代表照度調光制御システム
【課題】照度センサを節減して施工コストを低減し、代表照度調光制御システムでありながら正確な調光制御を行って、省エネルギーが可能な照明制御システムを提供する。
【解決手段】広い照明エリアが複数に区分された調光制御エリアから代表調光制御エリアが選択され、この代表調光制御エリアにのみ代表照度センサが配置され、コントロールユニットが、代表照度センサの現在照度と設定照度とを比較して、代表調光制御エリアに対する調光出力値を増減補正し、補正された調光出力値を照明エリアの全体に対し出力して調光制御する代表照度調光制御システムであって、代表調光制御エリアに対する調光出力値を補正した回数をカウントする補正許可カウンタを備え、補正許可カウンタが所定の調光出力値補正回数をカウントしたとき、その時点における代表調光制御エリアに対する調光出力値を照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力する代表照度調光制御システム。
【解決手段】広い照明エリアが複数に区分された調光制御エリアから代表調光制御エリアが選択され、この代表調光制御エリアにのみ代表照度センサが配置され、コントロールユニットが、代表照度センサの現在照度と設定照度とを比較して、代表調光制御エリアに対する調光出力値を増減補正し、補正された調光出力値を照明エリアの全体に対し出力して調光制御する代表照度調光制御システムであって、代表調光制御エリアに対する調光出力値を補正した回数をカウントする補正許可カウンタを備え、補正許可カウンタが所定の調光出力値補正回数をカウントしたとき、その時点における代表調光制御エリアに対する調光出力値を照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力する代表照度調光制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスの執務空間など比較的広い場所における照明器具の経年変化に伴う照明の劣化や照明器具交換時における過剰照明を自動的に調光出力制御する代表照度調光制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に蛍光ランプは、点灯時間の経過とともにその発光量の低下や照明器具の汚れに伴う器具効率の低下などによって照明器具の照度が低下していく。このため、蛍光ランプの平均寿命を考慮して寿命末期においても設計照度が維持できるように、初期点灯時には設計照度に対してかなり明るい照度に設定されていた。
よって初期点灯時には、蛍光ランプの照度が設計照度に比べてかなり明るく、余分な明るさが発生するため、無駄なエネルギーが消費されていた。
【0003】
省エネを図るため、照明制御装置により初期照度補正を行うこととすれば、蛍光ランプの明るさを常に設計照度に保ち、初期照度補正を行わない場合のように初期点灯時に余分な明るさが発生しないので、省エネルギーが実現することが可能となる。
【0004】
このような照明制御装置を備えたものとして、照明器具の累積点灯時間に対して調光レベルを自動的に調整して照度を一定に保つ照明器具が知られている。
この照明器具は、ランプと、入力電源を入力されてランプを点灯させる電子式の安定器と、入力電源によって動作し、安定器2調光制御する調光信号を出力する調光制御部と、リセット信号を調光制御部に出力するリセットスイッチとから構成されている(特許文献1)。
【0005】
一方、照度センサの出力に基づいて調光する照明制御システムが一般的に採用されている(特許文献2)。
この一般的な照明制御システムは、照度センサ1台が受け持つ範囲である調光区分が、壁スイッチ・人検知センサ等によりオン・オフ又はオン・減光制御される点灯区分の範囲と同じか、あるいはその範囲よりも広く設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4259140号公報
【特許文献2】特開平11−74087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の照明器具は、図7に示されるように、コントロールユニット部と照明器具部が一体化されているもので、コントロールユニット部の制御CPUは、使用時間計測タイマーが設定された累計点灯時間を計測したとき、調光信号を生成して調光回路に出力し、調光回路は調光信号に応じた光量にて照明器具を点灯するものである。
【0008】
この照明器具の調光制御部であるコントロールユニット部は、調光レベルを自動的に調整して照度を一定に保つことができる反面、照明器具毎に調光制御部を備えていることから、照明器具単体の価格が高く、オフィスの執務空間など比較的広い場所における照明器具として用いる場合多数の照明器具を設置する必要があることから、イニシャルコストの増大要因となり適切でない。また、照明器具それぞれにタイマーの設定等の作業を伴い施工コストを押し上げることとなる。
【0009】
特許文献2の照度センサの出力に基づいて調光する照明制御システムにおいて、調光区分の範囲が点灯区分の範囲と同じに設定されている場合は、図8に示されるように、日光や雷光等の外乱の影響を受けるペリメータゾーン以外のインテリアゾーン全体が照度制御対象とされ、この照度制御対象は壁スイッチ・人検知センサ等によりオン・オフ又はオン・減光制御される破線で示される点灯エリアに区分され、同時にこの点灯エリアと同一の区画が実線で示される調光制御エリアとされている。
そして、この調光制御エリア毎に照度センサが設けられている。
【0010】
この調光制御システムは、図9に示されるように、上記調光制御エリア毎に照度センサとコントロールユニットを備え、各調光制御エリアはこのコントロールユニットにより個別に調光制御されている。
【0011】
この調光制御システムは、図10に示されるフローチャートにしたがって制御され、制御CPUは、現在照度が設定照度と一致している限り無限ループを実行し、現在照度が設定照度と一致していないと判断したとき、現在照度が設定照度より低いか否か判断し、低いと判断したときは調光出力を増加し、高いと判断したときは調光出力を減少して、再度現在照度が設定照度と一致するかの判断ステップに戻り、上記ルーチンを繰り返し実行するものである。
【0012】
この調光制御システムは、調光制御エリア毎、図8から理解できるように点灯エリア毎に独立して調光制御するものであるから、正確な調光制御を達成することができる反面、調光制御エリア毎にコントロールユニットと照度センサを配設する必要があることから、調光制御システムを構築するにあたってのイニシャルコストが極めて高くなるとともに、メンテナンス対象機器類が多数にのぼりメンテナンスコストも嵩む恐れがある。
【0013】
特許文献2の照度センサの出力に基づいて調光する照明制御システムにおいて、図11に示されるように、実線で示される調光制御エリアの範囲が破線で示される点灯エリアの範囲よりも広く設定されている場合は、調光制御エリア内のいずれかの点灯エリア、特に照度センサの設置された当該点灯エリア(図11右図の右下エリア)が消灯されていると、照度センサの検出値が消灯の影響を強く受けるため、調光制御エリア内の他の点灯エリアの照度出力を過剰にしてしまう事象が生じ(図11右図参照)、エネルギーの浪費を招くこととなる。
【0014】
この問題を解決するために、図12に示すように、日光や雷光等の外乱の影響を受けるペリメータゾーン以外のインテリアゾーンについて、
多数の照明器具を備えた1つの全体照明エリアを複数の調光制御エリアに区分して、この複数の調光制御エリアのうちから1以上の代表調光制御エリアを選択し、
この代表調光制御エリアにのみ1つの代表照度センサを配置するとともに、代表調光制御エリア内の各点灯エリアに人検知センサ等の消灯信号発生器を配置し、
全体照明エリアの全ての照明器具の照度を制御するコントロールユニットは、消灯信号発生器から消灯信号を受信していないとき、この例では全ての人検知センサが人を検知しているとき、代表調光制御エリア内の全ての照明器具が点灯状態にあると判断して、
このとき代表調光制御エリアに配設された代表照度センサの照度が設定照度と一致するまで代表調光制御エリア内の照明器具の調光出力を増減し、一致したときの代表調光制御エリア内調光信号を全体照明エリアの全ての照明器具に対し出力して、当該照明器具の照度を統一して設定された照度に調光制御する代表照度調光制御システム、
が考えられる。
【0015】
この図13に示される代表照度調光制御システムについて、図14を参照して制御CPUの動作を説明する。
制御CPUは、代表調光制御エリア内の照明器具は全て点灯しているか否かを判断する。
例えば図12右図のように、代表調光制御エリアが4つの点灯エリアに区分されているケースにおいて、右下の点灯エリアが点灯していないときは、ステップ3の代表照度と設定照度が一致しているか否かの判断を行わない。
すなわち、このときはステップ1の無限ループを実行してステップ3には進まない。
代表調光制御エリア内の照明器具が全て点灯していないときは、上述したように照明器具が過剰照明となり、エネルギーを浪費することとなるからである。
なお、照明器具が点灯中であるとの信号は、点灯スイッチのON動作信号や人検知センサの人検知信号を用いる。
【0016】
代表調光制御エリア内の照明器具が全て点灯していると判断したとき、制御CPUは点灯時間が所定時間経過したか否かを判断する(ステップ2)。
この構成により、各器具の照度が不安定な時期の照度をカットして適正な照度の計測値を取得するようにする。
【0017】
代表調光制御エリア内の全照明器具の点灯状態が所定時間継続した後、代表調光制御エリアの照度、すなわち、2つの代表照度センサの平均照度(以下「代表照度」という。)が、設定照度と一致しているか否かを判断する(ステップ3)。
代表照度が設定照度と一致していないときはステップ4へ進み、代表照度は設定照度より低いか否かを判断する。
【0018】
代表照度が設定照度より低いときは、制御CPUは代表調光制御エリアの調光回路から現在のPWM信号出力より若干大きめのPWM信号を出力(ステップ5)し、逆に代表照度が設定照度より高いときは、調光回路から現在のPWM信号出力より若干小さめのPWM信号を出力(ステップ6)し、設定照度と一致するまでこの動作を繰り返す、所謂フィードバック方式を実行するものである。
【0019】
そして、代表調光制御エリアの代表照度が設定照度と一致したときは、それぞれの代表照度センサからの照度信号を平均した代表照度に基づいて、上記した全体照明エリアの全ての照明器具に対応する調光回路を介して調光信号を生成し、この生成した調光信号を対応する照明器具のそれぞれの安定器に対し出力して、当該照明器具の照度を設定された照度に統一して調光制御する。
【0020】
このように、代表調光制御エリアにおいて先ず、フィードバック方式にて設定照度と一致させるための調光出力値を探索・決定し、この決定した調光出力値を制御対象とする全ての照明器具に対して適用する。
全照明器具に対する調光制御が完了したら、ステップ2とステップ3の間に戻り、連続して上記の動作を繰り返すものである。
【0021】
パーソナル調光制御システムを構築する場合にあっては、人検知センサを照明器具を点滅する区画であるパーソナルな点灯エリア毎に設置して、人検知センサが人を検知したとき当該点灯エリアの照明器具を点灯し、人検知センサが人を検知しなくなったとき当該点灯エリアの照明器具を消灯・減光制御するようにすればよい。
【0022】
上記したように、この代表照度調光制御においては、数台の代表照度センサ出力値を演算することにより、ペリメータゾーンを除くフロア全体の照明エリアの全ての照明器具の調光出力を制御することができるが、この代表照度調光制御システムは、消灯信号を発生するために、照明器具が消灯又は減光している情報、例えば人検知情報や壁スイッチの状態情報、を必要とすることから、壁スイッチとの情報通信や人検知センサの追加費用を要することとなりコストアップとなる可能性があり、更なるコストダウンの余地がないとはいえない。
