説明

交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システム

【課題】交通手段内で使用便宜性を向上させることができ、多様なマルチメディアデータを提供することができる交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムを提供する。
【解決手段】マルチメディアデータ提供システムは、マルチメディアデータを人体通信が可能である信号に変換した後、交通手段内に設けられた少なくとも一つの導電性手段に伝送するマルチメディアデータ提供装置及び少なくとも一つの導電性手段と接触した使用者の身体を通じてマルチメディアデータの提供を受けて、提供されたマルチメディアデータを実行する人体通信装置を含む。従って、交通手段内で多様なマルチメディアコンテンツを提供することができ、使用者は便利にマルチメディアコンテンツを用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は交通手段内のマルチメディアデータ提供に関し、より詳細には、人体通信を用いて使用の便宜性を向上させることができ、マルチチャンネルのマルチメディアサービスを提供することができる交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、バスや地下鉄などの大衆交通を用いる乗客は、退屈を紛らすためにわずかな時間でも各々が準備した新聞や本を読んだり、携帯電話などを用いてゲームをする。また、上記のように各々が準備したコンテンツがない乗客は周辺に設置された広告を見たり、車両TVを視聴するようになる。
【0003】
バス、地下鉄、列車などのような大衆交通手段におけるメディア情報サービスとして、車両に設置されたスピーカーを通じた音声案内やラジオ放送出力または車両に設けられたディスプレー装置を通じた広告、ニュース、停留所案内、映画などの単一チャンネルサービスが主に提供されている。
【0004】
または、航空機や高速列車などでは、夫々の座席に別途に設けられたマルチメディア装置を操作し、音楽や映像チャンネルを選択して提供を受けることができるようにしている。
【0005】
しかし、上述のような大衆交通手段内で提供されるメディアサービスは、主に単一チャンネルで構成された一方的なサービス、または交通手段の運用に関わる同一かつ反復的な情報伝達に過ぎないため、交通手段を用いる乗客の立場からすると退屈であり、これを補完するために乗客各自が本や新聞または携帯端末を準備して活用する場合にも乗客が多かったり、車両の揺れが激しい場合には、車両に設けられたつり革や棒に頼らなければならないため、使用が不便であるという短所がある。
【0006】
また、移動通信技術の発展により大衆交通手段内でも無線インターネットなどを用いた多様なコンテンツを用いることができるが、無線接続及びコンテンツ利用料金が非常に負担となるのが実情であり、利用料金が比較的やすい無線LANは、大衆交通のように使用者が密集された環境では無線チャンネルの不足によってサービスが円滑に成されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許公開公報許 2001-0109720号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の短所を克服するための本発明の目的は、交通手段内で使用便宜性を向上させることができ、多様なマルチメディアデータを提供することができる交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムを提供することである。
【0009】
本発明の技術的課題は以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は以下の記載により、当業者に明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の本発明の目的を達成するための本発明の一側面による交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムは、マルチメディアデータを獲得し、獲得した前記マルチメディアデータを提供する第1制御部と、前記マルチメディアデータを人体通信が可能な信号に変換した後、前記変換された信号を前記交通手段内に設けられた少なくとも一つの導電性部材に提供する第1人体通信部及び前記マルチメディアデータが貯蔵された貯蔵部を含む。
【0011】
ここで、前記第1制御部は前記交通手段内に設けられた少なくとも一つの導電性部材の夫々に相異なるマルチメディアデータを提供するための制御を遂行することができる。
【0012】
ここで、前記人体通信を用いたマルチメディア提供システムは、人体通信を通じて提供されたデータを表示する出力部をさらに含むことができ、前記第1制御部は人体通信を通じてデータが提供される場合、提供された前記データが前記出力部に表示されるように制御することができる。
【0013】
ここで、前記少なくとも一つの導電性部材は、前記交通手段内に設けられたつり革、垂直棒及び水平棒のうち、少なくとも一つに設けられることができる。
【0014】
ここで、前記交通手段内の人体通信を用いたマルチメディア提供システムは、前記第1制御部の制御に相応して、無線通信を遂行する無線通信部をさらに含むことができる。
