説明

交換台システムにおけるチケット検索およびチケット自動配布方法

【課題】信頼性、生産性、保守性に優れ、且つ資源の再利用が可能な交換台システムにおけるチケット検索およびチケット自動配布方法を提供する
【解決手段】呼処理プロセッサ10の加入者系制御の呼処理のソフトウェアを、各種のUNIプロトコル制御モジュール11と、加入者基本呼制御モジュール12とに分離し、加入者基本呼制御モジュール外付けの交換付加サービス制御モジュール14に各種の交換付加サービスの1つとして交換台サービス制御モジュール14−1を配備し、加入者基本呼制御モジュール下位の各種のUNIプロトコル制御モジュール11の1つとして交換台プロトコル制御モジュール11−1を配備し、更に課金チケットを管理するチケット管理モジュール13を配備して各種のチケットを処理する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は交換台システムにおけるチケット検索およびチケット自動配布方法に関し、特に交換機に搭載された各種付加サービスの制御モジュールに交換台サービス制御モジュールを付加し、一般加入者対応の加入者基本呼制御モジュールを利用する交換台サービス制御に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の交換台システムにおけるチケット検索およびチケット自動配布方法に関しては、交換台側および交換機側の呼処理全般の実現方式を含めた形での標準規格がなく、具体的な方法は公開されていない。
【0003】例えば、交換台からの交換チケットを配布ポインタの指示エリアを基に交換チケットの配布タイミング値に従って求めた空きエリアに格納し、配布ポインタの指示エリアから交換チケットを取り出し交換台へ配布し、且つ配布ポインタの指示エリアを歩進させることにより、交換チケットの配布遅延を防止する、交換チケット格納,配布制御方式が特開平04−035149号公報にて提案されている。
【0004】特開平04−035149号公報に提案されている交換チケット格納,配布制御方式は、図5に示すように、交換台からの交換チケットを格納する交換チケット格納部51と、交換チケット格納部への交換チケットの格納を制御する格納制御部52と、交換チケット格納部から交換チケットを取り出し配布する配布制御部53と、交換チケット格納部から次に配布する交換チケットの格納エリアを指示する配布ポインタ54とを備え、交換チケット格納部の配布ポインタにより指示されるエリアに格納された交換チケットが配布タイミングになると、その交換チケットが取り出されて交換台へ配布され、ポインタが歩進されて次に配布される交換チケットの格納エリアを指示し、交換台からの交換チケットは、ポインタにより指示された位置を基にして、交換チケットの格納処理は配布タイミング値に対応した位置を求め、その位置を空きエリア検索開始位置とし、最初に見つかった空きエリアに交換チケットを格納することにより、同一配布タイミングの場合でも先に格納された交換チケットが先に取り出されて交換台へ配布されるため、交換チケットの配布遅延が防止されるものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の交換チケット格納,配布制御方式は、交換チケットの格納および配布に関するチケット管理方法が提案されているだけで、チケットの検索、格納、配布に関する交換機側の呼制御モデルに関しては明確な記述がない。
【0006】従って、交換台を含んだ交換システムのソフトウェアの構成としては、交換台プロトコル制御モジュールの上位に加入者基本呼制御モジュールの他に交換台基本呼制御モジュールが必要となり、基本呼制御モデルの種類が増え、交換機側のソフトウェア処理が複雑になる。
【0007】また、交換台から自動配布された交換チケット扱う処理と、交換台の扱い者が検索処理によって求めた交換チケットを扱う処理とを、それぞれ独立に実現する必要がある。
【0008】従って、信頼性、生産性、保守性に欠けるばかりか、資源の再利用が困難であり、ソフトウェアの開発コスト、製品の製造コストの高騰を招く要因になる。
