仕上げが改善されたボンディングツール
【解決手段】先端部において終端するボディー部を含むボンディングツールである。前記先端部は、特定の材料のにより形成され、前記先端部の少なくとも一部は前記材料の粒子構造に露出されているものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2006年7月3日付で出願された米国仮出願第60/806,503号および2007年1月15日付で出願された米国仮出願第60/884,920号に対し利益を主張するものであり、前記仮出願双方の内容は参照によりここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、ワイヤーループの形成に用いられるボンディングツールに関するものであり、より具体的には、仕上が改善されたボンディングツールに関するものである。
【背景技術】
【0003】
半導体装置の処理およびパッケージにおいて、ワイヤーボンディングはパッケージ内の2つの場所(例えば、半導体ダイのダイパッドとリードフレームのリード線間)の電気的相互接続を提供する主たる方法として引き続き用いられている。この相互接続を提供するワイヤーループを形成するために、ボンディングツール(例えば、キャピラリーツールやウェッジボンディングツールなど)が通常用いられる。
【0004】
従来のボンディングツールは、通常、研磨仕上げされた表面を有する。この研磨仕上げされた表面は、前記ボンディングツールの先端部を含む。一部のボンディングツール製造業者は「マット(matte)」仕上げのボンディングツールも提供する。ここでいうマット仕上げは粗面を指す。
【0005】
ワイヤーボンディング産業においては、ワイヤー接合強度(例えば、第1の接合強度、第2の接合強度など)の増加、ボンディング動作のアシスト率の低下、ワイヤーループ間の変動性の低下などの改善をもたらす開発を絶え間なく求められている。
【0006】
したがって、改善されたボンディングツールを提供することにより、結果として改善されたボンディング動作を提供することが望まれる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な実施形態に従い、先端部で終端するボディー部分を含むボンディングツールが提供される。前記先端部は特定の材料により形成され、少なくとも当該先端部の一部は前記材料の粒子構造に露出されているものである。
【0008】
本発明の別の例示的な実施形態に従い、先端部で終端するボディー部分を含むボンディングツールが提供される。前記先端部の少なくとも一部の表面には複数の凹凸が形成され、前記凹凸の密度は少なくとも15μ^−2であり、前記複数の凹凸を形成する前記先端部の前記部分における表面粗度の平均値は少なくとも0.03μである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本特許出願では、例えば表面粗度、凹凸(asperities)、凹凸の密度など、当該技術において既知の用語を参照することがある。そのような表現は当該技術において既知のものであり、例えば、(1)Greenwood, J. A. & Williamson, J. B. P., Contact of Nominally Flat Surfaces, Proc. Roy. Soc. (London), Series A295, pp. 300−319, 1966、(2)Kogut, Lior & Etsion, Izhak, A Static Friction Model for Elastic− Plastic Contacting Rough Surfaces, Journal of Tribology (ASME), Vol. 126, pp. 34−40, January 2004、および(3)Kogut, L. & Etsion, I., An Improved Elastic−Plastic Model for the Contact of Rough Surfaces, 3rd AIMETA International Tribology Conference, Salermo, Italy, September 18−20, 2002において既知であり、前記各出版物の全文は参照により組み込まれる。
【0010】
当業者に既知のように、表面(例えば、キャピラリーのようなボンディングツールの表面)は(1)Ra−平均表面粗度、(2)σ−凹凸の高さの標準偏差、および(3)R−凹凸の曲率半径のような独立パラメータによって特徴付けることができる。さらに、その他の有用なパラメータとして、例えば、(4)η−凹凸の面密度および(5)β=ηRσが含まれる。
【0011】
当業者に既知のように、表面粗度の平均値(Ra)は、粗さ形状とその平均線との間の面積、若しくは評価長に対する粗さ形状の高さの絶対値の積分である。ここでLは前記評価長、rは前記高さ、xは測定に沿った距離であり、Raは以下の式で表すことができる。
【0012】
【数1】
【0013】
本発明の例示的な実施形態に従い、以下の特徴を有するボンディングツール先端表面が提供された。
【0014】
【表1】
【0015】
上記ボンディングツールは(例えば第2の接合での)優れたプル強度、長い寿命のツール、および比較的高いMTBAのツールを提供した。
【0016】
本発明の例示的な実施形態に従い、少なくとも0.03μのRa値と少なくとも15μ^−2(すなわち1平方μ当たり15)のηの組み合わせで優れた結果が提供された。別の例において、少なくとも0.03μのRa値と少なくとも20μ^−2のηの組み合わせでも優れた結果が提供された。さらに、少なくとも0.04μのRa値と少なくとも20μ^−2のηの組み合わせで極めて優れた結果が提供された。ボンディングツールの表面形状測定は、例えば原子間力顕微鏡法(Atomic Force Microscopy:AFM)を用いるなど、多くの手法を用いて可能である。
【0017】
図1Aは、本発明の例示的な実施形態による改善された表面が提供されるボンディングツール100の側断面図である。ボンディングツール100はシャフト部102と円錐部104とを含み、シャフト部102および円錐部を総じてボンディングツール100のボディー部と呼ぶことができる。当業者に既知のように、シャフト部102の終端(すなわち図1Aの図の上部のシャフト部102の末端)はワイヤーボンディング装置のトランスデューサー(例えば超音波トランスデューサー)に連結するように構成される。円錐部104の終端(すなわち図1Aの図の底部の円錐部104の末端)は、接合位置(例えば半導体ダイのダイパッドやリードフレーム/基材のリード線など)でワイヤー接合を形成するように構成される。図1Bは円錐部104の終端の詳細な図である。より具体的には、図1Bはボンディングツール100の先端部100aを示す。先端部100aは穴100b、内側面取り部100c、および上面部100dなどの特徴を画成する。より詳細に以下に説明するように、ボンディングツール100は本発明による改善された表面を提供することが可能なボンディングツールの一例である。
【0018】
図2Aは、本発明の例示的な実施形態による改善された表面を提供可能なボンディングツール200の側断面図である。ボンディングツール200はシャフト部202と円錐部204とを含む(これらの集合がボディー部である)。図2Bは、円錐部204の終端の詳細な図である。より具体的には、図2Bはボンディングツール200の先端部200aを示す。先端部200aは穴200b、内側面取り部200c、および上面部200dなどの特徴を画成する。図2Cは内側面取り部200cと上面部200dとを含むボンディングツール200の先端部200aの透視図である。より詳細に以下に説明するように、ボンディングツール200は、本発明による改善された表面を提供することが可能なボンディングツールの一例である。
【0019】
当然、ボンディングツール100および200は本発明による改善された表面を提供可能なボンディングツールの型式の例に過ぎない。任意の数のその他の型式のボンディングツールが本発明の利益を活用できる。
【0020】
当業者に既知のように、通常、ボンディングツールを研磨することが望ましい。一部のボンディングツールでは、ボンディングツールの表面に「マット」仕上げが提供される。従来の研磨仕上げまたはマット仕上げボンディングツールと異なり、本発明によるボンディングツールでは、前記ボンディングツールの材料(例えばセラミック材料など)の粒子構造は前記ボンディングツールの少なくとも一部(例えば前記ボンディングツールの先端部の一部)で露出される。さらに、本発明の一部の例示的な実施形態では、前記ボンディングツールの少なくとも一部(例えば前記ボンディングツールの先端部)の表面は複数の凹凸を画成するものであり、前記凹凸の密度は少なくとも15μ^−2であり、前記複数の凹凸を画成する先端部の一部における表面粗度の平均値は少なくとも0.03μである。
【0021】
図3は、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールの先端部300a(図1B、2B、および2Cの先端部100aおよび200aに類似である)の透視図である。先端部300aは穴300b、内側面取り部300c、および上面部300bを画成する。図4A〜4Cは図3に示す先端部300aに類似したボンディングツールの先端部の一部の詳細な図であるが、図4A〜4Cの各々は、各々の先端部の異なる表面形態を図示する。
【0022】
より具体的には、図4Aはボンディングツールの先端部(図3に示す先端部300aに類似している)の一部の拡大図である。従って、図4Aは、(1)穴400b(図3の穴300bに類似)、(2)内側面取り部400c(図3の内側面取り部300cに類似)、および(3)上面部400d(図3の上面部300dに類似)を図示する。図4Aから明らかなように、作業面400dの表面の材料は露出された粒子構造を有する(図の例では、この露出された粒子は凹凸400eである)。これに対し、穴400bの表面(すなわち穴400bを画成するボンディングツールの壁部分)および内側面取り部400cの材料は露出された粒子を含まない。例えば、穴400bおよび内側面取り部400cの表面は従来の研磨仕上げまたはマット仕上げ表面でよい。
【0023】
次に図4Bを参照すると、(1)穴410b(図3の穴300bに類似)、(2)内側面取り部410c(図3の内側面取り部300cに類似)、および(3)上面部410d(図3の上面部300dに類似)が図示されている。図4Bから明らかなように、作業面410dおよび内側面取り部410cの材料は露出された粒子を有する(図の例では、前記露出された粒子は凹凸410e)。これに対し、図4Bで、穴410bの表面の材料(すなわち穴410bを画成するボンディングツールの壁部分)は露出された粒子を含まない。例えば、穴410bの表面は従来の研磨仕上げまたはマット仕上げ表面でよい。
