人材育成システム、人材育成方法および人材育成プログラム
【課題】 システムの負担を軽することができるとともに、受講者の教育期間を短縮することができる人材育成システム、人材育成方法および人材育成プログラムを提供する。
【解決手段】 人材育成システム(100)は、1以上の課題を含むカリキュラムを複数記憶するカリキュラム記憶手段(11)と、カリキュラム記憶手段に記憶されたいずれかの課題を複数の端末を介して受講者に提示するための提示手段(12)と、複数のカリキュラムの中から1つずつ所定の期間ごとに順に選択し、選択されたカリキュラムの中から課題を選択して提示手段に複数の端末を介して提示させるカリキュラム制御手段(13)と、を備える。
【解決手段】 人材育成システム(100)は、1以上の課題を含むカリキュラムを複数記憶するカリキュラム記憶手段(11)と、カリキュラム記憶手段に記憶されたいずれかの課題を複数の端末を介して受講者に提示するための提示手段(12)と、複数のカリキュラムの中から1つずつ所定の期間ごとに順に選択し、選択されたカリキュラムの中から課題を選択して提示手段に複数の端末を介して提示させるカリキュラム制御手段(13)と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人材育成システム、人材育成方法および人材育成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
社内での人材育成過程においては、必要な知識、技術、技能等を社員に習得させる必要がある。この場合、社内教育、社内研修等を定期的または随時行うことによって人材を育成することができる。近年においては、このような人材育成過程においてコンピュータを用いることが多くなってきた。例えば、特許文献1に記載の電子教育システムを用いると、過去に出題した問題に応じて新たな問題を受講者に提示することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2007−033808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、各受講者は同時にカリキュラムを受講するわけではない。この場合、システムによる管理が複雑になってシステムの負担が大きくなる。また、各受講者の能力が所望のレベルに達するか否かは、各受講者の資質によるおそれがある。その結果、必要な教育項目を習得させる期間が受講者によっては長くなるおそれがある。
【0005】
本発明は、システムの負担を軽することができるとともに、受講者の教育期間を短縮することができる人材育成システム、人材育成方法および人材育成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る人材育成システムは、1以上の課題を含むカリキュラムを複数記憶するカリキュラム記憶手段と、カリキュラム記憶手段に記憶されたいずれかの課題を複数の端末を介して受講者に提示するための提示手段と、複数のカリキュラムの中から1つずつ所定の期間ごとに順に選択し、選択されたカリキュラムの中から課題を選択して提示手段に複数の端末を介して提示させるカリキュラム制御手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0007】
本発明に係る人材育成システムにおいては、各端末において同一のカリキュラムから課題が選択されていることから、運用が容易である。具体的には、各端末において受講者に提示するカリキュラムが同一であることから、課題の選択の幅が小さくなる。それにより、本発明に係る人材育成システムの負担が小さくなる。また、各受講者は、受講開始時期にとらわれることなく、各カリキュラムを受講することができる。また、複数の受講者が受講開始時期を異にしてカリキュラムの受講を開始するとする。この場合、先に受講を開始している受講者が後に受講を開始する受講者の講師役になるという構図が形成される。それにより、後に受講を開始する受講者の習得効率が向上する。また、先に受講を開始した受講者は、講師役になることによって、自らの理解度を深めることができる。以上のことから、各受講者は、短期間で習得事項を習得することができる。
【0008】
端末は、課題に対する回答を入力するための入力手段をさらに備えていてもよい。
【0009】
本発明に係る人材育成システムは、複数の端末において同一の課題が提示された際に各入力手段のうち所定の入力手段を入力不可に設定する設定手段をさらに備えていてもよい。この場合、入力可の入力手段を使用している受講者が他の受講者の意見をまとめ、リーダーシップを発揮することになる。したがって、この受講者にリーダーとしての能力を習得させることができる。
【0010】
本発明に係る人材育成システムは、入力手段に入力された回答に基づいて受講者の性質を判定する判定手段をさらに備え、カリキュラム制御手段は、判定の結果に応じた課題を前記提示手段に提示させてもよい。この場合、各受講者に効率よく習得事項を習得させることができる。
【0011】
判定手段は、入力手段に入力された回答の完成度に応じて受講者の性質を判定してもよい。また、判定手段は、課題が提示手段によって提示されてから入力手段に回答が入力されるまでの時間に応じて、受講者の性質を判定してもよい。また、提示手段は、端末を介して、受講者の操作に応じて課題に関する情報を受講者に提供する情報提供手段をさらに備え、判定手段は、情報提供手段による受講者への情報の提供の有無に応じて、受講者の性質を判定してもよい。これらの場合、各受講者に効率よく習得事項を習得させることができる。
【0012】
本発明に係る人材育成システムは、各受講者の音量を測定する音量測定手段をさらに備え、設定手段は、音量測定手段の測定結果に基づいて、受講者のうち最も音量の少ない受講者に割り当てられた端末の入力手段を入力不可に設定してもよい。この場合、最も音量の少ない受講者にリーダーとしての能力を習得させることができる。
【0013】
カリキュラム制御手段は、受講者の性質に基づき、複数のカリキュラムのうち2つ目以降のカリキュラムにおいて提示する課題を選択してもよい。この場合、例えば、カリキュラムの進行とともに、難易度の低い課題の提示を省略することができる。その結果、各受講者に短期間で各習得事項を習得させることができる。
【0014】
カリキュラム制御手段は、受講者の性質に応じて、2つ目以降のカリキュラムの課題を選択してもよい。また、カリキュラム制御手段は、受講者が受講済みのカリキュラムにおける受講者の回答結果に基づいて、2つ目以降のカリキュラムの課題を選択してもよい。
【0015】
複数のカリキュラムのそれぞれには、1以上のレベルに分けられた課題が複数含まれていてもよい。また、カリキュラム制御手段は、選択されたカリキュラムに含まれる課題のうち同一または異なる課題を選択してもよい。
【0016】
本発明に係る人材育成方法は、1以上の課題を含む複数のカリキュラムを所定の期間ごとに順に選択する選択ステップと、選択されたカリキュラムの中から課題を選択して複数の端末を介して受講者に提示する提示ステップと、を含むことを特徴とするものである。
【0017】
本発明に係る人材育成プログラムは、コンピュータを、1以上の課題を含む複数のカリキュラムからいずれかの課題を複数の端末を介して受講者に提示する提示手段と、複数のカリキュラムを所定の期間ごとに順に選択し選択されたカリキュラムの中から課題を選択して提示ステップにおいて提示させるカリキュラム制御手段と、して機能させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、システムの負担を軽くすることができるとともに、受講者の教育期間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明の第1実施例に係る人材育成システム100の全体構成を示す模式図である。図1(a)に示すように、人材育成システム100は、サーバ10と、複数の端末20と、を備える。なお、複数の端末20は、必ずしも同一の事業所内に設置されている必要はない。例えば、図1(b)に示すように、異なる事業所においてそれぞれ複数の端末20が設置され、各端末20がサーバ10と接続されていてもよい。
【0021】
図2は、サーバ10と端末20との間の電気信号の送受信について説明するための模式図である。図2(a)に示すように、端末20は、サーバ10にアクセスして課題を受信する。この場合、端末20は、サーバ10から受信した課題を表示手段21に表示させる。受講者によって入力手段22に回答が入力されると、図2(b)に示すように、端末20は入力された回答をサーバ10に送信する。
【0022】
図3は、サーバ10および端末20の構成の詳細を説明するための図である。図3(a)は、サーバ10および端末20の機器構成図である。図3(b)は、サーバ10および端末20の機能ブロック図である。
【0023】
図3(a)に示すように、サーバ10は、CPU(中央演算処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)、インタフェース等を備える。サーバ10は、ROM、ハードディスク等の記憶手段に、人材育成システム100を動作させるための人材育成プログラムを格納している。また、端末20は、CPU、RAM、ROM、インタフェース、ディスプレイ、入力機器等を備える。入力機器とは、マウス、キーボード等である。サーバ10と端末20とは、LAN(Local Area Network)、インターネット等の電気通信手段を介して接続されている。
【0024】
