代理録画システム及び映像受信装置
【課題】IP放送の受信環境下では、宅内LANを用いて各機器にIP放送データを伝送するため、宅内LANの空き伝送帯域が不足した場合にIP放送を録画することが出来なくなるという課題があった。
【解決手段】本発明では、ハードディスクレコーダ6で録画予約を行う際に、STB7、IPTV8、IPTV9、IPTV10がIP放送の視聴やIP放送の録画を行っていて宅内LAN4の空き伝送帯域が足りない場合、宅内LAN4の伝送帯域を使用しない録画機器であるハードディスクレコーダ5が代理で録画を行うことにより、宅内LANの利用状況に応じたIP放送録画を可能とする。
【解決手段】本発明では、ハードディスクレコーダ6で録画予約を行う際に、STB7、IPTV8、IPTV9、IPTV10がIP放送の視聴やIP放送の録画を行っていて宅内LAN4の空き伝送帯域が足りない場合、宅内LAN4の伝送帯域を使用しない録画機器であるハードディスクレコーダ5が代理で録画を行うことにより、宅内LANの利用状況に応じたIP放送録画を可能とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来の無線電波によるテレビ放送ではなく、有線通信を用いたIPテレビ放送を受信している家庭における宅内ネットワークの利用状況に応じたIPテレビ放送の録画方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、地上波テレビ放送が2011年のアナログ放送停波を控えており、アナログ放送からデジタル放送への移行の過渡期となっている。テレビ放送の公共性の観点から、アナログ放送を受信している全家庭でデジタル放送を受信出来ることが求められるが、山間部や過疎地では地上デジタル放送の受信が困難な地域が出てくることが予想される。全ての家庭にあまねく放送を行うことが出来なくなることは、放送の公共性から問題となる。そのため、インターネット通信回線を利用してテレビ放送を行うIP(Internet Protocol)テレビ放送(以下、IP放送)が検討されている。また、IP放送だけでなく、既にストリーミング動画を提供するサービスが増加しており、インターネット通信回線を利用した映像受信は可能となっている。
【0003】
一方、宅内では、インターネット通信回線で家庭内へ引き込んだIP放送データを、宅内LANを使用して各部屋の受信装置へ配信する。また、家庭用の放送録画機器では、HDD(Hard Disc Drive)を内蔵した機器が大半を占めるようになってきている。ここで、複数番組を録画する際に録画設定を行った機器のTVチューナ数が録画設定コンテンツ数より少ない場合、録画出来ないコンテンツが発生する課題がある。
【0004】
この課題に対応する録画機器の技術として、宅内LANで接続された録画機器のうち、未使用TVチューナのある機器に代理で録画させる技術が提供されている。
【特許文献1】特開2005−252402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術は通常の無線電波によるテレビ放送を想定した技術で、TVチューナ数が足りない場合に他の録画機器に代理で録画させるものである。IP放送の受信環境下では、宅内LANを用いて各機器にIP放送データを伝送するため、宅内LANの空き伝送帯域が不足した場合にIP放送を録画することが出来なくなるという課題がある。
【0006】
宅内LANでは、IP放送の視聴、IP放送の録画、VOD(Video on Demand)、PCデータ通信など、様々なデータが伝送される。そのため、複数のサービスを同時に利用している場合は、宅内LANの利用状況によって伝送帯域が足りなくなることがある。「IP放送視聴」、「IP放送録画」、「VOD」は、「PCデータ通信」と比較して優先度を高く設定され、優先的に宅内LANの伝送帯域を使用するべきであると考えられる。しかしながら、テレビ放送をIP放送で受信している場合、多数のHD(High Difinition)品質の映像を伝送し、伝送帯域が枯渇する恐れがある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決し、IP放送の受信環境下において、宅内LANの空き伝送帯域が足りない場合に録画可能な機器で代理録画を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来の課題を解決するために、本発明では、宅内LANの空き伝送帯域が足りない場合、録画設定をした機器ではなく、宅内LANの伝送帯域に負担をかけない録画機器が代理で録画を行うことにより、宅内LANの利用状況に応じたIP放送録画を可能とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リアルタイム性の高い「IP放送視聴」、「VOD」等を優先して伝送し、「IP放送録画」を宅内LANの伝送帯域を消費しない機器で録画することで宅内LANの伝送帯域を最適に割り当てることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明では、リアルタイム性の高い「IP放送視聴」、「VOD」などで宅内LANの伝送帯域を優先的に使用するように「IP放送録画」を設定する。「IP放送録画」は、通常、録画終了後に視聴を開始することから、「IP放送視聴」、「VOD」と比較するとリアルタイム性が低い。そのため、宅内LANの伝送帯域が不足した場合、録画予約設定した機器ではなく、宅内LANの伝送帯域を消費しない環境に設置されている録画機器、すなわち、インターネット通信回線に直結されている機器で代理録画を行うこととする。
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の宅内LANの一構成例を示した図である。
【0013】
図1において、ハードディスクレコーダ5、ハードディスクレコーダ6、STB(Set Top Box)7、IPTV(Internet Protocol Television)8、IPTV9、IPTV10が宅内ネットワークである宅内LAN4を介して接続されている。IPネットワーク、放送網などの宅外ネットワーク2に接続されているルータ3にはハードディスクレコーダ5のみが接続され、本構成におけるマスタ機器として動作する。他の宅外ネットワーク2に接続されている機器はIP放送の視聴等を行う際には、ハードディスクレコーダ5を必ず経由する。また、宅外ネットワーク2には、VODサーバ1が接続されている。
【0014】
図1において、ハードディスクレコーダ5は本発明におけるマスタ機器となる宅内受信装置、ハードディスクレコーダ6、STB7、IPTV8、IPTV9、IPTV10はマスタ機器以外の宅内受信装置である。
【0015】
なお、本実施の形態では、宅内LANに2台のハードディスクレコーダ、1台のSTB、3台のIPTVが接続されているが、宅内のシステム構成はこれに限定するものではなく、宅内LANに接続でき、データの録画及び視聴ができる機器で構成されていればよい。
【0016】
図2は、マスタ機器となる宅内受信装置であるハードディスクレコーダ5の一構成例を示すブロック図である。
【0017】
図2に示すように、WAN I/F29は、宅外ネットワーク2に接続され、宅外ネットワーク2よりIP放送の放送番組データを受信し、LAN I/F23は、宅内LAN4に接続され、宅内LAN4に接続されている他の機器間と放送番組データや通信データを送受信し、IP放送受信ユニット24は、WAN I/F29を介してIP放送番組データを受信し、所定の処理を行い映像出力データを出力する。また、宅内LAN利用状況管理部25は、LAN I/F23を介して宅内LAN4の利用状況を管理し、視聴・録画予約管理部26は、ハードディスクレコーダ5及び宅内LAN4に接続されている機器へ行われる視聴、録画予約を管理し、録画機器デコーダ数管理部27は、宅内LAN4に接続されている録画機器デコーダ数を管理する。また、IP放送受信ユニット24から出力されたデータは、ハードディスクレコーダ5に接続されている記録装置28に出力され、記録装置28に記録される。
【0018】
図3は、マスタ機器以外の宅内受信装置となるハードディスクレコーダ6、STB7の一構成例を示すブロック図である。
【0019】
図3において、図2と同様の動きを行う構成要素に関しては、同じ番号を付与し、説明を省略する。図3の宅内受信装置と図2の宅内受信装置の相違点は、WAN I/F29の有無である。マスタ機器以外は、宅外ネットワーク2には接続されないため、WAN I/F29は必要ない。
【0020】
なお、本発明においては、マスタ機器とマスタ機器以外の機器は異なる構成となっているが、マスタ機器以外の機器も図2のマスタ機器と同じ構成でも構わない。
【0021】
図4は、IPTV8〜IPTV10のマスタ機器以外の宅内受信装置の他の一構成例を示すブロック図である。IPTVは、図3の宅内受信装置の構成とほぼ同様の構成であり、IP放送受信ユニット24から出力された映像出力データを表示する表示装置30を装置内に持つ構成となる。各構成要素は、図3の構成要素と同様の動作を行うので、同じ番号を付与し、説明を省略する。なお、表示装置30は、宅内受信装置外にあり、宅内受信装置のIP放送受信ユニット24から有線または無線通信によりデータを受信して表示してもよい。
【0022】
図5は、視聴・録画予約管理部26が管理する視聴・録画予約状況管理テーブルの一例を示したものである。図5に示すように、視聴・録画予約状況管理テーブルは、「予約番号」、録画または視聴するデータの種別を示す「種別」、実際に録画または視聴を行う機器を一意に示す「対象機器」、録画または視聴するデータの伝送レートを示す「伝送レート」、録画または視聴する日時を示す「日時」、録画または視聴開始時刻を示す「開始時刻」、録画または視聴終了時刻を示す「終了時刻」で構成されている。
【0023】
なお、図5においては、データの種別として、IP放送を録画する「IP放送録画」、IP放送を視聴する「IP放送視聴」、VODを示す「VOD」が設定されているが、種別はこの3つに限定するものではない。また、種別、対象機器等の登録項目は、図5に示す項目以外のものを登録しても構わない。また、種別、対象機器などの表現方法は、それを一意に示すことができれば、番号や記号など、どのような表現でも構わない。
【0024】
視聴・録画予約状況管理テーブルは、視聴予約時、あるいは、録画予約時に予約操作が行われた機器が宅内LANに接続された全機器へ予約要求を送信することで全機器がテーブルの内容を更新するものとする。ここで、予約要求時に電源がOFFにされていた機器は、電源ON時にマスタ機器となるルータ3に接続されているハードディスクレコーダ5に予約状況要求を送信して問い合わせる。なお、予約状況の問い合わせは、他のいずれかの機器に問い合わせることとしてもよい。また、本発明では、全機器が視聴・録画予約状況管理テーブルを保持するものとしたが、マスタ機器のみが保持し、他の機器はマスタ機器に問い合わせるようにしてもよい。
【0025】
図6は、録画機器デコーダ数管理部27が保持する録画機器デコーダ数管理テーブルの一例を示したものである。図6に示すように、録画機器デコーダ数管理テーブルは、録画機器を一意に示す「録画機器」と、録画機器が保持しているデコーダ数を示す「デコーダ数」で構成されている。
【0026】
なお、図6において、録画機器デコーダ数管理テーブルには、録画機器、デコーダ数以外のものを登録しても構わない。また、録画機器の表現方法は、それを一意に示すことができれば、番号や記号など、どのような表現でも構わない。
【0027】
録画機器デコーダ数管理テーブルは、各録画機器が電源ONされた際に自機器のデコーダ数を全機器に通知することで作成される。なお、本発明では全機器が録画機器デコーダ数管理テーブルを保持するものとしたが、マスタ機器であるハードディスクレコーダ5のみが保持し、他の機器がマスタ機器に問い合わせるようにしてもよい。
