介護用手摺り
【課題】前向きで昇り降りでき、両側手摺りあるいは片側手摺りとしても使用でき、移動がスムースに行える把持部を有する手摺りを提供する。
【解決手段】
手摺り部と支柱部と基盤とからなり、基盤の両側に支柱部が立設され、支柱部の上部に手摺り部を備え、基盤と支柱および手摺りとを着脱可能にして両側手摺りあるいは片側手摺りとして使用でき、かつ手摺りステーと支柱との間および/または支柱とステーとの間で上下に高さ調整できるようにするとともに、基盤に移動防止手段として着脱可能で伸縮自在な突っ張り支持手段即ち伸縮自在な突っ張りポールを取り付けることにより仮固定して動きを抑制する移動防止手段備え、レンタルに適した介護用手摺りを提供する。
【解決手段】
手摺り部と支柱部と基盤とからなり、基盤の両側に支柱部が立設され、支柱部の上部に手摺り部を備え、基盤と支柱および手摺りとを着脱可能にして両側手摺りあるいは片側手摺りとして使用でき、かつ手摺りステーと支柱との間および/または支柱とステーとの間で上下に高さ調整できるようにするとともに、基盤に移動防止手段として着脱可能で伸縮自在な突っ張り支持手段即ち伸縮自在な突っ張りポールを取り付けることにより仮固定して動きを抑制する移動防止手段備え、レンタルに適した介護用手摺りを提供する。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高齢者や身体障害者が建物内の玄関等、段差のある場所での昇り降りに適した介護用手摺りに関する。
【背景技術】
【0002】
玄関等の段差部には、老人や身体障害者の昇り降りを介助するために、壁に沿わせて昇降用の手摺りが配設されている。特許文献1(特許3121276号)に記載されたものは、前後一対の脚柱と手摺り本体からなり、前側の脚柱の下端は玄関床に当設され、後ろ側の脚柱の下端には断面L字形のブラケットを取り付けて該ブラケットを上り框に当設して固定している玄関ホール昇降用手すりである。
【0003】
また、特許文献2(特開2009−155951号)に記載されたものは、手摺り本体の下側に床面に垂下される脚柱を有する立ち上がり部を設け、床面に載置される基板に立設支持するとともに、立ち上がり部を壁に突っ張り支持している。
【0004】
【特許文献1】特許第3121276号公報
【特許文献2】特開2009−155951号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたものは、上り框にビス等で固定されるため、介護保険の住宅改修には適するが、レンタルには採用されない問題がある。また、取り外した際にビスのネジ穴が残り玄関の美観が損なわれる。
特許文献2に記載されたものは、壁に突っ張り支持する突っ張り支持部が設けられているので横倒れは防止できるが、固定されていないため前後左右に動く恐れがあり、使用者に不安が生じる。
【0006】
特許文献1、2に記載されたものは、いずれも片側にしか手すりがないので、片マヒの方が昇り降りする際、上段から下段へ降りるときは前向きに降りることができるが、下段から上段へ昇るときは後ろ向きになって昇ることとなる不都合が生じている。また、逆に下段から上段へ昇るときに前向きに昇ると、上段から下段へ降りるときは後ろ向きに降りることとなり、不安である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、従来の上記課題を解決する手段として、請求項1に記載の本発明は、手摺り部と支柱部と基盤とからなり、該基盤に支柱部が立設され、該支柱部の上部に手摺り部を備え、該基盤に移動防止手段を備えたことを特徴とする介護用手摺りである。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、移動防止手段が基盤に設けられているから倒れ防止だけでなく前後左右にずれるなどの動きを防止でき安全に安心して使用することができる。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、前記移動防止手段として、該基盤に着脱可能で伸縮自在な突っ張り支持手段を取り付けることにより仮固定することを特徴とする請求項1に記載の介護用手摺りである。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、伸縮自在な突っ張り支持手段(支持体)が基盤に取り付けられており壁面に仮固定することにより、倒れ防止だけでなく前後左右の動きを防止することができる。また、伸縮自在な突っ張り支持手段(支持体)が基盤と着脱可能であるのでレンタルに適している。更に使用が終われば簡単に取り除くことができ、取り除いた後にビス穴などの跡が残ることがなく、玄関の美観を損ねることもない。
【0011】
