二成分混合容器
【課題】混合時の操作が簡単で、使用時に小さな力で確実に開栓することができ、しかも多種類の成分を適宜組み合わせることのできる二成分混合容器を提供する。
【解決手段】上側筒状体3と下側筒状体1を備え、上側筒状体3内に配設した混合物吐出手段4より下側位置で上側筒状体3内を破断可能な上側シート材26で閉塞し、この上側シート材26上に粉末Bを収容し、下側筒状体1の底壁12から立設した吸い上げ筒部16の上側位置で下側筒状体1内を破断可能な下側シート材14で閉塞し、この下側シート材14下に液状化粧料Aを収容し、上側筒状体3のねじ部23aと下側筒状体1のねじ部11aとをら合させ、上側筒状体3に対して下側筒状体1を相対的に進入させることにより、上記両筒状体1,3の少なくとも一方に設けた破断手段で上記両シート材14,26を破断し、上側筒状体1内の粉末Bを流出させて下側筒状体1内に流入させている。
【解決手段】上側筒状体3と下側筒状体1を備え、上側筒状体3内に配設した混合物吐出手段4より下側位置で上側筒状体3内を破断可能な上側シート材26で閉塞し、この上側シート材26上に粉末Bを収容し、下側筒状体1の底壁12から立設した吸い上げ筒部16の上側位置で下側筒状体1内を破断可能な下側シート材14で閉塞し、この下側シート材14下に液状化粧料Aを収容し、上側筒状体3のねじ部23aと下側筒状体1のねじ部11aとをら合させ、上側筒状体3に対して下側筒状体1を相対的に進入させることにより、上記両筒状体1,3の少なくとも一方に設けた破断手段で上記両シート材14,26を破断し、上側筒状体1内の粉末Bを流出させて下側筒状体1内に流入させている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二成分を混合して得られる化粧料等の上記二成分をそれぞれ隔離状態で収容し、使用時等に混合することのできる二成分混合容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、化粧料,整髪料,飲料等として様々なものが開発されて市場に出回っているが、そのなかで、美容成分,栄養成分等が含有される粉末や錠剤を液状化粧料,飲料等に混合して使用するものがある。ところが、このものでは、粉末等を予め液状化粧料等に混合させていると、美容成分や栄養成分の化学変化等によりその効力が失われてしまうという問題がある。このため、未使用時には粉末等と液状化粧料等とを別々に隔離した状態にして収容し、使用の際に、両者を混合して使用することが必要になる。
【0003】
そこで、粉末等と液状化粧料等とを別々に隔離した状態で収容し、使用時にそれらを混合して使用することができる容器として、図13に示すような二成分混合容器が提案されている。この二成分混合容器は、有天円筒状に形成されその天井壁からノズル部51aが突設された上側容器51と、この上側容器51の下端開口部に着脱自在に固定される有底円筒状の下側容器52と、上記上側容器51のノズル部51aを蓋するキャップ53とを備えている。また、上記下側容器52が、内部に液体化粧料54が収容された有底円筒状のエッセンス容器55と、このエッセンス容器55の上端開口部に固定される円筒状のパウダー容器56とで構成されており、このパウダー容器56内に、内部に粉末57が収容された有底円筒状のパウダー収容部56aが配設されており、上記パウダー容器56およびパウダー収容部56aの上端開口部にシール材58が剥離可能に接着されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、使用時には、まず、上側容器51を下側容器52から取り外し、ついで、この下側容器52の上端開口部からシール材58を手指で摘んで剥がし、つぎに、下側容器52に、キャップ53でノズル部51aを蓋した上側容器51を取り付け、その状態で上側容器51,下側容器52を逆さにして上側容器51内の液体化粧料54とパウダー収容部56a内の粉末57とを下側容器52内に流入させて(図14参照)ここで混合させる。この混合ののち、キャップ53をノズル部51aから取り外し、上側容器51,下側容器52を所定の下向き角度に傾けて上側容器51の胴部を手指で押圧し、ノズル部51aから混合液を吐出させることを行う。
【特許文献1】特開平10−42944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の二成分混合容器では、エッセンス容器55内の液体化粧料54とパウダー収容部56a内の粉末57とを混合させる際には、下側容器52の上端開口部からシール材58を手指で摘んで剥がしたのち下側容器52に上側容器51を取り付け、その状態で上側容器51,下側容器52を逆さにしなければならず、この操作が難しくて判りにくいという問題がある。しかも、シール材58を下側容器52の上端開口部から手指で摘んで剥がすのに、大きな力を必要とし、また、場合によってはシール材58を下側容器52の上端開口部から完全に剥がすことができないという問題がある。