【0028】
図7は、宅内LAN利用状況管理部25が保持する宅内LAN利用状況管理テーブルの一例を示したものである。図7に示すように、宅内LAN利用状況管理テーブルには、宅内LANの利用状況の調査を行った「現在時刻」、利用状況を調べたい期間の開始時刻を示す「調査開始時刻」、終了時刻を示す「調査終了時刻」、宅内LANの伝送帯域を示す「宅内LAN伝送帯域」、宅内LANの空き伝送帯域を示す「空き伝送帯域」、代理で録画を行える機器の空きデコーダの総数を示す「代理録画機器の空きデコーダ数」で構成されている。なお、宅内LAN利用状況管理テーブルには、図7に示す項目以外の項目が登録されていてもよい。
【0029】
宅内LAN利用状況管理部25は、宅内LAN利用状況管理テーブルに設定されている調査開始時刻から調査終了時刻までに、視聴・録画予約管理部26が保持する図5に示す視聴・録画予約状況管理テーブルと、録画機器デコーダ数管理部27が保持する図6に示す録画機器デコーダ数管理テーブルを参照し、宅内LAN伝送帯域の空き伝送帯域、及び、代理録画機器の空きデコーダ数を算出し、宅内LAN利用状況管理テーブルの空き伝送帯域、空きデコーダ数を更新する。
【0030】
なお、本発明では、全機器が宅内LAN利用状況管理テーブルを保持するものとしたが、マスタ機器であるハードディスクレコーダ5のみが保持し、他の機器がマスタ機器に問い合わせてもよい。
【0031】
〔代理録画操作〕
本実施の形態では、ハードディスクレコーダ6において録画予約が行われた場合を例として、録画予約が行われた場合の本発明の動作シーケンスを説明する。
【0032】
図8は、録画予約設定時の動作を示すフローチャートである。
【0033】
ユーザより録画予約操作が行われると、視聴・録画予約管理部26は宅内LAN利用状況管理部25に操作が行われた録画予約を受付可能であるかを問い合わせ、宅内LAN利用状況管理部25は、以下の動作を行う。
【0034】
(ステップS801)宅内LAN利用状況管理部25は、宅内LANの利用状況を調べ、ステップS802へ進む。
【0035】
(ステップS802)宅内LAN利用状況管理部25は、録画予約された時間帯(当該時間)における宅内LANの空き伝送帯域が録画予約するコンテンツの伝送レートより小さいかどうかを調べ、小さい場合はステップS803、同等、または大きい場合は、ステップS807へ進む。
【0036】
(ステップS803)宅内LAN利用状況管理部25は、宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器があるかどうかを調べ、ある場合はステップS804、ない場合はステップS806へ進む。
【0037】
(ステップS804)宅内LAN利用状況管理部25は、当該時間にステップS803で抽出された録画機器に録画予約されていない空きデコーダがあるかどうかを調べ、ある場合はステップS805、ない場合はステップS806へ進む。
【0038】
(ステップS805)宅内LAN利用状況管理部25は、視聴・録画予約管理部26に録画予約をステップS804で調べた録画機器へ予約を変更することを通知し、処理を終了する。
【0039】
(ステップS806)宅内LAN利用状況管理部25は、録画予約不可であることを視聴・録画予約管理部26に通知する。
【0040】
(ステップS807)宅内LAN利用状況管理部25は、録画予約可能であることを視聴・録画予約管理部26に通知する。
【0041】
視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN利用状況管理部25からの予約変更通知を受けた場合は、予約録画を宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器へ設定変更するよう動作し、予約ができない通知を受けた場合は、録画予約が不可能であることをユーザに通知し、予約可能通知を受けた場合は、視聴・録画予約状況管理テーブルへ予約された内容をそのまま登録する。なお、ユーザへの通知方法はどんな方法でも構わない。また、ユーザからの録画予約内容の視聴・録画予約管理部26への通知もどんな方法、構成をとっても構わない。
【0042】
以下、具体的に上記動作を説明する。
【0043】
本実施の形態では、宅内LAN4に接続されている各機器の視聴、録画予約状況が図5に示す視聴・録画予約状況管理テーブル、各機器のデコーダ数が図6の録画機器デコーダ数管理テーブルに示す状況にある場合に、ユーザが8月31日の19時17分にハードディスクレコーダ6に対して、8月31日の20時〜21時に、伝送レート25MbpsのIP放送の録画予約操作を行った場合を考える。また、本発明においては、宅内LANの伝送帯域は100Mbpsとする。
【0044】
まず、ハードディスクレコーダ6において、ユーザから録画予約操作が行われると、ハードディスクレコーダ内の視聴・録画予約管理部26は予約された内容が受付可能であるかどうか宅内LAN利用状況管理部25へ問い合わせる。
【0045】
宅内LAN利用状況管理部25は、視聴・録画予約管理部26、録画機器デコーダ数管理部27に問い合わせて、図5に示す視聴・録画予約状況管理テーブルと図6に示す録画機器デコーダ数管理テーブルを参照し、宅内LAN4内の利用状況を調べ、図7に示す宅内LAN利用状況管理テーブルを作成する。
【0046】
図7に示すように、本実施の形態においては、現在時刻は8月31日の19:17であり、録画予約は20時〜21時であるので、調査開始時刻は8月31日20:00、調査終了時刻は21:00となる。また、図5において、8月31日の20:00〜21:00に予約が入っているのは、予約番号1、3、4、5、6である。宅内LAN4の伝送帯域が100Mbps、予約番号5はハードディスクレコーダ5に対する予約であり、宅内LAN4を使用しないので、予約番号1、3、4、6はそれぞれ25Mbpsの帯域を使用している。この場合の宅内LAN4内の、空き伝送帯域は、100Mbps−(25Mbps×4)より、0Mbpsとなる。また、本実施の形態では、代理録画可能な機器は、ハードディスクレコーダ5のみである。図6よりハードディスクレコーダ5のデコーダ数は2であり、既に予約番号5で1つのデコーダは予約されているため、代理録画機器の空きデコーダ数は1となる。
【0047】
次に、宅内LAN利用状況管理部25は、作成した宅内LAN利用状況管理テーブルを参照し、宅内LANの空き伝送帯域が録画予約するコンテンツの伝送レートより小さいかどうかを調べる。本実施の形態の場合、図7に示すように、8月31日20時〜21時の間は、空き伝送帯域が0Mbpsであるため、宅内LAN利用状況管理部25は、LAN I/F23を介して、宅内LAN4に接続している各機器に、宅外ネットワーク2に接続しているかどうかを問い合わせる。本実施の形態の場合は、ハードディスクレコーダ5だけが、宅外ネットワーク2に接続していると応答する。
【0048】
次に、宅内LAN利用状況管理部25は、図7の宅内LAN利用状況管理テーブルを参照して、ハードディスクレコーダ5の空きチューナ数が1であることから、空きでデコーダがあると判断し、図5に示す視聴・録画予約状況管理テーブルを参照して、8月31日20時〜21時の間は、ハードディスクレコーダ5に空きデコーダが1つあることを確認する。その後、宅内LAN利用状況管理部25は、視聴・録画予約管理部26に新規のIP放送録画予約をハードディスクレコーダ5に予約変更することを通知する。
【0049】
ハードディスクレコーダ6内の視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN利用状況管理部25、LAN I/F23、宅内LAN4を介して、ハードディスクレコーダ5に録画予約に必要な情報を送信する。なお、録画に必要な情報は、ハードディスクレコーダ5のみに送信してもよいし、宅内LAN4に接続されている機器全体に送信してもよい。
【0050】
ハードディスクレコーダ5内の視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN4、LAN I/F23、宅内LAN利用状況管理部25を介して、8月31日20時〜21時の録画予約依頼を受信し、録画予約が正常に完了すると、自身の視聴・録画予約状況管理テーブルを更新すると共に、宅内LAN利用状況管理部25、LAN I/F23、宅内LAN4を介して、宅内LAN4に接続している各機器に、8月31日20時〜21時に録画予約が完了したことを通知する。
【0051】
ハードディスクレコーダ6内の視聴・録画予約管理部26は、LAN I/F4、宅内LAN利用状況管理部25を介して、ハードディスクレコーダ5からの予約完了通知を受けると、視聴・録画予約状況管理テーブルを更新する。また、宅内LAN4に接続されている各機器内でも同様の動作が行われる。この結果、宅内LANの空き伝送帯域が無い場合でも、IP放送録画予約が可能となる。
【0052】
図9に各機器において更新された視聴・録画予約状況管理テーブルを示す。図9は、図5における予約番号6と予約番号7の間に、IP放送録画がハードディスクレコーダ5に、25Mbpsの番組データが8月31日20時〜21時に予約する予約状況が挿入され、予約番号が更新されていることを示す。
【0053】
〔代理設定された録画予約の動作〕
以下、代理設定された録画予約が実行される場合の視聴・録画予約管理部26の動作について説明する。
【0054】
図10はハードディスクレコーダ5における録画予約の代理設定時の動作を示すフローチャートである。
【0055】
(ステップS1001)視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN内の本来録画予約を行った録画機器からの依頼を受け、代理録画が設定し、ステップS1002に進む。
【0056】
(ステップS1002)視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN利用状況管理部25に宅内LAN4の空き伝送帯域を問い合わせ、空き伝送帯域が代理録画設定されている伝送レートより小さいかどうかを調べる。小さい場合はステップS1003、同等もしくは大きい場合はステップS1004へ進む。
【0057】
(ステップS1003)視聴・録画予約管理部26は、録画予約開始時間かどうかを判断し、開始時間であればステップS1005へ進み、開始時間でなければ、ステップS1006へ進む。
【0058】
(ステップS1004)視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN利用状況管理部25、LAN I/F23、宅内LAN4を介して、本来録画予約を行った録画機器へ録画予約設定を戻し、処理を終了する。
【0059】
(ステップS1005)視聴・録画予約管理部26は、代理録画を開始する。
【0060】
(ステップS1006)視聴・録画予約管理部26は、t(>0)時間経過するまでウェイトし、ステップS1002に戻る。なお、ウェイト時間tはあらかじめユーザが設定していてもよい。
【0061】
視聴・録画予約管理部26は、代理録画を行った場合は、宅内LAN4の空き帯域が、本来録画設定した機器(本実施の形態の場合、ハードディスクレコーダ6)へ録画したコンテンツの伝送するための伝送レートより大きくなった時点で、録画したコンテンツを本来録画設定した機器へ移動させる(ムーブ、以降、ムーブと記載)。なお、本来録画設定した機器へのコンテンツのムーブは、宅内LAN4において、伝送帯域の使用率が低い時間帯にムーブする設定とする、あるいは、ムーブしない設定としてもよい。
【0062】
