説明

二次電池

【課題】結着材を含まない絶縁層を電極活物質層の上に形成した電極板を用いた二次電池を提供すること。
【解決手段】本発明の二次電池は,正極板と負極板とを重ねてなる電極体を有する二次電池であって,正極板と負極板との少なくともいずれか一方が,金属箔と,金属箔の表面に形成された電極活物質層と,電極活物質層の上に形成された樹脂微粒子層とを有するものであり,樹脂微粒子層は,側鎖メチル基の炭素と末端メチル基の炭素とがその合計で全炭素に対して2〜10%の範囲内で含まれているポリエチレン粒子により構成されているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,正極板と負極板とを捲回または積層してなる二次電池に関する。さらに詳細には,電極活物質層に重ねて,樹脂による絶縁層を形成した電極板を有する二次電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より,フィルム状のセパレータを正極板と負極板との間に挟んで,捲回または積層することにより形成された二次電池がある。このフィルム状のセパレータとしては,例えばポリオレフィン樹脂製の微多孔膜などが用いられている。これに対し,電極活物質層の表面上に,絶縁物の微粒子の接着により絶縁層を形成した電極板を用いた二次電池が開示されている(例えば,特許文献1参照。)。この文献によれば,この電極板により,さらに二次電池の品質を向上できるとされている。
【0003】
絶縁層は,例えばポリエチレン(PE)の微粒子等によって形成される。しかし,PE粒子だけでは電極活物質層に接着することができないため,通常,PE粒子ととともに結着材を液状成分に分散させたものが用いられる。この結着材が,PE粒子同士の接着性およびPE粒子と電極板との接着性の機能をともに担っている。結着材としては通常,例えば粒径0.5μm以下のアクリルやカルボン酸など,PE粒子に比較して非常に小径なものが使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2005−078828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら,前記した従来の絶縁層に用いられる結着材は,ごく小径であるために,電極活物質層やPE粒子層の粒子間の隙間に入り込むことができる。そして例えば,電極活物質の表面を覆ったり,電極活物質同士の間の隙間を塞いだりしてしまうおそれがある。そのようになった場合には,電池の内部抵抗が高いものとなってしまうという問題点があった。
【0006】
本発明は,前記した従来の二次電池が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,結着材を含まない絶縁層を電極活物質層の上に形成した電極板を用いた二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題の解決を目的としてなされた本発明の二次電池は,正極板と負極板とを重ねてなる電極体を有する二次電池であって,正極板と負極板との少なくともいずれか一方が,金属箔と,金属箔の表面に形成された電極活物質層と,電極活物質層の上に形成された樹脂微粒子層とを有するものであり,樹脂微粒子層は,側鎖メチル基の炭素と末端メチル基の炭素とがその合計で全炭素に対して2〜10%の範囲内で含まれているポリエチレン粒子により構成されているものである。
【0008】
本発明の二次電池によれば,正極板または負極板が樹脂微粒子層を有している。さらに,この樹脂微粒子層を構成するポリエチレン粒子は,側鎖メチル基と末端メチル基とが含まれている低密度のものが選択されている。従って,ポリエチレン粒子同士の良好な接着性を有している。また,このようなポリエチレン粒子は,電極板の電極活物質層とも良好に接着できる。さらに本発明では,側鎖メチル基の炭素と末端メチル基の炭素との合計を全炭素に対して2〜10%の範囲内としているので,良好な接着性と材質の安定性とをともに有する適切な樹脂微粒子層とすることができる。これにより,結着材を含まない絶縁層を電極活物質層の上に形成した電極板を用いた二次電池とすることができる。
【0009】
