説明

二次電池

【課題】二次電池の缶の高さは同一でも、内部の電極組立体の高さを高める。
【解決手段】両電極及びセパレータを備えてなされる電極組立体22と、電極組立体を受容できるように上部に開口部が形成された絶縁性缶11と、電極組立体が外部に離脱しないように絶縁性缶の開口部を閉塞する絶縁性キャッププレート200とを含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
二次電池は、再充電可能であり、小型及び大容量化が可能であることから、最近では多くの研究開発が成されている。最近開発され使われているものの代表としては、ニッケル水素(Ni−MH)電池、リチウム(Li)電池及びリチウムイオン(Li−ion)電池などがある。
【0002】
これら二次電池の大部分は、電極(即ち、正極及び負極)及びセパレータからなる電極組立体を、通常、アルミニウム、または、アルミニウム合金からなる缶に受納し、缶をキャップ組立体で仕上げた後、缶の内部に電解液を注入し、封入することにより形成される。缶は鉄材で形成されることができるが、アルミニウム、または、アルミニウム合金で形成することになると、アルミニウムの重量は軽いことから、電池の軽量化がなされることができ、高電圧下で長時間使用しても腐食しない等の利点がある。
【0003】
封入した単位セルは、PTC素子(positive temperature coefficient)、サーマルフューズ(thermal fuse)及び保護回路基板(PCM:Protective Circuit Module)などの安全装置及びその他、電池附属らと連結された状態で別途のハードパックに受納されたり、ホットメルト樹脂を用いてモールドを通じて完成した外観を形成したりすることになる。
【0004】
図1は、従来の二次電池の分解斜視図であり、図2は、従来の二次電池の正面から見た上部断面図である。
【0005】
図1及び図2を参照しながら従来のベアセル状態の二次電池の形成方法を説明すると、略直六面体で形成される角形缶11と、この缶11の内部に受容される電極組立体12と、缶11の開放された上段と結合して缶の上段を封入するキャップ組立体とを備えてなされる。
【0006】
電極組立体12は、薄板形、または、膜形で形成された第1電極13、セパレータ14及び第2電極15の積層体形態で、または、その積層体を巻取して形成する。
【0007】
第1電極13を正極という時、正極内で正極活物質層が形成されていない正極集電体の領域に正極タブ16が電気的に連結されている。負極15にも負極活物質層が形成されていない負極集電体の領域に負極タブ17が接続されている。
【0008】
正極13及び負極15と、タブら16、17は極性を異にして配置されることもでき、タブら16、17が電極組立体12から引出される境界部にはタブと2つの電極13、15間の短絡を防止するために絶縁テープ18が各々巻き取られることができる。
【0009】
セパレータ14は、正極及び負極13、15より幅を広くして形成することが電極間の短絡を防止することに有利である。
【0010】
缶11は、略直六面体の形状を有するアルミニウム、または、アルミニウム合金で形成される。缶11の開放された上段を通じて電極組立体12が受容され、缶11は電極組立体及び電解液の容器の役割をすることになる。缶11はそれ自体が端子の役割を遂行することができる。
【0011】
キャップ組立体には缶11の開放された上段に対応する大きさと形状を有する平板型の導電性キャッププレート110が設けられている。キャッププレート110の中央部には電極端子130が通過できるように端子用通孔111が形成される。キャッププレート110の中央部を貫通する電極端子130とキャップ プレート110との間には電気的絶縁のためにチューブ形状のガスケット120が設けられる。
【0012】
導電性キャッププレート110の下面に絶縁プレート140が配置されている。絶縁プレート140の下面には端子プレート150が設けられている。電極端子130の底面部は端子プレート150と電気的に連結されている。
【0013】
キャッププレート110の下面には正極13から引出された正極タブ16が熔接されており、電極端子130の下段部には負極15から引出された負極タブ17が多数回折り畳まれた状態で熔接される。
【0014】
一方、電極組立体12の上面には電極組立体12とキャップ組立体との電気的絶縁のために、かつ、前記電極組立体12の上段部をカバーできるように、絶縁ケース190が設けられる。絶縁ケース190は絶縁性を有する高分子樹脂、たとえば、ポリプロピレンからなることが好ましい。絶縁ケース190の中央部には負極タブ17が通過できるようにリード通孔191が形成され、他側方には電解液通過孔192が形成されている。電解液通過孔は別途に形成されないこともある。
【0015】
キャッププレート110の一側には電解液注入孔112が形成され、電解液が注入された後に、電解液注入孔を密閉させるために栓160が設けられる。栓160は、アルミニウムやアルミニウム含有金属で作ったボール型母材を電解液注入孔112上に置いて、機械的に電解液注入孔112に圧入して形成する。封入のため、栓160は電解液注入孔112の周りでキャッププレート110に熔接される。キャップ組立体はキャッププレート110周り部を缶11の開口部の側壁に熔接して缶に結合する。
