説明

亜鉛ランタノイドスルホン酸電解質

(a)低濃度の低原子価硫黄化合物または還元されやすい高原子価硫黄化合物を有する高純度スルホン酸と、(b)0価の酸化状態に還元可能な酸化された状態にある金属または金属類と、(c)金属状態に還元不可能な酸化された状態にある金属と、(d)随意に、緩衝剤および/または導電性塩とを含む、高エネルギーで高性能の電気的エネルギー貯蔵装置において使用する水溶液が開示された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2003年5月19日出願の米国仮特許出願第60/471,654号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、エネルギー貯蔵装置用の高純度金属スルホン酸の使用、高純度金属スルホン酸電解質の調製方法、前記金属スルホン酸溶液の効果的使用方法およびかかる方法や溶液を用いることにより作られる製品に関する。特に、本発明は、亜鉛など2B族金属のめっき方法にとって高い陰極効率を有するスルホン酸溶液、ランタノイド系列イオンに高溶解性をもたらすスルホン酸溶液、および電気分解中に望ましくない臭気を生じ得る、低濃度の低原子価硫黄化合物または還元可能な高原子価硫黄化合物を有するスルホン酸溶液、を提供する。
【背景技術】
【0003】
電気化学的方法は、多くの、大規模で据置のエネルギー貯蔵装置の用途において使用されている。エネルギー貯蔵装置の定格は、総体的な電源供給および放電時間に依存する。電源供給は、金属−空気型電池における1キロワット(1kW)から揚水式電池における1ギガワット(1GW)以上まで変化することができる。放電時間もわずか数秒から数時間以上と変化する。
【0004】
エネルギー貯蔵装置の信頼性または電力特性のさらなる改良には、実際上、無停電電源装置(UPS)が欠かせないであろう。かかる電気貯蔵方法は、コンデンサや超電導磁気エネルギー貯蔵(SMES)装置の使用を含む。停電時に、これらの装置が途切れなき電力供給源を確保するためごく短時間に使用される。
【0005】
貯蔵装置はまた、電源が、ある主電源(例えば電力供給網)から別の主電源へ切り替えられる場合に、数秒から数分の間に使用されることもある。
【0006】
電気的エネルギー貯蔵装置は、利用可能な電源が限られている場合に、大口ユーザーにコスト削減をもたらすため使用されることもある。かかる電力装置は、エネルギー需要がピークに達している間に数分から数時間充分な電力量を提供し、またはオフピーク時において使用するための電力貯蔵装置を提供する。
【0007】
エネルギー貯蔵方法の能力およびそれに伴う電力出力は、装置の工学的設計、かかる装置で使用される電解質の組成および必要とされる電力定格のタイプに依存する。それぞれに得失を有する商用のエネルギー貯蔵方法はいろいろある。これらは、ポリスルフィド−ブロミド電池(PSB)、バナジウムレドックス電池(VRB)、亜鉛臭素電池(ZnBr)、ナトリウム硫黄電池(NaS)、リチウムイオン電池、圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)、大規模な鉛酸蓄電池(LSLA)、揚水式発電(pumped hydro)、電解コンデンサおよびフライホイール技術を含む。
【0008】
PSB、VRBおよびZnBrの、3つのフロー型の電池がある。PSB電池は、2種のナトリウム電解質、臭化ナトリウムおよび硫化ナトリウムを使用する。この単電池の酸化還元電位は約1.5Vであり、効率は約75%である。VRBは、それぞれにバナジウムを含む2つの単電池を使用する。一方の単電池ではV+2/V+3が使用され、他方ではV+4/V+5が使用される。酸化還元電位は約1.4〜1.6Vであり、効率はPSB電池よりわずかに高く約85%である。ZnBrの酸化還元電位は約1.8Vではあるが、効率はわずか約75%にとどまる。すべてこれらフロー型電池は比較的高い電力定格を有し、補給用電力が長期間にわたり必要とされるエネルギー管理型の用途として使用される。すべてこれらフロー型電池は低エネルギー密度を欠点として有する。
【0009】
NaS電池は、約88%の効率で約2ボルトの酸化還元電位を生ずるために溶融硫黄および溶融ナトリウムを使用する。このタイプの電池の主な欠点は、金属を溶解状態に維持するのに高温300℃が必要であること、これら材料を用いる場合の安全性の懸念および高い製造コストである。
リチウムイオン電池は、100%近い効率、高エネルギー密度および長いライフサイクルを有する。小規模な用途にとっては有用であるが、大規模な使用に関しては、約600ドル/kWhという本質的に高いコストが主な欠点である。
【0010】
