説明

交差点情報管理方法及び交差点情報管理装置等

【課題】交差点に関連する情報を、実際の交差点やその付近の状況変化に即座に対応して更新することを可能とする交差点情報管理方法及び交差点情報管理装置等を提供する。
【解決手段】交差点情報管理装置が、自己が備える記憶手段に記憶されている交差点情報の更新を、対応する交差点が位置する場所に関連する者に対して許可する許可工程と、交差点情報管理装置が、許可された者からの入力に基づいて、記憶手段に記憶されている交差点情報を更新する更新工程と、交差点情報管理装置が、記憶手段に記憶されている交差点情報を交差点情報提示装置に送信する送信工程と、交差点情報提示装置が、交差点情報管理装置から送信された交差点情報を受信する受信工程と、交差点情報提示装置が、受信された交差点情報を道路利用者に対して提示する提示工程と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差点に関する情報を管理し、その情報を道路利用者に提供する交差点情報管理方法及び交差点情報管理装置等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーションシステムで管理される地図情報や、道路地図などのマップ書籍に利用される地図情報は、カーナビゲーションシステムやマップ書籍を提供する企業や機関で独自に作成、管理されている。
【0003】
こうした地図情報は、例えば、カーナビゲーションシステムにおける交差点の案内や、交差点付近に設置されている交差点案内標識における交差点の案内の表示等に利用される場合がある。
【0004】
また、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1には、車載受信機が、車両の現在位置に基づいて車両がこれから進入しようとしている交差点のIDを取り出し、路側発信機から信号機の表示状態に関する信号情報信号を受信して、この情報に格納されている交差点IDを取り出し、これらの取り出された交差点IDが一致する場合に、信号情報信号に格納されている信号表示情報を表示することが記載されている。
【特許文献1】特開2004−348287号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来においては、利用するカーナビゲーションシステムやマップ書籍に応じて参照する情報が異なる場合がある。
【0006】
また、各企業や機関で管理する地図情報は、通常、日本全国をカバーするものもあり、管理する範囲が広すぎるために各交差点での変化を反映するのにどうしてもタイムラグが発生し、実際の状況と異なる場合がある。
【0007】
そうしたことから、目的地へ移動する際に利用するカーナビゲーションシステムやマップ書籍などの地図、更には交差点に設置されている交差点案内標識など、出荷または設置された時期に応じて、実際の地形や周辺情報と異なることがあり、誤った経路を辿るなど、なかなか目的地に到達できないことがある。
【0008】
また、交差点に設置されている交差点案内標識などの設置物は、道路利用者の位置や見る方向によってはどうしても目視で道路表指示を確認しづらい場合があるうえ、コスト的に交差点の変化を直に反映しづらい。
【0009】
こうした観点から特許文献1に記載の発明を検討してみると、道路利用者の位置や見る方向が、信号機自体を目視で確認しづらい場合であっても、信号機の表示状態を確認することはできる。また、当該文献記載の発明では、信号機の表示状態をタイムラグなしに反映することができるようにも見える。
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、車両がこれから進入しようとしている交差点を判断するために、車両側は、各交差点に関する交差点IDを含む地図データを用いる必要がある。従って、この地図データが更新されずに古いままでいると、進入しようとしている交差点を正しく判断することができず、誤って、現実の信号機とは異なる信号機の表示状態を表示してしまうおそれがある。
【0011】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、交差点に関連する情報を、実際の交差点やその付近の状況変化に即座に対応して更新することを可能とする交差点情報管理方法及び交差点情報管理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、交差点毎にそれぞれ対応する交差点情報管理装置であって、対応する交差点に関連する交差点情報をそれぞれが管理する複数の交差点情報管理装置がネットワークに接続された交差点情報管理システムにおける交差点情報管理方法であって、前記交差点情報管理装置が、自己が備える記憶手段に記憶されている前記交差点情報の更新を、対応する交差点が位置する場所に関連する者に対して許可する許可工程と、前記交差点情報管理装置が、前記許可された者からの入力に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報を更新する更新工程と、前記交差点情報管理装置が、前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報を交差点情報提示装置に送信する送信工程と、前記交差点情報提示装置が、前記交差点情報管理装置から送信された前記交差点情報を受信する受信工程と、前記交差点情報提示装置が、前記受信された交差点情報を道路利用者に対して提示する提示工程と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の交差点情報管理方法において、前記許可工程において、前記交差点情報管理装置は、更新者からの入力に基づいて識別情報及びパスワードを取得し、前記取得された識別情報及びパスワードに基づいて、更新者が、対応する交差点が位置する地域を治める自治体であるか否かを判定し、更新者が前記自治体である場合には、当該自治体に対して前記交差点情報の更新を許可することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の交差点情報管理方法において、前記交差点情報は、対応する交差点の位置を示す位置情報を含み、前記許可工程において、前記交差点情報管理装置は、更新者の住所を少なくとも示す住民情報を、当該更新者からの入力に基づいて取得し、更新者が、対応する交差点が位置する場所付近の住民であるか否かを当該交差点が位置する地域を治める自治体に属するサーバに問い合わせ、更新者が前記住民である場合には、当該住民に対して前記交差点情報の更新を許可することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の交差点情報管理方法において、前記交差点情報は、対応する交差点の位置を示す位置情報と、当該交差点への進入路の当該交差点からの方位を示す進入路情報と、を含み、前記交差点情報提示装置が現在位置を取得する現在位置取得工程を更に備え、前