【0016】
ところが、二次電池の軽量化及び高容量化の要求によって、より多くの電池容量を有し、かつ、既存より小さいか、既存の製品と同一の体積を有する電池を開発することが続けて求められる。図2を通じて考察した従来の角形リチウムイオン二次電池では電極組立体のタブをキャッププレートに連結するために相当部分の空いている空間を有している。
【0017】
このような空いている空間は、既存の電池の構成上、安全と不良回避のための不可避なものであるが、電池の容量の観点から見ると、不必要な空間と言える。従って、構造上、安全の問題の問題に悪影響を与えることなく、かつ、既存の二次電池の空いている空間を電池容量の拡大のために用いられる方法や電池構造の開発が求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上述の従来の二次電池構造の問題点を解決するためのものであって、電極組立体のタブとキャッププレートとの電気の連結のための缶内部空間が極小化された二次電池を提供することを目的とする。
【0019】
本発明は、また、既存の二次電池に比べて加工が容易であり、工程時間を減少させることができる二次電池を提供することを目的とする。
【0020】
本発明は、缶型二次電池の構造を簡単化し、部品数を減らすことができる構成の二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記の目的の達成のために、本発明に係る二次電池は、両電極及びセパレータを備えてなされる電極組立体と、電極組立体を受容できるように上部に開口部が形成された絶縁性または金属性缶と、電極組立体が外部に離脱しないように絶縁性または金属性缶の開口部を閉塞する絶縁性キャッププレートとを含む。
【0022】
ここで、前記絶縁性または金属性缶及び絶縁性キャッププレートは、プラスチック、エンジニアリングプラスチック、または、その等価物で形成されることができる。
【0023】
また、前記電極組立体には、両電極に一端が連結され、他端は上部方向に一定の長さが延びた電極タブが更に備えられており、前記絶縁性キャッププレートには前記電極タブが貫通して外部に一定の長さが突出できるように一定の大きさのホールが更に形成されることができる。
【0024】
また、前記絶縁性キャッププレートには電解液注入口が形成され、前記電解液注入口はプラスチック材質の栓で閉塞されることができる。
【発明の効果】
【0025】
上記のようにして、本発明に係る二次電池は、電極組立体の電極タブと缶、または、キャッププレートとのショートを防止するための絶縁ケースが除去されることにより、それだけ電極組立体の高さを更に向上させることができ、これによって電池容量も増加する。
【0026】
また、本発明は、絶縁ケースが除去されると共に、電極タブとキャッププレートとの間の熔接工程も省略できることにより、工程時間が短縮され、また、製造コストも低減する。
【0027】
合せて、本発明は、缶及びキャッププレートの材質が全てプラスチック系列に変更され、また、従来のキャップアセンブリの構成要素が大幅に縮小できることにより、工程時間及び製造コストが低減するだけでなく、重さもだいぶ軽くなる。
【0028】
以上、説明したことは、本発明に係る二次電池を実施するための一実施の形態に過ぎないものであって、本発明は、前記の実施の形態に限るのではなく、以下の特許請求範囲から請求するように、本発明の要旨を外れない範囲で、当該発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば誰でも多様な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的精神があるとするはずである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できる程度に本発明の好ましい実施の形態を添付の図面を参照しながら詳細に説明すると、次の通りである。
【0030】
図3を参照すると、本発明に係る二次電池の分解断面図が図示されており、図4を参照すると、本発明に係る二次電池において、キャッププレートの平面図が図示されている。
【0031】
図3及び図4を参照しながら本発明に係る二次電池の形成方法を説明すると、ベアセル状態の角形リチウムイオン電池は、略直六面体で形成される角形の絶縁性缶11と、この絶縁性缶11の内部に受容される電極組立体22と、絶縁性缶11の開放された上段と結合して缶の上段を封入する絶縁性キャッププレート200とを備えてなされる。
【0032】
電極組立体22は薄板型、または、膜型で形成された正極13、セパレータ14及び負極15の積層体を渦型で巻取して形成する。巻取時の正極及び負極間の短絡を防止するために負極の外側にはセパレータが更に追加される。
【0033】
正極13は、導電性の優れる金属薄板、例えば、アルミニウムホイルからなる正極集電体と、その両面にコーティングされたリチウム系酸化物を主成分とする正極活物質層を含んでいる。正極13には正極活物質層が形成されていない正極集電体の領域に電極タブ(例えば、正極タブ)16が電気的に連結されている。
