説明

交通信号情報提供方法および装置

【課題】本発明は、交通信号制御機と連動した無線送信機が交差点における交通信号情報をリアルタイムで車内の無線受信機に送信すれば無線受信機でこれを受信し、受信した交通信号情報を道路インデックス技術に基づいて解釈してアイドルストップ、エコドライビング、交通安全サービスなどに活用できるようにする交通信号情報提供方法および装置を提供する。
【解決手段】本発明の交通信号情報提供方法は、無線送信機が、交通信号制御機から交通信号情報を抽出するステップ、交通信号制御機が位置した交差点における信号機の位置情報を交通信号情報に結合してデータパケットを生成するステップ、データパケットを無線受信機に送信するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通信号情報提供方法および装置に関し、より詳細には、交差点ごとの多様な交通信号情報を道路情報に対応するように符号化することにより、符号化された交通信号情報が車に無線により伝達されたとき、車の進行方向に対応する交通信号情報のみを抽出して車制御に用いるようにする方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、自動車の急増による排出ガスの増大によって公害問題が一層深刻になっており、社会的に大きな問題となっている。
【0003】
これにより、車の排出ガスを減らすために、市街地の走行時に信号待ちなどで車が停車すれば、アイドリング中のエンジンを自動で停止させ、所定時間後に車が発進しようとすれば、エンジンを再始動させるアイドルストップ制御装置(他の用語ではエンジン自動停止/再始動装置、エンジン・アイドル・ストップ・アンド・ゴー(engine idle stop & go)装置などと呼ばれたりもする)が車に搭載されている。
【0004】
ところが、車が信号待ちなどによって停車している間にアイドルストップ制御を行うためには、現在自分の車がどれ程の時間だけ赤信号を待たなければならないのかを正確に知る必要がある。
【0005】
赤信号待機時間が分からない状態では、運転に慣れていない運転初心者またはせっかちな運転手は、信号機の信号が青色に変わるようになればアクセルペダルを急激に強く踏むようになる。このようになれば、むしろ排出ガスの量が増えるという問題が発生する。
【0006】
したがって、車が交差点において交通信号に対する情報を正確に把握できるようにし、運転手の介入なく予測可能なコンピューターを介して車が自動でアイドルストップのために始動を点けたり消したりでき、エネルギー節約のために経済速度および最適な経路を表出できるようにする方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述したような問題点を解決するために提案されたものであって、本発明は、交通信号制御機と連動した無線送信機が交差点における交通信号情報をリアルタイムで車内の無線受信機に送信すれば無線受信機でこれを受信し、受信した交通信号情報を道路インデックス技術に基づいて解釈してアイドルストップ、エコドライビング、交通安全サービスなどに活用できるようにする方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る交通信号情報提供方法は、無線送信機が、交通信号制御機から交通信号情報を抽出するステップと、交通信号制御機が位置した交差点における信号機の位置情報を交通信号情報に結合してデータパケットを生成するステップと、データパケットを無線受信機に送信するステップとを含む。
【0009】
特に、交通信号情報は、交通信号現示(Phase)情報と現示情報アップロード情報とを含み、無線送信機の該当する交差点の信号機位置情報を抽出した交通信号情報に結合することにおいて、交差点で正北を基準として時計回りで信号機の位置と交通信号現示情報に含まれたリング番号とをマッピングさせることを特徴とする。
【0010】
また、無線送信機は、交通信号制御機に搭載され、交通信号制御機から電源が供給されることを特徴とする。
【0011】
また、データパケットは、交通信号制御機の識別子、パケットタイプ、シーケンス、リングタイプ、および現示個数を含んでいるデータヘッダを備えることを特徴とする。
【0012】
また、パケットタイプは、無線送信機が正常に動作するか否かを示すことを特徴とする。
【0013】
また、シーケンスは、データパケットの生成番号を意味し、1ずつ増加し、一定のビットを超過する場合に0に初期化されることを特徴とする。
【0014】
また、データパケットは、信号機の方向情報と赤信号の残余時間情報とをさらに含むことを特徴とする。
【0015】
また、データパケットは、交通信号制御機の識別子、パケットタイプ、分割パターン(Partition pattern)、リングタイプ、および現示個数を含んでいるデータヘッダを含むことを特徴とする。
【0016】