【0024】
次に図4Cを参照すると、(1)穴420b(図3の穴300bに類似)、(2)内側面取り部420c(図3の内側面取り部300cに類似)、および(3)上面部420d(図3の上面部300dに類似)が図示されている。図4Cから明らかなように、作業面420d、内側面取り部420c、および穴420bの作業面の表面の材料は露出された粒子を有する。図の例では、この露出された粒子は凹凸420eである。
【0025】
図4A〜4Cから明らかなように、ボンディングツールの先端部の部分の任意の組み合わせ(および前記ボンディングツールの任意の部分)は本発明による表面仕上げを有することができ、その他の表面は異なる(例えば従来の)仕上げを有することができる。
【0026】
図5は本発明による例示的な実施形態のボンディングツール表面を理解するために有用な粗表面の接触モデルの図である。事実、本特許出願の図5は、Lior KogutおよびIzhak Etsion共著の、2004年1月のJournal of Tribology(ASME)、Vol. 126、pp34〜40に出版された「A Static friction Model for Elastic−Plastic Contacting Rough Surfaces」と題する上記文献に提供されている図2に非常に類似している。この図および前記文献のその他の部分は、粗表面に関して本特許出願に用いられている特定の用語を理解する上で有用である。
【0027】
図6Aは、本発明による、粗表面形態を持つボンディングツールの先端部600aの透視図写真である。例えば、この表面形態はワイヤーボンディング性能を向上するために提供される。先端部600aは穴600b(すなわち穴600bを画成する前記ボンディングツールの壁部分)、内側面取り部600c、および上面部600dを含む。図6Bは図6Aの部分詳細図であり、先端部600aの表面の粒子凹凸を明確に図示している。図6A〜6Bが図示するように、穴600b、内側面取り部600c、および上面部600d(および先端部の外半径範囲を含む前記先端部600aの他の領域)は、前記先端部の材料の露出粒子構造によって画定される(且つ又凹凸の高密度によって特徴付けられる)表面形態を含む。この(従来の研磨仕上げおよび従来のマット仕上げ表面形態と比べて)革新的なボンディングツール表面形態を用い、例えばステッチプル変動性(例えば標準偏差)およびプロセスのロバスト性において改善されたワイヤー・ボンディング・プロセスを提供することが可能である。
【0028】
図7Aは、本発明による粗表面形態を持つ別のボンディングツールの先端部700aの透視図写真である。先端部700aは穴700b(すなわち穴700bを画成する前記ボンディングツールの壁部分)、内側面取り部700c、および上面部700dを含む。図7B〜7Cは図7Aの部分詳細図であり、先端部700aの表面の一部の粒子凹凸を明確に図示している。図7A〜7Cが図示するように、上面部700d(および先端部の外半径範囲を含む前記先端部700aの外側領域)は前記先端部の材料の露出粒子構造によって定められる(且つ又、凹凸の高密度によって特徴づけられる)が、穴700bおよび内側面取り部700cはこの表面形態を含まない。例えば、穴700bおよび内側面取り部700cの表面は従来の表面(例えば研磨仕上げまたはマット仕上げ表面など)を含むことができる。
【0029】
図8Aは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールを用いて形成されたワイヤーループの第2の接合800の写真である。図8Aから明らかなように、第2の接合800の領域「A」は、前記ボンディングツールの上面部にある、本発明による表面仕上げを有するボンディングツールの凹凸形状によって特徴付けられている。図8Bは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールを用いて形成されたワイヤーループの第1の接合802の写真である。図8Bから明らかなように、第1の接合802の領域「B」は、本発明による表面仕上げを内側面取り部上に有するボンディングツールの凹凸形状によって特徴付けられている。
【0030】
図9Aは、対照のキャピラリーツールと本発明の例示的な実施形態によるキャピラリーツールとを使ったステッチプル試験の結果を比較した図9Bの表のデータをグラフにしたものである(すなわち、前記グラフは対照のキャピラリーツールと本発明のキャピラリーツールの1つとを用いて形成されたワイヤーループのステッチ接合について行ったステッチプル試験の結果を比較している)。図9Aの菱形は前記ステッチプルの標準偏差を表す。図9Aの長方形は前記ステッチプルの中央値を表す。前記長方形を分割している水平線は平均ステッチプル値を表す(すなわち、図9Bが示すように、前記対照キャピラリーの水平線は6.02325であり、本発明のキャピラリーの水平線は6.63163である)。図9A〜9Bが示すように、本発明によるキャピラリーは、第2の接合において、より高く且つより一貫したステッチプル値を有する。例えば、図9Bは、採取された80のサンプルのうち参照キャピラリーではステッチプル値の95%が5.8787〜6.1678グラムであったのに対し、本発明の例示的な実施形態によるキャピラリーではステッチプル値の95%が6.4871〜6.7762であったことを示している。
【0031】
図10Aは、本発明の例示的な実施形態により形成されたワイヤーループの第2の接合1000(すなわちステッチ接合)の写真である。図10Bは第2の接合1000の詳細図であり、図の領域「C」は第2の接合1000が本発明による上面部を有するボンディングツールを用いて形成されたものであることを明らかに示している。本発明の発明者らは、(1)本発明によるボンディングツールの上面部と(2)ワイヤーループのステッチ接合間のグリップがステッチプル値の増加を提供していると決定した。
【0032】
当業者には既知のように、定義上、Cpkは次のように表される。
【0033】
【数2】
【0034】
ここでCpkはプロセス能力、Uは許容限度上限、Lは許容限度下限、
【数3】
【0035】
は平均プロセス反応(例えば平均ステッチプル値)、Sはプロセス反応標準偏差(例えばステッチプル標準偏差stdev)である。
【0036】
Cpkは様々なプロセス変数と共に用いられる無次元測定値であり、その変数の標準偏差に関係する。例えば、Cpkをステッチプル変数値と共に用いることができる。上記等式(1)の分析から、高いCpk値が低いCpk値に比べて高いステッチ接合値の反復性を示すことは明らかである。
【0037】
図11A〜11Bは、2つのボンディングツールの2つの先端部の写真である。図11Aは形態Aを図示し、図11Bは形態Bを図示する。形態Aおよび形態Bは各々、(1)少なくとも15μ^−2の凹凸および(2)少なくとも0.03μの平均表面粗度を有する。形態AおよびBの両方は従来のボンディングツールに比べて(1)高い平均表面粗度、および(2)高い凹凸密度を有するが、形態Bは形態Aよりも高い平均表面粗度および高い凹凸密度を有する。両方のボンディングツール群(すなわち形態Aおよび形態B)が、対照群(すなわち研磨仕上げ表面のキャピラリー)に比べて有意に改善されたステッチプルCpk値を提供した。例えば、前記改善されたステッチプル値は、CuおよびAu両方のワイヤーを含む任意のタイプのワイヤーを使う様々な用途で有益であり、前記用途としては例えばファインピッチ、超ファインピッチ、およびQFPが含まれる。
【0038】
図12A〜12Bはグラフ(図12A)およびそれを裏付けるデータ(図12B)を図示するものであり、形態AおよびBのCpk値、および研磨仕上げされた対照ボンディングツールのCpk値を示している。図12A〜12Bから明らかなように、本発明によるボンディングツールは従来の研磨仕上げされたボンディングツールより高く且つ一貫したステッチプルCpk値を有する。図12Aの菱形はステッチプルCpkの標準偏差を表す。図12Aの長方形は前記ステッチプルCpkの中央値を表す。前記長方形を分割している水平線は平均ステッチプルCpk値を表す(すなわち、図12Bが示すように、前記形態Aの水平線は2.49228であり、前記従来の研磨仕上げされたキャピラリーの水平線は1.34362であり、前記形態Bの水平線は2.45048である。図12A〜12Bの結果の比較が示すように、本発明によるボンディングツールがより高くより一貫したステッチプルCpk値を有することは明らかである。
【0039】
図13A〜13Bは、形態A(図13A)および形態B(図13B)を有するボンディングツールの先端部の一部の写真である。図13Cは、形態A(グラフ左側)、形態B(グラフ中央)、および従来の研磨仕上げのキャピラリー(グラフ右側)のステッチプル値の比較である。図7Cから明らかなように、表面粗度および凹凸密度が高いほどステッチプル値は高い。
【0040】
本発明の発明者らが行った実験は、従来のマットまたは研磨仕上げツールに比べ、本発明による表面を有する先端部を有するボンディングツールが(1)長い寿命および(2)長いMTBA(Mean Time Between Assists:アシスト間平均時間)を有することを示した。より具体的には、本発明のボンディングツールの仕上げは、前記ツールの寿命の低下および/またはアシストの必要を招く望ましくない物質の形成および/または付着に抵抗する傾向を有する。実験データは、本発明によるツールでは0.27アシスト/時を示し、これに対し従来のマット仕上げツールでは0.62アシスト/時、従来の研磨仕上げツールでは2アシスト/時であった。さらに、全体的なアシスト率の改善は従来のマット仕上げツールに比べ77.3%、従来の研磨仕上げツールに比べ47.6%であった。
【0041】
本発明により形成されたボンディングツールの寿命の延長に関し、図14A〜14Bを提供する。図8Aは様々なキャピラリー・ボンディング・ツールの寿命試験結果を示す表である。左列は本発明による3つのキャピラリーの結果であり、中央列(従来のマット仕上げ)は従来の4つのマット仕上げキャピラリーの結果であり、右列(従来の研磨仕上げ)は従来の3つの研磨仕上げキャピラリーの結果である。前記実験結果の最大数は1,000,000であり、前記ツールが1,000,000接合に到達した場合、前記実験を終了した。前記左列で寿命は1,000、1,000、600であった(1,000動作または1,000接合単位であるので、これは1,000,000、1,000,000、600,000動作に等しい)。中央列で寿命は600、300、300、100であった。右列で寿命は900、500、400であった。従って、左列は本発明によるキャピラリーの寿命が長いことを示している。図8Bは図8Aの結果を棒グラフにしたものである。