【0009】本発明の目的は、信頼性、生産性、保守性、資源の再利用性の向上を図ることことが可能な交換台システムにおけるチケット検索およびチケット自動配布方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の交換台システムにおけるチケット検索およびチケット自動配布方法は、交換機に交換台および課金処理設備を収容した交換システムにおいて、前記交換機は呼処理プロセッサと保守運転管理プロセッサとを有し、前記呼処理プロセッサは、加入者系制御の呼処理を各種のユーザ・網インタフェース(UNI:User Network Intereface)プロトコル制御モジュールと加入者基本呼制御モジュールとに分離し、前記加入者基本呼制御モジュールの外付けのサービスモジュールとして、一般の加入者対応の各種のサービスモジュールを備える交換付加サービス制御モジュールに、前記サービスモジュールの1つとして前記交換台固有の複数のサービスを実現するための交換台サービス制御モジュールを付加すると共に、前記加入者基本呼制御モジュールの下位の各種のプロトコル制御モジュールを備える前記UNIプロトコル制御モジュールに、前記プロトコル制御モジュールの1つとして前記交換台と前記加入者基本呼制御モジュールとをインタフェースするための交換台プロトコル制御モジュールを付加し、且つ各種の課金チケットを管理するチケット管理モジュールとを備え、前記保守運転管理プロセッサは、各種の課金チケットを格納するディスク装置と、前記チケット管理モジュールとの間でプロセッサ間通信により各種課金チケットの書き込みおよび読み出しを制御するためのチケット制御モジュールとを備え、前記加入者基本呼制御モジュールは、前記交換台から前記交換台プロトコル制御モジュールを介してチケット検索要求を受けたとき、基本呼制御モデル上加入者がオフフックした後の非通話中状態であるダイヤル待ちの状態において、前記チケット管理モジュールにチケットの検索を指示し、前記チケット管理モジュールと前記チケット制御モジュール間でプロセツサ間通信し、指定されたチケットを前記ディスク装置から読み出して前記交換台へ返送することを特徴とする。
【0011】また、前記非通信中状態である前記基本呼制御モデル上加入者がオフフックした後のダイヤル待ちの状態において、チケット検索中に通信中呼のみを救済対象とする呼処理プロセッサの再開処理が発生したとき、前記加入者基本制御モジュールのプロセッサ再開に伴う非救済処理における呼切断処理の過程で、前記交換台サービス制御モジュールに指示して前記加入者基本呼制御モジュールからの呼切断要求を破棄し、チケット検索状態を救済することを特徴とする。
【0012】また、前記交換台サービス制御モジュールは、前記交換台から前記交換台プロトコル制御モジュール,前記加入者基本呼制御モジュールを介してチケット格納要求を受けたとき、前記チケット管理モジュールへチケットの格納を要求し、前記チケット管理モジュールは前記チケット制御モジュールとプロセツサ間通信し、前記チケット制御モジュールは指定されたチケットを前記ディスク装置へチケット番号を付与して格納し、チケット格納後前記チケット制御モジュールから前記チケット管理モジュールを介して返送されるチケット格納終了と前記チケット番号を含む格納結果を前記交換台プロトコル制御モジュールを介して前記交換台へ返送することを特徴とする。
【0013】また、前記交換台サービス制御モジュールは、前記交換台から前記交換台プロトコル制御モジュール,前記加入者基本呼制御モジュールを介してチケット格納要求を受けたとき、このチケットが発呼時間指定の格納要求であるとき、前記チケット管理モジュールへチケットの格納を要求し、前記チケット管理モジュールは前記チケット制御モジュールとプロセツサ間通信し、前記チケット制御モジュールは指定されたチケットを前記ディスク装置へチケット番号を付与して格納し、チケット格納後前記チケット制御モジュールから前記チケット管理モジュールを介して返送されるチケット格納終了と前記チケット番号を含む格納結果を前記交換台プロトコル制御モジュールを介して前記交換台へ返送した後、前記発呼指定時間を前記加入者基本呼制御モジュールへ自律発呼登録することを特徴とする。
【0014】また、前記チケット管理モジュールは、前記課金処理設備から加入者への料金通知チケットの配布要求を受けたとき、前記チケット制御モジュールとプロセッサ間通信し前記ディスク装置へ前記課金チケットを格納した後、前記加入者基本呼制御モジュールへ即時発呼指定登録を要求し、前記加入者基本呼制御モジュールが即時発呼起動することにより前記発呼時間指定の自動配布チケットと同等に扱うことを特徴とする。