また、たとい壁スイッチとの情報通信を可能とする配線をし、あるいは人検知センサを配設したとしても、照明器具を交換した直後における過剰な照明を防止することは困難である。
【0023】
本発明は、上述した種々の課題を解決するために創作されたもので、照明器具単体のコストを低廉にするとともに、照明器具設置工事を簡略化して施工コストを低減し、複数の点灯エリアのうち1つ以上のエリアで消灯していれば、照度センサの信号レベルは低いものとなって照明器具を補正すべき適正値より高めに補正することとなること、及び、照明器具交換時において過剰に照明することを防止し、周辺の蛍光器具から受けるセンシングの影響を抑制して正確な調光制御を行って、明確に省エネルギーに資することが可能な照明制御システムをイニシャルコストを抑制して安価に提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
請求項1に係る発明は、多数の照明器具を備えた1つの全体照明エリアが複数の調光制御エリアに区分され、この複数の調光制御エリアから少なくとも1つの代表調光制御エリアが選択され、この選択された代表調光制御エリアにのみ、前記照明器具による被照射面の照度を該被照射面からの反射光により計測する1つの代表照度センサが配置され、前記全体照明エリアの全ての照明器具を調光制御するコントロールユニットが、 前記代表照度センサの現在照度と設定照度とを比較して、前記現在照度が前記設定照度より低いとき前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を増補正し、前記現在照度が前記設定照度より高いとき前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を減補正し、補正された代表調光制御エリアに対する調光出力値を、全体照明エリアの全ての照明器具に対し出力して、当該照明器具の照度を統一して前記設定照度に調光制御する代表照度調光制御システムであって、
前記コントロールユニットは、前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を補正した回数をカウントする補正許可カウンタを備え、前記現在照度と前記設定照度との乖離幅が所定範囲内にあると判断したとき、前記補正許可カウンタをカウントアップするとともに、前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を増減補正し、前記補正許可カウンタが所定の調光出力値補正回数をカウントしたとき、その時点における前記代表調光制御エリアに対する調光出力値、又は、該調光出力値と前記全体照明エリアに対する現行の調光出力値とを統合した統合調光出力値、を前記全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力する代表照度調光制御システムとした。
【0025】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載された代表照度調光制御システムであって、前記代表調光制御エリアが複数選択され、この選択された代表調光制御エリア毎に、前記代表照度センサと前記補正許可カウンタを備え、前記補正許可カウンタが、夫々の代表調光制御エリアについて所定の調光出力値補正回数をカウントしたとき、その時点における補正調光出力値を対応する代表調光制御エリア別記憶部に保存するとともに、補正調光出力値を保存した旨を示すフラグをオンする処理を終了した後に、夫々の代表調光制御エリアについて順次前記フラグがオンか否か判断し、前記フラグがオンであるとき、対応する代表調光制御エリア別記憶部に保存されている調光出力値と全体照明エリアに対する現行の調光出力値とを統合した統合調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し出力することを特徴としている。
【0026】
請求項3に係る発明は、請求項2のコントロールユニットが、任意の代表調光制御エリアについてのフラグがオンであるとき、全体照明エリアに対する現行の調光出力値と対応する代表調光制御エリア別記憶部に保存されている前記補正調光出力値とを加重平均処理した平均調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力することを特徴としている。
【0027】
請求項4に係る発明は、請求項2のコントロールユニットが、仮補正値を初期化した後、任意の代表調光制御エリアについてのフラグがオンであるとき、前記仮補正値とフラグがオンである代表調光制御エリアの各補正調光出力値のうち最大の調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力することを特徴としている。
【0028】
請求項5に係る発明は、多数の照明器具を備えた1つの全体照明エリアが複数の調光制御エリアに区分され、この複数の調光制御エリアから少なくとも1つの代表調光制御エリアが選択され、この選択された代表調光制御エリアにのみ、前記照明器具による被照射面の照度を該被照射面からの反射光により計測する1つの代表照度センサが配置され、前記全体照明エリアの全ての照明器具を調光制御するコントロールユニットが、前記代表照度センサの現在照度と設定照度とを比較して、前記現在照度が前記設定照度より低いとき前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を増補正し、前記現在照度が前記設定照度より高いとき前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を減補正し、補正された代表調光制御エリアに対する調光出力値を、全体照明エリアの全ての照明器具に対し出力して、当該照明器具の照度を統一して前記設定照度に調光制御する代表照度調光制御システムであって、
前記コントロールユニットは、前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高いとき、照明器具が交換されて過剰照明状態にあると判断し、当該照明器具の調光下限値を限度として減補正した前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力し、前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より低いとき、代表調光制御エリア内のいずれかの点灯エリアの照明器具が消灯状態にあると判断し、調光制御を実行しない代表照度調光制御システムとした。
【0029】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された代表照度調光制御システムのコントロールユニットが、前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高いとの判断回数をカウントする減光許可カウンタを備え、該減光許可カウンタが所定回数をカウントしたとき、照明器具が交換されて過剰照明状態にあると判断し、当該照明器具の調光下限値を限度として調光出力値を減補正することを特徴としている。
【0030】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された代表照度調光制御システムコントロールユニットが、前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高く、かつ、現在の調光出力値が当該照明器具の調光出力下限値に該当することをカウントする調光出力下限値カウンタを備え、該調光出力下限値カウンタが所定回数をカウントしたとき、その時点における前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力することを特徴としている。
【発明の効果】
【0031】
請求項1に係る発明によれば、代表調光制御エリアにのみ1つの照度センサを設けて、広域の範囲の多数の照明器具を適正に調光制御することができるから、調光制御エリア毎にコントロールユニットと照度センサを配設する必要がないので、調光制御システムを構築するにあたってのイニシャルコストを極めて低廉化することができ、メンテナンス対象機器類を削減してメンテナンスコストも安価にすることが可能となる。
また、代表照度センサの現在照度と設定照度とを比較して、現在照度が設定照度より低いとき代表調光制御エリアに対する調光出力値を増補正し、現在照度が設定照度より高いとき代表調光制御エリアに対する調光出力値を減補正することとして、代表調光制御エリアに対する調光出力値の微調整を所定回数繰り返し、代表調光制御エリア内での調光制御の適正さを確保することができる。
【0032】
さらに、代表調光制御エリアに対する調光出力値を補正した回数をカウントする補正許可カウンタが、所定の調光出力値補正回数をカウントしたとき、その時点における代表調光制御エリアに対する調光出力値、又は、該調光出力値と全体照明エリアに対する現行の調光出力値とを統合した統合調光出力値、を全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力することとしているので、代表調光制御エリアの照明器具に対する調光出力値である調光率の微調整を所定回実行した後に全体照明エリアに対し調光出力するから、適度の頻度で全体照明エリアの調光制御を実行して照度の過不足を適正周期で調整することができる。
【0033】
請求項2に係る発明によれば、代表照度センサを複数設けて複数のポイントでの照度の過不足を統合して調光制御するので、広域の全体照明エリアの照度を平均化して調光することができて、請求項1に係る発明に比し調光制御の精度を向上することができる。
【0034】
請求項3に係る発明によれば、ある代表調光制御エリアの調光率が補正されている場合は、請求項4に係る発明のように、全ての代表調光制御エリアの補正履歴について判断するのを待つまでもなく、当該補正値は加重平均された補正値として直ちに反映され、即座に全調光制御エリアの照明器具に出力して調光制御することができ、即効性に優れている。
【0035】
請求項4に係る発明によれば、全ての代表調光制御エリアの補正履歴について判断した後、最大の補正値を全調光制御エリアの照明器具の調光率として出力することにより、最も調光出力の弱い代表調光制御エリアの調光率に歩調を合わせて全調光制御エリアの照明器具を調光制御して、調光不足のエリアを皆無とすることができ、快適な照明空間を確保することができる。
【0036】
請求項5に係る発明によれば、コントロールユニットは、前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高いとき、照明器具が交換されて過剰照明状態にあると判断し、当該照明器具の調光下限値を限度として減補正した調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し出力し、前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より低いとき、代表調光制御エリア内のいずれかの点灯エリアの照明器具が消灯状態にあると判断し、調光制御を実行しないこととしたから、照明器具単体のコストを低廉にするとともに、壁スイッチとの情報通信用配線や人検知センサを不要として照明器具設置工事を簡略化して施工コストを低減することができる。
【0037】
また通常であれば、複数の点灯エリアのうち1つ以上のエリアで消灯している場合、照度センサの信号レベルは低いものとなって、照明器具を補正すべき適正値より高めに補正して不必要に照度を上げて電力を無駄に消費することとなるが、本発明によれば、いずれかの点灯エリアの照明器具が消灯状態にあると判断して調光制御を実行しないから、省エネルギーに大きく貢献することができる。