【0042】
図15A〜15Fは、ワイヤーループの第2の接合を、各第2の接合を形成するために用いられたボンディングツールの仕上げと共に示す一連の写真である。より具体的には、図15Aは本発明の例示的な実施形態によるツールを用いて形成された第2の接合を図示するものであり、図15Bは図15Aが図示する前記第2の接合を形成するために用いられた接合ツールの先端表面の一部の写真である。同様に、図15Cは従来のマット仕上げを用いて形成された第2の接合を図示するものであり、図15Dは図15Cが図示する第2の接合を形成するために用いられた接合ツールの先端表面の一部の写真である。同様に、図15Eは従来の研磨仕上げを用いて形成された第2の接合を図示するものであり、図15Fは図1Eが図示する第2の接合を形成するために用いられた接合ツールの先端表面の一部の写真である。
【0043】
銅ボンディングでは、(1)本発明による先端表面仕上げおよび(2)従来の研磨仕上げを有する結合ツールに対して同一の幾何学的設計を試す実験が行われた。本発明による先端表面仕上げを有するツールでのみ、前記研磨仕上げのツールに比べてはるかにアシストが削減され、銅との有効なワイヤー・ボンディング・プロセスが可能であった。前記試験は、x軸方向およびy軸方向の両方で接合が形成されたときに、銅線ボンディングに対して行ったものである(当業者であれば理解するように、ワイヤーボンディングが行われる装置およびワイヤーボンディング装置に依存し、ワイヤーボンディングはしばしば多くの方向に形成される)。
【0044】
図16A〜16Bは、銅線ボンディングにおける第2の接合に関する本発明の利益を図示する表である。より具体的には、図16Aは本発明の例示的な実施形態による先端表面を有するボンディングツールのデータを図示する。図16Aが示す結果からわかるように、本発明によるボンディングツールは任意の方向(すなわちx右方向、y下方向、x左方向、およびy下方向)で形成された接合に関し、高く且つ一貫したプル強度を示す。これに対し、図16Bは前記接合に関し低く且つ非一貫性のプル強度を示す。事実、図16Bで示すプル試験を行った接合の多くは、測定不可能なプル強度を提供した(例えばショートテール(SHTL)、#DIV/0!など)。
【0045】
従って、本発明のボンディングツールはより高く且つより一貫した値のテール強度(すなわち第2の接合のプル強度)を与え、従来の研磨仕上げのキャピラリーは、前記キャピラリーをテールの高さに上げたときのショートテール(早期ワイヤー破壊)のような貧しく且つ一貫性のない結果を与えた。さらに、前記研磨仕上げキャピラリーのプロセス変数範囲(ウィンドウ)は、この難しいCuボンディング用途において無中断の自動ワイヤー・ボンディング・プロセスを可能にする変数ウィンドウを見つけることの難しさを表す。
【0046】
本発明は、本特許出願が請求する表面を形成するいずれの具体的な方法にも限定されない。当業者には理解されるように、ボンディングツール(例えばキャピラリーツール、ウェッジツールなど)は広範な材料から形成されるものであり、本発明による表面を形成するために用いられる方法は用いられる材料および望まれる仕上げに依存して大きく異なる。
【0047】
前記ボンディングツールの望ましい部分における材料の粒子構造を露出する方法の一例は、エッチングを施す材料と一致した熱エッチングである。前記望ましい表面を形成する他の方法の例として、例えば、(1)前記望ましい材料(例えばセラミック材料)から素地を形成する工程と、(後に生じる縮小を考慮して)前記素地を研いで望ましい外形にする工程と、望ましい先端表面(例えば粒状表面)を得るために前記ツールを焼結する工程と、穴および内側面取り部の望ましいサイズを形成/研磨する工程とを含む方法、(2)前記望ましい先端表面(例えば粒状表面)が前記穴および前記内側面取り部上に維持される場合があることを除き(1)と同じ方法、(3)粒子のサイズと形を制御するために前記素地の形成に際し前記材料に焼結剤を添加することを除き(1)または(2)と同じ方法、および(4)素地を焼結する工程と、前記焼結された素地を望ましい最終外形サイズに研ぐ工程と、高温での熱エッチングによって前記粒状先端表面を得る工程と、穴および内側面取り部の望ましいサイズを形成/研磨する工程とを含む方法、(5)前記望ましい先端表面(例えば粒状表面)が前記穴および前記内側面取り部上に維持される場合があることを除き(4)と同じ方法、(6)前記望ましい材料(例えばセラミック材料)を形成する工程と、前記素地を焼成する工程と、(焼成後に生じる縮小を考慮して)望ましいサイズに研ぐ工程とを含む方法、および(7)選択される材料に依存し、前記ツール(例えば、望ましい形に研がれたツール)を制御された環境で高温に曝す工程とを含む方法が含まれる。
【0048】
当然、例に挙げたこれらの方法は変えることが可能であり、工程を削除または追加することが可能であり、且つ前記工程を変えることが可能である。例えば、前記望ましい表面を前記ボンディングツールの望ましい部分に形成してから、前記ボンディングツールの一部を研磨し、前記形成された表面を前記部分から除去することができる。繰り返すが、本発明の表面を形成する方法は多く、本発明は任意の具体的なプロセスに依存するものではない。
【0049】
本発明によるボンディングツールを提供することによって、ワイヤー・ボンディング・プロセスの性能および信頼性に数々の改善を達成することが可能であり、例えば、(1)ステッチプル変動性(標準偏差)の低減、(2)プロセスのロバスト性の向上(例えば、NSOP、SHTL、NSOL、EFOの克服によるMTBAの増加)、(3)第2の接合プロセスの平均ステッチプル値の上昇、(4)ルーピング性能(標準偏差)の向上、(5)第1の接合の直径の変動性および形の低減(標準偏差)、および(6)全体的なワイヤーボンディング耐久性の向上などである。
【0050】
本発明によるボンディングツールは、特定のタイプの接点(例えばNiPdのような材料でメッキされた接点)にワイヤーを接合するために用いた場合に付加的な利益を提供する場合がある。そのような接点(比較的高い硬度値を有する材料を用いた接点)は、(例えば、ボンディングツール先端の磨耗や先端の汚染などの問題によって)前記ボンディングツールの寿命を、特にワイヤーループの第2の接合でのボンディング動作(例えば超音波振動)によって短縮する場合がある。本発明によると、キャピラリーの寿命を有意に向上することができる。事実、Kulicke and Soffa Industries, Inc.が市販するワイヤーボンディング装置(K&S1.0ミルAW14を用いる、60μのBond Pad Pitch NiPd装置を用いたボールボンダーであるK&S 8028 PPS)を用いて行った試験では、寿命は従来のボンディングツールの約2倍であった。本発明によるボンディングツールを用い、且つ同じタイプのワイヤーボンディング装置を用いることにより(K&S0.8ミルAW−66ワイヤーを用いて50μのBPPNiPd装置を接合する場合)、有意に向上した第2の接合のステッチプルおよびCpk値が提供された。本発明によるボンディングツールを用いて前記第2の接合のステッチ値が向上する1つの理由は、その粗い先端表面に関係する。前記粗い先端表面は、(1)前記ボンディングツールの先端と前記ワイヤー間のグリップ、(2)前記ボンディングツールから前記ワイヤーへのエネルギーの移動(例えば超音波エネルギーの移動)、および(3)前記ボンディングツールを介した前記第2の接合接点(例えばリードフレームのリード線)へのエネルギー移動を改善する傾向がある。
【0051】
本発明について、望ましい形態を有するボンディングツールの先端部分について主に説明してきたが、本発明は前記先端部分に限定されるものではない。例えば、前記ボンディングツール全体(内側および外側の両方)は望ましい形態を有することが可能であり(例えば、前記望ましい形態を持つために、そのボディー部の一部をワイヤーボンディング装置のトランスデューサーに連結し、それらの間の接触/結合を改善するように構成することが望ましい場合がある)。あるいは、前記ボンディングツールの選択された一部(例えば、前記ボンディングツール内のワイヤー経路を除く、前記ボンディングツールの外側)のみが前記望ましい形態を有するようにすることができる。ここで説明しているように、前記ボンディングツールの先端部分に関してでさえ、前記先端部分の全てまたは選択された一部は前記望ましい形態を有することができる。
【0052】
本発明について、ボールボンディング動作に用いられるキャピラリーツールに関して主に例証および説明してきたが、本発明はそれらに限定されない。その他のタイプのボンディングツール(例えばウェッジツール、ボール・シューター・ツールなど)も本発明の範囲に含まれる。さらに、本発明を、ピック・アップ・ツール、SMT(Surface Mount Technology:表面実装技術)ツールやリボンツールのような、半導体処理に用いられる他のタイプのツールに適用することも可能である。且つ又、本発明を、(1)セラミック材料のような単一の材料から形成されたツール、または(2)複数の片から形成されたツールに適用することもできる。
【0053】
本発明について、特定の実施形態を参照してここに例証および説明してきたが、本発明はここに示された詳細に限定されるべきではない。むしろ、本発明の請求項と同等の範囲内で本発明から逸脱せずに前記詳細に様々な変更を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
本発明は、以下の詳細な説明を添付の図とともに読むことによって最もよく理解される。一般的慣習に従い、前記図の様々な特徴は正確な縮尺によるものではないことを強調しておく。むしろ、前記様々な特徴のサイズは、明確に示すために任意に拡張または縮小されている。前記図には以下の図が含まれる。
【図1A】図1Aは、本発明の例示的な実施形態に従い改善された表面で提供され得るボンディングツールの側断面図である。
【図1B】図1Bは、図1Aのボンディングツールの一部を詳細に図示する。
【図2A】図2Aは、本発明の例示的な実施形態に従い改善された表面で提供され得る別のボンディングツールの側断面図である。
【図2B】図2Bは、図2Aのボンディングツールの一部を詳細に図示する。
【図2C】図2Cは、図2Aのボンディングツールの一部の透視図である。