なお、代理録画を行う機器の代理録画を依頼した機器の管理は、視聴・録画予約状況管理テーブルを用いたり、別途代理録画管理テーブルなどを用いたりして管理すればよい。例えば、視聴・録画予約状況管理テーブルに、代理録画の項目を設け、その項目に依頼先機器を一意に判別できる記号等を記載する。
【0063】
以上の動作により、本実施の形態によれば、宅内LANの空き伝送帯域が足りない場合に、宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器で代理録画を行うことが出来、宅内LANの伝送帯域を効率的に使用することが可能となる。
【0064】
(実施の形態2)
本実施の形態では、録画予約または、録画予約が実行されることにより、宅内LANの伝送帯域が使用伝送レートが超えてしまう場合の動作について説明する。本実施の形態におけるシステム構成、各機器の構成は、実施の形態1と同様とする。
【0065】
図11はハードディスクレコーダ5における予約録画開始時の動作を示すフローチャートを示したものである。
【0066】
(ステップS1101)視聴・録画予約管理部26は、視聴・録画予約状況管理テーブルにおける予約内容を常に監視し、予約録画または予約視聴の予約開始時間の一定時間前になった予約を検知するとステップS1102に進む。ここで、一定時間とは代理録画の設定が機器動作として可能な時間を確保するためのもので、例えば、予約開始の10秒前などと、あらかじめ設定しておく。
【0067】
(ステップS1102)視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN利用状況管理部25に該当する予約を実行する時間における宅内LANの利用状況を問い合わせる。宅内LAN利用状況管理部25は、問い合わせを受けた時間帯の宅内LANの空き伝送帯域が、予約実行する際に使用する伝送レートより小さいかどうかを調べ、小さい場合はステップS1103に進み、同等、もしくは大きい場合は、処理を終了する。
【0068】
(ステップS1103)視聴・録画予約管理部26は、視聴・録画予約状況管理テーブルを参照し、予約開始しようとしている予約を実行する時間において、予約録画があるかないかを調べ、予約録画がある場合はステップS1104へ進み、ない場合は、ステップS1107へ進む。
【0069】
(ステップS1104)宅内LAN利用状況管理部25は、問い合わせを受けた時間帯に、宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器があるかどうかを調べ、ある場合はステップS1105へ進み、ない場合はステップS1107へ進む。
【0070】
(ステップS1105)宅内LAN利用状況管理部25は、ステップS1103で検索した録画機器に空きデコーダがあるかどうかを調べ、ある場合はステップS1106へ進み、ない場合はステップS1107へ進む。
【0071】
(ステップS1106)宅内LAN利用状況管理部25は、視聴・録画予約管理部26に問い合わせた予約録画を、検索した録画機器へ設定変更するよう通知し、視聴・録画予約管理部26は、予約録画を変更する。予約録画の変更方法は実施の形態1で説明した方法と同様である。
【0072】
(ステップS1107)宅内LAN利用状況管理部25は、視聴・録画予約管理部26に予約を解除するよう通知する。視聴・録画予約管理部26は、あらかじめ定められた手順に沿って、必要な予約の解除を行う。
【0073】
以下、具体的に上記動作を説明する。
【0074】
図12は本実施の形態における視聴・録画予約状況管理テーブルの一例を示したものである。図12において、予約番号3は、8月31日に19:00〜20:00の間、IPTV8で25MbpsのIP放送を視聴する予約である。ここで、ユーザから20時以降もIPTV8において、視聴を続ける延長操作を受けた場合の動作について説明する。
【0075】
視聴・録画予約管理部26は、図12の視聴・録画予約状況管理テーブルにおける予約内容を常に監視し、予約番号7の録画開始時間の一定時間前になったことを検知する。視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN利用状況管理部25に20:00で終了予定のIP放送視聴が続行される場合の宅内LAN4の利用状況を問い合わせる。
【0076】
宅内LAN利用状況管理部25は視聴・録画予約管理部26、録画機器デコーダ数管理部27に問い合わせて、視聴・録画予約状況管理テーブルと録画機器デコーダ数管理テーブルを参照し、予約番号7の予約時間日時、8月31日の20:00から21:00間の宅内LAN利用状況管理テーブルを作成する。図7に、この場合の宅内LAN利用状況管理テーブルを示す。本実施の形態においても、宅内LAN4の伝送帯域は100Mbpsとする。
【0077】
図12において、予約番号3のIP放送視聴が20:00以降も続行された場合、20:00以降は、予約番号1、2、3、4、7の予約が同時に実行されることになる。各予約は、各々25Mbpsの帯域を利用することから、25Mbps×5=125Mbpsと、宅内LAN4の宅内LAN伝送帯域100Mbpsを超えてしまう。従って、この場合の、宅内LAN利用状況管理テーブルは、図7に示すように、宅内LAN4の空き伝送帯域が0Mbpsとなる。
【0078】
宅内LAN利用状況管理部25は、図7に示す宅内LAN利用状況管理テーブルを参照し、宅内LAN空き伝送帯域を使用伝送レートが超えたことから、予約番号3の予約時間帯に予約録画があるかどうかを調べる。宅内LAN利用状況管理部25は、引き続き、宅内LAN4の伝送帯域を消費しない録画機器があるかどうかを調査する。宅内LAN利用状況管理部25は、LAN I/F23を介して、宅内LAN4に接続している各機器に、宅外ネットワーク2に接続しているかどうかを問い合わせる。本実施の形態の場合は、ハードディスクレコーダ5だけが、宅外ネットワーク2に接続していると応答する。
【0079】
次に、宅内LAN利用状況管理部25は、ハードディスクレコーダ5に当該時間に空きデコーダがあるかどうかを調べる。本実施の形態の場合は、図6の録画機器デコーダ数管理テーブル、図12の視聴・録画予約状況管理テーブルより、ハードディスクレコーダ5のデコーダ数が2であり、ハードディスクレコーダには、既に予約番号5,6が予約されていることから、ハードディスクレコーダ5に空きデコーダが無いため、代理録画の設定はできないと判断する。
【0080】
宅内LAN利用状況管理部25は、視聴・録画予約管理部26に問い合わせ、予約番号7の予約録画が実行できないことを通知する。本実施の形態の場合、視聴・録画予約管理部26は、ユーザに、予約番号7の予約があるため、視聴予約の延長ができないことを通知する。ユーザは、予約番号7の録画予約を解除するか、予約番号3のIP放送視聴を予約通り20:00で終了させるかを選択し、実行する。
【0081】
なお、本実施の形態では、予約の解除は、ユーザにエラー通知を行い、ユーザに解除操作を行わせたが、ユーザに通知せずに、自動的に予約の解除を行ってもよい。予約の解除の優先順位は、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。また、IP放送視聴、IP放送録画予約に関わらず、最後に設定された操作を優先して解除するように設定してもよい。
【0082】
(実施の形態3)
本実施の形態では、IP放送の視聴操作時の動作シーケンスについて説明する。本実施の形態におけるシステム構成図、及び各機器の構成図は実施の形態1と同様である。
【0083】
図13は、図1のIPTV8におけるIP放送視聴開始時の動作を示すフローチャートである。
【0084】
(ステップS1301)視聴・録画予約管理部26は、ユーザよりIP放送の視聴操作が行われたことを検知すると、ステップS1302に進む。
【0085】
(ステップS1302)視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN利用状況管理部25に、視聴前の宅内LAN4の利用状況を問い合わせる。宅内LAN利用状況管理部25は、宅内LAN4内の利用状況を調べ、空き伝送帯域が視聴するコンテンツの伝送レートより小さければステップS1303へ進み、同等、もしくは大きければ、ステップS1308へ進む。
【0086】
(ステップS1303)視聴・録画予約管理部26は、現在、宅内LANを使用して予約録画をしている機器があるかどうかを調査し、あればステップS1304へ進み、なければステップS1306へ進む。
【0087】
(ステップS1304)視聴・録画予約管理部26は、宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器があるかどうかを調査し、録画機器がある場合は、ステップS1305へ進み、ない場合はステップS1306へ進む。
【0088】
(ステップS1305)視聴・録画予約管理部26は、宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器に、現在、空きデコーダがあるかどうかを調査し、ある場合はステップS1307へ進み、ない場合はステップS1306へ進む。
【0089】
(ステップS1306)視聴・録画予約管理部26は、IP放送視聴を不可とし、視聴操作を行わない。
【0090】
(ステップS1307)視聴・録画予約管理部26は、予約録画を宅内LAN4の伝送帯域を消費しない録画機器へ代理録画の設定を行い、ステップS1308に進む。
【0091】
(ステップS1308)視聴・録画予約管理部26は、予約内容に応じて、IP放送視聴を開始する。
【0092】
以下、上記動作を具体的に説明する。
【0093】
各機器の視聴・録画予約管理部26が図5に示す視聴・録画予約状況管理テーブル、録画機器デコーダ数管理部が図6に示す録画機器デコーダ数管理テーブルをそれぞれ保持しているとする。この状況において、IPTV8で、8月31日の20時前にIP放送視聴操作が行われた場合を一例として説明する。
【0094】
まず、IPTV8の視聴・録画予約管理部26は、ユーザがIP放送視聴操作を行ったことを検知し、図5の視聴・録画予約状況管理テーブルを参照し、8月31日の20:00以降の宅内LANの利用状況を宅内LAN利用状況管理部25に問い合わせる。宅内LAN利用状況管理部25は視聴・録画予約管理部26、録画機器デコーダ数管理部27に問い合わせて、図5の視聴・録画予約状況管理テーブルと図6の録画機器デコーダ数管理テーブルを参照し、図7に示した宅内LAN利用状況管理テーブルを作成する。本実施の形態においては、作成済みの宅内LAN利用状況管理テーブルを参照し、8月31日の20:00以降に宅内LANの空き伝送帯域が0Mbpsになることを検知する。
【0095】
次に、宅内LAN利用状況管理部25は、視聴・録画予約状況管理テーブルを参照して、20時以降に、宅内LAN4を使用して予約録画をしている機器がないかを調べる。この場合、予約番号1、6が相当する。さらに、宅内LAN利用状況管理部25は、実施の形態1と同様の動作を行い、宅内LAN4の伝送帯域を消費しないハードディスクレコーダ5に空きデコーダが1つあることを検知し、視聴・録画予約管理部26に、これから予約が実行される予約番号6の予約をハードディスクレコーダ5に変更するよう通知する。
【0096】
IPTV8内の視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN利用状況管理部25、LAN I/F23、宅内LAN4を介して、全機器に録画予約に必要な情報を送信する。変更要求を受信したハードディスクレコーダ5内の視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN4、LAN I/F23、宅内LAN利用状況管理部25を介して、8月31日20時〜21時の録画予約依頼を受信し、録画予約が正常に完了すると、自身の視聴・録画予約状況管理テーブルを更新すると共に、宅内LAN利用状況管理部25、LAN I/F23、宅内LAN4を介して、宅内LAN4に接続している各機器に、予約番号6の予約をIPTV8からハードディスクレコーダ5に変更したことを通知する。IPTV8内の視聴・録画予約管理部26は、ハードディスクレコーダ5からの完了通知を受け、予約内容を変更する。