さらに本発明では,樹脂微粒子層を構成する粒子の90重量%以上が,粒径1〜10μmの範囲内の粒子で占められており,樹脂微粒子層の層厚が,10〜100μmの範囲内であり,樹脂微粒子層が,負極板に形成されているものであることが望ましい。
このようなものであれば,結着材を含まない絶縁層を適切に形成することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の二次電池によれば,結着材を含まない絶縁層を電極活物質層の上に形成した電極板を用いた二次電池とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本形態に係る負極板を示す説明図である。
【図2】低密度PEの例を示す分子構造模式図である。
【図3】低密度PEの例を示す分子構造模式図である。
【図4】低密度PEの13C−NMRスペクトル図である。
【図5】純粋なPEの分子構造の一部を示す説明図である。
【図6】側鎖メチル基を含む分子構造の一部を示す説明図である。
【図7】末端メチル基を含む分子構造の一部を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下,本発明を具体化した形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,リチウムイオン二次電池に本発明を適用したものである。
【0013】
本形態の二次電池は,正極板と負極板とを有し,これらが重ねて捲回され,電解液とともにケースに封入されてなるものである。例えば,特開2007−053055号公報の図1に示されているようなものである。本形態の正極板は,アルミ箔の両面に正極活物質層を形成したものである。正極活物質層としては,リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質による正極合剤を含むものであり,例えば,リチウム含有金属酸化物に結着剤と分散溶媒等を混練したものが好適である。また,電解液は,リチウム塩を含む非水電解液またはイオン伝導ポリマー等が好適である。正極板と電解液とは,いずれも従来より用いられている一般的なものとすればよい。
【0014】
本形態の負極板11は,図1にその片面のみを模式的に示すように,銅箔21と負極活物質層22と樹脂微粒子層23とを有するものである。負極活物質層22は,炭素材等を含んでいる。さらに,負極活物質層22の上には,樹脂微粒子層23が形成されている。樹脂微粒子層23は,負極活物質層22の上に固定されており,銅箔21と負極活物質層22と樹脂微粒子層23とが一体的に帯状の負極板11となっている。
【0015】
なお,実際には,本形態の負極板11は,負極活物質層22と樹脂微粒子層23とが,銅箔21の両面に形成されている。つまり,この負極板11の表面は,樹脂微粒子層23によって覆われている。
【0016】
本形態の樹脂微粒子層23は,低密度ポリエチレン(PE)を微粒子状としたものを含むPE粒子による層である。PE粒子に比較して非常に小径の粒子である結着材は含んでいない。低密度PEとは,例えば,図2,図3に分子構造の模式図を示すように,PE骨格31に側鎖メチル基32と末端メチル基33との少なくとも一方を導入したものである。図中で中央の横線がPE骨格31であり,その途中に枝状の側鎖メチル基32などが導入されている。側鎖メチル基32と末端メチル基33とを導入することにより,これらを含まない純粋なPEに比較して,低密度なPEとすることができる。なお,図3に示すように,PE骨格31自体に分枝があるものを含んでいても良い。
【0017】
ただし,側鎖メチル基32の炭素と末端メチル基33の炭素との含有量の合計は,後述する算出式で全炭素に対して2〜10%の範囲内であることが好ましい。この含有量が少なすぎると,適切な接着性が得られない。この含有量が多すぎると,PE粒子が酸化されて正極板上に付着しやすくなる。そのようになると,二次電池の容量が低下するので好ましくない。特に高温・高電圧の状態では,この反応が促進される。
【0018】
