説明

二重殻タンク

【課題】本発明は、二重殻タンクの漏洩検知の信頼性を高かめることを課題とする。
【解決手段】二重殻タンク10は、内殻タンク80と、シート状部材90と、複数の紐状部材100と、外殻タンク110とを有する。複数の紐状部材100は、内殻タンク80と外殻タンク110との間に漏洩検知用間隙120を確保するための間隙保持部材であり、内殻タンク80の外周に沿うように並列に取り付けられている。漏洩検知用間隙120には、漏洩検知チューブ130が挿通されている。漏洩検知チューブ130は、樹脂製チューブからなり、一端132が二重殻タンク10の底部まで延在している。また、漏洩検知チューブ130の他端134は、タンク頂部のフランジ部14の内部に挿入され、液回収部に挿入された細管に連通されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二重殻タンクに係り、特に油液を貯蔵するタンクとして用いられる二重殻タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、油液を貯蔵するタンクとしては、鋼製の内殻タンクと強化プラススチック製の外殻タンクとを組み合わせた二重殻タンクがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、地下に埋設される二重殻タンクの場合、地下における油液の漏洩の有無を検知可能とする構成になっており、内殻タンクと外殻タンクとの間に薄い樹脂フィルムを介在させて微小な間隙(空間)を形成し、この間隙の圧力変化を検知して内殻タンクまたは外殻タンクのピンホールの発生を検知する漏洩検知装置を設けている。
【0004】
また、樹脂フィルムは、内殻タンクの表面を覆うことにより、強化プラスチックを被覆する際に液状のプラスチック材が内殻タンクの表面に密着することを防止すると共に、内殻タンク表面と強化プラスチック層(外殻タンク)との間に漏洩検出用の間隙を形成するためのシート状部材である。従って、樹脂フィルムによって形成された漏洩検出用間隙は、極めて薄く形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−113859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記二重殻タンクの構成では、周囲の温度変化に伴うタンクの収縮や、埋設された土砂による土圧や、荷卸しされた油液の液圧によって内殻タンクと外殻タンクとの間の間隙が狭められ、漏洩検出用間隙の圧力変化による漏洩検知を効率良く行なうことが難しいという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決した二重殻タンクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
(1)本発明は、内殻タンクと、
該内殻タンクの外側を覆う間隙形成用のシート状部材と、
前記シート状部材の外側を被覆するように形成された強化プラスチック層からなる外殻タンクとを有する二重殻タンクにおいて、
前記内殻タンクの外側と前記シート部材との間に複数の紐状部材を所定間隔毎に介在させるように設け、
前記シート状部材を前記内殻タンク外側及び前記紐状部材の外側に取付けることにより前記内殻タンク外側と前記シート状部材との間に前記紐状部材の厚さに応じた漏洩検知用間隙を形成することを特徴とする。
(2)本発明の前記紐状部材は、表面に多数の凹凸を有することを特徴とする。
(3)本発明の前記紐状部材は、幅広のベルト状に形成され、幅広部分の裏面を前記内殻タンクの外側に当接し、前記幅広部分のおもて面に前記シート部材が当接されることを特徴とする。
(4)本発明は、前記漏洩検知用間隙に圧力検知用チューブを挿通し、前記圧力検知用チューブの一端が前記内殻タンクの底部と前記外殻タンクの底部との間に位置するように配され、前記圧力検知用チューブの他端が前記漏洩検知用間隙の外部に引き出されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、内殻タンクの外側とシート部材との間に複数の紐状部材を所定間隔毎に介在させることにより内殻タンクとシート状部材との間に紐状部材の厚さに応じた漏洩検知用間隙を形成することが可能になり、例えば、タンク周囲の温度変化に伴う収縮や、埋設された土砂による土圧や、荷卸しされた油液の液圧によって内殻タンクと外殻タンクとの間の漏洩検知用間隙が狭められることを防止して漏洩検出精度を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による二重殻タンクの一実施例の正面縦断面図である。