また、データパケットは、信号機の方向情報と青信号の信号時間情報とをさらに含むことを特徴とする。
【0017】
また、信号機の方向情報は、信号機インデックスにしたがって入力され、信号機インデックスは、北を基準として時計回りで近い信号機の順序で番号が割り当てられることを特徴とする。
【0018】
一方、本発明のさらに他の交通信号情報提供方法は、無線受信機が、交通信号制御機から抽出した交通信号情報に該当する交差点における信号機の位置情報を結合して生成されたデータパケットを外部から受信するステップと、車の現在位置情報を取得するステップと、取得した位置情報を用いて車の進行方向に対応する交通信号情報をデータパケットから抽出するステップとを含む。
【0019】
特に、車の現在位置情報を取得するステップは、車の現在位置情報を車に備えられた衛星航法装置(GPS)から取得することを特徴とする。
【0020】
一方、本発明に係る交通信号情報提供装置は、交通信号制御機から交通信号情報を抽出する現示情報抽出部と、交通信号制御機が位置した交差点における信号機の位置情報を抽出した交通信号情報に結合してデータパケットを生成するデータ生成部と、データパケットを外部に送信する送信部とを備える。
【0021】
特に、交通信号情報提供装置は、交通信号制御機に搭載され、交通信号制御機から電源が提供され、各部に必要な電源を供給する電源部を備えることを特徴とする。
【0022】
また、交通信号情報は、交通信号現示情報と現示情報アップロード情報とを含み、データ生成部は、交差点で正北を基準として時計回りで信号機の位置と交通信号現示情報に含まれたリング番号とをマッピングさせてデータパケットを生成することを特徴とする。
【0023】
また、データパケットは、交通信号制御機の識別子、パケットタイプ、シーケンス、リングタイプ、および現示個数を含んでいるデータヘッダを備えることを特徴とする。
【0024】
また、データパケットは、信号機の方向情報と赤信号の残余時間情報とを含むことを特徴とする。
【0025】
また、データパケットは、交通信号制御機の識別子、パケットタイプ、分割パターン(Partition pattern)、リングタイプ、および現示個数を含んでいるデータヘッダを備えることを特徴とする。
【0026】
また、分割パターンの長さは現示個数によって異なり、現示個数が増加するほど分割パターンの長さが増加することを特徴とする。
【0027】
一方、本発明のさらに他の交通信号情報提供装置は、車の現在位置情報を取得する位置情報収集部と、交通信号制御機から抽出した交通信号情報に該当する交差点における信号機の位置情報を結合して生成されたデータパケットを外部から受信する受信部と、取得した位置情報を用いて車の進行方向に対応する交通信号情報をデータパケットから抽出するデータ処理部とを備える。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明によれば、次のような効果を期待することができる。
【0029】
道路に既に設置されて運用されている交通信号制御機のハードウェアおよびソフトウェア的な変更なく、無線送信機が交通信号制御機から現示情報のみを取得し、これを交差点に対する位置情報と結合させて送信し、これを受信する無線受信機で特定路線やGPS情報を用いて各車の進行方向に対応する交通信号情報のみを抽出できるようにすることにより、運転手の介入なく予測可能なコンピューターを介して車が自動でアイドルストップのために始動を点けたり消したりでき、エネルギー節約のために経済速度および最適な経路を表出し、信号が変わる区間での衝突を避けることができるサービスを運転手に提供できるようになる。
【0030】
また、本発明によれば、交差点の信号機ごとに無線送信機を設置せずに交差点に1つの無線送信機のみを設置すればよいため、サービス実現示に設置および運営費用を節減できるという効果がある。
【0031】
さらに、本発明における特定周波数(例えば、447MHz)を用いた無線通信方式が相対的に低いデータ送信率(1200−2400bps)を有していることを考慮し、送信される交通信号情報を含んだデータパケットの長さを最小化することにより、車に周期的に放送(Broadcast)するインターバルを短くできるだけでなく、プロセッシング(符号化/復号化)する時間を大きく減らし、サービス反応時間をより短縮できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の理解を助けるための概念の図である。
【図2】無線調整用および安全システム用特定小出力無線機器の使用周波数を示す図である。
【図3】本発明に係る交通情報信号提供装置の無線送信機の構成を詳細に説明するためのブロック図である。
【図4】4現示二重リング(Aリング/Bリング)であるとき、信号機とリング番号とをマッピングさせる一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る生成されたデータパケットの構造を説明するための図である。
