説明

二重床構造

【課題】施工時の作業性を向上させるとともに、低床の二重床構造を提供する。
【解決手段】複数の支持脚10で支持された下地パネル2上に床パネル3を敷設することにより、基礎床1と床パネル3との間に空間部4を構成する二重床構造100であって、支持プレート13は中央部に下地パネル2の厚さよりも低い凸部14が形成され、凸部14の周囲のフランジ部18に載置された下地パネル2の側面の少なくとも一部が凸部14の側面に当接して位置合わせされるとともに、凸部14の裏側に接床台座11の一部を収納可能な凹部15が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートスラブ等の基礎床上に支持脚を介して床パネルを支持する二重床構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、集合住宅やオフィスビルなどの多くの建造物に二重床構造のものが採用されてきている。この二重床構造においては、コンクリートスラブ等の基礎床と床パネルとの間に空間部を形成して、遮音性を高めるとともに、その空間部に設備配管や配線等を設けることができるようになっている。
【0003】
この種の二重床構造として、特許文献1及び特許文献2に記載の支持脚を利用した構造のものがある。これらの二重床構造は、基礎床上に支持脚を並べて、その上に下地パネルを介して床パネルを配置することにより、これら基礎床と床パネルとの間に空間部を形成している。
また、このような二重床構造においては、空間部によって床パネルと基礎床とを離間させることにより遮音性を確保するとともに、床パネルを支持する支持脚に防振ゴム等の弾性部材からなる接床台座を使用し、床面上に物体を落下させた場合にも、その落下衝撃を減衰させて基礎床に伝達し難くしており、遮音性や衝撃緩和性能を高めている。
【0004】
さらに、集合住宅等においては広い室内空間を確保するため、床下空間を狭くして床面を低くした低床の二重床構造が望まれている。
特許文献2の二重床構造に用いられる支持脚では、床パネルの下面側に取り付けられる金属製の受部材の中央部を上方に向かって凸状に変形させて凸部を形成し、この凸部の裏側に形成された凹部に接床台座の一部を収納することにより、低床の二重床構造を構成している。この場合、受部材が金属製であり、その分、板厚を薄くすることができ、さらに低床化を図ることができる。
しかしながら、特許文献2の図3に示す二重床構造においては、受部材に釘打ち用の支持パネルを設け、その支持パネルに下地パネル上面側から釘打ちして固定しており、支持パネルの厚さ分、二重床構造の高さが増していた。
【0005】
また、特許文献2の図4に示す二重床構造においては、受部材に設けられる支持パネルを省略し、下地パネルに収納穴を形成して、その収納穴に受部材を配置することにより、さらなる低床化を図っている。この場合、受部材下面側から釘打ちをして受部材と下地パネルとを固定した後、基礎床に設置させなければならない。そのため、個々の下地パネルが分離された状態で配置され、安定性が悪いとともに、これら下地パネルを整列させる作業が煩雑となり効率的でない。
【0006】
また、受部材は、一般に88mm角または98mm角という寸法であることから、下地パネルを10〜15mm程度の間隔を開けて施工を行わざるを得ないため、接床台座の一部を収納する受部材の凸部を下地パネル間に配置することができなかった。これは、2尺×6尺(600mm×1820mm)の下地パネルの長さ方向に支持脚を5本配置し、これら下地パネルを千鳥状に配列することによる制約であった。
また、下地パネルを、15mm以上隙間を開けて施工することは、受部材に下地パネルが載り切らず、下地パネル間の横方向の連結を行えないことから、直接、床パネルを張ることができず、捨貼合板が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−321443号公報