しかも、エッセンス容器55内に液体化粧料54を収容し、パウダー容器56内に粉末57を収容した状態で、これらパウダー容器56,パウダー収容部56aの上端開口部にシール材58を接着しているため、下側容器52として、所定の液体化粧料54と所定の粉末57とを組み合わせた一種類のものしか、予め用意しておくことができないという問題もある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、混合時の操作が簡単で、使用時に小さな力で確実に開栓することができ、しかも、多種類の成分を適宜組み合わせることのできる二成分混合容器の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の二成分混合容器は、それ自体の下部に係合部が形成された有天筒状の上側筒状体と、それ自体の上部に上記係合部と進退自在に係合する被係合部が形成された有底筒状の下側筒状体とを備え、上記上側筒状体の内部に混合物吐出手段を配設するとともに、この混合物吐出手段より下側位置で上記上側筒状体の内部を破断可能な上側シート材で閉塞して、この上側シート材上に第1成分を収容し、上記下側筒状体の底壁から混合物吸い上げ用の筒状部を立設するとともに、この筒状部の上側位置で上記下側筒状体の内部を破断可能な下側シート材で閉塞して、この下側シート材下に第2成分を収容し、上記上側筒状体の係合部を下側筒状体の被係合部に係合させた状態で上側筒状体に対して下側筒状体を相対的に進入させることにより、上記両筒状体の少なくとも一方に設けた破断手段で上記両シート材を破断し、上記上側筒状体内の第1成分を流出させて下側筒状体内に流入させるとともに、上記混合物吐出手段の吸い上げ口部に上記筒状部の上端開口部を連結させるように構成したという構成をとる。
【発明の効果】
【0008】
すなわち、本発明の二成分混合容器は、それ自体の下部に係合部が形成された有天筒状の上側筒状体と、それ自体の上部に上記係合部と進退自在に係合する被係合部が形成された有底筒状の下側筒状体とを備えている。また、上記上側筒状体の内部に混合物吐出手段を配設するとともに、この混合物吐出手段より下側位置で上記上側筒状体の内部を破断可能な上側シート材で閉塞して、この上側シート材上に第1成分を収容し、上記下側筒状体の底壁から混合物吸い上げ用の筒状部を立設するとともに、この筒状部の上側位置で上記下側筒状体の内部を破断可能な下側シート材で閉塞して、この下側シート材下に第2成分を収容している。そして、上記上側筒状体の係合部を下側筒状体の被係合部に係合させた状態で上側筒状体に対して下側筒状体を相対的に進入させることにより、上記両筒状体の少なくとも一方に設けた破断手段で上記両シート材を破断し、上記上側筒状体内の第1成分を流出させて下側筒状体内に流入させるとともに、上記混合物吐出手段の吸い上げ口部に上記筒状部の上端開口部を連結させるように構成している。したがって、内部に第1成分を収容した上側筒状体と、内部に第2成分を収容した下側筒状体とを係合させることにより、1個の容器内に異なる二成分を隔離した状態で収容することができる。
【0009】
そして、使用時には、上記上側筒状体に対して下側筒状体を相対的に進入させることを行う。これにより、上記両筒状体の少なくとも一方に設けた破断手段で上記両シート材を破断し、上記上側筒状体から第1成分を流出させて下側筒状体内に流入させ、下側筒状体内の第2成分と混合させることができる。また、このとき、上記混合物吐出手段の吸い上げ口部に混合物吸い上げ用の筒状部の上端開口部を連結させることができるため、上記混合物吐出手段を利用し、下側筒状体内の混合物(第1成分と第2成分との混合物)を上記筒状部を介して吸い上げて所望の場所に吐出することができる。
【0010】
このように、本発明の二成分混合容器では、上記上側筒状体に対して下側筒状体を相対的に進入させるだけで、上側筒状体内の第1成分と下側筒状体内の第2成分とを混合させることができ、混合時の操作が簡単である。しかも、上側筒状体に対して下側筒状体を相対的に進入させることで、上記両筒状体の少なくとも一方に設けた破断手段により、確実に両シート材を破断する(すなわち、開栓する)ことができる。しかも、使用時には、混合物吐出手段を利用して混合物を所望の場所に吐出することができ、簡単に使用することができる。しかも、異なった種類の成分を収容した多数の(多種類の)上側筒状体および下側筒状体を予め用意しておき、これらを適宜組み合わせることで、上記両成分を多種類に組み合わせて収容することができる。なお、本発明の二成分混合容器において、二成分とは、液体,粉末,錠剤等の各成分のなかの、同種類(例えば、液体と液体)もしくは異種類(例えば、液体と粉末、液体と錠剤)の二成分を指す。
【0011】
また、上記係合部がねじ部で、上記被係合部が、上記ねじ部にら合するねじ部であると、簡単な構造で、上側筒状体に対し下側筒状体を進退自在に構成することができる。
【0012】
また、上記両筒状体の間にストッパーが固定されていると、このストッパーを取り外さないと、上記両筒状体を相対的に進退させることができないため、誤って上記両筒状体を相対的に進退させるということがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。ただし、これに限定されるわけではない。
【0014】
図1および図2は本発明の二成分混合容器の一実施の形態を示している。この実施の形態では、二成分混合容器として、美容成分等を含有した粉末(第2成分)Bを液状化粧料(第1成分)Aに混合して使用する二成分混合容器(図2参照)が用いられている。これらの図において、1は液状化粧料Aを収容する有底円筒状の下側筒状体であり、図3に示すように、円筒状に形成された周側壁11と、この周側壁11の下端開口部を液密状に閉塞する底壁12とからなっている。
【0015】
上記周側壁11には、その上部外周面に、後述する上側筒状体3のねじ部23aにら合するねじ部(被係合部)11aが形成されている。また、上記周側壁11には、その上端部内周面から環状突部13aが円環状に突設されているとともに、この環状突部13aの上面内周部から円筒部13bが立設されており、この円筒部13bの上端面に、アルミニウム箔等からなる円形の下側シート材14が接着,固定されている。この下側シート材14は、上記円筒部13bの上端開口部を液密状に閉塞しており、その下側に(上記周側壁11内に)液状化粧料Aが収容されている。また、上記円筒部13bの上端部は、後述する上側シート材26を破断する破断手段としても作用する。図3において、11bは上記周側壁11の下端部内周面に形成された係合段部であり、上記底壁12の係合突部15aに外嵌状で回動不能にかつ液密状に係合している。
