説明

付け替え容器

【課題】 専用に設けたロック筒体の単純な回動変位により、外装体に対する付け替え容器体の着脱を安定して簡単に達成するようにし、もって付け替え容器体と外装体の着脱を簡単にすると共に、外装体に対する付け替え容器体の安定した組付きが、維持されることを目的とする。
【解決手段】 内容物を収納する付け替え容器体1の外装体8に対する装着を、付け替え容器体1と外装体8係止により達成し、この係止をロック筒体22の単純な回動変位により保持・解除可能とし、これにより付け替え容器体1の外装体8に対する安定した係止組付き状態と、離脱可能状態を簡単に得ることができるようにし、もって付け替え容器体1の取扱いを容易とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美白剤、乳液、化粧水等の化粧品や、ヘアシャンプー、リンス、台所用洗剤等の液状や粒状等の内容物が収納された容器体を付け替え用とし、外装体に組付け使用する、付け替え容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、美白剤、乳液、化粧水等の化粧品や、ヘアシャンプー、リンス、台所用洗剤等の容器体には、優れた機械的性質、耐薬品性等を有するポリエチレン等の合成樹脂が使用されており、また液状の内容物を定量ずつ安定して注出できるポンプや、液状や粒状等の内容物を取り出すヒンジキャップを取り付けた容器が多く利用されている。
【0003】
これらの容器は、多くの場合、内容物を使い終わった時点で、ゴミとして廃棄されてきたが、最近に至って、環境問題、省資源、さらには内容物の劣化防止の観点から、繰り返し利用できる容器、使い切り容器、あるいは廃棄量を少しでも少なくする方法が、商品に対して要求されるようになっている。
【0004】
このような要求に答える手段の一つとして、特開平7−17538号公報には、口部を有した付け替え容器体に内容物を充填し、この付け替え容器体を、機械的強度の安定した外装体内に、着脱自在に内装組付けする技術が示されている。
【0005】
上記した従来技術にあっては、安定した自立性を保持しながら、内容物の注出操作も容易に実現することができ、使用後には付け替え容器体のみを廃棄し、ポンプやキャップ等の機能部分を含めた外装体は再利用すればいいので、かなりのゴミ減量化を実現することができる。
【0006】
しかしながら上記した特許文献1に示された従来技術にあっては、容器の組立て固定化のために付け替え容器体、外装体のほかに肩リングなる部品を使い、さらに各種の係止構造を設けて、付け替え容器体の回動により、外装体に係止固定する構成であり、この場合も製造コストが高くなり、また付け替え容器体の付け替え操作も、その分煩雑になると共に、替え容器体の不要な回動により、不正に離脱する、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−17538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、専用に設けたロック筒体の単純な回動変位により、外装体に対する付け替え容器体の着脱を安定して簡単に達成することを技術的課題とし、もって付け替え容器体と外装体の着脱を簡単にすると共に、外装体に対する付け替え容器体の安定した組付きが、維持されることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記技術的課題を解決するための本発明の主たる構成は、
内容物を収納する収納部の上端部に、係止突条を設けた口部を立設した付け替え容器体を有すること、
窓孔を開設した筒状の外装筒の上端に、頂壁を介して、組付け筒と、付け替え容器体の口筒に外嵌する係合内筒を設けた外装体を有すること、
この外装体の窓孔に一部を対向させて、外装体の係合内筒に回動可能に外嵌するロック筒体を有すること、
外装体の組付け筒に組付く機能部キャップを有すること、
にある。
【0010】
外装体の係合内筒には、付け替え容器体の係止突条に係止する係止舌片と係合突部を設けている。
【0011】
ロック筒体には、外装体の係止舌片の外面に当接可能な膨出内面部を設けると共に、外装体の係止突部に係止する立ち上がり係止片を設けている。
【0012】
ロック筒体の膨出内面部が、外装体の係止舌片の外面に当接していない状態では、係止舌片は外側に弾性変位可能な「ロック解除状態」となっており、この状態で外装体の外装筒に付け替え容器体を下方から挿入装着すると、付け替え容器体の係止突条が係止舌片を押し広げて乗り越え係止する。