【図6】4現示二重リングで信号機方向情報と赤信号の残余時間を表現する方法の一例を示す図である。
【図7】4現示二重リングで信号機方向情報と赤信号の残余時間を表現する方法の一例を示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態によって生成されたデータパケットの構造を説明するための図である。
【図9】4現示二重リングで1つのバリア内に含まれた4つの現示情報のそれぞれの長さを区分して2bit分割パターンで表現した例示の図である。
【図10】現示個数によるバリアカウントの変化を示すための図である。
【図11】現示個数によるバリアカウントの変化を示すための図である。
【図12】現示個数によるバリアカウントの変化を示すための図である。
【図13】現示個数による現示方向の表現例を示す図である。
【図14】現示個数による現示方向の表現例を示す図である。
【図15】4現示である場合にリングパターンを示す図である。
【図16】3現示である場合にリングパターンを示す図である。
【図17】5現示である場合にリングパターンを示す図である。
【図18】8つの現示周期を表現する方法を示す図である。
【図19】単一リングの場合、ヘッダの長さを除いたデータペイロードの長さを示す図である。
【図20】二重リングの場合、ヘッダの長さを除いたデータペイロードの長さを示す図である。
【図21】本発明の一実施形態に係る交通情報信号提供装置の無線受信機の構成を詳細に説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明を添付の図面を参照しながら詳細に説明すれば次のとおりである。ここで、繰り返される説明、本発明の要旨を不必要に不明瞭にする公知機能、および構成に対する詳細な説明は省略する。本発明の実施形態は、当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状および大きさなどは、より明確な説明のために誇張されることができる。
【0034】
本発明は、交通信号情報を送信する無線送信機とその交通信号情報を受信する無線受信機に対する通信プロトコルを明示している。本発明は3種類の方法に大別することができ、無線送信機が交通信号制御機と連動して適応型現示を抽出する方法、抽出した現示情報で赤信号の残余時間情報を符号化および復号化する方法、抽出した現示情報で青信号の信号時間情報を符号化および復号化する方法などを含む。
【0035】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る交通信号情報提供方法および装置について詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明の理解を助けるための概念の図である。
【0037】
図1を参照すれば、都心には図1に示すような交差点が存在し、このような交差点には信号の流れを円滑に統制するための交通信号機(図示せず)が設置されている。本発明において、交差点は、走行中の車の流れを統制する交通信号が存在する道路を指称する。このような交差点には、上述した交通信号機(交通信号灯器)がそれぞれ設置されており、この交通信号機を制御する交通信号制御機10が存在する。
【0038】
ここで、交通信号制御機は、遠隔にある交通情報管理サーバ(図示せず)と有無線通信方式を用いて交通信号情報を授受したり、隣接している他の交通信号制御装置と交通信号情報を授受したりすることができる。一般的に交通信号制御機をLC(Local Controller)と指称し、交通情報管理サーバをRC(Remote Controller)と指称する。
【0039】
本発明の交通信号情報提供装置は、交通信号情報を無線で送信する無線送信機と無線送信機から送信された交通信号情報を受信する無線受信機を備える。
【0040】
無線送信機は交通信号制御機10に搭載され、交通信号制御機10から電源が供給されることができる。このような場合、RFモジュール形態で交通信号制御機10に搭載され、既存の交通信号制御機に比べてアンテナのみが外部に露出した形態で構成されることができる。無線送信機は、交差点ごとの多様な交通信号情報を道路情報に対応するように符号化してデータパケットを生成して無線受信機に送信する。
【0041】
無線受信機は車に搭載または付着されることができ、無線送信機から送信されるデータパケットを受信し、受信したデータパケットから車の進行方向に対応する交通信号情報のみを抽出して車制御に用いられるようにする。例えば、アイドルストップ、エコドライビング、交通安全サービスなどに、抽出された交通信号情報が活用され得るようにする。
【0042】