記提示工程において、前記交差点情報提示装置は、前記取得された現在位置と、前記交差点情報管理装置から受信された前記交差点情報に含まれる前記位置情報及び前記進入路情報と、に基づいて、道路利用者が交差点に進入するために通っている進入路、または、当該交差点情報提示装置自身が位置する進入路の少なくとも何れか一方を特定し、前記受信された交差点情報のうち、前記特定された進入路に対応する情報を道路利用者に対して提示することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の交差点情報管理方法において、前記送信工程において、前記交差点情報管理装置は、対応する交差点に隣接する交差点に対応する他の前記交差点情報管理装置から、当該他の交差点情報管理装置が管理する前記交差点情報を受信し、前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報と、前記受信された交差点情報と、を前記交差点情報提示装置に送信することを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の交差点情報管理方法において、交差点毎に対応して前記交差点情報管理装置がそれぞれ設けられているとともに、道路から道路以外への入口または出口の少なくとも何れか一方毎に対応して前記交差点情報管理装置がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の交差点情報管理方法において、前記交差点情報提示装置は、携帯用の端末装置、車両に搭載可能な端末装置及び道路に沿って設置される交差点案内情報表示装置の少なくとも何れか一つであることを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の発明は、ネットワークに接続可能であり、自己が対応する1の交差点に関連する交差点情報を管理する交差点情報管理装置において、前記交差点情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報の更新を、対応する交差点が位置する場所に関連する者に対して許可する許可手段と、前記許可された者からの入力に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報を更新する更新手段と、前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報を、当該交差点情報を道路利用者に提示する交差点情報提示装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
請求項9に記載の発明は、ネットワークに接続可能であり、自己が対応する1の交差点に関連する交差点情報を管理する交差点情報管理装置に含まれるコンピュータを、前記交差点情報管理装置が備える記憶手段に記憶されている前記交差点情報の更新を、対応する交差点が位置する場所に関連する者に対して許可する許可手段、前記許可された者からの入力に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報を更新する更新手段、前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報を、当該交差点情報を道路利用者に提示する交差点情報提示装置に送信する送信手段、として機能させることを特徴とする。
【0021】
請求項10に記載の発明は、交差点毎にそれぞれ対応する交差点情報管理装置であって、対応する交差点に関連する交差点情報をそれぞれが管理する複数の交差点情報管理装置がネットワークに接続された交差点情報管理システムにおいて、前記交差点情報管理装置は、前記交差点情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報の更新を、対応する交差点が位置する場所に関連する者に対して許可する許可手段と、前記許可された者からの入力に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報を更新する更新手段と、前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報を交差点情報提示装置に送信する送信手段と、を備え、前記交差点情報提示装置は、前記交差点情報管理装置から送信された前記交差点情報を受信する受信手段と、前記受信された交差点情報を道路利用者に対して提示する提示手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、交差点毎に交差点情報管理装置を配置し、各交差点情報管理装置それぞれが、対応する交差点が位置する場所に関連する者に対して、その交差点の交差点情報を更新することを許可し、その許可された者からの交差点情報で、自己の交差点情報を更新することにより、各交差点情報管理装置で管理する範囲が、交差点という小さな範囲に限定されるため、各交差点毎に更新を許可された者がその交差点についてのみの情報を入力等すれば良く、地理的に広範囲にわたる交差点をカバーする必要がなくなり、実際の交差点の状況変化に応じて即座に情報を更新することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、交差点情報管理システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0024】
[1.第1実施形態]
[1.1 交差点情報管理システムの構成及び機能概要]
先ず、第1実施形態に係る交差点情報管理システムS1の構成及び概要機能について、図1及び図2を用いて説明する。
【0025】
図1(a)は、実際の地図の一例を示す図であり、図1(b)は、交差点ネットワークの一例を示す図である。また、図2は、第1実施形態に係る交差点情報管理システムS1の概要構成の一例を示す図である。
【0026】
交差点情報管理システムS1は、地図を構成する最小単位を交差点とし、交差点毎にコンピュータを設置し、交差点の位置や形状、交通規制など1交差点に関するさまざまな情報を表した「交差点情報」を交差点毎に設置したコンピュータにて管理し、交差点毎のコンピュータを実際に隣接する交差点のコンピュータと相互接続させることで専用ネットワークを構成し、交差点に接近した通行人の携帯端末や車両に搭載されたコンピュータに対して交差点の最新状況を通知するような交差点情報通知システムと、交差点付近の住民による交差点情報登録・管理方法を提供するものである。
【0027】
ここで、「交差点情報」は、交差点、建物や敷地内への入口などを管理するための情報であり、「位置情報」、「地形情報」、「規制情報」及び「周辺情報」等により構成されている。
【0028】
「位置情報」は、交差点、建物や敷地内への入口等の場所を特定可能な情報であり、例えば、GPS(Global Positioning System)で取得可能な緯度経度等である。
【0029】