【0097】
なお、変更要求は、マスタ機器のみに送信し、マスタ機器が予約していた録画機器に予約設定変更を通知してもよい。
【0098】
また、VODを視聴する際の動作シーケンスについては、IP放送を視聴する際の動作シーケンスと同様であるため、説明を省略する。
【0099】
(実施の形態4)
本実施の形態では、視聴予約設定時の動作シーケンスについて具体的に説明する。
【0100】
図14は、図1のシステム構成において、IPTV8における視聴予約設定時の動作を示すフローチャートである。
【0101】
(ステップS1401)視聴・録画予約管理部26は、ユーザより視聴予約が行われると、ステップS1402に進む。
【0102】
(ステップS1402)視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN利用状況管理部25に、視聴予約の時間内の宅内LAN4の利用状況を問い合わせる。宅内LAN利用状況管理部25は、宅内LAN4内の利用状況を調べ、空き伝送帯域が視聴するコンテンツの伝送レートより小さければステップS1403へ進み、同等、もしくは大きければ、ステップS1408へ進む。
【0103】
(ステップS1403)視聴・録画予約管理部26は、視聴・録画予約状況管理テーブルを参照し、予約開始しようとしている予約を実行する時間において、予約録画があるかないかを調べ、予約録画がある場合はステップS1404へ進み、ない場合は、ステップS1406へ進む。
【0104】
(ステップS1404)視聴・録画予約管理部26は、宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器があるかどうかを調査し、録画機器がある場合は、ステップS1405へ進み、ない場合はステップS1406へ進む。
【0105】
(ステップS1405)視聴・録画予約管理部26は、宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器に、視聴予約の時間内に空きデコーダがあるかどうかを調査し、ある場合はステップS1407へ進み、ない場合はステップS1406へ進む。
【0106】
(ステップS1407)視聴・録画予約管理部26は、予約内容を宅内LAN4の伝送帯域を消費しない録画機器へ代理録画するよう宅内LAN4内の機器へ通知し、ステップS1408へ進む。
【0107】
(ステップS1406)視聴・録画予約管理部26は、IP放送視聴を不可とし、視聴操作を行わない。
【0108】
(ステップS1408)視聴・録画予約管理部26は、代理録画の予約完了通知を受け視聴予約処理を終了する。
【0109】
本実施の形態において、現在、IPTV8内の視聴・録画予約管理部26が保持する視聴・録画予約状況管理テーブルの状態を図5の状態、録画機器デコーダ数管理部27が保持する録画機器デコーダ数管理テーブルが図6の状態とし、これから、9月2日20時〜21時のIP放送視聴予約を行う場合について説明する。
【0110】
まず、IPTV8において、9月2日20時〜21時のIP放送視聴予約操作が行われる。次に、IPTV8内の宅内LAN利用状況管理部25は、視聴・録画予約管理部26、録画機器デコーダ数管理部27に問い合わせて、視聴・録画予約状況管理テーブルと録画機器デコーダ数管理テーブルを参照して、宅内LAN利用状況管理テーブルを作成する。
【0111】
図15に本実施の形態の場合の宅内LAN利用状況管理テーブルを示す。
【0112】
宅内LAN利用状況管理部25は、作成した宅内LAN利用状況管理テーブルを参照して、既設定されている当該時間の録画予約により宅内LAN空き伝送帯域が録画予約するコンテンツの伝送レートより小さいかどうかを判定する。この場合、図15に示すように、9月2日20時〜21時では空き伝送帯域が0Mbpsとなるため、宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器、すなわち、ルータに直接接続されているハードディスクレコーダ5があるかどうかを問い合わせる。
【0113】
この場合、ハードディスクレコーダ5は存在するので、宅内LAN利用状況管理部25は、ハードディスクレコーダ5に視聴予約を設定する時間において、空きデコーダがあるかどうかを調べる。本実施の形態の場合、9月2日20時〜21時では図14の宅内LAN利用状況管理テーブルを参照して、ハードディスクレコーダ5に空きデコーダがあることが確認できるため、図5の当該時間において予約番号の最も大きい、すなわち、最も遅い録画開始時間である予約番号12のIP放送録画をハードディスクレコーダ5に代理録画設定する。代理録画の設定方法は、実施の形態1などと同様の動作を行う。
【0114】
この結果、9月2日20時〜21時にIPTV8でのIP放送視聴が可能な宅内LAN伝送帯域が確保されるため、IPTV8でのIP放送視聴予約が設定可能となる。
【0115】
以上の動作により、本実施の形態によれば、視聴予約を行う場合に、宅内LANの空き伝送帯域が足りない場合に、宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器で代理録画を行うことで、視聴予約を行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明にかかるIP放送録画方法は、IP放送環境下における宅内LANの優先制御技術として有用である。
【0117】
例えば、TV同軸ケーブルを用いた通信技術であるc.LINKや無線LAN、電力線を用いた通信技術PLC(Power Line Communication)のように1つのネットワークで伝送帯域をシェアリングしているメッシュ型のネットワークにおいて、本発明は有効である。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の宅内LANの一構成例を示す図
【図2】本発明におけるマスタ機器となる宅内受信装置の一構成例を示すブロック図
【図3】本発明におけるマスタ機器以外の宅内受信装置の一構成例を示すブロック図
【図4】本発明におけるマスタ機器以外の宅内受信装置の他の一構成例を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態1における視聴・録画予約状況管理テーブルの一例を示す図
【図6】本発明における録画機器デコーダ数管理テーブルの一例を示す図
【図7】本発明の実施の形態1における宅内LAN利用状況管理テーブルの一例を示す図
【図8】同録画予約設定時の動作を示すフローチャート
【図9】同録画予約の代理設定時の動作を示すフローチャート
【図10】同予約録画開始時の動作を示すフローチャート
【図11】本発明の実施の形態2における予約録画開始時の動作を示すフローチャート
【図12】同視聴・録画予約状況管理テーブルの一例を示す図
【図13】本発明の実施の形態3における視聴操作時の動作を示すフローチャート
【図14】本発明の実施の形態4における視聴予約設定時の動作を示すフローチャート
【図15】同宅内LAN利用状況管理テーブルの一例を示す図
【符号の説明】
【0119】
1 VODサーバ
2 宅外ネットワーク
3 ルータ
4 宅内LAN
5、6 ハードディスクレコーダ
7 STB
8、9、10 IPTV
23 LAN I/F
24 IP放送受信ユニット
25 宅内LAN利用状況管理部
26 視聴・録画予約管理部
27 録画機器デコーダ数管理部
28 記録装置
29 WAN I/F
30 表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来の無線電波によるテレビ放送ではなく、有線通信を用いたIPテレビ放送を受信している家庭における宅内ネットワークの利用状況に応じたIPテレビ放送の録画方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、地上波テレビ放送が2011年のアナログ放送停波を控えており、アナログ放送からデジタル放送への移行の過渡期となっている。テレビ放送の公共性の観点から、アナログ放送を受信している全家庭でデジタル放送を受信出来ることが求められるが、山間部や過疎地では地上デジタル放送の受信が困難な地域が出てくることが予想される。全ての家庭にあまねく放送を行うことが出来なくなることは、放送の公共性から問題となる。そのため、インターネット通信回線を利用してテレビ放送を行うIP(Internet Protocol)テレビ放送(以下、IP放送)が検討されている。また、IP放送だけでなく、既にストリーミング動画を提供するサービスが増加しており、インターネット通信回線を利用した映像受信は可能となっている。
【0003】
一方、宅内では、インターネット通信回線で家庭内へ引き込んだIP放送データを、宅内LANを使用して各部屋の受信装置へ配信する。また、家庭用の放送録画機器では、HDD(Hard Disc Drive)を内蔵した機器が大半を占めるようになってきている。ここで、複数番組を録画する際に録画設定を行った機器のTVチューナ数が録画設定コンテンツ数より少ない場合、録画出来ないコンテンツが発生する課題がある。
【0004】
この課題に対応する録画機器の技術として、宅内LANで接続された録画機器のうち、未使用TVチューナのある機器に代理で録画させる技術が提供されている。
【特許文献1】特開2005−252402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術は通常の無線電波によるテレビ放送を想定した技術で、TVチューナ数が足りない場合に他の録画機器に代理で録画させるものである。IP放送の受信環境下では、宅内LANを用いて各機器にIP放送データを伝送するため、宅内LANの空き伝送帯域が不足した場合にIP放送を録画することが出来なくなるという課題がある。
【0006】
宅内LANでは、IP放送の視聴、IP放送の録画、VOD(Video on Demand)、PCデータ通信など、様々なデータが伝送される。そのため、複数のサービスを同時に利用している場合は、宅内LANの利用状況によって伝送帯域が足りなくなることがある。「IP放送視聴」、「IP放送録画」、「VOD」は、「PCデータ通信」と比較して優先度を高く設定され、優先的に宅内LANの伝送帯域を使用するべきであると考えられる。しかしながら、テレビ放送をIP放送で受信している場合、多数のHD(High Difinition)品質の映像を伝送し、伝送帯域が枯渇する恐れがある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決し、IP放送の受信環境下において、宅内LANの空き伝送帯域が足りない場合に録画可能な機器で代理録画を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来の課題を解決するために、本発明では、宅内LANの空き伝送帯域が足りない場合、録画設定をした機器ではなく、宅内LANの伝送帯域に負担をかけない録画機器が代理で録画を行うことにより、宅内LANの利用状況に応じたIP放送録画を可能とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リアルタイム性の高い「IP放送視聴」、「VOD」等を優先して伝送し、「IP放送録画」を宅内LANの伝送帯域を消費しない機器で録画することで宅内LANの伝送帯域を最適に割り当てることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明では、リアルタイム性の高い「IP放送視聴」、「VOD」などで宅内LANの伝送帯域を優先的に使用するように「IP放送録画」を設定する。「IP放送録画」は、通常、録画終了後に視聴を開始することから、「IP放送視聴」、「VOD」と比較するとリアルタイム性が低い。そのため、宅内LANの伝送帯域が不足した場合、録画予約設定した機器ではなく、宅内LANの伝送帯域を消費しない環境に設置されている録画機器、すなわち、インターネット通信回線に直結されている機器で代理録画を行うこととする。
