説明

人体型ファントム

【課題】電磁波に係る実験用の軽量化された人体型ファントムを提供。
【解決手段】人体型ファントム10は、少なくともその一部、たとえば頭部22に関して、人体型擬似体12が人体型の外殻から内側に向かって所定の厚さを有するように形成され、さらに電波吸収体14が人体型擬似体12の内側表面からより内側に向かって所定の厚さを有するように形成されて、人体型擬似体から成る第1の層と電波吸収体から成る第2の層とを含む複数層状に構成されることにより、外側からみた電気的特性を人体と等しくしながら、重量を大幅に軽量化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波に係る実験用の人体型ファントムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの無線通信端末は、通信に係る電磁波をそのアンテナによって送受信するが、これらの端末およびアンテナは人体に近接して使用されるので、人体とアンテナとが相互作用することにより電磁波の放射方向や強度に影響を与えることとなる。そこで、従来から、このような電磁波による作用および影響を把握し、解析する実験および試験を行う必要がある。これらの実験および試験では、人体の代わりに人体を模擬したファントムが使用されている。
【0003】
このような実験用の人体型ファントムは、樹脂材料や液体を用いて、人体に類似した誘電率を有する材料で形成され、たとえば、特許文献1に記載の固体ファントムでは、樹脂に導電性繊維を混入して製造し、この導電材料によってファントム自体の誘電率を調整することができる。
【特許文献1】特許第3663264号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の人体型ファントムは、均質かつ密実な樹脂材料または液体で形成され、少なくとも人体の上半身部分を模擬して構成されるので、その重量は重く、たとえば20Kg〜30Kgの重量を有することになる。このような重い人体型ファントムは、移動させ難く、取り扱いが困難である。
【0005】
また、この重いファントムを使用して実験を行う場合、放射パターンを3次元で取得するときには、高価で剛性のある重量型支持ポジショナを使用しなければならないので不便である。
【0006】
さらに、従来の液体型ファントムでは、水分を多く含むので時間の経過とともにその特性が変化してしまうことがある。
【0007】
本発明は、このような従来技術の欠点を解消し、外側からみた電気的特性を人体と等しくしながら、軽量かつ時間的特性変化の少ない人体型ファントムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上述の課題を解決するために、人体型の少なくとも一部を有して成形されて、人体と同様の電気的特性を有して構成され、電磁波に関する実験に用いられる人体型ファントムは、少なくともこのファントムの一部分について、その部分の人体型の外殻を形成して、内部に空洞を有する中空体の人体型擬似体と、電気的損失特性を有する吸収材料を含んで、この人体型擬似体の表面を覆うように形成される電波吸収体とを含み、
この人体型擬似体から成る第1の層とこの電波吸収体から成る第2の層とを含む複数層状に形成されてこのファントムの一部分を構成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の人体型ファントムによれば、少なくともその一部、たとえば頭部に関して、人体型擬似体が人体型の外殻から内側に向かって所定の厚さを有するように形成され、さらに電波吸収体が人体型擬似体の内側表面からより内側に向かって所定の厚さを有するように形成されて、人体型擬似体から成る第1の層と電波吸収体から成る第2の層とを含む複数層状に構成されることにより、外側からみた電気的特性を人体と等しくしながら、重量を大幅に軽量化することができる。
【0010】
また、本発明の人体型ファントムは、非常に軽量に構成されるので、セットアップ測定時間を短縮することができ、安価なポジショナを使用して支持することができる。
【0011】
さらに、人体とアンテナとの相互作用に関する実験では、実験対象の電磁波の周波数ごとに、異なる特性を有する複数のファントムを製造する必要があるが、本発明の人体型ファントムによれば、人体型擬似体は同一のものを製造すればよく、この人体型擬似体に対して、各周波数の特性を有する電波吸収体を取り付ければよいので、製造上の便宜を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に添付図面を参照して、本発明による人体型ファントムの実施例を詳細に説明する。たとえば、本実施例の人体型ファントム10は、図1および図2に示すように、少なくとも頭部22および胸部24のいずれかが、中空の人体型の擬似体12に対して、その内側表面を電波吸収体14で覆うように形成されて構成される。なお、本発明の理解に直接関係のない部分は、図示を省略し、冗長な説明を避ける。
