説明

二材料粉末射出成形を使用した、密閉ハウジングのためのフィードスルーの形成

閉じられたときにキャビティを画成する型であって、型キャビティに出入りする1つまたは複数の中子を備える前記型を使用して、フィードスルーを形成する方法である。この方法には、粉末射出成形(PIM) の非導電性の供給原料を型キャビティの中に注入して、型キャビティの中に配置された複数の中子の各々の一部の周囲に絶縁体を形成するステップと、絶縁体から複数の中子をそれぞれ取り除いて、1つまたは複数の中子空洞を絶縁体に形成するステップと、PIMの導電性の供給原料を中子空洞に注入して、1つまたは複数の導体を中子空洞内にそれぞれ形成するステップと、絶縁体および導体を焼結させて、フィードスルーを形成するステップと、が含まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2009年11月26日に出願したオーストラリア連邦仮特許出願第2009905781号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、概して、密閉ハウジングのためのフィードスルー形成方法に関し、より詳細には、二材料粉末射出成形(PIM)を使用した、密閉ハウジングのためのフィードスルー形成方法に関する。
【背景技術】
【0003】
絶縁要素であって、その絶縁要素の一方の側からもう一方の側まで1つまたは複数の導電経路が延在している絶縁要素は、本明細書においては「フィードスルー」と大抵呼ばれている。いくつかの用途では、絶縁要素を貫通して導電経路を提供するためにフィードスルーを使用することができる。例えばフィードスルーは、ハウジングの非導電部分を貫通して1つまたは複数の導電経路を提供してハウジングの外部の1つまたは複数の部品をハウジングの内部の部品に電気的に接続するのに使用されることが多い。
【0004】
密閉密閉ハウジングのためのフィードスルーは、本明細書においては一般に能動埋込型医療機器(AIMD)と呼ばれている1つまたは複数の能動埋込型部品部品を有する医療機器に利用されることが多い。このようなフィードスルーは、絶縁要素を貫通して1つまたは複数の導電経路を提供し、その一方でハウジングの気密保全性を維持する。AIMDには、しばしば、生体適合性がある埋込型の密閉電子工学モジュールおよび患者の組織とインタフェースする部品が含まれている。組織インタフェース部品は、例えば、永久または一時的に患者の中に埋め込まれる1つまたは複数の機器、装置、センサまたは他の能動あるいは受動部品を含むことができる。組織インタフェース部品は、例えば疾病または負傷を診断し、モニタし、および/または治療するために使用され、あるいは患者の解剖学的または生理学的過程を修正するために使用される。
【0005】
特定の用途では、AIMD組織インタフェースには、電極と呼ばれる、患者の組織に電気刺激信号を引き渡し、あるいは患者の組織から信号を受け取る1つまたは複数の電気コンタクトが含まれている。電極は、通常、生体適合性があるキャリヤ部材の中に配置され、かつ、電子工学モジュールに電気接続される。電極および非導電部材は、本明細書においては集合的に電極アセンブリと呼ばれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Petzoldt、「Micro Powder Injection Moulding - Challenges and Opportunities」、PIM International、Vol. 2、No. 1、37〜42頁(2008年3月)
【非特許文献2】Johnson et al.、「Design Guidelines for Processing Bi-Material Components via Powder-Injection Molding」、Journal of the Minerals、Metals and Materials Society、vol. 55、no. 10、30〜34頁(2003年10月)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様では、フィードスルーを形成する方法が開示される。この方法には、閉じられたときにキャビティを画成する型が使用されており、型には、型キャビティに出たり入ったりするように構成された1つまたは複数の中子が備えられている。この方法には、型キャビティの中に配置された複数の中子の各々の一部の周囲に絶縁体を形成するために粉末射出成形(PIM)の非導電性の供給原料を型キャビティの中に注入するステップと、1つまたは複数の中子空洞を絶縁体に形成するために絶縁体から複数の中子の各々を取り除くステップと、1つまたは複数の導体を中子空洞内にそれぞれ形成するためにPIMの導電性の供給原料を中子空洞の中に注入するステップと、フィードスルーを形成するために絶縁体および導体を焼結させるステップと、が含まれている。
【0008】
本発明の他の態様では、フィードスルーを備えた埋込型デバイスを形成する方法が開示される。この方法には、閉じられたときにキャビティを画成する型が使用されており、型には、型キャビティに出たり入ったりするように構成された1つまたは複数の中子が備えられている。この方法には、型キャビティの中に配置された中子の周囲の少なくとも一部に容器を形成するために粉末射出成形(PIM)の 非導電性の供給原料を型キャビティの中に注入するステップと、1つまたは複数の中子空洞を形成するために容器から中子を取り除くステップと、1つまたは複数の導体を中子空洞に形成するためにPIMの導電性の供給原料を中子空洞の中に注入するステップであって、各導体が、容器の凹所の内側に露出された第1の端部と、容器の外部表面に隣接して露出された第2の端部と、を有する、ステップと、が含まれている。この方法には、さらに、容器および導体を焼結させるステップと、第1のハウジングを形成するために容器を蓋で密閉するステップと、が含まれている。
【0009】
本発明のさらに他の態様では、フィードスルーを備えた密閉ハウジングを形成する方法が開示される。この方法には、閉じられたときに第1の型キャビティを画成する型が使用されており、型には、第1の型キャビティに出たり入ったりするように構成された複数の第1の中子が備えられている。この方法には、第1の型キャビティの中に配置された第1の中子の周囲の少なくとも一部に第1の絶縁体を形成するために粉末射出成形(PIM)の 非導電性の供給原料を第1の型キャビティの中に注入するステップと、それぞれ第1の絶縁体に配設され、あるいは第1の絶縁体に隣接して配設された複数の第1の中子空洞を形成するために第1の型キャビティから第1の中子を取り除くステップと、1つまたは複数の導体および1つまたは複数の第1の金属取付け要素を有する第1の容器を形成するために、加熱されたPIMの導電性の金属供給原料を第1の中子空洞の中に注入するステップと、が含まれており、1つまたは複数の導体の各々は、第1の絶縁体の凹所の内側に露出された第1の端部と、第1の絶縁体の外部表面に隣接して露出された第2の端部と、を有している。この方法には、さらに、容器を焼結させるステップと、密閉ハウジングを形成するために蓋の1つまたは複数の第2の金属取付け要素をそれぞれ第1の金属取付け要素に結合するステップと、が含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下、本明細書において、添付の図面を参照して本発明の実例実施形態について説明する。
【0011】
【図1】本発明の実施形態に従って形成することができるフィードスルーを含んだ一つの例示的な密閉ハウジングの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態による能動埋込型医療機器(AIMD)を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態による、複数のフィードスルーを形成する方法を示すフローチャート図である。
【図4A】本発明の実施形態に従って形成することができるフィードスルーの斜視図である。
【図4B】本発明の実施形態による、複数の物理的に個別の導電性要素および該導電性要素を受け取るように構成されたフレームを示す図である。
【図4C】本発明の実施形態による、導電性要素がその上に配置されたフレームを受け取るように構成された型の一部を示す図である。
【図4D】本発明の実施形態に従って形成されたフィードスルーのアレイを示す図である。
【図5】本発明の実施形態による埋込型医療機器の一部の斜視図である。
【図6】本発明の実施形態による、フィードスルーを形成する方法を示すフローチャート図である。
【図7A】本発明の実施形態によるフィードスルーを形成するために使用することができる型および器具の横断面図である。
【図7B】本発明の実施形態によるフィードスルーを形成するために使用することができる型および器具の横断面図である。
【図7C】本発明の実施形態によるフィードスルーを形成するために使用することができる型および器具の横断面図である。
【図7D】本発明の実施形態によるフィードスルーを形成するために使用することができる型および器具の横断面図である。
【図7E】本発明の実施形態によるフィードスルーを形成するために使用することができる型および器具の横断面図である。
【図7F】本発明の実施形態によるフィードスルーを形成するために使用することができる型および器具の横断面図である。
【図7G】本発明の実施形態によるフィードスルーを形成するために使用することができる型および器具の横断面図である。
【図7H】本発明の実施形態によるフィードスルーを形成するために使用することができる型および器具の横断面図である。
【図8】本発明の実施形態による、二材料PIMを使用してフィードスルーを形成する方法を示すフローチャート図である。
【図9A】図8に示されている方法の実施形態による型を使用したフィードスルーの形成を示す横断面図である。
【図9B】図8に示されている方法の実施形態による型を使用したフィードスルーの形成を示す横断面図である。
【図9C】図8に示されている方法の実施形態による型を使用したフィードスルーの形成を示す横断面図である。
【図9D】図8に示されている方法の実施形態による型を使用したフィードスルーの形成を示す横断面図である。
【図9E】図8に示されている方法の実施形態による型を使用したフィードスルーの形成を示す横断面図である。
【図10A】本発明の実施形態による、二材料PIMを実施するために使用することができる射出成形装置を概略的に示す図である。
【図10B】本発明の実施形態による、二材料PIMを実施するために使用することができる射出成形装置を概略的に示す図である。
【図11A】容器のフィードスルーであって、本発明の実施形態に従って形成することができるフィードスルーの斜視図である。
【図11B】他の容器のフィードスルーであって、本発明の他の実施形態に従って形成することができるフィードスルーの斜視図である。
【図11C】他の容器のフィードスルーであって、本発明の実施形態に従って形成することができるフィードスルーの斜視図である。
【図12】本発明の実施形態による、物理的および電気的に接続された複数のハウジングの斜視図である。
【図13A】本発明の実施形態に従って形成することができるフィードスルーを備えたハウジングの横断面図である。