【0015】
ここで、前記第1制御部は、インターネット接続情報が提供される場合、前記無線通信部を通じて該当サーバーに接続するように制御し、前記該当サーバーから提供されたデータが人体通信を通じて伝送されることができるように制御を遂行することができる。
【0016】
また、本発明の目的を達成するための本発明の他の側面による交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムは、使用者の身体を通じて伝送されたマルチメディアデータを受信し、受信された前記マルチメディアデータを提供する第2人体通信部と、前記受信されたマルチメディアデータの提供を受けて、提供された前記マルチメディアデータの実行を制御する第2制御部及び前記第2制御部の制御に相応して、前記マルチメディアデータを実行するマルチメディアデータ処理部を含む。
【0017】
ここで、前記交通手段内の人体通信を用いたマルチメディア提供システムは、使用者からデータの入力を受けるための入力部及び前記マルチメディアデータの実行結果を出力するための出力部をさらに含むことができ、前記第2制御部は、前記入力部を通じてデータが提供される場合、提供された前記データが人体通信を通じて伝送されるように前記第2人体通信部を制御することができる。
【0018】
また、本発明の目的を達成するための本発明のまた他の側面による交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムは、マルチメディアデータを人体通信が可能である信号に変換した後、交通手段内に設けられた少なくとも一つの導電性手段に伝送するマルチメディアデータ提供装置及び前記少なくとも一つの導電性手段と接触した使用者の身体を通じて前記マルチメディアデータの提供を受けて、前記提供されたマルチメディアデータを実行する人体通信装置を含む。
【0019】
ここで、前記人体通信装置は使用者から提供された情報を人体通信が可能である信号に変換した後、使用者の身体と接触した前記少なくとも一つの導電性手段に提供することができる。
【0020】
ここで、前記マルチメディアデータ提供装置は、前記人体通信装置から提供されたインターネット接続情報に相応して、該当ウェブサーバーに接続した後、接続された前記ウェブサーバーから提供されたデータを人体通信が可能である信号に変換した後、前記人体通信装置に提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
上述のような交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムによると、バス、地下鉄などの交通手段内のつり革または垂直/水平棒に人体通信に適合するように処理されたマルチメディアデータを提供することにより、人体通信装置を携帯した使用者が前記つり革または棒を握るだけで、音楽を視聴したり、動画像を視聴することができるようになり、多様なマルチメディアを便利に用いることができる。
【0022】
また、両方向の人体通信を用いて、使用者が作成した情報を交通手段に設けられたマルチメディアデータ提供装置に伝送し、マルチメディアデータ提供装置はこれを受信して表示することにより、使用者が求める情報やマルチメディアコンテンツを能動的に提供することもできる。
【0023】
また、交通手段に設けられたマルチメディアデータ提供装置に移動通信インターフェースまたは無線LANインターフェースを含むことにより、外部ネットワークに対しては無線アクセスポイントの機能を遂行し、交通手段内では人体通信を通じて使用者と通信することにより、非常に低コストでインターネットサービスを提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例による交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムを説明するための概念図である。
【図2】本発明の一実施例による交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の他の実施例による交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムを説明するための概念図である。
【図4】本発明の他の実施例による交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明のまた他の実施例による交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムを説明するための概念図である。
【図6】本発明のまた他の実施例による交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は多様な変更を加えることができ、様々な実施例を有することができて、特定実施例を図面に例示して詳細に説明する。
【0026】
しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解されるべきである。
【0027】
「第1、第2」などの用語は多様な構成要素を説明するために用いられることができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ用いられる。例えば、本発明の権利範囲を外れずに第1構成要素は第2構成要素に命名されることができて、類似に第2構成要素も第1構成要素に命名されることができる。「及び/または」という用語は複数に係わって記載された項目の組合または複数に係わって記載された項目のうち何れかの項目を含む。