【0013】
人体型ファントム10は、人体とアンテナとの相互作用による電磁波の影響を把握するためのシミュレーションまたは実験において用いられるものである。たとえば、携帯電話網に設置される基地局とユーザ端末である携帯電話とが通信接続して、その基地局のアンテナから携帯電話に対して通信に係る電波が発せられることを想定して、人体型ファントム10に携帯電話を持たせてシミュレーションまたは実験が行われる。
【0014】
人体型ファントム10は、図3に示すように、頭部22、胸部24および左右の腕部26を有する人体の上半身を擬似化したものでよい。また、人体型ファントム10は、頭部22、胸部24および左右の腕部26がそれぞれ脱着可能に組み合わされるものでよく、各部は人体と同様に可動式に構成されるとよい。また、腕部26は、携帯電話などの無線通信端末28を把持可能に構成されるとよい。
【0015】
本実施例において、図1および図2は、それぞれ、人体型ファントム10の頭部22および胸部24の正面からの断面図である。本実施例の人体型ファントム10は、頭部22および胸部24のいずれか一方が電波吸収体14を有する中空体で構成されればよいが、頭部22および胸部24の両方をこの中空体で構成してもよく、また他の部分を中空体としてもよい。
【0016】
さらに、本実施例の人体型ファントム10は、人体型の擬似体12の内側表面を電波吸収体14で覆うように構成されているが、外側表面を電波吸収体14で覆うようにして構成されてもよい。
【0017】
人体型擬似体12は、人体の模型であり、人体型の外殻から内側に向かって所定の厚さを有し、内部に空洞16を有する模型で形成される。
【0018】
この人体型擬似体12は、ナイロン、ポリプロピレンまたはウレタンフォームなどの合成樹脂材料、すなわちプラスチックで形成されるものでよく、その他の非金属材料により形成されてもよい。人体型擬似体12は、たとえばモールドにより一体形成することができる。
【0019】
本実施例において、人体型擬似体12は、外殻からの所定の厚さを一様にして形成されてよく、また、図1および図2に示すように、外殻からの所定の厚さは一様でなくてもよい。人体型擬似体12は、内部の空洞を構成し易いように適宜形成されて、外殻からの所定の厚さを有すればよい。
【0020】
電波吸収体14は、電波を吸収する性質を有するもので、空洞を有する人体型擬似体12の内側表面または外側表面に備えられる。本実施例の電波吸収体14は、人体型擬似体12の内側表面からより内側に向かって所定の厚さで構成されるもので、たとえば、この内側表面に貼り付けられる電波吸収シートでよい。
【0021】
この電波吸収体14は、電気的損失特性を有する材料を有して形成され、たとえば、カーボンブラックやカーボン繊維などの炭素系材料や、フェライト粉末などの導電性材料を含んで構成されるものでよい。たとえば、電波吸収体14は、炭素粒子を発泡ウレタンフォームに分散して混入して構成されてよい。
【0022】
電波吸収体14は、少なくとも1種類以上の固形物の誘電材料のみからなるもので、同様の性質を有する液体物に比べて軽量であり、たとえば、フェライト粉末、ロッシェル塩、酸化チタンまたはチタン酸バリウムなどの誘電材料を固形化して生成される。たとえば、電波吸収体14は、粒状または粉末状などの固体物の誘電材料を所定の液体で混ぜ合わせて固形化したものでよい。
【0023】
また、このように固形物の誘電材料のみからなる電波吸収体14を用いる場合、たとえば、比較的カーボン量の多い誘電材料で芯体を形成し、この芯体を本ファントム内部の空洞16と置き換えて人体型ファントム10を形成してもよい。その場合、芯体の周りに配される電波吸収体14は、芯体と比べてカーボン量の少ない誘電材料で形成される。
【0024】
本実施例において、電波吸収体14は、ファントム10の電気的特性が人体の電気的特性と等しくなるように、人体型擬似体12の表面からの厚さを調整して形成されるとよい。
【0025】