請求項3に記載の本発明は、前記支柱部が基盤の両側立設され、前記手摺り部と支柱部が基盤と着脱可能であり、両側手摺りあるいは片側手摺りとして使用することができることを特徴とする請求項1または2に記載の介護用手摺りである。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、支柱部が基盤の両側立設されているから使用者例えば片マヒの方などが常に前向きで昇り降りすることができるようになる。さらに、基盤と支柱部との間が着脱可能なので、手摺り部と支柱部とを着脱でき、右側の支柱部と手摺り部を取り除けば左側用の手摺りとして使用でき、左側の支柱部と手摺り部を取り除けば右側用の手摺りとして使用することができる。
【0013】
請求項4に記載の本発明は、前記手摺り部は手摺り本体と手摺りステーとからなり、前記支柱部は支柱とステーとからなり、手摺りステーと支柱との間および/または支柱とステーとの間で上下に高さ調整できることを特徴とする請求項1乃至3に記載の介護用手摺りである。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、手摺りステーと支柱との間および/または支柱とステーとの間で上下の高さ調整機能を備えているから、使用者の体格や身体の状態に合わせて支柱とステーとの間で手摺り部の高さを設定し、更に手摺り部と支柱部との間で微調整行い2段階調整ができる。
【0015】
請求項5に記載の本発明は、前記手摺り部は両側に水平な把持部を有し、該水平な把持部の一方から他方の水平な把持部に向けて曲率半径が漸増または漸減して湾曲する把持部を有することを特徴とする請求項1乃至3に記載の介護用手摺りであり、手摺り全体の少なくとも一部に上記湾曲部を備えている。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、両側に水平な把持部を有し、該水平な把持部の一方から他方の水平な把持部に向けて曲率半径が漸増または漸減して湾曲する把持部を有しているから、高齢者の方、足腰の弱くなった方、片マヒの方、身体障害者などが手摺りに体重をかけて移動する場合であってもスムースに昇り降りができる。また、手摺り部と支柱部との間が着脱自在なので、手摺りが手垢などで汚れた場合あるいはレンタルで再度貸し出す場合など手摺りを交換することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、全体が前後左右に移動や揺動することがなくなり、安全で安心なものを使用者に提供できる。また、両側支柱タイプ、右用あるいは左用の片側支柱タイプを提供することができ、使用者、使用場所に適したものを選択することができる。また、ビスで固定することなく使用することもできるのでレンタルに適したものを提供することができる。湾曲している把持部および高さ調整機能により、高齢者、身体障害者、片マヒの方などが段差のある所で昇り降りするのに適したものを提供できる。さらに着脱可能にしているからコンパクトに梱包でき輸送にも便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。図1、図2、図3は本発明に係る介護用手摺りの正面図、平面図、右側面図である。図4は展開図、図5は使用状態を示す斜視図である。
【0019】
図に示すように本発明に係る介護用手摺りは、床面に載置される基盤1と、該基盤上に着脱可能に取り付けられる支柱部2と、支柱部2の上部に着脱可能に取り付けられる手摺り部3と、基盤1に着脱可能に取り付けられ伸縮自在な突っ張り支持手段4(突っ張り棒、突っ張りポールなど)により構成されている。基盤1はベース板10と筒状体11と横桟12と突っ張りポールの台座13とからなり、角形状の筒状体4本が溶接されてベース板10上に立設され、各筒状体11の間には横桟12(12a,12b,12c)がコの字状に溶接されている。横桟12bには突っ張りポールの台座13が溶接またはネジで固定されている。ベース板10の裏面には補強体14(図示しない)が溶接されている。これらにより支柱部をしっかりと支持することができる。
【0020】
支柱部2は、支柱21とステー22とアジャスター23とからなり、基盤1の両側に一対立設されている。支柱21は鉄製の角パイプで縦支柱21a、横支柱21bとが溶接され連結して一体化している。縦支柱21aにはステー22またはアジャスター23が装着されている。ステー22は縦支柱21aより一回り小さいサイズの鉄製角パイプで一面にネジ止め穴221が複数個間欠的に設けられている。そして、ステー22の一端はベース板10に立設された筒状体11に挿入して嵌合され、筒状体11に形成されたネジ穴111を介してステー22に形成されたネジ止め穴221に止めネジで固定される。他方、ステー22の他端は縦支柱21a下部に挿入して嵌合され、縦支柱21aとスライドする。そして支柱21を上下にスライドさせて高さ調整をした後、縦支柱21aに形成されたネジ穴211を介してステー22に形成されたネジ止め穴221に止めネジ5で固定される。支柱21と支柱22の間で高さ設定がおこなわれる。