【0034】
負極15は、伝導性の金属薄板、例えば、銅ホイルからなる負極集電体と、その両面にコーティングされた炭素材を主成分とする負極活物質層とを含んでいる。負極15にも負極活物質層が形成されていない負極集電体の領域に電極タブ(例えば、負極タブ)17が接続されている。
【0035】
ここで、正極13及び負極15と、タブら16、17は極性を異にして配置されることもでき、タブら16、17が電極組立体22から引出される境界部にはタブ16、17と両電極13、15との間の短絡を防止するために絶縁テープが各々巻かれる。
【0036】
セパレータ14は、また、ポリエチレンやポリプロピレンやポリエチレンとポリプロピレンの共重合体(co−polymer)からなる。セパレータ14は、正極13及び負極13より幅を広くして形成することが電極間の短絡を防止することに有利である。
【0037】
缶11は、略直六面体の形状を有する絶縁体、例えば、プラスチック、エンジニアリングプラスチック、または、その等価物で形成可能であるが、ここに、その材質を限るのではない。このような絶縁性缶11の開放された上段を通じて電極組立体22が受容されて絶縁性缶11は電極組立体及び電解液の容器の役割をすることになる。このように、本発明は、缶11自体が絶縁性であるから、従来のような端子の役割を遂行することはできない。また、本発明は、開口部が形成された缶11の上段の段差19が形成されており、下記のキャッププレート200は前記段差19に堅く結合可能になっている。
【0038】
キャッププレート200は、絶縁性缶11の開放された上段に対応する大きさと形状を有する絶縁性平板形態で設けられている。このようなキャッププレート200は非金属絶縁材質、たとえ、プラスチック、エンジニアリングプラスチック、または、その等価物で形成可能であるが、ここに、その材質を限るのではない。
【0039】
キャッププレート200には電極組立体22の電極タブ(例えば、正極タブ及び負極タブ)16、17が通過できるように連結ホール210が形成され、また、電解液注入のための電解液注入口230も形成される。合せて、このようなキャッププレート200は、前記缶11の上段に形成された段差19に結合した後、接着剤、または、熱融着方法により缶11に堅く固定される。
【0040】
また、前記キャッププレート200を貫通するタブ16、17とキャッププレート200との間の隙間からは電解液が漏液してしまうので、このような隙間はタブをなす金属と結合性の良いプラスチック材質の熔接棒で熔接して埋め込むこともできる。しかし、キャッププレートと缶の開口部とを接着させた接着剤、または、接着性を有する充填材でその隙間を埋め込むことが加工性の面で好ましい。
【0041】
従来、キャッププレート200の下面にあった絶縁プレート、端子プレート、電極端子、ガスケット等は本発明では必要でないので除去される。また、電極タブが多数回折り曲げられて内部に熔接されなくて、真直ぐに伸びて引出できるので、電極組立体上に置かれていたPP(polypropylene)ケース、または、絶縁ケースも省略されることができる。
【0042】
従って、本発明は、前記除去された構成要素だけ電極組立体22の高さを一層高めることができ、これによって、電池容量の向上が可能になる。勿論、前記のような構成要素の除去によって組立工程が単純になることは勿論、製造コストも低減する。更に、金属性の缶及びキャッププレートの代わりにプラスチック系列の缶及びキャッププレートを用いることにより、その重さは一層軽くなる。
【0043】
一方、電解液を注入する電解液注入口230はアルミニウムボールを圧入し、熔接して仕上げるよりは、プラスチック栓220で仕上げることができるように段差を置いて形成されている。栓を塞ぐ時は封入力を高めるために接着剤が使われ、栓と電解液注入口にねじ山を形成してねじ結合させることも可能である。接着剤の代わりにプラスチック熔接が用いられることもある。絶縁ケースがないので、電解液注入もより速かになされることができる。
【0044】
図5を参照すると、本発明に係る二次電池において保護回路基板を接続する状態が示されている。
【0045】
図5に図示された二次電池の形成方法は、図3ないし図4に図示された実施の形態における説明と類似している。ただ、キャッププレート200と缶11の開口部とを結合させることは接着剤240で行っており、電極タブ16、17が引出されるように形成されたキャッププレート200のホールと電極タブとの間の隙間を封入することも接着剤250で行っている。
【0046】
キャッププレートのホールを通じて引出される電極タブ16、17は、それ自体で保護回路基板300のリードプレート320と熔接などの方法により結合する。図面符号310は外部入出力端子を示す。
【0047】
このような構成において、後続的に、保護回路基板とベアセルとが結合したコアセル状態で二次電池はモールドに装着される。モールド内にホットメルト樹脂が注入され、冷却、または、硬化により保護回路基板とベアセルとが隙間なしに結合して外観が完成されたハードパック状態の電池をなすことになる。