【0015】また、前記加入者基本呼制御モジュールは、前記ディスク装置に格納された各種チケットを自動配布する際、前記発呼時間指定のチケットは一般の加入者向けサービスであるモーニングコールサービス(Wake Upサービス)を起動する場合と同様に、登録された前記発呼指定時間を経過したとき自律発呼して前記交換台サービス制御モジュールを起動してチケットの検索を指示し、前記交換台サービス制御モジュールは前記チケット管理モジュールへチケット検索を要求し、また前記料金通知チケットを自動配布する際は、前記即時発呼登録後直ちに前記交換台サービス制御モジュールを起動して前記チケット管理モジュールへチケットの検索を要求し、前記交換台サービス制御モジュールを介して返送される前記チケット管理モジュールと前記チケット制御モジュール間のプロセッサ間通信により前記ディスク装置から読み出されたチケットを前記交換台プロトコル制御モジュールを介して前記交換台へ返送することを特徴とする。
【0016】また、前記加入者基本呼制御モジュールは、自動配布したチケットに対する応答を前記交換台から受けたとき、基本呼制御モデル上通信中状態に遷移し、前記交換台サービス制御モジュールは前記チケット管理モジュールに配布済みのチケットの破棄を要求し、前記チケット管理モジュールは前記チケット制御モジュールとプロセツサ間通信し、前記チケット制御モジュールは指定されたチケットを前記ディスク装置から破棄し、前記チケット制御モジュールから前記チケット管理モジュールを介して返送されるチケット破棄結果と共に切断要求を前記交換台プロトコル制御モジュールを介して前記交換台へ送出して前記交換台との呼を一旦切断した後、前記交換台から自律発呼し前記チケット検索処理における前記ダイヤル待ち状態に復帰することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明のソフトウェアの構成を示す図である。
【0018】図1に示すように交換システムにおける呼処理プロセッサ10の加入者系制御の呼処理のソフトウェアを、各種のUNIプロトコル制御モジュール11と、加入者基本呼制御モジュール12とに分離し、加入者基本呼制御モジュール12の上位に外付けの交換付加サービス制御モジュール14に各種の交換付加サービスの1つとして交換台サービス制御モジュール14−1を独立して配備し、加入者基本呼制御モジュール12の下位の各種のUNIプロトコル制御モジュール11の1つとして交換台プロトコル制御モジュール11−1を独立して配備し、更に課金チケットを管理するチケット管理モジュール13を配備して各種のチケットを処理する。
【0019】また、保守運用管理プロセッサ20は、各種のチケットを格納するディスク装置22と、ディスク装置22へのチケットの書き込み/読み出しを制御するチケット制御モジュール21で構成する。
【0020】なお、図1では呼処理プロセッサ10は1つのであるが複数存在可能であり、保守運転管理プロセッサ20は交換システムに1つのみ存在する。また、チケット管理モジュール13は、複数の呼処理プロセッサ10から格納要求されるチケットを保守運転管理プロセッサ20上で一元管理する。
【0021】交換台サービス制御モジュール14−1は、交換台30の指示により、交換台プロトコル制御モジュール11−1および加入者基本呼制御モジュール12を介して起動されるか、または、チケット管理モジュール13からの指示で加入者基本呼制御モジュール12を介して起動される。
【0022】交換台サービス制御モジュール14−1は、起動要求がチケットの格納要求の場合には、チケットの格納処理をチケット管理モジュール13へ要求する。また、このチケットを基に時間指定で再度交換台30へチケット配布する必要がある場合には、加入者基本呼制御モジュール12に対して時間指定して発呼登録を行う。
【0023】交換台サービス制御モジュール14−1は、起動要求がチケットの読出要求の場合には、チケットの読出処理をチケット管理モジュール13へ要求し、保守運転管理プロセッサ20のチケット制御モジュール21を介してディスク装置22から該当するチケットを読み出し、交換台30へ読み出したチケットを返送する。
【0024】チケット管理モジュール13は、交換台サービス制御モジュール14−1からの要求により、保守運転管理プロセッサ20のチケット制御モジュール21との間でプロセッサ間通信により、ディスク装置22にアクセスして必要とされるチケットの書き込み/読み出し処理を行う。
【0025】また、チケット管理モジュール13は、外部課金処理設備40から料金通知用のチケットを受信し、保守運転管理プロセッサ20のチケット制御モジュール21との間でプロセッサ間通信により、ディスク装置22にアクセスして料金通知用チケットの格納処理を行い、加入者基本呼制御モジュール12に対して即時の発呼登録要求を行う。