「地形情報」は、交差点、建物や敷地内への入口等の地形的な特徴を表した情報であり、例えば、地図データとして利用可能な航空写真や形状を模式した図形情報等である。
【0030】
「規制情報」とは、交差点、建物や敷地内への入口等への進入路毎に設定された進入規制に関する情報であり、例えば、大型車両の進入禁止や一方通行等の道路交通規制、更には、建物や敷地への出入りが規制されている場合の条件などであり、これらの情報にはすべて交差点、建物や敷地内への入口などへの進入路を区別するための「進入路情報」が付加されている。
【0031】
「進入路情報」は、交差点、建物や敷地内への入口等への進入路を区別するための情報であり、例えば、交差点の「位置情報」を起点とした方位等である。
【0032】
「周辺情報」は、交差点、建物や敷地内への入口等の周辺に関する情報であり、例えば、付近の店舗で開催されているセールや付近で発生した事故等を示す情報である。また、「周辺情報」の通知先として「進入路情報」を付加することができる。
【0033】
図1(a)に示すような地図上の交差点N1等(図中、太い実線が道路を示している)を地図の最小構成とし、それぞれの交差点に関する「交差点情報」を結びつけたネットワークが、図1(b)に示すような、地図を構成する「交差点ネットワーク」である。また、図1(a)に示すN2のように、建物や敷地内への入口等(図中、太い破線が建物への道(入り口)を示している)も一つの交差点として捉えることで交差点の数が増え、より詳細な「交差点ネットワーク」を形成することも可能である。
【0034】
図2に示すように、交差点情報管理システムS1は、交差点毎に配置された交差点コンピュータ100及び200と、自治体Cに設置されたサーバ端末300と、近隣住民Dにより使用される端末400と、通行人Aにより使用される携帯端末500と、車両Bに搭載される車載コンピュータ600と、交差点コンピュータ100及び200を相互接続する交差点ネットワーク700と、交差点コンピュータ100及び200とサーバ端末300及び端末400とを相互接続するネットワーク800と、を含んで構成されている。
【0035】
図2において、図1(b)のような「交差点ネットワーク」である交差点ネットワーク700を構成する交差点毎に交差点コンピュータ100を設置し、それぞれの「交差点情報」を交差点コンピュータ100にて管理する。
【0036】
交差点コンピュータ100で管理される「交差点情報」の「位置情報」及び「地形情報」、「規制情報」は、交差点が属する自治体Cによって交差点コンピュータ100を直接操作したり、ネットワーク800を介して接続されているサーバ端末300を操作したりすることで登録・更新される。なお、「交差点情報」のうち、「位置情報」、「地形情報」及び「規制情報」の登録や更新を行うことができるのは、交差点を管理する(交差点が位置する場所を治めている)自治体Cのみに限定される。
【0037】
自治体Cは、交差点が属する最小単位の地方公共団体(市、町、村、区等)である。
【0038】
また、交差点コンピュータ100で管理される「交差点情報」の「周辺情報」は、交差点周辺の近隣住民Dなどによって交差点コンピュータ100を直接操作したり、ネットワーク800を介して接続されている端末400を操作したりすることで登録・更新される。
【0039】
携帯端末500は、通行人Aが移動すること等によって、近づきつつある交差点コンピュータ100から送信される「交差点情報」を受信し、通行人Aが確認することができるように「交差点情報」を表示する。
【0040】
同様に、車両Bに搭載される車載コンピュータ600は、車両Bが移動すること等によって、近づきつつある交差点コンピュータ100から送信される「交差点情報」を受信し、車両Bの運転者が確認できるように「交差点情報」を表示する。
【0041】
なお、携帯端末500及び車載コンピュータ600は、GPS等の機能を用いて通行人A及び車両Bの現在位置を割り出し、最も近い交差点コンピュータ100を特定し、その交差点コンピュータ100が送信する「交差点情報」を表示する。
【0042】
このようにして、「交差点情報」を交差点毎に配置した交差点コンピュータ100によって管理することで管理対象範囲を局所化し、実際の交差点の状況に応じて「交差点情報」の即時更新を可能にする。更には、通信機能やネットワーク機能を介して交差点コンピュータ100で管理する最新の「交差点情報」を、携帯端末500や車載コンピュータ600、サーバ端末300、端末400などに提供することが可能になる。
【0043】
交差点ネットワーク700は、実際に隣接する交差点に配置された交差点コンピュータ100と交差点コンピュータ200を相互接続することで構成される専用のネットワークである。
【0044】
次に、交差点コンピュータ100及び交差点コンピュータ200の構成及び機能について説明する。なお、図3は、第1実施形態に係る交差点コンピュータ100の概要構成の一例を示すブロック図である。なお、交差点コンピュータ200の構成は交差点コンピュータ100の構成と同一であるため、以下においては交差点コンピュータ100についてのみ説明し、交差点コンピュータ200の説明については省略する。
【0045】
各交差点コンピュータ100は、交差点毎に対応して配置されている。
【0046】
そして、図3に示すように、交差点コンピュータ100は、自己が対応する交差点の「交差点情報」や各種データ及びプログラム等を記憶する記憶部101(例えば、ハードディスク等)と、「交差点情報」を操作する画面を表示する表示部102(例えば、液晶ディスプレイ等)と、操作者からの操作指示を受け付け、その指示内容を指示信号としてシステム制御部108に出力する操作部103と、携帯端末500や車載コンピュータ600との通信を可能とするための、外部インタフェースとしての有線または無線の通信機能を有する通信部104と、ネットワーク800等に接続して通信を制御するネットワーク接続部105と、対応する交差点の現在位置を割り出すGPS等の現在位置取得部106と、「交差点情報」のうち、「位置情報」、「地形情報」及び「規制情報」へのアクセス(参照を除いた、登録や更新等)を制御するアクセス制御部107と、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えるシステム制御部108と、を備え、各部はバスを介して相互に接続されている。
【0047】
システム制御部107は、CPUが、ROMや記憶部10に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより交差点コンピュータ100の各部を制御するようになっている。なお、各種プログラムは、例えば、サーバ装置からネットワーク800等を介して取得されるようにしても良いし、CD−ROM等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしても良い。
【0048】