また、支柱21の上部でも手摺りステー32との間で上記と同様に高さ調整を行い手摺り部3と連結する。
アジャスター23は一端に樹脂足を設けたボルト体で縦支柱21aの下部に螺合して挿入されおり、回転させて伸縮させることにより上り框の床面に当接される。
【0021】
手摺り部3は、手摺り本体31と手摺りステー32からなり、手摺り本体31は両端に水平な把持部31aとその水平な把持部の一方から他方の水平な把持部に向けて曲率半径が漸増または漸減して湾曲する把持部31bを有している。水平な把持部の先は下方に折曲している。通常の傾斜した把持部はどこを握っても同じ傾斜角であるが、湾曲した把持部31bは握る個所により傾斜角が異なるので使用者個人の握り易いところを選択することができ、昇り降りする際にスムースな移動が可能となり片マヒなどで困っている人に適する。
【0022】
手摺りステー32はステー22と同様に縦支柱21aより一回り小さいサイズの鉄製角パイプで一面にネジ止め穴221が複数個間欠的に設けられ、一端に鉄製の平板が溶接で一体化され台座を形成している。そして手摺り本体の裏面側からビスなどで固定され手摺り本体と一体となっている。他方、手摺りステー32の他端は縦支柱21aに挿入して嵌合され、縦支柱21aに形成されたネジ穴212を介して手摺りステー32に形成されたネジ止め穴321に止めネジ5で固定され、高さ設定がおこなわれる。したがって、前記と同様に手摺り部と支柱部との間で高さ調整を行うことができる。手摺り本体は木製であるが、断面楕円形状の鉄、アルミなど金属製のパイプ状のものにプラスチック製、エラストマー製チューブを被覆したものであってもよい。
【0023】
図6、図7に示すように、突っ張りポール4は台座13に着脱可能にネジ止めされている。台座13は基板1に立設された筒状体11の間に形成されている横桟12bに溶接またはネジ止めされている。図6、図8に示すように、突っ張りポール4はポール本体41、スライドポール42、押圧部材43とからなり、ポール本体41は鉄製角パイプで一面(上面側)に細長い長円状の穴411が設けられ、一端側にはポール本体より一回り小さい径のスライドポール42が挿入して嵌合され、多端側には押圧部材43が螺合されている。スライドポール42はポール本体より一回り小さい径の鉄製角パイプであり一面にネジ穴が複数個設けられ、一端側はポール本体41に挿入して嵌合され多端側に押圧部材43が螺合されている。押圧部材43は表面にネジがボルトのように形成され片方に押圧板431が取り付けられている。押圧板431はゴム、エラストマー、プラスチックなどの弾性を有する材料である。
【0024】
図5、図9に示すように、突っ張りポール4は、スライドポール42を伸ばして両側の壁に押圧部材43を壁に当接し、止めネジ412を締め付けてスライドポール42を固定する。次に押圧部材43を回転させて押圧部材43を壁に押し付けていく。そして回り止めナット413により固定して仮固定を行う。
片側タイプとして使用する場合、例えば、右用タイプとして使用するときは基盤1左側の筒状体11とステー22とを固定している止めネジ5を緩めて筒状体11からステー22を離脱させることにより手摺り部3と支柱部2を一体的に基板1から取り外す。取り外した後の筒状体11にはカバー6を取り付ける。その使用状態を図9に示す。また、支柱下部を上下に大きく伸ばした状態を示す図を図10に示す。基盤1と支柱部2との間で約12cm、支柱部2と手摺り部3との間で約12cmの高さ調整ができる
【0025】
上記説明のように、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、上記の実施例では鉄製角パイプであるがアルミ製でもよく、また丸パイプであってもよい。
上記実施例では基盤に着脱可能で伸縮自在な突っ張り支持手段として突っ張りポールを取り付けることにより仮固定することを主体に説明したが、移動防止手段としては基盤にビス穴を設け該ビス穴にビスやアンカーボルトを用いて床面に固定してもよい(図示しない)。
【0026】
本発明の介護用手摺りは、玄関の上り框用手摺りとして適しているが、段差のある場所、例えば階段付近、縁側から庭先に降りるところなどにも使用することができる。
【0027】
また本発明の手摺りは、図11に示すように手摺り本体をブラケットに取り付けることにより階段付近、トイレ、浴室などでの手摺りとして用いることができる。
【0028】