【図13B】本発明の実施形態に従って形成することができるフィードスルーを備えたハウジングの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の態様は、一般に、粉末射出成形(PIM)を使用した、密閉ハウジングのためのフィードスルー形成方法を対象としている。本発明の実施形態によれば、PIMを使用して1つまたは複数の導体の周囲に絶縁体を形成することができる。他の実施形態では、フィードスルーを形成するために、二材料PIMプロセスを使用して、絶縁体および該絶縁体を貫通して延在する導体の両方を形成することができる。有利には、本発明の実施形態によれば、犠牲導電部品を必要とすることなくフィードスルーを形成するための方法が提供され、それによりこのような犠牲部品に関わるコストおよび無駄が排除される。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に従って形成することができるフィードスルー120を含んだ一つの例示的な密閉ハウジング102の斜視図である。図1に示されている実施形態では、ハウジング102は、容器118および容器118を密閉する蓋119を備えている。本明細書において使用されているように、「容器」は、任意の部品または要素を含有している、または含有することができ、あるいは受け取ることができる任意の構造であり、他の構造と同時に使用することによって、部品または要素を封入する密閉ハウジングを形成する。図1に示されているように、容器118は複数の壁110を備えている。ハウジング102には、さらに、壁110によって画成された内部凹所(図示せず)が含まれており、様々な部品をその中に入れることができる。例えば、ハウジング102がAIMDの部品である実施形態では、1つまたは複数の機能部品をこの内部凹所に入れることができる。本明細書において使用されているように、「機能部品」は、ハウジングの外部の1つまたは複数の電子部品と連結して、および/またはこれらの電子部品とは独立してハウジング内で利用される任意のタイプの電子部品である。実施形態では、壁110および蓋119は電気絶縁性がある。
【0014】
また、図1に示されているように、ハウジング102は、複数の壁110のうちの1つに配設されたフィードスルー120を備えている。他の実施形態では、複数の壁110に複数のフィードスルー120を配設することができる。図1に示されている実施形態では、フィードスルー120は、壁110とフィードスルー120の間が密閉されるように壁110の中に組み込まれている。フィードスルー120には、絶縁体122および絶縁体122の一方の側から他方の側にかけて延在している導体124が含まれている。実施形態では、導体124は、それぞれ、ハウジング102の内側に配置されている1つまたは複数の機能部品と、ハウジング102の外側に配置されている1つまたは複数の部品と、を接続するための導電経路を提供している。例えば導体124は、組織インタフェースまたは本発明の実施形態の他のハウジングのフィードスルーの導体に電気的に接続することができる。
【0015】
本発明の実施形態によれば、フィードスルーの絶縁体は、1つまたは複数のハウジング壁の一部、又はハウジングの壁全体を形成することができ、あるいはハウジングの複数の壁を形成することができる。図1に示されている実施形態では、例えば絶縁体122は、壁110の中に組み込まれ、壁110の一部を形成している。代替の実施形態では、フィードスルーは、絶縁体が絶縁壁110と一体になるよう、ハウジング102の絶縁壁110の一方の側から壁110の他方の側まで延在している導体124を備えることができる。このような実施形態には、壁110の中に組み込まれた個別の絶縁体は存在していない。さらに、図1に示されているフィードスルー120には9個の導体が含まれているが、導体のこの数は、単に例示的なものにすぎない。本発明の実施形態では、フィードスルーは、任意の数の導体を含むことができる。
【0016】
図2は、本発明の実施形態による能動埋込型医療機器(AIMD)200を示す機能ブロック図である。図2に示されている実施形態では、AIMD200は、本明細書においてはハウジング202と呼ばれている図1のハウジング102の実施形態を含んだ埋込型部品216を備えている。ハウジング202(電子工学モジュールと呼ぶことができる)は、患者の皮膚/組織240の下に埋め込まれ、外部部品238と協働し、様々な機能部品を収容する。外部部品238は、ハウジング202の中に配置されている内部トランシーバユニット230と双方向経皮通信リンク239を形成する外部トランシーバユニット231とを備えている。外部部品238は、経皮通信リンク239を使用して電力および/またはデータを埋込型部品216に伝送することができる。同様に、埋込型部品216も経皮通信リンク239を使用してデータを外部部品238に伝送することができる。
【0017】
実施形態では、トランシーバユニット230および231には、それぞれ電力および/またはデータを受け取る、および/または伝送するように構成された1つまたは複数の部品の一群が含まれている。トランシーバユニット230および231は、それぞれ、例えば磁気誘導構造のためのコイル、容量性プレートまたは任意の他の適切な構造を備えることができる。したがって本発明の実施形態では、赤外線(IR)伝送、電磁伝送、容量性伝送および誘導性伝送などの様々なタイプの経皮通信を使用して、外部部品238と埋込型部品216の間で電力および/またはデータを伝送することができる。
【0018】
図2に示されている実施形態では、ハウジング202には、さらに、電気刺激信号233を発生する刺激器ユニット232が含まれている。電気刺激信号233は、図2に示されているフィードスルー220の一実施形態であるフィードスルー220の1つまたは複数の導体224を介して組織インタフェース204に提供される。実施形態では、組織インタフェース204には、患者の組織に電気刺激信号233を配信する電極が含まれている。刺激器ユニット232は、例えば、外部部品238から受信するデータや、制御モジュール234から受信する、予め決定済みの、あるいは予めプログラム済みのパターンの信号、等々に基づいて電気刺激信号233を発信することができる。特定の実施形態では、組織インタフェース204の電極は、患者の組織から信号を受信するように構成されている。このような実施形態では、記録された応答を表す信号237を、制御モジュール234に送信するためにフィードスルー220の1つまたは複数の導体224を介して刺激器ユニット232に提供することができ、あるいは経皮通信リンク239を介して外部部品238に提供することができる。
【0019】
図2に示されている実施形態では、埋込型部品216は、少なくとも一定期間、外部部品238を必要とすることなく動作させることができる完全埋込型医療機器である。したがって埋込型部品216は、さらに、外部部品238から受け取る電力を蓄積する充電式電源236をハウジング216の中に備えている。この電源は、例えば蓄電池からなることができる。AIMD200が動作している間、電源によって蓄積された電力が必要に応じて埋込型部品216の他の様々な部品に配電される。簡略化するために、ハウジング202内の電源236と他の部品の間の電気接続は省略されている。図2に示されている電源236はハウジング202の中に配置されているが、他の実施形態では、個別の埋込み位置に電源を配置することも可能である。図2は、埋込型部品216と外部部品238とが協働する本発明の特定の実施形態を示したものである。代替の実施形態では、AIMD200は、外部部品を用いることなく完全に動作するように構成することができることを理解されたい。
【0020】
図3は、本発明の実施形態による、複数のフィードスルーを形成する方法300を示すフローチャート図である。図4A〜4Dは、図3に示されている方法の様々な態様に使用される要素、または図3に示されている方法の様々な態様によって得られる要素を示したものである。説明を分かりやすくするために、図4A〜4Dに示されている要素を参照して図3の実施形態を説明する。
【0021】
図4Aは、本発明の実施形態に従って形成することができる、本明細書においてはフィードスルー420と呼ばれているフィードスルー120(図1)の一実施形態の斜視図である。フィードスルー420は、フィードスルー420と壁との間の界面が密閉されるよう、図1に示されているハウジング102などの密閉ハウジングの壁の中に組み込むことができる。図4Aに示されているように、フィードスルー420には、絶縁体422および複数の導体424が含まれている。それぞれの導体424は絶縁体422を貫通しており、絶縁体の2つの面から延在している。通常、導体424は、絶縁体422の互いに反対側の面から延在している。いくつかの実施形態では、絶縁体422は、生体適合性、電気的絶縁性、及び流体不浸透性がある。以下で説明するように、図3に示されている方法によって複数のフィードスルー420を形成することができる。
【0022】
図3に示されている方法300は、粉末射出成形(PIM)の製造技術を使用してフィードスルーを形成する方法である。単純成形技術、挿入成形技術および二色成形技術を含むPIM製造技術は、比較的に低コストの製造およびネットシェイプ部品の製造などの射出成形技術の利点と、焼結セラミックおよび/または粉末金属材料などの材料によって提供される利点とを併せ持っている。PIM製造技術における最近の進歩に関する情報については、例えばPetzoldt、「Micro Powder Injection Moulding - Challenges and Opportunities」、PIM International、Vol. 2、No. 1、37〜42頁(2008年3月)を参照されたい。
【0023】
図3に示されている方法300は、型に注入される材料である、PIMの生体適合性及び非導電性の供給原料を加熱するブロック310を開始する。本明細書において使用されているように、「供給原料」は、一般に、射出成形プロセスで型に注入される材料を意味している。本明細書においては「PIM供給原料」と呼ぶことができる、PIMに使用される供給原料には、少なくとも1つまたは複数の粉末および1つまたは複数の結合剤(例えば重合結合剤)が含まれている。また、PIM供給原料は、1つまたは複数の潤滑剤などの他の添加剤を含むことができる。粉末は、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどの粉末セラミックであってもよい。非導電性要素を形成するために使用されるPIM供給原料は、本願においては「PIMの非導電性の供給原料」と呼ばれている。PIMの非導電性の供給原料は、粉末セラミックと、1つまたは複数の結合剤と、1つまたは複数の添加剤の混合物と、から形成することができる。導電性要素を形成するために使用されるPIM供給原料は、本明細書においては「PIMの導電性の供給原料」と呼ばれている。PIMの導電性の供給原料は、PIMの非導電性の供給原料を生成するために使用される材料と適切な添加剤との混合物によって製造することができる。例えばPIMの導電性の供給原料は、窒化チタンに、PIMの非導電性の供給原料を製造するために使用される粉末セラミック、結合剤および添加剤(もしあれば)を混合することによって製造することができる。
【0024】
ブロック310では、PIM供給原料の結合剤を液体にするのに十分な温度までPIM供給原料が加熱され、それにより、PIM供給原料を流動させることができ、したがって型に注入することができるようになる。ブロック320では、複数の導電性要素434の各々が型の中に配置される。特定の実施形態では、導電性要素434は、PIM供給原料が加熱された後に型の中に配置される。代替の実施形態では、導電性要素434は、PIM供給原料が加熱される前に型の中に配置することができ、あるいは供給原料が加熱されている間に型の中に配置することができる。図4Bおよび4Cは、本発明の実施形態による、型の中への導電性要素434の配置を示したものである。図4A〜4Dに示されている実施形態では、導電性要素434は、最初に、型の中に配置するために導電性要素434を所望の配置で保持するように構成されたフレームの中に導電性要素を置くことによって型の中に位置付けられる。導電性要素434を保持しているフレームが型の中に置かれ、それにより導電性要素が所望の配置で型の中に設置される。