【0016】
上記底壁12は、円盤状に形成された底板部15と、この底板部15の上面中央部から立設された円筒状の吸い上げ筒部(混合物吸い上げ用の筒状部)16とからなり、この吸い上げ筒部16の中央孔16aの上端部内周面に、後述するポンプ装置31の管状体33の下端部に外嵌状に係合する円環状段部17が形成されている。また、上記吸い上げ筒部16には、その上端面(上記円環状段部17の外側部分)から所定間隔をあけて複数の突部18が突設されている。また、上記吸い上げ筒部16の下端部には1個もしくは複数個(この実施の形態では、2個)の連通孔16bが穿設されており、この連通孔16bを介して上記吸い上げ筒部16の中央孔16aと周側壁11の内部空間とが連通されている。図3において、15aは上記底板部15の外周面下部から突設された係合突部であり、上記周側壁11の係合段部11bに内嵌状で回動不能にかつ液密状に係合している。
【0017】
2は上記両筒状体1,3の間に配設される円環状のストッパーであり、未使用時に上側筒状体3が下降するのを阻止する作用をする。このストッパー2は、図4および図5に示すように、上記下側筒状体1の周側壁11のねじ部11aの下部外周に円環状に巻回される本体部20(図2参照)と、この本体21の一側部から突設された引き離し片21とで構成されており、上記本体部20の他側部にこれを縦断するようにして切り離し用薄肉部20aが形成されている。そして、上記引き離し片21を外側に引っ張ると、切り離し用薄肉部20aが切離して本体部20を下側筒状体1から取り外すことができるようにしている。
【0018】
3は粉末Bを収容する上側筒状体であり、図6に示すように、円筒状に形成された外側周側壁23と、この外側周側壁23に抜け止め状(上下動不能)で回動不能に固定される略円筒状の内側周側壁24とを備えており、この内側周側壁24に混合物吐出手段4が固定されている。上記外側周側壁23には、その中央孔23bの下部に、上記下側筒状体1のねじ部11aにら合するねじ部(係合部)23aが形成されており、また、上記中央孔23bの上端部から、上記内側周側壁24の係合突部24bに抜け止め状で回動不能に係合する係合突部23cが突設されている。
【0019】
上記内側周側壁24は有天円筒状に形成されており、その下端面には、上記下側筒状体1の円筒部13bが昇降自在に挿入される円環状のガイド溝部25が形成されている。また、上記内側周側壁24には、その下端面外周部(上記ガイド溝部25の外側部分)に、アルミニウム箔等からなる円形の上側シート材26が接着,固定されている。この上側シート材26は、上記内側周側壁24の下端開口部を液密状に閉塞しており、その上側に(上記内側周側壁24内に)粉末Bが収容されている。また、上記内側周側壁24には、その中央孔24aの下端部(上記ガイド溝部25の下端部に対応する部分)が切欠き形成されており、この切欠き形成から、上記下側シート材14を破断する複数個の刃部(破断手段)27が突設されている。図6において、24bは上記外側周側壁23の係合突部23cに抜け止め状で回動不能に係合する係合突部である。
【0020】
また、上記内側周側壁24の天井壁28には、その外周面から円環状の鍔部28aが突設されて上記外側周側壁23の上端面に載置されている。また、上記天井壁28には、その中央部に貫通孔28bが穿設されており、この貫通孔28bに、上記混合物吐出手段4が固定されている。また、上記天井壁28には、その上面から、上記貫通孔28bを取り囲むようにして環状突部29が突設されており、この環状突部29内に上記混合物吐出手段4の押しボタン32が昇降自在に配設されている。
【0021】
5は有天円筒状に形成された仮キャップであり、未使用時に、押しボタン32が不用意に押し下げられないように、上記内側周側壁24の環状突部29の外周部に着脱自在に冠着されている。
【0022】
上記混合物吐出手段4は、上記内側周側壁24の天井壁28の貫通孔28bに挿通,固定される混合液吐出用のポンプ装置31(このポンプ装置31としては、吐出用ノズル32a付き押しボタン32を有するタイプの、従来公知のものが用いられている)で構成されており、その押しボタン32が上記天井壁28の環状突部29内に昇降自在に配設されている。また、上記ポンプ装置31には、その下端部に管状体33が固定されており、この管状体33内に形成された混合液通路33aが、上記ポンプ装置31の下端面に開口する混合液吸い上げ口(図示せず))に連通している。上記管状体33は、上記上側シート材26の近傍位置まで延びており、その下端部は、使用時に吸い上げ筒部16の円環状段部17に内嵌状に係合するようになっている(図7参照)。
【0023】
上記の構成において、使用時には、ストッパー2の引き離し片21を外側に引っ張ってストッパー2を下側筒状体1から取り外したのち、下側筒状体1と上側筒状体3とを相対的に回動させて両筒状体1,3同士を近付けることを行う(図7および図8参照)。これにより、相対的に回動する下側筒状体1の円筒部13bの上端部で上側シート材26を破断し、相対的に回動する上側筒状体3の内側周側壁24の刃部27で下側シート材14を破断し、上側筒状体3から粉末Bを落下させて下側筒状体1内に流入させ、下側筒状体1内の液状化粧料Aと混合させることができる。また、このとき、ポンプ装置31に取り付けた管状体33の下端部が下側筒状体1の吸い上げ筒部16の円環状段部17に係合して管状体33の混合液通路33aと吸い上げ筒部16の中央孔16aとが連結するため、ポンプ装置31の押しボタン32を下方に押すことにより、容器内の混合液(粉末Bと液状化粧料Aとの混合液)を、吸い上げ筒部16の連通孔16bを介して吸い上げ筒部16の中央孔16aに導入し、この中央孔16aを吸い上げて管状体33に導入したのち、ポンプ装置31を通して吐出用ノズル32aから所望の場所に吐出することができる。
