説明

交感神経賦活物質のスクリーニング方法

【課題】副腎髄質からのアドレナリン及びノルアドレナリンの分泌を促進せずに、末梢交感神経系を賦活する物質を探索する方法を提供する。
【解決手段】VR1の活性化を促進又は調節する活性を有する被検物質を用意し、被検物質を被検動物に経口投与し、副腎由来のアドレナリン及びノルアドレナリンの分泌を促進しない物質を選別することにより、末梢組織の交感神経系賦活物質をスクリーニングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な作用メカニズムの交感神経賦活物質をスクリーニングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の健康ブームの高まりに伴い、ダイエット食品に関するニーズは日々高まっている。ダイエット食品の中には、リパーゼ阻害などのカロリー吸収を抑制するものと、交感神経賦活作用を介し、エネルギー消費を促進するものなどが含まれる。このうち、エネルギー消費を促進するダイエット食品の中には、エフェドラのようにアドレナリン分泌を促進し心血管系に対する作用を持つ物質も含まれ、突然死や不整脈などの副作用からその販売が禁止されるなど、一律に交感神経系を賦活化することの危険性が懸念されている(非特許文献1)。
【0003】
一方、トウガラシ類は、古くより交感神経系賦活作用を有する化合物を含有することが知られている。中でも、カプサイシンは、辛味の主要成分としてよく知られており、さらに、鎮痛作用や抗炎症作用を有することも知られている。カプサイシンが作用する受容体として1997年にバニロイド受容体サブタイプ1(以下、「VR1」という。)がクローニングされた(非特許文献2)。カプサイシンは、VR1に結合することにより末梢の侵害受容器を活性化し、交感神経系を賦活化することから、体脂肪蓄積を抑制する目的でダイエット食品に適用されてきた。しかし、カプサイシンが活性化する器官には副腎髄質が含まれ、副腎髄質由来のアドレナリン分泌を刺激すること、またカプサイシンは経口摂取後は生体内に吸収されて末梢に分布する侵害受容器を非特異的に活性化し血圧や心拍数に影響を与えうることから、心疾患リスクのある肥満を有するヒトでの摂取については副作用が懸念されている。
【0004】
カプサイシンに類似の成分として、辛くない唐辛子に含有されるカプシエイト(4-hydroxy-3-methoxybenzyl (E)-8-methyl-6-nonenoate)、ジヒドロカプシエイト(4-hydroxy-3-methoxybenzyl 8-methylnonanoate)などのカプシノイド類も知られている。カプシノイド類は、カプサイシノイド様物質とも呼ばれるように、辛味を有するカプサイシンと類似の構造を持ちながら、カプサイシンと同様に、VR1結合能があり辛味を呈さずに代謝向上作用を有するダイエット成分として近年注目されている(特許文献1)。しかし、カプシノイド類の作用メカニズムに関しては、血液中や中性pHの水溶液中では速やかに加水分解されることから、経口摂取後どこで受容されどのように代謝を亢進するのか、未だ不明な点も多い。
【0005】
また、カプシノイドを血中投与すると、副腎のアドレナリン分泌を促進することが知られている(非特許文献3)。しかし、カプシノイドを経口投与したときに、副腎髄質からのアドレナリン及びノルアドレナリンの分泌を促進せずに、末梢交感神経系を賦活することは知られていない。
【特許文献1】特開平11-246478号
【非特許文献1】Shekelle PG, et al., JAMA. 2003 Mar 26;289(12):1537-45
【非特許文献2】Michael J. Caterina, et al., Nature, 1997; 389, 816-824
【非特許文献3】kazuo Iwai, et al.,Proc. Japan Acad. 2003; 79(7), 207−212.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、副腎髄質からのアドレナリン及びノルアドレナリンの分泌を促進せずに、末
梢交感神経系を賦活する物質を探索する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、エネルギー消費促進作用を有することで知られている、辛いトウガラシ成分であるカプサイシノイド、および、カプサイシンと類似の構造を持ちながら辛味を有さないカプシノイドについてその生理作用を比較検討したところ、交感神経賦活作用を媒介するVR1受容体刺激のうち、カプシノイド類は、副腎髄質由来のアドレナリン分泌を促進せず、かつ筋肉などの末梢組織における末梢交感神経終末由来のノルアドレナリン代謝を促進する化合物であることを見出した。すなわち、同じVR1受容体刺激活性を有する化合物の中に、従来存在が確認されていなかった末梢交感神経系において特異的な賦活活性を有する化合物の存在が確認され、このような化合物を使用することにより、副腎髄質由来のアドレナリンによらない、筋肉などの末梢組織を支配する末梢交感神経系特異的な賦活刺激が可能であることを見出した。