【0048】
以上の実施の形態で使われることができるプラスチックとしては、金属との熔接性、加工性の優れるエンジニアリングプラスチック類を使用することが好ましい。最近開発されたエンジニアリングプラスチックは、アルミニウムより軽く、高い機械的強度を維持できるもの等があり、接着剤は電解質により分解したり変性されたりしないように、耐化学性、耐熱性を有するものを使用することが好ましい。
【0049】
たとえば、絶縁性缶とキャッププレートとが接する所を密着させる接着剤としてはエポキシなどを使うことができる。その際、エポキシは加工効率を上げるために硬化時間を短くすることが好ましい。
【0050】
また、以上の例では、絶縁性缶11を使用する場合を例示したが、金属性缶を使用することもできる。
【0051】
そして、以上の例ではキャッププレートに電極タブの引出のための中央ホールを形成する形態を表したが、キャッププレートの周り部にタブの引出のための溝を形成し、キャッププレートと缶の開口部とが会う所に、この溝により電極タブの引出しのためのホールが形成される効果を有する他の本発明の実施の形態を提示することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、二次電池の小型化におおいに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】従来の二次電池を示す分解斜視図である。
【図2】従来の二次電池を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態をなす二次電池を示す分解断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態をなす二次電池において、キャッププレートを示す平面図である。
【図5】本発明に係る二次電池において、保護回路基板が接続される状態を示す工程断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態をなす二次電池を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
11 缶、
22 電極組立体、
200 キャッププレート、
210 連結ホール、
220 栓、
230 電解液注入口、
240、250 接着剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関し、より詳細には、容積対比電気容量を向上させることができる二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、再充電可能であり、小型及び大容量化が可能であることから、最近では多くの研究開発が成されている。最近開発され使われているものの代表としては、ニッケル水素(Ni−MH)電池、リチウム(Li)電池及びリチウムイオン(Li−ion)電池などがある。
【0003】
これら二次電池の大部分は、電極(即ち、正極及び負極)及びセパレータからなる電極組立体を、通常、アルミニウム、または、アルミニウム合金からなる缶に受納し、缶をキャップ組立体で仕上げた後、缶の内部に電解液を注入し、封入することにより形成される。缶は鉄材で形成されることができるが、アルミニウム、または、アルミニウム合金で形成することになると、アルミニウムの重量は軽いことから、電池の軽量化がなされることができ、高電圧下で長時間使用しても腐食しない等の利点がある。
【0004】
封入した単位セルは、PTC素子(positive temperature coefficient)、サーマルフューズ(thermal fuse)及び保護回路基板(PCM:Protective Circuit Module)などの安全装置及びその他、電池附属らと連結された状態で別途のハードパックに受納されたり、ホットメルト樹脂を用いてモールドを通じて完成した外観を形成したりすることになる。
【0005】
図1は、従来の二次電池の分解斜視図であり、図2は、従来の二次電池の正面から見た上部断面図である。
【0006】
図1及び図2を参照しながら従来のベアセル状態の二次電池の形成方法を説明すると、略直六面体で形成される角形缶11と、この缶11の内部に受容される電極組立体12と、缶11の開放された上段と結合して缶の上段を封入するキャップ組立体とを備えてなされる。
【0007】
電極組立体12は、薄板形、または、膜形で形成された第1電極13、セパレータ14及び第2電極15の積層体形態で、または、その積層体を巻取して形成する。
【0008】
第1電極13を正極という時、正極内で正極活物質層が形成されていない正極集電体の領域に正極タブ16が電気的に連結されている。負極15にも負極活物質層が形成されていない負極集電体の領域に負極タブ17が接続されている。
【0009】
正極13及び負極15と、タブら16、17は極性を異にして配置されることもでき、タブら16、17が電極組立体12から引出される境界部にはタブと2つの電極13、15間の短絡を防止するために絶縁テープ18が各々巻き取られることができる。
【0010】