【0025】
図4Bは、本発明の実施形態による、物理的に分離した複数の導電性要素434と、導電性要素434を受け取るように構成されたフレーム440と、を示したものである。図4A〜4Dに示されている実施形態では、個々の導電性要素434は、連続した長さの導電性材料である。個々の導電性要素434は切断される、あるいは別のやり方で分けられ(serveed)、物理的に分離した複数の導体424を形成することができる。本発明の実施形態では、個々の導電性要素434は、導電性要素434が複数の導体424に分けられる1つまたは複数の位置を有している。いくつかの実施形態では、個々の導電性要素434には、1つまたは複数の構造的に弱い部分426が含まれており、これらの位置で導電性要素434を複数の導体424に容易に分けることができる。構造的に弱い部分426は、貫通孔、直径が小さい部分、要素434の他の領域より弱い材料で形成された領域、等々として実現することができる。他の実施形態では、個々の導電性要素434は、導電性要素434が分けられることができる位置にマークを含むことができる。さらに他の実施形態では、個々の導電性要素434は、構造的な相違がない、あるいは導電性要素434が分けられることができる位置にマークがない一様な導体である。
【0026】
フレーム440は、導電性要素434を受け取り、かつ、支持するように構成されている。図4Bに示されているように、フレーム440には、複数の導電性要素434を互いに対して所望の配向で受け取り、かつ、支持するように構成された凹所442が含まれている。方法300の実施形態では、導電性要素434を矢印436の方向にフレーム440の上に降ろして、装荷されたフレーム444(図4C)を形成することができる。導電性要素がその上に降ろされたフレームは、本明細書においては「装荷済みフレーム」と呼ぶことができる。特定の実施形態では、複数の導電性要素434は、同時に、あるいは異なる時間にフレーム440の上に降ろすことができる。
【0027】
図4Cは、本発明の実施形態による、導電性要素434がその上に配置されたフレーム440を受け取るように構成された型の第1の部分450を示したものである。図4Cに示されている第1の型部分450は、装荷済みフレーム444を受け取り、かつ、支持するように構成されており、また、この第1の型部分450には凹所452が含まれている。方法300の実施形態では、装荷済みフレーム444を矢印438の方向に第1の型部分450の上に降ろすことができる。実施形態では、第1の型部分450および第2の型部分(図示せず)が、合わせられる一対の半分の型体を形成している。型は、第1の型部分および第2の型部分が一体にされると、この型が装荷済みフレーム444を囲むように構成されている。したがって装荷済みフレーム444が第1の型部分450の上に配置されると、第1の型部分450の上に第2の型部分を降ろすことにより、導電性要素434が内部に配置された状態で型を閉じることができる。実施形態では、第2の型部分には凹所452と同様の凹所が含まれており、型が閉じると、この凹所と凹所452が相俟って複数のキャビティを形成する。装荷済みフレーム444が第1の型部分450の上に配置されると、導電性要素434は、型によって形成されるこれらのキャビティを介して延在する。
【0028】
図3のブロック330で、導電性要素434の周囲部分に絶縁体422を形成するために、加熱された生体適合性及び非導電性のPIM供給原料が、型によって画成されたキャビティに注入される。実施形態では、結果として得られる絶縁体422が導電性要素434の部分全体を完全に封入するよう、PIM供給原料を導電性要素434の周囲部分に注入することができる。図4A〜4Dに示されている実施形態では、型によって形成されるキャビティは、注入されたPIM供給原料が図4Dに示されている絶縁体422の形になるように構成される。型に非導電性PIM供給原料が注入されると、冷却段階の間、注入されたPIM供給原料が冷却され、それにより供給原料が固体化して絶縁体422が形成される。絶縁体422が固体化すると、型が開かれ、導電性要素434およびその周囲に形成されている絶縁体422が型から取り外される。型から取り外されると、固体部品から結合剤を除去するために絶縁体422に結合解除プロセスが施される。
【0029】
図4Dは、本発明の実施形態に従って形成されたフィードスルー420のアレイ460を示したものである。図4Dに示されているように、アレイ460には、物理的および電気的に接続された複数のフィードスルー420が含まれている。結合解除プロセスの後、方法300のブロック340で、複数のフィードスルー420を形成するために、上で説明したように絶縁体422が焼結される。この焼結プロセスによって、PIM供給原料から形成された個々の絶縁体422の粒子が互いに粘着し、かつ、絶縁体422が収縮する。本発明の実施形態では、注入されるPIM供給原料から形成される部品は、焼結プロセスによって約10〜15%収縮させることができる。図4Dに示されているように、個々のフィードスルー420には絶縁体422および複数の導体424が含まれている。図4Dに示されている実施形態では、導電性要素434は、絶縁体422の各々を貫通している。したがってフィードスルー420のアレイ460は、導電性要素434によって物理的および電気的に接続されている。
【0030】
絶縁体422が焼結すると、隣接する絶縁体422の1つまたは複数の対の間で導電性要素434を分けることにより、フィードスルー420を互いに物理的に分離することができる。特定の実施形態では、導電性要素434は、個々の導電性要素434のあらゆる部分が複数のフィードスルー420のうちの1つの複数の導体424のうちの1つの少なくとも一部であるように分けられることができ、したがって導電性要素434のどの部分も犠牲にされない(つまり廃棄されない)。本発明の実施形態では、絶縁体422は、隣接する絶縁体422間で導電性要素434が分けられる際に、結果として得られる導体424の各々が、フィードスルー420におけるその最終使用のための所望の長さを有するよう、導電性要素434に沿って間隔を隔てている。隣接する絶縁体422間の間隔の長さを選択することにより、導電性要素434のどの部分も犠牲にならないよう、分けられた後の導体424の個々の長さを制御することができる。
【0031】
ブロック340の焼結プロセスの間、絶縁体422を収縮させてその密度を高くし、その一方で絶縁体422から空隙を実質的に除去するのに十分な温度までフィードスルー420が加熱される。絶縁体422から空隙を実質的に除去することにより、この焼結プロセスによって絶縁体422の流体不浸透性が改善される。焼結プロセスの追加利点は、絶縁体422が収縮する際に、導電性要素434の周囲をより緊密に圧縮し、それにより導電性要素434が絶縁体422を貫通している個々のフィードスルー420の流体不浸透性が改善されることである。さらに、高温焼結プロセスの間、絶縁体422が液体にならない(つまり融解しない)ように、また、導電性要素434が絶縁体422の周囲をひび割れさせるほどには膨張しないように、絶縁体422および導電性要素434を形成するために使用される材料を選択することができ、また、導電性要素434の寸法を選択することができる。このようなひび割れは、導電性要素434が絶縁体422の弾性によって補償することができる範囲を超えて膨張する際に生じることがある。本発明の実施形態では、焼結温度は、絶縁体422および導電性要素434の融解温度未満である。いくつかの実施形態では、焼結温度は、例えば絶縁体422の融解温度の約85%にすることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、導体424は、白金またはニオブを含むことができる。上で説明したように、非導電性のPIM供給原料は、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどの粉末セラミックを含むことができる。酸化ジルコニウムは、酸化アルミニウムが白金に粘着する以上に良好に確実に白金に粘着するため、特定の実施形態では、場合によっては、白金を含んだ導体、および酸化ジルコニウムを含んだ非導電性のPIM供給原料が使用されることが好ましい。
【0033】
さらに、特定の実施形態では、複数の導体424のうちの少なくとも1つは、導体424が、導体424が絶縁体422の第2の側から延在している位置からオフセットした位置で、絶縁体422の第1の側から延在するような形にすることができる。このような実施形態では、導体424は、単一の軸に沿った絶縁体422を貫通して一直線には延在しない。代替または追加として、複数の導体424のうちの少なくとも1つは、1つまたは複数の機能部品への接続を容易にする形をした端部を含むことができる。いくつかの実施形態では、例えば複数の導体424のうちの少なくとも1つは、機能部品への接続を容易にする形(例えば「バンプ」)を導体の適切な部分に含むことができる。代替または追加として、少なくとも1つの導体424がハウジング内の凹所の床を貫通して露出するよう、ハウジングの壁の中にフィードスルー420を組み込むことも可能である。本発明の特定の実施形態に関して上で説明した導体の形および位置は、以下で説明する本発明の他の実施形態にも適用することができることに留意されたい。これらの形および位置が説明されている選択された実施形態は、単なる実例にすぎない。
【0034】
本発明の実施形態に従って製造されるフィードスルーは、ハウジングの容器の壁の中に組み込むことができる。例えば、図3〜4Dに示されている、これらの図を参照して説明した実施形態に従って製造されるフィードスルー420は、図1に示されているハウジング102などのハウジングの容器の壁の中に組み込むことができる。代替として、本発明の実施形態によれば、容器は、フィードスルーの絶縁体と容器が一体になるように製造することができる。
【0035】
従来の埋込ハウジングは、生体適合性を有するフィードスルーを有するチタンシェルを備えている。チタンは比較的強度が強く、また、比較的軽量であるため、比較的大きいハウジングのためのチタンの使用には特定の利点がある。しかしながら、本発明の実施形態によるPIMプロセスを使用した比較的小さいハウジングの形成には、より柔軟性に富んだ設計、およびチタンからハウジングを形成するためのプロセスよりコストが安価である、などのいくつかの利点がある。また、本発明の実施形態によるPIMプロセスは、チタンからハウジングを形成するためのプロセスよりもより容易にハウジングの大規模製造に適合される。さらに、本発明の実施形態によるPIMプロセスを使用して形成されるハウジングは、適切な強度および重量特性を有している。
【0036】