図3(b)に示すように、サーバ10は、カリキュラム記憶手段11、提示手段12、カリキュラム制御手段13、設定手段14、判定手段15および情報提供手段16として機能する。本実施例においては、図3(a)のCPUが提示手段12、カリキュラム制御手段13、設定手段14、判定手段15および情報提供手段16として機能する。また、図3(a)のROMがカリキュラム記憶手段11として機能する。これらの手段は、人材育成プログラムの実行によって、サーバ10内に実現される。また、図3(a)のディスプレイが表示手段21に相当し、図3(a)の入力機器が入力手段22に相当する。
【0025】
カリキュラム記憶手段11は、1以上の課題を含むカリキュラムを複数記憶している。提示手段12は、カリキュラム記憶手段11に記憶されたいずれかの課題を複数の端末20の表示手段21を介して受講者に提示する。カリキュラム制御手段13は、提示手段12を制御する。設定手段14は、複数の端末20のいずれかの入力手段22を入力可または入力不可に設定する。判定手段15は、入力手段22に入力された情報に基づいて受講者の性質を判定する。情報提供手段16は、各端末20の表示手段21を介して、課題の解決を促進する情報を受講者の操作に応じて受講者に提供する。
【0026】
以下、上記各手段の詳細について説明する。上述したカリキュラムとは、受講者に習得させるべき習得事項を分野別等に応じて分けたもののことをいう。受講者は、各カリキュラムを受講することによって、習得事項を習得していく。各カリキュラムはそれぞれ互いに独立しており、受講順にかかわらず習得可能である。したがって、各カリキュラムを受講者ごとに異なる順番で受講させてもよい。図4は、カリキュラムの詳細を説明するための模式図である。図4に示すように、各カリキュラムには、1以上の課題が含まれる。例えば、カリキュラム1には、課題1−A、1−B、1−C等が含まれる。各課題は、1以上のレベルに応じて区分されていてもよい。
【0027】
次に、提示手段12の動作の詳細について説明する。提示手段12は、カリキュラム記憶手段11に記憶されているカリキュラムに含まれるいずれかの課題を表示手段21に表示させる。課題に対する回答が入力手段22に入力されれば、提示手段12は、回答の合否を判定し、さらに課題を表示手段21に表示させる。それにより、受講者は、各カリキュラムの課題の解決を通じて、習得事項を習得していく。図5に、人材育成システム100によって実行されるフローチャートの一例を示す。
【0028】
図5に示すように、まず提示手段12は、課題1−Aを表示手段21に表示させる(ステップS1)。次に、提示手段12は、受講者によって入力手段22に回答が入力されるまで待機する(ステップS2)。入力手段22に回答が入力されると、提示手段12は、回答の合否を判定する(ステップS3)。ステップS3において回答が不正解であると判定された場合、提示手段12は、ステップS1を再度実行する。
【0029】
ステップS3において回答が正解であると判定された場合、提示手段12は、課題1−Bを表示手段21に表示させる(ステップS4)。次に、提示手段12は、受講者によって入力手段22に回答が入力されるまで待機する(ステップS5)。入力手段22に回答が入力されると、提示手段12は、回答の合否を判定する(ステップS6)。ステップS6において回答が不正解であると判定された場合、提示手段12は、ステップS4を再度実行する。ステップS6において回答が正解であると判定された場合、提示手段12は、フローチャートの実行を終了する。
【0030】
このように、受講者は、各課題の解決を通じて習得事項を習得することができる。なお、図5においては課題に対する回答が不正解であると同一の課題が再度提示されているが、それに限られない。例えば、正解・不正解にかかわらず、次の課題が提示されてもよい。他のカリキュラムについても同様である。
【0031】
次に、カリキュラム制御手段13の動作の詳細について説明する。本実施例においては、カリキュラム制御手段13は、複数のカリキュラムを所定の期間ごとに順に選択し、選択されたカリキュラムの中から課題を選択して提示手段12に複数の端末20を介して提示させる。したがって、同一の期間内においては、同一のカリキュラムの中から課題が受講者に提示される。図6および図7は、カリキュラムの実行について説明するための模式図である。
【0032】
例えば、図6に示すように、カリキュラム制御手段13は、第1週目においては、各端末20(図6においては端末A〜端末D)のいずれにおいてもカリキュラム1に含まれる課題が受講者に提示されるように提示手段12を制御する。この場合、各端末において提示される課題は、同一のカリキュラムに含まれる課題であれば、必ずしも同一でなくてもよい。同様に、カリキュラム制御手段13は、次週目以降においても、選択されたカリキュラムに含まれる課題が受講者に提示されるように提示手段12を制御する。
【0033】
端末Aにおいては、受講者Aが第1週目から受講を開始している。この場合、受講者Aは、カリキュラム1からカリキュラム4まで順に受講する。端末Bにおいては、受講者Bが第2週目から受講を開始している。この場合、受講者Bは、カリキュラム2からカリキュラム4まで順に受講した後にカリキュラム1を受講する。
【0034】
上述したように、各カリキュラムの受講順にかかわらず、各受講者は全カリキュラムを習得することができる。したがって、受講者は、受講開始時期にかかわらず、同一の期間で各習得事項を習得することができる。また、各端末において同一のカリキュラムから課題が選択されていることから、サーバ10による運用が容易である。具体的には、各端末において受講者に提示するカリキュラムが同一であることから、課題の選択の幅が小さくなる。それにより、サーバ10の負担が小さくなる。また、入力手段22に入力された回答の管理が容易になる。
【0035】
ここで、ある受講者がいくつかのカリキュラムを受講した後に他の受講者がカリキュラムを受講する場合について考える。例えば、図7に示すように、受講者Aが2つのカリキュラムの受講を終えて3つ目のカリキュラム(図7ではカリキュラム2)を受講する場合に、受講者B、Cがカリキュラムの受講を開始すると仮定する。
【0036】
この場合、受講者A〜Cは、同時にカリキュラム2を受講する。受講者Aは受講3週目であることから、受講者Aが後輩である受講者B、Cの講師役になるという構図が形成される。それにより、受講者B、Cの習得効率が向上する。その結果、受講者B、Cは、短期間で習得事項を習得することができる。また、受講者B、Cは、先に受講していた人から教わることによって、横道にそれることなくポイントを抑えた習得が可能となる。さらに、受講者Aは、後に受講する人に対する講師役となることによって、自らの理解度を深めることができる。それにより、受講者Aは、短期間で習得事項を習得することができる。このような構図を形成することによって、先に受講を開始している受講者が講師役になることができるため、専門の講師を立てる必要がなくなる。
【0037】
同様に、受講者B、Cが後からカリキュラムの受講を開始する受講者D、Eに対して講師役になるという構図が形成される。したがって、本実施例に係る人材育成システム100は、受講者が多ければ多いほど、受講者の習得効率の向上および受講者の習得レベルの向上について効果を発揮する。
【0038】
なお、図6および図7においては週単位でカリキュラムが選択されているが、それに限られない。例えば、日単位、週単位、月単位等の任意の時間単位でカリキュラムが選択されてもよい。また、必ずしも各カリキュラムが選択される期間が同一でなくてもよい。したがって、一のカリキュラムは1週間で終了して他のカリキュラムは3日で終了してもよい。
【0039】
次に、設定手段14の動作の詳細について説明する。表示手段14は、複数の端末20のいずれかの入力手段22を入力可または入力不可に設定する。具体的には、表示手段14は、入力手段22からサーバ10への回答の送信を禁止することによって入力手段22を入力不可にしてもよく、入力手段22の操作を不可にすることによって入力手段22を入力不可にしてもよい。図8は、人材育成システム100によって実行されるフローチャートの一例を示す。図8に示すように、まず提示手段12は、各端末20(図8においては端末A〜端末D)の表示手段21を介して受講者に同一の課題を提示する(ステップS11)。次に、設定手段14は、端末Aの回答を入力可に設定するとともに、端末B〜端末Dを入力不可に設定する(ステップS12)。
【0040】
次いで、提示手段12は、受講者によって端末Aの入力手段22に回答が入力されるまで待機する(ステップS13)。端末Aの入力手段22に回答が入力されると、提示手段12は、回答の合否を判定する(ステップS14)。ステップS14において回答が不正解であると判定された場合、提示手段12は、ステップS11を再度実行する。ステップS14において回答が正解であると判定された場合、提示手段12は、フローチャートの実行を終了する。
【0041】
このようなフローチャートを実行することによって、端末Aを使用している受講者(図8の説明においては、受講者A)しか回答を入力できなくなる。この場合、端末A〜端末Dを使用している受講者の中で、受講者Aが受講者A〜Dの意見をまとめることになる。すなわち、受講者Aはリーダーシップを発揮することになる。それにより、受講者Aに、リーダーとしての能力を習得させることができる。入力可にする端末は、ランダムに設定されてもよく、意図的に設定されてもよい。それにより、リーダーとしての能力を発揮していない受講者に対して、リーダーとしての能力を習得させることができる。
【0042】