【図3】図3は、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールの先端部の透視図である。
【図4A】図4Aは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールの先端部の一部を詳細に図示する。
【図4B】図4Bは、本発明の例示的な実施形態による別のボンディングツールの先端部の一部を詳細に図示する。
【図4C】図4Cは、本発明のさらに別の例示的な実施形態によるボンディングツールの先端部の一部を詳細に図示する。
【図5】図5は、本発明による例示的な実施形態のボンディングツール表面を理解するために有用な粗表面の接触モデルの図である。
【図6A】図6Aは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールの先端部の透視図写真である。
【図6B】図6Bは、図6Aの一部の詳細な図である。
【図7A】図7Aは、本発明の別の例示的な実施形態によるボンディングツールの先端部の透視図写真である。
【図7B】図7Bは、図7Aの一部の詳細な図である。
【図7C】図7Cは、図7Aの一部の別の詳細な図である。
【図8A】図8Aは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールを用いて形成されたワイヤーループの第2の結合の写真である。
【図8B】図8Bは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールを用いて形成されたワイヤーループの第1の結合の写真である。
【図9A】図9Aは、従来のボンディングツールと本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールのステッチプル試験結果を比較するグラフである。
【図9B】図9Bは、図9Aのグラフのデータを示す表である。
【図10A】図10Aは、本発明の例示的な実施形態にしたがって形成されたワイヤーループの第2の結合の写真である。
【図10B】図10Bは、図10Aの一部の詳細な図である。
【図11A】図11Aは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールの先端部の透視図写真である。
【図11B】図11Bは、本発明の別の例示的な実施形態による別のボンディングツールの先端部の透視図写真である。
【図12A】図12Aは、従来のボンディングツールと本発明の例示的な実施形態による2つのボンディングツールのステッチプル試験結果のCpkを比較するグラフである。
【図12B】図12Bは、図12Aのグラフのデータを示す表である。
【図13A】図13Aは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールの先端部の一部の写真である。
【図13B】図13Bは、本発明の別の実施形態による別のボンディングツールの先端部の一部の写真である。
【図13C】図13Cは、従来の磨き仕上げボンディングツールと本発明の例示的な実施形態による2つのボンディングツールのステッチプル試験結果を比較するグラフである。
【図14A】図14Aは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールと従来のボンディングツールとの寿命を比較するデータを含む表である。
【図14B】図14Bは、図14Aのデータの棒グラフである。
【図15A】図15Aは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールを用いて形成されたワイヤーループの第2の結合の写真である。
【図15B】図15Bは、図15Aの第2の結合を形成するために用いられたボンディングツールの表面の一部の写真である。
【図15C】図15Cは、従来のツヤなし仕上げボンディングツールを用いて形成されたワイヤーループの第2の結合の写真である。
【図15D】図15Dは、図15Cの第2の結合を形成するために用いられたボンディングツールの表面の一部の写真である。
【図15E】図15Eは、従来の磨き仕上げされたボンディングツールを用いて形成されたワイヤーループの第2の結合の写真である。
【図15F】図15Fは、図15Eの第2の結合を形成するために用いられたボンディングツールの表面の一部の写真である。
【図16A】図16Aは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールを用いて形成されたワイヤーループの第2の結合のプル強度に関係するデータを含む表である。
【図16B】図16Bは、従来のボンディングツールを用いて形成されたワイヤーループの第2の結合のプル強度に関係するデータを含む表である。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2006年7月3日付で出願された米国仮出願第60/806,503号および2007年1月15日付で出願された米国仮出願第60/884,920号に対し利益を主張するものであり、前記仮出願双方の内容は参照によりここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、ワイヤーループの形成に用いられるボンディングツールに関するものであり、より具体的には、仕上が改善されたボンディングツールに関するものである。
【背景技術】
【0003】
半導体装置の処理およびパッケージにおいて、ワイヤーボンディングはパッケージ内の2つの場所(例えば、半導体ダイのダイパッドとリードフレームのリード線間)の電気的相互接続を提供する主たる方法として引き続き用いられている。この相互接続を提供するワイヤーループを形成するために、ボンディングツール(例えば、キャピラリーツールやウェッジボンディングツールなど)が通常用いられる。
【0004】
従来のボンディングツールは、通常、研磨仕上げされた表面を有する。この研磨仕上げされた表面は、前記ボンディングツールの先端部を含む。一部のボンディングツール製造業者は「マット(matte)」仕上げのボンディングツールも提供する。ここでいうマット仕上げは粗面を指す。
【0005】
ワイヤーボンディング産業においては、ワイヤー接合強度(例えば、第1の接合強度、第2の接合強度など)の増加、ボンディング動作のアシスト率の低下、ワイヤーループ間の変動性の低下などの改善をもたらす開発を絶え間なく求められている。
【0006】
したがって、改善されたボンディングツールを提供することにより、結果として改善されたボンディング動作を提供することが望まれる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な実施形態に従い、先端部で終端するボディー部分を含むボンディングツールが提供される。前記先端部は特定の材料により形成され、少なくとも当該先端部の一部は前記材料の粒子構造に露出されているものである。
【0008】
本発明の別の例示的な実施形態に従い、先端部で終端するボディー部分を含むボンディングツールが提供される。前記先端部の少なくとも一部の表面には複数の凹凸が形成され、前記凹凸の密度は少なくとも15μ^−2であり、前記複数の凹凸を形成する前記先端部の前記部分における表面粗度の平均値は少なくとも0.03μである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本特許出願では、例えば表面粗度、凹凸(asperities)、凹凸の密度など、当該技術において既知の用語を参照することがある。そのような表現は当該技術において既知のものであり、例えば、(1)Greenwood, J. A. & Williamson, J. B. P., Contact of Nominally Flat Surfaces, Proc. Roy. Soc. (London), Series A295, pp. 300−319, 1966、(2)Kogut, Lior & Etsion, Izhak, A Static Friction Model for Elastic− Plastic Contacting Rough Surfaces, Journal of Tribology (ASME), Vol. 126, pp. 34−40, January 2004、および(3)Kogut, L. & Etsion, I., An Improved Elastic−Plastic Model for the Contact of Rough Surfaces, 3rd AIMETA International Tribology Conference, Salermo, Italy, September 18−20, 2002において既知であり、前記各出版物の全文は参照により組み込まれる。
【0010】
当業者に既知のように、表面(例えば、キャピラリーのようなボンディングツールの表面)は(1)Ra−平均表面粗度、(2)σ−凹凸の高さの標準偏差、および(3)R−凹凸の曲率半径のような独立パラメータによって特徴付けることができる。さらに、その他の有用なパラメータとして、例えば、(4)η−凹凸の面密度および(5)β=ηRσが含まれる。
【0011】
当業者に既知のように、表面粗度の平均値(Ra)は、粗さ形状とその平均線との間の面積、若しくは評価長に対する粗さ形状の高さの絶対値の積分である。ここでLは前記評価長、rは前記高さ、xは測定に沿った距離であり、Raは以下の式で表すことができる。
【0012】
【数1】
【0013】
本発明の例示的な実施形態に従い、以下の特徴を有するボンディングツール先端表面が提供された。
【0014】
【表1】
【0015】
上記ボンディングツールは(例えば第2の接合での)優れたプル強度、長い寿命のツール、および比較的高いMTBAのツールを提供した。
【0016】
本発明の例示的な実施形態に従い、少なくとも0.03μのRa値と少なくとも15μ^−2(すなわち1平方μ当たり15)のηの組み合わせで優れた結果が提供された。別の例において、少なくとも0.03μのRa値と少なくとも20μ^−2のηの組み合わせでも優れた結果が提供された。さらに、少なくとも0.04μのRa値と少なくとも20μ^−2のηの組み合わせで極めて優れた結果が提供された。ボンディングツールの表面形状測定は、例えば原子間力顕微鏡法(Atomic Force Microscopy:AFM)を用いるなど、多くの手法を用いて可能である。
【0017】