なお、すべての交差点コンピュータ100(または交差点コンピュータ200)は、交差点ネットワーク700に属しており、隣接する交差点コンピュータ200(または交差点コンピュータ100)等と相互接続されている。
【0049】
次に、サーバ端末300の構成及び機能について説明する。なお、図4は、サーバ端末300の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0050】
サーバ端末300は、ワークステーションサーバ等の情報処理装置である。
【0051】
そして、図4に示すように、サーバ端末300は、各種データ及びプログラム等を記憶する記憶部301(例えば、ハードディスク等)と、自治体Cが管理する交差点に対して設置された交差点コンピュータ100により管理されている「交差点情報」を操作する画面を表示する表示部302(例えば、液晶ディスプレイ等)と、操作者からの操作指示を受け付け、その指示内容を指示信号としてシステム制御部305に出力する操作部303と、ネットワーク800等に接続して通信を制御するネットワーク接続部304と、CPU、ROM、RAM等を備えるシステム制御部305と、を備え、各部はバスを介して相互に接続されている。
【0052】
次に、端末400の構成及び機能について説明する。なお、図5は、端末400の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0053】
端末400は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。
【0054】
そして、図5に示すように、端末400は、各種データ及びプログラム等を記憶する記憶部401(例えば、ハードディスク等)と、近隣の交差点に対して設置された交差点コンピュータ100により管理されている「交差点情報」を操作する画面を表示する表示部402(例えば、液晶ディスプレイ等)と、操作者からの操作指示を受け付け、その指示内容を指示信号としてシステム制御部405に出力する操作部403と、ネットワーク800等に接続して通信を制御するネットワーク接続部404と、CPU、ROM、RAM等を備えるシステム制御部405と、を備え、各部はバスを介して相互に接続されている。
【0055】
次に、携帯端末500の構成及び機能について説明する。なお、図6は、携帯端末500の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0056】
携帯端末500は、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置である。
【0057】
そして、図6に示すように、携帯端末500は、通信部504及びネットワーク接続部505を介して得られた「交差点情報」を一時的に記憶するとともに、各種データ及びプログラム等を記憶する記憶部501(例えば、フラッシュメモリ等)と、得られた「交差点情報」を操作する画面を表示する表示部502(例えば、液晶ディスプレイ等)と、操作者からの操作指示を受け付け、その指示内容を指示信号としてシステム制御部505に出力する操作部503と、交差点コンピュータ100との通信を可能とするための、外部インタフェースとしての有線または無線の通信機能を有する通信部504と、ネットワーク800等に接続して通信を制御するネットワーク接続部505と、携帯端末500の現在位置を割り出すGPS等の現在位置取得部506と、CPU、ROM、RAM等を備えるシステム制御部507と、を備え、各部はバスを介して相互に接続されている。
【0058】
次に、車載コンピュータ600の構成及び機能について説明する。なお、図7は、車載コンピュータ600の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0059】
車両Bは、道路を走行する一般車両であり、近づきつつある交差点に設置された交差点コンピュータ100から送信された「交差点情報」を受信して一時的に保管する車載コンピュータ600を有する。
【0060】
そして、図7に示すように、車載コンピュータ600は、通信部604及びネットワーク接続部605を介して得られた「交差点情報」を一時的に記憶するとともに、各種データ及びプログラム等を記憶する記憶部601(例えば、ハードディスク等)と、得られた「交差点情報」を操作する画面を表示する表示部602(例えば、液晶ディスプレイ等)と、操作者からの操作指示を受け付け、その指示内容を指示信号としてシステム制御部605に出力する操作部603と、交差点コンピュータ100との通信を可能とするための、外部インタフェースとしての有線または無線の通信機能を有する通信部604と、ネットワーク800等に接続して通信を制御するネットワーク接続部605と、車載コンピュータ600の現在位置を割り出すGPS等の現在位置取得部606と、CPU、ROM、RAM等を備えるシステム制御部607と、を備え、各部はバスを介して相互に接続されている。
【0061】
[1.2 交差点情報管理システムの動作]
次に、交差点情報管理システムの動作について、図8乃至図10を用いて説明する。
【0062】
図8は、第1実施形態に係る交差点情報管理システムS1の、自治体Cが「交差点情報」の登録・更新を行う際における処理の一例を示すフローチャートである。また、図9は、第1実施形態に係る交差点情報管理システムS1の、近隣住民Dが「交差点情報」の登録・更新を行う際における処理の一例を示すフローチャートである。また、図10は、第1実施形態に係る交差点情報管理システムS1の、通行人Aまたは車両Bの運転者が「交差点情報」を確認する際における処理の一例を示すフローチャートである。
【0063】
初めに、自治体Cが「交差点情報」の登録・更新を行う際における動作について説明する。
【0064】
図8に示すように、先ず、自治体Cが、自己に属する交差点コンピュータ100に「交差点情報」を登録または更新するために、サーバ端末300の操作部303を操作すると、サーバ端末300のシステム制御部305は、ネットワーク接続部304を制御して、所望の交差点コンピュータ100に接続し、「交差点情報」の登録・更新権限を要求する(ステップA1)。
【0065】
これに応答して、交差点コンピュータ100のアクセス制御部107は、サーバ端末300に自治体CのID(Identification)とパスワードを要求する(ステップA2)。
【0066】
交差点コンピュータ100からの要求を受信したサーバ端末300のシステム制御部305は、表示部302にログイン画面を表示させ、自治体Cが自己のIDとパスワードとを入力すると、サーバ端末300のシステム制御部305は、入力されたIDとパスワードとを交差点コンピュータ100に送信する(ステップA3)。
【0067】
これに応答して、交差点コンピュータ100のアクセス制御部107は、受信した自治体CのIDとパスワードとを、例えば、記憶部101に予め記憶されているID及びパスワードと照合すること等によりチェックし(ステップA4)、サーバ端末300を操作している者を自治体Cと認証した場合には(ステップA4:YES)、登録・更新する「交差点情報」を、サーバ端末300に要求する(ステップA5)。