【図2】図1中I−I線に沿う側面縦断面図である。
【図3】図2中、A部を拡大して示す拡大断面図である。
【図4】図2中、B部を拡大して示す拡大断面図である。
【図5】内殻タンクの外周に紐状部材を取り付けた状態を示す正面図である。
【図6】内殻タンクの外周に紐状部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図7】二重殻タンクの構造を示す縦断面図である。
【図8】図7中II−II線に沿う横断面図である。
【図9A】漏洩検知チューブの構造を示す斜視図である。
【図9B】漏洩検知チューブの断面構造を示す縦断面図である。
【図9C】漏洩検知チューブに圧力が作用した状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明による二重殻タンクの一実施例の正面縦断面図である。図1に示されるように、二重殻タンク10は、例えば、給油所の地下に埋設される地下タンクとして用いられ、地下に設置された状態では周囲が土砂やコンクリートによって覆われる。また、二重殻タンク10は、油液を貯蔵するための貯蔵タンクとして使用されており、例えば、ガソリンや軽油等の燃料、あるいは使用済みのエンジンオイル(廃油)を貯蔵するように使用される。
【0013】
このように油液を地下に貯蔵する場合、二重殻タンク10の漏洩の有無を検知する漏洩検知装置20が備えられる。二重殻タンク10の頂部には、液面センサ30が取り付けられるフランジ部12と、漏洩検知装置20が取付けられるフランジ部14とが設けられている。
【0014】
漏洩検知装置20及び液面センサ30は、二重殻タンク10の上方に形成されたマンホール40に収容されており、信号線41〜43を介して地上の事務所50内に設置された表示器60に検出信号を出力する。表示器60は、例えば、液晶モニタなどからなり、入力された漏洩検知信号、液面検知信号に応じた表示を行なって給油所の係員に報知する。
【0015】
液面センサ30は、二重殻タンク10内に貯蔵される油液の液面高さ位置を計測し、計測された液面高さ位置に応じた検出信号を出力する。そして、表示器60は、液面センサ30からの検出信号に基づき液面の高さ位置から貯蔵量を算出して表示する。
【0016】
また、漏洩検知装置20は、二重殻タンク10から漏洩した液体(油液または地下水)を回収する液回収部22と、液回収部22に設けられた液検知センサ24と、液回収部22内を目視可能とする窓26と、液回収部22の下部に設けられたドレンコック28と、圧力センサ70とを有する。
【0017】
液回収部22は、後述する漏洩検知チューブを介して二重殻タンク10の漏洩検知用間隙と連通されており、内殻タンク80にピンホール(小孔)が発生し内殻タンク80内の油液が漏洩検知用間隙に流入した場合、或いは外殻タンク110にピンホール(小孔)が発生し外殻タンク110外の地下水が漏洩検知用間隙に流入した場合には、当該流入した液体が内部に溜る様に構成されている。そして、液回収部22内に液体が所定量溜まった(液回収部22内の液体が所定高さ位置に達した)時点で液検知センサ24が検出信号を表示器60に出力する。
【0018】
また、液回収部22に滞留する液体は、ドレンコック28を開弁することで抜き取ることができる。また、ドレンコック28と真空ポンプの吸込み口との間を耐圧ホースで接続することにより、液回収部22及び後述する漏洩検知チューブを介して漏洩検知用間隙の真空引きを行え、かつ、液体の連続的な回収が可能とされている。
【0019】
圧力センサ70は、二重殻タンク10の漏洩検知用間隙と連通された液回収部22の圧力を検出するように液回収部22と接続されている。また、内殻タンク80にピンホール(小孔)が発生し内殻タンク80内の油液(或いは気体)が漏洩検知用間隙に流入した場合、或いは外殻タンク110にピンホール(小孔)が発生し外殻タンク110外の地下水(或いは気体)が漏洩検知用間隙に流入した場合には、当該流入により液回収部22の圧力が上昇する。従って、圧力センサ70は、真空引きされた二重殻タンク10の漏洩検知用間隙における液回収部22の圧力変化を検出することで、二重殻タンク10における漏洩を検出することが可能になる。