【0028】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されている」または「接続されている」と言及されている場合は、その他の構成要素と直接的に連結または接続されていることもできるが、その間に他の構成要素が存在することもできると理解されるべきであろう。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されている」または「直接接続されている」と言及された場合には、その間に他の構成要素が存在しないと理解されるべきであろう。
【0029】
本出願で用いる用語は、ただ特定の実施例を説明するために用いられたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」または「有する」などの用語は明細書に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせの存在または付加可能性をあらかじめ排除するものではないと理解されるべきである。
【0030】
他に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含んでここで用いられる全ての用語は、本発明が属する技術分野にて通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。一般的に用いられる辞典に定義されているものと同じ用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0031】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施例をより詳細に説明する。本発明を説明するにあたり、全体的な理解を容易にするために、図面上の同一の構成要素に対しては同一の参照符号を用いて、同一の構成要素に対して重複される説明は省略する。
【0032】
以下、本発明の実施例において交通手段というのは、バス、地下鉄、汽車、飛行機、タクシーなどを全て含む概念である。
【0033】
図1は本発明の一実施例による交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムを説明するための概念図である。
【0034】
図1を参照すると、本発明の一実施例による人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムは、バスまたは地下鉄などの交通手段に設けられるマルチメディアデータ提供装置100及び使用者が携帯し、前記マルチメディアデータ提供装置100と人体通信を通じてマルチメディアデータの提供を受けて、これを実行して使用者にマルチメディアサービスを提供する人体通信装置200から構成されることができる。
【0035】
ここで、人体通信(Human Body Communication)は、人体を伝送媒質として用いて人体に付着された機器間に直接電流が流れたり、電場(Electric Field)が形成されてデータを送・受信する通信方式であり、搬送波(Carrier)を用いない30MHz以下のベースバンド信号を用いて変調方式によって数百kbpsから数十Mbpsまでデータ伝送速度を得ることができるため、高速無線通信に活用されていて、人体通信を用いた多様なアプリケーションが生成されている。
【0036】
マルチメディアデータ提供装置100は、音楽や映像などのマルチメディアデータを人体通信規格に適する伝送信号に変換した後、交通手段内に設けられた通信線路101を通じて使用者が接触することができるように交通手段内に設けられたつり革103または垂直/水平棒104の接触端子に伝送する。
【0037】
この際、使用者10がつり革103や垂直棒104を握ると、接触した手から使用者の身体と接触している人体通信装置200(例えば、ヘッドセット、携帯電話、PDA、PMP等)にマルチメディアデータが伝達され、直ちに音楽や映像などを観賞することができる。
【0038】
ここで、使用者がヘッドセットを用いる場合、前記マルチメディアデータ提供装置100と人体通信装置(即ち、ヘッドセット)200の間に人体通信を維持するためには、使用者が携帯する人体通信装置200が皮膚接触を維持し続けなければならないため、使用者の耳付近で常時身体接触が可能であるヘッドセットに人体通信受信機を内蔵し、別途のイヤホン無しに直ちに音楽を観賞することができるように構成されることができる。
【0039】
または、使用者がディスプレー素子が含まれた人体通信装置200を携帯する場合には、使用者が前記人体通信装置200を手に持っていなければならないため、これを考慮して人体通信装置200内に接触端子の位置が決められることができる。
【0040】
図2は本発明の一実施例による交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムの構成を示すブロック図である。
【0041】
図2を参照すると、マルチメディアデータ提供装置100は、交通手段に設けられることができ、第1制御部110、貯蔵部120及び第1人体通信部130を含むことができる。