【0024】
このように、上記二成分混合容器によれば、1個の容器に異なる2種類の化粧料等をそれぞれ隔離した状態で収容することができるため、携帯に便利である。しかも、上記筒状体1,3同士を相対的に回動させるだけで、下側筒状体1内の液状化粧料Aと上側筒状体3内の粉末Bとを混合させることができ、混合時の操作が簡単である。しかも、上記筒状体1,3同士を相対的に回動させることで、上記破断手段により確実に上記両シート材14,16を破断することができる。しかも、使用時には、ポンプ装置31を利用して混合液を所望の場所に吐出することができ、簡単に使用することができる。しかも、異なった種類の成分を収容した多数の(多種類の)下側筒状体1,上側筒状体3を予め用意しておき、これらを適宜組み合わせることで、多種類の組み合わを可能にすることができる。しかも、液状化粧料Aと粉末Bを上記両シート材14,16で密閉しているため、上記両筒状体1,3に気密手段を設ける必要がない。
【0025】
図9は本発明の二成分混合容器の他の実施の形態を示している。この実施の形態では、上記実施の形態で用いていたストッパー2を用いていない。また、上記下側筒状体1の構造が一部異なっており、これに伴って外ケース35を備えている。それ以外の部分は上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0026】
上記下側筒状体1には、図10に示すように、その周側壁11の下部外周面に、その軸心に沿って上記周側壁11の下端面から上下方向中間高さまで延びるガイド溝部36(この実施の形態では、複数本のガイド溝部36)が突設されている。
【0027】
一方、上記外ケース35は、図11に示すように、有底円筒状に形成されており、その周側壁37の下部内周面の、上記ガイド溝部36に対応する部分に、上記周側壁37の軸心に沿ってその下端面(すなわち、上記外ケース35の底壁の上面)から上下方向中間高さまで延びるガイド突条38(この実施の形態では、複数本のガイド突条38)が突設されている。そして、上記ガイド突条38が上記ガイド溝部36に昇降自在にかつ上記周側壁37の周方向に回動不能に係合している。したがって、使用時に、上記外ケース35と上側筒状体3とを相対的に回動させると、上記下側筒状体1は外ケース35内を上昇して上側筒状体3に近付き(図12参照)、上記実施の形態と同様の作用・効果を奏する。しかも、開栓時に上側筒状体3と外ケース35との間に隙間ができず、見栄えがよいうえ、手を挟むこともない。
【0028】
なお、上記両実施の形態では、第1成分として液状化粧料Aを用い、第2成分として粉末Bを用いているが、これに限定するものではなく、第1成分として、粉末Bや錠剤を用いてもよいし、第2成分として、液体や錠剤を用いてもよい。また、上記両実施の形態において、混合物吐出手段4は、下側筒状体1内の混合物(液体,粉末,錠剤等からなる各種の混合物)を吐出できるものであれば、どのようなものでもよい。また、ポンプ装置31としては、好適には、指圧式のものが用いられるが、指圧式以外の、どのようなものを用いてもよいし、押しボタン32にノズル32aが設けられていなくてもよい。
【0029】
また、上記両実施の形態では、上側筒状体3の係合部としてねじ部23aを形成し、下側筒状体1の被係合部としてねじ部11aを形成しているが、上側筒状体3と下側筒状体1とを進退自在に連結することができるものであれば、どのような係合部,被係合部でもよい。また、上記両実施の形態では、上下両シート材14,26をアルミニウム箔で構成しているが、刃や凸部等で容易に破断しうるものであれば、どのようなものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の二成分混合容器の一実施の形態を示す正面図である。
【図2】上記二成分混合容器の断面図である。
【図3】下側筒状体の断面図である。
【図4】ストッパーの断面図である。
【図5】上記ストッパーの平面図である。
【図6】上側筒状体の断面図である。
【図7】上記二成分混合容器の作用を示す断面図である。
【図8】上記二成分混合容器の作用を示す正面図である。
【図9】本発明の二成分混合容器の他の実施の形態を示す断面図である。
【図10】下側筒状体の断面図である。
【図11】外ケースの断面図である。
【図12】上記二成分混合容器の作用を示す断面図である。
【図13】従来例を示す分解断面図である。
【図14】上記従来例の作用を示す断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 下側筒状体
3 上側筒状体
4 混合物吐出手段
11a ねじ部
12 底壁
14 下側シート材
16 吸い上げ筒部
23a ねじ部
26 上側シート材
A 液状化粧料
B 粉末
【技術分野】
【0001】
本発明は、二成分を混合して得られる化粧料等の上記二成分をそれぞれ隔離状態で収容し、使用時等に混合することのできる二成分混合容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、化粧料,整髪料,飲料等として様々なものが開発されて市場に出回っているが、そのなかで、美容成分,栄養成分等が含有される粉末や錠剤を液状化粧料,飲料等に混合して使用するものがある。ところが、このものでは、粉末等を予め液状化粧料等に混合させていると、美容成分や栄養成分の化学変化等によりその効力が失われてしまうという問題がある。このため、未使用時には粉末等と液状化粧料等とを別々に隔離した状態にして収容し、使用の際に、両者を混合して使用することが必要になる。