本発明において、データパケットを送信するために用いられる周波数帯域は447.5812MHz、447.5935HMzであり、現在まで使用中である応用サービスがない(図2を参照)。図2は、無線調整用および安全システム用特定小出力無線機器(情報通信部告示第2000−45号)の使用周波数を示す。447MHz周波数は、無線調整用および安全システム用特定小出力無線機器に属する。
【0043】
図3は、本発明に係る交通情報提供装置の無線送信機100の構成を詳細に説明するための図である。
【0044】
図3を参照すれば、本発明に係る無線送信機100は、現示情報抽出部110、データ生成部120、送信部130、および電源部140を備える。
【0045】
現示情報抽出部110は、RS232C通信方式を介して交通信号制御機10から交通信号情報を抽出する。このとき、交通信号制御機10との連動プロトコルメッセージに対する詳細内容は、交通信号制御機標準規格書を参考する。
【0046】
現示情報抽出部110で交通信号制御機から抽出する交通信号情報には、交通信号現示情報と現示情報アップロード情報が含まれている。
【0047】
交通信号現示情報には信号機の全体周期、現周期カウント、リング(Ring)情報、各現示の信号周期カウンタ情報が含まれており、交通信号現示情報のうちの有効データは、リング運営方式、周期カウンタ、現周期である。また、現示情報アップロード情報は、リングA現示1(RING A PHASE 1)の運営時間から現示8(PHASE 8)の運営時間、またはリングB現示1(RING B PHASE 1)の運営時間から現示8(PHASE 8)の運営時間情報を意味する。
【0048】
ここで、現示は、車に対して現在信号指示を示すものまたは信号の指示を意味する。また、リングは、各方向別に信号機が点燈する順序を意味するものであり、単一リングは1つの順序体系を示し、二重リングは2つの順序体系を示す。
【0049】
現示情報抽出部110は、交通信号情報を交通信号制御機10から取得するためにRS232C通信を用い、このとき、交通信号制御機10の識別子(LC_ID)は、交通信号制御機10のEEPROMにある値を用い、交通信号制御機(LC)10と交通情報管理サーバ(RC)間の通信プロトコルに基づく。これは、OPCODE 0×12の要求と0×13の応答から構成される交通信号現示情報と、0×32の要求と0×33の応答からなる現示情報アップロード情報を受けることを意味する。
【0050】
データ生成部120は、交通信号制御機10が位置した交差点における信号機の位置情報を現示情報抽出部100で抽出した交通信号情報に結合してデータパケットを生成する。すなわち、データ生成部120は、交差点における信号機の位置情報を交通信号制御機10から抽出した交通信号情報に加工し、交差点内の車に搭載または付着されている無線受信機が解釈できる形態に変換して無線受信機に送信する。
【0051】
このとき、データ生成部120は、交差点で正北を基準として時計回りで信号機の位置と上述した交通信号情報に含まれたリング番号をマッピングさせて無線受信機に送信するデータパケットを生成する。図4は、4現示二重リング(Aリング/Bリング)であるとき、信号機とリング番号をマッピングさせる一例を示す図である。
【0052】
本発明によれば、交差点上の信号機別に交通信号情報を伝達するための無線送信機が必要なく、1つの交差点において1つの無線送信機のみですべての信号機の交通信号情報を伝達できるという長所がある。
【0053】
一方、データ生成部120においてデータパケットを生成する方式を、
A.抽出された交通信号情報に赤信号の残余時間情報を符号化する方式、
B.抽出された交通信号情報に青信号の信号時間を符号化する方式
に区分することができる。
【0054】
まず、A方式によってデータ生成部120で生成されたデータパケットの構造は図5のとおりである。
【0055】
図5を参照すれば、データパケットのヘッダ部分は、パケットタイプ、シーケンス(Sequence)、交通信号制御機識別子(LC_ID)、リングタイプ(Ring type)、および現示個数を含む。
【0056】
パケットタイプは、BroadcastおよびErrorがあり得る。Broadcastは、システムが正常動作するときに信号機情報と連携したデータを無線送信機から無線受信機にRFデータを送信するメッセージを示し、Errorは、システムに異常が生じたときにエラーデータを放送するようにメッセージタイプを規定する。
【0057】
Length部分は4bitで構成され、LSB(least significant bit)3ビットは現示(Phase)を示し、MSB(most significant bit)1ビットは単一リングと二重リングを区分する。したがって、現示情報とリング情報に基づいて全体データパケットの長さを類推することができる。
【0058】
例えば、4現示二重リングの場合、データパケットのヘッダは16bit、信号機方向情報は16bit(Aリング−8bit、Bリング−8bit)、赤信号の残余時間は64bit(Aリング−32bit、Bリング−32bit)、CRCは8bitで、計98bitとなる。