セパレータ14は、正極及び負極13、15より幅を広くして形成することが電極間の短絡を防止することに有利である。
【0011】
缶11は、略直六面体の形状を有するアルミニウム、または、アルミニウム合金で形成される。缶11の開放された上段を通じて電極組立体12が受容され、缶11は電極組立体及び電解液の容器の役割をすることになる。缶11はそれ自体が端子の役割を遂行することができる。
【0012】
キャップ組立体には缶11の開放された上段に対応する大きさと形状を有する平板型の導電性キャッププレート110が設けられている。キャッププレート110の中央部には電極端子130が通過できるように端子用通孔111が形成される。キャッププレート110の中央部を貫通する電極端子130とキャップ プレート110との間には電気的絶縁のためにチューブ形状のガスケット120が設けられる。
【0013】
導電性キャッププレート110の下面に絶縁プレート140が配置されている。絶縁プレート140の下面には端子プレート150が設けられている。電極端子130の底面部は端子プレート150と電気的に連結されている。
【0014】
キャッププレート110の下面には正極13から引出された正極タブ16が熔接されており、電極端子130の下段部には負極15から引出された負極タブ17が多数回折り畳まれた状態で熔接される。
【0015】
一方、電極組立体12の上面には電極組立体12とキャップ組立体との電気的絶縁のために、かつ、前記電極組立体12の上段部をカバーできるように、絶縁ケース190が設けられる。絶縁ケース190は絶縁性を有する高分子樹脂、たとえば、ポリプロピレンからなることが好ましい。絶縁ケース190の中央部には負極タブ17が通過できるようにリード通孔191が形成され、他側方には電解液通過孔192が形成されている。電解液通過孔は別途に形成されないこともある。
【0016】
キャッププレート110の一側には電解液注入孔112が形成され、電解液が注入された後に、電解液注入孔を密閉させるために栓160が設けられる。栓160は、アルミニウムやアルミニウム含有金属で作ったボール型母材を電解液注入孔112上に置いて、機械的に電解液注入孔112に圧入して形成する。封入のため、栓160は電解液注入孔112の周りでキャッププレート110に熔接される。キャップ組立体はキャッププレート110周り部を缶11の開口部の側壁に熔接して缶に結合する。
【0017】
ところが、二次電池の軽量化及び高容量化の要求によって、より多くの電池容量を有し、かつ、既存より小さいか、既存の製品と同一の体積を有する電池を開発することが続けて求められる。図2を通じて考察した従来の角形リチウムイオン二次電池では電極組立体のタブをキャッププレートに連結するために相当部分の空いている空間を有している。
【0018】
このような空いている空間は、既存の電池の構成上、安全と不良回避のための不可避なものであるが、電池の容量の観点から見ると、不必要な空間と言える。従って、構造上、安全の問題の問題に悪影響を与えることなく、かつ、既存の二次電池の空いている空間を電池容量の拡大のために用いられる方法や電池構造の開発が求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、上述の従来の二次電池構造の問題点を解決するためのものであって、電極組立体のタブとキャッププレートとの電気の連結のための缶内部空間が極小化された二次電池を提供することを目的とする。
【0020】
本発明は、また、既存の二次電池に比べて加工が容易であり、工程時間を減少させることができる二次電池を提供することを目的とする。
【0021】
本発明は、缶型二次電池の構造を簡単化し、部品数を減らすことができる構成の二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記の目的の達成のために、本発明に係る二次電池は、両電極及びセパレータを備えてなされる電極組立体と、電極組立体を受容できるように上部に開口部が形成された絶縁性または金属性缶と、電極組立体が外部に離脱しないように絶縁性または金属性缶の開口部を閉塞する絶縁性キャッププレートとを含む。
【0023】
ここで、前記絶縁性または金属性缶及び絶縁性キャッププレートは、プラスチック、エンジニアリングプラスチック、または、その等価物で形成されることができる。
【0024】
また、前記電極組立体には、両電極に一端が連結され、他端は上部方向に一定の長さが延びた電極タブが更に備えられており、前記絶縁性キャッププレートには前記電極タブが貫通して外部に一定の長さが突出できるように一定の大きさのホールが更に形成されることができる。
【0025】
また、前記絶縁性キャッププレートには電解液注入口が形成され、前記電解液注入口はプラスチック材質の栓で閉塞されることができる。
【発明の効果】
【0026】
上記のようにして、本発明に係る二次電池は、電極組立体の電極タブと缶、または、キャッププレートとのショートを防止するための絶縁ケースが除去されることにより、それだけ電極組立体の高さを更に向上させることができ、これによって電池容量も増加する。
【0027】