【0003】
そこで、粉末等と液状化粧料等とを別々に隔離した状態で収容し、使用時にそれらを混合して使用することができる容器として、図13に示すような二成分混合容器が提案されている。この二成分混合容器は、有天円筒状に形成されその天井壁からノズル部51aが突設された上側容器51と、この上側容器51の下端開口部に着脱自在に固定される有底円筒状の下側容器52と、上記上側容器51のノズル部51aを蓋するキャップ53とを備えている。また、上記下側容器52が、内部に液体化粧料54が収容された有底円筒状のエッセンス容器55と、このエッセンス容器55の上端開口部に固定される円筒状のパウダー容器56とで構成されており、このパウダー容器56内に、内部に粉末57が収容された有底円筒状のパウダー収容部56aが配設されており、上記パウダー容器56およびパウダー収容部56aの上端開口部にシール材58が剥離可能に接着されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、使用時には、まず、上側容器51を下側容器52から取り外し、ついで、この下側容器52の上端開口部からシール材58を手指で摘んで剥がし、つぎに、下側容器52に、キャップ53でノズル部51aを蓋した上側容器51を取り付け、その状態で上側容器51,下側容器52を逆さにして上側容器51内の液体化粧料54とパウダー収容部56a内の粉末57とを下側容器52内に流入させて(図14参照)ここで混合させる。この混合ののち、キャップ53をノズル部51aから取り外し、上側容器51,下側容器52を所定の下向き角度に傾けて上側容器51の胴部を手指で押圧し、ノズル部51aから混合液を吐出させることを行う。
【特許文献1】特開平10−42944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の二成分混合容器では、エッセンス容器55内の液体化粧料54とパウダー収容部56a内の粉末57とを混合させる際には、下側容器52の上端開口部からシール材58を手指で摘んで剥がしたのち下側容器52に上側容器51を取り付け、その状態で上側容器51,下側容器52を逆さにしなければならず、この操作が難しくて判りにくいという問題がある。しかも、シール材58を下側容器52の上端開口部から手指で摘んで剥がすのに、大きな力を必要とし、また、場合によってはシール材58を下側容器52の上端開口部から完全に剥がすことができないという問題がある。しかも、エッセンス容器55内に液体化粧料54を収容し、パウダー容器56内に粉末57を収容した状態で、これらパウダー容器56,パウダー収容部56aの上端開口部にシール材58を接着しているため、下側容器52として、所定の液体化粧料54と所定の粉末57とを組み合わせた一種類のものしか、予め用意しておくことができないという問題もある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、混合時の操作が簡単で、使用時に小さな力で確実に開栓することができ、しかも、多種類の成分を適宜組み合わせることのできる二成分混合容器の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の二成分混合容器は、それ自体の下部に係合部が形成された有天筒状の上側筒状体と、それ自体の上部に上記係合部と進退自在に係合する被係合部が形成された有底筒状の下側筒状体とを備え、上記上側筒状体の内部に混合物吐出手段を配設するとともに、この混合物吐出手段より下側位置で上記上側筒状体の内部を破断可能な上側シート材で閉塞して、この上側シート材上に第1成分を収容し、上記下側筒状体の底壁から混合物吸い上げ用の筒状部を立設するとともに、この筒状部の上側位置で上記下側筒状体の内部を破断可能な下側シート材で閉塞して、この下側シート材下に第2成分を収容し、上記上側筒状体の係合部を下側筒状体の被係合部に係合させた状態で上側筒状体に対して下側筒状体を相対的に進入させることにより、上記両筒状体の少なくとも一方に設けた破断手段で上記両シート材を破断し、上記上側筒状体内の第1成分を流出させて下側筒状体内に流入させるとともに、上記混合物吐出手段の吸い上げ口部に上記筒状部の上端開口部を連結させるように構成したという構成をとる。
【発明の効果】
【0008】
すなわち、本発明の二成分混合容器は、それ自体の下部に係合部が形成された有天筒状の上側筒状体と、それ自体の上部に上記係合部と進退自在に係合する被係合部が形成された有底筒状の下側筒状体とを備えている。また、上記上側筒状体の内部に混合物吐出手段を配設するとともに、この混合物吐出手段より下側位置で上記上側筒状体の内部を破断可能な上側シート材で閉塞して、この上側シート材上に第1成分を収容し、上記下側筒状体の底壁から混合物吸い上げ用の筒状部を立設するとともに、この筒状部の上側位置で上記下側筒状体の内部を破断可能な下側シート材で閉塞して、この下側シート材下に第2成分を収容している。そして、上記上側筒状体の係合部を下側筒状体の被係合部に係合させた状態で上側筒状体に対して下側筒状体を相対的に進入させることにより、上記両筒状体の少なくとも一方に設けた破断手段で上記両シート材を破断し、上記上側筒状体内の第1成分を流出させて下側筒状体内に流入させるとともに、上記混合物吐出手段の吸い上げ口部に上記筒状部の上端開口部を連結させるように構成している。したがって、内部に第1成分を収容した上側筒状体と、内部に第2成分を収容した下側筒状体とを係合させることにより、1個の容器内に異なる二成分を隔離した状態で収容することができる。
【0009】
