説明

亜鉛フェライト触媒、その製造方法、およびそれを使用する1,3−ブタジエンの製造方法

【課題】亜鉛フェライト触媒、その製造方法、およびそれを使用する1,3−ブタジエンの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、亜鉛フェライト触媒、その製造方法、およびそれを使用する1,3−ブタジエンの製造方法に関する。とりわけ、本発明は、共沈法を使用して、pH調節された溶液中で製造される亜鉛フェライト触媒、その製造方法、並びに、n−ブテンおよびn−ブタンを含むC4混合物を使用し、そして酸化的脱水素化反応通して1,3−ブタジエンが直接製造され得る1,3−ブタジエンの製造方法に関する。本発明は、不純物を含むC4留分から、反応物として、n−ブテンを分離するためのさらなる工程を行うことなくC4留分をそのまま使用して、1,3−ブタジエンを高い収率で得ることができるという利点がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、亜鉛フェライト触媒、その製造方法、およびそれを使用する1,3−ブタジエンの製造方法に関する。具体的には、本発明は、共沈法を使用して、pH調節された溶液中で製造され、そして、さらなるn−ブタン分離工程またはn−ブテン抽出工程を行う必要なく、反応物として、n−ブタン、n−ブテンなどのような不純物を含む安価なC4混合物を使用して、高い付加価値の1,3−ブタジエンを製造し得る亜鉛フェライト触媒、その製造方法、およびそれを使用する1,3−ブタジエンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石油化学市場において需要が増大している1,3−ブタジエンは、ナフサ分解工程、n−ブテンの直接脱水素反応、またはn−ブテンの酸化的脱水素反応によって生産され、そしてその後、石油化学市場に供給されている。これらの中でも、ナフサ分解工程は、ブタジエン供給の90%以上を占めているが、ブタジエンに対する増大する需要を満たすためには新しいエチレンセンター(NCC)を設置しなければならず、そして、ナフサ分解工程がブタジエンのみを生産するための工程ではないため、ブタジエン以外に別の基礎留分が過剰に生産されることが問題である。また、n−ブテンの直接脱水素反応は、熱力学的に不利であり、そして吸熱反応のために高温条件および低圧条件が必要とされるから、収率が非常に低くて商業的方法としては適しないことが問題である。[L.M. Madeira, M.F. Portela, Catal. Rev., volume 44, page247(2002)] 。
【0003】
n−ブテンの酸化的脱水素反応は、n−ブテンを酸素と反応させることにより1,3−ブタジエンと水を生成する反応であって、生成物として安定な水が生成されるので、前記反応は熱力学的に有利であるうえ、反応温度を低下させることができる。したがって、n−ブテンの酸化的脱水素反応によって1,3−ブタジエンを生産する工程は、単独工程であって、ブタジエンのみを生産するための有効な代替工程であり得る。特に、n−ブタンなどの不純物を含むC4−ラフィネート−3混合物またはC4混合物がn−ブテンの供給源として使用される場合には、過剰のC4留分が高い付加価値の生成物になり得るという利点がある。具体的には、本発明において使用される反応物であるC4−ラフィネート−3混合物は、ナフサ分解により生産されたC4混合物から有用な化合物を分離することにより得られる安価なC4留分である。より具体的には、C4−ラフィネート−1混合物は、ナフサ分解により生産されたC4混合物から1,3−ブタジエンを分離することにより得られる混合物であり、C4−ラフィネート−2混合物は、C4−ラフィネート−1混合物からイソブチレンを分離することにより得られる混合物であり、そしてC4−ラフィネート−3混合物は、C4−ラフィネート−2から1−ブテンを分離することにより得られる混合物である。したがって、C4−ラフィネート−3混合物またはC4混合物は、大部分が2−ブテン(トランス−2−ブテンおよびシス−2−ブテン)、n−ブタンおよび1−ブテンからなる。
【0004】
上述の如く、n−ブテン(1−ブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン)の酸化的脱水素反応は、n−ブテンを酸素と反応させることにより1,3−ブタジエンと水を生成する反応である。しかしながら、前記酸化的脱水素反応においては、反応物として酸素が使用されるため、完全酸化反応などの多くの副反応が予想される。この理由のために、前記副反応を最高度に抑制することができ、且つ1,3−ブタジエンに対する高い選択度を有する触媒を開発することが非常に重要である。n−ブテンの酸化的脱水素反応のために使用される現況の触媒の例は、フェライトベースの触媒[M.A. Gibson, J.W. Hightower, J.Catal., volumne 41, page420(1976)/W.R. Cares, J.W. Hightower, J.Catal.,
