説明

仕掛け付き包装箱

【課題】開封時に強い印象を与えることができる訴求性に優れた包装箱を提供する。
【解決手段】周壁16の上端に開閉自在に蓋7を連設し、蓋7の両側と周壁16の上端から延びるフラップ8とを三角状の連結片10を介して繋ぎ、フラップ8と連結片10との境界を斜折線11とし、蓋7とフラップ8の開閉を連動させた包装箱において、フラップ8に中折線12を入れ、フラップ8の先端部にフック部13を形成し、フック部13が係合するガイド片9を設け、蓋7を開くと、フック部13がガイド片9の端縁に沿ってスライドしつつ、フラップ8が中折線12沿いに山形に折れ曲がって盛り上がるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、蓋に連動する仕掛けにより訴求力を高めた包装箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、下記特許文献1に記載されたように、周壁の上端に開閉自在に蓋を連設し、蓋の両側と周壁の上端から延びる平板状のフラップとを三角状の連結片を介して繋ぎ、フラップと連結片との境界を斜折線とし、蓋とフラップの開閉が連動するようにした包装箱が知られている。
【0003】
【特許文献1】実開昭56−49723号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記包装箱は、包装作業の利便性や、包装状態での保形性を高めることを目的としており、例えば、商談における販売促進効果を得ることはできなかった。
【0005】
そこで、この発明は、開封時に強い印象を与えることができる訴求性に優れた包装箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、この発明は、周壁の上端に開閉自在に蓋を連設し、蓋の両側と周壁の上端から延びるフラップとを三角状の連結片を介して繋ぎ、フラップと連結片との境界を斜折線とし、蓋とフラップの開閉を連動させた包装箱において、フラップに中折線を入れ、フラップの先端部にフック部を形成し、フック部が係合するガイド片を設け、蓋を開くと、フック部がガイド片の端縁に沿ってスライドしつつ、フラップが中折線沿いに山形に折れ曲がって盛り上がるようにしたのである。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る包装箱では、開封に伴い蓋を開いたとき、蓋に連動してフラップが漸次盛り上がり、立体化するので、商品を包装して、販売促進活動等に使用すると、相手方の興味を惹くことができ、高い訴求性を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
まず、この発明の第1実施形態を図1乃至図3に基づいて説明する。
【0009】
この包装箱は、図1に示すような段ボール製のブランクから形成される。このブランクでは、周壁16の構成部材として、前壁1の一側に側壁2、後壁3及び側壁2が順次連設され、前壁1の他側には継代片4が連設されている。前壁1及び後壁3の下端には底板5が、側壁2の下端には底板6がそれぞれ連設され、後壁3の上端には蓋7が、一対の側壁2の上端にはフラップ8が、前壁1の上端にはガイド片9がそれぞれ連設されている。
【0010】
蓋7の両側とフラップ8とは、三角状の連結片10を介して繋がれ、フラップ8と連結片10との境界には、側壁2と蓋7のなす直角を二等分する45°の斜折線11が入れられている。この斜折線11は、折目と切目とが断続するリード罫とされている。
【0011】
フラップ8には、中間部に幅方向の中折線12が入れられ、この中折線12も折目と切目とが断続するリード罫とされている。フラップ8の先端部には、外側へ湾曲したフック部13が形成され、ガイド片9の先端縁両側部には、フック部13が当接して蓋7の開度を制限するストッパ部9aが形成されている。
【0012】
蓋7の先端中央部には差込片14が設けられ、ガイド片9の基端中央部には、前壁1との稜線に沿ってスリット状の差込穴15が設けられている。
【0013】
このようなブランクを組み立てて商品を包装するには、図2に示すように、前壁1、一対の側壁2及び後壁3を角筒状に折り曲げ、継代片4を他方の側壁2に貼り付けて周壁16を形成し、底板5,6を一組ずつ貼り合わせ、対向する底板5同士をかみ合わせることにより底面を閉止する。
【0014】
次に、箱内に商品を収納し、ガイド片9を内側水平方向へ折り曲げ、斜折線11を谷折りして連結片10を折り込みつつ、フラップ8及び蓋7を閉じると共に、フック部13をガイド片9の下方へ押し込むようにして、ガイド片9に係合させ、差込片14を差込穴15に差し込んで封緘する。
【0015】
一方、このように包装された商品を、例えば、メーカーの営業担当者が流通業界の購買担当者に対して取扱契約を獲得するために説明する際には、図3に示すように、差込片14を差込穴15から引き抜き、商品が見えるように蓋7を開く。