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の宅内LANの一構成例を示した図である。
【0013】
図1において、ハードディスクレコーダ5、ハードディスクレコーダ6、STB(Set Top Box)7、IPTV(Internet Protocol Television)8、IPTV9、IPTV10が宅内ネットワークである宅内LAN4を介して接続されている。IPネットワーク、放送網などの宅外ネットワーク2に接続されているルータ3にはハードディスクレコーダ5のみが接続され、本構成におけるマスタ機器として動作する。他の宅外ネットワーク2に接続されている機器はIP放送の視聴等を行う際には、ハードディスクレコーダ5を必ず経由する。また、宅外ネットワーク2には、VODサーバ1が接続されている。
【0014】
図1において、ハードディスクレコーダ5は本発明におけるマスタ機器となる宅内受信装置、ハードディスクレコーダ6、STB7、IPTV8、IPTV9、IPTV10はマスタ機器以外の宅内受信装置である。
【0015】
なお、本実施の形態では、宅内LANに2台のハードディスクレコーダ、1台のSTB、3台のIPTVが接続されているが、宅内のシステム構成はこれに限定するものではなく、宅内LANに接続でき、データの録画及び視聴ができる機器で構成されていればよい。
【0016】
図2は、マスタ機器となる宅内受信装置であるハードディスクレコーダ5の一構成例を示すブロック図である。
【0017】
図2に示すように、WAN I/F29は、宅外ネットワーク2に接続され、宅外ネットワーク2よりIP放送の放送番組データを受信し、LAN I/F23は、宅内LAN4に接続され、宅内LAN4に接続されている他の機器間と放送番組データや通信データを送受信し、IP放送受信ユニット24は、WAN I/F29を介してIP放送番組データを受信し、所定の処理を行い映像出力データを出力する。また、宅内LAN利用状況管理部25は、LAN I/F23を介して宅内LAN4の利用状況を管理し、視聴・録画予約管理部26は、ハードディスクレコーダ5及び宅内LAN4に接続されている機器へ行われる視聴、録画予約を管理し、録画機器デコーダ数管理部27は、宅内LAN4に接続されている録画機器デコーダ数を管理する。また、IP放送受信ユニット24から出力されたデータは、ハードディスクレコーダ5に接続されている記録装置28に出力され、記録装置28に記録される。
【0018】
図3は、マスタ機器以外の宅内受信装置となるハードディスクレコーダ6、STB7の一構成例を示すブロック図である。
【0019】
図3において、図2と同様の動きを行う構成要素に関しては、同じ番号を付与し、説明を省略する。図3の宅内受信装置と図2の宅内受信装置の相違点は、WAN I/F29の有無である。マスタ機器以外は、宅外ネットワーク2には接続されないため、WAN I/F29は必要ない。
【0020】
なお、本発明においては、マスタ機器とマスタ機器以外の機器は異なる構成となっているが、マスタ機器以外の機器も図2のマスタ機器と同じ構成でも構わない。
【0021】
図4は、IPTV8〜IPTV10のマスタ機器以外の宅内受信装置の他の一構成例を示すブロック図である。IPTVは、図3の宅内受信装置の構成とほぼ同様の構成であり、IP放送受信ユニット24から出力された映像出力データを表示する表示装置30を装置内に持つ構成となる。各構成要素は、図3の構成要素と同様の動作を行うので、同じ番号を付与し、説明を省略する。なお、表示装置30は、宅内受信装置外にあり、宅内受信装置のIP放送受信ユニット24から有線または無線通信によりデータを受信して表示してもよい。
【0022】
図5は、視聴・録画予約管理部26が管理する視聴・録画予約状況管理テーブルの一例を示したものである。図5に示すように、視聴・録画予約状況管理テーブルは、「予約番号」、録画または視聴するデータの種別を示す「種別」、実際に録画または視聴を行う機器を一意に示す「対象機器」、録画または視聴するデータの伝送レートを示す「伝送レート」、録画または視聴する日時を示す「日時」、録画または視聴開始時刻を示す「開始時刻」、録画または視聴終了時刻を示す「終了時刻」で構成されている。
【0023】
なお、図5においては、データの種別として、IP放送を録画する「IP放送録画」、IP放送を視聴する「IP放送視聴」、VODを示す「VOD」が設定されているが、種別はこの3つに限定するものではない。また、種別、対象機器等の登録項目は、図5に示す項目以外のものを登録しても構わない。また、種別、対象機器などの表現方法は、それを一意に示すことができれば、番号や記号など、どのような表現でも構わない。
【0024】
視聴・録画予約状況管理テーブルは、視聴予約時、あるいは、録画予約時に予約操作が行われた機器が宅内LANに接続された全機器へ予約要求を送信することで全機器がテーブルの内容を更新するものとする。ここで、予約要求時に電源がOFFにされていた機器は、電源ON時にマスタ機器となるルータ3に接続されているハードディスクレコーダ5に予約状況要求を送信して問い合わせる。なお、予約状況の問い合わせは、他のいずれかの機器に問い合わせることとしてもよい。また、本発明では、全機器が視聴・録画予約状況管理テーブルを保持するものとしたが、マスタ機器のみが保持し、他の機器はマスタ機器に問い合わせるようにしてもよい。
【0025】
図6は、録画機器デコーダ数管理部27が保持する録画機器デコーダ数管理テーブルの一例を示したものである。図6に示すように、録画機器デコーダ数管理テーブルは、録画機器を一意に示す「録画機器」と、録画機器が保持しているデコーダ数を示す「デコーダ数」で構成されている。
【0026】
なお、図6において、録画機器デコーダ数管理テーブルには、録画機器、デコーダ数以外のものを登録しても構わない。また、録画機器の表現方法は、それを一意に示すことができれば、番号や記号など、どのような表現でも構わない。
【0027】
録画機器デコーダ数管理テーブルは、各録画機器が電源ONされた際に自機器のデコーダ数を全機器に通知することで作成される。なお、本発明では全機器が録画機器デコーダ数管理テーブルを保持するものとしたが、マスタ機器であるハードディスクレコーダ5のみが保持し、他の機器がマスタ機器に問い合わせるようにしてもよい。
【0028】
図7は、宅内LAN利用状況管理部25が保持する宅内LAN利用状況管理テーブルの一例を示したものである。図7に示すように、宅内LAN利用状況管理テーブルには、宅内LANの利用状況の調査を行った「現在時刻」、利用状況を調べたい期間の開始時刻を示す「調査開始時刻」、終了時刻を示す「調査終了時刻」、宅内LANの伝送帯域を示す「宅内LAN伝送帯域」、宅内LANの空き伝送帯域を示す「空き伝送帯域」、代理で録画を行える機器の空きデコーダの総数を示す「代理録画機器の空きデコーダ数」で構成されている。なお、宅内LAN利用状況管理テーブルには、図7に示す項目以外の項目が登録されていてもよい。
【0029】
宅内LAN利用状況管理部25は、宅内LAN利用状況管理テーブルに設定されている調査開始時刻から調査終了時刻までに、視聴・録画予約管理部26が保持する図5に示す視聴・録画予約状況管理テーブルと、録画機器デコーダ数管理部27が保持する図6に示す録画機器デコーダ数管理テーブルを参照し、宅内LAN伝送帯域の空き伝送帯域、及び、代理録画機器の空きデコーダ数を算出し、宅内LAN利用状況管理テーブルの空き伝送帯域、空きデコーダ数を更新する。
【0030】
なお、本発明では、全機器が宅内LAN利用状況管理テーブルを保持するものとしたが、マスタ機器であるハードディスクレコーダ5のみが保持し、他の機器がマスタ機器に問い合わせてもよい。
【0031】
〔代理録画操作〕
本実施の形態では、ハードディスクレコーダ6において録画予約が行われた場合を例として、録画予約が行われた場合の本発明の動作シーケンスを説明する。
【0032】
図8は、録画予約設定時の動作を示すフローチャートである。
【0033】
ユーザより録画予約操作が行われると、視聴・録画予約管理部26は宅内LAN利用状況管理部25に操作が行われた録画予約を受付可能であるかを問い合わせ、宅内LAN利用状況管理部25は、以下の動作を行う。
【0034】
(ステップS801)宅内LAN利用状況管理部25は、宅内LANの利用状況を調べ、ステップS802へ進む。
【0035】
(ステップS802)宅内LAN利用状況管理部25は、録画予約された時間帯(当該時間)における宅内LANの空き伝送帯域が録画予約するコンテンツの伝送レートより小さいかどうかを調べ、小さい場合はステップS803、同等、または大きい場合は、ステップS807へ進む。
【0036】
(ステップS803)宅内LAN利用状況管理部25は、宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器があるかどうかを調べ、ある場合はステップS804、ない場合はステップS806へ進む。
【0037】
(ステップS804)宅内LAN利用状況管理部25は、当該時間にステップS803で抽出された録画機器に録画予約されていない空きデコーダがあるかどうかを調べ、ある場合はステップS805、ない場合はステップS806へ進む。
【0038】
(ステップS805)宅内LAN利用状況管理部25は、視聴・録画予約管理部26に録画予約をステップS804で調べた録画機器へ予約を変更することを通知し、処理を終了する。
【0039】
(ステップS806)宅内LAN利用状況管理部25は、録画予約不可であることを視聴・録画予約管理部26に通知する。
【0040】
(ステップS807)宅内LAN利用状況管理部25は、録画予約可能であることを視聴・録画予約管理部26に通知する。
【0041】
視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN利用状況管理部25からの予約変更通知を受けた場合は、予約録画を宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器へ設定変更するよう動作し、予約ができない通知を受けた場合は、録画予約が不可能であることをユーザに通知し、予約可能通知を受けた場合は、視聴・録画予約状況管理テーブルへ予約された内容をそのまま登録する。なお、ユーザへの通知方法はどんな方法でも構わない。また、ユーザからの録画予約内容の視聴・録画予約管理部26への通知もどんな方法、構成をとっても構わない。
【0042】
以下、具体的に上記動作を説明する。
【0043】
本実施の形態では、宅内LAN4に接続されている各機器の視聴、録画予約状況が図5に示す視聴・録画予約状況管理テーブル、各機器のデコーダ数が図6の録画機器デコーダ数管理テーブルに示す状況にある場合に、ユーザが8月31日の19時17分にハードディスクレコーダ6に対して、8月31日の20時〜21時に、伝送レート25MbpsのIP放送の録画予約操作を行った場合を考える。また、本発明においては、宅内LANの伝送帯域は100Mbpsとする。
【0044】