図5は、本発明の実施形態による埋込型医療機器の一部の斜視図である。図5は、2つのハウジング502Aおよび502Bを示したもので、これらのハウジングの各々は、ハウジングの互いに反対側の壁のフィードスルー520を使用して形成されている。図5に示されているように、ハウジング502は、導電性要素534などの連続導体が個々のハウジング502を貫通して隣接するハウジング502まで延在することができるように整列しており、したがってすべてのハウジング502は、複数の連続導電性要素534によって物理的および電気的に接続されている。本発明の実施形態では、個々の導電性要素534は、複数のハウジング502を貫通して延在している単一導体であってもよい。本発明の実施形態によれば、図5に示されている導電性要素534に沿って任意の数のハウジング502を物理的および電気的に接続することができる。特定の実施形態では、複数の導電性要素534のうちの1つまたは複数が複数のハウジング502の各々を貫通して延在しており、これらの複数のハウジング502の各々との電気通信を可能にしている。特定の実施形態では、いくつかの導電性要素を複数のハウジング502の各々を貫通して延在させて、これらの複数のハウジング502の各々との電気通信を可能にすることができ、一方、他の導電性要素は、個々のハウジングへの電気接続を構築する手段を提供するために分けられる。図に示されているように、ハウジング502は、さらに、導電性要素534に沿って互いに間隔を隔てている。特定の実施形態では、隣接するハウジング502間で導電性要素534が分けられることにより、ハウジング502を互いに物理的に分離することができる。
【0037】
図5に示されている実施形態では、個々のハウジング502には容器518が含まれており、容器518は、集まって凹所508を画成すると共に容器518の外部表面を画成する複数の壁510を有している。また、個々の容器518の凹所508には、ハウジング502Aに対する関係で示されている床507が含まれている。図に示されているように、個々の容器518には複数のフィードスルー520が含まれており、これらのフィードスルー520の各々には、絶縁体522およびフィードスルーの導電経路を形成している複数の導電性要素534が含まれている。図5に示されているように、フィードスルー520の各々の絶縁体522は、複数の容器518のうちの1つと一体である。本発明の実施形態では、個々の絶縁体522は、生体適合性、電気的絶縁性、及び流体不浸透性がある。さらに、図5の実施形態に示されているように、複数の連続導電性要素534の各々は、ハウジング502Aの外部領域から、ハウジング502Aの第1の壁510を貫通して凹所508の中へ入り、ハウジング502Aの床507に沿って、ハウジング502Aの第1の壁510とは反対側の第2の壁510を貫通して、第2の壁510と隣接しているハウジング502Aのもう一方の外部領域へ延在している。図5に示されている実施形態では、複数の導電性要素534の各々は、さらに、ハウジング502Bに対する関係で示されているように、ハウジング502Aに隣接している他のハウジング502Bを貫通して延在している。
【0038】
本発明の実施形態では、フィードスルー520は、図3に示されている方法300の実施形態を使用して形成することができる。このような実施形態では、フィードスルー520は、型が、絶縁体422の形ではなく、容器518の形を有するキャビティを画成する点を除き、図3〜4Dに関連して上で説明した、フィードスルー420を形成するためのプロセスと同様の方法で形成することができる。したがって上で説明したように非導電性PIM供給原料を型に注入することにより、絶縁体522が一体になった容器518を形成することができる。さらに、いくつかの実施形態では、導電性要素534などの1つまたは複数の連続導体の周囲に複数の容器518を同時に形成することができる。
【0039】
本発明の代替の実施形態では、図5に示されているように容器518と一体の絶縁体522を有するフィードスルー520は、図6〜7Hに関連して以下で説明する方法に従って形成することも可能である。本発明のいくつかの実施形態によれば、容器518と一体の絶縁体522を形成することにより、ハウジング壁の中にフィードスルーを組み込む際にハウジング壁と絶縁体の間に生成される界面が無くなる。この界面は、流体の漏れの原因になりやすく、したがって本発明の実施形態によれば、この界面部分において流体が漏れる可能性を排除することができる。
【0040】
上で説明した容器518が形成されると、生体適合性がある密閉ハウジング502を形成するために個々の容器518に蓋519を密閉することができる。図5に示されている実施形態では、ハウジング502Bには、容器518に密閉される蓋519が含まれている。図には示されていないが、ハウジング502Aも、容器518に密閉された蓋519を含むことができる。いくつかの実施形態では、蓋519は、容器518を形成するために使用されるPIMプロセスと同じPIMプロセスによって形成される。例えば蓋519は、容器518を形成するために使用される型と同じ型の中の、異なる型キャビティの中で形成することができる。
【0041】
図5に示されている実施形態では、容器518は、導電性要素534が凹所508の内側に露出するように導電性要素534の周囲に成形されている。したがって個々の導電性要素534は、容器518の外部から内部まで導電経路を提供しており、また、すべてのハウジング502に共通導電経路を提供している。このような実施形態では、凹所508に1つまたは複数の機能部品が取り付けられ、凹所508の内側に露出している複数の導電性要素534のうちの1つまたは複数に電気接続される。このような機能部品は、例えばアナログ/ディジタル回路、プロセッサ、専用集積回路(ASIC)または他の集積回路(IC)であってもよい。いくつかの実施形態では、フリップチップボンディングプロセスを使用して複数の導電性要素534のうちの1つまたは複数にICを取り付け、かつ、電気接続することができる。追加または代替として、凹所508に1つまたは複数の機能部品を取り付け、次に、ワイヤまたは他の導体を使用して複数の導電構造534のうちの1つまたは複数に電気接続することも可能である。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態では、複数のハウジング502のうちの複数のハウジングが互いに物理的に分離されていない。したがって導電性要素534によって物理的に接続された状態を維持しているハウジング502は、導電性要素534によって物理的および電気的に接続される一連のハウジング502を形成する。一連のハウジング502が埋込型デバイスの部品として使用される実施形態では、デバイスを埋め込む前に、生体適合性及び電気的絶縁性がある材料を使用して導電性要素534を覆うことができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、個々の導電性要素534は、複数の導電性要素534の各々を利用して、容器518内に取り付けられている、あるいは容器518内に取り付けられることになる任意の機能部品に電気接続することができるよう、個々の容器518の凹所508の内側に露出している。他の実施形態では、複数のハウジング502を物理的に接続している複数の導電性要素534のうちの1つまたは複数は、アクセスが不可能であり、したがっていくつかのハウジング502の凹所508内では電気接続することができない。このような実施形態では、特定の容器518の形を、さもなければ凹所508の内側に露出されることになる特定の導電性要素534を封入する形にすることができる。追加または代替として、1つまたは複数の導電性要素534が壁510によってハウジング全体にわたって封入され、凹所508の内側に露出しないよう、1つまたは複数の容器518を他の容器518に対してオフセットさせることも可能である。追加または代替として、特定の導電性要素534は、導電性要素534がいくつかの容器518の凹所508に露出し、他の容器518の凹所508には露出しないよう、様々な湾曲を含むことができる。
【0044】
本発明の特定の実施形態では、容器518は、隣接する容器518間で導電性要素534を分ける際に、結果として得られる、導電性要素534から分けられた導体の各々が、ハウジング502内におけるその最終使用のための所望の長さを有するよう、導電性要素534に沿って間隔を隔てている。隣接する容器518間の間隔の長さを選択することにより、導電性要素534のどの部分も犠牲にならないよう、導電性要素534から分けられる導体の個々の長さを制御することができる。さらに、本発明の実施形態によるPIMプロセスを使用することにより、広範囲にわたる様々な形の絶縁体を形成することができる。
【0045】
図6は、本発明の実施形態によるPIMを使用してフィードスルー720を形成する方法600を示すフローチャート図である。図7A〜7Hは、図6の様々な態様に使用される要素、または図6の様々な態様によって得られる要素を示したものである。説明を分かりやすくするために、図7A〜7Hに示されている要素を参照して図6の実施形態を説明する。
【0046】
図7A〜7Hは、本発明の実施形態によるフィードスルー720を形成するために使用することができる型750および器具740の横断面図である。図7Hに示されているフィードスルー720は、図1のフィードスルー120の一実施形態であり、例えば図1に示されているように、密閉ハウジングの中に組み込むことができる。図7Aに示されているように、型750には、閉じると型キャビティ756を画成する第1および第2の型部分750Aおよび750Bが含まれている。型部分75OAには1つまたは複数の孔752が含まれており、また、型部分750Bには、型750が閉じるとそれぞれ孔752と整列する1つまたは複数の穴754が含まれている。器具740には、2つの孔743、745を有するボディ741、およびロッド744が含まれており、ロッド744は、ロッド744に接続されている中子742を孔743を介して移動させる。器具740には、さらに、以下で説明するように導体724を孔745から移動させるように構成されたロッド746が含まれている。
【0047】
図6に示されている方法600はブロック610で開始され、型750への注入を容易にするために生体適合性及び非導電性のPIM供給原料が加熱される。ブロック620で、図7Bに示されているように中子742が型キャビティ756の中へ移動する。図7Aに示されているように型750が閉じられ、孔743と孔752および穴754が整列するように器具740のボディ741が配置される。次に、中子742の一端が孔752および型キャビティ756を通過して、穴754の中へ移動するよう、ロッド744が中子742を孔743から押し出すことによって型キャビティ756の中へ中子742を移動させる。図7Bは、型キャビティ756の中へ移動した後の中子742を示したものである。図6に示されている実施形態は、PIM供給原料の加熱で開始されているが、代替の実施形態では、PIM供給原料を加熱する前に、あるいは供給原料を加熱している間に、中子742を型キャビティ756の中へ移動させることができる。
【0048】
次に、ブロック630で、図7Cに示されているように中子742の周囲に絶縁体722を形成するために、加熱されたPIM供給原料が型キャビティ756に注入される。ブロック640で、図7Dに示されているように、注入されたPIM供給原料がその注入時における高められた温度から冷却される冷却段階の間、ロッド744によって中子742が型750および絶縁体722から取り除かれる。図7Dに示されているように、中子742を絶縁体722から取り除くことにより、本明細書においては中子空洞728と呼ばれている空胴部が絶縁体722中に残される。次に、矢印736で示されている方向にボディ741が移動され、それにより図7Eに示されているように孔745と中子空洞728並びに孔752及び穴754とが整列する。
【0049】