【特許文献2】特開2009−191554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、低床化を図るとともに、施工時の作業性を向上させた二重床構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の二重床構造は、コンクリートスラブ等の基礎床上に配設される接床台座と、前記接床台座に垂直に支持された支持ボルトと、前記支持ボルトに係合する雌ねじ部を有してその回転動作に伴い上下移動し高さを調節する支持プレートとを有する支持脚を備え、複数の前記支持脚で支持された下地パネル上に床パネルを敷設することにより、前記基礎床と前記床パネルとの間に空間部を構成する二重床構造であって、前記支持プレートは中央部に前記下地パネルの厚さよりも低い凸部が形成され、前記凸部の周囲のフランジ部に載置された前記下地パネルの側面の少なくとも一部が前記凸部の側面に当接して位置合わせされるとともに、前記凸部の裏側に前記接床台座の一部を収納可能な凹部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
この二重床構造においては、支持プレートの凸部を下地パネルの間に挟み込むとともに、その凸部の裏側に形成された凹部に接床台座の一部を収納可能にすることで、低床化を図ることができる。
そして、この場合に、支持脚の支持プレートに設けられた凸部の側面に下地パネルの側面を当接させて配置することにより、下地パネルを容易に所定箇所に位置合わせすることができるため、施工時の作業性を向上させることができる。
【0011】
また、本発明の二重床構造において、前記支持プレートの前記凸部の高さは、前記下地パネルの厚さの1/3〜2/3に設定されているとよい。
この場合、支持プレートの凸部裏側の凹部に接床台座の一部を収納可能にしつつ、下地パネルの高さの調整代を確保することができる。凸部の高さは、下地パネルの厚さの1/2程度に設定するのがより好ましい。
【0012】
さらに、本発明の二重床構造において、前記支持プレートの前記凸部の上端面に、前記雌ねじ部を囲む接着剤溜めが凹状に形成されているとよい。
支持プレートを所望の高さに調整した後、その高さを固定するために、支持ボルトと支持プレートの雌ねじ部との隙間を接着剤で固定する。その際、接着剤が支持プレート上で広がって流れてしまうと、隙間に十分な量の接着剤を介在させることができず、支持ボルトと雌ねじ部との固定が不十分になることがある。そこで、支持プレートに接着剤を保持する接着剤溜めを設けて、支持ボルトと支持プレートの雌ねじ部との間に接着剤を入り込み易くすることで、確実に固定できるようにしている。
【0013】
また、本発明の二重床構造において、前記支持プレートの前記凸部は平面視円形に形成され、前記下地パネルの四隅部は三角形に切欠いた形状とされており、前記下地パネルの一つの辺の側面と、その辺に沿って配置される二枚の前記下地パネルの四隅部の切欠き側面とで形成される各空間又は、四枚の前記下地パネルの四隅部の切欠いた側面で形成される各空間に、前記凸部がそれぞれ配置されているとよい。
【0014】
下地パネルの一つの辺の側面と、二枚の下地パネルの四隅部の側面とで形成される継ぎ目部分又は、四枚の下地パネルの四隅部の側面で形成される継ぎ目部分のそれぞれに、支持プレートの円形凸部を配置することにより、支持脚と下地パネルとの位置合わせ作業を容易にするとともに、下地パネルの周囲の複数箇所が支持脚の凸部により位置合わせされるので、各下地パネル間の目地を均等に配置することができる。
【0015】
従来から、下地パネルは2尺×6尺の大きさで形成されており、これらの下地パネル三枚で構成される継ぎ目部分は支持脚1本おきに配置されているが、例えば、下地パネルを2尺×3尺又は2尺×2尺の寸法にするとともに、その下地パネルの四隅部を切欠することで、各下地パネル間の目地を10〜15mmに保ったまま、支持脚毎に三〜四枚の下地パネルで構成された継ぎ目部分を配置することができる。
また、支持プレートの凸部を上述のように配置することによって、各下地パネル間の目地を狭く形成できるので、捨貼合板を設けずに、下地パネルに直接、床パネルを設けることも可能となる。
このように、円形凸部及び四隅部の切欠き形状のような製作容易な単純構造によって、効率的に支持脚と下地パネルとを配置することができる。
【0016】
さらに、本発明の二重床構造において、前記支持プレートの前記フランジ部に、前記下地パネルの周縁の一部の端縁を位置合わせするためのガイドラインが設けられているとよい。
この場合、ガイドラインに沿って下地パネルの端縁を設置することができ、二重床構造の施工時において支持脚と下地パネルとの位置合わせ作業を容易にすることができる。
【0017】
また、本発明の二重床構造において、前記支持プレートの前記フランジ部に、前記下地パネルの端縁を当接させる突起部が設けられているとよい。