【0013】
この状態で、ロック筒体を回動させて膨出内面部を係止舌片の外面に当接させると、係止突条と係止している係止舌片は外側への変位が不可能な「ロック状態」となり、これにより外装体に対する付け替え容器体の装着が離脱不能となる。
【0014】
本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、外装体の係合内筒に、係止舌片を垂下状に設けると共に、係止突部を外周面に設け、ロック筒体に、外装体に対する回動範囲の一部で、外装体の係止舌片の外面に当接するように膨出内面部を設けると共に、立ち上がり係止片を外装体の係止突部に上方から係止するように設けた、ものである。
【0015】
係止舌片を垂下状に設けたので、上方から乗り越え係止する係止突条との係止組付きを無理なく維持され、ロック筒体が外嵌する係合内筒の外面に係止突部を設けたので、ロック筒体の立ち上がり係止片と係止突部との係止組付き構造を簡単に得ることができる。
【0016】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、外装体の係合内筒に割り溝を設けることにより、係合内筒の一部を係止舌片とした、ものである。
【0017】
割り溝により係合内筒の一部を係止舌片としたものにあっては、垂下状の係止舌片を、必ずロック筒体の内周面部分に対向させることができる。
【0018】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、外装体の頂壁の一部に、この頂壁の内周縁部を残存させて開口切欠きを開設し、残存する頂壁の内周縁部を係止突部とした、ものである。
【0019】
頂壁に開口切欠きを設け、係止突部を残存形成したものにあっては、係止突部に対する立ち上がり係止片の係止組付きを、頂壁が邪魔とならない状態で達成させることができる。
【0020】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、ロック筒体の膨出内面部の周方向の幅を、外装体の係止舌片の周方向の幅よりも小さい値に設定した、ものである。
【0021】
膨出内面部を係止舌片よりも小さい幅に設定したものにあっては、「ロック状態」と「ロック解除状態」の切替えに要するロック筒体の回動量を小さくすることが可能となる。
【0022】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、ロック筒体に、窓孔に露出する指掛け片を設けた、ものである。
【0023】
指掛け片を窓孔から露出させたものにあっては、指掛け片に対する指先の引っ掛けが行い易いので、ロック筒体を簡単に回動操作できる。
【0024】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、外装体に、ロック筒体の回動範囲を規制するストッパ片を設けた、ものである。
【0025】
ストッパ片を設けたものにあっては、ストッパ片による停止により、ロック筒体を「ロック状態」もしくは「ロック解除状態」とすることができる。
【0026】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、外装体の係止舌片とロック筒体の膨出内面部との組合せを、軸対称に一対設けた、ものである。
【0027】
係止舌片と膨出内面部の組合せ物を軸対称に一対設けたものにあっては、係止舌片による付け替え容器体に対する係止力を、横方向から均等に作用させることになる。
【0028】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、付け替え容器体を肉薄とした、ものである。
【0029】
付け替え容器体を肉薄としたものにあっては、廃棄物となる付け替え容器体の樹脂量を少なくすることができるので、ゴミ減量化を得ることができる。
【0030】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、外装筒に装着された付け替え容器体の収納部の一部を、指先で挟持できるように外装筒を構成した、ものである。
【0031】
外装筒を、指先で付け替え容器体を挟持できる構成としたものにあっては、外装体に装着された付け替え容器体に対し、指先により取扱い操作力を直接作用させることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本発明の主たる構成にあっては、ロック筒体の回動操作により、外装体に対する付け替え容器体の装着状態を、「ロック状態」と「ロック解除状態」の間で切り替えることができ、これにより外装体に対する付け替え容器体の着脱を簡単に行うことができる。