図1Aは、本発明の例示的な実施形態による改善された表面が提供されるボンディングツール100の側断面図である。ボンディングツール100はシャフト部102と円錐部104とを含み、シャフト部102および円錐部を総じてボンディングツール100のボディー部と呼ぶことができる。当業者に既知のように、シャフト部102の終端(すなわち図1Aの図の上部のシャフト部102の末端)はワイヤーボンディング装置のトランスデューサー(例えば超音波トランスデューサー)に連結するように構成される。円錐部104の終端(すなわち図1Aの図の底部の円錐部104の末端)は、接合位置(例えば半導体ダイのダイパッドやリードフレーム/基材のリード線など)でワイヤー接合を形成するように構成される。図1Bは円錐部104の終端の詳細な図である。より具体的には、図1Bはボンディングツール100の先端部100aを示す。先端部100aは穴100b、内側面取り部100c、および上面部100dなどの特徴を画成する。より詳細に以下に説明するように、ボンディングツール100は本発明による改善された表面を提供することが可能なボンディングツールの一例である。
【0018】
図2Aは、本発明の例示的な実施形態による改善された表面を提供可能なボンディングツール200の側断面図である。ボンディングツール200はシャフト部202と円錐部204とを含む(これらの集合がボディー部である)。図2Bは、円錐部204の終端の詳細な図である。より具体的には、図2Bはボンディングツール200の先端部200aを示す。先端部200aは穴200b、内側面取り部200c、および上面部200dなどの特徴を画成する。図2Cは内側面取り部200cと上面部200dとを含むボンディングツール200の先端部200aの透視図である。より詳細に以下に説明するように、ボンディングツール200は、本発明による改善された表面を提供することが可能なボンディングツールの一例である。
【0019】
当然、ボンディングツール100および200は本発明による改善された表面を提供可能なボンディングツールの型式の例に過ぎない。任意の数のその他の型式のボンディングツールが本発明の利益を活用できる。
【0020】
当業者に既知のように、通常、ボンディングツールを研磨することが望ましい。一部のボンディングツールでは、ボンディングツールの表面に「マット」仕上げが提供される。従来の研磨仕上げまたはマット仕上げボンディングツールと異なり、本発明によるボンディングツールでは、前記ボンディングツールの材料(例えばセラミック材料など)の粒子構造は前記ボンディングツールの少なくとも一部(例えば前記ボンディングツールの先端部の一部)で露出される。さらに、本発明の一部の例示的な実施形態では、前記ボンディングツールの少なくとも一部(例えば前記ボンディングツールの先端部)の表面は複数の凹凸を画成するものであり、前記凹凸の密度は少なくとも15μ^−2であり、前記複数の凹凸を画成する先端部の一部における表面粗度の平均値は少なくとも0.03μである。
【0021】
図3は、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールの先端部300a(図1B、2B、および2Cの先端部100aおよび200aに類似である)の透視図である。先端部300aは穴300b、内側面取り部300c、および上面部300bを画成する。図4A〜4Cは図3に示す先端部300aに類似したボンディングツールの先端部の一部の詳細な図であるが、図4A〜4Cの各々は、各々の先端部の異なる表面形態を図示する。
【0022】
より具体的には、図4Aはボンディングツールの先端部(図3に示す先端部300aに類似している)の一部の拡大図である。従って、図4Aは、(1)穴400b(図3の穴300bに類似)、(2)内側面取り部400c(図3の内側面取り部300cに類似)、および(3)上面部400d(図3の上面部300dに類似)を図示する。図4Aから明らかなように、作業面400dの表面の材料は露出された粒子構造を有する(図の例では、この露出された粒子は凹凸400eである)。これに対し、穴400bの表面(すなわち穴400bを画成するボンディングツールの壁部分)および内側面取り部400cの材料は露出された粒子を含まない。例えば、穴400bおよび内側面取り部400cの表面は従来の研磨仕上げまたはマット仕上げ表面でよい。
【0023】
次に図4Bを参照すると、(1)穴410b(図3の穴300bに類似)、(2)内側面取り部410c(図3の内側面取り部300cに類似)、および(3)上面部410d(図3の上面部300dに類似)が図示されている。図4Bから明らかなように、作業面410dおよび内側面取り部410cの材料は露出された粒子を有する(図の例では、前記露出された粒子は凹凸410e)。これに対し、図4Bで、穴410bの表面の材料(すなわち穴410bを画成するボンディングツールの壁部分)は露出された粒子を含まない。例えば、穴410bの表面は従来の研磨仕上げまたはマット仕上げ表面でよい。
【0024】
次に図4Cを参照すると、(1)穴420b(図3の穴300bに類似)、(2)内側面取り部420c(図3の内側面取り部300cに類似)、および(3)上面部420d(図3の上面部300dに類似)が図示されている。図4Cから明らかなように、作業面420d、内側面取り部420c、および穴420bの作業面の表面の材料は露出された粒子を有する。図の例では、この露出された粒子は凹凸420eである。
【0025】
図4A〜4Cから明らかなように、ボンディングツールの先端部の部分の任意の組み合わせ(および前記ボンディングツールの任意の部分)は本発明による表面仕上げを有することができ、その他の表面は異なる(例えば従来の)仕上げを有することができる。
【0026】
図5は本発明による例示的な実施形態のボンディングツール表面を理解するために有用な粗表面の接触モデルの図である。事実、本特許出願の図5は、Lior KogutおよびIzhak Etsion共著の、2004年1月のJournal of Tribology(ASME)、Vol. 126、pp34〜40に出版された「A Static friction Model for Elastic−Plastic Contacting Rough Surfaces」と題する上記文献に提供されている図2に非常に類似している。この図および前記文献のその他の部分は、粗表面に関して本特許出願に用いられている特定の用語を理解する上で有用である。
【0027】
図6Aは、本発明による、粗表面形態を持つボンディングツールの先端部600aの透視図写真である。例えば、この表面形態はワイヤーボンディング性能を向上するために提供される。先端部600aは穴600b(すなわち穴600bを画成する前記ボンディングツールの壁部分)、内側面取り部600c、および上面部600dを含む。図6Bは図6Aの部分詳細図であり、先端部600aの表面の粒子凹凸を明確に図示している。図6A〜6Bが図示するように、穴600b、内側面取り部600c、および上面部600d(および先端部の外半径範囲を含む前記先端部600aの他の領域)は、前記先端部の材料の露出粒子構造によって画定される(且つ又凹凸の高密度によって特徴付けられる)表面形態を含む。この(従来の研磨仕上げおよび従来のマット仕上げ表面形態と比べて)革新的なボンディングツール表面形態を用い、例えばステッチプル変動性(例えば標準偏差)およびプロセスのロバスト性において改善されたワイヤー・ボンディング・プロセスを提供することが可能である。
【0028】
図7Aは、本発明による粗表面形態を持つ別のボンディングツールの先端部700aの透視図写真である。先端部700aは穴700b(すなわち穴700bを画成する前記ボンディングツールの壁部分)、内側面取り部700c、および上面部700dを含む。図7B〜7Cは図7Aの部分詳細図であり、先端部700aの表面の一部の粒子凹凸を明確に図示している。図7A〜7Cが図示するように、上面部700d(および先端部の外半径範囲を含む前記先端部700aの外側領域)は前記先端部の材料の露出粒子構造によって定められる(且つ又、凹凸の高密度によって特徴づけられる)が、穴700bおよび内側面取り部700cはこの表面形態を含まない。例えば、穴700bおよび内側面取り部700cの表面は従来の表面(例えば研磨仕上げまたはマット仕上げ表面など)を含むことができる。
【0029】
図8Aは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールを用いて形成されたワイヤーループの第2の接合800の写真である。図8Aから明らかなように、第2の接合800の領域「A」は、前記ボンディングツールの上面部にある、本発明による表面仕上げを有するボンディングツールの凹凸形状によって特徴付けられている。図8Bは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールを用いて形成されたワイヤーループの第1の接合802の写真である。図8Bから明らかなように、第1の接合802の領域「B」は、本発明による表面仕上げを内側面取り部上に有するボンディングツールの凹凸形状によって特徴付けられている。
【0030】
図9Aは、対照のキャピラリーツールと本発明の例示的な実施形態によるキャピラリーツールとを使ったステッチプル試験の結果を比較した図9Bの表のデータをグラフにしたものである(すなわち、前記グラフは対照のキャピラリーツールと本発明のキャピラリーツールの1つとを用いて形成されたワイヤーループのステッチ接合について行ったステッチプル試験の結果を比較している)。図9Aの菱形は前記ステッチプルの標準偏差を表す。図9Aの長方形は前記ステッチプルの中央値を表す。前記長方形を分割している水平線は平均ステッチプル値を表す(すなわち、図9Bが示すように、前記対照キャピラリーの水平線は6.02325であり、本発明のキャピラリーの水平線は6.63163である)。図9A〜9Bが示すように、本発明によるキャピラリーは、第2の接合において、より高く且つより一貫したステッチプル値を有する。例えば、図9Bは、採取された80のサンプルのうち参照キャピラリーではステッチプル値の95%が5.8787〜6.1678グラムであったのに対し、本発明の例示的な実施形態によるキャピラリーではステッチプル値の95%が6.4871〜6.7762であったことを示している。
【0031】
図10Aは、本発明の例示的な実施形態により形成されたワイヤーループの第2の接合1000(すなわちステッチ接合)の写真である。図10Bは第2の接合1000の詳細図であり、図の領域「C」は第2の接合1000が本発明による上面部を有するボンディングツールを用いて形成されたものであることを明らかに示している。本発明の発明者らは、(1)本発明によるボンディングツールの上面部と(2)ワイヤーループのステッチ接合間のグリップがステッチプル値の増加を提供していると決定した。