そして、使用時には、上記上側筒状体に対して下側筒状体を相対的に進入させることを行う。これにより、上記両筒状体の少なくとも一方に設けた破断手段で上記両シート材を破断し、上記上側筒状体から第1成分を流出させて下側筒状体内に流入させ、下側筒状体内の第2成分と混合させることができる。また、このとき、上記混合物吐出手段の吸い上げ口部に混合物吸い上げ用の筒状部の上端開口部を連結させることができるため、上記混合物吐出手段を利用し、下側筒状体内の混合物(第1成分と第2成分との混合物)を上記筒状部を介して吸い上げて所望の場所に吐出することができる。
【0010】
このように、本発明の二成分混合容器では、上記上側筒状体に対して下側筒状体を相対的に進入させるだけで、上側筒状体内の第1成分と下側筒状体内の第2成分とを混合させることができ、混合時の操作が簡単である。しかも、上側筒状体に対して下側筒状体を相対的に進入させることで、上記両筒状体の少なくとも一方に設けた破断手段により、確実に両シート材を破断する(すなわち、開栓する)ことができる。しかも、使用時には、混合物吐出手段を利用して混合物を所望の場所に吐出することができ、簡単に使用することができる。しかも、異なった種類の成分を収容した多数の(多種類の)上側筒状体および下側筒状体を予め用意しておき、これらを適宜組み合わせることで、上記両成分を多種類に組み合わせて収容することができる。なお、本発明の二成分混合容器において、二成分とは、液体,粉末,錠剤等の各成分のなかの、同種類(例えば、液体と液体)もしくは異種類(例えば、液体と粉末、液体と錠剤)の二成分を指す。
【0011】
また、上記係合部がねじ部で、上記被係合部が、上記ねじ部にら合するねじ部であると、簡単な構造で、上側筒状体に対し下側筒状体を進退自在に構成することができる。
【0012】
また、上記両筒状体の間にストッパーが固定されていると、このストッパーを取り外さないと、上記両筒状体を相対的に進退させることができないため、誤って上記両筒状体を相対的に進退させるということがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。ただし、これに限定されるわけではない。
【0014】
図1および図2は本発明の二成分混合容器の一実施の形態を示している。この実施の形態では、二成分混合容器として、美容成分等を含有した粉末(第2成分)Bを液状化粧料(第1成分)Aに混合して使用する二成分混合容器(図2参照)が用いられている。これらの図において、1は液状化粧料Aを収容する有底円筒状の下側筒状体であり、図3に示すように、円筒状に形成された周側壁11と、この周側壁11の下端開口部を液密状に閉塞する底壁12とからなっている。
【0015】
上記周側壁11には、その上部外周面に、後述する上側筒状体3のねじ部23aにら合するねじ部(被係合部)11aが形成されている。また、上記周側壁11には、その上端部内周面から環状突部13aが円環状に突設されているとともに、この環状突部13aの上面内周部から円筒部13bが立設されており、この円筒部13bの上端面に、アルミニウム箔等からなる円形の下側シート材14が接着,固定されている。この下側シート材14は、上記円筒部13bの上端開口部を液密状に閉塞しており、その下側に(上記周側壁11内に)液状化粧料Aが収容されている。また、上記円筒部13bの上端部は、後述する上側シート材26を破断する破断手段としても作用する。図3において、11bは上記周側壁11の下端部内周面に形成された係合段部であり、上記底壁12の係合突部15aに外嵌状で回動不能にかつ液密状に係合している。
【0016】
上記底壁12は、円盤状に形成された底板部15と、この底板部15の上面中央部から立設された円筒状の吸い上げ筒部(混合物吸い上げ用の筒状部)16とからなり、この吸い上げ筒部16の中央孔16aの上端部内周面に、後述するポンプ装置31の管状体33の下端部に外嵌状に係合する円環状段部17が形成されている。また、上記吸い上げ筒部16には、その上端面(上記円環状段部17の外側部分)から所定間隔をあけて複数の突部18が突設されている。また、上記吸い上げ筒部16の下端部には1個もしくは複数個(この実施の形態では、2個)の連通孔16bが穿設されており、この連通孔16bを介して上記吸い上げ筒部16の中央孔16aと周側壁11の内部空間とが連通されている。図3において、15aは上記底板部15の外周面下部から突設された係合突部であり、上記周側壁11の係合段部11bに内嵌状で回動不能にかつ液密状に係合している。
【0017】
2は上記両筒状体1,3の間に配設される円環状のストッパーであり、未使用時に上側筒状体3が下降するのを阻止する作用をする。このストッパー2は、図4および図5に示すように、上記下側筒状体1の周側壁11のねじ部11aの下部外周に円環状に巻回される本体部20(図2参照)と、この本体21の一側部から突設された引き離し片21とで構成されており、上記本体部20の他側部にこれを縦断するようにして切り離し用薄肉部20aが形成されている。そして、上記引き離し片21を外側に引っ張ると、切り離し用薄肉部20aが切離して本体部20を下側筒状体1から取り外すことができるようにしている。
【0018】
3は粉末Bを収容する上側筒状体であり、図6に示すように、円筒状に形成された外側周側壁23と、この外側周側壁23に抜け止め状(上下動不能)で回動不能に固定される略円筒状の内側周側壁24とを備えており、この内側周側壁24に混合物吐出手段4が固定されている。上記外側周側壁23には、その中央孔23bの下部に、上記下側筒状体1のねじ部11aにら合するねじ部(係合部)23aが形成されており、また、上記中央孔23bの上端部から、上記内側周側壁24の係合突部24bに抜け止め状で回動不能に係合する係合突部23cが突設されている。
【0019】