さらに、照明器具交換時において過剰に照明することを防止し、周辺の蛍光器具から受けるセンシングの影響を抑制して正確な調光制御を行って、明確に省エネルギーに資することが可能となり、照明制御システムをイニシャルコストを抑制しつつ安価に提供することができる。
【0038】
要するに、請求項5に係る代表照度調光制御システムは、現在照度が設定照度との適正乖離幅内にないとき正常でないと判断して、上記したように適切に処理するとともに、現在照度が適正乖離幅内にあるとき照度の過不足に応じて調光率を漸増減させるようにしたから、各点灯エリアに人検知センサを設けることなく、また、通信用配線をすることなく、代表調光制御エリア内の少なくとも1つの点灯エリアが消灯又は減光していること、及び、各調光制御エリア内の照明器具の多くが交換されて照度が向上して照明過剰状態にあることをソフトウェア的に判断する機能を備え、エネルギーの浪費を大きく抑制することができる優れたシステムを構築することができるものである。
【0039】
請求項6に係る発明によれば、現在照度が、設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、設定照度より高いとの判断回数をカウントする減光許可カウンタを備えているから、当該判断回数が、所定回数に達した段階で初めて代表調光制御エリアの照明器具に対する調光出力値を減少させて、調光制御を極めて正確に行うことができる。
【0040】
請求項7に係る発明によれば、前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高く、かつ、現在の調光出力値が当該照明器具の調光出力下限値に該当することをカウントする調光出力下限値カウンタを備えているから、調光率下限カウンタが所定値に達していること、すなわち、代表調光制御エリアにおいて現在使用中の照明器具諸元の調光率下限値であるという同一の結論に複数回到達したことを確認した後、全調光制御エリアの照明器具にこの調光率下限値を出力して、全調光制御エリアの照明器具の照度を極めて正確に統一して設定した照度に調光制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本発明の全体照明エリア内の代表調光制御エリアと該エリア内の点灯エリアを示す代表照度調光制御システム模式図である。
【図2】図2は、図1を拡大して、本発明の代表照度センサを具体的に配置した代表照度調光制御システム模式図である。
【図3】図3は、本発明の代表照度調光制御システム構成図である。
【図4】図4は、本発明の実施例1の代表照度調光制御システムの調光出力補正に係るフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の実施例2の代表照度調光制御システムの調光出力補正に係るフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の実施例2の代表照度調光制御システムの複数の代表エリアの複数補正値統合に係るフローチャートである。
【図7】図7は、第1の従来発明(特許文献1)の照明制御システム構成図である。
【図8】図8は、第2の従来発明(特許文献2)の1つの点灯エリアを調光制御エリアとする調光制御システム模式図(その1)である。
【図9】図9は、同従来発明の照明制御システム構成図である。
【図10】図10は、同従来発明の照明制御システムのフローチャートである。
【図11】図11は、第2の従来発明(特許文献2)の4つの点灯エリアを調光制御エリアとする調光制御システム模式図(その2)である。
【図12】図12は、第2の従来発明を改良した、各点灯エリアに人検知センサを設け、4つの点灯エリアを代表調光制御エリアとする代表照度調光制御システム模式図である。
【図13】図13は、図12に示した代表照度調光制御システム構成図である。
【図14】図14は、図12に示した代表照度調光制御システムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の実施の形態について、主として図1の全体照明エリア内の代表調光制御エリアと該エリア内の点灯エリアを示す代表照度調光制御システム模式図を参照して、図2、図3を援用しながら説明する。
本発明の代表照度調光制御システムは、日光や雷光等の外乱の影響を受けるペリメータゾーンを除くインテリアゾーン全体を調光制御対象としており、この調光制御対象は点灯スイッチ等によって点灯・消灯される破線で示される点灯エリアに区分され、本実施の形態では、この4つの点灯エリアを統括して調光制御する実線で示される多数の調光制御エリアが区画されている。
図3のコントロールユニット内のPWM出力する各調光回路が、この調光制御エリア内の全照明器具を調光制御するものである。
そして、この多数の調光制御エリアのうち少なくとも1つ、後述する実施例1では1つの代表調光制御エリアのみに、また、後述する実施例2では複数の代表調光制御エリアの各々に、1つの代表照度センサが設けられた代表照度調光制御システムとされている。
【0043】
本発明の代表照度調光制御システムは、図1右図、図3をみて理解できるように、図12、図13に示されているような、人検知センサは点灯エリア毎に配設されておらず、また、照明器具の点灯状態出力、例えば壁スイッチの状態情報をコントロールユニットに送信する通信部を備えていない。
この構成により、人検知センサ等の部品代のみならず、通信のための配線工事を削減してシステムの設置工事費用を削減することができる。また、通信用配線の維持管理コストも不要とすることができる。
【0044】
さらにまた、各調光制御エリアは、狭くとも隣接する他の調光制御エリアに配置された照明器具の照明の影響を受けない範囲を確保する必要がある。
本明細書において『狭くとも隣接する他の調光制御エリアに配置された照明器具の照明の影響を受けない範囲』とは、当該範囲内に設置された照度センサが、隣接する範囲の照明器具が点灯し、消灯しているいずれの場合においても、当該範囲において同一の照度計測値を示すことが求められる範囲であって、照度センサの検知範囲を超えた広さの範囲で、照明器具の配置高さに応じて変動する範囲を意味する。
例えば、現時点における平均的な照度センサの能力では、図2に示されるように、照明器具が標準的な天井高である2.8mの高さに配設されている場合にあっては、狭くとも照明器具の照明の影響を受けない範囲は7.2m平方以上の範囲に設定するのが適正な範囲となることが判明している。
そこで本発明は、調光制御エリアの範囲を少なくとも7.2m平方の範囲に設定することとしている。
【0045】
代表照度センサは、全体照明エリアに対し1つ又は2つ配設することとしているが、3つ配設しても4つ配設しても構わない。
代表照度センサを多く配設すればするほど調光制御の精度の向上を図ることができるが、照度センサ設備費の増大との関係で考慮する必要がある。
また、代表照度センサ1つに対しコントロールユニットを1つ備える構成とすることもできる。但しこの場合は、コントロールユニットと代表照度センサが1対1の対応になるので、複数の代表照度センサの計測値を1つのコントロールユニットにて調光制御する本実施例に比し調光制御の精度は多少下がるが問題はない。
【0046】
さらに、照明器具設置台数が、コントロールユニットが制御可能な台数を超える場合には、その制御能力に応じて複数のコントロールユニットを設けることとすればよい。このときは、各コントロールユニットを統括する統括コントロールユニットを備えることが好ましい。
さらにまた、本実施例においては、各調光制御エリアを4つの点灯エリアに区分しているが、必ずしも点灯エリアに区分する必要はない。
【0047】
そして、上記したように本発明の各点灯エリアには人検知センサ等の点灯・消灯情報をコントロールユニットに伝達するハードウェアが配設されていない。
このため、この代表照度調光制御システムは、代表調光制御エリア内の少なくとも1つの点灯エリアが消灯又は減光していること、及び、各調光制御エリア内の照明器具の多くが交換されて照度が向上して照明過剰状態にあることをソフトウェア的に判断する機能を備えていることが特徴の1つである。
【実施例1】
【0048】
実施例1の代表照度調光制御システムの調光出力を補正するためのフローチャートを図4に示す。
この実施例1は、多数の調光制御エリアのうち1つのエリアを代表調光制御エリアとし、このエリアにのみ代表照度センサを配設している。
以下、フローチャートの各手順について説明する。
【0049】
先ず、本発明の代表照度調光制御システムを適用する建物において必要とする照明器具の照度を、コントロールユニットの制御CPUの照度記憶部に設定する(ステップ1)。
所定周期が到来したとき(ステップ2YES)、代表調光制御エリアに配設された代表照度センサの照度計測値、すなわち現在照度、と照度記憶部に設定された設定照度とを比較して、その乖離幅が所定の範囲内であるか否か、すなわち適正乖離幅内であるか否か判断する(ステップ3)。
このフローチャートは、上記ステップ3の判断結果がYESかNOかによって大きく分岐するので、先ず、左側のNOの分岐について説明する。
【0050】
現在照度が適正乖離幅内にないということは、通常では起こり得ないことが起こっていることを示唆しているといえる。
そして、現在照度が適正乖離幅内になく、現在照度が設定照度より低い場合は、照明器具の通常の劣化や汚れに伴う明るさ低下とは異なることを意味し、同幅内になく、現在照度が設定照度より高い場合は、通常の調光出力アップでは起こり得ないことであると解される。
そこで本発明では、現在照度が適正乖離幅内になく、現在照度が設定照度より低いとき(ステップ6YES)は、代表調光制御エリア内の照明器具が消灯されていると判断することとし、一方、現在照度が適正乖離幅内になく、現在照度が設定照度より高いとき(ステップ6NO)は、各調光制御エリア内の多くの照明器具が交換されて照明過剰状態にあると判断することとしている。
そして、消灯状態が継続される限り、ステップ3との間で無限ループを実行し続けて調光制御に関わることはない。
この構成により、本実施例のように代表調光制御エリアの範囲が点灯エリアの範囲よりも広く設定されている場合であっても、代表調光制御エリア内のいずれかの点灯エリアが消灯されていれば、調光制御を実行することなく、代表調光制御エリア内の他の点灯エリアの照度出力を過剰にしてしまう事象の発生を防止してエネルギーの浪費を抑制するものである。
【0051】
一方、現在照度が適正乖離幅内になく、現在照度が設定照度より高く、各調光制御エリア内の多くの照明器具が交換されて照明過剰状態にあると判断したときは、積極的に調光制御することとしている。
制御CPUは、現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高いとの判断回数をカウントする減光許可カウンタと、現在の調光出力値が当該照明器具の調光出力下限値に該当することをカウントする調光出力下限値カウンタとを備えている。
ステップ6においてNOと判断するとこの減光許可カウンタをカウントアップして(ステップ8)、照明過剰状態が継続する限りステップ10においてカウント数が所定値に達するまでステップ3との間で無限ループを実行し、カウント数が所定値に達したとき(ステップ10YES)、制御CPUの演算結果やテーブル参照結果等にしたがって、代表調光制御エリアの照明器具に対する調光出力値を減少させる(ステップ12)。
このように、現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高いとの判断回数が、所定回数に達した段階で初めて代表調光制御エリアの照明器具に対する調光出力値を減少させて、調光制御を正確に行って判断ミスによる減光の発生を略完全に防いでいる。