【0032】
当業者には既知のように、定義上、Cpkは次のように表される。
【0033】
【数2】
【0034】
ここでCpkはプロセス能力、Uは許容限度上限、Lは許容限度下限、
【数3】
【0035】
は平均プロセス反応(例えば平均ステッチプル値)、Sはプロセス反応標準偏差(例えばステッチプル標準偏差stdev)である。
【0036】
Cpkは様々なプロセス変数と共に用いられる無次元測定値であり、その変数の標準偏差に関係する。例えば、Cpkをステッチプル変数値と共に用いることができる。上記等式(1)の分析から、高いCpk値が低いCpk値に比べて高いステッチ接合値の反復性を示すことは明らかである。
【0037】
図11A〜11Bは、2つのボンディングツールの2つの先端部の写真である。図11Aは形態Aを図示し、図11Bは形態Bを図示する。形態Aおよび形態Bは各々、(1)少なくとも15μ^−2の凹凸および(2)少なくとも0.03μの平均表面粗度を有する。形態AおよびBの両方は従来のボンディングツールに比べて(1)高い平均表面粗度、および(2)高い凹凸密度を有するが、形態Bは形態Aよりも高い平均表面粗度および高い凹凸密度を有する。両方のボンディングツール群(すなわち形態Aおよび形態B)が、対照群(すなわち研磨仕上げ表面のキャピラリー)に比べて有意に改善されたステッチプルCpk値を提供した。例えば、前記改善されたステッチプル値は、CuおよびAu両方のワイヤーを含む任意のタイプのワイヤーを使う様々な用途で有益であり、前記用途としては例えばファインピッチ、超ファインピッチ、およびQFPが含まれる。
【0038】
図12A〜12Bはグラフ(図12A)およびそれを裏付けるデータ(図12B)を図示するものであり、形態AおよびBのCpk値、および研磨仕上げされた対照ボンディングツールのCpk値を示している。図12A〜12Bから明らかなように、本発明によるボンディングツールは従来の研磨仕上げされたボンディングツールより高く且つ一貫したステッチプルCpk値を有する。図12Aの菱形はステッチプルCpkの標準偏差を表す。図12Aの長方形は前記ステッチプルCpkの中央値を表す。前記長方形を分割している水平線は平均ステッチプルCpk値を表す(すなわち、図12Bが示すように、前記形態Aの水平線は2.49228であり、前記従来の研磨仕上げされたキャピラリーの水平線は1.34362であり、前記形態Bの水平線は2.45048である。図12A〜12Bの結果の比較が示すように、本発明によるボンディングツールがより高くより一貫したステッチプルCpk値を有することは明らかである。
【0039】
図13A〜13Bは、形態A(図13A)および形態B(図13B)を有するボンディングツールの先端部の一部の写真である。図13Cは、形態A(グラフ左側)、形態B(グラフ中央)、および従来の研磨仕上げのキャピラリー(グラフ右側)のステッチプル値の比較である。図7Cから明らかなように、表面粗度および凹凸密度が高いほどステッチプル値は高い。
【0040】
本発明の発明者らが行った実験は、従来のマットまたは研磨仕上げツールに比べ、本発明による表面を有する先端部を有するボンディングツールが(1)長い寿命および(2)長いMTBA(Mean Time Between Assists:アシスト間平均時間)を有することを示した。より具体的には、本発明のボンディングツールの仕上げは、前記ツールの寿命の低下および/またはアシストの必要を招く望ましくない物質の形成および/または付着に抵抗する傾向を有する。実験データは、本発明によるツールでは0.27アシスト/時を示し、これに対し従来のマット仕上げツールでは0.62アシスト/時、従来の研磨仕上げツールでは2アシスト/時であった。さらに、全体的なアシスト率の改善は従来のマット仕上げツールに比べ77.3%、従来の研磨仕上げツールに比べ47.6%であった。
【0041】
本発明により形成されたボンディングツールの寿命の延長に関し、図14A〜14Bを提供する。図8Aは様々なキャピラリー・ボンディング・ツールの寿命試験結果を示す表である。左列は本発明による3つのキャピラリーの結果であり、中央列(従来のマット仕上げ)は従来の4つのマット仕上げキャピラリーの結果であり、右列(従来の研磨仕上げ)は従来の3つの研磨仕上げキャピラリーの結果である。前記実験結果の最大数は1,000,000であり、前記ツールが1,000,000接合に到達した場合、前記実験を終了した。前記左列で寿命は1,000、1,000、600であった(1,000動作または1,000接合単位であるので、これは1,000,000、1,000,000、600,000動作に等しい)。中央列で寿命は600、300、300、100であった。右列で寿命は900、500、400であった。従って、左列は本発明によるキャピラリーの寿命が長いことを示している。図8Bは図8Aの結果を棒グラフにしたものである。
【0042】
図15A〜15Fは、ワイヤーループの第2の接合を、各第2の接合を形成するために用いられたボンディングツールの仕上げと共に示す一連の写真である。より具体的には、図15Aは本発明の例示的な実施形態によるツールを用いて形成された第2の接合を図示するものであり、図15Bは図15Aが図示する前記第2の接合を形成するために用いられた接合ツールの先端表面の一部の写真である。同様に、図15Cは従来のマット仕上げを用いて形成された第2の接合を図示するものであり、図15Dは図15Cが図示する第2の接合を形成するために用いられた接合ツールの先端表面の一部の写真である。同様に、図15Eは従来の研磨仕上げを用いて形成された第2の接合を図示するものであり、図15Fは図1Eが図示する第2の接合を形成するために用いられた接合ツールの先端表面の一部の写真である。
【0043】
銅ボンディングでは、(1)本発明による先端表面仕上げおよび(2)従来の研磨仕上げを有する結合ツールに対して同一の幾何学的設計を試す実験が行われた。本発明による先端表面仕上げを有するツールでのみ、前記研磨仕上げのツールに比べてはるかにアシストが削減され、銅との有効なワイヤー・ボンディング・プロセスが可能であった。前記試験は、x軸方向およびy軸方向の両方で接合が形成されたときに、銅線ボンディングに対して行ったものである(当業者であれば理解するように、ワイヤーボンディングが行われる装置およびワイヤーボンディング装置に依存し、ワイヤーボンディングはしばしば多くの方向に形成される)。
【0044】
図16A〜16Bは、銅線ボンディングにおける第2の接合に関する本発明の利益を図示する表である。より具体的には、図16Aは本発明の例示的な実施形態による先端表面を有するボンディングツールのデータを図示する。図16Aが示す結果からわかるように、本発明によるボンディングツールは任意の方向(すなわちx右方向、y下方向、x左方向、およびy下方向)で形成された接合に関し、高く且つ一貫したプル強度を示す。これに対し、図16Bは前記接合に関し低く且つ非一貫性のプル強度を示す。事実、図16Bで示すプル試験を行った接合の多くは、測定不可能なプル強度を提供した(例えばショートテール(SHTL)、#DIV/0!など)。
【0045】
従って、本発明のボンディングツールはより高く且つより一貫した値のテール強度(すなわち第2の接合のプル強度)を与え、従来の研磨仕上げのキャピラリーは、前記キャピラリーをテールの高さに上げたときのショートテール(早期ワイヤー破壊)のような貧しく且つ一貫性のない結果を与えた。さらに、前記研磨仕上げキャピラリーのプロセス変数範囲(ウィンドウ)は、この難しいCuボンディング用途において無中断の自動ワイヤー・ボンディング・プロセスを可能にする変数ウィンドウを見つけることの難しさを表す。
【0046】
本発明は、本特許出願が請求する表面を形成するいずれの具体的な方法にも限定されない。当業者には理解されるように、ボンディングツール(例えばキャピラリーツール、ウェッジツールなど)は広範な材料から形成されるものであり、本発明による表面を形成するために用いられる方法は用いられる材料および望まれる仕上げに依存して大きく異なる。
【0047】
前記ボンディングツールの望ましい部分における材料の粒子構造を露出する方法の一例は、エッチングを施す材料と一致した熱エッチングである。前記望ましい表面を形成する他の方法の例として、例えば、(1)前記望ましい材料(例えばセラミック材料)から素地を形成する工程と、(後に生じる縮小を考慮して)前記素地を研いで望ましい外形にする工程と、望ましい先端表面(例えば粒状表面)を得るために前記ツールを焼結する工程と、穴および内側面取り部の望ましいサイズを形成/研磨する工程とを含む方法、(2)前記望ましい先端表面(例えば粒状表面)が前記穴および前記内側面取り部上に維持される場合があることを除き(1)と同じ方法、(3)粒子のサイズと形を制御するために前記素地の形成に際し前記材料に焼結剤を添加することを除き(1)または(2)と同じ方法、および(4)素地を焼結する工程と、前記焼結された素地を望ましい最終外形サイズに研ぐ工程と、高温での熱エッチングによって前記粒状先端表面を得る工程と、穴および内側面取り部の望ましいサイズを形成/研磨する工程とを含む方法、(5)前記望ましい先端表面(例えば粒状表面)が前記穴および前記内側面取り部上に維持される場合があることを除き(4)と同じ方法、(6)前記望ましい材料(例えばセラミック材料)を形成する工程と、前記素地を焼成する工程と、(焼成後に生じる縮小を考慮して)望ましいサイズに研ぐ工程とを含む方法、および(7)選択される材料に依存し、前記ツール(例えば、望ましい形に研がれたツール)を制御された環境で高温に曝す工程とを含む方法が含まれる。
【0048】
当然、例に挙げたこれらの方法は変えることが可能であり、工程を削除または追加することが可能であり、且つ前記工程を変えることが可能である。例えば、前記望ましい表面を前記ボンディングツールの望ましい部分に形成してから、前記ボンディングツールの一部を研磨し、前記形成された表面を前記部分から除去することができる。繰り返すが、本発明の表面を形成する方法は多く、本発明は任意の具体的なプロセスに依存するものではない。
【0049】
本発明によるボンディングツールを提供することによって、ワイヤー・ボンディング・プロセスの性能および信頼性に数々の改善を達成することが可能であり、例えば、(1)ステッチプル変動性(標準偏差)の低減、(2)プロセスのロバスト性の向上(例えば、NSOP、SHTL、NSOL、EFOの克服によるMTBAの増加)、(3)第2の接合プロセスの平均ステッチプル値の上昇、(4)ルーピング性能(標準偏差)の向上、(5)第1の接合の直径の変動性および形の低減(標準偏差)、および(6)全体的なワイヤーボンディング耐久性の向上などである。