図9は、人材育成システム100によって実行されるフローチャートの一例を示す図である。図9に示すように、提示手段12は、複数の端末20の表示手段21を介して同一の課題を受講者に提示する(ステップS21)。なお、この場合の課題には、いずれか1つの入力手段22に回答を入力する旨が記載してある。次に、提示手段12は、いずれかの入力手段22に回答が入力されるまで待機する(ステップS22)。
【0043】
いずれかの入力手段22に回答が入力されると、提示手段12は、複数の端末20の表示手段21を介して同一の課題を受講者に提示する(ステップS23)。次に、設定手段14は、前回の課題において回答が入力された端末の入力手段22を入力不可に設定する(ステップS24)。次いで、提示手段12は、入力可のいずれかの入力手段22に回答が入力されるまで待機する(ステップS25)入力可のいずれかの入力手段22に回答が入力されると、人材育成システム100は、フローチャートの実行を終了する。
【0044】
図9のフローチャートにおいては、回答が入力された入力手段は、次の課題の提示の際には入力不可になる。したがって、各受講者が順にリーダーシップを発揮することになる。その結果、各受講者にリーダーとしての能力を習得させることができる。
【0045】
次に、判定手段15の動作の詳細について説明する。判定手段15は、入力手段22に入力された情報に基づいて受講者の性質を判定する。図10は、人材育成システム100によって実行されるフローチャートの一例を示す。図10に示すように、判定手段15は、受講者によって入力手段22に基本情報が入力されるまで待機する(ステップS31)。ここで、基本情報とは、受講者の能力、性格、習得を望む項目等の情報のことをいう。入力手段22に基本情報が入力されると、判定手段15は、受講者の性質を判定する(ステップS32)。
【0046】
次に、カリキュラム制御手段13は、選択されているカリキュラムに含まれる最適な課題を選択し、提示手段12を制御してその課題を受講者に提示する(ステップS33)。提示手段12は、受講者によって入力手段22に課題に対する回答が入力されるまで待機する(ステップS34)。入力手段22に回答が入力されると、提示手段12は、回答の合否を判定する(ステップS35)。
【0047】
ステップS35において回答が正解であると判定された場合、人材育成システム100は、フローチャートの実行を終了する。ステップS35において回答が不正解であると判定された場合、判定手段15は、ステップS32を再度実行する。この場合、判定手段15は、受講者による回答状況も含めて受講者の性質を判定する。それにより、カリキュラム制御手段13は、より最適な課題を選択することができる。
【0048】
このように、受講者の性質に応じて課題を選択することによって、受講者に効率よくカリキュラムを受講させることができる。その結果、受講者は、短期間で必要な能力を身に付けることができる。例えば、カリキュラムの進行に伴って受講者が身に付けた習得レベルを基本性質に含めることによって、受講者の習得レベルに応じた最適な課題を選択することができる。
【0049】
図11は、受講者のカリキュラムの進行と課題のレベル(難易度)との関係の一例を示す模式図である。図11において、横軸はカリキュラムの進行を示し、縦軸は課題のレベルを示す。例えば、受講者Aが受講開始時期においては低いレベルの課題から解決していくとする。この場合、受講者Aの習得レベルは課題の解決に伴って向上していく。したがって、図10のフローチャートに従って課題のレベルを順次向上させることによって、効率よく受講者の習得レベルを向上させることができる。
【0050】
また、受講者Aに受講開始時期から受講者Aの能力を超えるレベルの課題を解決させる場合を考える。この場合、受講者Aが課題を解決するのは困難である。したがって、図10のフローチャートに従って課題のレベルを低下させる必要がある。この場合、図11の破線に示すように、受講者Aに提示する課題のレベルが低下するが、受講者Aの能力の向上とともに、課題のレベルを向上させることができる。したがって、カリキュラムの途中から課題のレベルを向上させることによって、効率よく受講者の習得レベルを向上させることができる。
【0051】
さらに、受講者Bが受講開始時期から高い能力を有していたとする。この場合、受講開始時期からレベルの高い課題を受講者Bに提示しても、受講者Bは解決することができる。したがって、図10のフローチャートに従って課題のレベルを向上させることによって、効率よく受講者Bの習得レベルを向上させることができる。
【0052】
このように、受講開始時期において各受講者の能力が異なっていても、カリキュラムの進行に伴って各受講者の習得レベルを所定レベル以上に向上させることができる。また、図10のフローチャートに従って受講者の習得レベルに応じて課題のレベルを高くすることによって、レベルの低い課題を受講者に提示する必要がなくなる。したがって、受講者に提示する課題数を減らすことができる。その結果、短期間で効率よく受講者の習得レベルを引き上げることができる。
【0053】
以下、受講者の性質判定の他の例についてさらに説明する。図12は、各受講者による回答状況を説明するための模式図である。図12に示すように、受講者Aは、課題に対する回答を入力していない。したがって、判定手段15は、受講者Aが課題を解決できていないと判定する。受講者Bは、多少の間違いをしているものの、ほとんど正解に近い回答を入力している。したがって、判定手段15は、受講者Bが課題をほとんど解決できていると判定する。受講者Cは、正解を入力している。したがって、判定手段15は、受講者Cが課題を解決できていると判定する。受講者Dは、正解に加えて付加事項を入力している。したがって、判定手段15は、受講者Dが付加能力を有していると判定する。このように、判定手段15は、課題に対する回答の完成度に応じて受講者の性質を判定してもよい。
【0054】
なお、回答の完成度は、回答の全文が正解と一致しているか否かによって判定されてもよく、回答に含まれるキーワードが正解のキーワードと一致しているか否かによって判定されてもよい。付加事項についても同様である。
【0055】
図13は、判定手段15の判定結果に基づいてカリキュラム制御手段13が選択する課題について説明する模式図である。図13に示すように、受講者Aに対しては、カリキュラム制御手段13は同一の課題を選択し、提示手段12は同一の課題を提示するとともに調べる材料を受講者に提示する。受講者Bに対しては、カリキュラム制御手段13は同レベルの課題を選択し、提示手段12はその課題を提示するとともに間違った箇所の指摘を提示する。受講者Cに対しては、カリキュラム制御手段13はより高度なレベルの課題を選択し、提示手段12はその課題を提示する。受講者Dに対しては、カリキュラム制御手段13はより高度な課題を選択し、提示手段12は良い回答だったことを提示するとともにその課題を提示する。
【0056】
このように、受講者の回答の完成度に応じて課題を選択することによって、能力に応じて受講者に効率よくカリキュラムを受講させることができる。その結果、受講者は、短期間で必要な能力を身に付けることができる。
【0057】
図14は、回答までの時間と回答状況とを説明するための模式図である。図14に示すように、受講者Aは、回答までの所要時間が短く、課題に対して正解していない。したがって、判定手段15は、受講者Aはよく考えずに不正解していると判定する。受講者Bは、回答までの所要時間が長く、課題に対して正解していない。したがって、判定手段15は、受講者Bは考えた結果不正解していると判定する。受講者Cは、回答までの所要時間が長く、課題に対して正解している。したがって、判定手段15は、受講者Cは考えた結果正解していると判定する。受講者Dは、回答までの所要時間が短く、課題に対して正解している。したがって、判定手段15は、受講者Dはよく理解したうえで正解していると判定する。このように、判定手段15は、課題が提示手段12によって提示されてから入力手段22に回答が入力されるまでの時間に応じて受講者の性質を判定してもよい。
【0058】
図15は、判定手段15の判定結果に基づいてカリキュラム制御手段13が選択する課題について説明する模式図である。図15に示すように、受講者Aに対しては、カリキュラム制御手段13は同一の課題を選択し、提示手段12は同一の課題を提示するとともに調べる材料を受講者に提示する。受講者Bに対しては、カリキュラム制御手段13は同レベルの課題を選択し、提示手段12はその課題を提示するとともに間違った箇所の指摘を提示する。受講者Cおよび受講者Dに対しては、カリキュラム制御手段13はより高度なレベルの課題を選択し、提示手段12はその課題を提示する。
【0059】
このように、回答までの所要時間に応じて課題を選択することによって、能力に応じて受講者に効率よくカリキュラムを受講させることができる。その結果、受講者は、短期間で必要な能力を身に付けることができる。
【0060】
次に、情報提供手段16の動作の詳細について説明する。図16(a)に示すように、本実施例においては、情報提供手段16は、各端末20の表示手段21に課題についてのヒントを表示させる。例えば、受講者がマウスを用いて「ヒント」をクリックすることによって、表示手段21にヒントが表示される。それにより、受講者は、課題の解決に必要な情報を得ることができる。それにより、課題の解決が促進される。
【0061】
判定手段15は、情報提供手段16による情報の提供の有無に応じて受講者の性質を判定してもよい。図16(b)は、人材育成システム100によって実行されるフローチャートの一例を示す図である。図16(b)に示すように、提示手段12は、受講者に課題を提示する(ステップS41)。次に、提示手段12は、受講者によって入力手段22に回答が入力されるまで待機する(ステップS42)。入力手段22に回答が入力されると、提示手段12は、回答の合否を判定する(ステップS43)。ステップS43において回答が不正解であると判定された場合、提示手段12は、ステップS41を再度実行する。