次に,側鎖メチル基32の炭素と末端メチル基33の炭素との含有量の算出方法を説明する。低密度PEを含むPE粒子の定量モードにおける13C−NMR(核磁気共鳴)スペクトルは,例えば図4に示すように,複数のピークを示す。図4中の各ピークの符号は,図5〜図7に示す各位置の炭素に対応している。そして,メチル基の含有量は,図4に現れている各ピークのピーク積分値を用いて後述するように算出される。
【0019】
例えば,図4の中央に示されている最も高いピークPEaは,図5に示すPE骨格31中の炭素であって,側鎖メチル基32も末端メチル基33も近くにないものである炭素PEaに対応する。このピークのピーク積分値S(PEa)が,PE骨格31中の炭素PEaの含有量に相当するものである。以下では,各ピークのピーク積分値を同様に,Sにピーク符号を付けたもので記載する。
【0020】
図4のピークAa〜Aeは,図6に示す側鎖メチル基32を含む領域内の炭素に対応している。この領域内には,以下の各炭素が存在する。
Aa:側鎖メチル基32の炭素
Ad:PE骨格31中,側鎖メチル基32が直接繋がっている炭素
Ae:PE骨格31中,炭素Adの第1隣接炭素
Ab:PE骨格31中,炭素Adの第2隣接炭素
Ac:PE骨格31中,炭素Adの第3隣接炭素
なお,PE骨格31中,炭素Adの第4隣接炭素およびそれ以遠の炭素は,次の図7の説明に該当するものを除き,図5で説明した炭素PEaと見なされる。
【0021】
そして,ピーク積分値と各炭素の含有量との関係は,以下のようになる。
ピーク積分値S(Aa):側鎖メチル基32の炭素Aaの含有量
ピーク積分値S(Ad):PE骨格31中,側鎖メチル基32が直接繋がっている炭素Adの含有量
ピーク積分値S(Ae):PE骨格31中,炭素Adの第1隣接炭素Aeの含有量
ピーク積分値S(Ab):PE骨格31中,炭素Adの第2隣接炭素Abの含有量
ピーク積分値S(Ac):PE骨格31中,炭素Adの第3隣接炭素Acの含有量
【0022】
図4のピークBa〜Bdは,図7に示す末端メチル基33を含む領域内の炭素に対応している。この領域内には,以下の各炭素が存在する。
Ba:末端メチル基33の炭素
Bb:PE骨格31中,末端メチル基33が直接繋がっている炭素
Bd:PE骨格31中,炭素Bbの第1隣接炭素
Bc:PE骨格31中,炭素Bbの第2隣接炭素
なお,PE骨格31中,炭素Bbの第3隣接炭素およびそれ以遠の炭素は,前の図6の説明に該当するものを除き,図5で説明した炭素PEaと見なされる。
【0023】
そして,ピーク積分値と各炭素の含有量との関係は,以下のようになる。
ピーク積分値S(Ba):末端メチル基33の炭素Baの含有量
ピーク積分値S(Bb):PE骨格31中,末端メチル基33が直接繋がっている炭素Bbの含有量
ピーク積分値S(Bd):PE骨格31中,炭素Bbの第1隣接炭素Bdの含有量
ピーク積分値S(Bc):PE骨格31中,炭素Bdの第2隣接炭素Bcの含有量
【0024】
そして,メチル基の含有量の割合は,図4中の各ピークのピーク積分値の総計中に占める,側鎖メチル基32の炭素Aaのピーク積分値S(Aa)と末端メチル基33の炭素Baのピーク積分値S(Ba)との合計によって取得することができる。まず,全炭素に対応するピーク積分値の総計S(all)は,以下の式1で表すことができる。
S(all) = S(Aa)+ S(Ab)+ S(Ac)+ S(Ad)+ S(Ae)+ S(Ba)+ S(Bb)+ S(Bc)+ S(Bd)+ S(PEa) … (式1)
【0025】
側鎖メチル基32の炭素Aaの含有量TAは,以下の式2で求めることができる。
TA(%) = S(Aa) ×100 / S(all) … (式2)
また,末端メチル基33の炭素Baの含有量TBは,以下の式3で求めることができる。
TB(%) = S(Ba) ×100 / S(all) … (式3)
そして,本形態の樹脂微粒子層23はこれらの合計T(=TA+TB)が,2〜10%の範囲内のものである。
【0026】
なお,このような微粒子状の樹脂としては,例えば,樹脂微粒子を水中に分散した懸濁液状で提供されている,三井化学製の「ケミパール」(商品名)等を使用することができる。そして,そのグレードにより,メチル基の含有量Tを適宜選択できる。本形態で用いるPE微粒子は,メーカーによる公称値で,平均粒径1〜10μmの範囲内のものが好適である。
【0027】