volume 23, page 193(1971)/R.J. Rennard, W.L. Kehl, J. Catal., volume 21, page 282(1971)]、錫ベースの触媒[Y.M. Bakshi, R.M. Gur'yanova, A.N. Mal'yan, A.I. Gel'bshtein, Petroleum Chemistry U.S.S.R., volume 7, page 177(1967)]、モリブデン酸ビスマスベースの触媒[A.C.A.M. Bleijenberg, B.C. Lippens, G.C.A. Schuit, J. Catal., volume 4, page 581(1965)/Ph.A. Batist, B.C. Lippens, G.C.A. Schuit, J.Catal., volume 5, page 55(1966)/W.J. Linn, A.W. Sleight, J.Catal., volume 41, page 134(1976)/R.K.Grasselli, Handbook of Heterogeneous Catalysis, volume 5, page 2302(1997)]などである。
【0005】
これらの中でも、前記フェライトベースの触媒は、AFe(A=Zn、Mg、Mn、Co、Cuなど)のスピネル構造を有する。このようなスピネル構造を有するフェライトは、鉄イオンの酸化と還元および結晶内の酸素イオンとガス状酸素との相互作用による酸化的脱水素反応のための触媒として使用し得ることが知られている[M.A. Gibson, J.W. Hightower, J. Catal., volume 41, page 420(1976)/R.J. Rennard, W.L. Kehl, J. Catal., volume 21, page 282(1971)] 。フェライトベースの触媒の触媒活性は、スピネル構造の2価陽イオン部位を構成する金属の種類によって互いに異なる。その中でも、亜鉛フェライト、マグネシウムフェライトおよびマンガンフェライトはn−ブテンの酸化的脱水素反応において良好な活性を示すことが知られており、そして、特に亜鉛フェライトは、他の金属フェライトより1,3−ブタジエンに対するより高い選択度を有することが報告されている[F.-Y. Qiu, L.-T. Weng, E.Sham, P.Ruiz, B.Delmon, Appl. Catal., volume 51, page 235(1989)]。
【0006】
幾つかの特許文献には、亜鉛フェライトベースの触媒がn−ブテンの酸化的脱水素反応において使用されたことが報告された。具体的には、共沈法によって作られた純粋な亜鉛フェライトを使用するn−ブテンの酸化的脱水素反応によって1,3−ブタジエンが生産されるという事実に関連して、純粋なスピネル構造を有する亜鉛フェライト触媒を使用して375℃で2−ブテンの酸化的脱水素反応を行い、それにより、41%の収率を得たことが報告された[R.J. Rennard, W.L. Kehl, J.Catal., volume 21, page 282(1971)]。また、1−ブテンを反応物として使用し、そして亜鉛フェライト触媒を使用した酸化的脱水素反応により、420℃で21%の収率で1,3−ブタジエンが得られたことが報告された[J.A. Toledo, P.Bosch, M.A. Valenzuela, A.Monotoya, N.Nava, J.Mol. Catal.A, volume 125, page53(1997)] 。
【0007】
また、酸化的脱水素反応における亜鉛フェライト触媒の活性を増大させるために、前処理および後処理によってさらに高い収率で1,3−ブタジエンが生産され得るところの亜鉛フェライト触媒の製造方法が、幾つかの特許文献に開示された[F.-Y. Qiu, L.-T. Weng, E. Sham, P.Ruiz, B.Delmon, Appl. Catal., volume 51, page 235(1989)/L.J. Crose,
L.Bajars, M.Gabliks, 米国特許第3,743,683号明細書(1973)/J.R. Baker,米国特許第3,951,869号明細書(1976)] 。
【0008】
上記の亜鉛フェライト触媒の製造方法以外にも、n−ブテンの酸化的脱水素反応における活性を増大させるために、亜鉛フェライト触媒が他の金属酸化物と物理的に混合されている触媒を使用して、n−ブテンの酸化的脱水素反応が行われた[W.-Q. Xu, Y.-G. Yin, G.-Y. Li, S.Chen, Appl. Catal. A, volume 89, page 131(1992)]。
【0009】
また、上記特許文献に報告された亜鉛フェライト触媒は、単一相の亜鉛フェライトであるか、あるいは中心的成分として単一相の亜鉛フェライトを含む触媒系であり、そして、n−ブテンの酸化的脱水素反応において作用する中心的成分である亜鉛フェライトは、共沈法によって主に製造される。共沈法を使用する亜鉛フェライトの製造方法の典型的な例として、過量の還元剤水溶液に亜鉛前駆体水溶液および鉄前駆体水溶液を添加する方法が