【0033】
また、外装体に対する付け替え容器体の装着は、「ロック状態」となっている限り離脱不能に維持されるので、外装体と付け替え容器体との組付き固定を安定して保持する。
【0034】
このように、外装体に対して付け替え容器体を安定して強固に組付けることができるので、容器を他の物品と一緒にバッグ等に入れて携帯した際に、他の物品との突き当たり等の衝撃により、付け替え容器体と外装体の組付きが外れることがなく、安全な携帯取扱いを得ることができる。
【0035】
係合内筒に、係止舌片を垂下状に設けると共に、係止突部を外周面に設け、ロック筒体に、外装体に対する回動範囲の一部で、外装体の係止舌片の外面に当接するように膨出内面部を設けると共に、立ち上がり係止片を外装体の係止突部に上方から係止するように設けたものにあっては、安定した「ロック状態」を得ることができると共に、係止組付き構造を簡単にすることができる。
【0036】
外装体の係合内筒に割り溝を設けることにより、係合内筒の一部を係止舌片としたものにあっては、垂下状の係止舌片を、必ずロック筒体の内周面部分に対向させることができる。
【0037】
このため、係止舌片とロック筒体の内周面部分に形成された膨出内面部とは、必ず対向できる位置関係となり、この係止舌片と膨出内面部との適正な組合せ構造を、簡単に得ることができる。
【0038】
外装体の頂壁の一部に、この頂壁の内周縁部を残存させて開口切欠きを開設し、残存する頂壁の内周縁部を係止突部としたものにあっては、係止突部の形成が容易であると共に、立ち上がり係止片を位置させるための専用のスペースを不要とし、これにより外装体とロック筒体との離脱不能な組付き構造の簡単化を得ることができると共に、容器の高さ寸法の小型化を得ることができる。
【0039】
ロック筒体の膨出内面部の周方向の幅を、外装体の係止舌片の周方向の幅よりも小さい値に設定したものにあっては、、簡単で安定した切替え動作を得ることができる。
【0040】
ロック筒体に、窓孔に露出する指掛け片を設けたものにあっては、ロック筒体を簡単に回動操作できるので、ロック筒体の回動操作が行い易いと共に、ロック筒体を小さな操作力で操作することができる。
【0041】
外装体に、ロック筒体の回動範囲を規制するストッパ片を設けたものにあっては、ロック筒体を回動限界位置まで回動させることにより、確実な切替え操作が得られる。
【0042】
外装体の係止舌片とロック筒体の膨出内面部との組合せを、軸対称に一対設けたものにあっては、付け替え容器体に対する係止舌片の係止作用が、強固に適正に作用して、外装体に対する付け替え容器体の安定した組付きを得ることができる
【0043】
付け替え容器体を肉薄としたものにあっては、廃棄物となる付け替え容器体の樹脂量を少なくすることができるので、高い省資源化効果と、ゴミ減量化を得ることができる。
【0044】
外装筒を、指先で付け替え容器体を挟持できる構成としたものにあっては、付け替え容器体の取扱いが容易となって、付け替え容器体を無理なく着脱取扱いすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態例の組付き状態を示す、背面図である。
【図2】図1に示した実施形態例のロック状態を示す、半縦断面図である。
【図3】図1の実施形態例の非ロック状態を示す、半縦断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態例のロック状態を示す、半縦断面図である。
【図5】図4の実施形態例の分離状態を示す、半縦断面図である。
【図6】図2のA−A線に沿って切断した、ロック状態の平断面図である。
【図7】図2中、丸で囲った部分の、拡大断面図である。
【図8】図3のB−B線に沿って切断した、非ロック状態の平断面図である。
【図9】図3中、丸で囲った部分の、拡大断面図である。
【図10】図2のC−C船に沿って切断した、要部拡大断面図である。
【図11】付け替え容器体の構成例を示す、半縦断面図である。
【図12】機能部キャップの他の実施形態例を示す、半縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本発明による付け替え容器は、外装体8とロック筒体22そして機能部キャップ28の組合せ物と、使い捨て容器である付け替え容器体1とから構成されており、図1ないし図5の実施形態例における機能部キャップ28は、ディスペンサーであるポンプ31のポンプキャップとなっているのに対し、図12の実施形態例における機能部キャップ28は、ヒンジキャップ34の組付きキャップとなっている。