そして、前記突起部は、前記フランジ部の端部を切り起こした立ち上げ部によって形成されているとよく、さらに、立ち上げ部は前記フランジ部の表面から斜めに立ち上げられているとよい。
この場合、支持プレートの立ち上げ部を、フランジ部の端部を切り起こすことで簡単に形成することができる。また、立ち上げ部をフランジ部の表面から斜めに立ち上げて形成することで、下地パネルの厚さの限られた範囲内で、その立ち上げ部端部と下地パネルの端縁との接触部を長くすることができ、下地パネルを当接させて位置合わせすることができ、下地パネルをガイドラインに合わせて作業しなくとも、確実に位置合わせすることが可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、支持プレートの凸部を下地パネルの間に配置するとともに、凸部の裏側に設けられた凹部に接床台座の一部を収納可能にしたので、二重床構造を低床化させることができる。また、複数配設された支持脚を構成する支持プレートの凸部に下地パネルを当接させて、これらを正確に位置合わせすることができ、二重床構造の施工時の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の二重床構造の一実施形態を示す床の平面図である。
【図2】図1の二重床構造の支持脚を拡大した一部断面図である。
【図3】図2の支持脚を構成する支持プレートの平面図である。
【図4】図2の支持脚の上面部である。
【図5】他の実施形態を示す二重床構造の床の平面図である。
【図6】他の実施形態を示す支持プレートの平面図である。
【図7】他の実施形態を示す支持プレートを説明する図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図8】本発明の二重床構造の他の実施形態を示す図である。
【図9】従来の二重床構造を示す床の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の二重床構造の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の二重床構造100は、コンクリートスラブの基礎床1上に複数の支持脚10を並べて、支持脚10の上に下地パネル2を介して床パネル3を配置することにより、基礎床1と床パネル3との間に空間部4を構成する。
【0021】
支持脚10は、図2に示すように、基礎床1上に配設される防振ゴム11(接床台座)と、防振ゴム11に垂直に支持された支持ボルト12と、支持ボルト12の上部に係合して支持ボルト12の回転動作に伴って上下移動する支持プレート13とから構成されている。
防振ゴム11は、円錐台形状に設けられており、床パネル3上からの衝撃を減衰させて基礎床1への伝達を抑制し、遮音性や衝撃緩和性を高めるものである。そして、この防振ゴム11に支持ボルト12が回転自在に支持されている。
支持ボルト12の上端部には、プラスドライバ等が挿入可能な工具挿入溝12aが形成されている。支持ボルト12を回転させることにより支持プレート13を上下方向に移動させ、基礎床1からの下地パネル2の高さを調節することができる。
【0022】
支持プレート13は、金属板やプラスチック板等で形成される。本実施形態においては、例えば、板厚2〜3mmの矩形状の金属板で形成されており、この支持プレート13の中央部分には、平面視円形(ここでいう平面視とは、支持プレート13を上方から見た場合をいう)となるようにカップ状の凸部14がプレス加工により突設され、凸部14の裏面側に同時に形成される凹部15に防振ゴム11の一部が収納可能なように、防振ゴム11の外径と比べて十分大きい内径の凹部15が形成されている。
【0023】
凸部14の高さは、下地パネル2の厚みよりも低く形成されている。下地パネル2の厚さと凸部14の高さが同じ場合、支持プレート13を下方に移動したときに支持ボルト13の頭部が下地パネル2の上面よりも上方に突出して、床パネル3と干渉してしまうため、支持プレート13の上下位置を調整しても、支持ボルト12の頭部が支持パネル2の上面から突出しない寸法関係に設定するのがよい。この場合、支持プレート13の凸部14の高さは、下地パネル2の厚さの1/3〜2/3に設定されているとよく、下地パネル2の厚さと凸部14との差分が、下地パネル2の高さの調整代となる。より好ましくは、凸部14の高さは下地パネル2の厚さの1/2程度とするのがよい。本実施形態では、下地パネル2の厚さ20mmに対して凸部14の高さはその半分の10mmとされている。