【0026】加入者基本呼制御モジュール12は、交換台30からの指示を交換台プロトコル制御モジュール11−1を介して受信し、交換台サービス制御モジュール14−1を起動し、その起動の結果情報は、交換台サービス制御モジュール14−1から加入者基本呼制御モジュール12,交換台プロトコル制御モジュール11−1を介して交換台30へ返送する。
【0027】また、加入者基本呼制御モジュール12は、交換台サービス制御モジュール14−1およびチケット管理モジュール13からの指示により、即時指定を含む時間指定での発呼登録を受け付けて、必要な時間に呼を生起させ、交換台サービス制御モジュール14−1を介して交換台30へチケット配布を行う。
【0028】交換台プロトコル制御モジュール11−1は、呼制御プリミティブにより加入者基本呼制御モジュール12および交換台サービス制御モジュール14−1とインタフェースし、UNIインタフェース50により交換台30とインタフェースする。
【0029】次に本発明のチケット検索処理について図2R>2を参照して詳細に説明する。図2は本発明のチケット検索処理のシーケンスを示す図である。
【0030】交換台30に就座した扱い者が交換機に対し発呼要求するために所定の操作を行うと、発呼要求が交換台プロトコル制御モジュール11−1を介して加入者基本呼制御モジュール12へ転送される(図2のステップS100)。加入者基本呼制御モジュール12は一般の加入者リソースと同様、発呼要求した交換台30を使用中状態にした後、交換台30へ着番要求を送出し(S102)、交換台30からのダイヤル待ち状態へ遷移する(S101)。
【0031】通常の交換台からの発信においては、この後交換機は交換台30からダイヤル数字投入されたダイヤル数字に対応する加入者への接続処理となるが、チケット検索ではダイヤル数字投入が行われないため、このダイヤル待ち状態(S101)でチケット検索処理を実現する。
【0032】交換台30は、着番要求を受信すると交換機側の準備完了の通知と扱い、ダイヤル数字投入またはチケット検索を可能とする。チケット検索を行うための必要条件を設定して検索指示を行うと、チケット検索要求が交換台プロトコル制御モジュール11−1を介して加入者基本呼制御モジュール12へ転送される(S103)。
【0033】加入者基本呼制御モジュール12は、交換台サービス制御モジュール14−1を起動し(S104)、交換台サービス制御モジュール14−1は、起動された条件がチケット検索要求と判断し、チケット管理モジュール13へチケット検索要求を送出する(S105)。
【0034】チケット管理モジュール13は、保守運転管理プロセッサ20のチケット制御モジュール21との間でプロセッサ間通信を行い、チケット制御モジュール21はディスク装置22に格納されているチケットの中から検索条件に合致するチケットを検索し、チケット管理制御モジュール13へ返送する。
【0035】チケット管理制御モジュール13は、チケット制御モジュール21から返送されたチケットを交換台サービス制御モジュール14−1へ返送し、交換台サービス制御モジュール14−1は、加入者基本呼制御モジュール12,交換台プロトコル制御モジュール11−1を介して交換台30へ検索結果として転送し(S106)、復帰する(S107)。
【0036】ステップS101におけるダイヤル待ち状態は、加入者基本呼制御モデル上、通信中状態ではないため安定状態扱いとはならず、例えば通信中呼のみを救済するようなプロセッサ再開処理(S108)に遭遇した場合は、加入者基本呼制御モジュール12から切断要求(S109)が送出されてしまうため、ここで交換台サービス制御モジュール14−1を起動して受信した切断要求(S109)を破棄する処理を実現し(S110)、チケット検索状態を交換機側でも救済する。交換台サービス制御モジュール14−1切断要求を破棄した後復帰する(S111)。
【0037】ステップS103における、チケット検索要求には、検索対象とする加入者の電話番号の指定、チケット発生した時間帯の指定、チケットの種別(完了/預かり/料金通知の区別)の指定などがある。
【0038】テップS105における検索要求に対する検索結果として条件に合致するチケットが複数枚見つかった場合には、検索結果(S106)としては、最初に見つかったチケットのみを返送し、以降扱い者の指示による同一検索条件での順次サーチにより該当チケットを返送する方式とする。この際、チケットに割り当てられているチケット番号を併せて交換台30へ通知する。