上述のように本発明は、高齢者、身体障害者、片マヒの方、足の弱い方など幅広く使用していただける介護用手摺りを提供するものである。特にレンタルに適した特徴をもつものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】 介護用手摺りの正面図
【図2】 介護用手摺りの平面図
【図3】 介護用手摺りの左側面図
【図4】 介護用手摺りの側面視による展開図
【図5】 介護用手摺りの使用状態を示す斜視図
【図6】 突っ張りポールの取り付け状態を示す一部破断の平面図
【図7】 横桟、台座、突っ張りポールの取り付け状態を示す断面図
【図8】 突っ張りポールの展開図(一部破断)
【図9】 片側タイプ介護用手摺りの使用状態を示す斜視図
【図10】 支柱下部を上下に大きく伸ばした状態を示す図
【図11】 ブラケットに手摺りを取り付けた状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0027】
1 基盤
10 ベース板
11 筒状体
12 横桟
13 台座
2 支柱部
21 支柱
21a 縦支柱
21b 横支柱
22 ステー
23 アジャスター
3 手摺り部
31 手摺り本体
32 手摺りステー
4 突っ張りポール
41 ポール本体
42 スライドポール
43 押圧部材
431 押圧板
5 止めネジ
6 カバー
111、211、212 ネジ穴
221、321 ネジ止め穴
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高齢者や身体障害者が建物内の玄関等、段差のある場所での昇り降りに適した介護用手摺りに関する。
【背景技術】
【0002】
玄関等の段差部には、老人や身体障害者の昇り降りを介助するために、壁に沿わせて昇降用の手摺りが配設されている。特許文献1(特許3121276号)に記載されたものは、前後一対の脚柱と手摺り本体からなり、前側の脚柱の下端は玄関床に当設され、後ろ側の脚柱の下端には断面L字形のブラケットを取り付けて該ブラケットを上り框に当設して固定している玄関ホール昇降用手すりである。
【0003】
また、特許文献2(特開2009−155951号)に記載されたものは、手摺り本体の下側に床面に垂下される脚柱を有する立ち上がり部を設け、床面に載置される基板に立設支持するとともに、立ち上がり部を壁に突っ張り支持している。
【0004】
【特許文献1】特許第3121276号公報
【特許文献2】特開2009−155951号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたものは、上り框にビス等で固定されるため、介護保険の住宅改修には適するが、レンタルには採用されない問題がある。また、取り外した際にビスのネジ穴が残り玄関の美観が損なわれる。
特許文献2に記載されたものは、壁に突っ張り支持する突っ張り支持部が設けられているので横倒れは防止できるが、固定されていないため前後左右に動く恐れがあり、使用者に不安が生じる。
【0006】
特許文献1、2に記載されたものは、いずれも片側にしか手すりがないので、片マヒの方が昇り降りする際、上段から下段へ降りるときは前向きに降りることができるが、下段から上段へ昇るときは後ろ向きになって昇ることとなる不都合が生じている。また、逆に下段から上段へ昇るときに前向きに昇ると、上段から下段へ降りるときは後ろ向きに降りることとなり、不安である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、従来の上記課題を解決する手段として、請求項1に記載の本発明は、手摺り部と支柱部と基盤とからなり、該基盤に支柱部が立設され、該支柱部の上部に手摺り部を備え、該基盤に移動防止手段を備えたことを特徴とする介護用手摺りである。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、移動防止手段が基盤に設けられているから倒れ防止だけでなく前後左右にずれるなどの動きを防止でき安全に安心して使用することができる。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、前記移動防止手段として、該基盤に着脱可能で伸縮自在な突っ張り支持手段を取り付けることにより仮固定することを特徴とする請求項1に記載の介護用手摺りである。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、伸縮自在な突っ張り支持手段(支持体)が基盤に取り付けられており壁面に仮固定することにより、倒れ防止だけでなく前後左右の動きを防止することができる。また、伸縮自在な突っ張り支持手段(支持体)が基盤と着脱可能であるのでレンタルに適している。更に使用が終われば簡単に取り除くことができ、取り除いた後にビス穴などの跡が残ることがなく、玄関の美観を損ねることもない。