【0047】
付け替え容器体1(図11参照)は、使い捨ての付け替え用として使用され、内容物を収納する有底筒状の収納部2の上端部に肩部を介して口部3を立設して構成され、専用のネジキャップ6または中栓キャップ7(図11参照)を組付ける口部3の外周面下端部には、係止突条4が周設されている。
【0048】
また、付け替え容器体1は、生産コストを低くすること、および廃棄物の減量の観点から、内容物を収納する機能が保持される範囲で、できる限り薄肉に形成することが望ましく、PET、PE,PP等のブロー成形品や、PETの2軸延伸ブロー成形品を利用するのが有利である。
【0049】
この付け替え容器体1は、図1ないし図3そして図12に示した実施形態例の場合、その全体を外装体8の外装筒9内に収納させているのに対し、図4、図5そして図11に示した実施形態例の場合は、収納部2の下端部に拡径下部5を設け、この拡径下部5を外装体8の外装筒9の下端から露出させている。
【0050】
外装体8(図2ないし図5参照)は、付け替え容器体1を内装し、上部に窓孔10を開設した外装筒9を有し、この外装筒9の上端には係合外筒15が立設されていると共に、内鍔状の頂壁12が連設されており、この頂壁12の内周端には、内周面に一対のストッパ片21を突設した係合内筒16が連設されており、この係合内筒16の上端から、外周面に螺条を刻設した組付け筒20が起立設されていると共に、付け替え容器体1の口部3に密嵌入する密着筒片19が、内鍔を介して垂下設されている。
【0051】
図2と図3および図12に示した実施形態例にあっては、外装筒9は、付け替え容器体1全体を収納する大きさとなっていて、その下部に一対の開放欠部11が軸対象に形成されており、この開放欠部11は指先の侵入が自在な大きさに形成されていて、外装体8に組付けられた付け替え容器体1を、直接指先で挟持することを可能としている。
【0052】
なお、この外装筒9は、付け替え容器体1を外装体8に組付けた状態で、その下端が、付け替え容器体1の底面と同じか、この底面よりも下位に位置する高さを有しており、これにより外装筒9の下端部が、容器の脚部を形成して、安定した自立機能を発揮する。
【0053】
また、図4と図5に示した実施形態例にあっては、外装筒9は、外装体8に組付けられた付け替え容器体1の拡径下部5を露出させる高さ寸法に成形されており、この外装筒9から露出した拡径下部5を直接挟持できるようにしている。
【0054】
頂壁12には、開口切欠き13(図7、図9および図10参照)が周方向に沿って開口形成されており、この開口切欠き13の形成により、係合内筒16側の開口切欠き13の開口縁部に、係止突部14が残存形成されている。
【0055】
また、係合内筒16の頂壁12から下端縁にかけての部分には、一対の割り溝17(図6、図8参照)により、内面下端に、付け替え容器体1の係止突条4に係止する係止片を有する係止舌片18が形成されており、この係止舌片18は、複数、例えば二個、軸対称に形成されている。
【0056】
なお、係合内筒16に外側から対向する外装筒9の内周面部分には、一対のストッパ片21(図6、図8参照)が突設されており、このストッパ片21は、ロック筒体22の回動限界位置を設定することにより、ロック筒体22を「ロック状態」(図6参照)か「ロック解除状態」(図8参照)に位置させる。
【0057】
ロック筒体22は、係合内筒16に回動可能に外嵌する本体筒23(図6、図8参照)を有し、この本体筒23の上端から一対の立ち上がり係止片24(図2および図9参照)が軸対称に起立設されており、本体筒23の上端から下方に拡径した構造で突き当たり壁片26(図6、図8参照)が設けられ、この突き当たり壁片26の中央部に指掛け片27が突設され、そして本体筒23の内周面の係止舌片18に対向できる箇所に、軸対称に一対の膨出内面部25(図6参照)が膨出状に形成されている。
【0058】
立ち上がり係止片24は、内面上端に係止片を突設(図9参照)しており、外装体8の開口切欠き13に下方から挿入されて、その係止片を係止突部14に乗り越え係止(図9および図10参照)させる。すなわち、外装体8に対するロック筒体22の回動可能で離脱不能な組付きは、係合内筒16に対する本体筒23の回動可能な外嵌組付きと、係止突部14に対する立ち上がり係止片24の離脱不能な係止により達成される。
【0059】