例えば,銅箔21に負極活物質層22を形成したものの両面に,この懸濁液を塗布して乾燥させる。このとき,側鎖メチル基32や末端メチル基33の作用により,負極活物質層22の表面に樹脂の微粒子を接着させることができる。同様に,樹脂の微粒子同士も互いに接着されて層状になる。その結果,図1に示すように,樹脂微粒子層23が形成される。樹脂微粒子層23に含まれる微粒子は,互いの間に多くの隙間を残しているものの,全体としての層が負極活物質層22に重なっている。従って,負極活物質層22が表面に露出している箇所はない。
【0028】
従って,この負極板11を一般的な正極板に重ねて互いに接触させたとしても,負極板11の負極活物質層22と正極板の正極活物質層とが接触することはない。すなわち,負極板11と正極板とは,樹脂微粒子層23によって絶縁された状態となる。従って,樹脂微粒子層23は,絶縁部材として機能する。
【0029】
さらに,樹脂微粒子層23中の微粒子は,元もとの粒子の形状(ここでは,略球状)をほぼ保ったまま固定されており,結着材を含まないPE粒子を用いているので,図1に示したように,粒子同士の間には隙間が多く残っている。また,樹脂の微粒子は,負極活物質層22の内部まで入り込むほど小さくはないので,負極活物質層22のイオン透過性は維持されている。従って,リチウムイオンはこの隙間を通過することができる。従って,樹脂微粒子層23はイオン透過性を有している。
【0030】
なお,本形態では,粒径1〜10μmの範囲内の微粒子を用いている。粒径が小さすぎると,粒子間の隙間が小さくなり,イオン透過性を妨げるおそれがあるので好ましくない。ここでの粒径1〜10μmとは,樹脂微粒子層23を構成する粒子のうち粒径1〜10μmの範囲内のものの割合が重量%で90%以上であるということである。全ての粒子の粒径がこの範囲内であるというわけではない。
【0031】
本形態の二次電池は,負極板11と一般的な正極板とを重ねて捲回し,電解液とともにケースに封入することによって製造されたものである。この二次電池が,樹脂微粒子層23の樹脂の溶融温度以上に昇温すると,樹脂微粒子層23の微粒子が溶融して変形し,微粒子間の隙間が塞がれる。そうなると,樹脂微粒子層23のイオン透過性が大きく低下し,二次電池の電流が遮断される。従って,この樹脂微粒子層23は,昇温時の電流遮断機能を有している。ただし,本形態の樹脂微粒子層23は負極板11と一体になっているので,このように溶融しても,従来のフィルム状のセパレータのように面方向に収縮することはない。
【0032】
なお,樹脂微粒子層23の層厚は10〜100μmの範囲内が適切である。平均粒径より薄い樹脂微粒子層23は,適切に形成することができない。また層厚が厚すぎると,負極板11が厚くなりすぎるため好ましくない。
【0033】
本発明者は,本発明の効果を確認するための実験を行った。この実験ではまず,以下の実施条件に基づいて電極板(負極板)を製造して,樹脂微粒子層の接着性を確認した。
PE粒子 : 平均粒径2.5μm(メーカーによる公称値)
組成比 : PE粒子/CMC/結着材 = 99.7/0.3/0
ただし,CMC(カルボキシメチルセルロース)は,増粘剤として使用した。
塗布場所 : 負極板上(両面)
樹脂微粒子層の層厚 : 30μm
【0034】
本実験では,PE粒子として,側鎖メチル基32と末端メチル基33との含有量の合計Tを変えて,5種類の負極板を製造した。実施例1〜3は,すべて合計Tが,2〜10%の範囲内のものである。比較例1は,合計Tが2%より小さいものである。比較例2は,合計Tが10%より大きいものである。それぞれの値は,後述の表1に記載した。
【0035】
本実験では,接着性を確認するために,樹脂微粒子層23を形成した負極板11を切断し,切断面における負極活物質層22の状態を確認した。接着性の良好でないものは,スリット箇所の近くの活物質層が滑落し,銅箔21がむき出しになる場合がある。このようになると,その箇所が絶縁不良の原因となるので好ましくない。本発明者は,製造した負極板11を切断し,切断箇所を光学顕微鏡で観察して,活物質層の滑落の有無を確認した。その結果,切断面全体に渡って,滑落の見られなかったものを合格品とした。なお,電極板の製造工程では通常,複数条分の幅の電極板を製造し,それを切断して各電極板としている。