【0042】
第1制御部110は、人体通信を通じて交通手段内のマルチメディアデータを提供するために、貯蔵部120からマルチメディアデータを読出した後、第1人体通信部130に提供することによってマルチメディアデータを交通手段内のつり革、垂直棒または水平棒に設けられた導電性部材(または電極)に提供する。
【0043】
ここで、第1制御部110は、交通手段に設けられた複数のつり革または棒に夫々設けられた導電性部材に同一のマルチメディアデータを伝送することもでき、前記複数のつり革または棒に設けられた夫々の導電性部材に相異なるマルチメディアデータを伝送することもできる。例えば、前記第1制御部110は放送、広告、音楽、ニュース、芸能、スポーツ、運行路線、運行時間、位置情報などの相異なるマルチメディアデータを交通手段内に設けられた複数のつり革または棒ごとに夫々異なるように伝送することができる。
【0044】
貯蔵部120は、交通手段内で提供される音楽、動画像、テキストなどのようなマルチメディアデータが貯蔵される。
【0045】
第1人体通信部130は、第1制御部110から提供されたマルチメディアデータを人体通信に適する規格に変換した後、交通手段内に設けられたチャンネルを通じて伝送する。
【0046】
ここで、第1人体通信部130は、第1制御部110の制御に相応して複数のチャンネルに同一のマルチメディアデータを伝送することもでき、複数のチャンネル夫々に相異なるマルチメディアデータを伝送することもできる。
【0047】
また、図1に図示しなかったが、第1人体通信部130は交通手段内に設けられた複数の通信線路(即ち、チャンネル)と連結され、前記複数の通信線路の終端は使用者が直接的に接触することができるつり革または棒に設けられた導電性部材(または電極)と連結されることができる。
【0048】
人体通信装置200は、使用者夫々が携帯することができ、第2人体通信部210、第2制御部220及びマルチメディアデータ処理部230を含むことができる。
【0049】
第2人体通信部210は、使用者が交通手段内のつり革または棒等に設けられた導電性部材を接触する場合、使用者の身体を通じて伝送されたマルチメディアデータを受信し、受信されたマルチメディアデータを処理して第2制御部220に提供する。このために第2人体通信部は使用者の身体と接触される電極(未図示)を含む。
【0050】
第2制御部220は、第2人体通信部210からマルチメディアデータの提供を受けて、これをマルチメディアデータ処理部230に提供し、前記マルチメディアデータが実行されることができるようにマルチメディアデータ処理部230を制御する。
【0051】
マルチメディアデータ処理部230は、第2制御部の制御に相応して提供されたマルチメディアデータを実行する。このために、マルチメディアデータ処理部230は符号化された音声や映像データを復号化するための復号化モジュールを含むことができる。
【0052】
また、図2に図示しなかったが、人体通信装置200はマルチメディアデータ提供装置100から提供されたマルチメディアデータを出力するための出力素子(例えば、スピーカー、ヘッドホン/イヤホン端子、ディスプレー)を含むことができ、前記出力素子は前記マルチメディアデータ処理部230から提供された信号を出力することができる。
【0053】
図3は本発明の他の実施例による交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムを説明するための概念図であり、両方向の通信が可能であるマルチメディアデータ提供システムを示したものである。
【0054】
図3を参照すると、人体通信は時分割方式で両方向の通信が可能であるため、使用者が人体通信装置200aを通じて送信する情報(例えば、緊急情報、問い合わせ情報、チャンネル変更の要請、温度調整の要請等)を運転手や管理者20のディスプレー部140aを通じて表示するように構成することができる。
【0055】
この際、使用者は自身の人体通信装置200aを用いて伝送する情報を予め作成した後、近いつり革103または棒104を握ると、作成された情報が人体通信を通じてマルチメディアデータ提供装置100aに伝送され、マルチメディアデータ提供装置100aのディスプレー部140aは使用者が伝送した情報を表示することにより、運転手または管理者20が措置することができるようにする。
【0056】
図4は本発明の他の実施例による交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムの構成を示すブロック図である。
【0057】
図4を参照すると、マルチメディアデータ提供装置100aは、第1制御部110a、貯蔵部120a、第1人体通信部130a及び出力部140を含むことができる。
【0058】
第1制御部110aは、人体通信を通じて交通手段内のマルチメディアデータを提供するために、貯蔵部120aからマルチメディアデータを読出した後、第1人体通信部130aに提供することによりマルチメディアデータを交通手段内に設けられたつり革または棒の導電性部材に提供する。
【0059】
ここで、第1制御部110aは、交通手段に設けられた複数のつり革または棒に同一のマルチメディアデータを伝送することもでき、前記複数のつり革または棒に相異なるマルチメディアデータを伝送することもできる。
【0060】