CAESのプラントは、長い発電期間にわたりギガワット範囲での電力の発生が可能である。しかし、CAESのプラントは約1千万ドルという大変な費用がかかり、このようなプラントを建てるのに数年かかる。CAESのプラントは、特定の地域に作られるものであり、燃料のような天然ガスが必要である。
【0011】
近年、新たなレドックスエネルギー貯蔵装置がElectrochemical Design Associates、the Plurion Redox Batteryにより紹介された。この電池は、メタンスルホン酸(MSA)中において亜鉛およびセリウムの混合塩を使用する。この単電池の酸化還元電位は2ボルトを超過する。亜鉛およびセリウムの塩に基づくこのエネルギー貯蔵装置は、the Electrical Energy Storage Application and Technology meeting,2002 EESAT meeting(http://www.sandia.gov/EESAT/)にて、B.J.Dougherty氏および共同研究者によって明らかにされた。同論文にはセリウムイオン(例えば、Ce+3またはCe+4)の組成については言及されていない。
【0012】
MSAはさまざまな電気化学的方法に使用されており、最も顕著なのが電着(例えば、めっき)の用途においてである。他の有機酸および無機酸に勝る利点をもたらす一方で、MSA(および他のスルホン酸)ならびに金属−スルホネート電解質の純度および組成は、良質の金属被覆と高い電解効率を有する方法を確実に得るため、独特の平衡を保たせなければならない。
【0013】
電気化学的な用途においてのスルホン酸(特にMSA)の使用は新しくはない。Proell,W.A.氏は米国特許第2,525,942号において、非常に多くの種類の電気めっきにおけるアルカンスルホン酸電解質の使用が記載されている。大部分おいて、Proell氏の組成は純度不特定の混合アルカンスルホン酸を使用した。米国特許第2,525,942号において、Proell氏は、特に鉛、ニッケル、カドミウム、銀および亜鉛について記載している。他の米国特許第2,525,943号において、Proell氏は、特に銅の電気めっきにおけるアルカンスルホン酸系電解質の使用を記載し、めっき組成物の厳密な組成および純度に関しては明らかにしなかった。別の刊行物(Proell,W.A.;Faust,C.L.;Agruss,B.;Combs,E.L.著、“The Monthly Review of the American Electroplaters Society”1947,34,541−9)において、Proell氏は混合アルカンスルホン酸系電解質からなる、銅めっき用の好ましい組成物を記載している。
【0014】
Martyak氏および共同研究者は、EP 0786539 A2において、MSA系電解質からの亜鉛析出を検討している。酸性電解質は、約5g/L〜約175g/Lの亜鉛−スルホン酸塩を含んでいた。同出願にてpHについては、亜鉛スルホネート溶液はpHが約2.0またはそれより大きく、好ましくはpH3〜5の範囲内で一番作用する、と主張した。亜鉛析出の効率は、高い電流密度ですらほぼ100%である。溶液への添加剤は、亜鉛析出の質に影響を及ぼした。亜鉛表面での粗さを最小限にするため、アルキレンオキシド系のブロックコポリマーおよびランダムコポリマーなどの有機添加剤を使用することが必要であった。
【0015】
スルホン酸中においてのセリウムの使用は、Kreh氏および共同研究者による、米国特許第4,701,245 A1号、米国特許第4,670,108 A1号、米国特許第4,647,349 A1号および米国特許第4,639,298 A1号における発明の範囲であった。これらの特許における有機化合物の酸化は、メタンスルホン酸セリウム(IV)やトリフルオロメタンスルホン酸セリウム(IV)などのセリウム(IV)化合物の使用によって行われた。すべての場合に、酸化は、最も高い酸化状態であるセリウムイオンCe+4を使用することのみにより達成された。セリウム(III)(Ce+3)/セリウム(IV)(Ce+4)のMSA中の濃度は、安定した酸化環境を維持するのに重要である。米国特許第4,639,298号に記載されたセリウム濃度は、少なくとも0.2Mであるが、Ce+3とCe+4との間で差異は生じない。Ce+4イオンだけが酸化剤であり、酸化反応を行うためMSA溶液中に必要である。遊離MSAの濃度はまた、セリウム化合物を溶解することを促進するのに重要であり、好ましい遊離MSAの濃度は1.5M〜約9.0Mである。
【0016】
このように、スルホン酸電解質中の亜鉛およびセリウムの塩に基づく新たなエネルギー貯蔵装置は、多くの難題に至る。亜鉛イオンから亜鉛金属へのカソード反応は、セリウム(III)イオンからセリウム(IV)イオンへの酸化により平衡を保たせなければならない:
【化1】