また、凸部14の中心部には支持ボルト12の雄ねじ部12bと係合する雌ねじ部16が下方に折り曲げたバーリング加工によって形成されている。そして、凸部14の上端面には、雌ねじ部16を囲む接着剤溜め17が周縁部を残して一回り小さい凹状に形成されている。
【0024】
支持プレート13の凹部14の下端外縁に設けられたフランジ部18は、下地パネル2を下方から支持するとともに、セルフタッピングスクリュ5を電動ドライバー等の工具で下地パネル2の上面側から打ち込むことにより下地パネル2を固定することができるようになっている。
このフランジ部18の上面には、セルフタッピングスクリュ5を打ち込む際、セルフタッピングスクリュ5の食い付きを安定させるために、多数の格子状の凹条溝や孔が形成されている。本実施形態の支持プレート13においては、図3に示すように、フランジ部18に多数の孔19を形成している。
また、このフランジ部18は、裏面側に突出して形成された4つのリブ18aにより、補強されている。そして、フランジ部18の上面には下地パネル2の仮止め用の両面テープ及び剥離紙(図示略)が設けられている。
【0025】
このように構成された支持脚10を用いて二重床構造100を施工する。
図1に示すように、支持脚10を、四方を壁によって区画された部屋の中に一定の間隔をおいて複数並べて立設する。そして、支持プレート13の表面の剥離紙を剥がして、両面テープを露出させ、その上に下地パネル2を載置する。
【0026】
下地パネル2には、廃材等から得られる木片チップを接着剤で固めた長方形のパーティクルボードが使用される。下地パネル2は、図1及び図4に示すように、その長辺を相互に平行にして縦に並べられるとともに、短辺間の目地20が隣接する列で長辺の半分ずつの長さでずれた配置で並べられる。また、各下地パネル2は、四隅部を三角形に切欠いて切欠部2a(切欠き側面)を形成した形状とされ、下地パネル2の長辺の側面と、その長辺に沿って配置される二枚の下地パネル2の切欠部2aの側面とを支持プレート13に設けられた凸部14に当接させて配置することにより、一定の隙間(直線目地部22)を設けて敷設される。
この際、支持プレート13の凸部14は、目地20の各直線目地部22がT字状に交わる各交差部21にそれぞれ配置され、交差部21の空間を構成する三枚の下地パネル2の側面に内接した状態となる。
【0027】
例えば、図9に示す従来の二重床構造300のように、2尺×6尺(600mm×1820mm)の大きさの下地パネル302に、支持脚310を1尺半(455mm)の間隔にて並べる場合は、下地パネル302の継ぎ目部分が三枚の下地パネル302で構成される箇所(目地320の交差部321)は、支持脚310の1個おきに構成される。そのため、二枚の下地パネル302で構成される直線目地部322及び交差部321に支持プレート313を配置して二重床構造300を構成しなければならない。
【0028】
本実施形態においては、支持プレート13の凸部14を下地パネル2の三枚の継ぎ目部分(直線目地部22の交差部21)に格納するため、2尺×3尺(600×910mm)の下地パネル2を使用し、下地パネル2の継ぎ目部分の全てに支持脚10を設置し、下地パネル2の四隅の角を斜めに切欠することで、支持プレート13の凸部14を収納できる三角形の空間を下地パネル2の継ぎ目部分に形成している。
また、二枚の下地パネル2で構成される直線目地部22に、支持プレート13を配置しなくてもすむように、従来の2尺×6尺の下地パネル302を、2尺×3尺の下地パネル2に形成し、目地20の交差部21を三枚の下地パネル2で構成して、三角形の空間を形成することにより、これら各空間に支持プレート13の凸部14をそれぞれ格納することができる。
また、図5の二重床構造200に示すように、下地パネル202を2尺×2尺に形成して、四枚の下地パネル202の四隅部を切欠いた側面で形成される四角形の各空間(直線目地部222の交差部221)に、支持プレート13の凸部14をそれぞれ格納してもよい。
【0029】
