説明

二弗化燐酸リチウムの製造方法、非水系電解液の製造方法、非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池

【課題】従来は高価且つ入手困難であった二弗化燐酸塩を、安価且つ入手容易な材料から簡便に効率よく、高い純度で得る。また、安全性を損なうこと無く、低温放電特性や大電流放電特性に優れ、なおかつ、高温保存特性やサイクル特性にも優れる電池を製造する。
【解決手段】六弗化燐酸塩と、分子中に下記式(1)で表わされる結合を有する化合物とを反応させる。


また、イオンを吸蔵及び放出し得る負極及び正極と非水系電解液とを備える非水系電解液二次電池に用いられる非水系電解液であって、少なくとも一種の非水系溶媒、六弗化燐酸塩及び下記式(1)で表される結合を有する化合物を混合した後に、系中に新たに生成した式(1)で表される結合を有する化合物より沸点の低い化合物を除去して得られた混合物を用いて調製されることを特徴とする、非水系電解液。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
六弗化燐酸塩と、分子中に下記式(1)で表わされる結合を有する化合物とを反応させる工程を少なくとも有する
ことを特徴とする、二弗化燐酸リチウムの製造方法。
【化1】

【請求項2】
上記式(1)で表わされる結合を有する化合物が、下記式(2)で表わされる化合物である
ことを特徴とする、請求項1記載の二弗化燐酸リチウムの製造方法。
【化2】

(式中、X1〜X6は、各々独立に、置換基を有していてもよい炭化水素基、又は下記式(3)で表わされる基である。但し、X1〜X6のうち任意の二つ以上が互いに結合して環状構造を形成してもよい。)
【化3】

(式中、Y1〜Y3は各々独立に、置換基を有していてもよい炭化水素基を表わす。或いは、Y1〜Y3のうち一又は二以上の基が、更に、式(3)で表わされる基で置換されることにより、式(3)で表わされる基を複数連結した構造となっていてもよい。なお、同一符号の基が複数存在する場合、それらは互いに同一でもよく、異なっていてもよい。)
【請求項3】
上記式(2)で表わされる化合物が、下記の式(4)、式(5)、及び式(6)の何れかで表わされる化合物である
ことを特徴とする、請求項2記載の二弗化燐酸リチウムの製造方法。
【化4】

【化5】

【化6】

(式中、Z1〜Z14は、各々独立に、置換基を有していてもよい炭化水素基を表わす。Z1〜Z8からなる群、Z9〜Z10からなる群、及びZ11〜Z14からなる群の各群において、任意の二つ以上の基が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。p及びsは0以上の整数であり、rは1以上の整数であり、qは2以上の整数である。また、r+s=4を満たす。但し、同一の分子内に同一の符号を有する置換基が複数ある場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。)
【請求項4】
上記式(4)におけるZ1〜Z8、上記式(5)におけるZ9〜Z10、並びに上記式(6)におけるZ11〜Z14が、各々独立に、メチル基、エチル基及びn−プロピル基の何れかである
ことを特徴とする、請求項3記載の二弗化燐酸リチウムの製造方法。
【請求項5】
六弗化燐酸塩が、周期表の第1族、第2族、及び第13族から選択される一以上の金属の塩、及び/又は、4級オニウムの塩である
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の二弗化燐酸リチウムの製造方法。
【請求項6】
反応時に溶媒を用いるとともに、二弗化燐酸リチウムを溶媒中から析出させて製造することを特徴とする、請求項1〜5の何れかに一項に記載の二弗化燐酸リチウムの製造方法。
【請求項7】
反応に用いる六弗化燐酸塩のモル数に対する、上記式(1)で表わされる結合を有する化合物の当該結合のモル数の比が、4倍以上である
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の二弗化燐酸リチウムの製造方法。
【請求項8】
反応時に溶媒を用いるとともに、該溶媒の体積に対する六弗化燐酸塩のモル数の比率が、2mol・kg-1以上である
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の二弗化燐酸リチウムの製造方法。
【請求項9】
反応時に溶媒を用いるとともに、溶媒として炭酸エステル及びカルボン酸エステルの少なくとも一方を用いる
ことを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載の二弗化燐酸リチウムの製造方法。
【請求項10】
イオンを吸蔵及び放出し得る負極及び正極と非水系電解液とを備える非水系電解液二次電池に用いられる非水系電解液であって、
非水系溶媒、六弗化燐酸塩及び下記式(1)で表される結合を有する化合物を混合し、該混合物から前記式(1)で表される結合を有する化合物よりも沸点の低い低沸成分を除去することにより得られた混合物から調製される
ことを特徴とする、非水系電解液。
【化7】

【請求項11】
上記式(1)で表わされる結合を有する化合物が、下記式(2)で表わされる化合物である
ことを特徴とする、請求項10記載の非水系電解液。
【化8】

(式中X1〜X6は、各々独立に、置換基を有していてもよい炭化水素基、又は下記式(3)で表わされる基である。ただし、X1〜X6のうち任意の二つ以上が互いに結合して環状構造を形成してもよい。)
【化9】