【0020】
表示器60は、液検知センサ24または圧力センサ70から出力された検出信号に基づき、二重殻タンク10における漏洩発生を表示して給油所の係員に報知する。
【0021】
また、液回収部22では、上部に窓26が設けられているので、マンホール40の蓋44を開けることにより係員が液回収部22内を目視で確認することが可能となる。尚、液回収部22内には、後述する漏洩検知チューブの端部が所定高さ位置まで起立しており、漏洩検知チューブから吐出された液体(油液または地下水)が圧力変動によって逆流しないように構成されている。
【0022】
また、液回収部22の漏洩液収容可能容量は、二重殻タンク10の漏洩検知用間隙の総容積に応じて設定されるため、例えば、二重殻タンク10の油液貯蔵可能量が2KL〜10KLによって適宜選択的に設定される。すなわち、真空引きされた二重殻タンク10の漏洩検知用間隙において腐食によるピンホール(小孔)が発生した場合、流体(気体、油液または地下水)が漏洩検知用間隙に侵入すると共に、後述する漏洩検知チューブを介して漏洩検知用間隙と連通された液回収部22の圧力が上昇する。そのため、本実施例では、例えば内殻タンク80の底部にピンホールが発生した場合には内殻タンク80内の圧力と液回収部22内の圧力とが釣り合ったときに当該ピンホールから漏洩検知用間隙を介して液回収部22への油液の移動が停止されることになるが、液回収部22に油液が到達するように液回収部22の漏洩液収容可能容量及び真空の度合いが設定されている。
【0023】
ここで、二重殻タンク10の構造について説明する。図2は図1中I−I線に沿う側面縦断面図である。図3は図2中、A部を拡大して示す拡大断面図である。図4は図2中、B部を拡大して示す拡大断面図である。
【0024】
図2乃至図4に示されるように、二重殻タンク10は、内殻タンク80と、シート状部材90と、複数の紐状部材100と、外殻タンク110とを有する。
【0025】
内殻タンク80は、鋼製(又は繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)等の樹脂製)のタンクであり、内部空間が油液を貯留する液相部LAと、ベーパが滞留する気相部LBとに分かれる。
【0026】
シート状部材90は、内殻タンク80及び複数の紐状部材100の表面を覆うように取り付けられる樹脂フィルムからなり、厚さ寸法に応じた漏洩検知用間隙(漏洩検知空間)120を形成するための隔壁として機能する。また、シート状部材90としては、樹脂フィルムに限らず、例えば、紙や布地などの平面状のシートであれば良い。
【0027】
複数の紐状部材100は、内殻タンク80と外殻タンク110との間に漏洩検知用間隙120を確保するための間隙保持部材であり、内殻タンク80の外周に沿うように並列に取り付けられている。また、紐状部材100は、例えば、横幅が1cm〜2cm程度の帯状の樹脂テープなどからなり、幅広部分の裏面が内殻タンク80の外側に当接し、幅広部分のおもて面がシート状部材90の内側に当接する。
【0028】
また、紐状部材100は、表面に多数の凹凸を有する形状であるので、内殻タンク80の外側に密着せず、常に内殻タンク80の外側との間に微小な隙間を形成する。尚、紐状部材100は、樹脂テープからなる場合には、一定の大きさの凹凸が均一のパターンで形成されており、また繊維を織り込む場合には、大きさの異なる凹凸が不規則なパターンで形成される。
【0029】
また、外殻タンク110は、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)からなり、シート状部材90の外側を覆うように形成される。尚、外殻タンク110を形成する際の工程としては、シート状部材90の外側に液状化された繊維強化プラスチックを塗布し、その後繊維強化プラスチックに含まれる溶剤が蒸発して固化するまで乾燥させる方法、或いは、予め固化している繊維強化プラスチックのシートをシート状部材90の外側に貼り付ける方法がある。
【0030】