本実施例においては、調光出力値を照明器具のランプが出力する光束の比率である調光率にて規定していることから、実際には調光率を数%ずつ減少させている。
そして、照明器具交換直前の調光率は約100%であり、器具交換直後の調光率は下限値にする必要があることが多い。
このため調光出力を減少した段階で、調光率が照明器具の下限値であるか否か判断する(ステップ14)こととしている。
【0052】
照明器具の調光率が下限値に達していないとき(ステップ14NO)は、調光出力下限値カウンタ、すなわち、調光率下限カウンタをリセット(ステップ16)してステップ3にリターンして、再度現在照度が適正乖離幅内にあるか否か判断し、適正乖離幅内になく、現在照度が設定照度より高いと判断して照明過剰状態にある限り、調光率下限値になる方向で調光制御する。
【0053】
本実施例においては照明不足を発生させないよう、器具の調光率が下限値に達しているとの判断を正確に行うため、調光率下限カウンタをカウントアップすることとしている。この調光率下限カウンタが所定数をカウントしていないときは、ステップ2にリターンして次の周期まで待機する。
この処理を数周期繰り返して、調光率下限カウンタが所定値に達していること、すなわち、代表調光制御エリアにおいて現在使用中の照明器具諸元の調光率下限値であるという同一の結論に複数回到達したこと、を確認したとき(ステップ20YES)、調光率下限カウンタをリセットして(ステップ21)、全体照明エリアの全ての照明器具に出力する調光出力値を記憶している調光出力記憶部に新たな調光出力値である調光率を保存し、全調光制御エリアの照明器具にこの調光率下限値を出力して(ステップ22)、全調光制御エリアの照明器具の照度を統一して設定した照度に調光制御するものである。
【0054】
なお、ステップ12において調光率を減少させた結果、ステップ3において現在照度と設定照度との乖離幅が所定の範囲内にあると判断されることもあり得る。
このときは、後述する調光率補正処理が実行されることとなる。
【0055】
次いで、ステップ3において現在照度が適正乖離幅内にあると判断されたときの処理手順について説明する。
この右側の分岐の処理プロセスの重要な点は、ステップ18.19において代表調光制御エリアの照明器具に対する調光出力値である調光率の微調整を所定回実行した上で、ステップ9にて制御CPUの調光出力記憶部に保存されている調光出力値である調光率を補正するところにある。
以下、この点について詳述する。
【0056】
制御CPUはさらに、代表調光制御エリアに対する調光出力値を補正した回数をカウントする補正許可カウンタを備えている。
ステップ3において、現在照度が適正乖離幅内にあると判断されたとき、補正許可カウンタをカウントアップする(ステップ5)。
そして、補正許可カウンタのカウント数が所定数に達していないとき(ステップ7NO)、現在照度が設定照度より低いか否か判断し、低いと判断されたとき(ステップ15YES)、代表調光制御エリアの照明器具に対する調光出力値である調光率を増加させ、高いと判断されたとき(ステップ15NO)、同調光率を減少させる。
このような代表調光制御エリアに対する調光出力値の微調整を所定回数繰り返し、代表調光制御エリア内での調光制御の適正さを確保する。
【0057】
以上の処理手順を実行して、ステップ7において補正許可カウンタが所定数カウントしたことを確認して(ステップ7YES)、ステップ9において制御CPUの前記調光出力記憶部に保存されている前回の補正調光出力値である調光率を今回の代表調光制御エリアに対して微調整した調光出力値を今回補正値としてリライトする。
そして、このリライトした補正調光率を全調光制御エリアに対して出力して全ての照明器具を調光制御するものである。
なお、今回補正値を調光出力記憶部に保存することなく、各調光制御エリアの調光回路に直接出力することも可能である。
次いで、補正許可カウンタをリセットする(ステップ13)。
【0058】
さらに、現在照度が設定照度より低いか否かに応じて、代表調光制御エリアのみ調光出力値を増減して調光制御をした上で(ステップ18.19)、ステップ2の無限ループを実行しつつ次の周期まで待機する。
次の周期が到来したら上記の処理を繰り返し実行する。
【0059】
なお、本実施例においては、ステップ9において調光率をリライトするにあたっては、前回補正した調光率と今回の代表調光制御エリアでの調光率を加重平均処理している。
加重平均処理の例としては、前回補正した調光率に重み付けするために、これを3倍して今回の代表調光制御エリアでの調光率を加算して4等分することとしている。
この加重平均処理により、全調光制御エリアの照明器具に対する過去の調光出力値を尊重するとともに調光出力の急激な変化を防止している。
【0060】
このようにして、本発明の代表照度調光制御システムは、現在照度が設定照度との適正乖離幅内にないとき正常でないと判断して、上記したように適切に処理するとともに、現在照度が適正乖離幅内にあるとき照度の過不足に応じて調光率を漸増減させるようにしたから、各点灯エリアに人検知センサを設けることなく、また、通信用配線をすることなく、全調光制御エリアの照明器具の照度を統一して設定された照度に調光制御するものである。
特に、照明器具が交換されたことを自動的に判断する機能は、従来技術に見られない特筆すべきことである。
【実施例2】
【0061】
本実施例は、代表調光制御エリアを少なくとも2つ選択し、選択した各エリアに代表照度センサを設置するものであり、請求項2乃至請求項4に係る発明に対応するものである。
本実施例の代表照度調光制御システムの補正調光出力値、すなわち、調光出力を補正する補正値を求めるためのフローチャートを図5に、その複数の代表調光制御エリアについての夫々の補正値を統合するためのフローチャートを図6に示す。
【0062】
以下、図5乃至図6に基づいて詳細に説明する。
図5に示されるフローチャートは、代表調光制御エリアの現在照度と設定照度に基づいて調光出力を補正する補正値を求める点において基本的に図4に示されたものと同じである。
ただ、図5に示されたものが複数の代表調光制御エリアについて複数の補正値を処理する必要がある点において、図4に示されたものと異なっている。
その異なる処理手順は、左側の分岐ではステップ22とステップ23、右側の分岐ではステップ9とステップ11の各処理である。
具体的には、補正値を各代表調光制御エリア毎に保存する処理(ステップ22.9)と、特定の代表調光制御エリアが補正値を有していることを報知するための処理(ステップ23.11)である。
このためこの処理フローでは、特定の代表調光制御エリアn(n=1.2.3・・・)について調光率の補正があるか否かを示す補正処理フラグn(n=1.2.3・・・)を立てる(ステップ23.11)処理をすることとし、実施例1のように直ちに全調光制御エリアの照明器具に出力することはない。
【0063】
上記したように、本実施例は複数の代表照度センサを備えている。
このため図5に示された処理フローは、各代表照度センサについて互いに独立して実行される。
実際には、この処理フローを代表照度センサ毎に、並行処理方式、逐次処理方式、あるいはタイムシェア方式等の適宜の方式で実行される。
その結果、調光率の補正値は代表照度センサ毎に複数取得される関係から、この複数の補正値を別途統合して1つの補正値とし、この統合した補正値に基づいて全調光制御エリアの照明器具を統一して調光制御する必要があるが、この処理プロセスについては後述する。
【0064】
図5のフローチャートを実行することにより、複数の代表調光制御エリアの調光率について補正処理したか否かの情報が、補正処理フラグのON・OFF信号として得られている。
そこで、図6の複数補正値統合処理フローについて説明する。
【0065】
所定周期が到来したとき(ステップ24)、n=0とするとともに制御CPUの仮補正値記憶部に適宜の数値を保存して仮補正値を初期化する(ステップ25)。
次いで、nの値を1歩進して(ステップ26)、代表調光制御エリアn=1
の補正処理フラグがONか否か判断し(ステップ27)、NOであればステップ33にジャンプしてnの値がMAXでないとき(ステップ33NO)、ステップ26において再度nを1歩進して複数の代表調光制御エリアのうち次のエリアの補正処理フラグがONか否か判断する。
補正処理フラグがONであるときの処理内容については後述する。
以上の処理をnの値がMAXになるまで繰り返し実行して処理を終了するものである。
【0066】
当該エリアの補正処理フラグがONである、すなわち、図5のフローチャートにおいて当該エリアの調光率を補正した履歴があるときは、現時点において高補正値優先法と加重平均法のいずれを平均化処理方法として選択しているか判断する(ステップ28)。
【0067】
高補正値優先法を選択しているときは、当該エリアの補正値とステップ25において初期化された仮補正値を比較して、いずれか大きい値を仮補正値として仮補正値記憶部にリライトして、当該エリアの補正処理フラグをOFFにする。
以上の処理をnの値がMAXになるまで繰返す結果、複数の代表調光制御エリアのうち最大の補正値が仮補正値として保存される(ステップ29)こととなる。
そして、高補正値優先法はこの最大の補正値を全調光制御エリアの照明器具の調光率として出力するものである(ステップ34)。
これにより、最も調光出力の弱い代表調光制御エリアの調光率に歩調を合わせて全調光制御エリアの照明器具を調光制御して、調光不足のエリアを皆無としている。
【0068】
一方、加重平均法を選択しているときは、記憶部に保存されている補正値と現在処理対象としている代表調光制御エリアの補正値の加重平均値を記憶部にリライトする(ステップ30)。
そしてこの加重平均値を全調光制御エリアの照明器具の調光率として出力して(ステップ31)、当該エリアの補正処理フラグをOFFにする(ステップ32)。
この加重平均法によれば、ある代表調光制御エリアの調光率が補正されている場合は、上記した高補正値優先法のように、全ての代表調光制御エリアの補正履歴について判断するのを待つまでもなく、当該補正値は加重平均された補正値として直ちに反映され、即座に全調光制御エリアの照明器具に出力されて調光制御されるものである。
そして、次に特定の代表調光制御エリアの調光率が補正されていれば、同様の調光制御を繰り返すものである。
この点において、上述の高補正値優先法が全ての代表調光制御エリアについて修正があるか否かを判断した後に、補正値を全調光制御エリアの照明器具の調光率として出力するものと異なるものである。
【0069】
実施例1によれば多数の調光制御エリアのうちから唯一つ、実施例2によれば数個の選択された代表調光制御エリアの現在照度が、設定照度との所定乖離幅の外にあるとき、照明器具が交換されて過剰照明状態にあると判断し、あるいは、代表調光制御エリア内のいずれかの点灯エリアの器具が消灯状態にあると判断し、前者であれば器具の調光下限値を限度として調光率を下げ、後者であれば調光制御を実行しないこととして、照度センサの設置数を削減し人検知センサや通信用配線を省略しながら、究極の省エネルギーを実現している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスの執務空間など比較的広い場所における照明器具の経年変化に伴う照明の劣化や照明器具交換時における過剰照明を自動的に調光出力制御する代表照度調光制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に蛍光ランプは、点灯時間の経過とともにその発光量の低下や照明器具の汚れに伴う器具効率の低下などによって照明器具の照度が低下していく。このため、蛍光ランプの平均寿命を考慮して寿命末期においても設計照度が維持できるように、初期点灯時には設計照度に対してかなり明るい照度に設定されていた。