【0059】
交通信号制御機識別子(LC_ID)は、隣近交差点と重複しない4bitの唯一の固有識別番号を有する。さらに、シーケンスは、無線受信機に送信されたデータパケットの生成番号を意味し、1ずつ増加し、4bitが超過する場合に0の値に初期化されて再び増加する。
【0060】
データのボディ部分は2つの部分(信号機方向情報と赤色時間の残余時間)に大別されることができ、データ生成部120は上述した説明で信号機とリング番号をマッピングさせた結果によって各信号機の方向情報を乗せる。このとき、信号機の方向情報は2bitで表現され、00は歩行者のための信号、01は直進信号、10は左折信号、11は特別信号を示すことができる。赤信号の残余時間情報も信号機方向情報と同様にリング番号順にマッピングされ、1byte hex値で表記される。最後に、メッセージ無欠性のために、CRCフィールドで1byteが用いられる。図6および図7は、4現示二重リングで信号機方向情報と赤信号の残余時間を表現する方法の一例を示す図である。
【0061】
送信部130は、データ生成部120を介して生成されたデータパケットを外部に送信する役割を行う。すなわち、送信部130は、データ生成部120を介して生成されたデータパケットを車に搭載または付着されている無線受信機に送信する。
【0062】
上述したように、本発明に係る無線送信機100は交通信号制御機10に搭載され、このとき、電源部140は、無線送信機100の動作に必要な電源の供給を交通信号制御機10から受け、上述した各部(現示情報抽出部、データ生成部、送信部)に供給する。
【0063】
次に、B方式によってデータ生成部120で生成されたデータパケットの構造は図8のとおりである。
【0064】
B方式によって生成されたデータパケットは、A方式によって生成されたデータパケットに比べてパケットの長さを約19%程度減少させることができる。
【0065】
すなわち、本発明で用いられる周波数が447MHz帯域であり、この周波数を用いた無線通信方式が相対的に低いデータ送信率(1200−2400bps)を有していることを考慮するとき、送信されるデータパケットの長さを最小化することにより、無線送信機が車に周期的に放送(Broadcast)するインターバルを短くすることができる。
【0066】
これだけでなく、無線受信機で無線送信機から受信したデータパケットをプロセッシングする時間を大きく減らすことができるため、サービス反応時間をより短くすることができる。
【0067】
図8を参照すれば、データパケットのヘッダ部分は、パケットタイプ、リングタイプ(Ring type)、シーケンス(Sequence)、現示個数、交通信号制御機識別子(LC_ID)、および分割パターン(Partition Pattern)を含み、2byteの長さを有する。
【0068】
パケットタイプは、HELLO、BEACON、BEACON_REQUEST、UPDATE_HELLOなどのような無線送信機と無線受信機の間に通信のためのメッセージタイプを示し、TVC10_BROADCAST、TVC10_ERRORなどのような無線送信機から無線受信機にデータパケットを送信するメッセージタイプを示す。
【0069】
TVC10_BROADCASTは、本発明の交通情報信号提供装置が正常に動作するときに信号機情報と連携したデータを放送するようにメッセージタイプを規定し、TVC10_BROADCASTは、本発明の交通情報信号提供装置に異常が発生したときにエラーデータを放送するようにメッセージタイプを規定する。
【0070】
データパケットのヘッダ部分のうち、1bitのリングタイプは単一リング0と二重リング1を区分し、3bitの現示個数は現示を示し、000(2)−111(2)(1現示−8現示)で表現する。
【0071】
図9を参照すれば、二重リング4現示の場合において、四角形の長さを現示周期と仮定すれば、1つのバリア内に含まれた4つの現示情報を長い部分、短い部分に区分して2bit分割パターンで表現することができる。
【0072】
例えば、00(2)はBリングがAリングと同じ周期を有する場合、01(2)と10(2)はBリングがAリングと相反した周期を有する場合、11(2)は不規則な周期を有する場合をそれぞれ表現する。ここで、分割パターンの長さは現示個数の情報によって異なり、2現示−3現示の場合は2bit、4現示−5現示の場合は4bit、6現示の場合は6bitを占める。
【0073】
データパケットのボディ部分は2つの部分(信号機方向情報と現示情報)に大別される。信号機方向情報は信号機インデックスにしたがって入力される。
【0074】
信号機インデックスは北を基準として時計回りから近い順序で番号が付けられ、信号機インデックス順に信号機の方向情報が入力される。
【0075】