(式中Y1〜Y3は各々独立に、置換基を有していてもよい炭化水素基を表わす。或いは、Y1〜Y3のうち一又は二以上の基が、更に、式(3)で表わされる基で置換されることにより、式(3)で表わされる基を複数連結した構造となっていてもよい。なお、同一符号の基が複数存在する場合、それらは互いに同一でもよく、異なっていてもよい。)
【請求項12】
上記式(2)で表わされる化合物が、下記の式(4)、式(5)、及び式(6)の何れかで表わされる化合物である
ことを特徴とする、請求項11記載の非水系電解液。
【化10】

【化11】

【化12】

(式中Z1〜Z14は、各々独立に、置換基を有していてもよい炭化水素基を表わす。Z1〜Z8からなる群、Z9〜Z10からなる群、及びZ11〜Z14からなる群の各群において、任意の二つ以上の基が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。p及びsは0以上の整数であり、rは1以上の整数であり、qは2以上の整数である。また、r+s=4を満たす。ただし、同一の分子内に同一の符号を有する置換基が複数ある場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。)
【請求項13】
上記式(4)におけるZ1〜Z8、上記式(5)におけるZ9〜Z10、並びに上記式(6)におけるZ11〜Z14が、各々独立に、メチル基、エチル基、及びn−プロピル基の何れかである
ことを特徴とする、請求項12記載の非水系電解液。
【請求項14】
上記六弗化燐酸塩が、周期表の第1族、第2族、及び第13族から選択される一以上の金属の塩、及び/又は、4級オニウムの塩である
ことを特徴とする、請求項10〜13の何れか一項に記載の非水系電解液。
【請求項15】
上記非水系溶媒として炭酸エステル、及び/又はカルボン酸エステルを用いる
ことを特徴とする、請求項10〜14の何れか一項に記載の非水系電解液。
【請求項16】
上記非水系電解液の重量に対する、上記式(1)で表わされる結合を有する化合物の、上記式(1)で表される部位のO原子の合計重量の比が、0.00001以上、0.02以下である
ことを特徴とする、請求項10〜15の何れか一項に記載の非水系電解液。
【請求項17】
不飽和結合及びハロゲン原子の少なくとも一方を有する炭酸エステルを、0.01重量%以上、70重量%以下の濃度で含有する
ことを特徴とする、請求項10〜16の何れか一項に記載の非水系電解液。
【請求項18】
上記の不飽和結合及びハロゲン原子の少なくとも一方を有する炭酸エステルが、炭酸ビニレン、ビニル炭酸エチレン、フルオロ炭酸エチレン、及びジフルオロ炭酸エチレン、並びにこれらの誘導体よりなる群から選ばれる1種以上の炭酸エステルである
ことを特徴とする、請求項17記載の非水系電解液。
【請求項19】
環状エステル化合物を含有する
ことを特徴とする、請求項10〜18の何れか一項に記載の非水系電解液。
【請求項20】
鎖状エステル化合物を含有する
ことを特徴とする、請求項10〜19の何れか一項に記載の非水系電解液。
【請求項21】
イオンを吸蔵及び放出し得る負極及び正極と非水系電解液とを備える非水系電解液二次電池に用いられる非水系電解液の製造方法であって、
非水系溶媒、六弗化燐酸塩及び下記式(1)で表される結合を有する化合物を混合し、前記混合により新たに生成した、前記式(1)で表される結合を有する化合物よりも沸点の低い低沸点化合物を除去する工程を有する
ことを特徴とする、非水系電解液の製造方法。
【化13】

【請求項22】
イオンを吸蔵及び放出し得る負極及び正極と非水系電解液とを備える非水系電解液二次電池であって、
該非水系電解液が、非水系溶媒、六弗化燐酸塩及び下記式(1)で表される結合を有する化合物を混合し、該混合物から前記式(1)で表される結合を有する化合物よりも沸点の低い低沸点化合物を除去することにより得られた混合物を含有する
ことを特徴とする、非水系電解液二次電池。
【化14】

【請求項23】
請求項1〜9の何れか一項に記載の製造方法により製造された
ことを特徴とする、二弗化燐酸リチウム。
【請求項24】
請求項23に記載の二弗化燐酸リチウムを含有してなる
ことを特徴とする、非水系電解液。
【請求項25】
イオンを吸蔵及び放出し得る負極及び正極と非水系電解液とを備える非水系電解液二次電池であって、
該非水系電解液が、請求項24記載の非水系電解液である
ことを特徴とする、非水系電解液二次電池。

【公開番号】特開2013−56829(P2013−56829A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−247670(P2012−247670)
【出願日】平成24年11月9日(2012.11.9)
【分割の表示】特願2007−216438(P2007−216438)の分割
【原出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】