【0062】
ステップS43において回答が正解であると判定された場合、判定手段15は、情報提供手段16による情報の提供の有無を判定する(ステップS44)。ステップS44において情報の提供が有ったと判定された場合、カリキュラム制御手段13は自ら調査することが必要な課題を選択し、提示手段12はその課題を提示する(ステップS45)。その後、人材育成システム100は、フローチャートの実行を終了する。ステップS44において情報の提供が無かったと判定された場合、カリキュラム制御手段13は次の課題を選択し、提示手段12はその課題を提示する(ステップS46)。その後、人材育成システム100は、フローチャートの実行を終了する。
【0063】
このように、情報提供手段16による情報の提供の有無に応じて課題を選択することによって、調査能力を効率よく受講者に身に付けさせることができる。その結果、受講者は、短期間で必要な能力を身に付けることができる。
【0064】
以上説明したように、本実施例に係る人材育成システム100を用いることによって、システムの負担を軽くすることができるとともに受講者の教育期間を短縮することができる。
【実施例2】
【0065】
続いて、本発明の第2実施例に係る人材育成システム100aについて説明する。図17は、人材育成システム100aの全体構成を示す模式図である。図17に示すように、人材育成システム100aが図1の人材育成システム100と異なる点は、音量測定手段30をさらに備える点である。音量測定手段30は、各受講者の音量を測定する装置である。音量測定手段30は、各端末20の近傍にマイクを有していてもよい。この場合、音量測定手段30は、各端末20を使用している受講者の音量を測定することができる。また、音量測定手段30は、各受講者の声の周波数を解析することによって、各受講者の音量を測定してもよい。
【0066】
次に、音量測定手段30の動作の詳細について説明する。図18は、人材育成システム100aによって実行されるフローチャートの一例を示す図である。図18に示すように、提示手段12は、複数の端末20の表示手段21を介して受講者に同一の課題を提示する(ステップS51)。この場合の課題には、いずれか1つの入力手段22に回答を入力する旨が記載してある。次に、音量測定手段30は、各受講者の声の音量の測定を開始する(ステップS52)。
【0067】
提示手段12は、いずれかの入力手段22に回答が入力されるまで待機する(ステップS53)。いずれかの入力手段22に回答が入力された場合、音量測定手段30は、音量の最も少ない人を判定する(ステップS54)。次に、提示手段12は、複数の端末20の表示手段21を介して受講者に同一の課題を提示する(ステップS55)。次いで、設定手段14は、音量の最も少なかった受講者が使用する入力手段22のみ入力可とし、他の入力手段22を入力不可とする(ステップS56)。その後、人材育成システム100aは、フローチャートの実行を終了する。
【0068】
ここで、音量の小さい受講者は、各受講者の中でリーダーシップをあまり発揮していないと推測される。したがって、音量の小さい受講者が使用している入力手段のみを入力可にすることによって、その受講者にリーダーとしての能力を習得させることができる。このように、各受講者にリーダーとしての能力を習得させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1実施例に係る人材育成システムの全体構成を示す模式図である。
【図2】サーバと端末との間の電気信号の送受信について説明するための模式図である。
【図3】サーバの詳細を示すブロック図である。
【図4】カリキュラムの詳細を説明するための模式図である。
【図5】人材育成システムによって実行されるフローチャートの一例を示す図である。
【図6】カリキュラムの実行について説明するための模式図である。
【図7】カリキュラムの実行について説明するための模式図である。
【図8】人材育成システムによって実行されるフローチャートの一例を示す。
【図9】人材育成システムによって実行されるフローチャートの一例を示す図である。
【図10】人材育成システムによって実行されるフローチャートの一例を示す。
【図11】受講者のカリキュラムの進行と課題のレベルとの関係の一例を示す模式図である。
【図12】各受講者による回答状況を説明するための模式図である。
【図13】判定手段の判定結果に基づいてカリキュラム制御手段が選択する課題について説明する模式図である。
【図14】回答までの時間と回答状況とを説明するための模式図である。
【図15】判定手段の判定結果に基づいてカリキュラム制御手段が選択する課題について説明する模式図である。
【図16】情報提供手段の動作の詳細について説明するための図である。
【図17】本発明の第2実施例に係る人材育成システムの全体構成を示す模式図である。
【図18】人材育成システムによって実行されるフローチャートの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
10 サーバ
11 カリキュラム記憶手段
12 提示手段
13 カリキュラム制御手段
14 設定手段
15 判定手段
16 情報提供手段
20 端末
21 表示手段
22 入力手段
30 音量測定手段
100 人材育成システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、人材育成システム、人材育成方法および人材育成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
社内での人材育成過程においては、必要な知識、技術、技能等を社員に習得させる必要がある。この場合、社内教育、社内研修等を定期的または随時行うことによって人材を育成することができる。近年においては、このような人材育成過程においてコンピュータを用いることが多くなってきた。例えば、特許文献1に記載の電子教育システムを用いると、過去に出題した問題に応じて新たな問題を受講者に提示することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2007−033808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、各受講者は同時にカリキュラムを受講するわけではない。この場合、システムによる管理が複雑になってシステムの負担が大きくなる。また、各受講者の能力が所望のレベルに達するか否かは、各受講者の資質によるおそれがある。その結果、必要な教育項目を習得させる期間が受講者によっては長くなるおそれがある。
【0005】
本発明は、システムの負担を軽することができるとともに、受講者の教育期間を短縮することができる人材育成システム、人材育成方法および人材育成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る人材育成システムは、1以上の課題を含むカリキュラムを複数記憶するカリキュラム記憶手段と、カリキュラム記憶手段に記憶されたいずれかの課題を複数の端末を介して受講者に提示するための提示手段と、複数のカリキュラムの中から1つずつ所定の期間ごとに順に選択し、選択されたカリキュラムの中から課題を選択して提示手段に複数の端末を介して提示させるカリキュラム制御手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0007】
本発明に係る人材育成システムにおいては、各端末において同一のカリキュラムから課題が選択されていることから、運用が容易である。具体的には、各端末において受講者に提示するカリキュラムが同一であることから、課題の選択の幅が小さくなる。それにより、本発明に係る人材育成システムの負担が小さくなる。また、各受講者は、受講開始時期にとらわれることなく、各カリキュラムを受講することができる。また、複数の受講者が受講開始時期を異にしてカリキュラムの受講を開始するとする。この場合、先に受講を開始している受講者が後に受講を開始する受講者の講師役になるという構図が形成される。それにより、後に受講を開始する受講者の習得効率が向上する。また、先に受講を開始した受講者は、講師役になることによって、自らの理解度を深めることができる。以上のことから、各受講者は、短期間で習得事項を習得することができる。
【0008】
端末は、課題に対する回答を入力するための入力手段をさらに備えていてもよい。
【0009】
本発明に係る人材育成システムは、複数の端末において同一の課題が提示された際に各入力手段のうち所定の入力手段を入力不可に設定する設定手段をさらに備えていてもよい。この場合、入力可の入力手段を使用している受講者が他の受講者の意見をまとめ、リーダーシップを発揮することになる。したがって、この受講者にリーダーとしての能力を習得させることができる。
【0010】
本発明に係る人材育成システムは、入力手段に入力された回答に基づいて受講者の性質を判定する判定手段をさらに備え、カリキュラム制御手段は、判定の結果に応じた課題を前記提示手段に提示させてもよい。この場合、各受講者に効率よく習得事項を習得させることができる。
【0011】
判定手段は、入力手段に入力された回答の完成度に応じて受講者の性質を判定してもよい。また、判定手段は、課題が提示手段によって提示されてから入力手段に回答が入力されるまでの時間に応じて、受講者の性質を判定してもよい。また、提示手段は、端末を介して、受講者の操作に応じて課題に関する情報を受講者に提供する情報提供手段をさらに備え、判定手段は、情報提供手段による受講者への情報の提供の有無に応じて、受講者の性質を判定してもよい。これらの場合、各受講者に効率よく習得事項を習得させることができる。