よって初期点灯時には、蛍光ランプの照度が設計照度に比べてかなり明るく、余分な明るさが発生するため、無駄なエネルギーが消費されていた。
【0003】
省エネを図るため、照明制御装置により初期照度補正を行うこととすれば、蛍光ランプの明るさを常に設計照度に保ち、初期照度補正を行わない場合のように初期点灯時に余分な明るさが発生しないので、省エネルギーが実現することが可能となる。
【0004】
このような照明制御装置を備えたものとして、照明器具の累積点灯時間に対して調光レベルを自動的に調整して照度を一定に保つ照明器具が知られている。
この照明器具は、ランプと、入力電源を入力されてランプを点灯させる電子式の安定器と、入力電源によって動作し、安定器2調光制御する調光信号を出力する調光制御部と、リセット信号を調光制御部に出力するリセットスイッチとから構成されている(特許文献1)。
【0005】
一方、照度センサの出力に基づいて調光する照明制御システムが一般的に採用されている(特許文献2)。
この一般的な照明制御システムは、照度センサ1台が受け持つ範囲である調光区分が、壁スイッチ・人検知センサ等によりオン・オフ又はオン・減光制御される点灯区分の範囲と同じか、あるいはその範囲よりも広く設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4259140号公報
【特許文献2】特開平11−74087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の照明器具は、図7に示されるように、コントロールユニット部と照明器具部が一体化されているもので、コントロールユニット部の制御CPUは、使用時間計測タイマーが設定された累計点灯時間を計測したとき、調光信号を生成して調光回路に出力し、調光回路は調光信号に応じた光量にて照明器具を点灯するものである。
【0008】
この照明器具の調光制御部であるコントロールユニット部は、調光レベルを自動的に調整して照度を一定に保つことができる反面、照明器具毎に調光制御部を備えていることから、照明器具単体の価格が高く、オフィスの執務空間など比較的広い場所における照明器具として用いる場合多数の照明器具を設置する必要があることから、イニシャルコストの増大要因となり適切でない。また、照明器具それぞれにタイマーの設定等の作業を伴い施工コストを押し上げることとなる。
【0009】
特許文献2の照度センサの出力に基づいて調光する照明制御システムにおいて、調光区分の範囲が点灯区分の範囲と同じに設定されている場合は、図8に示されるように、日光や雷光等の外乱の影響を受けるペリメータゾーン以外のインテリアゾーン全体が照度制御対象とされ、この照度制御対象は壁スイッチ・人検知センサ等によりオン・オフ又はオン・減光制御される破線で示される点灯エリアに区分され、同時にこの点灯エリアと同一の区画が実線で示される調光制御エリアとされている。
そして、この調光制御エリア毎に照度センサが設けられている。
【0010】
この調光制御システムは、図9に示されるように、上記調光制御エリア毎に照度センサとコントロールユニットを備え、各調光制御エリアはこのコントロールユニットにより個別に調光制御されている。
【0011】
この調光制御システムは、図10に示されるフローチャートにしたがって制御され、制御CPUは、現在照度が設定照度と一致している限り無限ループを実行し、現在照度が設定照度と一致していないと判断したとき、現在照度が設定照度より低いか否か判断し、低いと判断したときは調光出力を増加し、高いと判断したときは調光出力を減少して、再度現在照度が設定照度と一致するかの判断ステップに戻り、上記ルーチンを繰り返し実行するものである。
【0012】
この調光制御システムは、調光制御エリア毎、図8から理解できるように点灯エリア毎に独立して調光制御するものであるから、正確な調光制御を達成することができる反面、調光制御エリア毎にコントロールユニットと照度センサを配設する必要があることから、調光制御システムを構築するにあたってのイニシャルコストが極めて高くなるとともに、メンテナンス対象機器類が多数にのぼりメンテナンスコストも嵩む恐れがある。
【0013】
特許文献2の照度センサの出力に基づいて調光する照明制御システムにおいて、図11に示されるように、実線で示される調光制御エリアの範囲が破線で示される点灯エリアの範囲よりも広く設定されている場合は、調光制御エリア内のいずれかの点灯エリア、特に照度センサの設置された当該点灯エリア(図11右図の右下エリア)が消灯されていると、照度センサの検出値が消灯の影響を強く受けるため、調光制御エリア内の他の点灯エリアの照度出力を過剰にしてしまう事象が生じ(図11右図参照)、エネルギーの浪費を招くこととなる。
【0014】
この問題を解決するために、図12に示すように、日光や雷光等の外乱の影響を受けるペリメータゾーン以外のインテリアゾーンについて、
多数の照明器具を備えた1つの全体照明エリアを複数の調光制御エリアに区分して、この複数の調光制御エリアのうちから1以上の代表調光制御エリアを選択し、
この代表調光制御エリアにのみ1つの代表照度センサを配置するとともに、代表調光制御エリア内の各点灯エリアに人検知センサ等の消灯信号発生器を配置し、
全体照明エリアの全ての照明器具の照度を制御するコントロールユニットは、消灯信号発生器から消灯信号を受信していないとき、この例では全ての人検知センサが人を検知しているとき、代表調光制御エリア内の全ての照明器具が点灯状態にあると判断して、
このとき代表調光制御エリアに配設された代表照度センサの照度が設定照度と一致するまで代表調光制御エリア内の照明器具の調光出力を増減し、一致したときの代表調光制御エリア内調光信号を全体照明エリアの全ての照明器具に対し出力して、当該照明器具の照度を統一して設定された照度に調光制御する代表照度調光制御システム、
が考えられる。
【0015】
この図13に示される代表照度調光制御システムについて、図14を参照して制御CPUの動作を説明する。
制御CPUは、代表調光制御エリア内の照明器具は全て点灯しているか否かを判断する。
例えば図12右図のように、代表調光制御エリアが4つの点灯エリアに区分されているケースにおいて、右下の点灯エリアが点灯していないときは、ステップ3の代表照度と設定照度が一致しているか否かの判断を行わない。
すなわち、このときはステップ1の無限ループを実行してステップ3には進まない。
代表調光制御エリア内の照明器具が全て点灯していないときは、上述したように照明器具が過剰照明となり、エネルギーを浪費することとなるからである。
なお、照明器具が点灯中であるとの信号は、点灯スイッチのON動作信号や人検知センサの人検知信号を用いる。
【0016】
代表調光制御エリア内の照明器具が全て点灯していると判断したとき、制御CPUは点灯時間が所定時間経過したか否かを判断する(ステップ2)。
この構成により、各器具の照度が不安定な時期の照度をカットして適正な照度の計測値を取得するようにする。
【0017】
代表調光制御エリア内の全照明器具の点灯状態が所定時間継続した後、代表調光制御エリアの照度、すなわち、2つの代表照度センサの平均照度(以下「代表照度」という。)が、設定照度と一致しているか否かを判断する(ステップ3)。
代表照度が設定照度と一致していないときはステップ4へ進み、代表照度は設定照度より低いか否かを判断する。
【0018】
代表照度が設定照度より低いときは、制御CPUは代表調光制御エリアの調光回路から現在のPWM信号出力より若干大きめのPWM信号を出力(ステップ5)し、逆に代表照度が設定照度より高いときは、調光回路から現在のPWM信号出力より若干小さめのPWM信号を出力(ステップ6)し、設定照度と一致するまでこの動作を繰り返す、所謂フィードバック方式を実行するものである。
【0019】
そして、代表調光制御エリアの代表照度が設定照度と一致したときは、それぞれの代表照度センサからの照度信号を平均した代表照度に基づいて、上記した全体照明エリアの全ての照明器具に対応する調光回路を介して調光信号を生成し、この生成した調光信号を対応する照明器具のそれぞれの安定器に対し出力して、当該照明器具の照度を設定された照度に統一して調光制御する。
【0020】
このように、代表調光制御エリアにおいて先ず、フィードバック方式にて設定照度と一致させるための調光出力値を探索・決定し、この決定した調光出力値を制御対象とする全ての照明器具に対して適用する。
全照明器具に対する調光制御が完了したら、ステップ2とステップ3の間に戻り、連続して上記の動作を繰り返すものである。
【0021】
パーソナル調光制御システムを構築する場合にあっては、人検知センサを照明器具を点滅する区画であるパーソナルな点灯エリア毎に設置して、人検知センサが人を検知したとき当該点灯エリアの照明器具を点灯し、人検知センサが人を検知しなくなったとき当該点灯エリアの照明器具を消灯・減光制御するようにすればよい。
【0022】
上記したように、この代表照度調光制御においては、数台の代表照度センサ出力値を演算することにより、ペリメータゾーンを除くフロア全体の照明エリアの全ての照明器具の調光出力を制御することができるが、この代表照度調光制御システムは、消灯信号を発生するために、照明器具が消灯又は減光している情報、例えば人検知情報や壁スイッチの状態情報、を必要とすることから、壁スイッチとの情報通信や人検知センサの追加費用を要することとなりコストアップとなる可能性があり、更なるコストダウンの余地がないとはいえない。
また、たとい壁スイッチとの情報通信を可能とする配線をし、あるいは人検知センサを配設したとしても、照明器具を交換した直後における過剰な照明を防止することは困難である。
【0023】
本発明は、上述した種々の課題を解決するために創作されたもので、照明器具単体のコストを低廉にするとともに、照明器具設置工事を簡略化して施工コストを低減し、複数の点灯エリアのうち1つ以上のエリアで消灯していれば、照度センサの信号レベルは低いものとなって照明器具を補正すべき適正値より高めに補正することとなること、及び、照明器具交換時において過剰に照明することを防止し、周辺の蛍光器具から受けるセンシングの影響を抑制して正確な調光制御を行って、明確に省エネルギーに資することが可能な照明制御システムをイニシャルコストを抑制して安価に提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
請求項1に係る発明は、多数の照明器具を備えた1つの全体照明エリアが複数の調光制御エリアに区分され、この複数の調光制御エリアから少なくとも1つの代表調光制御エリアが選択され、この選択された代表調光制御エリアにのみ、前記照明器具による被照射面の照度を該被照射面からの反射光により計測する1つの代表照度センサが配置され、前記全体照明エリアの全ての照明器具を調光制御するコントロールユニットが、 前記代表照度センサの現在照度と設定照度とを比較して、前記現在照度が前記設定照度より低いとき前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を増補正し、前記現在照度が前記設定照度より高いとき前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を減補正し、補正された代表調光制御エリアに対する調光出力値を、全体照明エリアの全ての照明器具に対し出力して、当該照明器具の照度を統一して前記設定照度に調光制御する代表照度調光制御システムであって、