また、人体通信を通じて人体通信装置200aからデータが提供される場合には、第1制御部110aは第1人体通信部130aを通じて提供されたデータを処理して出力部140に提供することにより、前記提供されたデータが出力部140を通じて出力されることができるようにする。
【0061】
貯蔵部120aは交通手段内で提供される音楽、動画像、テキストなどのようなマルチメディアデータが貯蔵される。
【0062】
第1人体通信部130aは、第1制御部110aから提供されたマルチメディアデータを人体通信に適する規格に変換した後、交通手段内に設けられたチャンネルを通じて伝送し、前記交通手段内に設けられたチャンネルを通じて人体通信装置200aから送信されたデータを受信した後、これを処理して第1制御部110aに提供する。
【0063】
ここで、第1人体通信部130aは、第1制御部110aの制御に相応して複数のチャンネルに同一のマルチメディアデータを伝送することもでき、複数のチャンネル夫々に相異なるマルチメディアデータを伝送することもできる。
【0064】
また、第1人体通信部130aは、交通手段内に設けられた複数の通信線路(即ち、チャンネル)と連結され、前記複数の通信線路の終端は使用者が直接的に接触することができるつり革または棒に設けられた導電性部材と連結されることができる。
【0065】
出力部140は、第1制御部110aから提供されたデータ及び制御信号に相応して前記提供されたデータを出力する。ここで、出力部140は公知された多様な形態で具現されることができる。例えば、出力部140は、ディスプレー素子及びこれを駆動するための映像処理モジュールから構成されて、人体通信装置200aから提供されたデータを表示することもでき、スピーカー、信号変換モジュール及び信号増幅モジュールから構成されて、提供されたデータに相応する音声または音響信号を出力するように構成されることもできる。
【0066】
人体通信装置200aは、第2人体通信部210a、第2制御部220a、マルチメディアデータ処理部230a及び入力部240を含むことができる。
【0067】
第2人体通信部210aは、使用者が交通手段内のつり革または棒等に設けられた導電性部材と接触する場合、使用者の身体を通じて伝送されたマルチメディアデータを受信し、受信されたマルチメディアデータを処理して第2制御部220aに提供する。このために、第2人体通信部210aは使用者の身体と接触される電極(未図示)を含む。
【0068】
第2制御部220aは、第2人体通信部210aからマルチメディアデータの提供を受けて、これをマルチメディアデータ処理部230aに提供し、前記マルチメディアデータが実行されることができるようにマルチメディアデータ処理部230aを制御する。
【0069】
また、第2制御部220aは、入力部240から提供されたデータを第2人体通信部210aに提供し、前記データが人体通信を通じてマルチメディアデータ提供装置100aに伝送されるように第2人体通信部210aを制御する。ここで、前記データは使用者が交通手段の管理者または運営者に送ろうとする情報であることができ、緊急情報、問い合わせ情報、チャンネル変更の要請、温度調整の要請、課金情報の問い合わせなどを含むテキストメッセージ形式であることができる。
【0070】
マルチメディアデータ処理部230aは、第2制御部220aの制御に相応して提供されたマルチメディアデータを実行する。このためにマルチメディアデータ処理部230aは、符号化された音声や映像データを復号化するための復号化モジュールを含むことができる。
【0071】
入力部240は、キーパッド、タッチパッドまたはタッチスクリーンなどで構成されることができ、使用者のキー操作に相応して、生成されたデータを第2制御部220aに提供する。
【0072】
図5は本発明のまた他の実施例による交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムを説明するための概念図であり、インターネット接続サービスを提供する場合を示す。
【0073】
図5を参照すると、使用者10が人体通信装置200bのウェブブラウザーを用いてインターネットに接続する場合、使用者が入力したインターネットアドレス情報は人体通信を通じてマルチメディアデータ提供装置100bに伝送される。マルチメディアデータ提供装置100bは、無線インターネット接続装置150aを通じて前記インターネットアドレス情報に該当するウェブサーバーに接続し、接続したウェブサーバーからインターネットデータの提供を受けて、人体通信に適するように処理した後、人体通信を通じて人体通信装置200bに伝送する。
【0074】
図6は本発明のまた他の実施例による交通手段内の人体通信を用いたマルチメディアデータ提供システムの構成を示すブロック図である。
【0075】
図6を参照すると、マルチメディアデータ提供装置100bは、第1制御部110b、貯蔵部120b、第1人体通信部130b、出力部140及び無線通信部150を含むことができる。
【0076】
第1制御部110bは、人体通信を通じて交通手段内のマルチメディアデータを提供するために貯蔵部120bからマルチメディアデータを読出した後、第1人体通信部130bに提供することにより、マルチメディアデータを交通手段内に設けられたつり革または棒の導電性部材に提供する。
【0077】