まず、ハードディスクレコーダ6において、ユーザから録画予約操作が行われると、ハードディスクレコーダ内の視聴・録画予約管理部26は予約された内容が受付可能であるかどうか宅内LAN利用状況管理部25へ問い合わせる。
【0045】
宅内LAN利用状況管理部25は、視聴・録画予約管理部26、録画機器デコーダ数管理部27に問い合わせて、図5に示す視聴・録画予約状況管理テーブルと図6に示す録画機器デコーダ数管理テーブルを参照し、宅内LAN4内の利用状況を調べ、図7に示す宅内LAN利用状況管理テーブルを作成する。
【0046】
図7に示すように、本実施の形態においては、現在時刻は8月31日の19:17であり、録画予約は20時〜21時であるので、調査開始時刻は8月31日20:00、調査終了時刻は21:00となる。また、図5において、8月31日の20:00〜21:00に予約が入っているのは、予約番号1、3、4、5、6である。宅内LAN4の伝送帯域が100Mbps、予約番号5はハードディスクレコーダ5に対する予約であり、宅内LAN4を使用しないので、予約番号1、3、4、6はそれぞれ25Mbpsの帯域を使用している。この場合の宅内LAN4内の、空き伝送帯域は、100Mbps−(25Mbps×4)より、0Mbpsとなる。また、本実施の形態では、代理録画可能な機器は、ハードディスクレコーダ5のみである。図6よりハードディスクレコーダ5のデコーダ数は2であり、既に予約番号5で1つのデコーダは予約されているため、代理録画機器の空きデコーダ数は1となる。
【0047】
次に、宅内LAN利用状況管理部25は、作成した宅内LAN利用状況管理テーブルを参照し、宅内LANの空き伝送帯域が録画予約するコンテンツの伝送レートより小さいかどうかを調べる。本実施の形態の場合、図7に示すように、8月31日20時〜21時の間は、空き伝送帯域が0Mbpsであるため、宅内LAN利用状況管理部25は、LAN I/F23を介して、宅内LAN4に接続している各機器に、宅外ネットワーク2に接続しているかどうかを問い合わせる。本実施の形態の場合は、ハードディスクレコーダ5だけが、宅外ネットワーク2に接続していると応答する。
【0048】
次に、宅内LAN利用状況管理部25は、図7の宅内LAN利用状況管理テーブルを参照して、ハードディスクレコーダ5の空きチューナ数が1であることから、空きでデコーダがあると判断し、図5に示す視聴・録画予約状況管理テーブルを参照して、8月31日20時〜21時の間は、ハードディスクレコーダ5に空きデコーダが1つあることを確認する。その後、宅内LAN利用状況管理部25は、視聴・録画予約管理部26に新規のIP放送録画予約をハードディスクレコーダ5に予約変更することを通知する。
【0049】
ハードディスクレコーダ6内の視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN利用状況管理部25、LAN I/F23、宅内LAN4を介して、ハードディスクレコーダ5に録画予約に必要な情報を送信する。なお、録画に必要な情報は、ハードディスクレコーダ5のみに送信してもよいし、宅内LAN4に接続されている機器全体に送信してもよい。
【0050】
ハードディスクレコーダ5内の視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN4、LAN I/F23、宅内LAN利用状況管理部25を介して、8月31日20時〜21時の録画予約依頼を受信し、録画予約が正常に完了すると、自身の視聴・録画予約状況管理テーブルを更新すると共に、宅内LAN利用状況管理部25、LAN I/F23、宅内LAN4を介して、宅内LAN4に接続している各機器に、8月31日20時〜21時に録画予約が完了したことを通知する。
【0051】
ハードディスクレコーダ6内の視聴・録画予約管理部26は、LAN I/F4、宅内LAN利用状況管理部25を介して、ハードディスクレコーダ5からの予約完了通知を受けると、視聴・録画予約状況管理テーブルを更新する。また、宅内LAN4に接続されている各機器内でも同様の動作が行われる。この結果、宅内LANの空き伝送帯域が無い場合でも、IP放送録画予約が可能となる。
【0052】
図9に各機器において更新された視聴・録画予約状況管理テーブルを示す。図9は、図5における予約番号6と予約番号7の間に、IP放送録画がハードディスクレコーダ5に、25Mbpsの番組データが8月31日20時〜21時に予約する予約状況が挿入され、予約番号が更新されていることを示す。
【0053】
〔代理設定された録画予約の動作〕
以下、代理設定された録画予約が実行される場合の視聴・録画予約管理部26の動作について説明する。
【0054】
図10はハードディスクレコーダ5における録画予約の代理設定時の動作を示すフローチャートである。
【0055】
(ステップS1001)視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN内の本来録画予約を行った録画機器からの依頼を受け、代理録画が設定し、ステップS1002に進む。
【0056】
(ステップS1002)視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN利用状況管理部25に宅内LAN4の空き伝送帯域を問い合わせ、空き伝送帯域が代理録画設定されている伝送レートより小さいかどうかを調べる。小さい場合はステップS1003、同等もしくは大きい場合はステップS1004へ進む。
【0057】
(ステップS1003)視聴・録画予約管理部26は、録画予約開始時間かどうかを判断し、開始時間であればステップS1005へ進み、開始時間でなければ、ステップS1006へ進む。
【0058】
(ステップS1004)視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN利用状況管理部25、LAN I/F23、宅内LAN4を介して、本来録画予約を行った録画機器へ録画予約設定を戻し、処理を終了する。
【0059】
(ステップS1005)視聴・録画予約管理部26は、代理録画を開始する。
【0060】
(ステップS1006)視聴・録画予約管理部26は、t(>0)時間経過するまでウェイトし、ステップS1002に戻る。なお、ウェイト時間tはあらかじめユーザが設定していてもよい。
【0061】
視聴・録画予約管理部26は、代理録画を行った場合は、宅内LAN4の空き帯域が、本来録画設定した機器(本実施の形態の場合、ハードディスクレコーダ6)へ録画したコンテンツの伝送するための伝送レートより大きくなった時点で、録画したコンテンツを本来録画設定した機器へ移動させる(ムーブ、以降、ムーブと記載)。なお、本来録画設定した機器へのコンテンツのムーブは、宅内LAN4において、伝送帯域の使用率が低い時間帯にムーブする設定とする、あるいは、ムーブしない設定としてもよい。
【0062】
なお、代理録画を行う機器の代理録画を依頼した機器の管理は、視聴・録画予約状況管理テーブルを用いたり、別途代理録画管理テーブルなどを用いたりして管理すればよい。例えば、視聴・録画予約状況管理テーブルに、代理録画の項目を設け、その項目に依頼先機器を一意に判別できる記号等を記載する。
【0063】
以上の動作により、本実施の形態によれば、宅内LANの空き伝送帯域が足りない場合に、宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器で代理録画を行うことが出来、宅内LANの伝送帯域を効率的に使用することが可能となる。
【0064】
(実施の形態2)
本実施の形態では、録画予約または、録画予約が実行されることにより、宅内LANの伝送帯域が使用伝送レートが超えてしまう場合の動作について説明する。本実施の形態におけるシステム構成、各機器の構成は、実施の形態1と同様とする。
【0065】
図11はハードディスクレコーダ5における予約録画開始時の動作を示すフローチャートを示したものである。
【0066】
(ステップS1101)視聴・録画予約管理部26は、視聴・録画予約状況管理テーブルにおける予約内容を常に監視し、予約録画または予約視聴の予約開始時間の一定時間前になった予約を検知するとステップS1102に進む。ここで、一定時間とは代理録画の設定が機器動作として可能な時間を確保するためのもので、例えば、予約開始の10秒前などと、あらかじめ設定しておく。
【0067】
(ステップS1102)視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN利用状況管理部25に該当する予約を実行する時間における宅内LANの利用状況を問い合わせる。宅内LAN利用状況管理部25は、問い合わせを受けた時間帯の宅内LANの空き伝送帯域が、予約実行する際に使用する伝送レートより小さいかどうかを調べ、小さい場合はステップS1103に進み、同等、もしくは大きい場合は、処理を終了する。
【0068】
(ステップS1103)視聴・録画予約管理部26は、視聴・録画予約状況管理テーブルを参照し、予約開始しようとしている予約を実行する時間において、予約録画があるかないかを調べ、予約録画がある場合はステップS1104へ進み、ない場合は、ステップS1107へ進む。
【0069】
(ステップS1104)宅内LAN利用状況管理部25は、問い合わせを受けた時間帯に、宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器があるかどうかを調べ、ある場合はステップS1105へ進み、ない場合はステップS1107へ進む。
【0070】
(ステップS1105)宅内LAN利用状況管理部25は、ステップS1103で検索した録画機器に空きデコーダがあるかどうかを調べ、ある場合はステップS1106へ進み、ない場合はステップS1107へ進む。
【0071】
(ステップS1106)宅内LAN利用状況管理部25は、視聴・録画予約管理部26に問い合わせた予約録画を、検索した録画機器へ設定変更するよう通知し、視聴・録画予約管理部26は、予約録画を変更する。予約録画の変更方法は実施の形態1で説明した方法と同様である。
【0072】
(ステップS1107)宅内LAN利用状況管理部25は、視聴・録画予約管理部26に予約を解除するよう通知する。視聴・録画予約管理部26は、あらかじめ定められた手順に沿って、必要な予約の解除を行う。
【0073】
以下、具体的に上記動作を説明する。
【0074】
図12は本実施の形態における視聴・録画予約状況管理テーブルの一例を示したものである。図12において、予約番号3は、8月31日に19:00〜20:00の間、IPTV8で25MbpsのIP放送を視聴する予約である。ここで、ユーザから20時以降もIPTV8において、視聴を続ける延長操作を受けた場合の動作について説明する。
【0075】
視聴・録画予約管理部26は、図12の視聴・録画予約状況管理テーブルにおける予約内容を常に監視し、予約番号7の録画開始時間の一定時間前になったことを検知する。視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN利用状況管理部25に20:00で終了予定のIP放送視聴が続行される場合の宅内LAN4の利用状況を問い合わせる。
【0076】
宅内LAN利用状況管理部25は視聴・録画予約管理部26、録画機器デコーダ数管理部27に問い合わせて、視聴・録画予約状況管理テーブルと録画機器デコーダ数管理テーブルを参照し、予約番号7の予約時間日時、8月31日の20:00から21:00間の宅内LAN利用状況管理テーブルを作成する。図7に、この場合の宅内LAN利用状況管理テーブルを示す。本実施の形態においても、宅内LAN4の伝送帯域は100Mbpsとする。
【0077】