さらには、消化管において吸収され難い化合物を選択することにより、生体内の侵害受容器を非特異的に刺激することなく、消化管に分布するVR1受容体を特異的に刺激し上記の特性を保持することが可能であることも見出した。すなわち、かかるカプシノイド類の生理作用のメカニズムに関する知見を応用し、新規な作用機序を有する、安全かつ有効な交感神経賦活物質をスクリーニングする方法に関する本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)末梢組織の交感神経系賦活物質をスクリーニングする方法であって、
VR1の活性化を促進又は調節する活性を有する被検物質を用意し、被検物質を被検動物に経口投与し、副腎由来のアドレナリン及びノルアドレナリンの分泌を促進しない物質を選別することを特徴とする方法。
(2)さらに、前記選別された物質を消化管モデル系に接触させ、消化管からの吸収性が低い化合物を選別する工程を含む、前記の方法。
(3)前記アドレナリン及びノルアドレナリンの分泌を促進しない物質の選別を、末梢血への3−メトキシ−4−ハイドロキシフェニルグリコールの分泌を促進する物質を選別することにより行う、前記の方法。
(4)前記末梢血への3−メトキシ−4−ハイドロキシフェニルグリコールの分泌を促進する物質の選別を、
前記VR1の活性化を促進又は調節する活性を有する被検物質を、迷走神経切断動物と正常動物に投与し、迷走神経切断動物の方が正常動物よりも末梢血への3−メトキシ−4−ハイドロキシフェニルグリコールの分泌が少ない物質を選別することにより行う、前記の方法。
(5)前記VR1の活性化を促進又は調節する活性を有する被検物質の用意を、VR1を発現する細胞系に、候補物質又は候補物質とVR1アゴニストを接触させて、VR1の活性化を測定し、VR1の活性化を促進又は調節する活性を有する物質を選別することにより行う、前記の方法。
(6)前記消化管モデル系が、消化管由来の細胞系、動物由来の消化管標本、動物由来の消化管内腔からなる群から選択される、前記の方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によって、副腎髄質からのアドレナリン及びノルアドレナリンの分泌を促進せずに、末梢交感神経系を賦活する物質を探索することができる。また、本発明により、有望なダイエット食品が提供され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の方法は、末梢組織の交感神経系賦活物質をスクリーニングする方法であって、VR1の活性化を促進又は調節する活性を有する被検物質を用意し、被検物質を被検動物
に経口投与し、副腎由来のアドレナリン及びノルアドレナリンの分泌を促進しない物質を選別することを特徴とする方法である。本発明のスクリーニング対象である末梢組織の交感神経系賦活物質は、VR1の活性化を促進又は調節する活性を有する物質であって、かつ、経口投与したときに副腎由来のアドレナリン及びノルアドレナリンの分泌を促進しない物質である。
【0011】
VR1は、カプサイシン受容体、またはTransient Receptor Potnetial Vanilloid Receptor 1(TRPV1)とも呼ばれる。
VR1の活性化を促進又は調節する活性を有する被検物質は、例えば、VR1を発現する細胞系に、候補物質を接触させ、VR1の活性化を測定し、VR1を活性化する物質を選択することによって、得ることができる。
【0012】
VR1を発現する細胞系は、例えば、VR1をコードする遺伝子を含むベクター等を用いて各種細胞株、例えばアフリカツメガエル卵母細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、baby hamster kidney (BHK)細胞、human embryonic kidney (HEK)細胞、Sf-9 insect細胞、PC12細胞、CACO-2細胞等を形質転換することにより得ることができる(非特許文献2)。また、VR1をコードするDNAを染色体DNAに組み込み、VR1を永久的に発現させる場合には、上記の細胞のうち、アフリカツメガエル卵母細胞以外の細胞が使用可能である。これらの細胞にVR1をコードするDNAを導入する方法としては公知の方法を用いることができる。細胞へのDNAの導入等の操作に必要な技術は、Sambrook, J., Fritsch, E. F., and Maniatis, T., "Molecular Cloning A Laboratory Manual, Second Edition", Cold Spring Harbor Laboratory Press, (1989)等に記載されている。
【0013】