前記コントロールユニットは、前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を補正した回数をカウントする補正許可カウンタを備え、前記現在照度と前記設定照度との乖離幅が所定範囲内にあると判断したとき、前記補正許可カウンタをカウントアップするとともに、前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を増減補正し、前記補正許可カウンタが所定の調光出力値補正回数をカウントしたとき、その時点における前記代表調光制御エリアに対する調光出力値、又は、該調光出力値と前記全体照明エリアに対する現行の調光出力値とを統合した統合調光出力値、を前記全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力する代表照度調光制御システムとした。
【0025】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載された代表照度調光制御システムであって、前記代表調光制御エリアが複数選択され、この選択された代表調光制御エリア毎に、前記代表照度センサと前記補正許可カウンタを備え、前記補正許可カウンタが、夫々の代表調光制御エリアについて所定の調光出力値補正回数をカウントしたとき、その時点における補正調光出力値を対応する代表調光制御エリア別記憶部に保存するとともに、補正調光出力値を保存した旨を示すフラグをオンする処理を終了した後に、夫々の代表調光制御エリアについて順次前記フラグがオンか否か判断し、前記フラグがオンであるとき、対応する代表調光制御エリア別記憶部に保存されている調光出力値と全体照明エリアに対する現行の調光出力値とを統合した統合調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し出力することを特徴としている。
【0026】
請求項3に係る発明は、請求項2のコントロールユニットが、任意の代表調光制御エリアについてのフラグがオンであるとき、全体照明エリアに対する現行の調光出力値と対応する代表調光制御エリア別記憶部に保存されている前記補正調光出力値とを加重平均処理した平均調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力することを特徴としている。
【0027】
請求項4に係る発明は、請求項2のコントロールユニットが、仮補正値を初期化した後、任意の代表調光制御エリアについてのフラグがオンであるとき、前記仮補正値とフラグがオンである代表調光制御エリアの各補正調光出力値のうち最大の調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力することを特徴としている。
【0028】
請求項5に係る発明は、多数の照明器具を備えた1つの全体照明エリアが複数の調光制御エリアに区分され、この複数の調光制御エリアから少なくとも1つの代表調光制御エリアが選択され、この選択された代表調光制御エリアにのみ、前記照明器具による被照射面の照度を該被照射面からの反射光により計測する1つの代表照度センサが配置され、前記全体照明エリアの全ての照明器具を調光制御するコントロールユニットが、前記代表照度センサの現在照度と設定照度とを比較して、前記現在照度が前記設定照度より低いとき前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を増補正し、前記現在照度が前記設定照度より高いとき前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を減補正し、補正された代表調光制御エリアに対する調光出力値を、全体照明エリアの全ての照明器具に対し出力して、当該照明器具の照度を統一して前記設定照度に調光制御する代表照度調光制御システムであって、
前記コントロールユニットは、前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高いとき、照明器具が交換されて過剰照明状態にあると判断し、当該照明器具の調光下限値を限度として減補正した前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力し、前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より低いとき、代表調光制御エリア内のいずれかの点灯エリアの照明器具が消灯状態にあると判断し、調光制御を実行しない代表照度調光制御システムとした。
【0029】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された代表照度調光制御システムのコントロールユニットが、前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高いとの判断回数をカウントする減光許可カウンタを備え、該減光許可カウンタが所定回数をカウントしたとき、照明器具が交換されて過剰照明状態にあると判断し、当該照明器具の調光下限値を限度として調光出力値を減補正することを特徴としている。
【0030】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された代表照度調光制御システムコントロールユニットが、前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高く、かつ、現在の調光出力値が当該照明器具の調光出力下限値に該当することをカウントする調光出力下限値カウンタを備え、該調光出力下限値カウンタが所定回数をカウントしたとき、その時点における前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力することを特徴としている。
【発明の効果】
【0031】
請求項1に係る発明によれば、代表調光制御エリアにのみ1つの照度センサを設けて、広域の範囲の多数の照明器具を適正に調光制御することができるから、調光制御エリア毎にコントロールユニットと照度センサを配設する必要がないので、調光制御システムを構築するにあたってのイニシャルコストを極めて低廉化することができ、メンテナンス対象機器類を削減してメンテナンスコストも安価にすることが可能となる。
また、代表照度センサの現在照度と設定照度とを比較して、現在照度が設定照度より低いとき代表調光制御エリアに対する調光出力値を増補正し、現在照度が設定照度より高いとき代表調光制御エリアに対する調光出力値を減補正することとして、代表調光制御エリアに対する調光出力値の微調整を所定回数繰り返し、代表調光制御エリア内での調光制御の適正さを確保することができる。
【0032】
さらに、代表調光制御エリアに対する調光出力値を補正した回数をカウントする補正許可カウンタが、所定の調光出力値補正回数をカウントしたとき、その時点における代表調光制御エリアに対する調光出力値、又は、該調光出力値と全体照明エリアに対する現行の調光出力値とを統合した統合調光出力値、を全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力することとしているので、代表調光制御エリアの照明器具に対する調光出力値である調光率の微調整を所定回実行した後に全体照明エリアに対し調光出力するから、適度の頻度で全体照明エリアの調光制御を実行して照度の過不足を適正周期で調整することができる。
【0033】
請求項2に係る発明によれば、代表照度センサを複数設けて複数のポイントでの照度の過不足を統合して調光制御するので、広域の全体照明エリアの照度を平均化して調光することができて、請求項1に係る発明に比し調光制御の精度を向上することができる。
【0034】
請求項3に係る発明によれば、ある代表調光制御エリアの調光率が補正されている場合は、請求項4に係る発明のように、全ての代表調光制御エリアの補正履歴について判断するのを待つまでもなく、当該補正値は加重平均された補正値として直ちに反映され、即座に全調光制御エリアの照明器具に出力して調光制御することができ、即効性に優れている。
【0035】
請求項4に係る発明によれば、全ての代表調光制御エリアの補正履歴について判断した後、最大の補正値を全調光制御エリアの照明器具の調光率として出力することにより、最も調光出力の弱い代表調光制御エリアの調光率に歩調を合わせて全調光制御エリアの照明器具を調光制御して、調光不足のエリアを皆無とすることができ、快適な照明空間を確保することができる。
【0036】
請求項5に係る発明によれば、コントロールユニットは、前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高いとき、照明器具が交換されて過剰照明状態にあると判断し、当該照明器具の調光下限値を限度として減補正した調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し出力し、前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より低いとき、代表調光制御エリア内のいずれかの点灯エリアの照明器具が消灯状態にあると判断し、調光制御を実行しないこととしたから、照明器具単体のコストを低廉にするとともに、壁スイッチとの情報通信用配線や人検知センサを不要として照明器具設置工事を簡略化して施工コストを低減することができる。
【0037】
また通常であれば、複数の点灯エリアのうち1つ以上のエリアで消灯している場合、照度センサの信号レベルは低いものとなって、照明器具を補正すべき適正値より高めに補正して不必要に照度を上げて電力を無駄に消費することとなるが、本発明によれば、いずれかの点灯エリアの照明器具が消灯状態にあると判断して調光制御を実行しないから、省エネルギーに大きく貢献することができる。
さらに、照明器具交換時において過剰に照明することを防止し、周辺の蛍光器具から受けるセンシングの影響を抑制して正確な調光制御を行って、明確に省エネルギーに資することが可能となり、照明制御システムをイニシャルコストを抑制しつつ安価に提供することができる。
【0038】
要するに、請求項5に係る代表照度調光制御システムは、現在照度が設定照度との適正乖離幅内にないとき正常でないと判断して、上記したように適切に処理するとともに、現在照度が適正乖離幅内にあるとき照度の過不足に応じて調光率を漸増減させるようにしたから、各点灯エリアに人検知センサを設けることなく、また、通信用配線をすることなく、代表調光制御エリア内の少なくとも1つの点灯エリアが消灯又は減光していること、及び、各調光制御エリア内の照明器具の多くが交換されて照度が向上して照明過剰状態にあることをソフトウェア的に判断する機能を備え、エネルギーの浪費を大きく抑制することができる優れたシステムを構築することができるものである。
【0039】
請求項6に係る発明によれば、現在照度が、設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、設定照度より高いとの判断回数をカウントする減光許可カウンタを備えているから、当該判断回数が、所定回数に達した段階で初めて代表調光制御エリアの照明器具に対する調光出力値を減少させて、調光制御を極めて正確に行うことができる。
【0040】
請求項7に係る発明によれば、前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高く、かつ、現在の調光出力値が当該照明器具の調光出力下限値に該当することをカウントする調光出力下限値カウンタを備えているから、調光率下限カウンタが所定値に達していること、すなわち、代表調光制御エリアにおいて現在使用中の照明器具諸元の調光率下限値であるという同一の結論に複数回到達したことを確認した後、全調光制御エリアの照明器具にこの調光率下限値を出力して、全調光制御エリアの照明器具の照度を極めて正確に統一して設定した照度に調光制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本発明の全体照明エリア内の代表調光制御エリアと該エリア内の点灯エリアを示す代表照度調光制御システム模式図である。