【0012】
本発明に係る人材育成システムは、各受講者の音量を測定する音量測定手段をさらに備え、設定手段は、音量測定手段の測定結果に基づいて、受講者のうち最も音量の少ない受講者に割り当てられた端末の入力手段を入力不可に設定してもよい。この場合、最も音量の少ない受講者にリーダーとしての能力を習得させることができる。
【0013】
カリキュラム制御手段は、受講者の性質に基づき、複数のカリキュラムのうち2つ目以降のカリキュラムにおいて提示する課題を選択してもよい。この場合、例えば、カリキュラムの進行とともに、難易度の低い課題の提示を省略することができる。その結果、各受講者に短期間で各習得事項を習得させることができる。
【0014】
カリキュラム制御手段は、受講者の性質に応じて、2つ目以降のカリキュラムの課題を選択してもよい。また、カリキュラム制御手段は、受講者が受講済みのカリキュラムにおける受講者の回答結果に基づいて、2つ目以降のカリキュラムの課題を選択してもよい。
【0015】
複数のカリキュラムのそれぞれには、1以上のレベルに分けられた課題が複数含まれていてもよい。また、カリキュラム制御手段は、選択されたカリキュラムに含まれる課題のうち同一または異なる課題を選択してもよい。
【0016】
本発明に係る人材育成方法は、1以上の課題を含む複数のカリキュラムを所定の期間ごとに順に選択する選択ステップと、選択されたカリキュラムの中から課題を選択して複数の端末を介して受講者に提示する提示ステップと、を含むことを特徴とするものである。
【0017】
本発明に係る人材育成プログラムは、コンピュータを、1以上の課題を含む複数のカリキュラムからいずれかの課題を複数の端末を介して受講者に提示する提示手段と、複数のカリキュラムを所定の期間ごとに順に選択し選択されたカリキュラムの中から課題を選択して提示ステップにおいて提示させるカリキュラム制御手段と、して機能させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、システムの負担を軽くすることができるとともに、受講者の教育期間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明の第1実施例に係る人材育成システム100の全体構成を示す模式図である。図1(a)に示すように、人材育成システム100は、サーバ10と、複数の端末20と、を備える。なお、複数の端末20は、必ずしも同一の事業所内に設置されている必要はない。例えば、図1(b)に示すように、異なる事業所においてそれぞれ複数の端末20が設置され、各端末20がサーバ10と接続されていてもよい。
【0021】
図2は、サーバ10と端末20との間の電気信号の送受信について説明するための模式図である。図2(a)に示すように、端末20は、サーバ10にアクセスして課題を受信する。この場合、端末20は、サーバ10から受信した課題を表示手段21に表示させる。受講者によって入力手段22に回答が入力されると、図2(b)に示すように、端末20は入力された回答をサーバ10に送信する。
【0022】
図3は、サーバ10および端末20の構成の詳細を説明するための図である。図3(a)は、サーバ10および端末20の機器構成図である。図3(b)は、サーバ10および端末20の機能ブロック図である。
【0023】
図3(a)に示すように、サーバ10は、CPU(中央演算処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)、インタフェース等を備える。サーバ10は、ROM、ハードディスク等の記憶手段に、人材育成システム100を動作させるための人材育成プログラムを格納している。また、端末20は、CPU、RAM、ROM、インタフェース、ディスプレイ、入力機器等を備える。入力機器とは、マウス、キーボード等である。サーバ10と端末20とは、LAN(Local Area Network)、インターネット等の電気通信手段を介して接続されている。
【0024】
図3(b)に示すように、サーバ10は、カリキュラム記憶手段11、提示手段12、カリキュラム制御手段13、設定手段14、判定手段15および情報提供手段16として機能する。本実施例においては、図3(a)のCPUが提示手段12、カリキュラム制御手段13、設定手段14、判定手段15および情報提供手段16として機能する。また、図3(a)のROMがカリキュラム記憶手段11として機能する。これらの手段は、人材育成プログラムの実行によって、サーバ10内に実現される。また、図3(a)のディスプレイが表示手段21に相当し、図3(a)の入力機器が入力手段22に相当する。
【0025】
カリキュラム記憶手段11は、1以上の課題を含むカリキュラムを複数記憶している。提示手段12は、カリキュラム記憶手段11に記憶されたいずれかの課題を複数の端末20の表示手段21を介して受講者に提示する。カリキュラム制御手段13は、提示手段12を制御する。設定手段14は、複数の端末20のいずれかの入力手段22を入力可または入力不可に設定する。判定手段15は、入力手段22に入力された情報に基づいて受講者の性質を判定する。情報提供手段16は、各端末20の表示手段21を介して、課題の解決を促進する情報を受講者の操作に応じて受講者に提供する。
【0026】
以下、上記各手段の詳細について説明する。上述したカリキュラムとは、受講者に習得させるべき習得事項を分野別等に応じて分けたもののことをいう。受講者は、各カリキュラムを受講することによって、習得事項を習得していく。各カリキュラムはそれぞれ互いに独立しており、受講順にかかわらず習得可能である。したがって、各カリキュラムを受講者ごとに異なる順番で受講させてもよい。図4は、カリキュラムの詳細を説明するための模式図である。図4に示すように、各カリキュラムには、1以上の課題が含まれる。例えば、カリキュラム1には、課題1−A、1−B、1−C等が含まれる。各課題は、1以上のレベルに応じて区分されていてもよい。
【0027】
次に、提示手段12の動作の詳細について説明する。提示手段12は、カリキュラム記憶手段11に記憶されているカリキュラムに含まれるいずれかの課題を表示手段21に表示させる。課題に対する回答が入力手段22に入力されれば、提示手段12は、回答の合否を判定し、さらに課題を表示手段21に表示させる。それにより、受講者は、各カリキュラムの課題の解決を通じて、習得事項を習得していく。図5に、人材育成システム100によって実行されるフローチャートの一例を示す。
【0028】
図5に示すように、まず提示手段12は、課題1−Aを表示手段21に表示させる(ステップS1)。次に、提示手段12は、受講者によって入力手段22に回答が入力されるまで待機する(ステップS2)。入力手段22に回答が入力されると、提示手段12は、回答の合否を判定する(ステップS3)。ステップS3において回答が不正解であると判定された場合、提示手段12は、ステップS1を再度実行する。
【0029】
ステップS3において回答が正解であると判定された場合、提示手段12は、課題1−Bを表示手段21に表示させる(ステップS4)。次に、提示手段12は、受講者によって入力手段22に回答が入力されるまで待機する(ステップS5)。入力手段22に回答が入力されると、提示手段12は、回答の合否を判定する(ステップS6)。ステップS6において回答が不正解であると判定された場合、提示手段12は、ステップS4を再度実行する。ステップS6において回答が正解であると判定された場合、提示手段12は、フローチャートの実行を終了する。
【0030】
このように、受講者は、各課題の解決を通じて習得事項を習得することができる。なお、図5においては課題に対する回答が不正解であると同一の課題が再度提示されているが、それに限られない。例えば、正解・不正解にかかわらず、次の課題が提示されてもよい。他のカリキュラムについても同様である。
【0031】
次に、カリキュラム制御手段13の動作の詳細について説明する。本実施例においては、カリキュラム制御手段13は、複数のカリキュラムを所定の期間ごとに順に選択し、選択されたカリキュラムの中から課題を選択して提示手段12に複数の端末20を介して提示させる。したがって、同一の期間内においては、同一のカリキュラムの中から課題が受講者に提示される。図6および図7は、カリキュラムの実行について説明するための模式図である。
【0032】
例えば、図6に示すように、カリキュラム制御手段13は、第1週目においては、各端末20(図6においては端末A〜端末D)のいずれにおいてもカリキュラム1に含まれる課題が受講者に提示されるように提示手段12を制御する。この場合、各端末において提示される課題は、同一のカリキュラムに含まれる課題であれば、必ずしも同一でなくてもよい。同様に、カリキュラム制御手段13は、次週目以降においても、選択されたカリキュラムに含まれる課題が受講者に提示されるように提示手段12を制御する。
【0033】
端末Aにおいては、受講者Aが第1週目から受講を開始している。この場合、受講者Aは、カリキュラム1からカリキュラム4まで順に受講する。端末Bにおいては、受講者Bが第2週目から受講を開始している。この場合、受講者Bは、カリキュラム2からカリキュラム4まで順に受講した後にカリキュラム1を受講する。
【0034】