また、外殻タンク110は、二重殻タンク10の最大貯蔵量に応じた最大液面高さHmaxの位置が規定されており、最大液面高さHmaxより上方となる頂部付近には形成されていない。そして、内殻タンク80の最大液面高さHmaxより上方の表面には、樹脂材などからなるシール層160が形成される。
【0031】
図4に示されるように、漏洩検知用間隙120には、漏洩検知チューブ130が挿通されている。漏洩検知チューブ130は、樹脂製チューブからなり、一端(漏洩液体吸込み口)132が二重殻タンク10の底部まで延在している。尚、二重殻タンク10では、内殻タンク80或いは外殻タンク110に発生したピンホールより漏洩検知用間隙120内に流入する液体は、漏洩検知用間隙120の底部に溜る。そのため、本実施例においては、漏洩検知チューブ130の先端は、タンク底部(漏洩検知用間隙120の底部)まで挿入されており、これにより、漏洩検知用間隙120内に流入した液体が液回収部22に回収されやすいように構成されている。
【0032】
また、漏洩検知チューブ130の他端(漏洩液体吐出口)134は、タンク頂部のシール層160を通してフランジ部14の内部に挿入され、液回収部22に挿入された細管21に連通されている。従って、漏洩検知チューブ130は、漏洩検知用間隙120内に流入する液体(油液または地下水)を細管21から液回収部22に抽出するとともに、漏洩検知用間隙120内に流入する流体が気体の場合には液回収部22内の圧力を上昇させる。
【0033】
このように、液回収部22に漏洩された液体が注入されると前述した液検知センサ24から検出信号が出力され、また、漏洩検知用間隙120内に気体が流入して液回収部22内の圧力が上昇することにより圧力センサ70から検出信号が出力され、表示器60に二重殻タンク10の漏洩検出が表示される。
【0034】
ここで、紐状部材100の取り付け状態について説明する。図5は内殻タンクの外周に紐状部材を取り付けた状態を示す正面図である。図6は内殻タンクの外周に紐状部材を取り付けた状態を示す斜視図である。図7は二重殻タンクの構造を示す縦断面図である。図8は図7中II−II線に沿う横断面図である。
【0035】
図5乃至図8に示されるように、二重殻タンク10の製造工程において、鋼板を円筒形状に加工して内殻タンク80を製作した後、内殻タンク80の外周に複数の紐状部材100を並列に取り付ける。紐状部材100は、樹脂テープなどからなり、例えば、上端のみが内殻タンク80の外周に貼着される。尚、紐状部材100の取付パターンや固定方法は、任意に変更しても良い。
【0036】
また、複数の紐状部材100は、内殻タンク80の両側から垂れ下げるように配置しても良い。さらに、内殻タンク80の底部にも、タンク長手方向に延在するように紐状部材100を配置し、他の外周に沿う紐状部材100と交差するように設ける。
【0037】
複数の紐状部材100は、シート状部材90が内殻タンク80の外側を覆うように配されると共に、内殻タンク80の外側に当接した取付状態に保持される。
【0038】
図8に示されるように、シート状部材90が内殻タンク80の外側に配されると、内殻タンク80の外側とシート状部材90の内側との間に複数の紐状部材100が格子状に配されているので、内殻タンク80の外側とシート状部材90の内側との間には、紐状部材100の厚さ分に相当する隙間が漏洩検知用間隙120として形成される。
【0039】
よって、内殻タンク80の外側に複数の紐状部材100を取り付けることにより、周囲の温度変化に伴うタンクの収縮や、埋設された土砂による土圧や、荷卸しされた油液の液圧によって内殻タンク80と外殻タンクとの間の間隙が狭められた場合でも漏洩検知用間隙120を確保することが可能になり、漏洩検知装置20による内殻タンク80及び外殻タンク110の漏洩検出精度を高めることが可能になる。
【0040】
また、二重殻タンク10を地下タンクとして使用する場合、油液の最大貯蔵量が決められており、最大貯蔵量に応じて最大液面高さHmaxの位置が規定される。そのため、漏洩検知用間隙120及び外殻タンク110は、最大液面高さHmaxの位置まであれば良いので、フランジ部14の周辺部分となるタンク頂部まで設ける必要がない。従って、複数の紐状部材100の上端は、最大液面高さHmaxの位置まであれば良いことになる。
【0041】
ここで、漏洩検知チューブ130の構造について説明する。図9Aは漏洩検知チューブの構造を示す斜視図である。図9Bは漏洩検知チューブの断面構造を示す縦断面図である。図9Cは漏洩検知チューブに圧力が作用した状態を示す縦断面図である。