VR1は、カプサイシン又はカプシノイドを受容し、カルシウム、ナトリウムなどのカレント変化や膜電位の変化を惹起するするものである限り、ヒト、サル、ラット、マウス、イヌ、ウシ、ウサギ等の哺乳類、鳥類、魚類又はその他いかなる動物由来のタンパク質であってもよく、またこれらのバリアントであってもよい。なお、VR1のアミノ酸配列は、Accetion no: CAB89866(ヒト)、NP_058903(ラット)としてGenBankに登録されている。また、VR1をコードする遺伝子の塩基配列は、Accetion no: AJ272063(ヒト)、NM_017207(ラット)としてGenBankに登録されている。ヒトのVR1をコードする塩基配列を配列番号1に、VR1のアミノ酸配列を配列番号2に示す。
【0014】
VR1は、その活性が失われない限り、1または複数の位置において1または複数のアミノ酸の欠失、置換、挿入または付加を含むタンパク質であってもよい。「複数の」アミノ酸の数は、アミノ酸のタイプまたはタンパク質の三次元構造におけるアミノ酸残基の位置によって異なるが、「複数の」アミノ酸の数は、2〜50、好ましくは2〜25、より好ましくは2〜10、特に好ましくは2〜5である。VR1と実質的に同じタンパク質をコードするDNAは、例えばVR1をコードする塩基配列、例えば配列番号1の改変により得られる。アミノ酸配列の改変は、例えば、部位特異的変異誘発法を使用することができ、その結果、アミノ酸残基(単数または複数)の欠失、置換、挿入または付加が特定部位で行われる。このような改変DNAは、従来法により、例えば突然変異を発生させる試薬または他の条件で処理することにより得ることができる。そのような方法としては、ヒドロキシアミンによるVR1をコードするDNAの処理、又はUV照射、またはN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジンもしくは亜硝酸のような試薬による前記DNAを保持する細菌の処理が挙げられる。
【0015】
VR1をコードするDNAは、ヒト以外の動物のホモログであってもよい。そのようなVR1ホモログは、ストリンジェントな条件下で配列番号1またはその一部の塩基配列とハイブリダイズし、かつVR1活性を有するタンパク質をコードするDNAを単離することにより得ることができる。「ストリンジェントな条件」という用語は、いわゆる特異的
ハイブリッドが形成され、かつ非特異的ハイブリッドが形成されない条件を包含する。例えば、ストリンジェントな条件としては、高い相同性を有するDNA、例えば70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性を有するDNAが互いにハイブリダイズする条件が挙げられる。あるいは、ストリンジェントな条件としては、サザンハイブリダイゼーション用の通常の洗浄条件、例えば60℃、1×SSC、0.1%SDS,好ましくは0.1×SSC、0.1%SDSを含む条件を挙げることができる。プローブとして、配列番号1のヌクレオチド配列の部分配列も使用することができる。そのようなプローブは、プライマーとして配列番号1のヌクレオチド配列に基づいて調製されるオリゴヌクレオチド、および鋳型として配列番号1のヌクレオチド配列を含有するDNAフラグメントを用いたPCRにより調製され得る。約300bp長のDNAフラグメントをプローブとして使用する場合、ハイブリダイゼーションの洗浄条件は、例えば50℃、2×SSC、および0.1%SDSである。
【0016】
VR1の活性化を促進又は調節する活性を有する被検物質は、その候補物質を上記のようなVR1を発現する細胞系に接触させ、VR1の活性化を測定し、VR1を活性化する物質を選択することによって、得ることができる。本発明において「候補物質」とは、このように、VR1の活性化を促進又は調節する活性を有する物質を得るための候補であり、「被検物質」とは、VR1の活性化を促進又は調節する活性を有することが確認された物質である。
【0017】
候補物質は、いかなる公知化合物及び新規化合物であってもよく、例えば、核酸、糖質、脂質、タンパク質、ペプチド、有機低分子化合物、コンビナトリアルケミストリー技術を用いて作製された化合物ライブラリー、固相合成やファージディスプレイ法により作製されたランダムペプチドライブラリー、あるいは微生物、動植物、海洋生物等由来の天然成分等が挙げられる。候補物質は単一の物質であってもよく、複数の物質の混合物であってもよい。
【0018】
VR1を活性化する物質は、VR1の活性促進物質であるVR1アゴニスト、または、モジュレータであり、モジュレータには、VR1のアゴニスト活性を拡張する働きをする物質も含まれる。本発明においては、VR1の活性化を促進又は調節する活性を有する被検物質は、VR1アゴニストであっても、VRの1モジュレータであってもよい。VR1の活性化の測定は、例えば、VR1に候補物質を接触させ、VR1に候補物質が結合することによって生じる膜電位の変化を測定することによって、測定することができる。また、VR1に候補物質とVR1アゴニスト、又はVR1とVR1アゴニスト及び候補物質とを接触させ、VR1にVR1アゴニストが結合することによって発生する膜電位を測定し、候補物質の有無による膜電位の変化を測定することによっても、VR1の活性化を測定することができる。ここで、VR1アゴニストにはVR1リガンドも含まれる。