上述したように、各カリキュラムの受講順にかかわらず、各受講者は全カリキュラムを習得することができる。したがって、受講者は、受講開始時期にかかわらず、同一の期間で各習得事項を習得することができる。また、各端末において同一のカリキュラムから課題が選択されていることから、サーバ10による運用が容易である。具体的には、各端末において受講者に提示するカリキュラムが同一であることから、課題の選択の幅が小さくなる。それにより、サーバ10の負担が小さくなる。また、入力手段22に入力された回答の管理が容易になる。
【0035】
ここで、ある受講者がいくつかのカリキュラムを受講した後に他の受講者がカリキュラムを受講する場合について考える。例えば、図7に示すように、受講者Aが2つのカリキュラムの受講を終えて3つ目のカリキュラム(図7ではカリキュラム2)を受講する場合に、受講者B、Cがカリキュラムの受講を開始すると仮定する。
【0036】
この場合、受講者A〜Cは、同時にカリキュラム2を受講する。受講者Aは受講3週目であることから、受講者Aが後輩である受講者B、Cの講師役になるという構図が形成される。それにより、受講者B、Cの習得効率が向上する。その結果、受講者B、Cは、短期間で習得事項を習得することができる。また、受講者B、Cは、先に受講していた人から教わることによって、横道にそれることなくポイントを抑えた習得が可能となる。さらに、受講者Aは、後に受講する人に対する講師役となることによって、自らの理解度を深めることができる。それにより、受講者Aは、短期間で習得事項を習得することができる。このような構図を形成することによって、先に受講を開始している受講者が講師役になることができるため、専門の講師を立てる必要がなくなる。
【0037】
同様に、受講者B、Cが後からカリキュラムの受講を開始する受講者D、Eに対して講師役になるという構図が形成される。したがって、本実施例に係る人材育成システム100は、受講者が多ければ多いほど、受講者の習得効率の向上および受講者の習得レベルの向上について効果を発揮する。
【0038】
なお、図6および図7においては週単位でカリキュラムが選択されているが、それに限られない。例えば、日単位、週単位、月単位等の任意の時間単位でカリキュラムが選択されてもよい。また、必ずしも各カリキュラムが選択される期間が同一でなくてもよい。したがって、一のカリキュラムは1週間で終了して他のカリキュラムは3日で終了してもよい。
【0039】
次に、設定手段14の動作の詳細について説明する。表示手段14は、複数の端末20のいずれかの入力手段22を入力可または入力不可に設定する。具体的には、表示手段14は、入力手段22からサーバ10への回答の送信を禁止することによって入力手段22を入力不可にしてもよく、入力手段22の操作を不可にすることによって入力手段22を入力不可にしてもよい。図8は、人材育成システム100によって実行されるフローチャートの一例を示す。図8に示すように、まず提示手段12は、各端末20(図8においては端末A〜端末D)の表示手段21を介して受講者に同一の課題を提示する(ステップS11)。次に、設定手段14は、端末Aの回答を入力可に設定するとともに、端末B〜端末Dを入力不可に設定する(ステップS12)。
【0040】
次いで、提示手段12は、受講者によって端末Aの入力手段22に回答が入力されるまで待機する(ステップS13)。端末Aの入力手段22に回答が入力されると、提示手段12は、回答の合否を判定する(ステップS14)。ステップS14において回答が不正解であると判定された場合、提示手段12は、ステップS11を再度実行する。ステップS14において回答が正解であると判定された場合、提示手段12は、フローチャートの実行を終了する。
【0041】
このようなフローチャートを実行することによって、端末Aを使用している受講者(図8の説明においては、受講者A)しか回答を入力できなくなる。この場合、端末A〜端末Dを使用している受講者の中で、受講者Aが受講者A〜Dの意見をまとめることになる。すなわち、受講者Aはリーダーシップを発揮することになる。それにより、受講者Aに、リーダーとしての能力を習得させることができる。入力可にする端末は、ランダムに設定されてもよく、意図的に設定されてもよい。それにより、リーダーとしての能力を発揮していない受講者に対して、リーダーとしての能力を習得させることができる。
【0042】
図9は、人材育成システム100によって実行されるフローチャートの一例を示す図である。図9に示すように、提示手段12は、複数の端末20の表示手段21を介して同一の課題を受講者に提示する(ステップS21)。なお、この場合の課題には、いずれか1つの入力手段22に回答を入力する旨が記載してある。次に、提示手段12は、いずれかの入力手段22に回答が入力されるまで待機する(ステップS22)。
【0043】
いずれかの入力手段22に回答が入力されると、提示手段12は、複数の端末20の表示手段21を介して同一の課題を受講者に提示する(ステップS23)。次に、設定手段14は、前回の課題において回答が入力された端末の入力手段22を入力不可に設定する(ステップS24)。次いで、提示手段12は、入力可のいずれかの入力手段22に回答が入力されるまで待機する(ステップS25)入力可のいずれかの入力手段22に回答が入力されると、人材育成システム100は、フローチャートの実行を終了する。
【0044】
図9のフローチャートにおいては、回答が入力された入力手段は、次の課題の提示の際には入力不可になる。したがって、各受講者が順にリーダーシップを発揮することになる。その結果、各受講者にリーダーとしての能力を習得させることができる。
【0045】
次に、判定手段15の動作の詳細について説明する。判定手段15は、入力手段22に入力された情報に基づいて受講者の性質を判定する。図10は、人材育成システム100によって実行されるフローチャートの一例を示す。図10に示すように、判定手段15は、受講者によって入力手段22に基本情報が入力されるまで待機する(ステップS31)。ここで、基本情報とは、受講者の能力、性格、習得を望む項目等の情報のことをいう。入力手段22に基本情報が入力されると、判定手段15は、受講者の性質を判定する(ステップS32)。
【0046】
次に、カリキュラム制御手段13は、選択されているカリキュラムに含まれる最適な課題を選択し、提示手段12を制御してその課題を受講者に提示する(ステップS33)。提示手段12は、受講者によって入力手段22に課題に対する回答が入力されるまで待機する(ステップS34)。入力手段22に回答が入力されると、提示手段12は、回答の合否を判定する(ステップS35)。
【0047】
ステップS35において回答が正解であると判定された場合、人材育成システム100は、フローチャートの実行を終了する。ステップS35において回答が不正解であると判定された場合、判定手段15は、ステップS32を再度実行する。この場合、判定手段15は、受講者による回答状況も含めて受講者の性質を判定する。それにより、カリキュラム制御手段13は、より最適な課題を選択することができる。
【0048】
このように、受講者の性質に応じて課題を選択することによって、受講者に効率よくカリキュラムを受講させることができる。その結果、受講者は、短期間で必要な能力を身に付けることができる。例えば、カリキュラムの進行に伴って受講者が身に付けた習得レベルを基本性質に含めることによって、受講者の習得レベルに応じた最適な課題を選択することができる。
【0049】
図11は、受講者のカリキュラムの進行と課題のレベル(難易度)との関係の一例を示す模式図である。図11において、横軸はカリキュラムの進行を示し、縦軸は課題のレベルを示す。例えば、受講者Aが受講開始時期においては低いレベルの課題から解決していくとする。この場合、受講者Aの習得レベルは課題の解決に伴って向上していく。したがって、図10のフローチャートに従って課題のレベルを順次向上させることによって、効率よく受講者の習得レベルを向上させることができる。
【0050】
また、受講者Aに受講開始時期から受講者Aの能力を超えるレベルの課題を解決させる場合を考える。この場合、受講者Aが課題を解決するのは困難である。したがって、図10のフローチャートに従って課題のレベルを低下させる必要がある。この場合、図11の破線に示すように、受講者Aに提示する課題のレベルが低下するが、受講者Aの能力の向上とともに、課題のレベルを向上させることができる。したがって、カリキュラムの途中から課題のレベルを向上させることによって、効率よく受講者の習得レベルを向上させることができる。
【0051】
さらに、受講者Bが受講開始時期から高い能力を有していたとする。この場合、受講開始時期からレベルの高い課題を受講者Bに提示しても、受講者Bは解決することができる。したがって、図10のフローチャートに従って課題のレベルを向上させることによって、効率よく受講者Bの習得レベルを向上させることができる。
【0052】
このように、受講開始時期において各受講者の能力が異なっていても、カリキュラムの進行に伴って各受講者の習得レベルを所定レベル以上に向上させることができる。また、図10のフローチャートに従って受講者の習得レベルに応じて課題のレベルを高くすることによって、レベルの低い課題を受講者に提示する必要がなくなる。したがって、受講者に提示する課題数を減らすことができる。その結果、短期間で効率よく受講者の習得レベルを引き上げることができる。
【0053】
以下、受講者の性質判定の他の例についてさらに説明する。図12は、各受講者による回答状況を説明するための模式図である。図12に示すように、受講者Aは、課題に対する回答を入力していない。したがって、判定手段15は、受講者Aが課題を解決できていないと判定する。受講者Bは、多少の間違いをしているものの、ほとんど正解に近い回答を入力している。したがって、判定手段15は、受講者Bが課題をほとんど解決できていると判定する。受講者Cは、正解を入力している。したがって、判定手段15は、受講者Cが課題を解決できていると判定する。受講者Dは、正解に加えて付加事項を入力している。したがって、判定手段15は、受講者Dが付加能力を有していると判定する。このように、判定手段15は、課題に対する回答の完成度に応じて受講者の性質を判定してもよい。
