説明

仕口ダンパおよび仕口部の構造

【課題】筋交いを設けたフレーム構造に対して優れた制震効果を発揮するとともに、設置箇所に制限を受けない仕口ダンパおよび仕口部の構造を提供する。
【解決手段】筋交い13に固定具(木ねじ5)にて固定される第1の高剛性部材2と、柱材11の側面11aと横架材(土台12)の水平面(上面12a)との間に木ねじ5にて固定される第2の高剛性部材3と、第1および第2の高剛性部材2,3の間に設けられる減衰材4とを設け、これらを一体に定着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造住宅等の木造建築物に用いられる仕口ダンパおよび仕口部の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、戸建木造住宅において、耐震性能を確保するため、仕口部において柱材と横架材とを補強用金物を用いて一体化し剛性を高めることが行われている。このような耐震型の補強用金物に対して、粘弾性体によって地震の揺れを軽減し建物の倒壊を防ぐ制震型の補強用金物(仕口ダンパとも呼ばれる)も実用化されており、木造建物の建築現場において普通に用いられている。(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−336260号公報(第4頁〜第5頁、第1図、第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、仕口ダンパのうち、柱材のおもて面に固定される第1の鋼板と、この第1の鋼板よりも大きく横架台のおもて面に固定される第2の鋼板と、これらの鋼板間に配置される減衰材とを備え、これらが接着により一体構造となった仕口ダンパは、筋交いが設けられていないフレーム構造(オープンフレーム)に対しては剛性および減衰性能ともに優れた効果を発揮するものの、筋交いを設けたフレーム構造に対しては、制震効果が少ない。これは、筋交いの剛性と比較して仕口ダンパの剛性が低いためであると考えられる。そこで、第1の鋼板を筋交いのおもて面に固定し、第2の鋼板を柱材および横架材のおもて面に固定するタイプの仕口ダンパが提案されているが、このタイプの仕口ダンパは、筋交いをたすき掛けに設ける場合、横架材どうしが交差している仕口部では使用できないなど、設置箇所が制限される。また、外壁や構造用合板などの外装材と干渉する問題もある。
【0004】
そこで本発明は、筋交いを設けた耐力壁のフレーム構造に対して優れた制震効果を発揮するとともに、設置箇所に制限を受けない仕口ダンパおよび仕口部の構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の仕口ダンパは、仕口部において、筋交いの端部を柱材および横架材に結合する仕口ダンパであって、前記筋交いに固定具にて固定される第1の高剛性部材と、前記柱材の側面と前記横架材(梁、桁、胴差し、土台など)の水平面(上面または下面)との間に固定具にて固定される第2の高剛性部材と、前記第1および第2の高剛性部材の間に設けられる減衰材とを設け、これらを一体に定着させることを特徴としている。
【0006】
この請求項1の仕口ダンパによれば、建物が揺れて前記筋交いが設けられている耐力壁の木造フレームに対し横方向から力が加えられた場合、最も応力集中が生じる前記筋交いに作用する力を、前記減衰材が前記筋交いの圧縮方向や引張方向などにせん断変形することにより吸収することができる。つまり、建物が受ける地震や強風などの揺れによるエネルギーを、前記減衰材のせん断変形により吸収し、建物の揺れを抑制して早期に止めることができる。しかも、前記仕口ダンパは、前記木造フレームの内側断面内に設置する構造であるため、前記横架材が交差するような仕口部においても設置することができ、設置箇所の制限を受けることがなく、また、外壁や構造用合板などの外装材との干渉を避けることができる。
【0007】
なお、前記第1および第2の高剛性部材としては鋼板や金属板、FRPなどの合成樹脂板などが、前記固定具としては釘、木ねじなどが、減衰材としては高減衰ゴム、ポリウレタンゴム、ブチルゴムなどをそれぞれ用いることができる。前記第1および第2の高剛性部材と減衰材との定着は、例えば、加硫接着や接着剤による固着などをあげることができるがこれに限定されることはない。
【0008】