ある[L.J. Crose, L.Bajars, M.Gabliks, 米国特許第3,743,683号明細書(1973)/J.R.Baker, 米国特許第3,951,869号明細書(1976)] 。
【0010】
上記特許文献に明示された、前処理および後処理または混合により亜鉛フェライト触媒の活性を増大させる方法以外にも、触媒自体の活性を増大させるための試みとして、亜鉛フェライトの成分である亜鉛または鉄を他の金属で置換する方法が特許文献に報告された。スピネル構造を有するフェライトの3価鉄イオン部位が、鉄の代わりに他の金属で置換された触媒において、該触媒の活性は前記他の金属の存在によって変化することが、前記方法において開示された。特に、クロムまたはアルミニウムで置換された触媒が使用される場合には、触媒の活性が増大したことが文献に報告された[J.A. Toledo, P.Bosch, M.A. Valenzuela, A.Montoya, N.Nava, J.Mol.Catal. A, volume 125, page 53(1997)] 。
【0011】
n−ブテンの酸化的脱水素反応を行う際に、他の金属で置換された亜鉛フェライト触媒または混合相触媒が使用される場合には、1,3−ブタジエンの生産において、既存の亜鉛フェライト触媒が使用される場合に比較して高い活性を得ることができるが、上記触媒を合成することが難しく、且つ上記触媒の再生産も難しく、したがって、上記触媒の商業化は困難である。また、本発明において使用される反応物であるC4混合物は、n−ブテン以外に様々な成分を含むので、副反応によって、触媒活性と1,3−ブタジエンの選択度が大きく変化し得るという問題がある。
【0012】
n−ブテンの酸化的脱水素反応は、反応物が所定量以上のn−ブタンを含む場合には、1,3−ブタジエンの収率が低くなるという別の問題を有する[L.M. Welch, L.J. Croce,
H.F. Christmann, Hydrocarbon Processing, page 131(1978)] 。したがって、上記従来の技術においては、反応物として純粋なn−ブテン(1−ブテンまたは2−ブテン)のみを使用して酸化的脱水素反応が行われ、それにより、このような問題が解決される。実際、フェライト触媒を使用する商業工程においてさえも、n−ブタンを含まない反応物が使用される。上記特許文献に開示された如く、酸化的脱水素反応によってn−ブテンから1,3−ブタジエンを製造するための触媒および工程においては、反応物として純粋なn−ブテンが使用されるので、純粋なn−ブテンをC4混合物から分離するさらなる工程が必要であり、これにより、経済効率が必然的に低下する。
【0013】
上述の如く、n−ブテンの酸化的脱水素反応によって1,3−ブタジエンを製造する既存の触媒および工程において、1,3−ブタジエンは、純粋なn−ブテンを反応物として使用して、混合相、置換または変性された亜鉛フェライト触媒によって製造される。しかしながら、さらなる前処理または後処理および金属置換法を行うことなく、純粋な単一相の亜鉛フェライト触媒において、高濃度のn−ブタン以外に様々な成分を含むC4−ラフィネート−3またはC4混合物を使用して1,3−ブタジエンが製造された例は、未だ報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】L.J. Crose, L.Bajars, M.Gabliks,米国特許第3,743,683号明細書(1973)
【特許文献2】J.R. Baker, 米国特許第3,951,869号明細書(1976)
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】L.M. Madeira, M.F. Portela, Catal. Rev., volume 44, page247(2002)
【非特許文献2】M.A. Gibson, J.W. Hightower, J.Catal., volumne 41, page420(1976)
【非特許文献3】W.R. Cares, J.W. Hightower, J.Catal., volume 23, page 193(1971)
【非特許文献4】R.J. Rennard, W.L. Kehl, J. Catal., volume 21, page 282(1971)
【非特許文献5】Y.M. Bakshi, R.M. Gur'yanova, A.N. Mal'yan, A.I. Gel'bshtein, Petroleum Chemistry U.S.S.R., volume 7, page 177(1967)
【非特許文献6】A.C.A.M. Bleijenberg, B.C. Lippens, G.C.A. Schuit, J. Catal., volume 4, page 581(1965)
【非特許文献7】Ph.A. Batist, B.C. Lippens, G.C.A. Schuit, J.Catal., volume 5, page 55(1966)