このとき、5現示未満の場合(すなわち、2現示−4現示の場合)には信号機方向情報は2bitで表現され、00(2)は歩行者のための歩行者信号、01(2)は直進信号、10(2)は左折信号、11(2)は特別信号を示す(図13の左側図)。
【0076】
5現示の以上の場合には、図13の右側図と図14に示されたように3bitで表現されることができる。
【0077】
現周期(Current Count)は交通信号制御機から伝達された現周期カウントであって8bitで表現され、バリアカウント(Barrier Count)はバリア周期であって8bitで表現され、バリア個数だけ順次に入力される。4現示の場合にバリアカウントは2つ(図10参照)、3現示の場合に2つ(図11参照)、5現示の場合に3つ(図12)となる。
【0078】
リングパターン(Ring Pattern)とリング開始インデックス(Ring Start Index)は信号機間に信号が点滅する順序を示し、リング開始インデックスは信号が最初に点く信号機が北を基準として時計回りで何番目であるかを表示し、二重リングの場合にはAリングとBリングそれぞれ2種の場合がある。
【0079】
リングパターンは信号機点滅の順序を示す。図15、図16、図17はそれぞれ4現示、3現示、5現示の場合にリングパターンを示す。
【0080】
現示の青信号時間(The green time of a phase)は、現示の周期を表現する。
【0081】
例えば、二重リング4現示の場合、1つのバリア内には計4つの現示が存在し、2つのバリア内には計8つの現示が存在する。このとき、分割パターンを介して各現示位置と長い方、短い方の関係を把握することができる。
【0082】
例えば、図18において、01+02(または05+06)はバリア1の周期となり、03+04(あるいは07+08)はバリア2の周期となる。分割パターンにおいて、バリア1は01(2)、バリア2は00(2)となる。計8つの現示(01、02、03、04、05、06、07、08)周期を表現する方法を図18に示している。
【0083】
計7bitからなる現示の青信号時間(The green time of a phase)において、0番目ビットはパーティションの長い方、短い方(0/1)を表現し、1番目ビットはオフセット(Offset)の符号+/−(0/1)を示し、2番目−3番目ビットは該当するバリア周期を2つに分ける回数を示す。最後に、4番目−7番目ビットであるオフセットフィールドでバリア周期を2で分割回数(The # of division by 2)フィールドの値だけわけ分と該当する現示周期の差値を3bitで表現する。
【0084】
例えば、各現示01(40s)、02(48s)、03(29s)、04(29s)、05(72s)、06(16s)、07(29s)、および08(29s)を現示の青信号時間(The green time of a phase)で表現すれば、次のように01(0001100(2))、04(00001011(2))、06(0011101(2))で表現することができる。
【0085】
このとき、02周期は、バリア1周期から01周期を引いた値で求めることができるため、02周期は表現を省略する。同様に、06周期に基づいて05周期を計算することができるため、05周期も表現を省略する。さらに、04周期で残りの03、07、08を類推することができるため、このすべての表現を省略する。
【0086】
最後に、メッセージ無欠性のためにCRCフィールドが8bitで用いられる。
【0087】
したがって、全体データパケットの長さは、リングタイプ、現示個数、分割パターンに基づいて判別することができ、単一リングと二重リングのそれぞれの場合、ヘッダの長さを除いたデータペイロード(payload)の長さを図19と図20に示している。二重リングの場合、分割パターン値によって4現示以上の場合に現示の青信号時間(The green time of a phase)の長さが異なることができる。
【0088】
図21は、本発明に係る交通情報信号提供装置の無線受信機の構成を詳細に説明するための図である。
【0089】
図21を参照すれば、交通信号制御機と連動する無線送信機から交通信号情報を受信する無線受信機200は、位置情報取得部210、受信部220、データ生成部230、サービス提供部240を備え、車に搭載されたり付着されたりすることができる。
【0090】
位置情報取得部210は、車の現在位置情報を取得する。このとき、位置情報取得部210は、GPS情報を用いるIT装置または衛星航法装置(GPS)と連動し、GPS情報を取得することができる。
【0091】
受信部220は、無線送信機から送信されるデータパケットを受信する。ここで、無線受信機が受信するデータパケットは、交通信号制御機から抽出した交通信号情報に該当する交差点における信号機の位置情報を結合して生成されたデータパケットである。
【0092】