【0011】
請求項3に記載の本発明は、前記支柱部が基盤の両側立設され、前記手摺り部と支柱部が基盤と着脱可能であり、両側手摺りあるいは片側手摺りとして使用することができることを特徴とする請求項1または2に記載の介護用手摺りである。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、支柱部が基盤の両側立設されているから使用者例えば片マヒの方などが常に前向きで昇り降りすることができるようになる。さらに、基盤と支柱部との間が着脱可能なので、手摺り部と支柱部とを着脱でき、右側の支柱部と手摺り部を取り除けば左側用の手摺りとして使用でき、左側の支柱部と手摺り部を取り除けば右側用の手摺りとして使用することができる。
【0013】
請求項4に記載の本発明は、前記手摺り部は手摺り本体と手摺りステーとからなり、前記支柱部は支柱とステーとからなり、手摺りステーと支柱との間および/または支柱とステーとの間で上下に高さ調整できることを特徴とする請求項1乃至3に記載の介護用手摺りである。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、手摺りステーと支柱との間および/または支柱とステーとの間で上下の高さ調整機能を備えているから、使用者の体格や身体の状態に合わせて支柱とステーとの間で手摺り部の高さを設定し、更に手摺り部と支柱部との間で微調整行い2段階調整ができる。
【0015】
請求項5に記載の本発明は、前記手摺り部は両側に水平な把持部を有し、該水平な把持部の一方から他方の水平な把持部に向けて曲率半径が漸増または漸減して湾曲する把持部を有することを特徴とする請求項1乃至3に記載の介護用手摺りであり、手摺り全体の少なくとも一部に上記湾曲部を備えている。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、両側に水平な把持部を有し、該水平な把持部の一方から他方の水平な把持部に向けて曲率半径が漸増または漸減して湾曲する把持部を有しているから、高齢者の方、足腰の弱くなった方、片マヒの方、身体障害者などが手摺りに体重をかけて移動する場合であってもスムースに昇り降りができる。また、手摺り部と支柱部との間が着脱自在なので、手摺りが手垢などで汚れた場合あるいはレンタルで再度貸し出す場合など手摺りを交換することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、全体が前後左右に移動や揺動することがなくなり、安全で安心なものを使用者に提供できる。また、両側支柱タイプ、右用あるいは左用の片側支柱タイプを提供することができ、使用者、使用場所に適したものを選択することができる。また、ビスで固定することなく使用することもできるのでレンタルに適したものを提供することができる。湾曲している把持部および高さ調整機能により、高齢者、身体障害者、片マヒの方などが段差のある所で昇り降りするのに適したものを提供できる。さらに着脱可能にしているからコンパクトに梱包でき輸送にも便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。図1、図2、図3は本発明に係る介護用手摺りの正面図、平面図、右側面図である。図4は展開図、図5は使用状態を示す斜視図である。
【0019】
図に示すように本発明に係る介護用手摺りは、床面に載置される基盤1と、該基盤上に着脱可能に取り付けられる支柱部2と、支柱部2の上部に着脱可能に取り付けられる手摺り部3と、基盤1に着脱可能に取り付けられ伸縮自在な突っ張り支持手段4(突っ張り棒、突っ張りポールなど)により構成されている。基盤1はベース板10と筒状体11と横桟12と突っ張りポールの台座13とからなり、角形状の筒状体4本が溶接されてベース板10上に立設され、各筒状体11の間には横桟12(12a,12b,12c)がコの字状に溶接されている。横桟12bには突っ張りポールの台座13が溶接またはネジで固定されている。ベース板10の裏面には補強体14(図示しない)が溶接されている。これらにより支柱部をしっかりと支持することができる。
【0020】
支柱部2は、支柱21とステー22とアジャスター23とからなり、基盤1の両側に一対立設されている。支柱21は鉄製の角パイプで縦支柱21a、横支柱21bとが溶接され連結して一体化している。縦支柱21aにはステー22またはアジャスター23が装着されている。ステー22は縦支柱21aより一回り小さいサイズの鉄製角パイプで一面にネジ止め穴221が複数個間欠的に設けられている。そして、ステー22の一端はベース板10に立設された筒状体11に挿入して嵌合され、筒状体11に形成されたネジ穴111を介してステー22に形成されたネジ止め穴221に止めネジで固定される。他方、ステー22の他端は縦支柱21a下部に挿入して嵌合され、縦支柱21aとスライドする。そして支柱21を上下にスライドさせて高さ調整をした後、縦支柱21aに形成されたネジ穴211を介してステー22に形成されたネジ止め穴221に止めネジ5で固定される。支柱21と支柱22の間で高さ設定がおこなわれる。