【0068】
交差点コンピュータ100からの要求を受信したサーバ端末300のシステム制御部305は、自治体Cにより入力等された「交差点情報」を交差点コンピュータ100に送信する(ステップA6)。
【0069】
これに応答して、交差点コンピュータ100のシステム制御部108は、受信した「交差点情報」を記憶部101に記憶する(ステップA7)。こうして「交差点情報」の「周辺情報」は、交差点コンピュータ100に記憶されることによって、登録・更新される。
【0070】
なお、交差点コンピュータ100のアクセス制御部107は、サーバ端末300を操作している者を自治体Cと認証しなかった場合には(ステップA4:NO)、アクセスが拒否されたことをサーバ端末300に通知する。
【0071】
このように交差点コンピュータ100は、アクセス制御部107を有することで、「交差点情報」の「位置情報」及び「地形情報」及び「規制情報」の登録や更新を、対応する交差点が属する自治体Cのみに限定する。なお、「交差点情報」の「周辺情報」に関しては、登録・更新のために自治体CのIDとパスワードは不要である。
【0072】
次に、近隣住民Dが「交差点情報」の「周辺情報」の登録・更新を行う際における動作について説明する。
【0073】
図9に示すように、先ず、近隣住民Dが、交差点コンピュータ100に「交差点情報」の「周辺情報」を登録または更新するために、端末400の操作部403を操作すると、端末400のシステム制御部405は、ネットワーク接続部404を制御して、の交差点コンピュータ100に接続し、「交差点情報」の「周辺情報」の登録・更新権限を要求する(ステップB1)。
【0074】
これに応答して、交差点コンピュータ100のアクセス制御部107は、サーバ端末300に近隣住民Dの「住民情報」を要求する(ステップB2)。
【0075】
交差点コンピュータ100からの要求を受信した端末400のシステム制御部405は、近隣住民Dにより入力等された「住民情報」を交差点コンピュータ100に送信する(ステップB3)。
【0076】
ここで、「住民情報」は、交差点コンピュータ100が対応する交差点の周辺(交差点からの距離で規定)の近隣住民Dだけに「交差点情報」の「周辺情報」を登録できるように制限するための情報であり、例えば、近隣住民Dの住所と、世帯主または事業者を示す情報等が含まれている。
【0077】
これに応答して、交差点コンピュータ100のアクセス制御部107は、受信した近隣住民Dの「住民情報」をチェックするためにネットワーク接続部105を制御して自治体Cのサーバ端末300に接続し、受信した近隣住民Dの「住民情報」をサーバ端末300に送信(ステップB4)する。
【0078】
これに応答して、自治体Cのサーバ端末300のシステム制御部305は、受信した「住民情報」と交差点コンピュータ100との位置関係(例えば、「住民情報」が示す近隣住民Dの住所地から「交差点情報」の「位置情報」が示す交差点の位置までの距離等)を元に、近隣住民Dが交差点コンピュータ100へ「交差点情報」の「周辺情報」を登録・更新する権利を有しているか否かを判定し(例えば、近隣住民Dの住所地から交差点までの距離が所定距離以下である場合には権利を有していると判定し、そうではない場合には、権利を有していないと判定する)、その結果を交差点コンピュータ100に送信する(ステップB5)。
【0079】
これに応答して交差点コンピュータ100のアクセス制御部107は、自治体Cのサーバ端末300での判定結果をチェックし(ステップB6)、端末400を操作している者が、交差点コンピュータ100が対応する交差点付近に住んでいる近隣住民Dであると認証した場合には、登録・更新する「交差点情報」の「周辺情報」を、端末400に要求する(ステップB7)。
【0080】
交差点コンピュータ100からの要求を受信した端末400のシステム制御部405は、近隣住民Dにより入力等された「交差点情報」の「周辺情報」を交差点コンピュータ100に送信する(ステップB8)。
【0081】
これに応答して、交差点コンピュータ100のシステム制御部108は、受信した「交差点情報」の「周辺情報」を記憶部101に記憶する(ステップB9)。こうして「交差点情報」の「周辺情報」は、交差点コンピュータ100に記憶されることによって、登録・更新される。
【0082】
なお、交差点コンピュータ100のアクセス制御部107は、端末400を操作している者を近隣住民Dであると認証しなかった場合には(ステップB6:NO)、アクセスが拒否されたことを端末400に通知する。
【0083】
このように交差点コンピュータ100は、アクセス制御部107を有することで、「交差点情報」の「周辺情報」の登録や更新を、交差点の近隣住民Dのみに限定する。
【0084】
次に、通行人Aまたは車両Bの運転者が「交差点情報」を確認する際における動作について説明する。なお、携帯端末500及び車載コンピュータ600の何れにおいても動作内容は同様であるため、以下においては、携帯端末500についてのみ説明し、車載コンピュータ600の説明については省略する。
【0085】
図10に示すように、先ず、交差点コンピュータ100のシステム制御部108は、記憶部101に記憶されている「交差点情報」を、対応する交差点へのそれぞれの進入経路に向けて定期的に、通信部104を制御用して送信する(ステップC1)。
【0086】
次いで、携帯端末500のシステム制御部507は、通信部504を制御して交差点コンピュータ100から「交差点情報」を受信した後、現在位置取得部506から携帯端末500の現在地を取得し(ステップC2)、携帯端末500の現在地と受信した「交差点情報」の「位置情報」とを元に、交差点コンピュータ100が対応する交差点からの携帯端末500への方位を算出する(ステップC3)。
【0087】
次いで、携帯端末500のシステム制御部507は、受信した「交差点情報」の「規制情報」や「周辺情報」に付加された「進入路情報」と、ステップC3において算出した方位とを比較することで、通行人Aが交差点に進入する進入路を特定し(ステップC4)、特定された進入路を元に「交差点情報」をフィルタリングし(例えば、「交差点情報」のうち、特定された進入路に関する情報のみを抽出する)、通行人Aに対する「交差点情報」として、表示部502に表示する(ステップC5)。
【0088】
なお、携帯端末500や車載コンピュータ600の表示内容として、交差点コンピュータ100が隣接する交差点コンピュータ200などの「交差点情報」をも表示する場合には、ステップC1で交差点コンピュータ100が「交差点情報」を送信する際に、自己が対応する交差点に隣接する交差点を特定し、交差点ネットワーク700を介して、特定されたされた交差点に対応する交差点コンピュータ200から「交差点情報」を受信して、これも合わせて携帯端末500や車載コンピュータ600に送信することで実現可能である。
【0089】