次に、セルフタッピングスクリュ5を下地パネル2の上面側から支持プレート13に打ち込み、下地パネル2を支持脚10に固定する。この時、下地パネル2間に形成された目地20に配置された支持ボルト12の工具挿入溝12aに工具を係合させ、支持ボルト12を軸芯回りに回転させる。これにより、支持プレート13を上下移動させ、下地パネル2の基礎床1からの高さを微調整し、施工高さに調整することができる。
【0030】
接着剤6を支持プレート13から突出する支持ボルト12の先端部分に供給し、接着剤6を支持ボルト12と支持プレート13の雌ねじ部16との係合部に注入して支持ボルト12を固定し、下地パネル2の高さが変動しないようにする。上述したように、支持プレート13の雌ねじ部16の周囲には凹状の接着剤溜め17が設けられているので、この接着剤溜め17で接着剤6が保持され、支持ボルト12と支持プレート13の雌ねじ部16との間に接着剤6が入り込み易くなっている。
そして、下地パネル2の表面に床プレート3を敷設して、二重床構造100を仕上げる。
【0031】
このように、本実施形態の二重床構造100では、支持脚10の支持プレート13を薄肉に構成し、下地パネル2の目地20の交差部21に支持プレート13の凸部14を配置するとともに、凸部14の裏側に設けられた凹部15に防振ゴム11の一部を収納可能にしたので、二重床構造の低床化を図ることができる。
また、基礎床1上に複数配設された支持脚10を構成する支持プレート13の凸部14の側面14aに、下地パネル2を当接させて位置合わせすることができるので、二重床構造の施工時の作業性を向上させることができる。
さらに、支持プレート13の平面視円形の凸部14や、下地パネル2の四隅部を切欠いた形状のように、製作容易な単純構造によって、支持脚10と支持パネル2との位置合わせ作業を容易にし、効率的に支持パネル2を均等に配置することができる。
【0032】
なお、本発明は上記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、支持脚の支持プレートに、図6及び図7に示す支持プレート30,40のように、ガイドライン31や立ち上げ部41等の位置合わせ部を設けることができる。
図6に示す支持プレート30のように、フランジ部18の表面に、下地パネルの周縁の一部の端縁を位置合わせするためのガイドライン31を設けることにより、このガイドライン31に沿って下地パネルの端縁を矢印Aで示すように位置合わせすることができ、二重床構造の施工時において支持脚と下地パネルとの位置合わせ作業を容易にすることができる。
【0033】
また、図7に示す支持プレート40のように、フランジ部18の端部を切り起こして下地パネル2の端縁を当接させる立ち上げ部41(突起部)を設けることにより、立ち上げ部41の端部に二点鎖線で示すように下地パネル2の端縁を当接させて位置合わせすることができ、確実に位置合わせすることができる。
この場合の立ち上げ部41は、正方形のフランジ部18の四辺のうち、三辺の端部を切り起こすことにより形成されており、簡単に形成することができる。また、各下地パネル2は、凸部14の側面14aに当接して位置合わせされるとともに、立ち上げ部41の両端部にも当接して位置合わせされるので、下地パネル2を容易に位置合わせすることができる。
また、立ち上げ部41は、フランジ部18の表面に垂直に形成してもよいが、図7(b)に示すように、フランジ部18の表面に対して斜めに形成することで、下地パネル2の厚さの限られた範囲内で、立ち上げ部41の端部と下地パネルの端縁との接触部を長くすることができ、より確実に位置合わせをすることができる。
なお、このような立ち上げ部以外にも、フランジ部18の一部を上方に突出させて突起部を形成してもよい。
また、これらの突起部を設ける際に、突起部を形成するだけでなく、合わせてガイドライン31を設けてもよい。
【0034】
また、上記実施例において防振ゴム11を円錐台形状としたが、防振ゴム11の形状は使用目的に応じて変更することができる。例えば、図8(a)に示す防振ゴム11Aは、耐荷重性能に優れており、床先行工法において下地パネル上に配置される各部屋の間仕切り壁を支持する等、強度を必要とする位置に用いることができる。また、図8(b)に示す外周面をジャバラ状の多段に形成した防振ゴム11Bは、衝撃緩和性能に優れており、床面上に物体を落下させた場合にも、その落下衝撃を減衰させて基礎床に伝達し難くしており、遮音性や衝撃緩和性能を高めることができる。