【0017】
カソードで還元された亜鉛イオンの各1モルに対し、2モルのセリウム(IV)イオンがアノードで生じる。この方法においては、酸化還元装置に導電率を与え、必要とされる電圧を低くするために付加的な遊離酸が必要である。しかし、EP 0786539 A2で検討されているように、亜鉛析出のpHは、2.0より大きく、好ましくはpH3〜5であるべきである。市場で受け入れられる析出率および均質な亜鉛めっきに達するためには亜鉛イオン濃度も高くあるべきである。米国特許第4,639,298 A1号においてKreh氏および共同研究者は、1.5Mより大きい、好ましくは3.0Mより大きい高濃度の遊離スルホン酸の使用を検討している。セリウムの可溶性に必要なこの高濃度の遊離スルホン酸は、低いpH(<1.0)をもたらし、よって亜鉛析出工程に影響を及ぼす。高濃度の遊離スルホン酸は、Ce+3/Ce+4の溶解度比にも影響を及ぼす。
【特許文献1】米国特許第2,525,942号明細書
【特許文献2】米国特許第2,525,943号明細書
【特許文献3】EP 0786539 A2明細書
【特許文献4】米国特許第4,701,245 A1号明細書
【特許文献5】米国特許第4,670,108 A1号明細書
【特許文献6】米国特許第4,647,349 A1号明細書
【特許文献7】米国特許第4,639,298 A1号明細書
【非特許文献1】Proell,W.A.、Faust,C.L.、Agruss,B.、Combs,E.L.著、“The Monthly Review of the American Electroplaters Society”、1947,34,541−9
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、亜鉛イオンから亜鉛金属への高い析出効率を生ずるスルホン酸中の亜鉛とランタノイド系列の塩とに基づく組成物、ならびにレドックス電池へ充分な導電率を与えなおかつレドックス対を完結する溶液中においてランタノイド系列イオンの高溶解度を維持する遊離スルホン酸、を含む新たな電気化学的なエネルギー貯蔵装置を提供することが望ましいであろう。
【0019】
臭気を生じ得る不純物を含有するスルホン酸の使用時によく生じる臭気などの悪影響なしに、亜鉛などの金属の強い還元能力を用いて効果的に使用することができる、新たなスルホン酸組成物を提供することが特に望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0020】
好ましくは、亜鉛などの2B族金属塩とセリウムなどのランタノイド系列金属塩とを高純度スルホン酸中で用いる時に、新たな高エネルギー、高性能な電力貯蔵装置が可能であることが今や見出された。本発明の重要な点は、亜鉛イオンおよびランタノイド系列イオンを効果的に溶解するため、スルホン酸濃度のうちの限られた遊離酸濃度を有する高純度スルホン酸を使用することが予期せぬ卓越性を有することである。
【0021】
本発明の電解質は、低濃度の遊離スルホン酸(<300g/L)を含むことを重要な部分として特徴とする。遊離スルホン酸が低濃度であると亜鉛析出の高い陰極効率が見込めて、さらに溶液の導電率が充分である。遊離スルホン酸が低濃度であると、ランタノイド系列イオンの溶解度増大も見込める。
【0022】
本発明の電解質は、高濃度スルホン酸電解質から沈殿することがあり得る、低濃度のランタノイド系列イオンを含むことを重要な部分として特徴とする。
【0023】
本発明のスルホン酸電解質は、低濃度の還元された硫黄化合物、または活性金属により若しくは電気分解により硫化物などの低原子価硫黄化合物(臭気を引き起こす不純物)に還元されやすい低濃度の高酸化状態での硫黄化合物、を含むこと、すなわち高純度であること、も重要な部分として特徴とする。特に、本発明の好ましい電気化学的組成物は、低濃度である、ジメチルジスルフィド、((DMDS)(CH3SSCH3))、ジメチルスルフィド((DMS)(CH3SCH3))、ジメチルスルホン((DMSO2)(CH3SO2CH3))、トリクロロメチルメチルスルホン((TCMS)(CH3SO2CCl3))、ジクロロメチルメチルスルホン((DCMS)(CH3SO2CHCl2))、メチルメタンチオスルホネート((MMTS)(CH3SO2SCH3))およびメチルメタンスルホネート((MMS)(CH3SO3CH3))を有する。
【0024】
特に、好ましい本発明の高純度スルホン酸において、還元された硫黄化合物の総濃度は、約50mg/L未満、より好ましくは10mg/L未満、さらに好ましくは5mg/L未満である。
【0025】
本発明は、電池および他のエネルギー貯蔵装置を含む、本発明のスルホン酸を使用した製造品も包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の組成物は、電気化学的に金属状態へと還元可能なスルホン酸電解質中の金属イオンと、金属状態へと還元できない酸化状態にある1種以上の金属と、高純度の遊離スルホン酸と、および随意に亜鉛析出反応を高めるためまたはレドックス電池の導電率を増大させるための添加剤とを適宜に含む。金属イオンは、好ましくは、高純度スルホン酸の金属塩として加えられる。
【0027】
上述のように、本発明の電解質は、スルホン酸溶液からの亜鉛イオンなどの2B(周期表の2B族)金属イオンの析出において特に有効であり、さらにランタノイド系列(周期表のランタノイド系列)イオンを高濃度に維持する。特に、本発明のスルホン酸溶液は、電池等のエネルギー貯蔵装置において有用である。
【0028】
本発明の電解質は、一般に、少なくとも1つの可溶性の2B金属塩、好ましくは亜鉛塩、1またはそれ以上の可溶性のランタノイド、好ましくはセリウム、スルホン酸塩、高純度の酸性電解質、随意に緩衝剤および随意に導電性塩、を含む。とりわけ、本発明の電解質組成物は、好ましくは、高純度アルキルスルホン酸または高純度アリールスルホン酸の亜鉛塩;高純度アルキルスルホン酸または高純度アリールスルホン酸のランタノイド塩;高純度スルホン酸電解質、好ましくは高純度アルキルスルホン酸または高純度アリールスルホン酸などの酸性水溶液;随意にホウ酸系緩衝剤;随意に高純度アルキルスルホン酸または高純度アリールスルホン酸系塩の陰イオン部分を有した導電性塩、を含む。
【0029】
亜鉛金属またはさまざまな亜鉛塩は、亜鉛−ランタノイド電解質においても存在する。亜鉛スルホン酸塩は、本発明の溶液中で使用でき、下記式の高純度アルキルスルホン酸または高純度アリールスルホン酸として、該亜鉛塩の陰イオン部分のスルホン酸および任意の遊離酸が導入される:
【化2】