受信部200を介してデータパケットが受信されれば、データ処理部230は、位置情報取得部210を介して取得した車の現在位置情報を用いて該当する車の進行方向に対応する交通信号情報を受信したデータパケットから抽出する。受信したデータパケットには交差点で道路の進行方向を、北を基準として時計回りで増加させながら数字を付けた、道路のインデックス情報と各道路別赤信号の残余時間(または道路別青信号のインターバル)とが含まれている。
【0093】
したがって、データ処理部230は、データパケットに含まれた道路のインデックス情報と位置情報取得部210を介して取得した位置情報に基づいて車の進入および進出する道路の方向情報をマッピングすることができ、車が待機中の赤色および青信号の残余時間を抽出することができる。
【0094】
一方、市内バスのように路線情報がある場合には、GPS情報を用いずに無線送信機と約束された位置情報を用いることができ、この位置情報は特定方向(例えば、北)を基準として360度で時計回りあるいは反時計回りで進行方向を決めて使用することができる。
【0095】
サービス提供部240は、データ処理部230によって抽出された交通信号情報の入力を受け、多様な外部装置の通信プロトコル、機能、および性能に適合するようにデータを変換して外部装置に伝達する役割を行う。
【0096】
例えば、サービス提供部240は、アイドルストップ制御装置、エコドライビングのための装置、交通安全のためのサービス装置などのような外部装置で抽出された交通信号情報を伝達することができる。
【0097】
本発明によれば、道路に既に設置されて運用されている交通信号制御機のハードエアおよびソフトウェア的な変更なく、無線送信機が交通信号制御機から現示情報のみを取得し、これを交差点に対する位置情報と結合させて送信し、これを受信する無線受信機で特定路線やGPS情報を用いて各車の進行方向に対応する交通信号情報のみを抽出できるようにすることにより、運転手の介入なく予測可能なコンピューターを介して車が自動でアイドルストップのために始動を点けたり消したりでき、エネルギー節約のために経済速度および最適の経路を表出し、信号が変わる区間での衝突を避けることができるサービスを運転手に提供できるようになる。
【0098】
また、本発明によれば、交差点の信号機ごとに無線送信機を設置せずに交差点に1つの無線送信機のみを設置すればよいため、サービス実現示に設置および運営費用を節減できるという効果がある。
【0099】
さらに、本発明における特定周波数(例えば、447MHz)を用いた無線通信方式が相対的に低いデータ送信率(1200−2400bps)を有していることを考慮し、送信される交通信号情報を含んだデータパケットの長さを最小化することにより、車に周期的に放送(Broadcast)するインターバルを短くできるだけでなく、プロセッシング(符号化/復号化)する時間を大きく減らしてサービス反応時間をより短縮できるようになる。
【0100】
以上のように、図面と明細書において最適の実施形態が開示された。ここで特定の用語が用いられたが、これは単に本発明を説明するための目的で用いられたものに過ぎず、意味限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために用いられたものではない。このため、本技術分野において通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形および均等な他の実施形態が可能であるという点が理解できるであろう。したがって、本発明の真正な技術的保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められなければならない。
【符号の説明】
【0101】
10 ・・・交通信号制御機
20 ・・・GPS
100 ・・・無線送信機
110 ・・・現示情報抽出部
120 ・・・データ生成部
130 ・・・送信部
140 ・・・電源部
200 ・・・無線受信部
210 ・・・位置情報取得部
220 ・・・受信部
230 ・・・データ生成部
240 ・・・サービス提供部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送信機が、
交通信号制御機から交通信号情報を抽出するステップと、
前記交通信号制御機が位置した交差点における信号機の位置情報を前記交通信号情報に結合してデータパケットを生成するステップと、
前記データパケットを無線受信機に送信するステップと
を備えた交通信号情報提供方法。
【請求項2】
前記交通信号情報は、交通信号現示情報および現示情報アップロード情報を含み、前記無線送信機が該当交差点の信号機位置情報を前記抽出した交通信号情報に結合することにおいて、前記交差点で正北を基準として時計回りで信号機の位置と前記交通信号現示情報に含まれたリング番号とをマッピングさせることを特徴とする請求項1に記載の交通信号情報提供方法。
【請求項3】
前記無線送信機は、前記交通信号制御機に搭載され、前記交通信号制御機から電源が供給されることを特徴とする請求項1に記載の交通信号情報提供方法。