【0019】
また、セカンドメッセンジャーを検出する代わりに、既知のVR1アゴニストを標識したものを用い、標識アゴニストとVR1との結合を測定し、候補物質による前記結合の阻害を検出することによっても、VR1を活性化する物質を得ることができる。
【0020】
VR1アゴニストとしては、例えばカプサイシン、オルバニル、及びカプシノイドが挙げられる。カプシノイドとしては、カプシエイト、ジヒドロカプシエイト、ノルジヒドロカプシエイト、及びバニリルデカノエイト、バニリルノナノエイト、バニリルオクタノエイト等の、カプシエイトやノルジヒドロカプシエイトと同程度の脂肪酸鎖長を有する、各種直鎖あるいは分岐鎖脂肪酸とバニリルアルコールの脂肪酸エステルが挙げられる。カプシエイト(4-hydoxy-3-methoxybenzyl (E)-8-methyl-6-nonenoate。以下、「CST」と略する場合がある)、ジヒドロカプシエイト(4-hydroxy-3-methoxybenzyl 8-methylnonanoate。以下、「DCT」と略する場合がある)、ノルジヒドロカプシエイト(4-hydroxy-3-meet
hoxybenzyl 7-methyl-octanoate。以下、「NDCT」と略する場合がある)は、それぞれ以下の化学式を有する。
【0021】
【化1】

【0022】
【化2】

【0023】
【化3】

【0024】
カプシノイドは、トウガラシ属に属する植物体に多く含まれるものであるため、トウガ
ラシ属に属する植物体(以下、「トウガラシ」という。)の植物体および/または果実から精製・分離することによって調製することができる。精製に使用するトウガラシは、「日光」、「五色」等に代表される在来の辛味を有するトウガラシ品種由来でも良いが、カプシノイドを含有するトウガラシであれば、どのような種類のトウガラシであっても使用可能である。中でも、「CH-19甘」、「万願寺」、「伏見甘長」、ししとう、ピーマン等に代表される在来の無辛味品種のトウガラシには、カプシノイドが多く含まれており、好適に用いることができる。更に、無辛味品種である「CH-19甘」を用いるのが、該成分の含有量が高いために特に好ましい。ここで、「CH-19甘」の用語は、「CH-19甘」及び「CH-19甘」に由来する後代類縁品種等を含むものであって、本明細書において「CH-19甘」とはこれら全てを含む意味に用いられる。
【0025】
「CH-19甘」は、辛味の少ないトウガラシとして、矢澤等により選抜固定されたトウガラシの無辛味固定品種であり、一般のトウガラシ類の辛味や侵襲性を有するカプサイシノイド類化合物(カプサイシン、ジヒドロカプサイシン等)(以下単に「カプサイシノイド」ということがある。)はほとんど含まれていないため、経口摂取用の嚥下障害改善剤の原料としては特に好ましい。また、「CH-19甘」は、CST、ECT及びNDCTを多量に含有している(特開平11−246478)点からも、好ましい。
また、カプシノイドは、他のトウガラシ属に属する植物中にも存在することが確認されている(園芸学会雑誌58、601-607)。
【0026】
上記トウガラシ属に属する植物からのカプシノイドの精製・分離は、当業者にとって良く知られた溶媒抽出や、シリカゲルクロマトグラフィー等の各種のクロマトグラフィー、調製用高速液体クロマトグラフィー等の手段を単独、または適宜組み合わせることにより行うことができる。具体的には例えば、トウガラシ植物体を酸性条件下でエタノール抽出し、吸着剤へ吸着後、酸性物質を含むエタノールで溶離、減圧濃縮を経て分離精製することが可能である(特開2004−18428号公報)。具体的には、例えば、「CH-19甘」等のトウガラシの果実を乾燥し、酢酸エチル、ヘキサン等の各種有機溶媒を用いて抽出し、得られる抽出油を分子蒸留することにより、カプシノイドを含む画分を得ることができる。
【0027】
また、例えば特開平11−246478号公報に記載のような、対応する脂肪酸エステルとバニリルアルコールを出発原料としたエステル交換反応により合成することもできる。又は、その構造式に基づいて、当業者にとって周知のその他の反応手法により合成することも可能である。更には、カプシノイドは、酵素を用いる合成法により容易に調製することもできる。すなわち、例えば、特開2000−312598号公報や、Kobataら(Biosci. Biotechnol. Biochem., 66(2), 319-327, 2002)記載の方法により、所望する化合物に対応する脂肪酸のエステルおよび/又は当該脂肪酸を有するトリグリセリド等の化合物とバニリルアルコールを基質としたリパーゼの逆反応を利用することにより、所望のカプシノイド化合物を得ることができる。また、カプシノイドの定量分析は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて適宜分析可能である。HPLCの諸条件は当業者であれば容易に設定可能であるが、例えば、特開2004−18428号公報記載の方法にて実施することも可能である。