【0039】また、ステップS108における交換機側のプロセッサ再開処理として、メモリ非救済レベル、すなわち、ハード装置の初期設定を伴う再開処理が発生した場合には、交換台30と交換機側のコネクションが初期設定されるため、交換台30で交換機側の再開処理発生が認識でき、交換台30側からチケット番号を入力することにより、自動的に発呼要求(S101)、チケット検索要求(S103)を交換台30の扱い者の介在なしに再開発生前の状態に復元する。
【0040】次に本発明のチケット格納処理について図3R>3を参照して説明する。図3は本発明のチケット格納処理のシーケンスを示す図である。
【0041】交換台30で扱っているチケットを交換機側のディスク装置22へ格納する場合は、交換台30の扱い者が所定の操作を行うことにより、チケット格納要求を交換台プロトコル制御モジュール11−1を介して加入者基本呼制御モジュール12へ転送する(図3のステップS200)。
【0042】加入者基本呼制御モジュール12は、上位の交換台サービス制御モジュール14−1を起動し(S201)、交換台サービス制御モジュール14−1は、起動された条件がチケット格納要求と判断し、チケット管理モジュール13へチケットの格納要求を送出する(S202)。
【0043】チケット管理モジュール13は、保守運転管理プロセッサ20のチケット制御モジュール21との間でプロセッサ間通信を行い、チケット制御モジュール21は指定されたチケットをディスク装置22の所定の位置へ格納し、チケットが正常に格納されたか否かと、格納したチケットに割り当てられたチケット番号を含む格納結果をチケット管理モジュール13へ返送する。
【0044】チケット管理モジュール13は、保守運転管理プロセッサ20のチケット制御モジュール21から返送された格納結果を、交換台サービス制御モジュール14−1へ返送し、交換台サービス制御モジュール14−1は、加入者基本呼制御モジュール12,交換台プロトコル制御モジュール11−1を介して交換台30へ転送して(S203)、復帰する(S204)。
【0045】保守運転管理プロセッサ20のディスク装置22へ格納したチケットが時間指定の発呼を必要とするチケットである場合には、交換台サービス制御モジュール14−1は、格納結果を交換台30へ転送する(S203)と共に、加入者基本呼制御モジュール12に対して、発呼時間と発呼するために必要なチケットのチケット番号を含めた発呼登録要求を送出する(S204)。
【0046】発呼登録要求を受信した加入者基本呼制御モジュール12は、指定された時間に自律発呼するよう自律発呼登録処理を行う(S205)。この自律発呼登録処理は、一般の加入者系サービス、例えば、モーニングコール(Wake Up)サービスにおける指定時間での自律発呼処理と同一である。
【0047】加入者基本呼制御モジュール12は、指定時刻になると自律発呼し、交換台サービス制御モジュール14−1へ自動発呼した旨を応答により通知し(S206)、交換台サービス制御モジュール14−1は所定の処理を行い復帰する(S207)。
【0048】また、外部課金処理設備40から通知される料金通知用のチケットは、チケット配布要求としてチケット管理モジュール13へ送出される(S208)。チケット管理モジュール13は、交換台扱いのチケットと同様に、保守運転管理プロセッサ20のチケット制御モジュール21との間でプロセッサ間通信を行い、チケット制御モジュール21はディスク装置22の所定の位置へ通常のチケットと同様に格納する。
【0049】チケット管理モジュール13は、料金通知用のチケットを格納終了後、加入者基本呼制御モジュール12に対して即時発呼指定の発呼登録要求を送出する(S209)。加入者基本呼制御モジュール12は、即時発呼起動処理を行い(S210)チケット管理モジュール13へ即時発呼した旨を応答により通知する(S211)。
【0050】次に本発明のチケットの自動配布処理について図4を参照して説明する。図4は本発明のチケット自動配布処理のシーケンスを示す図である。
【0051】保守運用管理プロセッサ20のディスク装置22に格納されているチケットを自動配布する場合は、加入者基本呼制御モジュール12は、指定時間での自律発呼登録および即時指定の自律発呼登録に対応して、自律発呼起動し(図4のステップS300)、交換台サービス制御モジュール14−1を起動する(S301)。