【0030】
(ここでR、R’、R”同一または異なるものであり、それぞれ独立して、水素、フェニル、Cl、F、Br、I、CF3または(CH2n(nは1〜7である)などの低級アルキル基(これは非置換であってよく、酸素、Cl、F、Br、I、CF3、−SO2OHにより置換されていてもよい)である。好ましいアルキルスルホン酸は、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸およびプロパンスルホン酸であり、好ましいアルキルポリスルホン酸は、メタンジスルホン酸、モノクロロメタンジスルホン酸、ジクロロメタンジスルホン酸、1,1−エタンジスルホン酸、2−クロロ−1,1−エタンジスルホン酸、1,2−ジクロロ−1,1−エタンジスルホン酸、1,1−プロパンジスルホン酸、3−クロロ−1,1−プロパンジスルホン酸、1,2−エチレンジスルホン酸、1,3−プロピレンジスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸であり、アリールスルホン酸は、フェニルスルホン酸、フェノールスルホン酸、p−トルエンスルホン酸およびキシレンスルホン酸である。メタンスルホン酸亜鉛は特に好ましい亜鉛塩である。)。
【0031】
亜鉛塩は、本発明の電気化学的組成物において、比較的広い濃度範囲で適宜に存在することができる。好ましくは、亜鉛塩が、溶液1リットル当たり約5〜約500gの濃度で、より好ましくは、溶液1リットル当たり約20〜約400gの濃度で、さらに好ましくは、溶液1リットル当たり約40〜約300gの濃度で使用できる。
【0032】
セリウム塩などのさまざまなランタノイド塩は、電解質中にも存在しうる。ランタノイド系列スルホン酸塩は、本発明の溶液中で使用でき、下記式の高純度アルキルスルホン酸または高純度アリールスルホン酸として、該ランタノイド系列塩の陰イオン部分のスルホン酸および任意の遊離酸が導入される:
【化3】