また、本発明は、絶縁ケースが除去されると共に、電極タブとキャッププレートとの間の熔接工程も省略できることにより、工程時間が短縮され、また、製造コストも低減する。
【0028】
合せて、本発明は、缶及びキャッププレートの材質が全てプラスチック系列に変更され、また、従来のキャップアセンブリの構成要素が大幅に縮小できることにより、工程時間及び製造コストが低減するだけでなく、重さもだいぶ軽くなる。
【0029】
以上、説明したことは、本発明に係る二次電池を実施するための一実施の形態に過ぎないものであって、本発明は、前記の実施の形態に限るのではなく、以下の特許請求範囲から請求するように、本発明の要旨を外れない範囲で、当該発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば誰でも多様な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的精神があるとするはずである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できる程度に本発明の好ましい実施の形態を添付の図面を参照しながら詳細に説明すると、次の通りである。
【0031】
図3を参照すると、本発明に係る二次電池の分解断面図が図示されており、図4を参照すると、本発明に係る二次電池において、キャッププレートの平面図が図示されている。
【0032】
図3及び図4を参照しながら本発明に係る二次電池の形成方法を説明すると、ベアセル状態の角形リチウムイオン電池は、略直六面体で形成される角形の絶縁性缶11と、この絶縁性缶11の内部に受容される電極組立体22と、絶縁性缶11の開放された上段と結合して缶の上段を封入する絶縁性キャッププレート200とを備えてなされる。
【0033】
電極組立体22は薄板型、または、膜型で形成された正極13、セパレータ14及び負
極15の積層体を渦型で巻取して形成する。巻取時の正極及び負極間の短絡を防止するために負極の外側にはセパレータが更に追加される。
【0034】
正極13は、導電性の優れる金属薄板、例えば、アルミニウムホイルからなる正極集電体と、その両面にコーティングされたリチウム系酸化物を主成分とする正極活物質層を含んでいる。正極13には正極活物質層が形成されていない正極集電体の領域に電極タブ(例えば、正極タブ)16が電気的に連結されている。
【0035】
負極15は、伝導性の金属薄板、例えば、銅ホイルからなる負極集電体と、その両面にコーティングされた炭素材を主成分とする負極活物質層とを含んでいる。負極15にも負極活物質層が形成されていない負極集電体の領域に電極タブ(例えば、負極タブ)17が接続されている。
【0036】
ここで、正極13及び負極15と、タブら16、17は極性を異にして配置されることもでき、タブら16、17が電極組立体22から引出される境界部にはタブ16、17と両電極13、15との間の短絡を防止するために絶縁テープが各々巻かれる。
【0037】
セパレータ14は、また、ポリエチレンやポリプロピレンやポリエチレンとポリプロピレンの共重合体(co−polymer)からなる。セパレータ14は、正極13及び負極13より幅を広くして形成することが電極間の短絡を防止することに有利である。
【0038】
缶11は、略直六面体の形状を有する絶縁体、例えば、プラスチック、エンジニアリングプラスチック、または、その等価物で形成可能であるが、ここに、その材質を限るのではない。このような絶縁性缶11の開放された上段を通じて電極組立体22が受容されて絶縁性缶11は電極組立体及び電解液の容器の役割をすることになる。このように、本発明は、缶11自体が絶縁性であるから、従来のような端子の役割を遂行することはできない。また、本発明は、開口部が形成された缶11の上段の段差19が形成されており、下記のキャッププレート200は前記段差19に堅く結合可能になっている。
【0039】
キャッププレート200は、絶縁性缶11の開放された上段に対応する大きさと形状を有する絶縁性平板形態で設けられている。このようなキャッププレート200は非金属絶縁材質、たとえ、プラスチック、エンジニアリングプラスチック、または、その等価物で形成可能であるが、ここに、その材質を限るのではない。
【0040】
キャッププレート200には電極組立体22の電極タブ(例えば、正極タブ及び負極タブ)16、17が通過できるように連結ホール210が形成され、また、電解液注入のための電解液注入口230も形成される。合せて、このようなキャッププレート200は、前記缶11の上段に形成された段差19に結合した後、接着剤、または、熱融着方法により缶11に堅く固定される。
【0041】
また、前記キャッププレート200を貫通するタブ16、17とキャッププレート200との間の隙間からは電解液が漏液してしまうので、このような隙間はタブをなす金属と結合性の良いプラスチック材質の熔接棒で熔接して埋め込むこともできる。しかし、キャッププレートと缶の開口部とを接着させた接着剤、または、接着性を有する充填材でその隙間を埋め込むことが加工性の面で好ましい。
【0042】