【0028】
上記のようにして得られるVR1の活性化を促進又は調節する活性を有する被検物質を被検動物に経口投与し、副腎由来のアドレナリン及びノルアドレナリンの分泌を促進しない物質を選別する。目的とする物質は、例えば、被検物質を投与した動物の血中のアドレナリン及びノルアドレナリン濃度を測定し、投与前後で濃度に変化がみられない物質を選別することによって、得ることができる。具体的には、例えば、動物の静脈内に予めカテーテルを留置しておき、無麻酔無拘束の状態で被検物質を経口投与し、投与前と投与後の血液を採取し、血清または血漿中のカテコラミン濃度を高速液体クロマトグラフィーなど
を用いて測定する。被検動物としては、例えば、サル、ラット、マウス、イヌ、ウシ、ウサギ等が挙げられる。
【0029】
また、アドレナリン及びノルアドレナリンの分泌を促進しない物質の選別は、被検物質を投与した動物の血中の3−メトキシ−4−ハイドロキシフェニルグリコール(3-methyl-4-hydroxyphenylglycol;MHPG)の濃度を測定し、MHPG濃度を上昇させる物質を選別することによっても行うことができる。通常状態の動物では、血中のMHPGは検出限界以下であるので、有意な濃度のMHPGが検出されれば、MHPG濃度は上昇したと判断することができる。
【0030】
また、被検物質を迷走神経切断動物と正常動物に投与し、迷走神経切断動物の方が正常動物よりも血中MHPG濃度が低い物質を選別してもよい。
【0031】
さらに、上記のようにして選別される物質を、消化管モデル系に接触させ、消化管からの吸収性が低い化合物を選別することが好ましい。消化管からの吸収性が低い化合物は、生体内の侵害受容器に対する非特異的な刺激を防ぐことができる。前記消化管モデル系としては、消化管由来の細胞系、動物由来の消化管標本、及び動物由来の消化管内腔等が挙げられる。消化管透過性は、具体的には、例えばラットなどの動物の消化管内に被検物質を投与し、経時的に門脈血あるいは静脈血を採取して被検物質の濃度を測定することにより、又は、試験管内に再構築された腸管上皮層もしくは動物から採取した腸管を用いて、その管腔側に被検物質を暴露した後の漿膜側の被検物質の濃度を測定することにより評価することができる。
【0032】
VR1リガンドとして知られている物質のうちカプサイシンは、VR1に結合し、侵害受容器を興奮させることによって交感神経系を賦活化する。その結果、副腎髄質からアドレナリン及びノルアドレナリンが分泌され、心拍や血圧が上昇する。同様に、カプシノイドを血中投与すると、副腎髄質からアドレナリン及びノルアドレナリンが分泌される。一方、カプシノイドを経口投与すると、副腎髄質からのアドレナリン及びノルアドレナリンの分泌は促進されず、血中のMHPG濃度が上昇する。末梢交感神経末端から放出されたノルアドレナリンは、神経組織に再び取り込まれ、代謝産物として放出された3,4−ジヒドロキシフェニルグリコール(DHPG)が標的組織(筋肉など)でさらに代謝され、最終産物としてMHPGが血中に放出されることが知られている。MHPGは血中の存在量のほとんどが筋肉組織由来であることが報告されており(Lambert GW, et al., Journal of the Autonomic Nervous System. 1995. 55:169-78)、血中にアドレナリンやノルアドレナリンを注入してもMHPGは増加し難いことが知られている(Eisenhofer G, et al., Journal of the Autonomic Nervous System. 1994. 50:93-107)。このように、血中MHPG濃度は、末梢交感神経活性の指標となり得る。
【0033】
実施例に示すように、カプシエイトの経口投与による血中MHPG濃度の上昇は、迷走神経切断によって抑制された。さらに、副腎髄質を摘出しても、カプシエイト投与後の血中MHPG濃度には影響が認められなかった。これらの結果は、カプサイシンが副腎髄質のアドレナリン分泌を亢進させるのに対し、カプシエイトは副腎髄質のアドレナリン分泌を刺激することなく筋肉等の末梢組織を支配する交感神経系を賦活化して、ノルアドレナリン代謝を促進することを示す。またカプシエイトによる上記の効果が迷走神経を介していることから、カプシエイトは消化管で受容され、上行性の神経経路を介して上記の作用を発揮することが示唆される。このような、迷走神経からの神経経路を介した交感神経系の選択的活性化経路が存在することはこれまでに知られておらず、この経路に作用する物質として、カプシノイドがより安全かつ有効な交感神経賦活剤として活用できることを示唆するものである。
【0034】