【0050】
本発明によるボンディングツールは、特定のタイプの接点(例えばNiPdのような材料でメッキされた接点)にワイヤーを接合するために用いた場合に付加的な利益を提供する場合がある。そのような接点(比較的高い硬度値を有する材料を用いた接点)は、(例えば、ボンディングツール先端の磨耗や先端の汚染などの問題によって)前記ボンディングツールの寿命を、特にワイヤーループの第2の接合でのボンディング動作(例えば超音波振動)によって短縮する場合がある。本発明によると、キャピラリーの寿命を有意に向上することができる。事実、Kulicke and Soffa Industries, Inc.が市販するワイヤーボンディング装置(K&S1.0ミルAW14を用いる、60μのBond Pad Pitch NiPd装置を用いたボールボンダーであるK&S 8028 PPS)を用いて行った試験では、寿命は従来のボンディングツールの約2倍であった。本発明によるボンディングツールを用い、且つ同じタイプのワイヤーボンディング装置を用いることにより(K&S0.8ミルAW−66ワイヤーを用いて50μのBPPNiPd装置を接合する場合)、有意に向上した第2の接合のステッチプルおよびCpk値が提供された。本発明によるボンディングツールを用いて前記第2の接合のステッチ値が向上する1つの理由は、その粗い先端表面に関係する。前記粗い先端表面は、(1)前記ボンディングツールの先端と前記ワイヤー間のグリップ、(2)前記ボンディングツールから前記ワイヤーへのエネルギーの移動(例えば超音波エネルギーの移動)、および(3)前記ボンディングツールを介した前記第2の接合接点(例えばリードフレームのリード線)へのエネルギー移動を改善する傾向がある。
【0051】
本発明について、望ましい形態を有するボンディングツールの先端部分について主に説明してきたが、本発明は前記先端部分に限定されるものではない。例えば、前記ボンディングツール全体(内側および外側の両方)は望ましい形態を有することが可能であり(例えば、前記望ましい形態を持つために、そのボディー部の一部をワイヤーボンディング装置のトランスデューサーに連結し、それらの間の接触/結合を改善するように構成することが望ましい場合がある)。あるいは、前記ボンディングツールの選択された一部(例えば、前記ボンディングツール内のワイヤー経路を除く、前記ボンディングツールの外側)のみが前記望ましい形態を有するようにすることができる。ここで説明しているように、前記ボンディングツールの先端部分に関してでさえ、前記先端部分の全てまたは選択された一部は前記望ましい形態を有することができる。
【0052】
本発明について、ボールボンディング動作に用いられるキャピラリーツールに関して主に例証および説明してきたが、本発明はそれらに限定されない。その他のタイプのボンディングツール(例えばウェッジツール、ボール・シューター・ツールなど)も本発明の範囲に含まれる。さらに、本発明を、ピック・アップ・ツール、SMT(Surface Mount Technology:表面実装技術)ツールやリボンツールのような、半導体処理に用いられる他のタイプのツールに適用することも可能である。且つ又、本発明を、(1)セラミック材料のような単一の材料から形成されたツール、または(2)複数の片から形成されたツールに適用することもできる。
【0053】
本発明について、特定の実施形態を参照してここに例証および説明してきたが、本発明はここに示された詳細に限定されるべきではない。むしろ、本発明の請求項と同等の範囲内で本発明から逸脱せずに前記詳細に様々な変更を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
本発明は、以下の詳細な説明を添付の図とともに読むことによって最もよく理解される。一般的慣習に従い、前記図の様々な特徴は正確な縮尺によるものではないことを強調しておく。むしろ、前記様々な特徴のサイズは、明確に示すために任意に拡張または縮小されている。前記図には以下の図が含まれる。
【図1A】図1Aは、本発明の例示的な実施形態に従い改善された表面で提供され得るボンディングツールの側断面図である。
【図1B】図1Bは、図1Aのボンディングツールの一部を詳細に図示する。
【図2A】図2Aは、本発明の例示的な実施形態に従い改善された表面で提供され得る別のボンディングツールの側断面図である。
【図2B】図2Bは、図2Aのボンディングツールの一部を詳細に図示する。
【図2C】図2Cは、図2Aのボンディングツールの一部の透視図である。
【図3】図3は、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールの先端部の透視図である。
【図4A】図4Aは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールの先端部の一部を詳細に図示する。
【図4B】図4Bは、本発明の例示的な実施形態による別のボンディングツールの先端部の一部を詳細に図示する。
【図4C】図4Cは、本発明のさらに別の例示的な実施形態によるボンディングツールの先端部の一部を詳細に図示する。
【図5】図5は、本発明による例示的な実施形態のボンディングツール表面を理解するために有用な粗表面の接触モデルの図である。
【図6A】図6Aは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールの先端部の透視図写真である。
【図6B】図6Bは、図6Aの一部の詳細な図である。
【図7A】図7Aは、本発明の別の例示的な実施形態によるボンディングツールの先端部の透視図写真である。
【図7B】図7Bは、図7Aの一部の詳細な図である。
【図7C】図7Cは、図7Aの一部の別の詳細な図である。
【図8A】図8Aは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールを用いて形成されたワイヤーループの第2の結合の写真である。
【図8B】図8Bは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールを用いて形成されたワイヤーループの第1の結合の写真である。
【図9A】図9Aは、従来のボンディングツールと本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールのステッチプル試験結果を比較するグラフである。
【図9B】図9Bは、図9Aのグラフのデータを示す表である。
【図10A】図10Aは、本発明の例示的な実施形態にしたがって形成されたワイヤーループの第2の結合の写真である。
【図10B】図10Bは、図10Aの一部の詳細な図である。
【図11A】図11Aは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールの先端部の透視図写真である。
【図11B】図11Bは、本発明の別の例示的な実施形態による別のボンディングツールの先端部の透視図写真である。
【図12A】図12Aは、従来のボンディングツールと本発明の例示的な実施形態による2つのボンディングツールのステッチプル試験結果のCpkを比較するグラフである。
【図12B】図12Bは、図12Aのグラフのデータを示す表である。
【図13A】図13Aは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールの先端部の一部の写真である。
【図13B】図13Bは、本発明の別の実施形態による別のボンディングツールの先端部の一部の写真である。
【図13C】図13Cは、従来の磨き仕上げボンディングツールと本発明の例示的な実施形態による2つのボンディングツールのステッチプル試験結果を比較するグラフである。
【図14A】図14Aは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールと従来のボンディングツールとの寿命を比較するデータを含む表である。
【図14B】図14Bは、図14Aのデータの棒グラフである。
【図15A】図15Aは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールを用いて形成されたワイヤーループの第2の結合の写真である。
【図15B】図15Bは、図15Aの第2の結合を形成するために用いられたボンディングツールの表面の一部の写真である。
【図15C】図15Cは、従来のツヤなし仕上げボンディングツールを用いて形成されたワイヤーループの第2の結合の写真である。
【図15D】図15Dは、図15Cの第2の結合を形成するために用いられたボンディングツールの表面の一部の写真である。
【図15E】図15Eは、従来の磨き仕上げされたボンディングツールを用いて形成されたワイヤーループの第2の結合の写真である。
【図15F】図15Fは、図15Eの第2の結合を形成するために用いられたボンディングツールの表面の一部の写真である。
【図16A】図16Aは、本発明の例示的な実施形態によるボンディングツールを用いて形成されたワイヤーループの第2の結合のプル強度に関係するデータを含む表である。
【図16B】図16Bは、従来のボンディングツールを用いて形成されたワイヤーループの第2の結合のプル強度に関係するデータを含む表である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボンディングツールであって、
先端部において終端するボディー部を有し、
前記先端部は特定の材料により形成され、少なくとも当該先端部の一部は前記材料の粒子構造に露出されているものである
ボンディングツール。
【請求項2】
請求項1記載のボンディングツールにおいて、前記先端部の上面部における粒子構造は露出しているものである。
【請求項3】
請求項1記載のボンディングツールにおいて、前記先端部の内側面取り部における粒子構造は露出しているものである。
【請求項4】
請求項1記載のボンディングツールにおいて、前記ボディー部はワイヤーボンディング装置のトランスデューサーと連結するように構成された連結部を含み、前記連結部における粒子構造は露出しているものである。
【請求項5】
請求項1記載のボンディングツールにおいて、前記ボンディングツールは前記材料の単一片として形成され、前記材料の粒子構造は前記ボンディングツールの外側全体において露出しているものである。
【請求項6】
請求項1記載のボンディングツールにおいて、露出した粒子構造を有する前記先端部の前記部分の表面には複数の凹凸が形成され、前記凹凸の密度は少なくとも15μ^−2であり、前記複数の凹凸を形成する先端部の前記部分における表面粗度の平均値は少なくとも0.03μである。