図12において、予約番号3のIP放送視聴が20:00以降も続行された場合、20:00以降は、予約番号1、2、3、4、7の予約が同時に実行されることになる。各予約は、各々25Mbpsの帯域を利用することから、25Mbps×5=125Mbpsと、宅内LAN4の宅内LAN伝送帯域100Mbpsを超えてしまう。従って、この場合の、宅内LAN利用状況管理テーブルは、図7に示すように、宅内LAN4の空き伝送帯域が0Mbpsとなる。
【0078】
宅内LAN利用状況管理部25は、図7に示す宅内LAN利用状況管理テーブルを参照し、宅内LAN空き伝送帯域を使用伝送レートが超えたことから、予約番号3の予約時間帯に予約録画があるかどうかを調べる。宅内LAN利用状況管理部25は、引き続き、宅内LAN4の伝送帯域を消費しない録画機器があるかどうかを調査する。宅内LAN利用状況管理部25は、LAN I/F23を介して、宅内LAN4に接続している各機器に、宅外ネットワーク2に接続しているかどうかを問い合わせる。本実施の形態の場合は、ハードディスクレコーダ5だけが、宅外ネットワーク2に接続していると応答する。
【0079】
次に、宅内LAN利用状況管理部25は、ハードディスクレコーダ5に当該時間に空きデコーダがあるかどうかを調べる。本実施の形態の場合は、図6の録画機器デコーダ数管理テーブル、図12の視聴・録画予約状況管理テーブルより、ハードディスクレコーダ5のデコーダ数が2であり、ハードディスクレコーダには、既に予約番号5,6が予約されていることから、ハードディスクレコーダ5に空きデコーダが無いため、代理録画の設定はできないと判断する。
【0080】
宅内LAN利用状況管理部25は、視聴・録画予約管理部26に問い合わせ、予約番号7の予約録画が実行できないことを通知する。本実施の形態の場合、視聴・録画予約管理部26は、ユーザに、予約番号7の予約があるため、視聴予約の延長ができないことを通知する。ユーザは、予約番号7の録画予約を解除するか、予約番号3のIP放送視聴を予約通り20:00で終了させるかを選択し、実行する。
【0081】
なお、本実施の形態では、予約の解除は、ユーザにエラー通知を行い、ユーザに解除操作を行わせたが、ユーザに通知せずに、自動的に予約の解除を行ってもよい。予約の解除の優先順位は、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。また、IP放送視聴、IP放送録画予約に関わらず、最後に設定された操作を優先して解除するように設定してもよい。
【0082】
(実施の形態3)
本実施の形態では、IP放送の視聴操作時の動作シーケンスについて説明する。本実施の形態におけるシステム構成図、及び各機器の構成図は実施の形態1と同様である。
【0083】
図13は、図1のIPTV8におけるIP放送視聴開始時の動作を示すフローチャートである。
【0084】
(ステップS1301)視聴・録画予約管理部26は、ユーザよりIP放送の視聴操作が行われたことを検知すると、ステップS1302に進む。
【0085】
(ステップS1302)視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN利用状況管理部25に、視聴前の宅内LAN4の利用状況を問い合わせる。宅内LAN利用状況管理部25は、宅内LAN4内の利用状況を調べ、空き伝送帯域が視聴するコンテンツの伝送レートより小さければステップS1303へ進み、同等、もしくは大きければ、ステップS1308へ進む。
【0086】
(ステップS1303)視聴・録画予約管理部26は、現在、宅内LANを使用して予約録画をしている機器があるかどうかを調査し、あればステップS1304へ進み、なければステップS1306へ進む。
【0087】
(ステップS1304)視聴・録画予約管理部26は、宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器があるかどうかを調査し、録画機器がある場合は、ステップS1305へ進み、ない場合はステップS1306へ進む。
【0088】
(ステップS1305)視聴・録画予約管理部26は、宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器に、現在、空きデコーダがあるかどうかを調査し、ある場合はステップS1307へ進み、ない場合はステップS1306へ進む。
【0089】
(ステップS1306)視聴・録画予約管理部26は、IP放送視聴を不可とし、視聴操作を行わない。
【0090】
(ステップS1307)視聴・録画予約管理部26は、予約録画を宅内LAN4の伝送帯域を消費しない録画機器へ代理録画の設定を行い、ステップS1308に進む。
【0091】
(ステップS1308)視聴・録画予約管理部26は、予約内容に応じて、IP放送視聴を開始する。
【0092】
以下、上記動作を具体的に説明する。
【0093】
各機器の視聴・録画予約管理部26が図5に示す視聴・録画予約状況管理テーブル、録画機器デコーダ数管理部が図6に示す録画機器デコーダ数管理テーブルをそれぞれ保持しているとする。この状況において、IPTV8で、8月31日の20時前にIP放送視聴操作が行われた場合を一例として説明する。
【0094】
まず、IPTV8の視聴・録画予約管理部26は、ユーザがIP放送視聴操作を行ったことを検知し、図5の視聴・録画予約状況管理テーブルを参照し、8月31日の20:00以降の宅内LANの利用状況を宅内LAN利用状況管理部25に問い合わせる。宅内LAN利用状況管理部25は視聴・録画予約管理部26、録画機器デコーダ数管理部27に問い合わせて、図5の視聴・録画予約状況管理テーブルと図6の録画機器デコーダ数管理テーブルを参照し、図7に示した宅内LAN利用状況管理テーブルを作成する。本実施の形態においては、作成済みの宅内LAN利用状況管理テーブルを参照し、8月31日の20:00以降に宅内LANの空き伝送帯域が0Mbpsになることを検知する。
【0095】
次に、宅内LAN利用状況管理部25は、視聴・録画予約状況管理テーブルを参照して、20時以降に、宅内LAN4を使用して予約録画をしている機器がないかを調べる。この場合、予約番号1、6が相当する。さらに、宅内LAN利用状況管理部25は、実施の形態1と同様の動作を行い、宅内LAN4の伝送帯域を消費しないハードディスクレコーダ5に空きデコーダが1つあることを検知し、視聴・録画予約管理部26に、これから予約が実行される予約番号6の予約をハードディスクレコーダ5に変更するよう通知する。
【0096】
IPTV8内の視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN利用状況管理部25、LAN I/F23、宅内LAN4を介して、全機器に録画予約に必要な情報を送信する。変更要求を受信したハードディスクレコーダ5内の視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN4、LAN I/F23、宅内LAN利用状況管理部25を介して、8月31日20時〜21時の録画予約依頼を受信し、録画予約が正常に完了すると、自身の視聴・録画予約状況管理テーブルを更新すると共に、宅内LAN利用状況管理部25、LAN I/F23、宅内LAN4を介して、宅内LAN4に接続している各機器に、予約番号6の予約をIPTV8からハードディスクレコーダ5に変更したことを通知する。IPTV8内の視聴・録画予約管理部26は、ハードディスクレコーダ5からの完了通知を受け、予約内容を変更する。
【0097】
なお、変更要求は、マスタ機器のみに送信し、マスタ機器が予約していた録画機器に予約設定変更を通知してもよい。
【0098】
また、VODを視聴する際の動作シーケンスについては、IP放送を視聴する際の動作シーケンスと同様であるため、説明を省略する。
【0099】
(実施の形態4)
本実施の形態では、視聴予約設定時の動作シーケンスについて具体的に説明する。
【0100】
図14は、図1のシステム構成において、IPTV8における視聴予約設定時の動作を示すフローチャートである。
【0101】
(ステップS1401)視聴・録画予約管理部26は、ユーザより視聴予約が行われると、ステップS1402に進む。
【0102】
(ステップS1402)視聴・録画予約管理部26は、宅内LAN利用状況管理部25に、視聴予約の時間内の宅内LAN4の利用状況を問い合わせる。宅内LAN利用状況管理部25は、宅内LAN4内の利用状況を調べ、空き伝送帯域が視聴するコンテンツの伝送レートより小さければステップS1403へ進み、同等、もしくは大きければ、ステップS1408へ進む。
【0103】
(ステップS1403)視聴・録画予約管理部26は、視聴・録画予約状況管理テーブルを参照し、予約開始しようとしている予約を実行する時間において、予約録画があるかないかを調べ、予約録画がある場合はステップS1404へ進み、ない場合は、ステップS1406へ進む。
【0104】
(ステップS1404)視聴・録画予約管理部26は、宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器があるかどうかを調査し、録画機器がある場合は、ステップS1405へ進み、ない場合はステップS1406へ進む。
【0105】
(ステップS1405)視聴・録画予約管理部26は、宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器に、視聴予約の時間内に空きデコーダがあるかどうかを調査し、ある場合はステップS1407へ進み、ない場合はステップS1406へ進む。
【0106】
(ステップS1407)視聴・録画予約管理部26は、予約内容を宅内LAN4の伝送帯域を消費しない録画機器へ代理録画するよう宅内LAN4内の機器へ通知し、ステップS1408へ進む。
【0107】
(ステップS1406)視聴・録画予約管理部26は、IP放送視聴を不可とし、視聴操作を行わない。
【0108】
(ステップS1408)視聴・録画予約管理部26は、代理録画の予約完了通知を受け視聴予約処理を終了する。
【0109】
本実施の形態において、現在、IPTV8内の視聴・録画予約管理部26が保持する視聴・録画予約状況管理テーブルの状態を図5の状態、録画機器デコーダ数管理部27が保持する録画機器デコーダ数管理テーブルが図6の状態とし、これから、9月2日20時〜21時のIP放送視聴予約を行う場合について説明する。
【0110】
まず、IPTV8において、9月2日20時〜21時のIP放送視聴予約操作が行われる。次に、IPTV8内の宅内LAN利用状況管理部25は、視聴・録画予約管理部26、録画機器デコーダ数管理部27に問い合わせて、視聴・録画予約状況管理テーブルと録画機器デコーダ数管理テーブルを参照して、宅内LAN利用状況管理テーブルを作成する。
【0111】
図15に本実施の形態の場合の宅内LAN利用状況管理テーブルを示す。
【0112】
宅内LAN利用状況管理部25は、作成した宅内LAN利用状況管理テーブルを参照して、既設定されている当該時間の録画予約により宅内LAN空き伝送帯域が録画予約するコンテンツの伝送レートより小さいかどうかを判定する。この場合、図15に示すように、9月2日20時〜21時では空き伝送帯域が0Mbpsとなるため、宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器、すなわち、ルータに直接接続されているハードディスクレコーダ5があるかどうかを問い合わせる。
【0113】
この場合、ハードディスクレコーダ5は存在するので、宅内LAN利用状況管理部25は、ハードディスクレコーダ5に視聴予約を設定する時間において、空きデコーダがあるかどうかを調べる。本実施の形態の場合、9月2日20時〜21時では図14の宅内LAN利用状況管理テーブルを参照して、ハードディスクレコーダ5に空きデコーダがあることが確認できるため、図5の当該時間において予約番号の最も大きい、すなわち、最も遅い録画開始時間である予約番号12のIP放送録画をハードディスクレコーダ5に代理録画設定する。代理録画の設定方法は、実施の形態1などと同様の動作を行う。