【0054】
なお、回答の完成度は、回答の全文が正解と一致しているか否かによって判定されてもよく、回答に含まれるキーワードが正解のキーワードと一致しているか否かによって判定されてもよい。付加事項についても同様である。
【0055】
図13は、判定手段15の判定結果に基づいてカリキュラム制御手段13が選択する課題について説明する模式図である。図13に示すように、受講者Aに対しては、カリキュラム制御手段13は同一の課題を選択し、提示手段12は同一の課題を提示するとともに調べる材料を受講者に提示する。受講者Bに対しては、カリキュラム制御手段13は同レベルの課題を選択し、提示手段12はその課題を提示するとともに間違った箇所の指摘を提示する。受講者Cに対しては、カリキュラム制御手段13はより高度なレベルの課題を選択し、提示手段12はその課題を提示する。受講者Dに対しては、カリキュラム制御手段13はより高度な課題を選択し、提示手段12は良い回答だったことを提示するとともにその課題を提示する。
【0056】
このように、受講者の回答の完成度に応じて課題を選択することによって、能力に応じて受講者に効率よくカリキュラムを受講させることができる。その結果、受講者は、短期間で必要な能力を身に付けることができる。
【0057】
図14は、回答までの時間と回答状況とを説明するための模式図である。図14に示すように、受講者Aは、回答までの所要時間が短く、課題に対して正解していない。したがって、判定手段15は、受講者Aはよく考えずに不正解していると判定する。受講者Bは、回答までの所要時間が長く、課題に対して正解していない。したがって、判定手段15は、受講者Bは考えた結果不正解していると判定する。受講者Cは、回答までの所要時間が長く、課題に対して正解している。したがって、判定手段15は、受講者Cは考えた結果正解していると判定する。受講者Dは、回答までの所要時間が短く、課題に対して正解している。したがって、判定手段15は、受講者Dはよく理解したうえで正解していると判定する。このように、判定手段15は、課題が提示手段12によって提示されてから入力手段22に回答が入力されるまでの時間に応じて受講者の性質を判定してもよい。
【0058】
図15は、判定手段15の判定結果に基づいてカリキュラム制御手段13が選択する課題について説明する模式図である。図15に示すように、受講者Aに対しては、カリキュラム制御手段13は同一の課題を選択し、提示手段12は同一の課題を提示するとともに調べる材料を受講者に提示する。受講者Bに対しては、カリキュラム制御手段13は同レベルの課題を選択し、提示手段12はその課題を提示するとともに間違った箇所の指摘を提示する。受講者Cおよび受講者Dに対しては、カリキュラム制御手段13はより高度なレベルの課題を選択し、提示手段12はその課題を提示する。
【0059】
このように、回答までの所要時間に応じて課題を選択することによって、能力に応じて受講者に効率よくカリキュラムを受講させることができる。その結果、受講者は、短期間で必要な能力を身に付けることができる。
【0060】
次に、情報提供手段16の動作の詳細について説明する。図16(a)に示すように、本実施例においては、情報提供手段16は、各端末20の表示手段21に課題についてのヒントを表示させる。例えば、受講者がマウスを用いて「ヒント」をクリックすることによって、表示手段21にヒントが表示される。それにより、受講者は、課題の解決に必要な情報を得ることができる。それにより、課題の解決が促進される。
【0061】
判定手段15は、情報提供手段16による情報の提供の有無に応じて受講者の性質を判定してもよい。図16(b)は、人材育成システム100によって実行されるフローチャートの一例を示す図である。図16(b)に示すように、提示手段12は、受講者に課題を提示する(ステップS41)。次に、提示手段12は、受講者によって入力手段22に回答が入力されるまで待機する(ステップS42)。入力手段22に回答が入力されると、提示手段12は、回答の合否を判定する(ステップS43)。ステップS43において回答が不正解であると判定された場合、提示手段12は、ステップS41を再度実行する。
【0062】
ステップS43において回答が正解であると判定された場合、判定手段15は、情報提供手段16による情報の提供の有無を判定する(ステップS44)。ステップS44において情報の提供が有ったと判定された場合、カリキュラム制御手段13は自ら調査することが必要な課題を選択し、提示手段12はその課題を提示する(ステップS45)。その後、人材育成システム100は、フローチャートの実行を終了する。ステップS44において情報の提供が無かったと判定された場合、カリキュラム制御手段13は次の課題を選択し、提示手段12はその課題を提示する(ステップS46)。その後、人材育成システム100は、フローチャートの実行を終了する。
【0063】
このように、情報提供手段16による情報の提供の有無に応じて課題を選択することによって、調査能力を効率よく受講者に身に付けさせることができる。その結果、受講者は、短期間で必要な能力を身に付けることができる。
【0064】
以上説明したように、本実施例に係る人材育成システム100を用いることによって、システムの負担を軽くすることができるとともに受講者の教育期間を短縮することができる。
【実施例2】
【0065】
続いて、本発明の第2実施例に係る人材育成システム100aについて説明する。図17は、人材育成システム100aの全体構成を示す模式図である。図17に示すように、人材育成システム100aが図1の人材育成システム100と異なる点は、音量測定手段30をさらに備える点である。音量測定手段30は、各受講者の音量を測定する装置である。音量測定手段30は、各端末20の近傍にマイクを有していてもよい。この場合、音量測定手段30は、各端末20を使用している受講者の音量を測定することができる。また、音量測定手段30は、各受講者の声の周波数を解析することによって、各受講者の音量を測定してもよい。
【0066】
次に、音量測定手段30の動作の詳細について説明する。図18は、人材育成システム100aによって実行されるフローチャートの一例を示す図である。図18に示すように、提示手段12は、複数の端末20の表示手段21を介して受講者に同一の課題を提示する(ステップS51)。この場合の課題には、いずれか1つの入力手段22に回答を入力する旨が記載してある。次に、音量測定手段30は、各受講者の声の音量の測定を開始する(ステップS52)。
【0067】
提示手段12は、いずれかの入力手段22に回答が入力されるまで待機する(ステップS53)。いずれかの入力手段22に回答が入力された場合、音量測定手段30は、音量の最も少ない人を判定する(ステップS54)。次に、提示手段12は、複数の端末20の表示手段21を介して受講者に同一の課題を提示する(ステップS55)。次いで、設定手段14は、音量の最も少なかった受講者が使用する入力手段22のみ入力可とし、他の入力手段22を入力不可とする(ステップS56)。その後、人材育成システム100aは、フローチャートの実行を終了する。
【0068】
ここで、音量の小さい受講者は、各受講者の中でリーダーシップをあまり発揮していないと推測される。したがって、音量の小さい受講者が使用している入力手段のみを入力可にすることによって、その受講者にリーダーとしての能力を習得させることができる。このように、各受講者にリーダーとしての能力を習得させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1実施例に係る人材育成システムの全体構成を示す模式図である。
【図2】サーバと端末との間の電気信号の送受信について説明するための模式図である。
【図3】サーバの詳細を示すブロック図である。
【図4】カリキュラムの詳細を説明するための模式図である。
【図5】人材育成システムによって実行されるフローチャートの一例を示す図である。
【図6】カリキュラムの実行について説明するための模式図である。
【図7】カリキュラムの実行について説明するための模式図である。
【図8】人材育成システムによって実行されるフローチャートの一例を示す。
【図9】人材育成システムによって実行されるフローチャートの一例を示す図である。
【図10】人材育成システムによって実行されるフローチャートの一例を示す。
【図11】受講者のカリキュラムの進行と課題のレベルとの関係の一例を示す模式図である。
【図12】各受講者による回答状況を説明するための模式図である。
【図13】判定手段の判定結果に基づいてカリキュラム制御手段が選択する課題について説明する模式図である。
【図14】回答までの時間と回答状況とを説明するための模式図である。
【図15】判定手段の判定結果に基づいてカリキュラム制御手段が選択する課題について説明する模式図である。
【図16】情報提供手段の動作の詳細について説明するための図である。
【図17】本発明の第2実施例に係る人材育成システムの全体構成を示す模式図である。
【図18】人材育成システムによって実行されるフローチャートの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
10 サーバ
11 カリキュラム記憶手段
12 提示手段
13 カリキュラム制御手段
14 設定手段
15 判定手段