【請求項4】
前記データパケットは、前記交通信号制御機の識別子、パケットタイプ、シーケンス、リングタイプおよび現示個数を含んでいるデータヘッダを含むことを特徴とする請求項1に記載の交通信号情報提供方法。
【請求項5】
前記パケットタイプは、前記無線送信機が正常に動作するか否かを示すことを特徴とする請求項4に記載の交通信号情報提供方法。
【請求項6】
前記シーケンスは、前記データパケットの生成番号を意味し、1ずつ増加し、一定ビットを超過する場合に0に初期化されることを特徴とする請求項4に記載の交通信号情報提供方法。
【請求項7】
前記データパケットは、前記信号機の方向情報と赤信号の残余時間情報とをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の交通信号情報提供方法。
【請求項8】
前記データパケットは、前記交通信号制御機の識別子、パケットタイプ、分割パターン(Partition pattern)、リングタイプおよび現示個数を含んでいるデータヘッダを含むことを特徴とする請求項1に記載の交通信号情報提供方法。
【請求項9】
前記データパケットは、前記信号機の方向情報と青信号の信号時間情報とをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の交通信号情報提供方法。
【請求項10】
前記信号機の方向情報は、信号機インデックスにしたがって入力され、前記信号機インデックスは北を基準として時計回りで近い信号機の順序に番号が割り当てられることを特徴とする請求項9に記載の交通信号情報提供方法。
【請求項11】
無線受信機が、
交通信号制御機から抽出した交通信号情報に該当交差点における信号機の位置情報を結合して生成されたデータパケットを外部から受信するステップと、
車の現在位置情報を取得するステップと、
前記取得した位置情報を用いて前記車の進行方向に対応する交通信号情報を前記データパケットから抽出するステップと
を備えた交通信号情報提供方法。
【請求項12】
前記車の現在位置情報を取得するステップは、前記車の現在位置情報を前記車に備えられた衛星航法装置(GPS)から取得することを特徴とする請求項11に記載の交通信号情報提供方法。
【請求項13】
交通信号制御機から交通信号情報を抽出する現示情報抽出部と、
前記交通信号制御機が位置した交差点における信号機の位置情報を前記抽出した交通信号情報に結合してデータパケットを生成するデータ生成部と、
前記データパケットを外部に送信する送信部と
を備えた交通信号情報提供装置。
【請求項14】
前記交通信号制御機から電源が提供されて前記各部に必要な電源を供給する電源部をさらに備え、前記交通信号制御機に搭載されることを特徴とする請求項13に記載の交通信号情報提供装置。
【請求項15】
前記交通信号情報は、交通信号現示情報および現示情報アップロード情報を含み、前記データ生成部は、前記交差点で正北を基準として時計回りで信号機の位置と前記交通信号現示情報に含まれたリング番号をマッピングさせて前記データパケットを生成することを特徴とする請求項13に記載の交通信号情報提供装置。
【請求項16】
前記データパケットは、前記交通信号制御機の識別子、パケットタイプ、シーケンス、リングタイプおよび現示個数を含んでいるデータヘッダを含むことを特徴とする請求項13に記載の交通信号情報提供装置。
【請求項17】
前記データパケットは、前記信号機の方向情報と赤信号の残余時間情報とを含むことを特徴とする請求項16に記載の交通信号情報提供装置。
【請求項18】
前記データパケットは、前記交通信号制御機の識別子、パケットタイプ、分割パターン(Partition pattern)、リングタイプおよび現示個数を含んでいるデータヘッダを含むことを特徴とする請求項13に記載の交通信号情報提供装置。
【請求項19】
前記分割パターンの長さは前記現示個数によって異なり、前記現示個数が増加するほど前記分割パターンの長さが増加することを特徴とする請求項18に記載の交通信号情報提供装置。
【請求項20】
車の現在位置情報を取得する位置情報収集部と、
交通信号制御機から抽出した交通信号情報に該当交差点における信号機の位置情報を結合して生成されたデータパケットを外部から受信する受信部と、
前記取得した位置情報を用いて前記車の進行方向に対応する交通信号情報を前記データパケットから抽出するデータ処理部と
を備えた交通信号情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−129090(P2011−129090A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142797(P2010−142797)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】