また、支柱21の上部でも手摺りステー32との間で上記と同様に高さ調整を行い手摺り部3と連結する。
アジャスター23は一端に樹脂足を設けたボルト体で縦支柱21aの下部に螺合して挿入されおり、回転させて伸縮させることにより上り框の床面に当接される。
【0021】
手摺り部3は、手摺り本体31と手摺りステー32からなり、手摺り本体31は両端に水平な把持部31aとその水平な把持部の一方から他方の水平な把持部に向けて曲率半径が漸増または漸減して湾曲する把持部31bを有している。水平な把持部の先は下方に折曲している。通常の傾斜した把持部はどこを握っても同じ傾斜角であるが、湾曲した把持部31bは握る個所により傾斜角が異なるので使用者個人の握り易いところを選択することができ、昇り降りする際にスムースな移動が可能となり片マヒなどで困っている人に適する。
【0022】
手摺りステー32はステー22と同様に縦支柱21aより一回り小さいサイズの鉄製角パイプで一面にネジ止め穴221が複数個間欠的に設けられ、一端に鉄製の平板が溶接で一体化され台座を形成している。そして手摺り本体の裏面側からビスなどで固定され手摺り本体と一体となっている。他方、手摺りステー32の他端は縦支柱21aに挿入して嵌合され、縦支柱21aに形成されたネジ穴212を介して手摺りステー32に形成されたネジ止め穴321に止めネジ5で固定され、高さ設定がおこなわれる。したがって、前記と同様に手摺り部と支柱部との間で高さ調整を行うことができる。手摺り本体は木製であるが、断面楕円形状の鉄、アルミなど金属製のパイプ状のものにプラスチック製、エラストマー製チューブを被覆したものであってもよい。
【0023】
図6、図7に示すように、突っ張りポール4は台座13に着脱可能にネジ止めされている。台座13は基板1に立設された筒状体11の間に形成されている横桟12bに溶接またはネジ止めされている。図6、図8に示すように、突っ張りポール4はポール本体41、スライドポール42、押圧部材43とからなり、ポール本体41は鉄製角パイプで一面(上面側)に細長い長円状の穴411が設けられ、一端側にはポール本体より一回り小さい径のスライドポール42が挿入して嵌合され、多端側には押圧部材43が螺合されている。スライドポール42はポール本体より一回り小さい径の鉄製角パイプであり一面にネジ穴が複数個設けられ、一端側はポール本体41に挿入して嵌合され多端側に押圧部材43が螺合されている。押圧部材43は表面にネジがボルトのように形成され片方に押圧板431が取り付けられている。押圧板431はゴム、エラストマー、プラスチックなどの弾性を有する材料である。
【0024】
図5、図9に示すように、突っ張りポール4は、スライドポール42を伸ばして両側の壁に押圧部材43を壁に当接し、止めネジ412を締め付けてスライドポール42を固定する。次に押圧部材43を回転させて押圧部材43を壁に押し付けていく。そして回り止めナット413により固定して仮固定を行う。
片側タイプとして使用する場合、例えば、右用タイプとして使用するときは基盤1左側の筒状体11とステー22とを固定している止めネジ5を緩めて筒状体11からステー22を離脱させることにより手摺り部3と支柱部2を一体的に基板1から取り外す。取り外した後の筒状体11にはカバー6を取り付ける。その使用状態を図9に示す。また、支柱下部を上下に大きく伸ばした状態を示す図を図10に示す。基盤1と支柱部2との間で約12cm、支柱部2と手摺り部3との間で約12cmの高さ調整ができる
【0025】
上記説明のように、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、上記の実施例では鉄製角パイプであるがアルミ製でもよく、また丸パイプであってもよい。
上記実施例では基盤に着脱可能で伸縮自在な突っ張り支持手段として突っ張りポールを取り付けることにより仮固定することを主体に説明したが、移動防止手段としては基盤にビス穴を設け該ビス穴にビスやアンカーボルトを用いて床面に固定してもよい(図示しない)。
【0026】
本発明の介護用手摺りは、玄関の上り框用手摺りとして適しているが、段差のある場所、例えば階段付近、縁側から庭先に降りるところなどにも使用することができる。
【0027】
また本発明の手摺りは、図11に示すように手摺り本体をブラケットに取り付けることにより階段付近、トイレ、浴室などでの手摺りとして用いることができる。
