前記基板に連結され、名目上は前記基板に平行であり、第一の次元に調節可能な角変位を生じさせるように動作が可能な第一の走査ミラーと、
前記基板に位置合わせされ、前記基板に平行である折り返しミラーと、
前記折り返しミラーから反射された光を受け、光を前記第一の走査ミラーへ反射するように位置合わせされ、前記第一の次元から実質的に90度をなす第二の次元に角変位を生じさせるように動作が可能な第二の走査ミラーと、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記基板は、シリコン基板を備え、前記折り返しミラーは、前記シリコン基板に反射面を備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第一の走査ミラーは、微小電気機械(MEMS)走査プラットフォームを備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
入力光線を前記基板に位置合わせされた前記折り返しミラーへ反射するため第二の折り返しミラーをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第一の走査ミラーは、非円形形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
入力光線を反射する第一の折り返しミラーと、
前記第一の折り返しミラーから受けた光を反射する第二の折り返しミラーと、
前記第二の折り返しミラーから光を受け、第一の次元に走査された光線を供給するように位置合わせされた高速走査ミラーと、
前記高速走査ミラーから光線を受け、第二の次元に走査された光線を供給するように位置合わせされた低速走査ミラーとであって、前記低速走査ミラーと前記第二の折り返しミラーとは共通した基板に連結されている前記低速走査ミラーと、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項7】
前記低速走査ミラーは、前記共通した基板から形成された微小電気機械システム(MEMS)機器を備えていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第二の折り返しミラーは、前記共通した基板の反射部分を備えていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記低速走査ミラーは、前記MEMS機器に接合された反射素子をさらに備えていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記入力光線は、静止時に、前記高速走査ミラーに実質的に平行であることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項11】
入力光線を反射する折り返しミラーと、
前記折り返しミラーからの光を受け、第一の次元に走査された光線を供給するように位置合わせされた第一の走査ミラーと、
前記第一の走査ミラーから光線を受け、第二の次元に走査された光線を供給するように位置合わせされた第二の走査ミラーと、
前記第二の走査ミラーからの光線に交差するように位置合わせされた出力光学要素であって、前記折り返しミラーは前記出力光学要素に位置合わせされている、前記出力光学要素装置と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項12】
前記出力光学要素は、くさび型の要素を備えていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第一の走査ミラーは、前記第二の走査ミラーより高速で走査するための動作が可能であることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項14】
変調レーザ光を生成するレーザ光源と、
変調レーザ光を反射する第一の折り返しミラーと、
前記第一の折り返しミラーから受けた光を反射する第二の折り返しミラーと、
前記第二の折り返しミラーから光を受けるように位置合わせされた第一の走査ミラーと、
前記第一の走査ミラーから光線を受けるように位置合わせされた第二の走査ミラーであって、前記第二の走査ミラーと前記第二の折り返しミラーとは共通した基板に連結されている、前記第二の走査ミラーと、
を備えていることを特徴とするモバイル投影機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2012−522266(P2012−522266A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502155(P2012−502155)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/028229
【国際公開番号】WO2010/111216
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(505472816)マイクロビジョン,インク. (29)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/028229
【国際公開番号】WO2010/111216
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(505472816)マイクロビジョン,インク. (29)
【Fターム(参考)】
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