この場合においても、支持プレート13の凹部15内に防振ゴム11A,11Bの一部を収納可能にし、二重床構造の低床化を図ることができる。また、支持プレート13の凸部14の側面14aに下地パネル2を当接させて位置合わせすることができるので、施工時の作業性を向上させることができる。その他の構成は、上記実施形態のものと同じであり、共通部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0035】
また、支持プレート13の凸部14は、交差部21を構成する各下地パネル2の側面に支持プレート13の凸部14の側面が内接する形状であればよく、交差部21に合わせて平面視三角形となるように形成してもよいが、上記実施形態のように、平面視円形の凸部14とした方が製作容易である。
【符号の説明】
【0036】
1 基礎床
2,202,302 下地パネル
3 床パネル
4 空間部
5 セルフタッピングスクリュ
6 接着剤
10,310 支持脚
11 防振ゴム(接床台座)
12 支持ボルト
12a 工具挿入溝
13,30,40 支持プレート
14 凸部
14a 側面
15 凹部
16 雌ねじ部
17 接着剤溜め
18 フランジ部
18a リブ
19 孔
20,220,320 目地
21,221,321 交差部
22,222,322 直線目地部
31 ガイドライン
41 立ち上げ部
100,200,300 二重床構造


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートスラブ等の基礎床上に配設される接床台座と、前記接床台座に垂直に支持された支持ボルトと、前記支持ボルトに係合する雌ねじ部を有してその回転動作に伴い上下移動し高さを調節する支持プレートとを有する支持脚を備え、複数の前記支持脚で支持された下地パネル上に床パネルを敷設することにより、前記基礎床と前記床パネルとの間に空間部を構成する二重床構造であって、前記支持プレートは中央部に前記下地パネルの厚さよりも低い凸部が形成され、前記凸部の周囲のフランジ部に載置された前記下地パネルの側面の少なくとも一部が前記凸部の側面に当接して位置合わせされるとともに、前記凸部の裏側に前記接床台座の一部を収納可能な凹部が形成されていることを特徴とする二重床構造。
【請求項2】
前記支持プレートの前記凸部の高さは、前記下地パネルの厚さの1/3〜2/3に設定されることを特徴とする請求項1記載の二重床構造。
【請求項3】
前記支持プレートの前記凸部の上端面に、前記雌ねじ部を囲む接着剤溜めが凹状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の二重床構造。
【請求項4】
前記支持プレートの前記凸部は平面視円形に形成され、前記下地パネルの四隅部は三角形に切欠いた形状とされており、前記下地パネルの一つの辺の側面と、その辺に沿って配置される二枚の前記下地パネルの四隅部の切欠いた側面とで形成される各空間又は、四枚の前記下地パネルの四隅部の切欠いた側面で形成される各空間に、前記凸部がそれぞれ配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の二重床構造。
【請求項5】
前記支持プレートの前記フランジ部に、前記下地パネルの周縁の一部の端縁を位置合わせするためのガイドラインが設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の二重床構造。
【請求項6】
前記支持プレートの前記フランジ部に、前記下地パネルの端縁を当接させる突起部が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の二重床構造。
【請求項7】
前記突起部は、前記フランジ部の端部を切り起こした立ち上げ部によって形成されていることを特徴とする請求項6記載の二重床構造。
【請求項8】
前記立ち上げ部は前記フランジ部の表面から斜めに立ち上げられて設けられることを特徴とする請求項7記載の二重床構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−1915(P2012−1915A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135831(P2010−135831)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(591173833)淡路技建株式会社 (7)
【Fターム(参考)】