【0033】
(ここでR、R’およびR”は、同一または異なるものであり、それぞれ独立して、水素、フェニル、Cl、F、Br、I、CF3または(CH2n(nは1〜7)などの低級アルキル基であり、非置換または酸素、Cl、F、Br、I、CF3、−SO2OHによって置換されたものである。好ましいアルキルスルホン酸は、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸およびプロパンスルホン酸であり、好ましいアルキルポリスルホン酸は、メタンジスルホン酸、モノクロロメタンジスルホン酸、ジクロロメタンジスルホン酸、1,1−エタンジスルホン酸、2−クロロ−1,1−エタンジスルホン酸、1,2−ジクロロ−1,1−エタンジスルホン酸、1,1−プロパンジスルホン酸、3−クロロ−1,1−プロパンジスルホン酸、1,2−エチレンジスルホン酸、1,3−プロピレンジスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸であり、アリールスルホン酸は、フェニルスルホン酸、フェノールスルホン酸、p−トルエンスルホン酸およびキシレンスルホン酸である。メタンスルホン酸セリウム(III)およびメタンスルホン酸セリウム(IV)は、特に好ましいランタノイド塩である。)。
【0034】
好ましいランタノイド系列酸塩は、スルホン酸セリウム塩であり、本発明の電解質においては比較的狭い濃度範囲で適宜に存在している。Ce+3およびCe+4の個々の濃度は、溶液中の遊離酸の濃度により支配される。
【0035】
好ましくは、スルホン酸セリウム(III)塩は、溶液1リットル当たり約5〜約800gの濃度で、より好ましくは、溶液1リットル当たり約20〜約600gの濃度で、さらに好ましくは、溶液1リットル当たり約50〜約300gの濃度で使用できる。
【0036】
スルホン酸セリウム(IV)塩は、溶液1リットル当たり約0.1〜約100gの濃度で、より好ましくは、溶液1リットル当たり約0.5〜約50gの濃度で、さらに好ましくは、溶液1リットル当たり約1〜約25gの濃度で使用できる。
【0037】
本発明の電解質は、溶液の導電率増大のために高純度の遊離スルホン酸も含んでよい。好ましい高純度の遊離スルホン酸は、亜鉛およびランタノイド系列塩の陰イオンと同様の陰イオンを有するが、高純度遊離スルホン酸の混合物も本発明の範囲内である。好ましいアルキルスルホン酸は、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸およびプロパンスルホン酸であり、好ましいアルキルポリスルホン酸は、メタンジスルホン酸、モノクロロメタンジスルホン酸、ジクロロメタンジスルホン酸、1,1−エタンジスルホン酸、2−クロロ−1,1−エタンジスルホン酸、1,2−ジクロロ−1,1−エタンジスルホン酸、1,1−プロパンジスルホン酸、3−クロロ−1,1−プロパンジスルホン酸、1,2−エチレンジスルホン酸、1,3−プロピレンジスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸であり、アリールスルホン酸は、フェニルスルホン酸、フェノールスルホン酸、p−トルエンスルホン酸およびキシレンスルホン酸である。遊離酸の濃度は、約1〜約1480g/L、より好ましくは約10〜約1200g/L、さらに好ましくは約30〜約300g/Lを変動する。電解質のpHは、約0.5〜4、より好ましくは約2〜3での変動が可能である。
【0038】
本発明の電解質溶液中で緩衝剤を使用するならば、緩衝剤はホウ酸および/または四ホウ酸塩を包含できる。緩衝剤を含む電解質溶液は、遊離酸300g/L未満の、より低濃度の遊離酸で最もよく作用し、緩衝化されていない電解質溶液と比べてより均質な亜鉛めっきを生じる。緩衝剤の濃度は、約0.1g/L〜飽和状態まで、より好ましくは約1g/L〜約75g/L、さらに好ましくは約5g/L〜約50g/Lの範囲で変動が可能である。
【0039】
本発明の電解質溶液中で導電性塩を使用するならば、導電性塩はアンモニウムイオンを包含できる。
【0040】
本発明のスルホン酸電解質は、好ましくは室温でまたは室温以上、例えば85℃に至るか少々超えるくらい、で使用される。スルホン酸溶液を、空気噴霧器、加工品の物理的運動、衝撃または他の適した方法を用いるなどして使用中に混合した。
【0041】
エネルギー貯蔵の需要によって、好ましくは0.01〜150アンペア/dm2(A/dm2)の範囲で変動する電流で電気分解が行われる。
【0042】
記載されている本発明は、カソード基板に亜鉛層を効果的に析出させるため、直流、パルス電流またはPR電流の波形の使用も含む。
【0043】
さまざまな基板において、上述のように本発明の亜鉛でのめっきが可能である。基板は、炭素、鋼、銅、アルミニウムまたはそれら金属の合金が含まれるがこれに限定されない。
【0044】
上記の本発明の記載は、単にそれらの実例に過ぎず、請求の範囲で説明したような発明の要旨を逸脱しない範囲で、変更や改良を行うことができるのは言うまでもない。
【実施例】
【0045】
実施例1
この実施例は、遊離メタンスルホン酸の、低濃度の亜鉛イオン含有溶液の導電率への効果を示す。Zn+2濃度を32.5グラム/リットル(g/L)で一定にして、なおかつ遊離CH3SO3Hを0〜300g/Lの間で変化させて、Zn(CH3SO32溶液を調製した。各溶液を65℃になるまで熱し、導電率は以下の表に示すようにmS/cmで記録した。
【表1】