【0016】
これに伴い、フラップ8の中折線12より基端側が連結片10に引き上げられ、フック部13がガイド片9の端縁に沿ってスライドしつつ、フラップ8が中折線12沿いに山形に折れ曲がって盛り上がる。
【0017】
このため、上記包装箱では、フラップ8に商品のイメージを高める印刷等を施しておくと、開きながら立体化するフラップ8により、購買担当者の興味を惹きつけて印象を強めることができ、販売促進効果を期待することができる。
【0018】
次に、この発明の第2実施形態を図4乃至図5に基づいて説明する。なお、ここでは、上記第1実施形態と異なる部分についてのみ言及する。
【0019】
この包装箱は、板紙を材料とするものであり、そのブランクでは、図4に示すように、蓋7が後壁3から順次繋がる外蓋板7a及び内蓋板7bから構成されている。また、中折線12が連結片10の基部外端が谷となるようにV字状に入れられ、ガイド片9の端縁中央部には、切込により弧状縁9bが形成されている。
【0020】
このブランクを組み立てる際には、図5に示すように、外蓋板7a及び内蓋板7bとを貼り合わせて蓋7を形成する。
【0021】
そして、蓋7を開くと、フラップ8は、上面が三角状になって盛り上がり、対向するフラップ8の間の開口部の間隔が後方へかけて大きくなるので、特徴的な立体となるフラップ8と、変化のある開口部により、開封時の印象を強めることができる。
【0022】
次に、この発明の第3実施形態を図6乃至図7に基づいて説明する。なお、ここにおいても、上記第1及び第2実施形態と異なる部分についてのみ言及する。
【0023】
この包装箱は、図6に示す板紙のブランクから成り、図7に示すように、組立状態において、周壁16が六角筒を形成するものであり、側壁2は、両側2枚ずつ鈍角をなすように連設されている。底面は1枚の六角形の底板5により閉止され、底板5と側壁2とは、それぞれの継代片5a,2aを相手方に貼り付けることにより固定される。外蓋板7a及び内蓋板7bも六角形とされ、ガイド片9も両側が斜辺とされて、その継代片9cが側壁2に貼り付けられる。
【0024】
このような包装箱においては、六角柱状の特徴ある形状と、開きながら立体化するフラップ8により、包装状態だけでなく、開封時の印象を強めることができ、販売促進効果を期待することができる。
【0025】
なお、上記各実施形態では、蓋7が後壁3の上端にのみ連設したものを例示したが、蓋7は、前壁1及び後壁3の上端にそれぞれ観音開きとなるように連設して、対向する側壁2の内面間に渡した仕切にガイド片9を設け、このガイド片9に沿ってフラップ8のフック部13がスライドするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の第1実施形態に係る包装箱のブランクを示す図
【図2】同上の包装状態を示す斜視図
【図3】同上の開蓋状態を示す斜視図
【図4】この発明の第2実施形態に係る包装箱のブランクを示す図
【図5】同上の開蓋状態を示す斜視図
【図6】この発明の第3実施形態に係る包装箱のブランクを示す図
【図7】同上の開蓋状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0027】
1 前壁
2 側壁
3 後壁
4 継代片
5,6 底板
7 蓋
7a 外蓋板
7b 内蓋板
8 フラップ
9 ガイド片
10 連結片
11 斜折線
12 中折線
13 フック部
14 差込片
15 差込穴
16 周壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周壁(16)の上端に開閉自在に蓋(7)を連設し、蓋(7)の両側と周壁(16)の上端から延びるフラップ(8)とを三角状の連結片(10)を介して繋ぎ、フラップ(8)と連結片(10)との境界を斜折線(11)とし、蓋(7)とフラップ(8)の開閉を連動させた包装箱において、フラップ(8)に中折線(12)を入れ、フラップ(8)の先端部にフック部(13)を形成し、フック部(13)が係合するガイド片(9)を設け、蓋(7)を開くと、フック部(13)がガイド片(9)の端縁に沿ってスライドしつつ、フラップ(8)が中折線(12)沿いに山形に折れ曲がって盛り上がるようにしたことを特徴とする仕掛け付き包装箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−46157(P2009−46157A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−214286(P2007−214286)
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【出願人】(000115980)レンゴー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】