以上説明したように、本実施形態によれば、地図を構成する最小単位を交差点とし、交差点毎に交差点コンピュータ100を設置して、交差点ネットワーク700を介してコンピュータ100同士を相互接続させ、各交差点コンピュータ100は、それぞれ対応する交差点の「交差点情報」を管理する。具体的に、交差点コンピュータ100は、対応する交差点の「交差点情報」を記憶部101に記憶させ、この交差点を管理する(交差点が位置する場所を治めている)自治体や、この交差点の近隣住民に、この交差点の「交差点情報」の登録・更新を許可し、自治体や近隣住民からの「交差点情報」を記憶部101に記憶させることによって、「交差点情報」を更新・登録する。
【0090】
従って、交差点毎にるさまざまな情報、すなわち「交差点情報」を、交差点毎に管理し、交差点毎に、これを管理する自治体や、そこの近隣住民が「交差点情報」を登録・更新すれば良く、「交差点情報」を登録・更新する際に、広範囲(例えば、日本全国等)をカバーする必要がないので、実際の交差点の状況変化に応じて即座に情報を更新することができる。
【0091】
例えば、道路工事が施工される際には、道路を管理する自治体などに道路工事施工申請書が提出されるため、自治体は提出された道路工事施工申請書に記載されている内容を元に、「交差点情報」の「規制情報」として工事に伴う通行規制などを登録することで即座に交差点の情報を更新することが可能である。
【0092】
更には、道路工事の施工完了後に交差点の地形的な特徴が変更される場合、自治体は提出された道路工事完了届を受け取った際に道路工事施工申請書や実際の現場の状況を元に、「交差点情報」の「地形情報」として更新することで即座に交差点の最新状況を反映することができる。
【0093】
また、「交差点情報」を実際の交差点毎に配置した交差点コンピュータ100で管理し、その交差点コンピュータ100に通信機能を持たせることにより、交差点に接近した通行人及び車両に向けて、最新の交差点に関する情報を常に提供することができる。
【0094】
また、「交差点情報」に「位置情報」を持たせ、更には「交差点情報」の「規制情報」や「周辺情報」に「進入路情報」を付加し、交差点コンピュータ100が、通行人が持つ携帯端末500や車両に搭載される車載コンピュータ600には現在地を特定する現在位置特定部を具備させることにより、通行人や車両の交差点への進入路を特定することができるため、交差点に関する「交差点情報」のうち、通行人及び車両に必要な情報のみを選択することができる。
【0095】
また、IDとパスワードを用いて、交差点が属する自治体以外の者が「交差点情報」の「位置情報」及び「地形情報」、「規制情報」の登録及び更新を行うことができないように、交差点コンピュータ100にアクセス制御部107を具備せることにより、「交差点情報」の不正改ざんを防ぐことができる。
【0096】
また、「住民情報」を用いて、交差点の近隣住民以外の者が「交差点情報」の「周辺情報」の登録及び更新を行うことができないように、交差点コンピュータ100にアクセス制御部107を具備せることにより、「交差点情報」の「周辺情報」として不適切な情報、すなわち交差点の周辺ではない情報が不用意に登録されないようにできる。また、だれが登録したかを確認できる。
【0097】
また、交差点毎に配置した交差点コンピュータ100を相互接続させることで交差点ネットワーク700を形成し、隣接する交差点に関する「交差点情報」を交差点コンピュータ100間でやり取りすることで、より広範囲で関連する「交差点情報」を、交差点に接近する車両や通行人などに通知することができる。
【0098】
[2.第2実施形態]
[1.1 交差点情報管理システムの構成及び機能概要]
次に、第2実施形態に係る交差点情報管理システムS2の構成及び概要機能について、図11を用いて説明する。
【0099】
図11は、第2実施形態に係る交差点情報管理システムS2の概要構成の一例を示す図であり、同図において、図2と同様の要素については同様の符号を付してある。
【0100】
図11に示すように、交差点情報管理システムS2の構成は、通行人Aが利用する携帯端末500と、車両Bに搭載される車載コンピュータ600とが削除されている一方、交差点の進入路に設置された電光掲示式交差点案内標識900が追加され、且つ、電光掲示式交差点案内標識900と交差点コンピュータ100とはネットワーク800を介して相互接続されている点において、第1実施形態における交差点情報管理システムS1の構成と相違する。
【0101】
また、第1実施形態では、交差点コンピュータ100から各進入路に向けて送信された「交差点情報」を、交差点に近づいた通行人Aの携帯端末500及び車両Bの車載コンピュータ600が受信することで通行人Aまたは車両Bへ通知することを前提にしていた。
【0102】
しかし、第2実施形態ででは、携帯端末500を持たない通行人や車載コンピュータ600を搭載しない車両等にも、最新の「交差点情報」を通知するために電光掲示式交差点案内標識を利用して「交差点情報」を通知することになる。
【0103】
次に、電光掲示式交差点案内標識900の構成及び機能について説明する。なお、図12は、電光掲示式交差点案内標識900の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0104】
電光掲示式交差点案内標識900は、「交差点情報」を電光掲示するために、交差点への進入路に設置された交差点案内標識である。
【0105】
図12に示すように、電光掲示式交差点案内標識900は、交差点コンピュータ100から得られた「交差点情報」を記憶するとともに、各種データ及びプログラム等を記憶する記憶部901(例えば、フラッシュメモリ等)と、得られた「交差点情報」を表示する表示部902(例えば、電光掲示板等)と、ネットワーク800等に接続して通信を制御するネットワーク接続部903と、電光掲示式交差点案内標識900の現在位置を割り出すGPS等の現在位置取得部905と、CPU、ROM、RAM等を備えるシステム制御部906と、を備え、各部はバスを介して相互に接続されている。
【0106】
[2.2 交差点情報管理システムの動作]
次に、交差点情報管理システムの動作について、図13を用いて説明する。
【0107】
第2実施形態においては、通行人Aまたは車両Bの運転者が「交差点情報」を確認する際における動作(図10)に相当するものが、以下に説明する、電光掲示式交差点案内標識900が「交差点情報」を表示する際における動作となる点が、第1実施形態と相違する。
【0108】
一方、自治体Cが「交差点情報」の登録・更新を行う際における動作及び近隣住民Dが「交差点情報」の登録・更新を行う際における動作については、第1実施形態における動作と同一であるので(図8及び図9)、これらについての説明は省略する。
【0109】
図13は、第2実施形態に係る交差点情報管理システムS2の、電光掲示式交差点案内標識900が「交差点情報」を表示する際における処理の一例を示すフローチャートである。
【0110】