【0052】この交換台サービス制御モジュール14−1の起動時には、交換台30へ通知すべきチケットの番号が記載され、交換台サービス制御モジュール14−1は起動された条件がチケット配布要求と判断し、チケット管理モジュール13へチケット検索要求を送出する(S302)。
【0053】チケット管理モジュール13は、保守運転管理プロセッサ20のチケット制御モジュール21との間でプロセッサ間通信を行い、チケット制御モジュール21はディスク装置22に格納されているたチケットの中からチケット検索要求で指定されたチケット番号のチケットを読み出し、チケット管理モジュール13へ返送する。
【0054】チケット管理モジュール13は、返送されたチケットを交換台サービス制御モジュール14−1へ返送し、交換台サービス制御モジュール14−1は、チケット管理モジュール13から返送されたチケットを加入者基本呼制御モジュール12へ返送し(S303)、復帰する(S304)。
【0055】加入者基本呼制御モジュール12は、交換台サービス制御モジュール14−1から返送されたチケットの着呼要求を交換台プロトコル制御モジュール11−1を介して交換台30へ転送する(S305)。
【0056】交換台30の扱い者が着呼要求に対して所定の応答操作を行うと、応答が交換台プロトコル制御モジュール11−1を介して加入者基本呼制御モジュール12へ転送される(S306)。
【0057】加入者基本呼制御モジュール12は、、再度、交換台サービス制御モジュール14−1を起動し(S307)、交換台サービス制御モジュール14−1は、状態更新要求により、交換台30へのチケット配布が完了した旨をチケット管理モジュール13へ通知する(S308)。
【0058】チケット管理モジュール13は、保守運転管理プロセッサ20のチケット制御モジュール21との間でプロセッサ間通信を行い、チケット制御モジュール21はディスク装置22に格納されている該当チケットを破棄し、チケット管理モジュール13を介して交換台サービス制御モジュール14−1へ該当チケットの破棄結果を返送する(S309)。
【0059】該当チケットの破棄結果を受けた交換台サービス制御モジュール14−1は、交換台プロトコル制御モジュール11−1を介して交換台30へ応答確認を転送(S310)した後、切断要求を交換プロトコル制御モジュール11−1を介して交換台30へ転送して(S311)、復帰する(S312)。
【0060】交換台30は、切断要求を受信すると切断確認を交換台プロトコル制御モジュール11−1を介して加入者基本呼制御モジュール12へ転送する(S313)と共に、自律発呼要求を交換台プロトコル制御モジュール11−1を介して加入者基本呼制御モジュール12へ転送して(S314)、チケット配布とは別の呼を生成させ、この新たに生成した呼に配布されたチケットを引き継ぐ。
【0061】加入者基本呼制御モジュール12は、交換台30から転送された切断確認を受信することにより(S314)チケット配布用の呼を終了し、自律発呼要求を受信して新たな呼を生成し、着番要求を交換台プロトコル制御モジュール11−1を介して交換台30へ転送し(S316)、加入者基本呼制御モデル上のダイヤル待ち状態に遷移する(S315)。
【0062】ステップS315のダイヤル待ち状態は、図2のチケット検索処理におけるステップS101のダイヤル待ち状態と同一であり、以降のチケット処理として、検索チケットも自動配布チケットも同一に扱うことを可能とする。
【0063】このように、加入者基本呼制御モジュール外付けの交換台サービス制御モジュールによりチケットの検索処理、格納処理および自動配布処理を実現する際に、一般の呼処理で実現される加入者着信機能または加入者発信機能が利用可能となり、独立した専用の交換台基本呼制御モジュールを新たに設けるよりも信頼性および保守性が向上し、また、加入者基本呼制御モジュール用に作成したモーニングコール(Wake Up)サービスのような自律発呼サービス制御モジュールの流用が可能となり、生産性の向上および資源の再利用性の面で優れ、更に、チケット検索時の呼状態とチケット自動配布後の呼状態を同一とすることが可能となり、以降のチケット扱い処理の供給化が可能となり、信頼性、保守性、生産性が向上する。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、加入者基本呼制御モジュールの外付けのサービスモジュールとして、一般の加入者対応の各種のサービスモジュールを備える交換付加サービス制御モジュールに、サービスモジュールの1つとして付加した交換台固有の複数のサービスを実現するための交換台サービス制御モジュールにより、既存の加入者基本呼制御モジュールの一般の呼処理で実現される加入者発信機能,加入者着信機能を利用することができ、チケットの検索処理,格納処理および自動配布処理が容易に実現することができる。