ところで、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1528による規格を考慮して、人体の電気定数から求めたインピーダンスZcを人体型ファントムに必要な電気的損失と考えることができる。このインピーダンスZcの性質を有して均質かつ密実な樹脂材料で形成された人体型ファントムに対して、十分遠方にある波源から平面波が入射する場合の伝送線路モデルは、たとえば図4に示すように表わすことができ、このモデルを用いたシミュレーションによって電波の電気的損失を測定することができる。
【0026】
この図4では、空気中の空間インピーダンスをインピーダンスZoで示し、均質モデルがZ=0を基準としてマイナス方向に無限遠にあると仮定し、すなわち図4のZ=0で示す点線よりも右側が人体型ファントムであり、左側が外部の大気などの自由空間であると仮定する。
【0027】
他方、本実施例における人体型ファントム10は、外部の自由空間と内部の空洞領域との間に電波吸収体14を配するモデルとして想定することができ、その伝送線路モデルは、たとえば図5に示すように表わすことができる。この図5のモデルにおいて、電波吸収体14による電気的損失をインピーダンスZsで示し、電波吸収体14の厚さをtで示す。電波吸収体14のインピーダンスZsは、厚さtに応じて変化する。
【0028】
この図5では、電波吸収体14がz=0を基準としてz=tまであると仮定し、すなわち図5のz=tで示す点線よりも左側が外部の自由空間で、その右側が人体型ファントムであり、z=0で示す点線よりも右側が内部の空洞領域であると仮定する。ここで、z=tの点線の右側における人体型ファントムのインピーダンスは、インピーダンスZtで示す。
【0029】
たとえば、本実施例では、図5における電波吸収体モデルによる電気的損失が、図4における均質モデルによる電気的損失と等しくなるように、インピーダンスZsおよび厚さtを調整し、その調整結果として実現性のある値が得られた電波吸収体14を使用するとよい。たとえば、複素比誘電率が1[GHz]で厚さ9.0[mm]の電波吸収体14が実現可能である。
【0030】
人体型ファントム10は、実験対象電波の周波数に合わせて形成されるので、本実施例では、電波吸収体14の厚さを変えたり、電波吸収体14に混入する炭素系材料または導電性材料の含有率を変えたりして、各周波数に対応した人体型ファントム10を形成することができる。
【0031】
また、人体型ファントムの特性を解析する場合、たとえば人体の近傍に携帯電話のアンテナがある場合を想定して、図6に示すように、人体型ファントムの頭部52から所定の距離dだけ離れた位置にダイポールアンテナ54を配して解析を行うことができる。ここで、電波吸収体14を備えた本実施例の人体型ファントム10、すなわち電波吸収モデルを用いた場合の解析結果と、均質かつ密実な樹脂材料で形成された人体型ファントム、すなわち均質モデルを用いた場合の解析結果とを下記のように比較する。これらの解析モデルでは、それぞれの人体型ファントムと同様に構成された直径100mmの球体を頭部52として使用する。
【0032】
ここで、距離dの変化に応じて、アンテナ54に係る入射波と反射波との比、すなわち反射量を測定すると、その測定結果が図7に示すグラフのように表される。図7のグラフにおいて、縦軸は反射電力量S11[dB]を示し、横軸は距離d/λを示す。また、図7のグラフでは、厚さ4.2mmの電波吸収体14を備えた電波吸収モデルを使用した場合の解析結果を実線で示し、厚さ9.0mmの電波吸収体14を備えた電波吸収モデルを使用した場合の解析結果を破線で示し、均質モデルを使用した場合の解析結果を長破線で示す。
【0033】
これらの解析モデルでは、入射面が平面でないこともあり、距離dを0.25λ程度まで小さくすると、電波吸収モデルを用いた場合と均質モデルを用いた場合との間で反射量の差が顕著になる。この距離dが大きいときには電波吸収体14の厚さの影響をほとんど受けないので、本実施例の人体型ファントム10では、距離dが至近距離である場合でもそれぞれの反射量の値が近づくように電波吸収体14の厚さを決めることができる。たとえば、電波吸収体14の厚さを4.2mmにすることによって、それぞれの反射量をほぼ等しくすることができる。
【0034】
また、図6に示す解析モデルにおいて、紙面の上方向および左方向をそれぞれx方向およびy方向とし、紙面から手前に向かう方向をz方向とするとき、それぞれの解析モデルによる放射パターンを図8ないし図11に示す。これらの図8ないし図11では、電波吸収モデルの放射パターンを実線で示し、均質モデルの放射パターンを破線で示し、人体型ファントムを使用しない場合の放射パターンを一点差線で示す。
【0035】