【請求項7】
請求項6記載のボンディングツールにおいて、前記凹凸の密度は少なくとも20μ^−2である。
【請求項8】
請求項6記載のボンディングツールにおいて、前記凹凸の密度は少なくとも20μ^−2であり、表面粗度の平均値は少なくとも0.04μである。
【請求項9】
請求項1記載のボンディングツールにおいて、前記ボンディングツールには前記ボンディングツールの長さに沿って延びる穴が形成され、前記穴は一定長さのワイヤーを受容するように構成され且つ前記先端部の内側面取り部で終端するものであり、前記内側面取り部に隣接する前記先端部の終端部に上面部が形成されるものであり、(1)前記内側面取り部および(2)前記上面部のうちの少なくとも1つの粒子構造は露出しているものである。
【請求項10】
請求項9記載のボンディングツールにおいて、前記内側面取り部および前記上面部の双方の粒子構造は露出しているものである。
【請求項11】
請求項9記載のボンディングツールにおいて、前記上面部の粒子構造は露出しており、前記内側面取り部の表面の粒子構造は露出していないものである。
【請求項12】
請求項11記載のボンディングツールにおいて、前記内側面取り部の表面は研磨仕上げされているものである。
【請求項13】
ボンディングツールであって、
先端部において終端するボディー部を有し、
前記先端部の少なくとも一部の表面には複数の凹凸が形成され、前記凹凸の密度は少なくとも15μ^−2であり、前記複数の凹凸を形成する前記先端部の前記部分における表面粗度の平均値は少なくとも0.03μである
ボンディングツール。
【請求項14】
請求項13記載のボンディングツールにおいて、凹凸の密度は少なくとも20μ^−2である。
【請求項15】
請求項13記載のボンディングツールにおいて、凹凸の密度は少なくとも20μ^−2であり、前記表面粗度の平均値は少なくとも0.04μである。
【請求項16】
請求項13記載のボンディングツールにおいて、前記ボンディングツールには前記ボンディングツールの長さに沿って延びる穴が形成され、前記穴は一定長さのワイヤーを受容するように構成され且つ前記先端部の内側面取り部で終端するものであり、前記内側面取り部に隣接する前記先端部の終端に上面部が形成されるものであり、(1)前記内側面取り部および(2)前記上面部のうち少なくとも1つの表面には複数の凹凸が形成され、前記凹凸の密度は少なくとも15μ^−2であり、(1)前記内側面取り部および(2)前記上面部のうちの前記少なくとも1つにおける表面粗度の平均値は少なくとも0.03μである。
【請求項17】
請求項16記載のボンディングツールにおいて、凹凸の密度は少なくとも20μ^−2である。
【請求項18】
請求項16記載のボンディングツールにおいて、凹凸の密度は少なくとも20μ^−2であり、表面粗度の平均値は少なくとも0.04μである。
【請求項19】
請求項16記載のボンディングツールにおいて、前記内側面取り部および前記上面部の双方の表面には前記複数の凹凸が形成されているものである。
【請求項20】
請求項16記載のボンディングツールにおいて、前記上面部の表面には前記複数の凹凸が形成され、前記内側面取り部の表面は研磨仕上げされているものである。
【請求項21】
請求項13記載のボンディングツールにおいて、前記ボディー部は、ワイヤーボンディング装置のトランスデューサーと連結するように構成された連結部を含み、前記連結部の表面においても複数の凹凸が形成され、前記凹凸の密度は少なくとも15μ^−2であり、前記連結部の表面における表面粗度の平均値は少なくとも0.03μである。
【請求項22】
請求項13記載のボンディングツールにおいて、前記ボンディングツールは前記材料の単一片として形成され、前記ボンディングツールの外側全体の表面には複数の凹凸が形成され、前記凹凸の密度は少なくとも15μ^−2であり、前記ボンディングツールの前記外側全体の表面における表面粗度の平均値は少なくとも0.03μである。
【請求項1】
ボンディングツールであって、
先端部において終端するボディー部を有し、
前記先端部は特定の材料により形成され、少なくとも当該先端部の一部は前記材料の粒子構造に露出されているものである
ボンディングツール。
【請求項2】
請求項1記載のボンディングツールにおいて、前記先端部の上面部における粒子構造は露出しているものである。
【請求項3】
請求項1記載のボンディングツールにおいて、前記先端部の内側面取り部における粒子構造は露出しているものである。
【請求項4】
請求項1記載のボンディングツールにおいて、前記ボディー部はワイヤーボンディング装置のトランスデューサーと連結するように構成された連結部を含み、前記連結部における粒子構造は露出しているものである。
【請求項5】
請求項1記載のボンディングツールにおいて、前記ボンディングツールは前記材料の単一片として形成され、前記材料の粒子構造は前記ボンディングツールの外側全体において露出しているものである。
【請求項6】
請求項1記載のボンディングツールにおいて、露出した粒子構造を有する前記先端部の前記部分の表面には複数の凹凸が形成され、前記凹凸の密度は少なくとも15μ^−2であり、前記複数の凹凸を形成する先端部の前記部分における表面粗度の平均値は少なくとも0.03μである。
【請求項7】
請求項6記載のボンディングツールにおいて、前記凹凸の密度は少なくとも20μ^−2である。
【請求項8】
請求項6記載のボンディングツールにおいて、前記凹凸の密度は少なくとも20μ^−2であり、表面粗度の平均値は少なくとも0.04μである。
【請求項9】
請求項1記載のボンディングツールにおいて、前記ボンディングツールには前記ボンディングツールの長さに沿って延びる穴が形成され、前記穴は一定長さのワイヤーを受容するように構成され且つ前記先端部の内側面取り部で終端するものであり、前記内側面取り部に隣接する前記先端部の終端部に上面部が形成されるものであり、(1)前記内側面取り部および(2)前記上面部のうちの少なくとも1つの粒子構造は露出しているものである。
【請求項10】
請求項9記載のボンディングツールにおいて、前記内側面取り部および前記上面部の双方の粒子構造は露出しているものである。
【請求項11】
請求項9記載のボンディングツールにおいて、前記上面部の粒子構造は露出しており、前記内側面取り部の表面の粒子構造は露出していないものである。
【請求項12】
請求項11記載のボンディングツールにおいて、前記内側面取り部の表面は研磨仕上げされているものである。
【請求項13】
ボンディングツールであって、
先端部において終端するボディー部を有し、
前記先端部の少なくとも一部の表面には複数の凹凸が形成され、前記凹凸の密度は少なくとも15μ^−2であり、前記複数の凹凸を形成する前記先端部の前記部分における表面粗度の平均値は少なくとも0.03μである
ボンディングツール。
【請求項14】
請求項13記載のボンディングツールにおいて、凹凸の密度は少なくとも20μ^−2である。
【請求項15】
請求項13記載のボンディングツールにおいて、凹凸の密度は少なくとも20μ^−2であり、前記表面粗度の平均値は少なくとも0.04μである。
【請求項16】
請求項13記載のボンディングツールにおいて、前記ボンディングツールには前記ボンディングツールの長さに沿って延びる穴が形成され、前記穴は一定長さのワイヤーを受容するように構成され且つ前記先端部の内側面取り部で終端するものであり、前記内側面取り部に隣接する前記先端部の終端に上面部が形成されるものであり、(1)前記内側面取り部および(2)前記上面部のうち少なくとも1つの表面には複数の凹凸が形成され、前記凹凸の密度は少なくとも15μ^−2であり、(1)前記内側面取り部および(2)前記上面部のうちの前記少なくとも1つにおける表面粗度の平均値は少なくとも0.03μである。
【請求項17】
請求項16記載のボンディングツールにおいて、凹凸の密度は少なくとも20μ^−2である。
【請求項18】
請求項16記載のボンディングツールにおいて、凹凸の密度は少なくとも20μ^−2であり、表面粗度の平均値は少なくとも0.04μである。
【請求項19】
請求項16記載のボンディングツールにおいて、前記内側面取り部および前記上面部の双方の表面には前記複数の凹凸が形成されているものである。
【請求項20】
請求項16記載のボンディングツールにおいて、前記上面部の表面には前記複数の凹凸が形成され、前記内側面取り部の表面は研磨仕上げされているものである。
【請求項21】
請求項13記載のボンディングツールにおいて、前記ボディー部は、ワイヤーボンディング装置のトランスデューサーと連結するように構成された連結部を含み、前記連結部の表面においても複数の凹凸が形成され、前記凹凸の密度は少なくとも15μ^−2であり、前記連結部の表面における表面粗度の平均値は少なくとも0.03μである。
【請求項22】
請求項13記載のボンディングツールにおいて、前記ボンディングツールは前記材料の単一片として形成され、前記ボンディングツールの外側全体の表面には複数の凹凸が形成され、前記凹凸の密度は少なくとも15μ^−2であり、前記ボンディングツールの前記外側全体の表面における表面粗度の平均値は少なくとも0.03μである。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図15F】
【図16A】
【図16B】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図15F】
【図16A】
【図16B】
【公表番号】特表2009−540624(P2009−540624A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530712(P2009−530712)
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/071595
【国際公開番号】WO2008/005684
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(506395943)クリック アンド ソッファ インダストリーズ、インク. (11)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/071595
【国際公開番号】WO2008/005684
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(506395943)クリック アンド ソッファ インダストリーズ、インク. (11)
【Fターム(参考)】
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