【0065】また、交換台サービス制御モジュールのチケットの自動配布処理サービスに、一般の加入者系サービス制御モジュールの一般の加入者系のサービスにおいて提供されるモーニングコールサービス(Wake Upサービス)機能と同一の機能(ソフトウェア)を流用して一般加入者系サービスと同様に交換台制御サービスも加入者基本呼制御モジュール上で実現可能となるから生産性,信頼性が向上し、ソフトウェアの開発コスト,製品の製造コスト高騰を防止できる。
【0066】更に、チケット検索時の交換機側の呼状態とチケット自動配布後の交換機側の呼状態を同一とすることができるので、チケット検索により求めたチケットと自動配布されたチケットを交換台で扱う際の処理を共通化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のソフトウェア構成の示す図である。
【図2】本発明のチケット検索処理のシーケンスを示す図である。
【図3】本発明のチケット格納処理のシーケンスを示す図である。
【図4】本発明のチケット配布処理のシーケンスを示す図である。
【図5】従来のチケット格納,配布制御方式の構成を表す図である。
【符号の説明】
10 呼処理プロセッサ
11 UNIプロトコル制御モジュール
11−1 交換台プロトコル制御モジュール
12 加入者基本呼制御モジュール
13 チケット管理モジュール
14 交換付加サービス制御モジュール
14−1 交換台サービス制御モジュール
20 保守運転管理プロセッサ
21 チケット制御モジュール
22 ディスク装置
30 交換台
40 外部課金処理設備
50 UNIインタフェース
51 交換チケット格納部
52 格納制御部
53 配布制御部
54 配布ポインタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 交換機に交換台および課金処理設備を収容した交換システムにおいて、前記交換機は呼処理プロセッサと保守運転管理プロセッサとを有し、前記呼処理プロセッサは、加入者系制御の呼処理を各種のユーザ・網インタフェース(UNI:User Network Intereface)プロトコル制御モジュールと加入者基本呼制御モジュールとに分離し、前記加入者基本呼制御モジュールの外付けのサービスモジュールとして、一般の加入者対応の各種のサービスモジュールを備える交換付加サービス制御モジュールに、前記サービスモジュールの1つとして前記交換台固有の複数のサービスを実現するための交換台サービス制御モジュールを付加すると共に、前記加入者基本呼制御モジュールの下位の各種のプロトコル制御モジュールを備える前記UNIプロトコル制御モジュールに、前記プロトコル制御モジュールの1つとして前記交換台と前記加入者基本呼制御モジュールとをインタフェースするための交換台プロトコル制御モジュールを付加し、且つ各種の課金チケットを管理するチケット管理モジュールとを備え、前記保守運転管理プロセッサは、各種の課金チケットを格納するディスク装置と、前記チケット管理モジュールとの間でプロセッサ間通信により各種課金チケットの書き込みおよび読み出しを制御するためのチケット制御モジュールとを備え、前記加入者基本呼制御モジュールは、前記交換台から前記交換台プロトコル制御モジュールを介してチケット検索要求を受けたとき、基本呼制御モデル上加入者がオフフックした後の非通話中状態であるダイヤル待ちの状態において、前記チケット管理モジュールにチケットの検索を指示し、前記チケット管理モジュールと前記チケット制御モジュール間でプロセツサ間通信し、指定されたチケットを前記ディスク装置から読み出して前記交換台へ返送することを特徴とする交換台システムにおけるチケット検索方法。
【請求項2】前記非通信中状態である前記基本呼制御モデル上加入者がオフフックした後のダイヤル待ちの状態において、チケット検索中に通信中呼のみを救済対象とする呼処理プロセッサの再開処理が発生したとき、前記加入者基本制御モジュールのプロセッサ再開に伴う非救済処理における呼切断処理の過程で、前記交換台サービス制御モジュールに指示して前記加入者基本呼制御モジュールからの呼切断要求を破棄し、チケット検索状態を救済することを特徴とする請求項1記載の交換台システムにおけるチケット検索方法。