【0046】
このデータは、遊離酸を含まない亜鉛イオン溶液については温度に比例した導電率の増加を示すが、100〜300g/Lの遊離酸を含む溶液中では導電率の減少を示す。300g/Lに至るまでは遊離酸に比例して導電率は増加する。0〜100g/Lおよび100〜200g/Lの遊離酸である時では導電率の増加が大きいが、200〜300g/Lの遊離酸である時は導電率では折り返し減少となる。したがって、亜鉛酸性電解質は、200g/L以下の遊離酸では、導電率への重大な悪影響なく機能することが可能である。
【0047】
実施例2
この実施例は、遊離メタンスルホン酸濃度の、ランタノイド金属を含まない溶液中における、亜鉛析出についての陰極効率への影響を示す。
【表2】

【0048】
Zn+2濃度を32.5g/Lで一定にして、なおかつ遊離CH3SO3Hを0〜300g/Lの間で変化させて、Zn(CH3SO32溶液を調製した。各溶液を55℃になるまで熱し、30A/dm2および60A/dm2で低炭素鋼上に亜鉛を析出した。上の表のデータは、陰極効率が、0g/Lおよび100g/Lの遊離酸では高くて市場で受け入れられるが、200g/Lの遊離メタンスルホン酸ではわずかだけ低下し、300g/Lの遊離メタンスルホン酸ではかなり低下していることを示す。
【0049】
実施例3
この実施例は、遊離メタンスルホン酸の、高濃度の亜鉛イオン含有溶液の導電率への影響を示す。Zn+2濃度を32.5g/Lで一定にして、なおかつ遊離CH3SO3Hを0〜500g/Lの間で変化させて、Zn(CH3SO32溶液を調製した。各溶液を65℃になるまで熱し、導電率は以下の表に示すようにmS/cmで記録した。
【表3】

【0050】
このデータは、400g/L以下の遊離MSAの各電解質については温度に比例して導電率が増加したこと、300g/Lに至るまでは遊離酸に比例して導電率が増加しその後減少したこと、0〜100g/Lの遊離酸については、100〜200g/Lまたは200〜300g/Lの遊離酸での導電率の増加に比べてより大きく導電率が増加したことを示す。したがって、亜鉛酸性電解質は、300g/L以下の遊離酸では、導電率への重大な悪影響なく機能することが可能である。
【0051】
実施例4
この実施例は、遊離メタンスルホン酸の、高濃度の遊離亜鉛イオン含有溶液中における、亜鉛析出についての陰極効率への影響を示す。
【0052】
Zn+2濃度を65g/Lで一定にして、なおかつ遊離CH3SO3Hを0〜300g/Lの間で変化させて、Zn(CH3SO32溶液を調製した。各溶液を65℃になるまで熱し、30A/dm2および60A/dm2で低炭素鋼上に亜鉛を析出した。上の表のデータは、陰極効率が、0g/Lおよび100g/Lの遊離酸では高くて市場で受け入れられるが、200g/Lおよび300g/Lの遊離メタンスルホン酸ではかなり低下していることを示す。
【表4】

【0053】
実施例5
この実施例は、ホウ酸濃度および遊離メタンスルホン酸濃度の、亜鉛イオン含有溶液の導電率への影響を示す。Zn+2濃度を65g/Lで一定にして、なおかつ遊離CH3SO3Hを0〜300g/Lの間で変化させて、Zn(CH3SO32溶液を調製した。各溶液を65℃になるまで熱し、導電率は以下の表に示すようにmS/cmで記録した。
【表5】

【0054】
ホウ酸は、特により低いホウ酸濃度で、導電率にわずかな影響を有した。
【0055】
実施例6
この実施例は、ホウ酸濃度および遊離メタンスルホン酸濃度の、高濃度の遊離亜鉛イオン含有溶液中における、亜鉛析出についての陰極効率への影響を示す。
【0056】
Zn+2濃度65g/Lで一定にし、20g/Lのホウ酸を加え、なおかつ遊離CH3SO3Hを0〜300g/L Nの間で変化させてZn(CH3SO32溶液を調製した。各溶液を65℃になるまで熱し、30A/dm2および60A/dm2で低炭素鋼上に亜鉛を析出した。以下の表におけるデータは、300g/Lの遊離メタンスルホン酸において、陰極効率が高いことを示す。
【表6】

【0057】
実施例7
この実施例は、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム塩の濃度ならびに遊離メタンスルホン酸濃度の、亜鉛イオン含有溶液の導電率への影響を示す。Zn+2濃度を65g/Lで一定にして、なおかつ遊離CH3SO3Hを0〜300g/Lの間で変化させて、Zn(CH3SO32溶液を調製した。各溶液を65℃になるまで熱し、導電率は以下の表に示すようにmS/cmで記録した。
【表7】

【0058】
リチウムトリフルオロメタンスルホン酸塩は、特により低い濃度で、導電率にわずかな影響を有した。
【0059】
実施例8
この実施例は、遊離メタンスルホン酸濃度の、Ce+3イオンの存在下での亜鉛析出についての陰極効率への影響を示す。
【0060】
Zn+2濃度を65g/LおよびCe+3濃度を70g/L(メタンスルホン酸塩として添加)で一定にして、なおかつ遊離CH3SO3Hを0〜300g/L Nの間で変化させて、Zn(CH3SO32溶液を調製した。各溶液を65℃になるまで熱し、30A/dm2および60A/dm2で低炭素鋼上に亜鉛を析出した。以下の表におけるデータは、陰極効率が、0g/Lおよび100g/Lの遊離酸で高電流密度においては高くて市場で受け入れられるが、200g/Lおよび300g/Lの遊離メタンスルホン酸ではかなり低下していることを示す。
【表8】