膨出内面部25は、外装体8の係止舌片18に外側から対向した状態(図6、図7参照、この状態は「ロック状態」である)で、この係止舌片18に当接して、係止舌片18の外方向への弾性変形を阻止し、これにより付け替え容器体1の係止突条4に対する係止舌片18の係止を確保し、外装体8に対する付け替え容器体1の組付きを確保する。
【0060】
膨出内面部25が係止舌片18に対向しない状態(図8、図9参照、この状態は「ロック解除状態」である)では、係止舌片18は外方向への弾性変形が可能となるので、外装体8に対して付け替え容器体1を引き下げまたは螺脱により下降させると、係止舌片18が弾性変形して、係止突条4に対する係止舌片18の係止を解除でき、外装体8から付け替え容器体1を離脱させることができる。
【0061】
外装体8に対する付け替え容器体1の装着は、係止舌片18を係止突条4に係止させることにより達成されるが、外装体8に対する付け替え容器体1の組付きをより強固で安定したものとしたい場合は、図4と図5に示す実施形態例のように、係止突条4と係止舌片18の係止組付きに、口筒3と係合内筒16の螺合組つきを加えるのが良い。
【0062】
図示実施形態例の場合、膨出内面部25は、係止舌片18と略同じ周方向幅を有しており、これにより係止突条4に対する係止舌片18の強固で確実な係止を得るようにしているが、場合によっては、膨出内面部25の周方向幅を小さくして、ロック筒体22のロック状態切替えに要する回動量を小さくすることができる。
【0063】
指掛け片27は、指先での引っ掛け操作が行えるように、外装体8の窓孔10から露出(図1参照)するように配置されており、また突き当たり壁片26は、外装体8のストッパ片21に突き当たる(図6、図8参照)ことにより、ロック筒体22を「ロック状態」または「ロック解除状態」に位置させる。
【0064】
この指掛け片27が露出する窓孔10の孔縁部分には、指掛け片27の位置により、ロック筒体22が「ロック状態」にあるか、反対に「ロック解除状態」にあるかを示す表示(図1参照、矢印と「LOCK]で構成されている)が設けられており、指掛け片27の位置を視認することにより、ロック状態を簡単に確認できるようにしている。
【0065】
なお、この突き当たり壁片26は、図6ないし図9に示すように、窓孔10を内側から塞ぐ状態で位置し、これにより窓孔10が不体裁に開放状態となるのを防止している。
【0066】
機能部キャップ28は、取付き筒29を外装体8の組付け筒20に螺合組付けし、この機能部キャップ28の外装体8に対する組付きは、パッキン30により密に達成されている。
【0067】
図1ないし図5に示した実施形態例にあっては、機能部キャップ28によりポンプ31が外装体8に組付けられるが、このポンプ31は、ノズルヘッド32とシリンダ部33を有しており、またこのポンプ31全体を覆う形態で、外装体8の係合外筒15にオーバーキャップ38が着脱される。
【0068】
図12は、機能部キャップ28を、ヒンジキャップ34のキャップ本体部としたもので、このヒンジキャップ34のキャップ本体部である機能部キャップ28には注出筒35が起立設されており、またこの機能部キャップ28には、注出筒35を開閉する開閉蓋36がヒンジ37を介して連結されている。
【0069】
次に、図示実施形態例の動作を説明する。
外装体8とロック筒体22と機能キャップ28の組付けは、外装体8の係合内筒16にロック筒体22を本体筒23で回動可能に外嵌組付けすると共に、ロック筒体22の立ち上がり係止片24を、開口切欠き13に挿入させて係止突部14に上方から係止させることにより、外装体8とロック筒体22を回動可能ではあるが離脱不能に組付け、外装体8の組付け筒20に機能部キャップ28の取付き筒29を螺合(図1ないし図5参照)させることにより、外装体8と機能部キャップ28を組付ける。
【0070】
外装体8に対する付け替え容器体1の組付けは、まずロック筒体22を「ロック解除状態」(図8、図9参照)に位置させて、口部3を開放した付け替え容器体1を、外装筒9に下方から挿入組付けする。
【0071】
この挿入組付けにより、係止突条4が係止舌片18を弾性変形させて、上方から乗り越え係止する。
【0072】
次いで、ロック筒体22を「ロック状態」(図6、図7参照)の位置に回動させることにより、係止舌片18の外側に膨出内面部25を当接させ、これにより係止舌片18と係止突条4の係止を解除不能とし、外装体8に対する付け替え容器体1の離脱不能な組付けを達成する。
【0073】