【0042】
図9A及び図9Bに示されるように、漏洩検知チューブ130は、比較的柔軟性を有する樹脂製チューブの中空部140に小径な細線150が挿通されている。細線150は、例えば、半径方向の断面形状が円形とされた金属製ワイヤあるいは剛性を有する樹脂製線材などからなり、外側からの圧力に耐える強度を有する。
【0043】
そのため、図9Cに示されるように、漏洩検知チューブ130の外側が楕円形状に圧縮されても中空部140に挿通された細線150が変形しないため、中空部140には漏洩検知用の空間が三日月状断面の通路として残る。すなわち、漏洩検知用間隙120に挿通された漏洩検知チューブ130は、周囲の温度変化に伴うタンクの収縮や、埋設された土砂による土圧や、荷卸しされた油液の液圧によって内殻タンク80と外殻タンク110との間の漏洩検知用間隙120が狭められる場合でも洩検知チューブ130の中空部140が閉塞されることは無い。
【0044】
従って、漏洩検知チューブ130に何らかの圧力(内殻タンク80の膨張による内圧増大または土圧による外殻タンク110の収縮による外圧)が作用しても漏洩検知チューブ130の内部に常に空間が形成されており、漏洩した液体の流路、及び真空引きの際の空気吸引通路が確保される。これにより、漏洩検知チューブ130の閉止が防止されると共に、漏洩検知装置20による内殻タンク80及び外殻タンク110の漏洩検出精度を保持することが可能になる。
【0045】
尚、上記細線150の断面形状としては、円形以外の形状(例えば、四角形、六角形など)としても良いのは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
上記実施例では、給油所の地下タンクとして使用される二重殻タンクを例に挙げて説明したが、これに限らず、本発明は例えば、多数のトラックやバス、タクシー等の車両を所有する企業の給油設備として用いる場合にも適用できると共に、あるいはオイル交換を行なう自動車整備会社や自動車販売会社などに設置される地下タンクにも適用可能である。
【符号の説明】
【0047】
10 二重殻タンク
12、14 フランジ部
20 漏洩検知装置
22 液回収部
24 液検知センサ
26 窓
28 ドレンコック
30 液面センサ
40 マンホール
41〜43 信号線
60 表示器
70 圧力センサ
80 内殻タンク
90 シート状部材
100 紐状部材
110 外殻タンク
120 漏洩検知用間隙
130 漏洩検知チューブ
132 一端
134 他端
140 中空部
150 細線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内殻タンクと、
該内殻タンクの外側を覆う間隙形成用のシート状部材と、
前記シート状部材の外側を被覆するように形成された強化プラスチック層からなる外殻タンクとを有する二重殻タンクにおいて、
前記内殻タンクの外側と前記シート部材との間に複数の紐状部材を所定間隔毎に介在させるように設け、
前記シート状部材を前記内殻タンク外側及び前記紐状部材の外側に取付けることにより前記内殻タンク外側と前記シート状部材との間に前記紐状部材の厚さに応じた漏洩検知用間隙を形成することを特徴とする二重殻タンク。
【請求項2】
前記紐状部材は、表面に多数の凹凸を有することを特徴とする請求項1に記載の二重殻タンク。
【請求項3】
前記紐状部材は、幅広のベルト状に形成され、幅広部分の裏面を前記内殻タンクの外側に当接し、前記幅広部分のおもて面に前記シート部材が当接されることを特徴とする請求項1または2に記載の二重殻タンク。
【請求項4】
前記漏洩検知用間隙に圧力検知用チューブを挿通し、前記圧力検知用チューブの一端が前記内殻タンクの底部と前記外殻タンクの底部との間に位置するように配され、前記圧力検知用チューブの他端が前記漏洩検知用間隙の外部に引き出されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の二重殻タンク。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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