ブロック650で、絶縁体722の温度がPIM供給原料注入時の高められた温度から低下するPIMプロセスの冷却段階の間、導体724が中子空洞728に挿入される。図7Eおよび7Fに示されているように、導体724の一部が中子空洞728の中に配置され、かつ、導体724の一部が孔752および穴754の各々の中に配置されるように、ロッド746によって導体724が孔745から中子空洞728の中へ移動する。実施形態では、絶縁体722が導体724の少なくとも一部の周囲全体を完全に封入するように導体724を中子空洞728に挿入することができる。本発明の実施形態では、中子空洞728の直径を導体724の直径より小さくすることができる。このような実施形態では、導体724が中子空洞728の中に押し込まれ、絶縁体722と締まりばめを形成する。他の実施形態では、中子空洞728の直径を導体724の直径より大きくするか、あるいは導体724の直径と同じにすることができる。
【0050】
冷却段階の間(つまり絶縁体722が依然として比較的熱い状態にある間)に導体724を絶縁体722中に挿入することにより、絶縁体722が冷たくなる間に導体724を中子空洞728内の正しい位置に配置することができる。したがって導体724が絶縁体722内の正しい位置に配置されると、絶縁体722は、絶縁体722が引き続いて冷たくなるにつれて導体724の周囲を圧縮する。絶縁体722が冷たくなる際に、絶縁体722に導体724の周囲を圧縮させることにより、後続する結合解除プロセスおよび焼結プロセスの間、これらのプロセスの間、導体724を正しい位置に保持するように設計された取付具を必要とすることなく導体724が絶縁体722内の正しい位置を確実に維持することが促進される。さらに、PIMプロセスのための典型的な冷却期間の間に導体724が絶縁体722中に挿入されるため、上で説明したように導体724を絶縁体722中に挿入しても製造時間が長くなることはないことに留意されたい。
【0051】
図7Gに示されているように、器具740のボディ741は、ボディ741を孔743と孔752が整列しているその開始位置に戻すために矢印738の方向に移動させることができる。図7Hに示されているように、型750を開くことができ、また、絶縁体空洞728内に導体724が配置された絶縁体722を型750から取り出す、つまり放出させることができる。型から取り出されると、上で説明した結合解除プロセスが絶縁体722に施される。結合解除プロセスの後、ブロック660でフィードスルー720を形成するために、上で説明したように絶縁体722が焼結される。
【0052】
説明を明確にするために、図6〜7Hに示されている実施形態は、絶縁体722中への一例示的導体724の挿入を参照して図に示され、かつ、説明されている。しかしながら、本発明の実施形態では、器具740は、型キャビティ756内への挿入のための任意の数の中子742および導体724を備えることができ、また、型750は、中子742および導体724を受け取るための任意の数の孔752および穴754を備えることができる。このような実施形態では、型750および器具740は、中に複数の導体724が配置された絶縁体722が形成されるように構成され、また、器具740は、複数の導体724が、同時に、あるいは任意の順序で絶縁体722中に挿入されるように構成することができる。さらに、図6〜7Hに示され、かつ、これらの図に関連して説明した方法600の実施形態は、自動化システムによって実施されることが好ましいが、手動で実施することも可能である。また、図6〜7Hを参照して上で示し、かつ、説明した方法の実施形態を使用して、図5を参照して上で示し、かつ、説明したように、容器と一体の絶縁体を有するフィードスルーを形成することも可能である。このような実施形態では、型750は、PIM供給原料が型に注入されると容器518が形成されるように構成することができ、また、導電性要素534は、冷却段階の間に、容器518の中に形成された中子空洞を貫通して挿入することができる。結合解除プロセスおよび焼結プロセスが実施されると、図5に示されているように物理的および電気的に接続された複数のハウジング502を形成するために、容器518に蓋519を密閉することができる。
【0053】
図8は、本発明の実施形態による、二材料PIMを使用してフィードスルーを形成する方法800を示すフローチャート図である。本明細書において使用されているように、「二材料PIM」は、あるタイプの2色すなわち2部品射出成形を意味しており、1つのタイプのPIM供給原料を使用して1つまたは複数の構造部分が形成され、また、もう一方のタイプのPIM供給原料を使用して1つまたは複数の他の構造部分が形成される。本発明の実施形態によれば、例えば非導電性PIM供給原料を使用してフィードスルーの絶縁体を形成することができ、また、導電性PIM供給原料を使用してフィードスルーの導電部分を形成することができる。図9A〜9Eは、図8の様々な態様に使用される要素、または図8の様々な態様によって得られる要素を示したものである。説明を分かりやすくするために、図9A〜9Eに示されている要素を参照して図8の実施形態を説明する。
【0054】
図9A〜9Eは、図8に示されている方法の実施形態による型950を使用したフィードスルー920の形成を示す横断面図である。図9Aに示されているように、型950は、閉じると型キャビティ956を画成し、また、この型950には、穴952および954が含まれている。図9Aに示されている型キャビティ956の形は、単に本発明の一実施形態による型キャビティ956の一例示的な形にすぎない。本発明の実施形態では、型キャビティ956は、任意の所望の形を有することができる。いくつかの実施形態では、例えば型キャビティ956は、PIM供給原料が型キャビティに注入されると、図4Aに示されている絶縁体422と同様の絶縁体が形成される形にすることができる。代替実施形態では、型キャビティ956は、PIM供給原料が型キャビティに注入されると、容器または容器の1つまたは複数の壁が形成される形にすることができる。さらに、図9Aに示されている実施形態では、第1および第2の中子部分944Aおよび944Bを含んだ中子942が型キャビティ956の中に配置されている。他の実施形態では、中子942は、任意の所望の形を有することができる。例えば特定の実施形態では、中子942は、PIM供給原料が注入された後、型キャビティ956から容易に後退させることができるよう、単一の中子形状にすることができる。他の実施形態では、中子942は、任意の数の個別片を備えることができる。
【0055】
図8に示されている方法800はブロック810で開始され、型950への注入を容易にするために生体適合性及び非導電性のPIM供給原料が加熱される。ブロック820で、図9Bに示されているように中子942の周囲に絶縁体922を形成するために、加熱された非導電性のPIM供給原料が型キャビティ956に注入される。ブロック830で中子942が絶縁体922から取り除かれる。図9A〜9Eに示されている実施形態では、中子942は、中子部分944Aおよび944Bを互いに型キャビティ956から遠ざかる方向に移動させることによって絶縁体922から取り除かれる。図9Cに示されているように、中子部分944Aおよび944Bは、絶縁体922からそれぞれ穴952および954の中へ移動する。中子942を絶縁体922から移動させることにより、本明細書においては中子空洞928と呼ばれている空洞部が絶縁体922の中に残される。ブロック840で導電性PIM供給原料が加熱される。上で説明したように、導電性PIM供給原料は、型950への注入を容易にするために加熱される。
【0056】
図9Dに示されているように、ブロック850で絶縁体922中に導体924を形成するために、加熱された導電性PIM供給原料が中子空洞928に注入される。導電性PIM供給原料を中子空洞928に注入することにより、導体924の形が中子空洞928の形になる。したがって本発明の実施形態では、所望の形を有する単一部品または複数部品の中子942を使用して、多くの異なる形の導体を形成することができる。図9A〜9Eに示されているように、導体924には、2つの端部925と927の間に中央部分929が含まれており、中央部分929の直径は、それぞれ端部925および927の直径より小さくなっている。さらに、端部925および927の各々は、中子空洞928の中央部分の直径より大きい直径を有している。したがって図9Eに示されている導体924が中子空洞928の中に形成されると、導体924は、絶縁体922から容易に移動することはできない。さらに、図9Eに示されている実施形態では、導体924の形と中子空洞928の形が一致しているため、絶縁体922は、絶縁体922に対する導体924のあらゆる運動を実質的に防止する。実施形態では、絶縁体922が導体924の少なくとも一部の周囲全体を完全に封入するように中子空洞928の中に導体924を形成することができる。
【0057】
次に、図9Eに示されているように絶縁体922および導体924を型950から取り出すことができる。型950から取り出されると、絶縁体922および導体924に結合解除プロセスが施される。ブロック860で、フィードスルー920を形成するために、上で説明したように絶縁体922および導体924が焼結される。さらに、本発明の実施形態によれば、PIM供給原料から絶縁体および導体の両方を形成することには、焼結プロセスによってこれらの部品の各々の粒子が互いに粘着する追加利点があり、この追加利点により、絶縁体が収縮してPIM供給原料から形成されていない導体の周囲を圧縮する場合よりも、より良好な密閉を提供されることになる。特定の実施形態では、絶縁体および導体を形成するために使用される個々のPIM供給原料の粉末成分が互いに粘着する。一例として、両方が酸化アルミニウム粉末成分を含んだ導電性および非導電性PIM供給原料が使用されると、絶縁体の酸化アルミニウム部品と導体の酸化アルミニウム部品が焼結後に連続する。PIM供給原料を使用して絶縁体および導体の両方を形成することによって得られるこの物理的連続性により、絶縁体および導体のうちの一方のみがPIM供給原料から形成されるフィードスルーよりも、絶縁体と導体の間のより良好な密閉が提供される。さらに、本発明の実施形態によれば、二材料PIMを使用してフィードスルーを形成することにより、図9A〜9Eの実施形態を参照して上で説明したように、フィードスルーの絶縁体および1つまたは複数の導体の両方を広範囲にわたる様々な形で形成することができる。広範囲にわたる設計柔軟性が提供されるだけでなく、二材料PIMは、高度に拡張可能な製造プロセスである。
【0058】
図8に示されている実施形態は、ブロック830での中子942の取り除き後における導電性PIM供給原料の加熱を示しているが、代替実施形態では、導電性PIM供給原料は、絶縁体空洞928への導電性PIM供給原料の注入に先立つ任意の時間に加熱することができる。例えば、実施形態では、導電性PIM供給原料は、ブロック810における非導電性PIM供給原料の加熱、ブロック820における非導電性PIM供給原料の注入、およびブロック830における中子942の取り除きのうちの任意のブロックの前、ブロックの間またはブロックの後に加熱することができる。
【0059】
説明を明確にするために、図8〜9Eに示されている実施形態は、絶縁体922中への一例示的導体924の形成を参照して図に示され、かつ、説明されている。しかしながら、本発明の実施形態では、型950は、任意の数の中子942および対応する穴を備えており、また、任意の数の導体924を絶縁体922中に形成するように構成することも可能である。特定の実施形態では、例えば型950は、中に複数の導体924が配置された絶縁体922が形成されるように構成される。さらに、図8〜9Eに示され、かつ、これらの図に関連して上で説明した方法の実施形態は、ハウジングの壁の中に組み込まれるフィードスルーを形成するために使用することができる。代替としては、この方法の実施形態を使用して、絶縁体がハウジングの壁と一体であるフィードスルーを形成することも可能である。このような実施形態では、型キャビティ956は、図5に示されている容器518と同様の容器が形成されるように構成することができ、また、容器の壁の中に導体924を形成することができる。図8〜9Eに示され、かつ、これらの図に関連して説明した方法800の実施形態は、自動化システムによって実施されることが好ましい。