16 情報提供手段
20 端末
21 表示手段
22 入力手段
30 音量測定手段
100 人材育成システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の課題を含むカリキュラムを複数記憶するカリキュラム記憶手段と、
前記カリキュラム記憶手段に記憶されたいずれかの課題を複数の端末を介して受講者に提示するための提示手段と、
前記複数のカリキュラムの中から1つずつ所定の期間ごとに順に選択し、選択された前記カリキュラムの中から課題を選択して前記提示手段に前記複数の端末を介して提示させるカリキュラム制御手段と、を備えることを特徴とする人材育成システム。
【請求項2】
前記端末は、前記課題に対する回答を入力するための入力手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の人材育成システム。
【請求項3】
前記複数の端末において同一の課題が提示された際に、各入力手段のうち所定の入力手段を入力不可に設定する設定手段をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の人材育成システム。
【請求項4】
前記入力手段に入力された情報に基づいて受講者の性質を判定する判定手段をさらに備え、
前記カリキュラム制御手段は、前記判定の結果に応じた課題を前記提示手段に提示させることを特徴とする請求項2記載の人材育成システム。
【請求項5】
前記判定手段は、前記入力手段に入力された回答の完成度に応じて前記受講者の性質を判定することを特徴とする請求項4記載の人材育成システム。
【請求項6】
前記判定手段は、前記課題が前記提示手段によって提示されてから前記入力手段に回答が入力されるまでの時間に応じて、前記受講者の性質を判定することを特徴とする請求項4または5記載の人材育成システム。
【請求項7】
前記提示手段は、前記端末を介して、受講者の操作に応じて前記課題に関する情報を前記受講者に提供する情報提供手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記情報提供手段による前記受講者への前記情報の提供の有無に応じて、前記受講者の性質を判定することを特徴とする請求項4記載の人材育成システム。
【請求項8】
各受講者の音量を測定する音量測定手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記音量測定手段の測定結果に基づいて、前記受講者のうち最も音量の少ない受講者に割り当てられた前記端末の入力手段を入力不可に設定することを特徴とする請求項3記載の人材育成システム。
【請求項9】
前記カリキュラム制御手段は、前記受講者の性質に基づき、前記複数のカリキュラムのうち2つ目以降のカリキュラムにおいて提示する課題を選択することを特徴とする請求項4記載の人材育成システム。
【請求項10】
前記カリキュラム制御手段は、前記受講者の性質に応じて、前記2つ目以降のカリキュラムの課題を選択することを特徴とする請求項9記載の人材育成システム。
【請求項11】
前記カリキュラム制御手段は、前記受講者が受講済みのカリキュラムにおける前記受講者の回答結果に基づいて、前記2つ目以降のカリキュラムの課題を選択することを特徴とする請求項9記載の人材育成システム。
【請求項12】
前記複数のカリキュラムのそれぞれには、1以上のレベルに分けられた課題が複数含まれていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の人材育成システム。
【請求項13】
前記カリキュラム制御手段は、選択された前記カリキュラムに含まれる課題のうち同一または異なる課題を選択することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の人材育成システム。
【請求項14】
1以上の課題を含む複数のカリキュラムを所定の期間ごとに順に選択する選択ステップと、
選択された前記カリキュラムの中から課題を選択して複数の端末を介して受講者に提示する提示ステップと、を含むことを特徴とする人材育成方法。
【請求項15】
コンピュータを、
1以上の課題を含む複数のカリキュラムからいずれかの課題を複数の端末を介して受講者に提示する提示手段と、
前記複数のカリキュラムを所定の期間ごとに順に選択し、選択された前記カリキュラムの中から課題を選択して前記提示ステップにおいて提示させるカリキュラム制御手段と、して機能させることを特徴とする人材育成プログラム。
【請求項1】
1以上の課題を含むカリキュラムを複数記憶するカリキュラム記憶手段と、
前記カリキュラム記憶手段に記憶されたいずれかの課題を複数の端末を介して受講者に提示するための提示手段と、
前記複数のカリキュラムの中から1つずつ所定の期間ごとに順に選択し、選択された前記カリキュラムの中から課題を選択して前記提示手段に前記複数の端末を介して提示させるカリキュラム制御手段と、を備えることを特徴とする人材育成システム。
【請求項2】
前記端末は、前記課題に対する回答を入力するための入力手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の人材育成システム。
【請求項3】
前記複数の端末において同一の課題が提示された際に、各入力手段のうち所定の入力手段を入力不可に設定する設定手段をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の人材育成システム。
【請求項4】
前記入力手段に入力された情報に基づいて受講者の性質を判定する判定手段をさらに備え、
前記カリキュラム制御手段は、前記判定の結果に応じた課題を前記提示手段に提示させることを特徴とする請求項2記載の人材育成システム。
【請求項5】
前記判定手段は、前記入力手段に入力された回答の完成度に応じて前記受講者の性質を判定することを特徴とする請求項4記載の人材育成システム。
【請求項6】
前記判定手段は、前記課題が前記提示手段によって提示されてから前記入力手段に回答が入力されるまでの時間に応じて、前記受講者の性質を判定することを特徴とする請求項4または5記載の人材育成システム。
【請求項7】
前記提示手段は、前記端末を介して、受講者の操作に応じて前記課題に関する情報を前記受講者に提供する情報提供手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記情報提供手段による前記受講者への前記情報の提供の有無に応じて、前記受講者の性質を判定することを特徴とする請求項4記載の人材育成システム。
【請求項8】
各受講者の音量を測定する音量測定手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記音量測定手段の測定結果に基づいて、前記受講者のうち最も音量の少ない受講者に割り当てられた前記端末の入力手段を入力不可に設定することを特徴とする請求項3記載の人材育成システム。
【請求項9】
前記カリキュラム制御手段は、前記受講者の性質に基づき、前記複数のカリキュラムのうち2つ目以降のカリキュラムにおいて提示する課題を選択することを特徴とする請求項4記載の人材育成システム。
【請求項10】
前記カリキュラム制御手段は、前記受講者の性質に応じて、前記2つ目以降のカリキュラムの課題を選択することを特徴とする請求項9記載の人材育成システム。
【請求項11】
前記カリキュラム制御手段は、前記受講者が受講済みのカリキュラムにおける前記受講者の回答結果に基づいて、前記2つ目以降のカリキュラムの課題を選択することを特徴とする請求項9記載の人材育成システム。
【請求項12】
前記複数のカリキュラムのそれぞれには、1以上のレベルに分けられた課題が複数含まれていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の人材育成システム。
【請求項13】
前記カリキュラム制御手段は、選択された前記カリキュラムに含まれる課題のうち同一または異なる課題を選択することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の人材育成システム。
【請求項14】
1以上の課題を含む複数のカリキュラムを所定の期間ごとに順に選択する選択ステップと、
選択された前記カリキュラムの中から課題を選択して複数の端末を介して受講者に提示する提示ステップと、を含むことを特徴とする人材育成方法。
【請求項15】
コンピュータを、
1以上の課題を含む複数のカリキュラムからいずれかの課題を複数の端末を介して受講者に提示する提示手段と、
前記複数のカリキュラムを所定の期間ごとに順に選択し、選択された前記カリキュラムの中から課題を選択して前記提示ステップにおいて提示させるカリキュラム制御手段と、して機能させることを特徴とする人材育成プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−139506(P2009−139506A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−314053(P2007−314053)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(507399070)株式会社ゼウス・エンタープライズ (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(507399070)株式会社ゼウス・エンタープライズ (5)
【Fターム(参考)】
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