請求項2記載の仕口ダンパは、第1の高剛性部材および減衰材が第2の高剛性部材に対して、これらの積層方向から見て、前記第2の高剛性部材における柱材の側面および横架材の水平面に固定される側の端部と、前記第1の高剛性部材および前記減衰材との間にクリアランスを形成するように配置することを特徴としている。
【0009】
この請求項2の仕口ダンパによれば、仕口部に設置した際、前記柱材の側面および前記横架材の水平面と、前記筋交いの端部と前記第1の高剛性部材および前記減衰材との間にクリアランスが形成されるため、前記減衰材を、前記筋交いの圧縮および引張りのいずれの方向にもせん断変形させることができる。したがって、地震などの揺れによるエネルギーを効率良く吸収し、建物の変形を抑え、揺れをより早期に止めることができる。
【0010】
請求項3記載の仕口ダンパは、第2の高剛性部材において、柱材および横架材に固定するための各固定部を、端部を前記第1の高剛性部材と反対方向に突出した形状で設けることを特徴としている。
【0011】
この請求項3の仕口ダンパによれば、前記第2の高剛性部材を前記柱材の側面および前記横架材の水平面に固定する際、前記第1の高剛性部材や減衰材および筋交い等に干渉することがなく、施工性が良くなる。
【0012】
請求項4の仕口ダンパは、第1および第2の高剛性部材と減衰材とをその積層方向に貫通する複数の取付孔を散在して設け、前記取付孔に前記第2の高剛性部材側から挿入した固定具により、前記第1の高剛性部材を筋交いに固定することを特徴としている。
【0013】
この請求項4の仕口ダンパによれば、前記第1および第2の高剛性部材と前記減衰材とをその積層方向に貫通する複数の取付孔を散在して設け、これらの取付孔を介して前記第1の高剛性部材を前記筋交いに固定するようにすれば、前記筋交いの角度に合わせて使用する前記取付孔を選択できるようになる。
【0014】
請求項5の仕口部の構造は、仕口部において、筋交いの端部に固定具にて第1の高剛性部材を固定し、当該第1の高剛性部材と減衰材を介して一体に定着された第2の高剛性部材を、柱材の側面および横架材の水平面との間に固定具にて固定することを特徴としている。
【0015】
この請求項5の仕口部の構造によれば、上記請求項1の仕口ダンパを仕口部に設けた場合と同様、地震や強風などから建物が受ける揺れのエネルギーを、前記減衰材のせん断変形により吸収し、建物の変形を抑えて揺れを早期に止めることができる。しかも、前記第2の高剛性部材を、前記柱材の側面および前記横架材の水平面との間に固定具にて固定する構造であるため、前記横架材が交差する仕口部に対しても適用することができる。また、この仕口部の構造によれば、外壁や構造用合板などの外装材を施工する際、前記第2高剛性部材との干渉を避けることができる。
【0016】
この仕口ダンパの構造は、例えば、前記筋交いの引張方向にのみダンパー効果を発揮する構造にしたり、引張り方向および圧縮方向の両方にダンパー効果を発揮する構造にしたりすることができる。
【0017】
請求項6の仕口部の構造は、柱材の側面および横架材の水平面と、筋交いの端部および第1の高剛性部材と減衰材との間にそれぞれ、クリアランスを形成することを特徴としている。
【0018】
この請求項6の仕口部の構造によれば、上記請求項3の仕口ダンパを仕口部に設けた場合と同様、前記減衰材が、前記筋交いの圧縮および引張りのいずれの方向にもせん断変形できるようになり、地震などの揺れによるエネルギーを効率良く吸収し、建物の変形を抑え、揺れをより早期に止めることができる。
【0019】
請求項7の仕口部の構造は、第2の高剛性部材を柱材の側面および横架材の水平面に対してそれぞれ、端部に設けた第1の高剛性部材と反対方向に突出する各固定部で固定することを特徴としている。
【0020】