本発明の方法により選別される物質は、筋肉などの末梢組織を支配する末梢交感神経を特異的に賦活化することにより、エネルギー代謝を亢進し体脂肪蓄積を抑制することができる。さらには、生体内への吸収性が低い化合物を選別することにより、末梢に分布する侵害受容器を非特異的に活性化することによる血圧や心拍数への影響を避けることができる。
【0035】
本発明により得られた物質を動物に投与し、体脂肪蓄積を抑制することを確認された物質は、体脂肪減少、又は肥満防止もしくは肥満改善のためのサプリメント、医薬、飲食品又は動物用医薬品、動物用栄養補助食品などに用いることができる。
【実施例】
【0036】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
尚、以下の実施例において、カプサイシンは和光純薬社製のものを使用した。実施例1、2において、カプシノイドは、Kobataら(Biosci. Biotechnol. Biochem., 66(2), 319-327, 2002)記載の方法に準じ、カプサイシンを含水メタノール性塩酸中で環流することにより得た脂肪酸メチルとバニリルアルコールを出発物質として酵素的に合成したものを使用した。具体的には、脂肪酸メチルとバニリルアルコールのモル比は1:5、用いた酵素は固定化リパーゼ(製品名:Novozyme435、ノボザイム社製)、反応条件は25℃、45時間で合成した。純度はカプシノイドとして88%、カプシエイトとジヒドロカプシエイトの比は2.15:1であった。
【0037】
〔実施例1〕
12時間明暗周期に馴化した8週齢の雄性Wistarラットの頚静脈内にカテーテルを留置し、術後回復の後20時間絶食し、暗期開始3時間後より以下の実験を開始した。迷走神経切断動物を用いる場合には、8週齢の雄性Wistarラットを開腹して迷走神経を横隔膜下にて切断し、縫合後1週間以上回復させたのち、同様に静脈内カテーテルを留置し、実験に供した。偽手術動物を用いる場合は、迷走神経を切除しないことの他は、同様の処置を行った。
【0038】
溶媒 (3%エタノール/10% Tween80/87%生理食塩水) もしくは、同溶媒に溶解させたカプサイシン溶液(投与量15mg/kg体重)、又は前記溶媒に溶解させたカプシエイト溶液(投与量50mg/kg体重又は100mg/kg体重)を経口ゾンデにて強制胃内投与した。投与前および投与後、経時的にカテーテルより800μl採血し、直ちに生理食塩水に懸濁した赤血球を400μl輸血した。採取した血液にはEDTA及び酸化防止剤としてNa2S2O5を添加し、血漿を分離して測定まで-80℃にて保存した。血漿はアルミナ抽出の後、高速液体クロマトグラフおよび電気化学検出器(HPLC-EC)を用いてカテコラミン類の濃度を測定した。以下にアルミナ抽出とHPLC-ECの条件を示す。
【0039】
<アルミナ抽出条件>
血漿300μlに内部標準(3,4-dihydroxybenzylamine)を添加し、攪拌した後、血漿と等量の生理食塩水および活性アルミナ10mg、さらにTris-HCl緩衝液(pH8.6)100μlを添加し、よく攪拌した。遠心後、上清を除去し、沈殿をメタノール200μlで2回、蒸留水で2回洗浄したのち、0.4N HClO4 100μlを添加して攪拌し、上清を採取してHPLC-ECにて分析した。
【0040】
<HPLC-EC分析条件>
分析カラム :Cosmosil 5C18-AR-II(ナカライテスク、φ4.6×250mm)
ガードカラム:Cosmosil Guard column 5C18-AR-II (ナカライテスク、φ4.6×10mm)
カラム温度 :30℃
溶離液 :8%メタノール/50mM K-リン酸緩衝液(100mg/l SOS(Sodium 1-octanesulfo
nate)、0.01mM EDTA)
流速 :1.0ml/min
検出電圧 :0、300mV
注入量 :20μl
【0041】
<結果>
結果を図1及び2に示す。
投与15分後、カプサイシン投与群の血中アドレナリンおよびノルアドレナリン濃度は溶媒投与群にくらべて有意に上昇した(図1)。一方、カプシエイト投与群では、血中アドレナリンおよびノルアドレナリン濃度には溶媒投与群との差異が認められなかった。
【0042】
また、図2に示すように、カプシエイト投与群でのみ、投与180分後にラットの主要なノルアドレナリン代謝物であるMHPGの上昇が認められ(図2−a)、この上昇は迷走神経切断によって有意に抑制された(図2−b。カプシエイト投与量100mg/kg)。溶媒投与群およびカプサイシン投与群の血中MHPG濃度は検出限界以下であった。
【0043】
これらの結果は、カプサイシンが副腎髄質のアドレナリン分泌を亢進させるのに対し、カプシエイトは副腎髄質のアドレナリン分泌を刺激することなく筋肉等の末梢組織を支配する交感神経系を賦活化した結果、ノルアドレナリン代謝を促進することを示す。またカプシエイトによる上記の効果が迷走神経を介していることから、カプシエイトは消化管で受容され、上行性の神経経路を介して上記の作用を発揮することが示唆された。このような、迷走神経からの神経経路を介した交感神経系の選択的活性化経路が存在することはこれまでに知られておらず、この経路に作用する物質として、カプシエイトがより安全かつ有効な交感神経賦活剤として活用できることを示唆するものである。