【0060】
二材料PIMプロセスを使用して構造を形成する場合、2つのPIM供給原料は、構造を焼結させる際に、これらの2つの供給原料のうちの一方から形成される要素が、もう一方の供給原料から形成される要素をひび割れさせないように、あるいは損傷しないように選択されることが好ましい。これらの問題についての説明は、例えば、Johnson et al.、「Design Guidelines for Processing Bi-Material Components via Powder-Injection Molding」、Journal of the Minerals、Metals and Materials Society、vol. 55、no. 10、30〜34頁(2003年10月)を参照されたい。要素を焼結させる場合、一方の供給原料から形成される第1の部分が第2の部分に、この第2の部分の弾性限界を超える力を加えないことが好ましい。つまり、2つのPIM供給原料の材料は、供給原料の焼結力学と緊密に整合するように選択されることが好ましい。
【0061】
本発明の実施形態によれば、本明細書において説明されているフィードスルーを形成するために使用される二材料PIMプロセスは、それぞれ粉末セラミックを含んだ導電性および非導電性PIM供給原料を利用することができる。両方が粉末セラミックを含んだ2つのPIM供給原料を本発明の実施形態に使用することは、これらの2つの供給原料の焼結力学が極めて類似しているため、有利である。代替実施形態では、非導電性PIM供給原料はセラミック粉末を含むことができ、一方、導電性PIM供給原料はニオブ粉末を含むことができる。このような実施形態では、これらの2つの材料の個々の熱膨張率が互いに10%以内であるため、場合によっては供給原料のこの組合せが有利である。さらに、予め成形済みの白金導体を使用する代わりに、ニオブを含んだPIM供給原料を本発明の実施形態に使用して導電経路を形成する利点は、ニオブが白金より安価な生体適合性金属であることである。
【0062】
図10Aおよび10Bは、本発明の実施形態による、二材料PIMを実施するために使用することができる射出成形装置1000を概略的に示したものである。本発明の特定の実施形態では、成形装置1000を使用して、図9A〜9Eに示されているプロセスを実施することができる。図10Aに示されているように、成形装置1000には、第1の供給原料を第1の注入装置1072に供給する第1のホッパ1070、および第2の供給原料を第2の注入装置1076に供給する第2のホッパ1074が含まれている。実施形態では、第1のホッパ1070は非導電性PIM供給原料を含むことができ、また、第2のホッパ1074は導電性PIM供給原料を含むことができる。第1および第2の注入装置1072および1076は、ゲート1078のゲート開口1075および1077と整列している。成形装置1000には、さらに、ゲート1078に対して移動させることができる型1050が含まれている。
【0063】
本発明の実施形態に従って二材料PIMプロセスを実施する場合、図10Aに示されているように、型1050の型開口1055とゲート1078のゲート開口1075を整列させることができる。実施形態では、注入装置1072は、ホッパ1070から非導電性PIM供給原料を受け取り、次に、受け取った供給原料を加熱する。注入装置1072は、中子1042が型1050の型キャビティ1056の中に配置されている状態で、ゲート開口1075および型開口1055を介して型キャビティ1056に加熱された供給原料を注入し、それにより型キャビティ1056内の中子1042の周囲に絶縁体1022(図10Bに示されている)が形成される。
【0064】
次に、図10Bに示されているように型開口1057とゲート開口1077を整列させるために、型1050をゲート1078に対して移動させることができる。実施形態では、注入装置1076は、ホッパ1074から導電性PIM供給原料を受け取り、次に、受け取った供給原料を加熱する。図10Bに示されているように、絶縁体1022の中に中子空洞1028を形成するために、中子部分1044Aおよび1044Bを型キャビティ1056から穴1052および1054の中へそれぞれ移動させることができる。次に、注入装置1076は、中子空洞1028の中に導体(例えば図9D参照)を形成するために、加熱された導電性供給原料を中子空洞1028に注入することができる。実施形態では、絶縁体1022が導体の少なくとも一部の周囲全体を完全に封入するように中子空洞1028の中に導体を形成することができる。次に、図9A〜9Eに示されている実施形態に関連して上で説明したように、型1050を開くことができ、また、絶縁体1022および導体を取り出し、かつ、結合解除プロセスおよび焼結プロセスを施すことができる。本発明の実施形態では、様々な異なる型1050を使用して、様々な異なる形の絶縁体を形成することができる。例えば、特定の実施形態では、型キャビティ1056は、ハウジングの壁の中に組み込むことができる絶縁体が形成されるように構成することができ、一方、他の実施形態では、型キャビティ1056は、容器の少なくとも1つの壁と一体の絶縁体を有する少なくとも1つのフィードスルーを含んだ容器が形成されるように構成することができる。
【0065】
図11Aは、容器1118のフィードスルー1120であって、本発明の実施形態に従って形成することができるフィードスルーの斜視図である。図11Aに示されている実施形態では、容器1118は非導電性であり、容器1118には、容器1118の側壁および底を形成し、凹所1108を画成している複数の壁1110が含まれている。図に示されているように、複数の導体1124は、容器1118の個々の壁1110を貫通して延在し、それにより複数のフィードスルー1120を形成しており、これらのフィードスルー1120の各々には、壁1110と一体の絶縁体、および壁を貫通して導電経路を形成している導体1124が含まれている。実施形態では、個々の導体1124は、凹所1108の内側と容器1118の外部表面の両方で露出している。
【0066】
フィードスルー1120は、図8を参照して上で説明した方法800の実施形態に従って形成することができる。特定の実施形態では、フィードスルー1120は、図9A〜9Eを参照して上で説明したプロセスに従って形成することができる。このような実施形態では、型キャビティ956は、非導電性PIM供給原料が型キャビティ956に注入されると容器1118が形成される形をしている。容器1118の中に中子空洞928を形成するために非導電性PIM供給原料が注入されると、導体1124の形を有する単一片または複数片の中子942が型キャビティ956の中に配置される。中子942が取り除かれると、容器1118の壁1110を貫通して延在する導体1124を形成するために導電性PIM供給原料が中子空洞に注入される。次に、フィードスルー1120を形成するために、上で説明したように容器1118および導体1124を型から取り出し、かつ、結合解除プロセスおよび焼結プロセスを施すことができる。個々のフィードスルー1120には、容器1118と一体の絶縁体、および絶縁体を貫通する導電経路を形成する少なくとも1つの導体1124が含まれている。図11Aに示されているように、導体1124Aの各々の平らな第1の接触部分1125Aは、凹所1108の内側に露出している。実施形態では、第1の接触部分1125Aの各々は、凹所1108内の同じ表面に配置されている。また、実施形態では、導体1124Aの各々には、導体1124Aの各々が露出する壁1110と平行で、かつ、同じ導体1124Aの平らな第1の接触部分1125Aに対して直角の平らな第2の接触部分1127Aが含まれている。
【0067】
特定の実施形態では、容器1118内にフィードスルー1120が形成されると、1つまたは複数の機能部品を凹所1108内に取り付けることができ、また、密閉ハウジングを形成するために、蓋を容器1118の上部表面1117に密閉して凹所1108を覆うことができる。実施形態では、1つまたは複数の機能部品が凹所1108内に取り付けられ、第1の接触部分1125Aを介して、複数の導体1124Aのうちの1つまたは複数に電気接続される。特定の実施形態では、複数の機能部品のうちの1つまたは複数は、フリップチップボンディングプロセスを使用して複数の第1の接触部分1125Aのうちの1つまたは複数に取り付けられ、かつ、電気接続される集積回路(IC)であってもよい。追加または代替として、1つまたは複数の機能部品が凹所1108内に取り付けられ、次に、ワイヤまたは他の導体を使用して複数の第1の接触部分1125Aのうちの1つまたは複数に電気接続される。いくつかの実施形態では、容器1118に密閉される蓋は、図5に示されている蓋519と同様の蓋であってもよい。
【0068】
図11Bは、他の容器1118Bのフィードスルー1120Bの斜視図であり、フィードスルーは、本発明の他の実施形態に従って形成することができる。容器1118Bおよびフィードスルー1120Bは、フィードスルー1120Bの導体1124Bがフィードスルー1120Aの導体1124Aの形とは異なる形を有している点を除き、容器1118Aおよびフィードスルー1120Aと同様である。図11Bに示されているように、複数の導体1124Bの各々は、凹所1108の内部表面に露出した第1の接触部分1125B、および容器1118Bの上部表面1117とは反対側の底部表面に隣接する壁1110で露出し、かつ、壁1110から延在している第2の接触部分1127Bを有する階段状の形をしている。フィードスルー1120Bを備えた容器1118Bは、プロセスが、中子942の代わりに、導体1124Bと同様の形をした中子空洞928を形成するために使用される単一片または複数片の中子を利用することができる点を除き、図11Aを参照して上で説明したプロセスと同様のプロセスによって形成することができる。
【0069】
図11Cは、他の容器1118Cのフィードスルー1120Aおよび1120Cの斜視図であり、フィードスルーは、本発明の他の実施形態に従って形成することができる。図11Cに示されているように、容器1118Cは、容器1118Cにはフィードスルー1120Aの代わりにフィードスルー1120Cが容器1118Cの壁1110のうちの2つに含まれている点を除き、フィードスルー1120Aを備えた容器1118Aと同様である。フィードスルー1120Cは、フィードスルー1120Cの導体1124Cがフィードスルー1120Aの導体1124Aの形とは異なる形を有している点を除き、フィードスルー1120Aと同様である。図11Cに示されているように、複数の導体1124Cの各々には、容器1118Cの上部表面1117とは反対側の底部表面に隣接する壁1110で露出し、かつ、壁1110から延在している延長部分1129が含まれている。図に示されているように、複数の導体1124Cの個々の延長部分1129には孔1123が含まれている。フィードスルー1120Aおよび1120Cを備えた容器1118Cは、中子942の形を導体1124Aおよび1124Cと同様の形をした中子空洞928が形成される形にすることができる点を除き、図11Aを参照して上で説明したプロセスと同様のプロセスによって形成することができる。