この請求項7の仕口部の構造によれば、上記請求項2の仕口ダンパを仕口部に設けた場合と同様、前記第2の高剛性部材の固定作業が容易になり、施工性が向上する。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る仕口ダンパおよび仕口部の構造によれば、建物の揺れを緩やかに、かつ早期に止めることができるため、建物の倒壊を効果的に防ぐことができる。しかも、仕口部の構造によらず設置または適用可能であるため、新築であるか否かに関わらず従来の仕口ダンパでは不可能であった仕口部の補強が容易に行え、かつ外壁や構造用合板などの外装材と干渉しないため外壁の施工が容易になる。さらに、減衰材のせん断変形を拘束しないような構造にすることで、揺れのエネルギーをより効率良く吸収し、大きな地震等に強い木造建築物の構築が可能になる。また、第2の高剛性部材に第1の高剛性部材と反対方向に突出する固定部を設けることで、第2の高剛性部材の固定作業が容易になり、かつ第1の高剛性部材を筋交いに固定するための複数の取付孔を散在して設けることによって、筋交いの角度に応じた固定作業が行えるため、施工性を向上させることができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明に係る仕口ダンパおよび仕口部の構造の実施形態を第1図〜第10図に基づいて説明する。
【0023】
図1は本発明に係る仕口ダンパを示しており、第1図(a)は正面図、第1図(b)は第1図(a)におけるA−A方向矢視側面図、第1図(c)は底面図を示している。仕口ダンパ1は、鋼板からなる第1および第2の高剛性部材2,3間に、粘弾性を有する高減衰ゴムからなる板状の減衰材4を挟み込み、加硫接着によって一体に定着したものである。
【0024】
第1の高剛性部材2は、四隅に面取り加工を施した正方形状に形成されている。第2の高剛性部材3は、第1の高剛性部材2よりも一回り大きい正方形状に形成されていて、四辺のうち隣接する一組の辺の縁部には、端部をL型に屈曲させることで固定部3a,3bがそれぞれ設けられている。各辺の固定部3a,3bにはそれぞれ、四個の取付孔3cが設けられており、これらの取付孔3cは長手方向に所定の間隔で、かつ隣接する取付孔3cと幅方向に位置をずらせた状態で穿設されている。一方、減衰材4は、第1の高剛性部材2よりもやや小さい正方形状に形成されている。
【0025】
そして、第1の高剛性部材2の一側面と減衰材4の一側面とを、それぞれの中心を一致させた状態で重ねるとともに、減衰材4の他側面と第2の高剛性部材3における固定部3a,3bが突出している方と反対の面とを重ねた状態にして、加硫接着により一体に定着している。一体化する際、第1の高剛性部材2および減衰材4は第2の高剛性部材3に対して、これらの積層方向から見て、第2の高剛性部材3における固定部3a,3b側の端部と、第1の高剛性部材2および減衰材4と間にクリアランスC1が形成されるように定着されている。
【0026】
このように構成されている仕口ダンパン1には、厚み方向に貫通する複数の取付孔1aが設けられている。これらの取付孔1aは、第1および第2の高剛性部材2,3と減衰材4とにそれぞれ穿設されている複数の貫通孔2a,3d,4aを、加硫接着の際に一致させることにより構成したもので、第2の高剛性部材3および減衰材4の貫通孔3d,4aは第1の高剛性部材2の貫通孔2aよりもやや大径になっており、第1の高剛性部材2の貫通孔2aには座ぐりが設けられている(第3図(a)参照)。
【0027】
次に、この仕口ダンパの設置方法の説明を行う。
第2図は木造建築物の耐力壁となる木造フレームF(片筋交いの軸組)の正面図であり、第3図は第2図においてAで示した仕口部10の部分拡大図、第4図は仕口部10を第3図とは反対方向から見た斜視図であり、第5図(a)は第2図におけるX方向矢視図である。符号11は柱材、符号12は土台、符号13は筋交い、符号14は基礎を示している。この筋交い13は、柱材11および土台12との間にクリアランスが生じるように、長さを短縮している。この仕口部10に、第1の高剛性部材2を筋交い13の端部に当接させるとともに、第2の高剛性部材3の一方の固定部3aを柱材11の側面11aに当接させ、かつ他方の固定部3bを土台12の上面12aに当接させた状態で配置する。そして、各固定部3a,3bの取付孔3cに木ねじ5をねじ込み、各固定部3a,3bを柱材11および土台12に固定し、仕口ダンパ1の厚み方向に貫通している取付孔1aのうち、筋交い13に対向している取付孔1aに、第2の高剛性部材3側から木ねじ5をねじ込み、第1の高剛性部材2を筋交い13に固定する。このようにして仕口ダンパ1を仕口部10に設置すれば、筋交い13の端部と柱材11の側面11aおよび土台12の上面12aとの間にクリアランスC2が形成された状態で、筋交い13と柱材11および土台12とが仕口ダンパ1を介して結合された状態になる。これと同じ要領で、筋交い13の反対側の端部にも仕口ダンパ1を設置する。この仕口ダンパ1は、梁15の下面15aと柱材11’の側面11a’との間に第2の高剛性部材3を固定することにより設置する。なお、仕口ダンパ1の取付孔1aは仕口ダンパ1の全体に散在して設けられており、筋交い13の角度に合わせて使用する取付孔1aを適宜選択できるようになっている(第5図(b)参照)。