図13に示すように、先ず、交差点の各進入路に設置される電光掲示式交差点案内標識900のシステム制御部906は、交差点コンピュータ100から「交差点情報」を取得する際に、ネットワーク接続部903を制御して交差点コンピュータ100に接続し、「交差点情報」を要求すると(ステップD1)、これに応答して交差点コンピュータ100は、交差点コンピュータ100に登録されている「交差点情報」を電光掲示式交差点案内標識900に送信する(ステップD2)。
【0111】
電光掲示式交差点案内標識900のシステム制御部906は、交差点コンピュータ100から「交差点情報」を受信した後、電光掲示式交差点案内標識900の現在地を現在位置取得部905から取得し(ステップD3)、電光掲示式交差点案内標識900の現在地と受信した「交差点情報」の「位置情報」を元に、交差点コンピュータ100が対応する交差点からの電光掲示式交差点案内標識900への方位を算出する(ステップD4)。
【0112】
次いで、電光掲示式交差点案内標識900のシステム制御部906は、受信した「交差点情報」の「規制情報」や「周辺情報」に付加された「進入路情報」と、ステップD4において算出した方位とを比較することで、電光掲示式交差点案内標識900が設置された進入路を特定し(ステップD5)、特定された進入路を元に「交差点情報」をフィルタリングし(例えば、「交差点情報」のうち、特定された進入路(電光掲示式交差点案内標識900が設置されている進入路)に関する情報のみを抽出する)、表示部902に「交差点情報」を表示する(ステップD6)。
【0113】
なお、電光掲示式交差点案内標識900の表示内容として、交差点コンピュータ100が隣接する交差点コンピュータ200などの「交差点情報」をも表示する場合には、ステップD2で交差点コンピュータ100が「交差点情報」を送信する際に、自己が対応する交差点に隣接する交差点を特定し、交差点ネットワーク700を介して、特定されたされた交差点に対応する交差点コンピュータ200から「交差点情報」を受信して、これも合わせて電光掲示式交差点案内標識900に送信することで実現可能である。
【0114】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1実施形態における効果に加えて、携帯端末500を持たない通行人や車載コンピュータ600を搭載しない車両に向けて、交差点への進入路毎に設置された電光掲示式交差点案内標識900を利用して、常に最新の「交差点情報」を通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】(a)は、実際の地図の一例を示す図であり、(b)は、交差点ネットワークの一例を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る交差点情報管理システムS1の概要構成の一例を示す図である。
【図3】第1実施形態に係る交差点コンピュータ100の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図4】サーバ端末300の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図5】端末400の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図6】携帯端末500の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図7】車載コンピュータ600の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図8】第1実施形態に係る交差点情報管理システムS1の、自治体Cが「交差点情報」の登録・更新を行う際における処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】第1実施形態に係る交差点情報管理システムS1の、近隣住民Dが「交差点情報」の登録・更新を行う際における処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】第1実施形態に係る交差点情報管理システムS1の、通行人Aまたは車両Bの運転者が「交差点情報」を確認する際における処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】第2実施形態に係る交差点情報管理システムS2の概要構成の一例を示す図である。
【図12】電光掲示式交差点案内標識900の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図13】第2実施形態に係る交差点情報管理システムS2の、電光掲示式交差点案内標識900が「交差点情報」を表示する際における処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0116】
100 、200 交差点コンピュータ
101 記憶部
102 表示部
103 操作部
104 通信部
105 ネットワーク接続部
106 現在位置取得部
107 アクセス制御部
108 システム制御部
300 サーバ端末
301 記憶部
302 表示部
303 操作部
304 ネットワーク接続部
305 システム制御部
400 端末
401 記憶部
402 表示部
403 操作部
404 ネットワーク接続部
405 システム制御部
500 携帯端末
501 記憶部
502 表示部
503 操作部
504 通信部
505 ネットワーク接続部
506 現在位置取得部
507 システム制御部
600 車載コンピュータ
601 記憶部
602 表示部
603 操作部
604 通信部
605 ネットワーク接続部
606 現在位置取得部
607 システム制御部
700 交差点ネットワーク
800 ネットワーク
900 電光掲示式交差点案内標識
901 記憶部
902 表示部
903 ネットワーク接続部
904 現在位置取得部
906 システム制御部
S1、S2 交差点情報管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差点毎にそれぞれ対応する交差点情報管理装置であって、対応する交差点に関連する交差点情報をそれぞれが管理する複数の交差点情報管理装置がネットワークに接続された交差点情報管理システムにおける交差点情報管理方法であって、
前記交差点情報管理装置が、自己が備える記憶手段に記憶されている前記交差点情報の更新を、対応する交差点が位置する場所に関連する者に対して許可する許可工程と、
前記交差点情報管理装置が、前記許可された者からの入力に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報を更新する更新工程と、
前記交差点情報管理装置が、前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報を交差点情報提示装置に送信する送信工程と、