【図2】図2は、図1を拡大して、本発明の代表照度センサを具体的に配置した代表照度調光制御システム模式図である。
【図3】図3は、本発明の代表照度調光制御システム構成図である。
【図4】図4は、本発明の実施例1の代表照度調光制御システムの調光出力補正に係るフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の実施例2の代表照度調光制御システムの調光出力補正に係るフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の実施例2の代表照度調光制御システムの複数の代表エリアの複数補正値統合に係るフローチャートである。
【図7】図7は、第1の従来発明(特許文献1)の照明制御システム構成図である。
【図8】図8は、第2の従来発明(特許文献2)の1つの点灯エリアを調光制御エリアとする調光制御システム模式図(その1)である。
【図9】図9は、同従来発明の照明制御システム構成図である。
【図10】図10は、同従来発明の照明制御システムのフローチャートである。
【図11】図11は、第2の従来発明(特許文献2)の4つの点灯エリアを調光制御エリアとする調光制御システム模式図(その2)である。
【図12】図12は、第2の従来発明を改良した、各点灯エリアに人検知センサを設け、4つの点灯エリアを代表調光制御エリアとする代表照度調光制御システム模式図である。
【図13】図13は、図12に示した代表照度調光制御システム構成図である。
【図14】図14は、図12に示した代表照度調光制御システムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の実施の形態について、主として図1の全体照明エリア内の代表調光制御エリアと該エリア内の点灯エリアを示す代表照度調光制御システム模式図を参照して、図2、図3を援用しながら説明する。
本発明の代表照度調光制御システムは、日光や雷光等の外乱の影響を受けるペリメータゾーンを除くインテリアゾーン全体を調光制御対象としており、この調光制御対象は点灯スイッチ等によって点灯・消灯される破線で示される点灯エリアに区分され、本実施の形態では、この4つの点灯エリアを統括して調光制御する実線で示される多数の調光制御エリアが区画されている。
図3のコントロールユニット内のPWM出力する各調光回路が、この調光制御エリア内の全照明器具を調光制御するものである。
そして、この多数の調光制御エリアのうち少なくとも1つ、後述する実施例1では1つの代表調光制御エリアのみに、また、後述する実施例2では複数の代表調光制御エリアの各々に、1つの代表照度センサが設けられた代表照度調光制御システムとされている。
【0043】
本発明の代表照度調光制御システムは、図1右図、図3をみて理解できるように、図12、図13に示されているような、人検知センサは点灯エリア毎に配設されておらず、また、照明器具の点灯状態出力、例えば壁スイッチの状態情報をコントロールユニットに送信する通信部を備えていない。
この構成により、人検知センサ等の部品代のみならず、通信のための配線工事を削減してシステムの設置工事費用を削減することができる。また、通信用配線の維持管理コストも不要とすることができる。
【0044】
さらにまた、各調光制御エリアは、狭くとも隣接する他の調光制御エリアに配置された照明器具の照明の影響を受けない範囲を確保する必要がある。
本明細書において『狭くとも隣接する他の調光制御エリアに配置された照明器具の照明の影響を受けない範囲』とは、当該範囲内に設置された照度センサが、隣接する範囲の照明器具が点灯し、消灯しているいずれの場合においても、当該範囲において同一の照度計測値を示すことが求められる範囲であって、照度センサの検知範囲を超えた広さの範囲で、照明器具の配置高さに応じて変動する範囲を意味する。
例えば、現時点における平均的な照度センサの能力では、図2に示されるように、照明器具が標準的な天井高である2.8mの高さに配設されている場合にあっては、狭くとも照明器具の照明の影響を受けない範囲は7.2m平方以上の範囲に設定するのが適正な範囲となることが判明している。
そこで本発明は、調光制御エリアの範囲を少なくとも7.2m平方の範囲に設定することとしている。
【0045】
代表照度センサは、全体照明エリアに対し1つ又は2つ配設することとしているが、3つ配設しても4つ配設しても構わない。
代表照度センサを多く配設すればするほど調光制御の精度の向上を図ることができるが、照度センサ設備費の増大との関係で考慮する必要がある。
また、代表照度センサ1つに対しコントロールユニットを1つ備える構成とすることもできる。但しこの場合は、コントロールユニットと代表照度センサが1対1の対応になるので、複数の代表照度センサの計測値を1つのコントロールユニットにて調光制御する本実施例に比し調光制御の精度は多少下がるが問題はない。
【0046】
さらに、照明器具設置台数が、コントロールユニットが制御可能な台数を超える場合には、その制御能力に応じて複数のコントロールユニットを設けることとすればよい。このときは、各コントロールユニットを統括する統括コントロールユニットを備えることが好ましい。
さらにまた、本実施例においては、各調光制御エリアを4つの点灯エリアに区分しているが、必ずしも点灯エリアに区分する必要はない。
【0047】
そして、上記したように本発明の各点灯エリアには人検知センサ等の点灯・消灯情報をコントロールユニットに伝達するハードウェアが配設されていない。
このため、この代表照度調光制御システムは、代表調光制御エリア内の少なくとも1つの点灯エリアが消灯又は減光していること、及び、各調光制御エリア内の照明器具の多くが交換されて照度が向上して照明過剰状態にあることをソフトウェア的に判断する機能を備えていることが特徴の1つである。
【実施例1】
【0048】
実施例1の代表照度調光制御システムの調光出力を補正するためのフローチャートを図4に示す。
この実施例1は、多数の調光制御エリアのうち1つのエリアを代表調光制御エリアとし、このエリアにのみ代表照度センサを配設している。
以下、フローチャートの各手順について説明する。
【0049】
先ず、本発明の代表照度調光制御システムを適用する建物において必要とする照明器具の照度を、コントロールユニットの制御CPUの照度記憶部に設定する(ステップ1)。
所定周期が到来したとき(ステップ2YES)、代表調光制御エリアに配設された代表照度センサの照度計測値、すなわち現在照度、と照度記憶部に設定された設定照度とを比較して、その乖離幅が所定の範囲内であるか否か、すなわち適正乖離幅内であるか否か判断する(ステップ3)。
このフローチャートは、上記ステップ3の判断結果がYESかNOかによって大きく分岐するので、先ず、左側のNOの分岐について説明する。
【0050】
現在照度が適正乖離幅内にないということは、通常では起こり得ないことが起こっていることを示唆しているといえる。
そして、現在照度が適正乖離幅内になく、現在照度が設定照度より低い場合は、照明器具の通常の劣化や汚れに伴う明るさ低下とは異なることを意味し、同幅内になく、現在照度が設定照度より高い場合は、通常の調光出力アップでは起こり得ないことであると解される。
そこで本発明では、現在照度が適正乖離幅内になく、現在照度が設定照度より低いとき(ステップ6YES)は、代表調光制御エリア内の照明器具が消灯されていると判断することとし、一方、現在照度が適正乖離幅内になく、現在照度が設定照度より高いとき(ステップ6NO)は、各調光制御エリア内の多くの照明器具が交換されて照明過剰状態にあると判断することとしている。
そして、消灯状態が継続される限り、ステップ3との間で無限ループを実行し続けて調光制御に関わることはない。
この構成により、本実施例のように代表調光制御エリアの範囲が点灯エリアの範囲よりも広く設定されている場合であっても、代表調光制御エリア内のいずれかの点灯エリアが消灯されていれば、調光制御を実行することなく、代表調光制御エリア内の他の点灯エリアの照度出力を過剰にしてしまう事象の発生を防止してエネルギーの浪費を抑制するものである。
【0051】
一方、現在照度が適正乖離幅内になく、現在照度が設定照度より高く、各調光制御エリア内の多くの照明器具が交換されて照明過剰状態にあると判断したときは、積極的に調光制御することとしている。
制御CPUは、現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高いとの判断回数をカウントする減光許可カウンタと、現在の調光出力値が当該照明器具の調光出力下限値に該当することをカウントする調光出力下限値カウンタとを備えている。
ステップ6においてNOと判断するとこの減光許可カウンタをカウントアップして(ステップ8)、照明過剰状態が継続する限りステップ10においてカウント数が所定値に達するまでステップ3との間で無限ループを実行し、カウント数が所定値に達したとき(ステップ10YES)、制御CPUの演算結果やテーブル参照結果等にしたがって、代表調光制御エリアの照明器具に対する調光出力値を減少させる(ステップ12)。
このように、現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高いとの判断回数が、所定回数に達した段階で初めて代表調光制御エリアの照明器具に対する調光出力値を減少させて、調光制御を正確に行って判断ミスによる減光の発生を略完全に防いでいる。
本実施例においては、調光出力値を照明器具のランプが出力する光束の比率である調光率にて規定していることから、実際には調光率を数%ずつ減少させている。
そして、照明器具交換直前の調光率は約100%であり、器具交換直後の調光率は下限値にする必要があることが多い。
このため調光出力を減少した段階で、調光率が照明器具の下限値であるか否か判断する(ステップ14)こととしている。
【0052】
照明器具の調光率が下限値に達していないとき(ステップ14NO)は、調光出力下限値カウンタ、すなわち、調光率下限カウンタをリセット(ステップ16)してステップ3にリターンして、再度現在照度が適正乖離幅内にあるか否か判断し、適正乖離幅内になく、現在照度が設定照度より高いと判断して照明過剰状態にある限り、調光率下限値になる方向で調光制御する。
【0053】
本実施例においては照明不足を発生させないよう、器具の調光率が下限値に達しているとの判断を正確に行うため、調光率下限カウンタをカウントアップすることとしている。この調光率下限カウンタが所定数をカウントしていないときは、ステップ2にリターンして次の周期まで待機する。
この処理を数周期繰り返して、調光率下限カウンタが所定値に達していること、すなわち、代表調光制御エリアにおいて現在使用中の照明器具諸元の調光率下限値であるという同一の結論に複数回到達したこと、を確認したとき(ステップ20YES)、調光率下限カウンタをリセットして(ステップ21)、全体照明エリアの全ての照明器具に出力する調光出力値を記憶している調光出力記憶部に新たな調光出力値である調光率を保存し、全調光制御エリアの照明器具にこの調光率下限値を出力して(ステップ22)、全調光制御エリアの照明器具の照度を統一して設定した照度に調光制御するものである。
【0054】
なお、ステップ12において調光率を減少させた結果、ステップ3において現在照度と設定照度との乖離幅が所定の範囲内にあると判断されることもあり得る。
このときは、後述する調光率補正処理が実行されることとなる。
【0055】
次いで、ステップ3において現在照度が適正乖離幅内にあると判断されたときの処理手順について説明する。
この右側の分岐の処理プロセスの重要な点は、ステップ18.19において代表調光制御エリアの照明器具に対する調光出力値である調光率の微調整を所定回実行した上で、ステップ9にて制御CPUの調光出力記憶部に保存されている調光出力値である調光率を補正するところにある。