【非特許文献8】W.J. Linn, A.W. Sleight, J.Catal., volume 41, page 134(1976)
【非特許文献9】R.K.Grasselli, Handbook of Heterogeneous Catalysis, volume 5, page 2302(1997)
【非特許文献10】F.-Y. Qiu, L.-T. Weng, E.Sham, P.Ruiz, B.Delmon, Appl. Catal., volume 51, page 235(1989)
【非特許文献11】J.A. Toledo, P.Bosch, M.A. Valenzuela, A.Monotoya, N.Nava, J.Mol. Catal.A, volume 125, page53(1997)
【非特許文献12】W.-Q. Xu, Y.-G. Yin, G.-Y. Li, S.Chen, Appl. Catal. A, volume 89, page 131(1992)
【非特許文献13】L.M. Welch, L.J. Croce, H.F. Christmann, Hydrocarbon Processing, page 131(1978)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、上記問題を克服するために、本発明者らは、共沈法を使用して、pH調節された溶液中で製造された純粋な単一相の亜鉛フェライト触媒が使用される場合には、さらなるn−ブテン分離工程を行うことなく、n−ブタンおよびn−ブテンを含む安価なC4混合物を反応物として使用して、酸化的脱水素反応によって、亜鉛フェライト触媒において1,3−ブタジエンが製造され得ることを見出した。この知見に基づいて、本発明が完成された。
したがって、本発明は、従来技術において起こる上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、単純な構造を有し、且つ容易に合成および再生することができるところの、1,3−ブタジエン製造用の亜鉛フェライト触媒を製造する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、さらなるn−ブタン分離工程を行うことなく、C4混合物を反応物として直接使用して、前記製造方法によって製造された亜鉛フェライト触媒において、酸化的脱水素反応を行うことにより、1,3−ブタジエンを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明の観点は、(A)亜鉛前駆体および鉄前駆体を蒸留水に溶解して前駆体水溶液を形成すること、(B)前記前駆体水溶液を塩基性溶液と混合して混合溶液を形成し、そして同時に、該混合溶液のpHを6〜10の範囲に調節すること、(C)前記pH調節された混合溶液を濾過して固体触媒を得ること、(D)前記固体触媒を70〜200℃で乾燥させること、および(E)前記乾燥した固体触媒を350〜800℃で熱処理することを含む、1,3−ブタジエン製造用亜鉛フェライト触媒の製造方法を提供する。
本発明の他の観点は、(A)反応物として、C4混合物、空気およびスチームの混合気体を提供すること、(B)前記反応物を、上記方法を使用して製造された触媒が担持された触媒層に連続的に通過させて、酸化的脱水素反応を行うこと、および(C)前記触媒層
から1,3−ブタジエンを得ることを含む、1,3−ブタジエンの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、単純な構造および合成法ならびに高い再生性を有する亜鉛フェライト触媒を得ることができる。前記亜鉛フェライト触媒が使用される場合には、高濃度のn−ブタンを含むC4混合物を反応物として直接使用して、さらなるn−ブタン分離工程を行うことなく、酸化的脱水素反応により、1,3−ブタジエンを製造することができ、そして高い活性を有する1,3−ブタジエンを高い収率で得ることもできる。
また本発明によれば、殆ど役に立たないC4混合物またはC4−ラフィネート−3から、石油化学産業において非常に有用な1,3−ブタジエンを製造することができるため、C4留分は高い付加価値を有し得る。さらに、エチレンセンター(NCC)を新規に設置することなく、1,3−ブタジエンのみを製造する工程を確保することができるので、1,3−ブタジエンの需要を満たすことができ、それにより、既存の工程に比べて経済効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は本発明の製造例に係る3種の亜鉛フェライト触媒のX線回折分析の結果を示すグラフである。
【図2】図2は本発明の製造例に係る1種の亜鉛フェライト触媒のX線回折分析の結果を示すグラフである。
【図3】図3は本発明の製造例に係る3種の亜鉛フェライトのX線回折分析の結果を示すグラフである。
【図4】図4は本発明の実験例に係る10種の亜鉛フェライト触媒の共沈時のpHによる活性の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明について詳細に説明する。