上記内側周側壁24は有天円筒状に形成されており、その下端面には、上記下側筒状体1の円筒部13bが昇降自在に挿入される円環状のガイド溝部25が形成されている。また、上記内側周側壁24には、その下端面外周部(上記ガイド溝部25の外側部分)に、アルミニウム箔等からなる円形の上側シート材26が接着,固定されている。この上側シート材26は、上記内側周側壁24の下端開口部を液密状に閉塞しており、その上側に(上記内側周側壁24内に)粉末Bが収容されている。また、上記内側周側壁24には、その中央孔24aの下端部(上記ガイド溝部25の下端部に対応する部分)が切欠き形成されており、この切欠き形成から、上記下側シート材14を破断する複数個の刃部(破断手段)27が突設されている。図6において、24bは上記外側周側壁23の係合突部23cに抜け止め状で回動不能に係合する係合突部である。
【0020】
また、上記内側周側壁24の天井壁28には、その外周面から円環状の鍔部28aが突設されて上記外側周側壁23の上端面に載置されている。また、上記天井壁28には、その中央部に貫通孔28bが穿設されており、この貫通孔28bに、上記混合物吐出手段4が固定されている。また、上記天井壁28には、その上面から、上記貫通孔28bを取り囲むようにして環状突部29が突設されており、この環状突部29内に上記混合物吐出手段4の押しボタン32が昇降自在に配設されている。
【0021】
5は有天円筒状に形成された仮キャップであり、未使用時に、押しボタン32が不用意に押し下げられないように、上記内側周側壁24の環状突部29の外周部に着脱自在に冠着されている。
【0022】
上記混合物吐出手段4は、上記内側周側壁24の天井壁28の貫通孔28bに挿通,固定される混合液吐出用のポンプ装置31(このポンプ装置31としては、吐出用ノズル32a付き押しボタン32を有するタイプの、従来公知のものが用いられている)で構成されており、その押しボタン32が上記天井壁28の環状突部29内に昇降自在に配設されている。また、上記ポンプ装置31には、その下端部に管状体33が固定されており、この管状体33内に形成された混合液通路33aが、上記ポンプ装置31の下端面に開口する混合液吸い上げ口(図示せず))に連通している。上記管状体33は、上記上側シート材26の近傍位置まで延びており、その下端部は、使用時に吸い上げ筒部16の円環状段部17に内嵌状に係合するようになっている(図7参照)。
【0023】
上記の構成において、使用時には、ストッパー2の引き離し片21を外側に引っ張ってストッパー2を下側筒状体1から取り外したのち、下側筒状体1と上側筒状体3とを相対的に回動させて両筒状体1,3同士を近付けることを行う(図7および図8参照)。これにより、相対的に回動する下側筒状体1の円筒部13bの上端部で上側シート材26を破断し、相対的に回動する上側筒状体3の内側周側壁24の刃部27で下側シート材14を破断し、上側筒状体3から粉末Bを落下させて下側筒状体1内に流入させ、下側筒状体1内の液状化粧料Aと混合させることができる。また、このとき、ポンプ装置31に取り付けた管状体33の下端部が下側筒状体1の吸い上げ筒部16の円環状段部17に係合して管状体33の混合液通路33aと吸い上げ筒部16の中央孔16aとが連結するため、ポンプ装置31の押しボタン32を下方に押すことにより、容器内の混合液(粉末Bと液状化粧料Aとの混合液)を、吸い上げ筒部16の連通孔16bを介して吸い上げ筒部16の中央孔16aに導入し、この中央孔16aを吸い上げて管状体33に導入したのち、ポンプ装置31を通して吐出用ノズル32aから所望の場所に吐出することができる。
【0024】
このように、上記二成分混合容器によれば、1個の容器に異なる2種類の化粧料等をそれぞれ隔離した状態で収容することができるため、携帯に便利である。しかも、上記筒状体1,3同士を相対的に回動させるだけで、下側筒状体1内の液状化粧料Aと上側筒状体3内の粉末Bとを混合させることができ、混合時の操作が簡単である。しかも、上記筒状体1,3同士を相対的に回動させることで、上記破断手段により確実に上記両シート材14,16を破断することができる。しかも、使用時には、ポンプ装置31を利用して混合液を所望の場所に吐出することができ、簡単に使用することができる。しかも、異なった種類の成分を収容した多数の(多種類の)下側筒状体1,上側筒状体3を予め用意しておき、これらを適宜組み合わせることで、多種類の組み合わを可能にすることができる。しかも、液状化粧料Aと粉末Bを上記両シート材14,16で密閉しているため、上記両筒状体1,3に気密手段を設ける必要がない。
【0025】
図9は本発明の二成分混合容器の他の実施の形態を示している。この実施の形態では、上記実施の形態で用いていたストッパー2を用いていない。また、上記下側筒状体1の構造が一部異なっており、これに伴って外ケース35を備えている。それ以外の部分は上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0026】
上記下側筒状体1には、図10に示すように、その周側壁11の下部外周面に、その軸心に沿って上記周側壁11の下端面から上下方向中間高さまで延びるガイド溝部36(この実施の形態では、複数本のガイド溝部36)が突設されている。
【0027】
一方、上記外ケース35は、図11に示すように、有底円筒状に形成されており、その周側壁37の下部内周面の、上記ガイド溝部36に対応する部分に、上記周側壁37の軸心に沿ってその下端面(すなわち、上記外ケース35の底壁の上面)から上下方向中間高さまで延びるガイド突条38(この実施の形態では、複数本のガイド突条38)が突設されている。そして、上記ガイド突条38が上記ガイド溝部36に昇降自在にかつ上記周側壁37の周方向に回動不能に係合している。したがって、使用時に、上記外ケース35と上側筒状体3とを相対的に回動させると、上記下側筒状体1は外ケース35内を上昇して上側筒状体3に近付き(図12参照)、上記実施の形態と同様の作用・効果を奏する。しかも、開栓時に上側筒状体3と外ケース35との間に隙間ができず、見栄えがよいうえ、手を挟むこともない。