【0061】
実施例9
この実施例は、遊離メタンスルホン酸濃度の、Ce+3イオンおよびCe+4イオンの存在下での亜鉛析出についての陰極効率への影響を示す。
【0062】
Zn+2濃度を65g/L、Ce+3濃度を70g/L、およびCe+40.1Mの(メタンスルホン酸塩として加えた)と一定にし、遊離CH3SO3Hを0〜300g/Lの間で変化させて、Zn(CH3SO32溶液を調製した。各溶液を65℃になるまで熱し、30A/dm2および60A/dm2で低炭素鋼上に亜鉛を析出した。以下の表におけるデータは、陰極効率が、0g/Lおよび100g/Lの遊離酸濃度で低電流密度または高電流密度においては高くて市場で受け入れられるが、200g/Lおよび300g/Lの遊離メタンスルホン酸ではかなり低下していることを示す。
【表9】

【0063】
実施例10
この実施例は、種々の濃度のメタンスルホン酸に関する、セリウム(IV)塩の溶解度の影響を示す。それらに相応するメタンスルホン酸塩でメタンスルホン酸塩から65g/LのZn+2および70g/LのCe+3を含有する水溶液を調製した。メタンスルホン酸セリウム(IV)塩を徐々に加えて、少なくとも24時間溶解させておいた。黄色の沈殿物がCe+4飽和の開始を示した。
【表10】

【0064】
遊離MSAの濃度が増加すると、Ce+4の溶解度は低下する。エネルギー貯蔵装置におけるセリウム(IV)イオンの析出や、できる限り、膜やセパレーター、多孔質電極の目詰りを最小にするためには、低濃度の遊離MSAおよび低濃度のCe+4を用いたZn−Ce単電池を機能させることが賢明である。
【0065】
実施例11
この実施例では、低濃度のメタンスルホン酸に関する、セリウム(IV)塩の溶解度の影響を示す。それに相応するメタンスルホン酸塩で65g/LのZn+2および70g/LのCe+3を含有する水溶液を調製した。メタンスルホン酸セリウム(IV)塩を徐々に加えて、少なくとも24時間溶解させておいた。黄色の沈殿物がCe+4飽和の開始を示した。
【表11】

【0066】
実施例12
この実施例では、微量不純物の、活性金属の溶解中の望ましくない臭気の生成への影響を示す。亜鉛金属を、亜鉛イオン濃度が65g/Lになるまで、精製70%MSAに入れて溶解した。亜鉛金属の溶解の間、臭気は認められなかった。亜鉛金属を、10mg/Lのメチルメタンスルホン酸塩(MMTS)(CH3SO2SCH3)を含む70%MSAにも入れて溶解した。溶解の間、刺激臭が認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学的エネルギー貯蔵装置のための水溶液であって、
(a)低濃度の低原子価硫黄化合物または還元されやすい高原子価硫黄化合物を有する高純度スルホン酸と、
(b)0価の酸化状態に還元可能な酸化された状態にある1種以上の金属と、
(c)金属状態に還元不可能な酸化された状態にある金属と、
(d)随意として、緩衝剤と、
(e)随意として、導電性塩と、
を含む水溶液。
【請求項2】
前記高純度スルホン酸が、アルキルモノスルホン酸、アルキルポリスルホン酸、アリールモノスルホン酸、アリールポリスルホン酸またはそれらの混合物から誘導されたものである請求項1の水溶液。
【請求項3】
前記高純度スルホン酸が以下の形で導入される請求項1の水溶液:
【化1】

(ここでR、R’、R”は同一または異なるものであり、それぞれ独立して、水素、フェニル、Cl、F、Br、I、CF3または(CH2n(nは1〜7である)などの低級アルキル基(これは非置換であってもよく、酸素、Cl、F、Br、I、CF3、−SO2OHにより置換されていてもよい)である。)。
【請求項4】
前記スルホン酸が、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、メタンジスルホン酸、モノクロロメタンジスルホン酸、ジクロロメタンジスルホン酸、1,1−エタンジスルホン酸、2−クロロ−1,1−エタンジスルホン酸、1,2−ジクロロ−1,1−エタンジスルホン酸、1,1−プロパンジスルホン酸、3−クロロ−1,1−プロパンジスルホン酸、1,2−エチレンジスルホン酸、1,3−プロピレンジスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、フェニルスルホン酸、フェノールスルホン酸、p−トルエンスルホン酸およびキシレンスルホン酸またはそれらの混合物である請求項1の水溶液。
【請求項5】
前記高純度スルホン酸が、溶液1リットル当たり約1〜1480gの濃度を有する請求項1の水溶液。
【請求項6】
前記高純度スルホン酸が、溶液1リットル当たり約10〜約1200gの濃度を有する請求項1の水溶液。
【請求項7】
前記高純度スルホン酸が、溶液1リットル当たり約30〜約300gの濃度を有する請求項1の水溶液。
【請求項8】
前記pHが0.5〜4である請求項1の水溶液。
【請求項9】
前記高純度スルホン酸が、スルホン酸の混合物である請求項1の水溶液。
【請求項10】
前記金属が、下記式の高純度アルキルスルホン酸または高純度アリールスルホン酸の金属塩として導入される請求項1の水溶液:
【化2】