上述の如く、本発明は、共沈法を使用して、pH調節された溶液中で、単一相の亜鉛フェライト触媒を製造する方法、および、製造された単一相の亜鉛フェライト触媒を使用して、n−ブテンの酸化的脱水素反応により、1,3−ブタジエンを製造する方法を提供する。1,3−ブタジエンを製造する方法において、1,3−ブタジエンは、さらなるn−ブタン分離工程を行うことなく、C4混合物を反応物として使用して、製造することができる。
【0021】
単一相の亜鉛フェライト触媒は、n−ブテンの酸化的脱水素反応において、高い収率で1,3−ブタジエンを得るために、本発明の1,3−ブタジエン製造用触媒として使用される。単一相の亜鉛フェライト触媒の特性は、触媒の製造条件によって変わり、それにより、触媒活性も変わる。本発明においては、正確なpH調節によって、n−ブテンの酸化的脱水素反応において高い活性を示す亜鉛フェライト触媒を製造した。
前記亜鉛フェライト触媒の製造のための亜鉛前駆体および鉄前駆体としては、通常使用される前駆体を使用し得る。前記前駆体の例は、塩化物前駆体および硝酸塩前駆体を含み得る。
【0022】
前記亜鉛前駆体および鉄前駆体の量は、鉄/亜鉛原子数比が1.5〜2.5であるように調節される。続いて、亜鉛前駆体および鉄前駆体をそれぞれ蒸留水に溶解し、その後、互いに混合して、前駆体水溶液を形成する。この際、前記鉄/亜鉛原子数比が1.5〜2.5の範囲から外れる場合には、亜鉛が鉄格子内に容易に侵入することができないか、あるいは、触媒活性が低くなる。一方、亜鉛フェライトを共沈させるために、1.5〜4.0Mのモル濃度の塩基性溶液、例えば3Mのモル濃度の水酸化ナトリウム水溶液をさらに製造する。前記塩基性溶液の濃度が1.5Mのモル濃度未満である場合には、フェライト
構造を形成することが難く、前記塩基性溶液の濃度が4.0Mのモル濃度を超える場合には、洗浄の際に、水酸基と結合した金属イオン、例えば水酸化ナトリウムの場合にはナトリウム(Na)イオンの除去が難しく、これにより、触媒活性が低下する。水酸化ナトリウム以外の他の塩基を使用して前記塩基性溶液を製造することも可能であるが、触媒活性を増大させ、そして、高い結晶性を有するフェライト構造および純粋なフェライト相を得るために、水酸化ナトリウムを使用して、前記塩基性溶液を製造することが好ましい。
【0023】
亜鉛前駆体および鉄前駆体から亜鉛フェライトを得るために、前駆体水溶液は、シリンジを使用して、蒸留水媒に注入される。この際、塩基性溶液が、前駆体水溶液と一緒に注入される場合には、共沈溶液が形成され、そして該共沈溶液のpHは、6〜10の範囲内に調節され且つ維持され得る。前記共沈溶液は、2〜12時間、好ましくは6〜12時間十分に撹拌される。
撹拌された共沈溶液は、固体触媒が沈殿するように十分に相分離され、その後、感圧フィルターを使用して、沈殿した固体触媒を得る。
得られた固体触媒は、70〜200℃、好ましくは120〜180℃で乾燥される。続

いて、乾燥した固体触媒を電気炉に入れ、その後、350〜800℃、好ましくは500〜700℃で熱処理して、純粋な単一相の亜鉛フェライト触媒を製造する。
【0024】
本発明によれば、亜鉛フェライト触媒は、触媒格子内の鉄イオンに吸着されたガス状酸素およびn−ブテンと反応しながら、n−ブテンから水素原子を分離し、そして、触媒格子内の酸素イオンと鉄イオンとの間の相互作用により水素原子をさらに分離し、それにより、ブタジエンと水を生成する。即ち、n−ブテンの酸化的脱水素反応が、このような機構により行われる。したがって、触媒格子内の鉄イオンおよび酸素の性質は、n−ブテンの酸化的脱水素反応における活性に影響を及ぼす。また、異なる条件下で形成された亜鉛フェライト触媒の相特性が互いに異なるので、本発明に係る共沈溶液のpHを調節することにより製造された触媒は、互いに異なる活性を示す。
【0025】
本発明の製造例1によれば、X線回折分析によって、互いに異なるpHにおいて共沈された触媒の相特性を比較した結果、共沈溶液のpHによって触媒格子の特性が変化することが見出された。具体的には、pH3〜5において共沈された触媒の場合には、亜鉛フェライトではなく、n−ブテンの酸化的脱水素反応における完全酸化が原因で1,3−ブタジエンに対する低い選択度を有することが知られているα−酸化鉄(III)(α−Fe)(III)が主に形成され、それにより、前記触媒は、本発明のための触媒としては不適当であることが見出された。これに対して、pH6において共沈された触媒の場合には、亜鉛フェライトが主に形成され、そしてpH7〜12において共沈された触媒の場合には、単一相の亜鉛フェライトが形成されることが見出された(図1〜図3を参照)。
【0026】
したがって、好ましくは、本発明の1,3−ブタジエン製造用触媒は、共沈溶液のpHを6〜10の範囲内に調節することにより共沈された単一相の亜鉛フェライト触媒であるが、より好ましくは、触媒の活性を考慮して、共沈溶液のpHを8〜9の範囲内に調節することにより製造される。