【請求項3】 前記交換台サービス制御モジュールは、前記交換台から前記交換台プロトコル制御モジュール,前記加入者基本呼制御モジュールを介してチケット格納要求を受けたとき、前記チケット管理モジュールへチケットの格納を要求し、前記チケット管理モジュールは前記チケット制御モジュールとプロセツサ間通信し、前記チケット制御モジュールは指定されたチケットを前記ディスク装置へチケット番号を付与して格納し、チケット格納後前記チケット制御モジュールから前記チケット管理モジュールを介して返送されるチケット格納終了と前記チケット番号を含む格納結果を前記交換台プロトコル制御モジュールを介して前記交換台へ返送することを特徴とする請求項1記載の交換台システムにおけるチケット検索方法。
【請求項4】 前記交換台サービス制御モジュールは、前記交換台から前記交換台プロトコル制御モジュール,前記加入者基本呼制御モジュールを介してチケット格納要求を受けたとき、このチケットが発呼時間指定の格納要求であるとき、前記チケット管理モジュールへチケットの格納を要求し、前記チケット管理モジュールは前記チケット制御モジュールとプロセツサ間通信し、前記チケット制御モジュールは指定されたチケットを前記ディスク装置へチケット番号を付与して格納し、チケット格納後前記チケット制御モジュールから前記チケット管理モジュールを介して返送されるチケット格納終了と前記チケット番号を含む格納結果を前記交換台プロトコル制御モジュールを介して前記交換台へ返送した後、前記発呼指定時間を前記加入者基本呼制御モジュールへ自律発呼登録することを特徴とする請求項1記載の交換台システムにおけるチケット自動配布方法。
【請求項5】 前記チケット管理モジュールは、前記課金処理設備から加入者への料金通知チケットの配布要求を受けたとき、前記チケット制御モジュールとプロセッサ間通信し前記ディスク装置へ前記課金チケットを格納した後、前記加入者基本呼制御モジュールへ即時発呼指定登録を要求し、前記加入者基本呼制御モジュールが即時発呼起動することにより前記発呼時間指定の自動配布チケットと同等に扱うことを特徴とする請求項1記載の交換台システムにおけるチケット自動配布方法。
【請求項6】 前記加入者基本呼制御モジュールは、前記ディスク装置に格納された各種チケットを自動配布する際、前記発呼時間指定のチケットは一般の加入者向けサービスであるモーニングコールサービス(Wake Upサービス)を起動する場合と同様に、登録された前記発呼指定時間を経過したとき自律発呼して前記交換台サービス制御モジュールを起動してチケットの検索を指示し、前記交換台サービス制御モジュールは前記チケット管理モジュールへチケット検索を要求し、また前記料金通知チケットを自動配布する際は、前記即時発呼登録後直ちに前記交換台サービス制御モジュールを起動して前記チケット管理モジュールへチケットの検索を要求し、前記交換台サービス制御モジュールを介して返送される前記チケット管理モジュールと前記チケット制御モジュール間のプロセッサ間通信により前記ディスク装置から読み出されたチケットを前記交換台プロトコル制御モジュールを介して前記交換台へ返送することを特徴とする請求項1記載の交換台システムにおけるチケット自動配布方法。
【請求項7】 前記加入者基本呼制御モジュールは、自動配布したチケットに対する応答を前記交換台から受けたとき、基本呼制御モデル上通信中状態に遷移し、前記交換台サービス制御モジュールは前記チケット管理モジュールに配布済みのチケットの破棄を要求し、前記チケット管理モジュールは前記チケット制御モジュールとプロセツサ間通信し、前記チケット制御モジュールは指定されたチケットを前記ディスク装置から破棄し、前記チケット制御モジュールから前記チケット管理モジュールを介して返送されるチケット破棄結果と共に切断要求を前記交換台プロトコル制御モジュールを介して前記交換台へ送出して前記交換台との呼を一旦切断した後、前記交換台から自律発呼し前記チケット検索処理における前記ダイヤル待ち状態に復帰することを特徴とする請求項1記載の交換台システムにおけるチケット検索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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