【0028】
なお、上記両実施の形態では、第1成分として液状化粧料Aを用い、第2成分として粉末Bを用いているが、これに限定するものではなく、第1成分として、粉末Bや錠剤を用いてもよいし、第2成分として、液体や錠剤を用いてもよい。また、上記両実施の形態において、混合物吐出手段4は、下側筒状体1内の混合物(液体,粉末,錠剤等からなる各種の混合物)を吐出できるものであれば、どのようなものでもよい。また、ポンプ装置31としては、好適には、指圧式のものが用いられるが、指圧式以外の、どのようなものを用いてもよいし、押しボタン32にノズル32aが設けられていなくてもよい。
【0029】
また、上記両実施の形態では、上側筒状体3の係合部としてねじ部23aを形成し、下側筒状体1の被係合部としてねじ部11aを形成しているが、上側筒状体3と下側筒状体1とを進退自在に連結することができるものであれば、どのような係合部,被係合部でもよい。また、上記両実施の形態では、上下両シート材14,26をアルミニウム箔で構成しているが、刃や凸部等で容易に破断しうるものであれば、どのようなものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の二成分混合容器の一実施の形態を示す正面図である。
【図2】上記二成分混合容器の断面図である。
【図3】下側筒状体の断面図である。
【図4】ストッパーの断面図である。
【図5】上記ストッパーの平面図である。
【図6】上側筒状体の断面図である。
【図7】上記二成分混合容器の作用を示す断面図である。
【図8】上記二成分混合容器の作用を示す正面図である。
【図9】本発明の二成分混合容器の他の実施の形態を示す断面図である。
【図10】下側筒状体の断面図である。
【図11】外ケースの断面図である。
【図12】上記二成分混合容器の作用を示す断面図である。
【図13】従来例を示す分解断面図である。
【図14】上記従来例の作用を示す断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 下側筒状体
3 上側筒状体
4 混合物吐出手段
11a ねじ部
12 底壁
14 下側シート材
16 吸い上げ筒部
23a ねじ部
26 上側シート材
A 液状化粧料
B 粉末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それ自体の下部に係合部が形成された有天筒状の上側筒状体と、それ自体の上部に上記係合部と進退自在に係合する被係合部が形成された有底筒状の下側筒状体とを備え、上記上側筒状体の内部に混合物吐出手段を配設するとともに、この混合物吐出手段より下側位置で上記上側筒状体の内部を破断可能な上側シート材で閉塞して、この上側シート材上に第1成分を収容し、上記下側筒状体の底壁から混合物吸い上げ用の筒状部を立設するとともに、この筒状部の上側位置で上記下側筒状体の内部を破断可能な下側シート材で閉塞して、この下側シート材下に第2成分を収容し、上記上側筒状体の係合部を下側筒状体の被係合部に係合させた状態で上側筒状体に対して下側筒状体を相対的に進入させることにより、上記両筒状体の少なくとも一方に設けた破断手段で上記両シート材を破断し、上記上側筒状体内の第1成分を流出させて下側筒状体内に流入させるとともに、上記混合物吐出手段の吸い上げ口部に上記筒状部の上端開口部を連結させるように構成した特徴とする二成分混合容器。
【請求項2】
上記係合部がねじ部で、上記被係合部が、上記ねじ部にら合するねじ部である請求項1記載の二成分混合容器。
【請求項3】
上記両筒状体の間にストッパーが固定されている請求項1または2記載の二成分混合容器。
【請求項1】
それ自体の下部に係合部が形成された有天筒状の上側筒状体と、それ自体の上部に上記係合部と進退自在に係合する被係合部が形成された有底筒状の下側筒状体とを備え、上記上側筒状体の内部に混合物吐出手段を配設するとともに、この混合物吐出手段より下側位置で上記上側筒状体の内部を破断可能な上側シート材で閉塞して、この上側シート材上に第1成分を収容し、上記下側筒状体の底壁から混合物吸い上げ用の筒状部を立設するとともに、この筒状部の上側位置で上記下側筒状体の内部を破断可能な下側シート材で閉塞して、この下側シート材下に第2成分を収容し、上記上側筒状体の係合部を下側筒状体の被係合部に係合させた状態で上側筒状体に対して下側筒状体を相対的に進入させることにより、上記両筒状体の少なくとも一方に設けた破断手段で上記両シート材を破断し、上記上側筒状体内の第1成分を流出させて下側筒状体内に流入させるとともに、上記混合物吐出手段の吸い上げ口部に上記筒状部の上端開口部を連結させるように構成した特徴とする二成分混合容器。
【請求項2】
上記係合部がねじ部で、上記被係合部が、上記ねじ部にら合するねじ部である請求項1記載の二成分混合容器。
【請求項3】
上記両筒状体の間にストッパーが固定されている請求項1または2記載の二成分混合容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−153405(P2007−153405A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−352285(P2005−352285)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
【Fターム(参考)】
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