前記交差点情報提示装置が、前記交差点情報管理装置から送信された前記交差点情報を受信する受信工程と、
前記交差点情報提示装置が、前記受信された交差点情報を道路利用者に対して提示する提示工程と、
を備えることを特徴とする交差点情報管理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の交差点情報管理方法において、
前記許可工程において、前記交差点情報管理装置は、更新者からの入力に基づいて識別情報及びパスワードを取得し、前記取得された識別情報及びパスワードに基づいて、更新者が、対応する交差点が位置する地域を治める自治体であるか否かを判定し、更新者が前記自治体である場合には、当該自治体に対して前記交差点情報の更新を許可することを特徴とする交差点情報管理方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の交差点情報管理方法において、
前記交差点情報は、対応する交差点の位置を示す位置情報を含み、
前記許可工程において、前記交差点情報管理装置は、更新者の住所を少なくとも示す住民情報を、当該更新者からの入力に基づいて取得し、更新者が、対応する交差点が位置する場所付近の住民であるか否かを当該交差点が位置する地域を治める自治体に属するサーバに問い合わせ、更新者が前記住民である場合には、当該住民に対して前記交差点情報の更新を許可することを特徴とする交差点情報管理方法。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の交差点情報管理方法において、
前記交差点情報は、対応する交差点の位置を示す位置情報と、当該交差点への進入路の当該交差点からの方位を示す進入路情報と、を含み、
前記交差点情報提示装置が現在位置を取得する現在位置取得工程を更に備え、
前記提示工程において、前記交差点情報提示装置は、前記取得された現在位置と、前記交差点情報管理装置から受信された前記交差点情報に含まれる前記位置情報及び前記進入路情報と、に基づいて、道路利用者が交差点に進入するために通っている進入路、または、当該交差点情報提示装置自身が位置する進入路の少なくとも何れか一方を特定し、前記受信された交差点情報のうち、前記特定された進入路に対応する情報を道路利用者に対して提示することを特徴とする交差点情報管理方法。
【請求項5】
請求項4に記載の交差点情報管理方法において、
前記送信工程において、前記交差点情報管理装置は、対応する交差点に隣接する交差点に対応する他の前記交差点情報管理装置から、当該他の交差点情報管理装置が管理する前記交差点情報を受信し、前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報と、前記受信された交差点情報と、を前記交差点情報提示装置に送信することを特徴とする交差点情報管理方法。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の交差点情報管理方法において、
交差点毎に対応して前記交差点情報管理装置がそれぞれ設けられているとともに、道路から道路以外への入口または出口の少なくとも何れか一方毎に対応して前記交差点情報管理装置がそれぞれ設けられていることを特徴とする交差点情報管理方法。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の交差点情報管理方法において、
前記交差点情報提示装置は、携帯用の端末装置、車両に搭載可能な端末装置及び道路に沿って設置される交差点案内情報表示装置の少なくとも何れか一つであることを特徴とする交差点情報管理方法。
【請求項8】
ネットワークに接続可能であり、自己が対応する1の交差点に関連する交差点情報を管理する交差点情報管理装置において、
前記交差点情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報の更新を、対応する交差点が位置する場所に関連する者に対して許可する許可手段と、
前記許可された者からの入力に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報を更新する更新手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報を、当該交差点情報を道路利用者に提示する交差点情報提示装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする交差点情報管理装置。
【請求項9】
ネットワークに接続可能であり、自己が対応する1の交差点に関連する交差点情報を管理する交差点情報管理装置に含まれるコンピュータを、
前記交差点情報管理装置が備える記憶手段に記憶されている前記交差点情報の更新を、対応する交差点が位置する場所に関連する者に対して許可する許可手段、
前記許可された者からの入力に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報を更新する更新手段、
前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報を、当該交差点情報を道路利用者に提示する交差点情報提示装置に送信する送信手段、
として機能させることを特徴とする交差点情報管理処理プログラム。
【請求項10】
交差点毎にそれぞれ対応する交差点情報管理装置であって、対応する交差点に関連する交差点情報をそれぞれが管理する複数の交差点情報管理装置がネットワークに接続された交差点情報管理システムにおいて、
前記交差点情報管理装置は、
前記交差点情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報の更新を、対応する交差点が位置する場所に関連する者に対して許可する許可手段と、
前記許可された者からの入力に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報を更新する更新手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記交差点情報を交差点情報提示装置に送信する送信手段と、を備え、
前記交差点情報提示装置は、
前記交差点情報管理装置から送信された前記交差点情報を受信する受信手段と、
前記受信された交差点情報を道路利用者に対して提示する提示手段と、
を備えることを特徴とする交差点情報管理システム。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図2】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−210858(P2009−210858A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54497(P2008−54497)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】