図8および図9の放射パターンは、それぞれ、距離d=0.05λを設定した場合における各モデルのxy平面の各位相における主偏波および交差偏波の強度[dB]を示し、図10および図11の放射パターンは、それぞれ、距離d=0.05λを設定した場合における各モデルのyz平面の各位相における主偏波および交差偏波の強度[dB]を示す。
【0036】
このように、アンテナが人体型ファントムに近接しているときでも、電波吸収モデルを用いた場合と均質モデルを用いた場合とで、同様の放射パターンが得られることが分かる。
【0037】
また、他の実施例において、本発明の人体型ファントム10は、図12および図13に示すように、誘電率の異なる複数の吸収材料の層38および40からなる電波吸収体34を有して構成されてもよい。
【0038】
この実施例において、人体型ファントム10の頭部30は、中空である頭部30の擬似体32と電波吸収体34とを有して構成される。この実施例では、人体型ファントム10の頭部30の例を説明するが、胸部、腕部およびその他の部位が複数層の電波吸収体を有するように構成されてもよい。
【0039】
この電波吸収体34は、外から内に向かって、またはその逆方向で層をなすものでよく、頭部30の擬似体32の内側表面から頭部30の中心に向かって積層されてよい。
【0040】
また、電波吸収体34を構成する複数層38および40は、それぞれ、同じ吸収材料、すなわち同じ誘電材料からなるものでよいが、異なる誘電材料からなるものでもよい。電波吸収体34における各層38または40の誘電率は、各層38または40を構成する誘電材料の質または量に応じて調整することができ、たとえば、多くのカーボン量を含有することによって誘電率の高い層が形成され、少ないカーボン量を含有することによって誘電率の低い層が形成される。
【0041】
また、電波吸収体34は、誘電率に応じて各層38または40が配されるように構成されるとよく、たとえば、より誘電率の高い層が内側に配され、より誘電率の低い層が外側に配されるように、各層が誘電率の高さの順に積層されるとよい。
【0042】
ところで、人体型ファントム10は、試験対象となる電磁波の周波数に影響されずに各周波数に対応して共通に使用されるものが望ましいが、それらの周波数ごとに用意されてもよい。そこで、試験対象の電磁波の周波数に応じた人体型ファントム10を生成するときには、この周波数に応じて、その対象電磁波の試験に適した電波吸収体34の誘電率をあらかじめ決定し、また、その決定した誘電率を実現するように、電波吸収体34を構成する複数層の層数および各層の誘電率をあらかじめ決定しておくとよい。この実施例の人体型ファントム10は、これらの決定結果に基づいて形成されるとよい。
【0043】
たとえば、周波数800 MHzの電磁波の試験を対象とした人体型ファントム10を生成する場合、図14および図15に示すように、1層の誘電材料42で形成される電波吸収体34を用いることができる。
【0044】
また、周波数2000 MHzの電磁波の試験を対象とした人体型ファントム10を生成する場合、図12および図13に示すように、2層の誘電材料38および40を積層して形成される電波吸収体34を用いることができる。この電波吸収体34では、誘電材料38および40は、それぞれ異なる誘電率を有し、誘電率の比較的高い誘電材料40が誘電率の比較的低い誘電材料38よりも内側に配されて電波吸収体34が形成される。
【0045】
このように、この実施例の人体型ファントム10では、電波吸収体34は、対象電磁波の周波数がより高い場合には層数をより多くし、より低い場合には層数をより少なくして、対象電磁波の実験に適した層数で形成されるとよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る人体型ファントムの頭部の一実施例を示す正面断面図である。
【図2】本発明に係る人体型ファントムの胸部の一実施例を示す正面断面図である。
【図3】図1および/または図2に示す実施例の人体型ファントムの使用例を示す概要図である。
【図4】均質的な人体型ファントムによる伝送線路モデルを示す概要図である。
【図5】図1に示す人体型ファントムによる伝送線路モデルを示す概要図である。
【図6】人体型ファントムの特性を解析する解析モデルを示す概要図である。
【図7】図6における解析モデルの解析結果を示すグラフである。
【図8】図6における解析モデルにおけるxy平面の主偏波の放射パターンを示すグラフである。
【図9】図6における解析モデルにおけるxy平面の交差偏波の放射パターンを示すグラフである。
【図10】図6における解析モデルにおけるyz平面の主偏波の放射パターンを示すグラフである。