この係止突条4と係止舌片18との係止は、ロック筒体22のロック解除操作がない限り、強固に確保されるので、外装体8に対する付け替え容器体1の組付けは、安定した確保される。
【0074】
付け替え容器体1の外装体8からの取外しは、ロック筒体22を回動させて「ロック解除状態」として、係止舌片18に対する膨出内面部25の当接を解除して、係止舌片18が自由に弾性変形できるようにし、外装体9に対して付け替え容器体1を引下げまたは螺脱させることにより下降変位させ、これにより係止突条4と係止舌片18の係止を解除して達成する。
【0075】
なお、上記説明においては、機能部キャップ28として、ポンプキャップとヒンジキャップのキャップ本体部を例として説明したが、機能部キャップ28は、この二つに特定されることはなく、内容液の塗布体のキャップや、櫛キャップ等であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上説明したように、本発明における外装体とロック筒体の組合せ構造は、ロック筒体の単純で簡単な回動操作により、第三の部材である付け替え容器体の外装体への着脱を確保するものであり、複数の部材を簡単にかつ強固に結合する技術として、幅広い利用展開が期待できる。
【符号の説明】
【0077】
1 ;付け替え容器体
2 ;収納部
3 ;口部
4 ;係止突条
5 ;拡径下部
6 ;ネジキャップ
7 ;中栓キャップ
8 ;外装体
9 ;外装筒
10;窓孔
11;開放欠部
12;頂壁
13;開口切欠き
14;係止突部
15;係合外筒
16;係合内筒
17;割り溝
18;係止舌片
19;密着筒片
20;組付け筒
21;ストッパ片
22;ロック筒体
23;本体筒
24;立ち上がり係止片
25;膨出内面部
26;突き当たり壁片
27;指掛け片
28;機能部キャップ
29;取付き筒
30;パッキン
31;ポンプ
32ノズルヘッド
33;シリンダ部
34;ヒンジキャップ
35;注出筒
36;開閉蓋
37;ヒンジ
38;オーバーキャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収納する収納部の上端部に、係止突条を設けた口部を有する付け替え容器体と、窓孔を開設した筒状の外装筒の上端に、頂壁を介して、組付け筒と前記口筒に外嵌する係合内筒を設けた外装体と、前記窓孔に一部を対向させて、前記係合内筒に回動可能に外嵌するロック筒体と、前記組付け筒に組付く機能部キャップとを有し、前記係合内筒に、前記係止突条に係止する係止舌片と係止突部を設け、前記ロック筒体に、前記係止舌片の外面に当接可能な膨出内面部を設けると共に、前記係止突部に係止する立ち上がり係止片を設けた付け替え容器。
【請求項2】
係合内筒に、係止舌片を垂下状に設けると共に、係止突部を外周面に設け、ロック筒体に、外装体に対する回動範囲の一部で、前記係止舌片の外面に当接するように膨出内面部を設けると共に、立ち上がり係止片を係止突部に上方から係止するように設けた請求項1に記載の付け替え容器。
【請求項3】
係合内筒に割り溝を設けることにより、前記係合内筒の一部を係止舌片とした請求項1または2に記載の付け替え容器。
【請求項4】
頂壁の一部に、該頂壁の内周縁部を残存させて開口切欠きを開設し、前記残存する頂壁の内周縁部を係止突部とした請求項1〜3のいずれか1項に記載の付け替え容器。
【請求項5】
膨出内面部の周方向の幅を、係止舌片の周方向の幅よりも小さい値に設定した請求項1〜4のいずれか1項に記載の付け替え容器。
【請求項6】
ロック筒体に、窓孔に露出する指掛け片を設けた請求項1〜5のいずれか1項に記載の付け替え容器。
【請求項7】
外装体に、ロック筒体の回動範囲を規制するストッパ片を設けた請求項1〜6のいずれか1項に記載の付け替え容器。
【請求項8】
係止舌片と膨出内面部との組合せを、軸対称に一対設けた請求項1〜7のいずれか1項に記載の付け替え容器。
【請求項9】
付け替え容器体を肉薄とした、請求項1〜8のいずれか1項に記載の付け替え容器。
【請求項10】
外装体に装着された付け替え容器体の収納部の一部を、指先で挟持できるように外装筒を構成した請求項1〜9のいずれか1項に記載の付け替え容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−173685(P2010−173685A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17994(P2009−17994)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】