【0044】
〔実施例2〕
12時間明暗周期に馴化した6週齢の雄性Wistarラットの副腎をエーテル麻酔下で摘出し、1週間の回復期間をおいたのち20時間絶食し、暗期開始3時間後より以下の実験を開始した。
【0045】
溶媒 (3%エタノール/10% Tween80/87%生理食塩水) もしくは、同溶媒に溶解させたカプサイシン溶液(投与量3mg/kg体重又は15mg/kg体重)、又は前記溶媒に溶解させたカプシエイト溶液(投与量15mg/kg体重、50mg/kg体重又は100mg/kg体重)を経口ゾンデにて強制胃内投与した。投与180分後、エーテル麻酔下で鎖骨下静脈より1ml採血し、EDTA及び酸化防止剤としてNa2S2O5を添加し血漿を分離して測定まで-80℃にて保存した。血漿はアルミナ抽出の後、高速液体クロマトグラフおよび電気化学検出器(HPLC-EC)を用いてMHPGの濃度を測定した。アルミナ抽出とHPLC-ECの条件は実施例1と同じとした。
【0046】
<結果>
結果を表1及び図3に示す。
血中のMHPG濃度は、溶媒投与群およびカプサイシン投与群では検出限界以下であったのに対し、カプシエイト投与群では用量依存的な上昇が認められた(表1)。また、アドレナリンおよびノルアドレナリンを血液中に分泌する副腎髄質を摘出しても、カプシエイト投与後の血中MHPG濃度には影響が認められなかった(図3。カプシエイト投与量100mg/kg)。
【0047】
これらの結果は、経口投与したカプシエイトは用量依存的にMHPG分泌を促進すること、カプサイシンにはそのような作用がないことを示している。また、副腎摘出はMHPG濃度に影響を及ぼさないことから、カプシエイトは副腎由来のアドレナリンやノルアドレナリンを介さずにMHPG分泌を促進していることが示された。
【0048】
従来知見として、血中にアドレナリンやノルアドレナリンを注入してもMHPGは増加し難いこと(Eisenhofer G, et. al., Journal of the Autonomic Nervous System. 1994. 50:93-107)、また血中に存在するほとんど全てのMHPGは筋肉組織由来であることが報告されていることから(Lambert GW, et. al., Journal of the Autonomic Nervous System. 1995. 55:169-78)、カプシエイトは、末梢交感神経のなかでも、特に筋肉を支配する交感神経を活性化している可能性が考えられた。
【0049】
【表1】

【0050】
〔実施例3〕
「CH-19甘」の果実を粉砕し、凍結乾燥の後、3倍容のヘキサンを用いてソックスレー抽出器で油分を抽出した。その後溶媒を蒸発乾固し抽出組成物を得た。この抽出組成物に対して25重量%のトリカプリリン(理研ビタミン(株)製 M-2)を添加、大科工業(株)製流下式薄膜分子蒸留装置(蒸発加熱面積0.024m2、コンデンサ面積0.0088m2)を用い、蒸発加熱温度180℃、真空度12〜14Pa、油脂フィード量1.1g/min.の条件で分子蒸留を行い、カプシノイド含量約7.7%の抽出油を得た。この抽出油に含まれるカプシノイドの成分及び比率は、カプシエイト5.6%、ジヒドロカプシエイト1.5%、ノルジヒドロカプシエイト0.6%であった。
7週齢の雄性SD系ラットに、前記カプシノイドをカプシノイドとして10 mg/kg体重及び100mg/kg体重の用量で、絶食下単回経口投与した。投与5、15、30分後及び1、2、4時間後に門脈及び下大動脈から採血した(3匹/時点/投与量)。得た血液は、20mg/mLジクロルボス含有0.5mol/Lクエン酸緩衝液(pH4.3)を添加したチューブに直ちに採取し、氷上に移した。その後遠心操作により血漿を分離し、前処理後、各種カプシノイド(カプシエイト、ジヒドロカプシエイト及びノルジヒドロカプシエイト)の血漿中濃度を高速液体クロマトグラフィ及びタンデム質量分析装置(LC/MS/MS)を用いて測定した。以下に前処理法、分析条件及び結果を示す。
【0051】
<前処理条件>
血漿に内部標準を添加した後、アセトニトリルを加えて遠心し、上清を得た。20mmol/Lリン酸緩衝液(pH3.0)を加え固相抽出後、窒素ガス気流下にて濃縮乾固した。20mmol/Lリン酸緩衝液(pH3.0)/アセトニトリル = 50/50(v/v)を加えて溶解させ、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析に供した。
【0052】
<分析条件>
(LC条件)
HPLC装置 :Agilent 1100 Series(Agilent Technologies)
分析カラム :Inertsil Ph-3、4.6 mm i.d.×150 mm、3 μm(GL Sciences)
ガードカラム :SUMIPAX Filter PG-ODS、4.0 mm i.d.×4 mm、3μm (SCAS)