【図11】図6における解析モデルにおけるyz平面の交差偏波の放射パターンを示すグラフである。
【図12】本発明に係る人体型ファントムの頭部の他の実施例を示す正面断面図である。
【図13】図12に示す他の実施例の人体型ファントムの頭部を上から見た上方断面図である。
【図14】本発明に係る人体型ファントムの頭部の他の実施例を示す正面断面図である。
【図15】図14に示す他の実施例の人体型ファントムの頭部を上から見た上方断面図である。
【符号の説明】
【0047】
10 人体型ファントム
12 人体型擬似体
14 電波吸収体
16 空洞
22 頭部
24 胸部
26 腕部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体型の少なくとも一部を有して成形されて、人体と同様の電気的特性を有して構成され、電磁波に関する実験に用いられる人体型ファントムにおいて、該ファントムは、
少なくとも該ファントムの一部分について、その部分の人体型の外殻を形成して、内部に空洞を有する中空体の人体型擬似体と、
電気的損失特性を有する吸収材料を含んで、前記人体型擬似体の表面を覆うように形成される電波吸収体とを含み、
前記人体型擬似体から成る第1の層と前記電波吸収体から成る第2の層とを含む複数層状に形成されて前記ファントムの一部分を構成することを特徴とする人体型ファントム。
【請求項2】
請求項1に記載の人体型ファントムにおいて、前記電波吸収体は、前記人体型擬似体の空洞領域における内側表面から所定の厚さを有して形成されることを特徴とする人体型ファントム。
【請求項3】
請求項1に記載の人体型ファントムにおいて、前記電波吸収体は、前記人体型擬似体の外側表面から所定の厚さを有して形成されることを特徴とする人体型ファントム。
【請求項4】
請求項1に記載の人体型ファントムにおいて、該ファントムは、人体の上半身部分を模擬して構成され、少なくとも前記上半身部分の頭部が、前記人体型擬似体および前記電波吸収体により構成されることを特徴とする人体型ファントム。
【請求項5】
請求項1に記載の人体型ファントムにおいて、該ファントムは、人体の上半身部分を模擬して構成され、少なくとも前記上半身部分の胸部が、前記人体型擬似体および前記電波吸収体により構成されることを特徴とする人体型ファントム。
【請求項6】
請求項1に記載の人体型ファントムにおいて、該ファントムは、実験対象の電磁波の周波数に応じて、前記吸収材料の含有量を調整して前記電波吸収体を整形して構成されることを特徴とする人体型ファントム。
【請求項7】
請求項1に記載の人体型ファントムにおいて、前記吸収材料は、炭素系材料であることを特徴とする人体型ファントム。
【請求項8】
請求項1に記載の人体型ファントムにおいて、前記電波吸収体は、前記吸収材料として炭素粒子を適用し、該炭素粒子を発泡ウレタンフォームに分散して混入して形成されることを特徴とする人体型ファントム。
【請求項9】
請求項1に記載の人体型ファントムにおいて、前記電波吸収体は、前記人体型擬似体に貼り付けられる電波吸収シートであることを特徴とする人体型ファントム。
【請求項10】
請求項1に記載の人体型ファントムにおいて、前記電波吸収体は、少なくとも1種類以上の固形物の前記吸収材料のみからなるものであり、また、誘電率の異なる複数の前記吸収材料の層が、前記人体型擬似体の内側表面から該ファントムの中心に向かって積層されて形成されたものであることを特徴とする人体型ファントム。
【請求項11】
請求項10に記載の人体型ファントムにおいて、前記電波吸収体は、前記複数の吸収材料の層がそれぞれの誘電率の高さの順に積層されて形成されることを特徴とする人体型ファントム。
【請求項12】
請求項10に記載の人体型ファントムにおいて、前記電波吸収体は、実験対象の電磁波の周波数に応じて、その実験に適した層数の前記吸収材料が積層されて形成されることを特徴とする人体型ファントム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−237536(P2009−237536A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297915(P2008−297915)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(504182255)国立大学法人横浜国立大学 (429)
【出願人】(505005762)マイクロウェーブファクトリー株式会社 (1)
【Fターム(参考)】