【0036】
さらに本発明者は,前述の各負極板に一般的な正極板や電解液を用いて二次電池を製造し,高温中での保存後の容量維持率を確認した。保存条件は,新品の電池を4.1Vまで充電して,60℃の環境中での7日間の放置である。放置後に電池容量を測定した。放置後の電池容量が,放置前の電池容量に対して90%より少なかったものは,粒子の酸化の程度が大きいものである。容量維持率が90%以上であったものを合格品とした。なお,この実験で製造した二次電池は,3〜4.1Vの範囲内で充放電を行うものであり,この範囲がSOCで0〜100%に相当するものである。また,二次電池にはフィルム状のセパレータは用いなかった。
【0037】
【表1】

【0038】
本実験の結果を上の表1に示す。実施例1〜3は,いずれも,接着性,高温での保存による容量維持性ともに,合格であった。従って,本発明の形態として適切なものであることが確認できた。一方,比較例1は,接着性が充分ではなかった。比較例2は,高温保存によって容量が大きく低下した。この実験から側鎖メチル基32と末端メチル基33との含有量の合計Tを2〜10%の範囲内とすることにより,接着性と高温保存時の容量維持率とがともに適切な二次電池とできることが確認できた。
【0039】
以上詳細に説明したように,本形態の二次電池によれば,その負極板11に樹脂微粒子層23が設けられているので,フィルム状のセパレータを用いなくても,絶縁性能,昇温時の電流遮断性能を有している。特に,樹脂微粒子層23として,側鎖メチル基32と末端メチル基33との含有量の合計Tが2〜10%の範囲内で含まれているPE粒子を用いているので,接着性と高温での保存性とがともに適切なものとなっている。従って,結着材を必要としない。これにより,結着材を含まない絶縁層を電極活物質層の上に形成した電極板を用いた二次電池とすることができる。
【0040】
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,本形態で樹脂微粒子層23を負極板11に設けているのは,加工のしやすさや,二次電池中で負極板の方が正極板よりやや大きいものを一般的に用いること等の理由によるが,正極板の両面に設けることとしても良い。あるいは,負極板と正極板とにそれぞれ片面ずつ設けることとしても良い。また,本形態では,PE粒子にCMCを加えたものを塗布するとしたが,それ以外の材料を入れてはいけないわけではない。例えば,PE以外の樹脂粒子等を加えても良い。また,フィルム状のセパレータと併用してはいけないということはない。また本発明は,捲回型のものに限らず,積層タイプの二次電池に適用することもできる。
【符号の説明】
【0041】
11 負極板
21 銅箔
22 負極活物質層
23 樹脂微粒子層
31 PE骨格
32 側鎖メチル基
33 末端メチル基

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極板と負極板とを重ねてなる電極体を有する二次電池において,
前記正極板と前記負極板との少なくともいずれか一方が,
金属箔と,
前記金属箔の表面に形成された電極活物質層と,
前記電極活物質層の上に形成された樹脂微粒子層とを有するものであり,
前記樹脂微粒子層は,側鎖メチル基の炭素と末端メチル基の炭素とがその合計で全炭素に対して2〜10%の範囲内で含まれているポリエチレン粒子により構成されていることを特徴とする二次電池。
【請求項2】
請求項1に記載の二次電池において,
前記樹脂微粒子層を構成する粒子の90重量%以上が,粒径1〜10μmの範囲内の粒子で占められており,
前記樹脂微粒子層の層厚が,10〜100μmの範囲内であり,
前記樹脂微粒子層が,前記負極板に形成されているものであることを特徴とする二次電池。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−80655(P2013−80655A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220882(P2011−220882)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】