【0028】
この木造建築物が地震などによる揺れを受け、木造フレームFに横方向(水平方向)の揺れが発生すると、筋交い13には木造フレームFの変形に伴い圧縮力および引張り力が交互に作用する。そうすると、仕口ダンパ1の減衰材4が、筋交い13の圧縮方向あるいは引張り方向に応じてせん断変形し、木造フレームFにかかる地震等のエネルギーを効率良く吸収して揺れを抑える。こうして、建物の揺れを効果的に抑えて早期に止めることができるため、建物の倒壊を防ぐことができる。
【0029】
しかも、仕口ダンパ1は、木造フレームFの内側断面内に設置されるため、土台12が交差している仕口部10にも設置することが可能であり、設置箇所の制限を受けることがない。よって、筋交い13をたすき掛けに設けた木造フレームFに対して、各筋交い13に仕口ダンパ1を設置し、制震性能の向上を図ることができ、また、仕口ダンパ1の設置数によって建築物の剛性や減衰量などの調整を容易に行うことができる。このように、仕口ダンパ1は木造フレームFの内側断面内に設置されるため、外壁や構造用合板などの外装材に干渉せず、外装材の施工を簡単に行うことができる。
【0030】
上記実施形態においては、柱材11と土台12とが交差する仕口部10に仕口ダンパ1を設置した例であるが、第6図に示すように、柱材11と梁15とが交差する仕口部15に設置することも可能である。なお、図6における符号は、図2と同一または対応する構成については同一のものを用いており、説明は重複を避けるため省略する。以下、第7図〜第10図においても同様とする。
【0031】
また、第7図に示すように、筋交い13を柱材11の側面11aと土台12の上面12aとに端部が当接するように配置して、仕口ダンパ1を取り付けることもできる。仕口部10をこのような構造にすれば、木造フレームFが横方向から力を受けて、筋交い13に圧縮力が働くときは、筋交い13が突っ張って横方向からの力に抵抗する。一方、筋交い13に引張力が働くときは、仕口ダンパ1の減衰材4が筋交い13の引張り方向にせん断変形することにより、作用する力のエネルギーを吸収して木造フレームFの揺れを抑えることができる。このような第7図に示した仕口ダンパ1の構造を、第8図に示すような筋交い13’、13”をたすき掛けした耐力壁に採用することで、優れた制震性能を持たせることができる。つまり、木造フレームFに右方向から外力が作用した場合、一方の筋交い13’に圧縮力が生じるとともに、もう一方の筋交い13”に引張力が生じる。すると、筋交い13’は圧縮材として作用し、突っ張って外力に抵抗する一方、筋交い13”に生じた引張力は、その両端にそれぞれ設置されている仕口ダンパ1の減衰材4のせん断変形により緩和される。これとは逆に、木造フレームFに左方向から力が作用した場合は、筋交い13”が突っ張って外力に抵抗する一方、筋交い13’に生じる引張力は、その両端にそれぞれ設置されている仕口ダンパ1の減衰材4のせん断変形によって緩和される。このように、筋交い13’、13”の一方では外力に対して突っ張って抵抗し、同時に他方で外力のエネルギーを吸収することができるため、揺れを効率良く減衰し早期に止めることができる。
【0032】
第7図に示した仕口部10の構造において、第9図に示す仕口ダンパ1’を採用することもできる。第9図(a)には仕口ダンパ1’の正面図を示し、第9図(b)は第9図(a)におけるB−B矢視側面図、第9図(c)は底面図を示している。さらに、仕口ダンパ1’を設置した仕口部10の斜視図を第10図に示した。なお、第1図の仕口ダンパ1と同一または対応するものには同じ符号を付して表している。仕口ダンパ1’は、第1の高剛性部材2’および減衰材4’を第2の高剛性部材3とほぼ同一の大きさにしたこと以外は仕口ダンパ1と同じ構成を備えている。そして、仕口ダンパ1と同様、第10図に示すように、第2の高剛性部材3を柱材11の側面11aと土台12の上面12aとの間に固定し、第1の高剛性部材2’を筋交い13の端部に固定する。
【0033】