従来、キャッププレート200の下面にあった絶縁プレート、端子プレート、電極端子、ガスケット等は本発明では必要でないので除去される。また、電極タブが多数回折り曲げられて内部に熔接されなくて、真直ぐに伸びて引出できるので、電極組立体上に置かれていたPP(polypropylene)ケース、または、絶縁ケースも省略されることができる。
【0043】
従って、本発明は、前記除去された構成要素だけ電極組立体22の高さを一層高めることができ、これによって、電池容量の向上が可能になる。勿論、前記のような構成要素の除去によって組立工程が単純になることは勿論、製造コストも低減する。更に、金属性の缶及びキャッププレートの代わりにプラスチック系列の缶及びキャッププレートを用いることにより、その重さは一層軽くなる。
【0044】
一方、電解液を注入する電解液注入口230はアルミニウムボールを圧入し、熔接して仕上げるよりは、プラスチック栓220で仕上げることができるように段差を置いて形成されている。栓を塞ぐ時は封入力を高めるために接着剤が使われ、栓と電解液注入口にねじ山を形成してねじ結合させることも可能である。接着剤の代わりにプラスチック熔接が用いられることもある。絶縁ケースがないので、電解液注入もより速かになされることができる。
【0045】
図5を参照すると、本発明に係る二次電池において保護回路基板を接続する状態が示されている。
【0046】
図5に図示された二次電池の形成方法は、図3ないし図4に図示された実施の形態における説明と類似している。ただ、キャッププレート200と缶11の開口部とを結合させることは接着剤240で行っており、電極タブ16、17が引出されるように形成されたキャッププレート200のホールと電極タブとの間の隙間を封入することも接着剤250で行っている。
【0047】
キャッププレートのホールを通じて引出される電極タブ16、17は、それ自体で保護回路基板300のリードプレート320と熔接などの方法により結合する。図面符号310は外部入出力端子を示す。
【0048】
このような構成において、後続的に、保護回路基板とベアセルとが結合したコアセル状態で二次電池はモールドに装着される。モールド内にホットメルト樹脂が注入され、冷却、または、硬化により保護回路基板とベアセルとが隙間なしに結合して外観が完成されたハードパック状態の電池をなすことになる。
【0049】
以上の実施の形態で使われることができるプラスチックとしては、金属との熔接性、加工性の優れるエンジニアリングプラスチック類を使用することが好ましい。最近開発されたエンジニアリングプラスチックは、アルミニウムより軽く、高い機械的強度を維持できるもの等があり、接着剤は電解質により分解したり変性されたりしないように、耐化学性、耐熱性を有するものを使用することが好ましい。
【0050】
たとえば、絶縁性缶とキャッププレートとが接する所を密着させる接着剤としてはエポキシなどを使うことができる。その際、エポキシは加工効率を上げるために硬化時間を短くすることが好ましい。
【0051】
また、以上の例では、絶縁性缶11を使用する場合を例示したが、金属性缶を使用することもできる。
【0052】
そして、以上の例ではキャッププレートに電極タブの引出のための中央ホールを形成する形態を表したが、キャッププレートの周り部にタブの引出のための溝を形成し、キャッププレートと缶の開口部とが会う所に、この溝により電極タブの引出しのためのホールが形成される効果を有する他の本発明の実施の形態を提示することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、二次電池の小型化におおいに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】従来の二次電池を示す分解斜視図である。
【図2】従来の二次電池を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態をなす二次電池を示す分解断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態をなす二次電池において、キャッププレートを示す平面図である。
【図5】本発明に係る二次電池において、保護回路基板が接続される状態を示す工程断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態をなす二次電池を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
11 缶、
22 電極組立体、
200 キャッププレート、
210 連結ホール、
220 栓、
230 電解液注入口、
240、250 接着剤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両電極及びセパレータを備えてなる電極組立体と、
前記電極組立体を受容できるように上部に開口部が形成されたケースと、
前記電極組立体が外部に離脱しないように前記開口部を閉塞する絶縁材質のキャッププレートを備えたキャップ組立体と、
を含んでなることを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記キャッププレートは、プラスチックで形成されたことを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項3】