また、本発明は、n−ブテンを供給するためにさらなるn−ブタン分離工程を行うことなく、酸化的脱水素反応によって、固定されたpHにおいて形成された亜鉛フェライト触媒において、C4混合物またはC4−ラフィネート−3を使用して、1,3−ブタジエンを製造する方法を提供する。
本発明の実験例によれば、線形パイレックス(登録商標)反応器内に触媒粉末を担持し、そして前記反応器を電気炉内に入れ、それにより、触媒層の反応温度を一定に維持し、その後、反応物を、前記線形パイレックス(登録商標)反応器内の触媒層に連続的に通過
させることにより、触媒反応が行われる。
【0027】
酸化的脱水素反応を行うための反応温度は300〜600℃、好ましくは350〜500℃、より好ましくは420℃である。反応物のガス空間速度(GHSV:Gas Hourly Space Velocity )が、n−ブテンを基準として、50〜5000h-1、好ましくは100〜1000h-1、より好ましくは300〜600h-1となるように触媒量を設定した。反応物はC4混合物、空気およびスチームからなる混合ガスであり、そして反応物におけるn−ブテン:空気:スチームの混合体積比率は1:0.5〜10:1〜50、好ましくは1:3〜4:10〜30である。前記混合体積比率が前記範囲を逸脱する場合には、所望のブタジエン収率を得ることができず、そして、望ましくない急激な発熱反応が原因で、安全性の問題が発生し得る。
【0028】
本発明において、酸化的脱水素反応のための反応物であるn−ブテンと酸素は、混合ガスの形態で供給される。n−ブテンの供給源であるC4混合物またはC4−ラフィネート−3混合物、および、もう一方の反応物である空気は、マスフローコントローラを使用して正確に調節された量にて供給される。酸化的脱水素反応により生じる反応熱を除去するのに有効であり且つ1,3−ブタジエンに対する選択度を向上させることが知られているスチームは、シリンジポンプを使用して液相の水を注入すると同時に気化させることにより、反応容器に供給される。即ち、反応容器の水入口の温度を150〜300℃、好ましくは180〜250℃に維持し、それにより、シリンジポンプを使用して反応容器に注入された水が直ちに気化し、その結果、気化された水が他の反応物(C4混合物および空気)と混合され、且つ同時に反応容器内の触媒層を通過する。
【0029】
本発明における反応物の中でも、C4混合物はn−ブタン0.5〜50質量%、n−ブテン40〜99質量%、および前記n−ブタンとn−ブテン以外のC4混合物であるバランス0.5〜10質量%を含む。前記バランス成分の例は、イソブタン、シクロブタン、メチルシクロプロパン、イソブテンなどを含む。
本発明の亜鉛フェライト触媒が使用される場合には、1,3−ブタジエンは、n−ブテンを含む安価なC4混合物またはC4−ラフィネート−3を反応物として使用して酸化的脱水素反応を行うことにより、反応物に含まれたn−ブテンから高い収率で生産することができる。特に、n−ブテンの酸化的脱水素反応を抑制することが知られているn−ブタンを多量に含むC4混合物が反応物として直接使用される場合でさえも、高い活性および1,3−ブタジエンの高い選択度を得ることができる。
また、本発明は、既存の触媒の置換または触媒の処理のような補助的技術ではなく直接触媒合成技術を使用して、本発明の亜鉛フェライト触媒が製造され、それ故、前記亜鉛フェライト触媒の組成およびその合成法が簡単であり、その結果、前記亜鉛フェライト触媒が容易に合成され、そして不純物を含むC4混合物またはC4−ラフィネート−3混合物から高い収率で1,3−ブタジエンを生産することができるという利点がある。
【実施例】
【0030】
以下、下記の実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
製造例1
亜鉛フェライト触媒の製造のための前駆体および溶媒の決定
亜鉛前駆体として塩化亜鉛(ZnCl)を使用し、そして鉄前駆体として塩化鉄6水和物(FeCl・6HO)を使用した。蒸留水に容易に溶解される物質である前記亜鉛前駆体および鉄前駆体を、それぞれ蒸留水に溶解し、その後、互いに混合して、前駆体水溶液を形成した。共沈のための媒体として予め決定された量の蒸留水を用意し、その後、該蒸留水に前記前駆体水溶液を添加し、そして同時に、pHを調節するために、予め決定された量の水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合溶液を形成した。この時、pHを正
確に調節するために、前記前駆体水溶液および水酸化ナトリウム水溶液を、前記蒸留水にゆっくり添加した。均一な組成を有する試料を得るために、磁気撹拌器を使用して、十分に撹拌した。
【0031】
亜鉛フェライト(ZnFe)触媒の製造
塩化亜鉛1.42gと塩化鉄6水和物5.61gを蒸留水(100mL)に溶かし、互いに混合し、その後、十分に撹拌して、前躯体水溶液を形成した。続いて、前駆体が蒸留水に完全に溶解したことを確認した後、前記前駆体水溶液を蒸留水(100mL)に滴下し、そして同時に、pHを調節しおよび前駆体を共沈させて混合溶液を形成するために、3Mのモル濃度の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、そして、共沈溶液のpHが3、4、5、6、7、8、9、10、11または12となるように、混合溶液を調節した。