ここでR、R’、R”は同一または異なるものであり、それぞれ独立して、水素、フェニル、Cl、F、Br、I、CF3または(CH2n(nは1〜7である)などの低級アルキル基(これは非置換であってもよく、酸素、Cl、F、Br、I、CF3、−SO2OHにより置換されていてもよい)であり、xは1〜4で変化し、Mは周期表の2B族またはランタノイド系列の群の金属である。)。
【請求項11】
個々の金属塩は、溶液1リットル当たり約1〜約500gの濃度で使用される請求項10の水溶液。
【請求項12】
個々の金属塩は、溶液1リットル当たり約10〜約400gの濃度で使用される請求項10の水溶液。
【請求項13】
個々の金属塩は、溶液1リットル当たり約30〜約150gの濃度で使用される請求項10の水溶液。
【請求項14】
前記高純度スルホン酸が、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸またはそれらの混合物である請求項10の水溶液。
【請求項15】
前記スルホン酸金属塩が、メタンスルホン酸亜鉛である請求項10の水溶液。
【請求項16】
前記スルホン酸金属塩が、メタンスルホン酸セリウム(III)である請求項10の水溶液。
【請求項17】
前記スルホン酸金属塩が、メタンスルホン酸セリウム(IV)である請求項10の水溶液。
【請求項18】
前記アルカンスルホン酸金属塩が、メタンスルホン酸バナジウムである請求項10の水溶液。
【請求項19】
前記溶液のpH調整のために緩衝剤が添加される請求項1の水溶液。
【請求項20】
前記緩衝剤がホウ酸である請求項19の水溶液。
【請求項21】
前記溶液に導電性塩が添加された請求項1の水溶液。
【請求項22】
前記導電性塩がアンモニウムイオンである請求項21の水溶液。
【請求項23】
前記溶液中の、ジメチルジスルフィド(CH3SSCH3)、ジメチルスルフィド(CH3SCH3)、ジメチルスルホン(CH3SO2CH3)、トリクロロメチルメチルスルホン(CH3SO2CCl3)、ジクロロメチルメチルスルホン(CH3SO2CHCl2)、メチルメタンチオスルホネート(CH3SO2SCH3)、およびメチルメタンスルホネート(CH3SO3SCH3)の合計濃度が約50mg/L未満である請求項1の水溶液。
【請求項24】
請求項1による高純度スルホン酸に、純金属、金属炭酸塩、金属酸化物または他の金属塩を、金属イオン濃度が約1g/L〜約150g/Lとなるように溶解させることによる金属−スルホン酸塩溶液の調製方法。
【請求項25】
基板上に金属または合金を電気めっきするため溶液中に電流を通すことを含む請求項1の水溶液からの金属析出方法。
【請求項26】
前記基板が、鋼、銅もしくは銅−合金、ニッケルもしくはニッケル−合金、コバルトもしくはコバルト−合金、耐火性金属もしくは酸化物、炭素の不活性電極または有機基材である請求項25の方法。
【請求項27】
前記高純度スルホン酸がメタンスルホン酸である請求項25の方法。
【請求項28】
前記溶液が、スルホン酸と他の無機酸および有機酸との混合物を含む請求項25の方法。
【請求項29】
直流、パルス電流またはPR電流の波形が使用される請求項25の方法。
【請求項30】
可溶性もしくは不溶性または不活性なアノードが使用される請求項25の方法。
【請求項31】
前記溶液の温度が約20℃〜95℃である請求項25の方法。
【請求項32】
前記金属が、純金属、または周期表の2B族金属およびランタノイド金属類からの金属を用いた合金もしくはそれらの組み合わせである請求項25の方法。
【請求項33】
低原子価硫黄化合物または還元されやすい高原子価硫黄化合物の濃度が、前記溶液1リットル当たり約50g未満である請求項1の水溶液。

【公表番号】特表2007−506261(P2007−506261A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533002(P2006−533002)
【出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/014900
【国際公開番号】WO2004/105051
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(500307340)アーケマ・インコーポレイテッド (119)
【Fターム(参考)】