前記キャッププレートは、アルミニウムに比べて機械的強度の高いエンジニアリングプラスチックで形成されたことを特徴とする請求項2記載の二次電池。
【請求項4】
前記キャッププレート及び前記ケースは、接着剤で結合されたことを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項5】
前記開口部の端部には前記キャッププレートと前記缶との接触面積を高めるように段差が形成されたことを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項6】
前記電極組立体には、前記両電極から外側に引出される電極タブが備えられ、前記キャッププレートには、前記電極タブ内の少なくとも1つが通過できるようにホールが形成されたことを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項7】
前記ホールと前記電極タブとの間の隙間は、封入剤で封入されたことを特徴とする請求項6記載の二次電池。
【請求項8】
前記電極組立体には、前記両電極から外側に引出される電極タブが備えられ、前記電極タブ内の少なくとも1つは、前記ケースと前記キャッププレートとの間から前記ケースの外側に伸びていることを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項9】
前記キャッププレートは周縁部に前記電極タブの引出しのための溝が形成されて、前記溝は前記キャッププレートが前記ケースと結合した状態で電池の内部と外部とを連結する連結ホールをなすことを特徴とする請求項8記載の二次電池。
【請求項10】
前記連結ホールと前記溝と前記ケースとの間を通過した前記電極タブ間の隙間は封入剤で封入されることを特徴とする請求項9記載の二次電池。
【請求項11】
前記封入剤は、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項6、または、10記載の二次電池。
【請求項12】
両電極及びセパレータを備えてなる電極組立体と、
前記電極組立体を受容できるように上部に開口部が形成された絶縁材質のケースと、
前記電極組立体が外部に離脱しないように前記開口部を閉塞する絶縁材質のキャッププレートを基本的に備えたキャップ組立体と、
を含んでなることを特徴とする二次電池。
【請求項13】
前記キャッププレート及び前記ケースは、プラスチックで形成されたことを特徴とする請求項12記載の二次電池。
【請求項14】
前記プラスチックはアルミニウムに比べて機械的強度の高いエンジニアリングプラスチックであることを特徴とする請求項13記載の二次電池。
【請求項15】
前記キャッププレート及び前記ケースは、接着剤で結合したことを特徴とする請求項12記載の二次電池。
【請求項16】
前記キャッププレートと前記ケースとは熱融着されて相互結合したことを特徴とする請求項12記載の二次電池。
【請求項17】
前記開口端部には、前記キャッププレートと前記ケースとの接触面積を高めて接着力を高めることができるように段差が形成されたことを特徴とする請求項12記載の二次電池。
【請求項18】
前記電極組立体には前記両電極から外側に引出される電極タブが備えられ、前記キャッププレートには前記電極タブの内の少なくとも1つが通過できるようにホールが形成されたことを特徴とする請求項12記載の二次電池。
【請求項19】
前記ホールと前記電極タブとの間の隙間は、封入剤により封入されたことを特徴とする請求項18記載の二次電池。
【請求項20】
前記電極組立体には前記両電極から外側に引出される電極タブが備えられ、前記電極タブの内の少なくとも1つは前記ケースと前記キャッププレートとの間から前記ケース外側に伸びていることを特徴とする請求項12記載の二次電池。
【請求項21】
前記キャッププレートは周縁部に前記電極タブ中の少なくとも1つを引出のための溝が形成され、前記溝は前記キャッププレートが前記ケースと結合した状態で電池の内部と外部とを連結する連結ホールをなすことを特徴とする請求項20記載の二次電池。
【請求項22】
前記連結ホールと前記溝と前記ケースとの間を通過した前記電極タブ間の隙間は封入剤で封入されることを特徴とする請求項21記載の二次電池。
【請求項23】
前記封入材は、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項19、または、22記載の二次電池。
【請求項24】
前記ケースと前記キャッププレートは、同一な材質からなることを特徴とする請求項12記載の二次電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−128126(P2006−128126A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−314804(P2005−314804)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】