前記混合溶液を、室温で12時間、磁気撹拌器を使用して十分に撹拌し、その後、相分離のために室温で12時間放置した。続いて、前記混合溶液を、感圧フィルターを使用して濾過して固体試料を得、そして得られた固体試料を、175℃で16時間乾燥させた。乾燥された固体試料を、空気雰囲気下に650℃の温度で、電気炉中で熱処理し、それにより、単一相のα−酸化鉄触媒(α−Fe)、単一相の亜鉛フェライト触媒および2つの混合相を有する触媒を製造した。製造された触媒の相をX線回折分析によって確認し、その結果を図1〜図3に示す。図1より、低いpH3〜5で共沈された触媒においては、亜鉛フェライトではなくα−酸化鉄(α−Fe)が形成されたことが判った。図2より、pH6で共沈された触媒においては、亜鉛フェライト相が主に形成され、α−酸化鉄(α−Fe)相も一部形成されたことが判った。図3より、pH7より高いpHで共沈された触媒の場合においては、単一の亜鉛フェライト相のみが主に形成されたことが判った。
【0032】
実施例1
亜鉛フェライト触媒におけるC4−ラフィネート−3混合物またはC4混合物の酸化的脱水素反応
製造例1において製造された亜鉛フェライト触媒を使用して、下記の実験条件下で、n−ブテンの酸化的脱水素反応を行った。
本発明において、n−ブテンの酸化的脱水素反応における反応物として、C4混合物を使用し、その組成を下記表1に示す。反応物であるC4混合物を、空気およびスチームと共に混合ガスの形態で、反応器内に導入し、そして反応器として、線形パイレックス(登録商標)固定床反応器を使用した。
反応物の組成比を、C4混合物中のn−ブテンの量を基準として設定し、そして、n−ブテン:空気:スチームの混合比が1:3.75:15であるように設定した。液相の水を気化することにより形成されたスチームを、C4混合物および空気のような他の反応物と混合し、その後、反応器に導入した。C4混合物および空気の量を、マスフローコントローラを使用することによって調節し、そしてスチームの量を、シリンジポンプを使用して液相の水の流速を制御することにより調節した。
反応物の流速として、C4混合物内のn−ブテンを基準として、ガス空間速度(GHSV)が475h-1となるように触媒量を設定することにより、n−ブテンの酸化的脱水素反応を行い、そして反応温度として、固定床反応器中の触媒層の温度を420℃に維持した。反応後に得られた生成物は、目的物たる1,3−ブタジエン以外に、完全酸化により得られる副産物である二酸化炭素、分解により得られる副産物、異性化により得られる副産物、および反応物内に含まれるn−ブタンを含んでいた。前記生成物を、ガスクロマトグラフィーを使用して分析した。n−ブテンの酸化的脱水素反応において、亜鉛フェライト触媒によるn−ブテンの転換率、1,3−ブタジエンに対する選択度および1,3−ブタジエンの収率は、それぞれ、下記の数式を使用して計算した。
【0033】
[数式1]
転換率(%)=(反応したn−ブテンのモル数/供給されたn−ブテンのモル数)×100
[数式2]
選択度(%)=(生成した1,3−ブタジエンのモル数/反応したn−ブテンのモル数)×100
[数式3]
収率(%)=(生成した1,3−ブタジエンのモル数/供給されたn−ブテンのモル数)×100

【表1】

【0034】
実験例1
α−酸化鉄(α−Fe)酸化物触媒の活性
製造例1において製造された触媒の中でも、pH3、4および5において共沈された触媒におけるX線回折分析の結果、亜鉛フェライトではなくα−酸化鉄が形成されたことが見出された(図1を参照)。前記α−酸化鉄相の3種の触媒を実施例1における場合のように、C4混合物の酸化的脱水素に適用し、その結果を表2に示す。多数の文献において報告されたように、α−酸化鉄は、本発明におけるn−ブテンの酸化的脱水素において低い活性を有し、そしてα−酸化鉄を使用して酸化的脱水素反応を行った結果、n−ブテンの転換率は17.0〜42.8%、1,3−ブタジエンに対する選択度は45〜77.0%、1,3−ブタジエンの収率は7.7〜32.9%であることが判り、それ故、酸化的脱水素反応におけるα−酸化鉄触媒の活性は非常に低いことが見出された。
【表2】

【0035】
実験例2
亜鉛フェライトおよびα−酸化鉄(α−Fe)混合相触媒の活性
製造例1における場合と同様の方法を使用して、pH6において共沈させた触媒の相をX線回折分析によって観察した結果、亜鉛フェライトとα−酸化鉄の混合相が形成された
ことが見出された(図2を参照)。実施例1における場合のように、pH6において共沈された触媒を使用して、C4混合物の酸化的脱水素を行い、その結果を表3に示す。
pH6において製造された混合相触媒を使用して行われた触媒活性試験において、n−ブテンの転換率が76.1%、1,3−ブタジエンに対する選択度が94.1%、そして1,3−ブタジエンの収率が71.8%であることが見出され、それ故、酸化的脱水素反応における亜鉛フェライトとα−酸化鉄の混合相触媒の活性は優れていることが判った。
【表3】

【0036】
実験例3