【0070】
図12は、本発明の実施形態による、物理的および電気的に接続された複数のハウジング1202の斜視図である。機能部品およびハウジング1202の蓋は、図解および説明を分かりやすくするために省略されている。図12に示されている実施形態では、複数のハウジング1202の各々には、図11Cに示されているフィードスルー1120Aおよび1120Cを有する容器1118Cが含まれている。図11Cを参照して上で説明したように、複数のフィードスルー1120Cの各々は、孔1123を有する延長部分1129を含んだ導体1124Cを備えている。図12に示されている実施形態では、導電コネクタ1234は、複数の容器1118Cの各々の第1の側の導体1124Cの孔1123を貫通して延在している。さらに、他の導電コネクタ1234は、複数の容器1118Cの各々のそれぞれ第1の側とは反対側の第2の側の導体1124Cの孔1123を貫通して延在している。実施形態では、個々の導電コネクタ1234は、孔1123の内側の導体1124と締まりばめを形成することができる。複数の導電コネクタ1234の各々は、複数のハウジング1202を物理的および電気的に接続する導体である。導電コネクタ1234は、孔1123の中の導体1124Cと接触することによってハウジング1202を電気接続している。特定の実施形態では、導電コネクタ1234は剛直であり、一方、他の実施形態では、導電コネクタ1234は柔軟である。実施形態では、個々の導電コネクタ1234は、導電性リボン、ロッドまたはワイヤであってもよい。導電コネクタ1234を使用して導体1124Cを接続する前、あるいは接続した後に、図11A〜11Cを参照して上で説明したように、1つまたは複数の機能部品を個々の容器1118Cの凹所1108に取り付け、かつ、導体1124Aおよび1124Cに電気接続することができる。また、導電コネクタ1234を使用して導体1124Cを接続する前、あるいは接続した後に、ハウジング1202を形成するために個々の容器1118Cの上部表面1117に蓋を封止することも可能である。物理的および電気的に接続された複数のハウジング1202は、例えば多重部品インプラントとして使用することができる。
【0071】
図13Aおよび13Bは、本発明の実施形態に従って形成することができるフィードスルー1120Cを備えたハウジング1302の横断面図である。図13Aおよび13Bに示されているように、ハウジング1302は、フィードスルー1120Cが形成される容器1318、および容器1318を密閉するように構成された蓋1319を備えている。実施形態では、容器1318は、容器1318には、さらに、2つの要素の間の結合を容易にする適切な材料でできた1つまたは複数の取付け要素1382が含まれている点を除き、フィードスルー1120Aおよび1120Cを含んだ図11Cの容器1118Cと同様であってもよい。このような材料は、その性質が金属である材料であっても、あるいはレーザ溶接などの結合プロセスを容易にする他の材料(例えばTiまたはTiN)が装荷されたセラミックであってもよい。図に示されているように、容器1318には、非金属部分1372および取付け要素1382が含まれている。特定の実施形態では、1つまたは複数の金属取付け要素1382は、容器1318の上部表面1317の周囲全体にわたって延在している。図に示されているように、蓋1319には、非金属部分1374および1つまたは複数の金属取付け要素1384が含まれている。特定の実施形態では、1つまたは複数の金属取付け要素1384は、蓋1319の周囲全体にわたって延在している。本発明の実施形態では、二材料PIMを使用して、非金属部分1372および1374を非導電性PIM供給原料から形成し、また、金属取付け要素1382および1384を導電性金属PIM供給原料から形成することができる。
【0072】
図13Aに示されているように、容器1318に蓋1319を封止する前に、機能部品1390を容器1318の凹所1308内に取り付け、かつ、ワイヤ1392または他の導体を介して導体1124Cに電気接続することができる。次に、図13Bに示されているように、容器1318の上に蓋1319を置いて容器1318を封止することができる。実施形態では、蓋1319は、容器1318の金属取付け要素1382と蓋1319の金属取付け要素1384が接触するように容器1318の上に置くことができる。このような実施形態では、金属取付け要素1382は、溶接、ろう付け、はんだ付け、等々などの任意の適切な結合プロセスによって1384に結合することができる。容器および蓋の金属部分を結合することにより、ハウジング1302の密閉を改善することができる。
【0073】
フィードスルー1120Aおよび1120Cを備えた容器1318は、型キャビティ956の中に追加中子空洞928を形成するために非導電性PIM供給原料が注入されると、取付け要素1382のような形をした追加中子942を型キャビティ956の中に配置することができる点を除き、図11Cを参照して上で説明したプロセスと同様のプロセスによって形成することができる。したがってすべての中子942が取り除かれると、導体1124Aおよび1124Cが形成されることになる中子空洞928だけでなく、取付け要素1382のような形をした中子空洞928が型キャビティ956の中に出現する。すべての中子が取り除かれると、導体1124A、1124Cおよび取付け要素1382を形成するために金属導電性PIM供給原料が中子空洞に注入される。次に、上で説明したように、容器1318および導体1124A、1124Cに結合解除プロセスおよび焼結プロセスが施される。さらに、本発明の実施形態では、蓋1319も同様の二材料PIMプロセスによって形成することができる。例えば、実施形態では、図9A〜9Eを参照して上で説明したプロセスに従って蓋1319を形成することができる。
【0074】
このような実施形態では、型キャビティ956は、非導電性PIM供給原料が型キャビティ956に注入されると、蓋1319の非金属部分1374が形成される形をしている。型キャビティ956の中に取付け要素1384のような形をした中子空洞928を形成するために非導電性PIM供給原料が注入されると、金属取付け要素1384の形を有する単一片または複数片の中子942が型キャビティ956の中に配置される。中子942が取り除かれると、図13Aに示されているように、蓋1319の周囲に金属取付け要素1384を形成するために金属導電性PIM供給原料が中子空洞に注入される。次に、上で説明したように、型から蓋1319を取り外し、かつ、結合解除プロセスおよび焼結プロセスを施すことができる。特定の実施形態では、蓋1319は、容器1318および導体1124と同時に形成され、蓋1319および容器1318は、同じ型950の異なる型キャビティ956内で形成される。
【0075】
さらに、本明細書において説明されている、本発明の実施形態によるPIMプロセスを使用してハウジング1302を形成する場合、ハウジング1302は、追加コストをほとんど必要とすることなく、あるいは追加コストを全く必要とすることなく追加特徴を含むことができる。例えば、特定の実施形態では、図13Aに示されているように、縁領域1388と縁領域1388の間に薄い中央領域1386(縁領域1388は中央領域1386より分厚い)を有するように蓋1319を形成することができる。容器1318に蓋1319が封止されると、薄い中央領域1386を使用して、容器1318と蓋1319の間に密閉が達成されたかどうかを決定することができる。特定の実施形態では、薄い中央領域1386は、雰囲気圧が変化すると中央領域1386が十分に偏向し、干渉計などの適切な装置によってその偏向を測定することができるよう、十分に薄くすることができる。ハウジング1302が密閉されている場合、雰囲気圧が変化しても中央領域1386は常に偏向した状態を維持する。しかしながら、ハウジング1302が密閉されていない場合、ハウジング1302内の圧力とハウジング1302の外部の圧力が等しくなり、中央領域1386の偏向が部分的に小さくなるか、あるいは完全に小さくなる。蓋1319が形成される型キャビティ956の形を変更することにより、縁領域1388より薄い中央領域1386、または縁領域1388の厚さと同じ厚さの中央領域1386のいずれかを使用して蓋1319を形成することができる。
【0076】
本発明の他の実施形態では、ハウジング1302を形成するプロセスを修正して、ハウジング1302が密閉されたかどうかを決定するのに使用するための追加導体を蓋1319の上に形成することができる。特定の実施形態では、例えば二材料PIMプロセスの間、追加中子を型のキャビティ内で使用して、雰囲気圧が変化しても偏向しない第1の厚さを有する蓋1319の外部表面全体にわたって延在する第1の蓋キャビティを形成し、また、第1の厚さより薄く、かつ、雰囲気圧の変化によって偏向する十分な薄さの第2の厚さを有する蓋1319の外部表面全体にわたって延在する第2の蓋キャビティを形成することができる。実施形態では、第1および第2の蓋キャビティは同じ長さを有しており、次に、上で説明したように、導電性PIM供給原料が型に注入されると、同じ長さで、かつ、比較的断面積が小さい2つの導体を蓋キャビティの中に形成することができる。次に、これらの2つの導体をひずみゲージとして使用して、ハウジング1302が密閉されたかどうかを決定することができる。特定の実施形態では、これらの2つの導体は、雰囲気圧が変化した後、蓋のより薄い部分が依然として偏向した状態を維持しているかどうかを検出するためのホイートストンブリッジの2つの辺として使用されている。雰囲気圧が変化して蓋のより薄い部分が偏向すると、より薄い部分全体にわたって延在している導体の抵抗が変化する。したがって蓋の薄いセクション全体にわたって延在している導体の抵抗を他の導体の抵抗と比較してモニタすることにより、より薄いセクションが常に偏向した状態を維持しているかどうか、あるいは平衡状態に復帰したかどうかを監視することができる。上で説明したように、薄いセクションが偏向した状態を常に維持している場合、密閉が達成されている。したがって高価な干渉測定機器を必要とすることなく、ハウジング1302の密閉を試験するために導体の抵抗をモニタすることができる。
【0077】
以上、本発明の様々な実施形態について説明したが、それらは単に一例として提供されたものにすぎず、本発明を制限するものではないことを理解されたい。本発明の精神および範囲を逸脱することなく、形態および詳細に対する様々な変更を加えることができることは当業者には明らかであろう。したがって上で説明した何らかの例示的実施形態によって本発明の広さおよび範囲を限定してはならず、本発明の広さおよび範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物によってのみ定義されるものとする。したがってこれらの実施形態は、あらゆる点において説明を目的としてものであり、本発明を制限するものではない。
【符号の説明】
【0078】
102、202、502A、502B、1202、1302 ハウジング
110、510、1110 壁
118、518、1118、1118A、1118B、1118C、1318 容器
119、519、1319 蓋
120、220、420、520、720、920、1120、1120A、1120B、1120C フィードスルー
122、422、522、722、922、1022 絶縁体
124、224、424、724、924、1124、1124A、1124B、1124C 導体
200 能動埋込型医療機器(AIMD)
204 組織インタフェース