移動相 :A液/B液:35:65(v/v)、A液:H2O B液:メタノール
流速 :0.8 mL/min
オートサンフ゜ラートレー温度: 4 ℃
カラム温度 : 50 ℃
ハ゛ルフ゛スイッチンク゛ : 0.0〜7.0 minを廃棄し、7.0〜18.0minを質量分析に供した。
試料注入量 : 20μL
分析時間 : 19min
【0053】
(MS/MS条件)
MS/MS装置 :API2000(AB/MDS SCIEX)
イオン化法 :Atmospheric pressure chemical ionization(APCI)、positive
MS/MSモード :Multiple Reaction Monitoring(MRM)
プローブ温度 :450℃
定量範囲 :0.0500μg/mL〜1.00μg/mL
モニターイオン :表2
【0054】
【表2】

【0055】
<結果>
カプシノイドの門脈血漿中及び下大動脈血漿中濃度は、10mg/kg及び100mg/kg投与群の全ての時点において定量限界未満であった。この結果は、カプシノイドは経口摂取されてから生体内に吸収されがたいものであることを示唆している。生体内には広くVR1が存在し、これらにカプサイシン類が作用することによって生体はさまざまな侵害刺激応答を起こす。カプシノイドは、吸収され易いカプサイシンなどと比較すると、安全性の高い物質であると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、新規医薬品候補物質、ダイエット食品素材候補物質、ペット用サプリメント、ペット用食品等の探索に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】カプサイシン(CAP)またはカプシエイト(CST)投与後の血中アドレナリン(a)及びノルアドレナリン(b)の濃度(平均値±標準偏差)の推移を示す図。「*」は、溶媒投与群(Veh)と比べて危険率0.05以下で統計学的に有意な差があることを示す。
【図2】カプシエイト(CST)投与後の血中MHPG濃度を示す図。a):カプシエイト50mg/kg、100mg/kg投与後の血中MHPG濃度(平均値±標準偏差)の推移(各群 n=7)。b):迷走神経切断動物におけるカプシエイト100mg/kg投与180分後の血中MHPG濃度(平均値±標準偏差)を示す図。「*」は、偽手術群と比べて危険率0.05以下で統計学的に有意な差があることを示す。
【図3】副腎摘出動物及び偽手術動物のカプシエイト100mg/kg投与後の血中MHPG濃度(平均値±標準偏差)を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
末梢組織の交感神経系賦活物質をスクリーニングする方法であって、
VR1の活性化を促進又は調節する活性を有する被検物質を用意し、被検物質を被検動物に経口投与し、副腎由来のアドレナリン及びノルアドレナリンの分泌を促進しない物質を選別することを特徴とする方法。
【請求項2】
さらに、前記選別された物質を消化管モデル系に接触させ、消化管からの吸収性が低い化合物を選別する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アドレナリン及びノルアドレナリンの分泌を促進しない物質の選別を、末梢血への3−メトキシ−4−ハイドロキシフェニルグリコールの分泌を促進する物質を選別することにより行う、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記末梢血への3−メトキシ−4−ハイドロキシフェニルグリコールの分泌を促進する物質の選別を、
前記VR1の活性化を促進又は調節する活性を有する被検物質を、迷走神経切断動物と正常動物に投与し、迷走神経切断動物の方が正常動物よりも末梢血への3−メトキシ−4−ハイドロキシフェニルグリコールの分泌が少ない物質を選別することにより行う、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記VR1の活性化を促進又は調節する活性を有する被検物質の用意を、VR1を発現する細胞系に、候補物質又は候補物質とVR1アゴニストを接触させて、VR1の活性化を測定し、VR1の活性化を促進又は調節する活性を有する物質を選別することにより行う、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記消化管モデル系が、消化管由来の細胞系、動物由来の消化管標本、動物由来の消化管内腔からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−232574(P2007−232574A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−54723(P2006−54723)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】