単一相の亜鉛フェライト触媒の活性
製造例1における場合と同様の方法を使用して、pH7〜12において共沈された触媒の相をX線回折分析によって観察した結果、単一相の亜鉛フェライトが形成されたことが見出された(図3を参照)。pH7〜12において共沈された6種の触媒を使用して、C4混合物の酸化的脱水素を行い、その結果を表4に示す。
pH7〜10において共沈された単一相の触媒は、78%以上のn−ブテン転換率、92%以上の1,3−ブタジエンに対する選択度、および72%以上の1,3−ブタジエンの収率を示すことが見出され、そしてpH11および12の強い塩基性雰囲気において共沈された単一相の触媒は、非常に低い活性を示すことが見出された。
【表4】

【0037】
実験例4
共沈時のpHに対する亜鉛フェライト触媒の活性の変化
製造例1および実験例1ないし3による触媒製造および触媒活性に対する試験の結果として、亜鉛フェライトの活性に対する共沈溶液のpHの効果を図4に示す。図4から、低いpHにおいては、α−酸化鉄の形成により亜鉛フェライトの活性が低かったが、pH6〜10においては、pHの増加による亜鉛フェライトの形成の増加により、亜鉛フェライトの活性が高いことが見出された。また、亜鉛フェライトの活性は、10より高いpHにおいて急激に減少することを観察された。この理由は、元素分析の結果として亜鉛フェライト触媒は、優れた活性を示す触媒に比べて10〜20倍を超えるナトリウム含量を有し、それ故、触媒格子内に存在するナトリウムが触媒活性に影響を及ぼすためであると決定された。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施態様を説明の目的で開示したけれども、当業者であれば、
添付した請求項に開示された本発明の範囲と精神から逸脱することなく、様々な変形、追加および置換が可能であることを理解するであろう。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)亜鉛前駆体および鉄前駆体を蒸留水に溶解して前駆体水溶液を形成すること、
(B)前記前駆体水溶液を1.5〜4.0Mのモル濃度の塩基性溶液と混合して混合溶液を形成し、そして同時に、該混合溶液のpHを6〜10の範囲に調節すること、
(C)前記pH調節された混合溶液を濾過して固体触媒を得ること、
(D)前記固体触媒を70〜200℃で乾燥させること、および
(E)前記乾燥した固体触媒を350〜800℃で熱処理すること
を含む、1,3−ブタジエン製造用亜鉛フェライト触媒の製造方法。
【請求項2】
前記(A)において、前記鉄前駆体と前記亜鉛前駆体との鉄/亜鉛原子数比が1.5〜2.5である、請求項1に記載の亜鉛フェライト触媒の製造方法。
【請求項3】
前記塩基性溶液が水酸化ナトリウム溶液である、請求項1に記載の亜鉛フェライト触媒の製造方法。
【請求項4】
(A)反応物として、C4混合物、空気およびスチームの混合気体を提供すること、
(B)前記反応物を、請求項1ないし3のいずれか一項記載の方法を使用して製造された触媒が担持された触媒層に連続的に通過させて、酸化的脱水素反応を行うこと、および
(C)前記触媒層から1,3−ブタジエンを得ること
を含む、1,3−ブタジエンの製造方法。
【請求項5】
前記C4混合物がn−ブタン0.5〜50質量%、n−ブテン40〜99質量%、およびその他の成分からなるバランス0.5〜10質量%を含む、請求項4に記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
【請求項6】
前記(A)において、前記反応物におけるn−ブテン:空気:スチームの混合比が1:0.5〜10:1〜50である、請求項4に記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
【請求項7】
前記(B)において、前記酸化的脱水素反応が300〜600℃の反応温度、およびn−ブテンを基準として50〜5000h-1の空間速度で行われる、請求項4に記載の1,3−ブタジエンの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−534553(P2010−534553A)
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507327(P2010−507327)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際出願番号】PCT/KR2008/002587
【国際公開番号】WO2008/140213
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(507268341)エスケー エナジー 株式会社 (57)
【氏名又は名称原語表記】SK ENERGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】99, Seorin−dong, Jongro−gu, Seoul, 110−110 Republic of Korea
【Fターム(参考)】