216 埋込型部品
230 内部トランシーバユニット
231 外部トランシーバユニット
232 刺激器ユニット
233 電気刺激信号
234 制御モジュール
236 充電式電源
237 記録された応答を表す信号
238 外部部品
239 双方向経皮通信リンク
240 皮膚/組織
300 複数のフィードスルーを形成する方法
426 構造的に弱い部分
434、534 導電性要素(導電構造)
436 フレームの上に導電性要素を降ろす方向
438 第1の型部分の上に装荷済みフレームを降ろす方向
440 フレーム
442、452、508、1108 凹所
444 装荷されたフレーム(装荷済みフレーム)
450 フレームを受け取るように構成された型の第1の部分
460 フィードスルー420のアレイ
507 床
600 本発明の実施形態によるPIMを使用してフィードスルー720を形成する方法
728、928、1028 中子空洞(絶縁体空洞)
736 ボディが移動する方向
740 フィードスルー720を形成するために使用することができる器具
738 器具のボディをその開始位置に戻すために移動させる方向
741 器具のボディ
742、942、1042 中子
743、745、752、1123 孔
754、952、954、1052、1054 穴
744、746 ロッド
750 フィードスルー720を形成するために使用することができる型
750A、750B 閉じると型キャビティを画成する型部分
756、956、1056 型キャビティ
800 二材料PIMを使用してフィードスルーを形成する方法
925、927 導体924の端部
929 導体924の中央部分
944A、944B、1044A、1044B 中子部分
950、1050 型
1000 射出成形装置
1055、1057 型開口
1070 第1のホッパ
1072 第1の注入装置
1074 第2のホッパ
1076 第2の注入装置
1075、1077 ゲート開口
1078 ゲート
1117 容器1118の上部表面
1125A、1125B 第1の接触部分
1127A、1127B 第2の接触部分
1129 延長部分
1234 導電コネクタ
1317 容器1318の上部表面
1372 容器1318の非金属部分
1374 蓋1319の非金属部分
1382 取付け要素
1384 金属取付け要素
1386 蓋1319の中央領域
1388 蓋1319の縁領域
1390 機能部品
1392 ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉じられたときにキャビティを画成する型であって、前記型キャビティに出入りするように構成された1つまたは複数の中子を備える前記型を使用してフィードスルーを形成する方法であって、、
粉末射出成形(PIM)の非導電性の供給原料を前記型キャビティの中に注入して、前記型キャビティ内に配置された前記中子の各々の一部の周囲に絶縁体を形成するステップと、
前記絶縁体から前記中子の各々を取り除いて、1つまたは複数の中子空洞を前記絶縁体中に形成するステップと、
PIMの導電性の供給原料を前記中子空洞の中に注入して、1つまたは複数の導体を前記中子空洞にそれぞれ形成するステップと、
前記絶縁体および前記導体を焼結させて、前記フィードスルーを形成するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記フィードスルーを容器の第1の壁に組み込むステップであって、前記フィードスルーと前記壁との間の界面が密閉されるように組み込むステップをさらに含み、前記容器が凹所を画成する複数の壁を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つまたは複数の導体が前記第1の壁の第1および第2の面で露出されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの機能部品を前記凹所内に取り付けるステップと、
前記機能部品を前記複数の導体のうちの少なくとも1つの導体に電気的に接続するステップと
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の導体のうちの少なくとも1つの導体の直径が前記導体の長さに沿って変化している、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の導体のうちの少なくとも1つの導体が、第1の端部と第2の端部との間に配置された中央領域を有し、前記中央領域の直径が前記第1および第2の端部のそれぞれの直径よりも小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記非導電性の供給原料を前記型キャビティの中に注入する前に前記非導電性の供給原料を加熱するステップと、
前記導電性の供給材料を前記中子空洞の中に注入する前に前記導電性の供給原料を加熱するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
閉じられたときにキャビティを画成する型であって、前記型キャビティに出入りするように構成された1つまたは複数の中子を備える前記型を使用して、フィードスルーを備えた埋込型デバイスを形成する方法であって、
粉末射出成形(PIM)の非導電性の供給原料を前記型キャビティの中に注入して、前記型キャビティ内に配置された前記中子の周囲の少なくとも一部に容器を形成するステップと、
前記容器から前記中子を取り除いて、1つまたは複数の中子空洞を形成するステップと、
PIMの導電性の供給原料を前記中子空洞の中に注入して、1つまたは複数の導体を前記中子空洞内にそれぞれ形成するステップであって、各導体が、前記容器の凹所の内側に露出された第1の端部と、前記容器の外部表面に隣接して露出された第2の端部と、を有する、ステップと、
前記容器および前記導体を焼結させるステップと、
蓋で前記容器を密閉させて、第1のハウジングを形成するステップと
を含む方法。
【請求項9】
少なくとも1つの機能部品を前記凹所内に取り付けるステップと、
前記機能部品を前記複数の導体のうちの少なくとも1つの導体に電気的に接続するステップと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
電気コネクタを介して前記第1のハウジングの前記複数の導体のうちの少なくとも1つの導体を第2のハウジングの少なくとも1つの導体に接続して、前記第1および第2のハウジングを物理的および電気的に接続するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のハウジングの前記複数の導体のうちの少なくとも1つの導体が第1の孔を備え、該第1の孔が、前記電気コネクタと前記複数の導体のうちの前記少なくとも1つの導体とが締まりばめされるように前記電気コネクタを受容するように構成されている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の導体のうちの第1の導体が前記容器の第1の壁を貫通して延在し、前記複数の導体のうちの第2の導体が前記容器の第2の壁を貫通して延在する、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第1および第2の導体が異なる形状である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記非導電性の供給原料を前記型キャビティの中に注入する前に前記非導電性の供給原料を加熱するステップと、
前記導電性の供給原料を前記中子空洞の中に注入する前に前記導電性の供給原料を加熱するステップと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
フィードスルーを備えた密閉ハウジングを形成する方法であって、閉じられたときに第1の型キャビティを画成すると共に前記第1の型キャビティに出入りするように構成された複数の第1の中子を備える型を使用して前記密閉ハウジングを形成する方法であって、
粉末射出成形(PIM)の非導電性の供給原料を前記第1の型キャビティの中に注入して、前記第1の型キャビティ内に配置された前記複数の第1の中子の周囲の少なくとも一部に第1の絶縁体を形成するステップと、
前記第1の型キャビティから前記複数の第1の中子を取り除いて、前記第1の絶縁体に配設された、あるいは前記第1の絶縁体に隣接して配設された複数の第1の中子空洞をそれぞれ形成するステップと、
加熱されたPIMの導電性の金属供給原料を前記複数の中子空洞の中に注入して、1つまたは複数の導体と1つまたは複数の第1の金属取付け要素とを有する第1の容器を形成するステップであって、前記1つまたは複数の導体の各々が、前記第1の絶縁体の凹所の内側に露出された第1の端部と、前記第1の絶縁体の外部表面に隣接して露出された第2の端部と、を有する、ステップと、
前記容器を焼結させるステップと、
蓋の1つまたは複数の第2の金属取付け要素を前記第1の金属取付け要素にそれぞれ結合して、密閉ハウジングを形成するステップと
を含む方法。
【請求項16】
加熱された非導電性の供給原料を前記型の第2の型キャビティの中に注入して、前記第2の型キャビティ内に配置された1つまたは複数の第2の中子の周囲の少なくとも一部に第2の絶縁体を形成するステップと、
前記第2の型キャビティから前記第2の中子を取り除いて、前記第2の絶縁体内に配置された、あるいは前記第2の絶縁体に隣接して配置された複数の第2の中子空洞をそれぞれ形成するステップと、
加熱された導電性の供給原料を前記第2の中子空洞の中に注入して、前記1つまたは複数の第2の金属取付け要素を有する第2の容器を形成するステップと
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の金属取付け要素が、溶接プロセス、ろう付けプロセスおよびはんだ付けプロセスのうちの1つまたは複数によって前記第1の金属取付け要素に結合される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの機能部品を前記凹所内に取り付けるステップと、
前記機能部品を前記複数の導体のうちの少なくとも1つの導体に電気的に接続するステップと
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の導体のうちの第1の導体が前記容器の第1の壁を貫通して延在し、前記複数の導体のうちの第2の導体が前記容器の第2の壁を貫通して延在する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記非導電性の供給原料を前記第1の型キャビティの中に注入する前に前記非導電性の供給原料を加熱するステップと、
前記導電性の供給原料を前記第1の中子空洞の中に注入する前に前記導電性の供給原料を加熱するステップと
をさらに含む、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【公表番号】特表2013−512129(P2013−512129A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541213(P2012−541213)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/058127
【国際公開番号】WO2011/066478
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(507074133)ナショナル・アイシーティ・オーストラリア・リミテッド (10)
【Fターム(参考)】