【0028】
上述のように本発明は、高齢者、身体障害者、片マヒの方、足の弱い方など幅広く使用していただける介護用手摺りを提供するものである。特にレンタルに適した特徴をもつものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】 介護用手摺りの正面図
【図2】 介護用手摺りの平面図
【図3】 介護用手摺りの左側面図
【図4】 介護用手摺りの側面視による展開図
【図5】 介護用手摺りの使用状態を示す斜視図
【図6】 突っ張りポールの取り付け状態を示す一部破断の平面図
【図7】 横桟、台座、突っ張りポールの取り付け状態を示す断面図
【図8】 突っ張りポールの展開図(一部破断)
【図9】 片側タイプ介護用手摺りの使用状態を示す斜視図
【図10】 支柱下部を上下に大きく伸ばした状態を示す図
【図11】 ブラケットに手摺りを取り付けた状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0027】
1 基盤
10 ベース板
11 筒状体
12 横桟
13 台座
2 支柱部
21 支柱
21a 縦支柱
21b 横支柱
22 ステー
23 アジャスター
3 手摺り部
31 手摺り本体
32 手摺りステー
4 突っ張りポール
41 ポール本体
42 スライドポール
43 押圧部材
431 押圧板
5 止めネジ
6 カバー
111、211、212 ネジ穴
221、321 ネジ止め穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手摺り部と支柱部と基盤とからなり、該基盤に支柱部が立設され、該支柱部の上部に手摺り部を備え、該基盤に移動防止手段を備えたことを特徴とする介護用手摺り。
【請求項2】
前記移動防止手段として、該基盤に着脱可能で伸縮自在な突っ張り支持手段を取り付けることにより仮固定することを特徴とする請求項1に記載の介護用手摺り。
【請求項3】
前記支柱部が基盤の両側立設され、前記手摺り部と支柱部が基盤と着脱可能であり、両側手摺りあるいは片側手摺りとして使用することができることを特徴とする請求項1または2に記載の介護用手摺り。
【請求項4】
前記手摺り部は手摺り本体と手摺りステーとからなり、前記支柱部は支柱とステーとからなり、手摺りステーと支柱との間および/または支柱とステーとの間で上下に高さ調整できることを特徴とする請求項1乃至3に記載の介護用手摺り。
【請求項5】
前記手摺り部は両側に水平な把持部を有し、該水平な把持部の一方から他方の水平な把持部に向けて曲率半径が漸増または漸減して湾曲する把持部を有することを特徴とする請求項1乃至4に記載の介護用手摺り。
【請求項1】
手摺り部と支柱部と基盤とからなり、該基盤に支柱部が立設され、該支柱部の上部に手摺り部を備え、該基盤に移動防止手段を備えたことを特徴とする介護用手摺り。
【請求項2】
前記移動防止手段として、該基盤に着脱可能で伸縮自在な突っ張り支持手段を取り付けることにより仮固定することを特徴とする請求項1に記載の介護用手摺り。
【請求項3】
前記支柱部が基盤の両側立設され、前記手摺り部と支柱部が基盤と着脱可能であり、両側手摺りあるいは片側手摺りとして使用することができることを特徴とする請求項1または2に記載の介護用手摺り。
【請求項4】
前記手摺り部は手摺り本体と手摺りステーとからなり、前記支柱部は支柱とステーとからなり、手摺りステーと支柱との間および/または支柱とステーとの間で上下に高さ調整できることを特徴とする請求項1乃至3に記載の介護用手摺り。
【請求項5】
前記手摺り部は両側に水平な把持部を有し、該水平な把持部の一方から他方の水平な把持部に向けて曲率半径が漸増または漸減して湾曲する把持部を有することを特徴とする請求項1乃至4に記載の介護用手摺り。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−64052(P2011−64052A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−238724(P2009−238724)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(597029310)セパレ−タ−システム工業株式会社 (10)
【出願人】(508121245)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(597029310)セパレ−タ−システム工業株式会社 (10)
【出願人】(508121245)
【Fターム(参考)】
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