または、第1制御部110bは、無線通信部150を通じて外部のコンテンツサーバー330に接続し、前記コンテンツサーバー330からマルチメディアデータの提供を受けて、これを第1人体通信部130bを通じて人体通信装置200bに提供することもできる。
【0078】
また、第1制御部110bは、第1人体通信部130bを通じて人体通信装置200bからインターネット接続情報が提供される場合には、無線通信部150に前記インターネット接続情報を提供し、前記無線通信部150を制御して該当ウェブサーバーに接続した後、前記ウェブサーバーから提供されたインターネットデータが人体通信を通じて人体通信装置200bに提供されることができるように制御する。ここで、前記インターネット接続情報はインターネット接続のための接続要請メッセージ、目的地のアドレス、ポート番号などのようにインターネットに接続のために必要な全ての情報が含まれることができる。
【0079】
第1制御部110bは、交通手段に設けられた複数のつり革または棒に同一のマルチメディアデータを伝送することもでき、前記複数のつり革または棒に相異なるマルチメディアデータを伝送することもできる。
【0080】
貯蔵部120bは、交通手段内で提供される音楽、動画像、テキストなどのようなマルチメディアデータが貯蔵される。
【0081】
第1人体通信部130bは、第1制御部110bから提供されたマルチメディアデータを人体通信に適する規格に変換した後、交通手段内に設けられたチャンネルを通じて伝送し、前記交通手段内に設けられたチャンネルを通じて人体通信装置200bから送信されたインターネット接続情報を受信した後、これを処理して第1制御部110bに提供する。
【0082】
ここで、第1人体通信部130bは、交通手段内に設けられた複数の通信線路(即ち、チャンネル)と連結され、前記複数の通信線路の終端は使用者が直接的に接触することができるつり革または棒に設けられた導電性部材と連結されることができる。
【0083】
出力部140は、第1制御部110bから提供されたデータ及び制御信号に相応して、提供されたデータを出力する。
【0084】
無線通信部は、例えば、HSPA、WiBro、WiMAXなどの移動通信インターフェースまたは無線LANインターフェースなどで構成されることができ、第1制御部110bの制御に相応して、ネットワーク310を通じて該当ウェブサーバー320に接続してデータを送受信する。
【0085】
また、マルチメディアデータ提供装置100bが貯蔵部120bに貯蔵されたマルチメディアデータの他に、外部のコンテンツサーバー330に貯蔵されたマルチメディアデータを人体通信装置200bに提供する場合、無線通信部150は、第1制御部110bの制御に相応して、ネットワーク310を通じてコンテンツサーバー330に接続した後、前記コンテンツサーバー330からマルチメディアデータを受信して第1制御部110bに提供する。
【0086】
人体通信装置200bは、第2人体通信部210b、第2制御部220b、マルチメディアデータ処理部230b及び入出力部240bを含むことができる。
【0087】
第2人体通信部210bは、使用者が交通手段内のつり革または棒等に設けられた導電性部材と接触する場合、使用者の身体を通じて伝送されたマルチメディアデータを受信し、受信されたマルチメディアデータを処理して第2制御部220bに提供する。このため、第2人体通信部210bは使用者の身体と接触される電極(未図示)を含む。
【0088】
また、第2人体通信部210bは、第2制御部220bから提供されたデータを人体通信に適するように処理した後、電極(未図示)を通じて使用者の身体に伝送する。
【0089】
第2制御部220bは、第2人体通信部210bからマルチメディアデータの提供を受けて、これをマルチメディアデータ処理部230bに提供し、前記マルチメディアデータが実行されることができるようにマルチメディアデータ処理部230bを制御する。
【0090】
また、第2制御部220bは、入出力部240bから提供されたデータ(例えば、テキストデータ)を第2人体通信部210bに提供し、前記データが人体通信を通じてマルチメディアデータ提供装置100bに伝送されるように第2人体通信部210bを制御する。
【0091】
マルチメディアデータ処理部230bは、第2制御部220bの制御に相応して、提供されたマルチメディアデータを実行し、実行されたデータを入出力部240bに提供する。このため、マルチメディアデータ処理部230bは符号化された音声や映像データを復号化するための復号化モジュールを含むことができる。
【0092】
入出力部240bは、キーパッド、タッチパッドまたはタッチスクリーン、ディスプレー素子などで構成されることができ、使用者のキー操作に相応して、生成されたデータを第2制御部220aに提供したり、マルチメディアデータ処理部230bから提供された信号を出力する。
【0093】
例えば、使用者が入出力部240bを通じて所定のウェブサーバーに接続するためのアドレスを入力すると、入出力部は入力された住所を第2制御部220bに提供し、第2制御部220bは、前記アドレスを含むインターネット接続情報を第2人体通信部210bを通じてマルチメディアデータ提供装置100bに提供する。その後、人体通信装置200bは第2人体通信部210bを通じてインターネットデータの提供を受けて、提供されたインターネットデータを入出力部240bを通じて出力する。
【0094】