【0114】
この結果、9月2日20時〜21時にIPTV8でのIP放送視聴が可能な宅内LAN伝送帯域が確保されるため、IPTV8でのIP放送視聴予約が設定可能となる。
【0115】
以上の動作により、本実施の形態によれば、視聴予約を行う場合に、宅内LANの空き伝送帯域が足りない場合に、宅内LANの伝送帯域を消費しない録画機器で代理録画を行うことで、視聴予約を行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明にかかるIP放送録画方法は、IP放送環境下における宅内LANの優先制御技術として有用である。
【0117】
例えば、TV同軸ケーブルを用いた通信技術であるc.LINKや無線LAN、電力線を用いた通信技術PLC(Power Line Communication)のように1つのネットワークで伝送帯域をシェアリングしているメッシュ型のネットワークにおいて、本発明は有効である。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の宅内LANの一構成例を示す図
【図2】本発明におけるマスタ機器となる宅内受信装置の一構成例を示すブロック図
【図3】本発明におけるマスタ機器以外の宅内受信装置の一構成例を示すブロック図
【図4】本発明におけるマスタ機器以外の宅内受信装置の他の一構成例を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態1における視聴・録画予約状況管理テーブルの一例を示す図
【図6】本発明における録画機器デコーダ数管理テーブルの一例を示す図
【図7】本発明の実施の形態1における宅内LAN利用状況管理テーブルの一例を示す図
【図8】同録画予約設定時の動作を示すフローチャート
【図9】同録画予約の代理設定時の動作を示すフローチャート
【図10】同予約録画開始時の動作を示すフローチャート
【図11】本発明の実施の形態2における予約録画開始時の動作を示すフローチャート
【図12】同視聴・録画予約状況管理テーブルの一例を示す図
【図13】本発明の実施の形態3における視聴操作時の動作を示すフローチャート
【図14】本発明の実施の形態4における視聴予約設定時の動作を示すフローチャート
【図15】同宅内LAN利用状況管理テーブルの一例を示す図
【符号の説明】
【0119】
1 VODサーバ
2 宅外ネットワーク
3 ルータ
4 宅内LAN
5、6 ハードディスクレコーダ
7 STB
8、9、10 IPTV
23 LAN I/F
24 IP放送受信ユニット
25 宅内LAN利用状況管理部
26 視聴・録画予約管理部
27 録画機器デコーダ数管理部
28 記録装置
29 WAN I/F
30 表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
宅外ネットワークに直接接続された映像受信装置をマスタ機器とし、少なくとも1台のマスタ機器と前記宅外ネットワークに直接接続されていない複数の映像受信装置が同一の宅内ネットワークに接続している代理録画システムにおいて、
前記マスタ機器以外の映像受信装置は、前記宅外ネットワークから伝送されるデータを前記マスタ機器を介して受信し、
前記マスタ機器以外で行われる所定の動作によって、前記宅内ネットワーク内の伝送帯域が不足する場合には、前記マスタ機器以外に設定された録画予約を前記マスタ機器で代理実行することを特徴とする代理録画システム。
【請求項2】
前記マスタ機器以外で行われる所定の動作は、録画予約であることを特徴とする請求項1に記載の代理録画システム。
【請求項3】
前記マスタ機器以外で行われる所定の動作は、放送視聴予約であることを特徴とする請求項1に記載の代理録画システム。
【請求項4】
前記マスタ機器以外に行われる所定の動作は、放送視聴であることを特徴とする請求項1に記載の代理録画システム。
【請求項5】
前記マスタ機器以外に行われる所定の動作は、ビデオ・オン・デマンドの視聴であることを特徴とする請求項1に記載の代理録画システム。
【請求項6】
前記放送は、インターネット通信回線を利用して行われる放送であることを特徴とする請求項4に記載の代理録画システム。
【請求項7】
前記マスタ機器が代理実行する録画予約の開始前に、前記宅内ネットワークに前記代理実行する録画予約を実行するために必要な伝送帯域が確保できる場合には、前記マスタ機器は、前記代理実行する録画予約を本来録画予約された映像受信装置に戻すことを特徴とする請求項1ないし請求項6に記載の代理録画システム。
【請求項8】
前記マスタ機器は、代理録画で録画した録画済データを伝送するために必要な伝送帯域が前記宅内ネットワークに確保できる場合には、前記録画済データを本来録画予約された映像受信装置へ移動させることを特徴とする請求項1ないし請求項7記載の代理録画システム。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8記載の代理録画システムにおける映像受信装置であって、
ユーザからの所定の動作によって、前記宅内ネットワーク内の伝送帯域が不足する場合には、前記マスタ機器以外に設定された録画予約を前記マスタ機器に代理実行させることを特徴とする映像受信装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項8記載の代理録画システムにおける映像受信装置であって、
ユーザからの所定の動作によって、前記宅内ネットワーク内の伝送帯域が不足する場合には、他の映像受信装置に設定された録画予約を代理実行することを特徴とする映像受信装置。
【請求項11】
代理実行する録画予約の開始前に、前記宅内ネットワークに前記代理実行する録画予約を実行するために必要な伝送帯域が確保できる場合には、前記代理実行する録画予約を本来録画予約された映像受信装置に戻すことを特徴とする請求項10記載の映像受信装置。
【請求項12】
代理録画で録画した録画済データを伝送するために必要な伝送帯域が前記宅内ネットワークに確保できる場合には、前記録画済データを本来録画予約された映像受信装置へ移動させることを特徴とする請求項11記載の映像受信装置。
【請求項13】
宅外ネットワークに直接接続された映像受信装置をマスタ機器とし、少なくとも1台のマスタ機器と前記宅外ネットワークに直接接続されていない複数の映像受信装置が同一の宅内ネットワークに接続しているネットワークシステムにおける代理録画方法であって、
前記マスタ機器以外で行われる所定の動作によって、前記宅内ネットワーク内の伝送帯域が不足する場合には、前記マスタ機器以外に設定された録画予約を前記マスタ機器で代理実行させることを特徴とする代理録画方法。
【請求項14】
請求項13に記載の代理録画方法において、前記マスタ機器以外で行われる所定の動作によって、前記宅内ネットワーク内の伝送帯域が不足する場合には、前記マスタ機器以外に設定された録画予約を前記マスタ機器で代理実行させるステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
宅外ネットワークに直接接続された映像受信装置をマスタ機器とし、少なくとも1台のマスタ機器と前記宅外ネットワークに直接接続されていない複数の映像受信装置が同一の宅内ネットワークに接続している代理録画システムにおいて、
前記マスタ機器以外の映像受信装置は、前記宅外ネットワークから伝送されるデータを前記マスタ機器を介して受信し、
前記マスタ機器以外で行われる所定の動作によって、前記宅内ネットワーク内の伝送帯域が不足する場合には、前記マスタ機器以外に設定された録画予約を前記マスタ機器で代理実行することを特徴とする代理録画システム。
【請求項2】
前記マスタ機器以外で行われる所定の動作は、録画予約であることを特徴とする請求項1に記載の代理録画システム。
【請求項3】
前記マスタ機器以外で行われる所定の動作は、放送視聴予約であることを特徴とする請求項1に記載の代理録画システム。
【請求項4】
前記マスタ機器以外に行われる所定の動作は、放送視聴であることを特徴とする請求項1に記載の代理録画システム。
【請求項5】
前記マスタ機器以外に行われる所定の動作は、ビデオ・オン・デマンドの視聴であることを特徴とする請求項1に記載の代理録画システム。
【請求項6】
前記放送は、インターネット通信回線を利用して行われる放送であることを特徴とする請求項4に記載の代理録画システム。
【請求項7】
前記マスタ機器が代理実行する録画予約の開始前に、前記宅内ネットワークに前記代理実行する録画予約を実行するために必要な伝送帯域が確保できる場合には、前記マスタ機器は、前記代理実行する録画予約を本来録画予約された映像受信装置に戻すことを特徴とする請求項1ないし請求項6に記載の代理録画システム。
【請求項8】
前記マスタ機器は、代理録画で録画した録画済データを伝送するために必要な伝送帯域が前記宅内ネットワークに確保できる場合には、前記録画済データを本来録画予約された映像受信装置へ移動させることを特徴とする請求項1ないし請求項7記載の代理録画システム。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8記載の代理録画システムにおける映像受信装置であって、
ユーザからの所定の動作によって、前記宅内ネットワーク内の伝送帯域が不足する場合には、前記マスタ機器以外に設定された録画予約を前記マスタ機器に代理実行させることを特徴とする映像受信装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項8記載の代理録画システムにおける映像受信装置であって、
ユーザからの所定の動作によって、前記宅内ネットワーク内の伝送帯域が不足する場合には、他の映像受信装置に設定された録画予約を代理実行することを特徴とする映像受信装置。
【請求項11】
代理実行する録画予約の開始前に、前記宅内ネットワークに前記代理実行する録画予約を実行するために必要な伝送帯域が確保できる場合には、前記代理実行する録画予約を本来録画予約された映像受信装置に戻すことを特徴とする請求項10記載の映像受信装置。
【請求項12】
代理録画で録画した録画済データを伝送するために必要な伝送帯域が前記宅内ネットワークに確保できる場合には、前記録画済データを本来録画予約された映像受信装置へ移動させることを特徴とする請求項11記載の映像受信装置。
【請求項13】
宅外ネットワークに直接接続された映像受信装置をマスタ機器とし、少なくとも1台のマスタ機器と前記宅外ネットワークに直接接続されていない複数の映像受信装置が同一の宅内ネットワークに接続しているネットワークシステムにおける代理録画方法であって、
前記マスタ機器以外で行われる所定の動作によって、前記宅内ネットワーク内の伝送帯域が不足する場合には、前記マスタ機器以外に設定された録画予約を前記マスタ機器で代理実行させることを特徴とする代理録画方法。
【請求項14】
請求項13に記載の代理録画方法において、前記マスタ機器以外で行われる所定の動作によって、前記宅内ネットワーク内の伝送帯域が不足する場合には、前記マスタ機器以外に設定された録画予約を前記マスタ機器で代理実行させるステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−182420(P2009−182420A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−17758(P2008−17758)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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