上記の実施形態においては、仕口ダンパ1、1’を筋交い13の両端に設置している例を示したが、一方にのみ設けることも可能であるし、また、他方に従来の金具を設置して組み合わせて使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】(a)は本発明に係る仕口ダンパの正面図、(b)は(a)図におけるA−A方向矢視側面図、(c)は底面図である。
【図2】木造フレームの正面図である。
【図3】第2図においてAで示した仕口部の部分拡大図である。
【図4】仕口部を第3図とは反対方向から見た斜視図
【図5】(a)は第2図におけるX方向矢視図、(b)は筋交いの角度が異なった場合の説明図である。
【図6】柱材と梁とが交差する仕口部に仕口ダンパを設置した状態を示す仕口部の斜視図である。
【図7】本発明に係る仕口部の構造の別の実施形態を示す斜視図である。
【図8】本発明の仕口ダンパを用いて筋交いをたすき掛けにした耐力壁を示す正面図である。
【図9】(a)は本発明に係る仕口ダンパの他の実施形態を示す正面図、(b)は(a)図におけるA−A方向矢視側面図、(c)は底面図である。
【図10】第9図に示した仕口ダンパの設置状態を示した仕口部の斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1 仕口ダンパ
2 第1の高剛性部材
3 第2の高剛性部材
4 減衰材
5 木ねじ
10 仕口部
11 柱材
11a 側面(柱材)
12 土台
12a 上面(土台)
13 筋交い

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕口部において、筋交いの端部を柱材および横架材に結合する仕口ダンパであって、
前記筋交いに固定具にて固定される第1の高剛性部材と、前記柱材の側面と前記横架材の水平面との間に固定具にて固定される第2の高剛性部材と、前記第1および第2の高剛性部材の間に設けられる減衰材とを備え、これらが一体に定着されていることを特徴とする仕口ダンパ。
【請求項2】
前記第1の高剛性部材および前記減衰材が第2の高剛性部材に対して、これらの積層方向から見て、前記第2の高剛性部材における前記柱材の側面および前記横架材の水平面に固定される側の端部と、前記第1の高剛性部材および前記減衰材との間にクリアランスが形成されるように配置されていることを特徴とする請求項1記載の仕口ダンパ。
【請求項3】
前記第2の高剛性部材において、前記柱材および前記横架材に固定するための各固定部が、端部を前記第1の高剛性部材と反対方向に突出した形状で設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の仕口ダンパ。
【請求項4】
前記第1および第2の高剛性部材と前記減衰材とをその積層方向に貫通する複数の取付孔が散在して設けられており、前記取付孔に前記第2の高剛性部材側から挿入した固定具により、前記第1の高剛性部材を前記筋交いに固定するようになっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の仕口ダンパ。
【請求項5】
仕口部において、筋交いの端部に固定具にて第1の高剛性部材が固定され、当該第1の高剛性部材と減衰材を介して一体に定着された第2の高剛性部材が、柱材の側面と横架材の水平面との間に固定具にて固定されていることを特徴とする仕口部の構造。
【請求項6】
前記柱材の側面および前記横架材の水平面と、前記筋交いの端部および前記第1の高剛性部材と前記減衰材との間にそれぞれ、クリアランスが形成されていることを特徴とする請求項5記載の仕口部の構造。
【請求項7】
前記第2の高剛性部材が前記柱材の側面および前記横架材の水平面に対してそれぞれ、端部に設けた前記第1の高剛性部材と反対方向に突出する各固定部で固定されていることを特徴とする請求項5または6記載の仕口部の構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−24656(P2010−24656A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−184860(P2008−184860)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(000005061)バンドー化学株式会社 (429)
【Fターム(参考)】