以上、実施例を参照して説明したが、当技術分野の熟練した当業者は添付の特許請求の範囲に記載した本発明の思想及び領域を外れない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができることは理解できるであろう。
【符号の説明】
【0095】
100、100a、100b マルチメディアデータ提供装置
110、110a、110b 第1制御部
120、120a、120b 貯蔵部
130、130a、130b 第1人体通信部
140 出力部
210、210a、210b 第2人体通信部
220,220a、220b 第2制御部
230、230a、230b マルチメディアデータ処理部
240 入力部
240b 入出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチメディアデータを獲得し、獲得した前記マルチメディアデータを提供する第1制御部;
前記マルチメディアデータを人体通信が可能である信号に変換した後、前記変換された信号を交通手段内に設けられた少なくとも一つの導電性部材に提供する第1人体通信部;及び
前記マルチメディアデータが貯蔵された貯蔵部を含む交通手段内の人体通信を用いたマルチメディア提供システム。
【請求項2】
前記第1制御部は、
前記交通手段内に設けられた少なくとも一つの導電性部材の夫々に相異なるマルチメディアデータを提供するための制御を遂行することを特徴とする請求項1に記載の交通手段内の人体通信を用いたマルチメディア提供システム。
【請求項3】
前記人体通信を用いたマルチメディア提供システムは、
人体通信を通じて提供されたデータを表示する出力部をさらに含み、前記第1制御部は、人体通信を通じてデータの提供を受ける場合、提供された前記データが前記出力部に表示されるように制御することを特徴とする請求項1に記載の交通手段内の人体通信を用いたマルチメディア提供システム。
【請求項4】
前記少なくとも一つの導電性部材は、前記交通手段内に設けられたつり革、垂直棒及び水平棒のうち、少なくとも一つに設けられることを特徴とする請求項1に記載の交通手段内の人体通信を用いたマルチメディア提供システム。
【請求項5】
前記交通手段内の人体通信を用いたマルチメディア提供システムは、
前記第1制御部の制御に相応して、無線通信を遂行する無線通信部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の交通手段内の人体通信を用いたマルチメディア提供システム。
【請求項6】
前記第1制御部は、
インターネット接続情報が提供される場合、前記無線通信部を通じて該当サーバーに接続するように制御し、前記該当サーバーから提供されたデータが人体通信を通じて伝送されることができるように制御を遂行することを特徴とする請求項5に記載の交通手段内の人体通信を用いたマルチメディア提供システム。
【請求項7】
使用者の身体を通じて伝送されたマルチメディアデータを受信し、受信された前記マルチメディアデータを提供する第2人体通信部;
前記受信されたマルチメディアデータの提供を受けて、提供された前記マルチメディアデータの実行を制御する第2制御部;及び
前記第2制御部の制御に相応して、前記マルチメディアデータを実行するマルチメディアデータ処理部を含む交通手段内の人体通信を用いたマルチメディア提供システム。
【請求項8】
前記交通手段内の人体通信を用いたマルチメディア提供システムは、
使用者からデータの入力を受けるための入力部;及び
前記マルチメディアデータの実行結果を出力するための出力部をさらに含み、前記第2制御部は、前記入力部を通じてデータが提供される場合、提供された前記データが人体通信を通じて伝送されるように前記第2人体通信部を制御することを特徴とする請求項7に記載の交通手段内の人体通信を用いたマルチメディア提供システム。
【請求項9】
マルチメディアデータを人体通信が可能である信号に変換した後、交通手段内に設けられた少なくとも一つの導電性手段に伝送するマルチメディアデータ提供装置;及び
前記少なくとも一つの導電性手段と接触した使用者の身体を通じて前記マルチメディアデータの提供を受けて、前記提供されたマルチメディアデータを実行する人体通信装置を含む交通手段内の人体通信を用いたマルチメディア提供システム。
【請求項10】
前記人体通信装置は、
使用者から提供された情報を人体通信が可能である信号に変換した後、使用者の身体と接触した前記少なくとも一つの導電性手段に提供することを特徴とする請求項9に記載の交通手段内の人体通信を用いたマルチメディア提供システム。
【請求項11】
前記マルチメディアデータ提供装置は、
前記人体通信装置から提供されたインターネット接続情報に相応して、該当ウェブサーバーに接続した後、接続された前記ウェブサーバーから提供されたデータを人体通信が可能である信号に変換した後、前記人体通信装置に提供することを特徴とする請求項9に記載の交通手段内の人体通信を用いたマルチメディア提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−135572(P2011−135572A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270162(P2010−270162)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】