以下、この点について詳述する。
【0056】
制御CPUはさらに、代表調光制御エリアに対する調光出力値を補正した回数をカウントする補正許可カウンタを備えている。
ステップ3において、現在照度が適正乖離幅内にあると判断されたとき、補正許可カウンタをカウントアップする(ステップ5)。
そして、補正許可カウンタのカウント数が所定数に達していないとき(ステップ7NO)、現在照度が設定照度より低いか否か判断し、低いと判断されたとき(ステップ15YES)、代表調光制御エリアの照明器具に対する調光出力値である調光率を増加させ、高いと判断されたとき(ステップ15NO)、同調光率を減少させる。
このような代表調光制御エリアに対する調光出力値の微調整を所定回数繰り返し、代表調光制御エリア内での調光制御の適正さを確保する。
【0057】
以上の処理手順を実行して、ステップ7において補正許可カウンタが所定数カウントしたことを確認して(ステップ7YES)、ステップ9において制御CPUの前記調光出力記憶部に保存されている前回の補正調光出力値である調光率を今回の代表調光制御エリアに対して微調整した調光出力値を今回補正値としてリライトする。
そして、このリライトした補正調光率を全調光制御エリアに対して出力して全ての照明器具を調光制御するものである。
なお、今回補正値を調光出力記憶部に保存することなく、各調光制御エリアの調光回路に直接出力することも可能である。
次いで、補正許可カウンタをリセットする(ステップ13)。
【0058】
さらに、現在照度が設定照度より低いか否かに応じて、代表調光制御エリアのみ調光出力値を増減して調光制御をした上で(ステップ18.19)、ステップ2の無限ループを実行しつつ次の周期まで待機する。
次の周期が到来したら上記の処理を繰り返し実行する。
【0059】
なお、本実施例においては、ステップ9において調光率をリライトするにあたっては、前回補正した調光率と今回の代表調光制御エリアでの調光率を加重平均処理している。
加重平均処理の例としては、前回補正した調光率に重み付けするために、これを3倍して今回の代表調光制御エリアでの調光率を加算して4等分することとしている。
この加重平均処理により、全調光制御エリアの照明器具に対する過去の調光出力値を尊重するとともに調光出力の急激な変化を防止している。
【0060】
このようにして、本発明の代表照度調光制御システムは、現在照度が設定照度との適正乖離幅内にないとき正常でないと判断して、上記したように適切に処理するとともに、現在照度が適正乖離幅内にあるとき照度の過不足に応じて調光率を漸増減させるようにしたから、各点灯エリアに人検知センサを設けることなく、また、通信用配線をすることなく、全調光制御エリアの照明器具の照度を統一して設定された照度に調光制御するものである。
特に、照明器具が交換されたことを自動的に判断する機能は、従来技術に見られない特筆すべきことである。
【実施例2】
【0061】
本実施例は、代表調光制御エリアを少なくとも2つ選択し、選択した各エリアに代表照度センサを設置するものであり、請求項2乃至請求項4に係る発明に対応するものである。
本実施例の代表照度調光制御システムの補正調光出力値、すなわち、調光出力を補正する補正値を求めるためのフローチャートを図5に、その複数の代表調光制御エリアについての夫々の補正値を統合するためのフローチャートを図6に示す。
【0062】
以下、図5乃至図6に基づいて詳細に説明する。
図5に示されるフローチャートは、代表調光制御エリアの現在照度と設定照度に基づいて調光出力を補正する補正値を求める点において基本的に図4に示されたものと同じである。
ただ、図5に示されたものが複数の代表調光制御エリアについて複数の補正値を処理する必要がある点において、図4に示されたものと異なっている。
その異なる処理手順は、左側の分岐ではステップ22とステップ23、右側の分岐ではステップ9とステップ11の各処理である。
具体的には、補正値を各代表調光制御エリア毎に保存する処理(ステップ22.9)と、特定の代表調光制御エリアが補正値を有していることを報知するための処理(ステップ23.11)である。
このためこの処理フローでは、特定の代表調光制御エリアn(n=1.2.3・・・)について調光率の補正があるか否かを示す補正処理フラグn(n=1.2.3・・・)を立てる(ステップ23.11)処理をすることとし、実施例1のように直ちに全調光制御エリアの照明器具に出力することはない。
【0063】
上記したように、本実施例は複数の代表照度センサを備えている。
このため図5に示された処理フローは、各代表照度センサについて互いに独立して実行される。
実際には、この処理フローを代表照度センサ毎に、並行処理方式、逐次処理方式、あるいはタイムシェア方式等の適宜の方式で実行される。
その結果、調光率の補正値は代表照度センサ毎に複数取得される関係から、この複数の補正値を別途統合して1つの補正値とし、この統合した補正値に基づいて全調光制御エリアの照明器具を統一して調光制御する必要があるが、この処理プロセスについては後述する。
【0064】
図5のフローチャートを実行することにより、複数の代表調光制御エリアの調光率について補正処理したか否かの情報が、補正処理フラグのON・OFF信号として得られている。
そこで、図6の複数補正値統合処理フローについて説明する。
【0065】
所定周期が到来したとき(ステップ24)、n=0とするとともに制御CPUの仮補正値記憶部に適宜の数値を保存して仮補正値を初期化する(ステップ25)。
次いで、nの値を1歩進して(ステップ26)、代表調光制御エリアn=1
の補正処理フラグがONか否か判断し(ステップ27)、NOであればステップ33にジャンプしてnの値がMAXでないとき(ステップ33NO)、ステップ26において再度nを1歩進して複数の代表調光制御エリアのうち次のエリアの補正処理フラグがONか否か判断する。
補正処理フラグがONであるときの処理内容については後述する。
以上の処理をnの値がMAXになるまで繰り返し実行して処理を終了するものである。
【0066】
当該エリアの補正処理フラグがONである、すなわち、図5のフローチャートにおいて当該エリアの調光率を補正した履歴があるときは、現時点において高補正値優先法と加重平均法のいずれを平均化処理方法として選択しているか判断する(ステップ28)。
【0067】
高補正値優先法を選択しているときは、当該エリアの補正値とステップ25において初期化された仮補正値を比較して、いずれか大きい値を仮補正値として仮補正値記憶部にリライトして、当該エリアの補正処理フラグをOFFにする。
以上の処理をnの値がMAXになるまで繰返す結果、複数の代表調光制御エリアのうち最大の補正値が仮補正値として保存される(ステップ29)こととなる。
そして、高補正値優先法はこの最大の補正値を全調光制御エリアの照明器具の調光率として出力するものである(ステップ34)。
これにより、最も調光出力の弱い代表調光制御エリアの調光率に歩調を合わせて全調光制御エリアの照明器具を調光制御して、調光不足のエリアを皆無としている。
【0068】
一方、加重平均法を選択しているときは、記憶部に保存されている補正値と現在処理対象としている代表調光制御エリアの補正値の加重平均値を記憶部にリライトする(ステップ30)。
そしてこの加重平均値を全調光制御エリアの照明器具の調光率として出力して(ステップ31)、当該エリアの補正処理フラグをOFFにする(ステップ32)。
この加重平均法によれば、ある代表調光制御エリアの調光率が補正されている場合は、上記した高補正値優先法のように、全ての代表調光制御エリアの補正履歴について判断するのを待つまでもなく、当該補正値は加重平均された補正値として直ちに反映され、即座に全調光制御エリアの照明器具に出力されて調光制御されるものである。
そして、次に特定の代表調光制御エリアの調光率が補正されていれば、同様の調光制御を繰り返すものである。
この点において、上述の高補正値優先法が全ての代表調光制御エリアについて修正があるか否かを判断した後に、補正値を全調光制御エリアの照明器具の調光率として出力するものと異なるものである。
【0069】
実施例1によれば多数の調光制御エリアのうちから唯一つ、実施例2によれば数個の選択された代表調光制御エリアの現在照度が、設定照度との所定乖離幅の外にあるとき、照明器具が交換されて過剰照明状態にあると判断し、あるいは、代表調光制御エリア内のいずれかの点灯エリアの器具が消灯状態にあると判断し、前者であれば器具の調光下限値を限度として調光率を下げ、後者であれば調光制御を実行しないこととして、照度センサの設置数を削減し人検知センサや通信用配線を省略しながら、究極の省エネルギーを実現している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の照明器具を備えた1つの全体照明エリアが複数の調光制御エリアに区分され、この複数の調光制御エリアから少なくとも1つの代表調光制御エリアが選択され、
この選択された代表調光制御エリアにのみ、前記照明器具による被照射面の照度を該被照射面からの反射光により計測する1つの代表照度センサが配置され、
前記全体照明エリアの全ての照明器具を調光制御するコントロールユニットが、
前記代表照度センサの現在照度と設定照度とを比較して、前記現在照度が前記設定照度より低いとき前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を増補正し、前記現在照度が前記設定照度より高いとき前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を減補正し、補正された代表調光制御エリアに対する調光出力値を、全体照明エリアの全ての照明器具に対し出力して、当該照明器具の照度を統一して前記設定照度に調光制御する代表照度調光制御システムであって、
前記コントロールユニットは、
前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を補正した回数をカウントする補正許可カウンタを備え、
前記現在照度と前記設定照度との乖離幅が所定範囲内にあると判断したとき、前記補正許可カウンタをカウントアップするとともに、前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を増減補正し、
前記補正許可カウンタが所定の調光出力値補正回数をカウントしたとき、その時点における前記代表調光制御エリアに対する調光出力値、又は、該調光出力値と前記全体照明エリアに対する現行の調光出力値とを統合した統合調光出力値、を前記全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力する代表照度調光制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載された代表照度調光制御システムであって、
前記代表調光制御エリアが複数選択され、
この選択された代表調光制御エリア毎に、前記代表照度センサと前記補正許可カウンタを備え、
前記補正許可カウンタが、夫々の代表調光制御エリアについて所定の調光出力値補正回数をカウントしたとき、その時点における補正調光出力値を対応する代表調光制御エリア別記憶部に保存するとともに、補正調光出力値を保存した旨を示すフラグをオンする処理を終了した後に、
夫々の代表調光制御エリアについて順次前記フラグがオンか否か判断し、前記フラグがオンであるとき、対応する代表調光制御エリア別記憶部に保存されている調光出力値と全体照明エリアに対する現行の調光出力値とを統合した統合調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し出力することを特徴とする代表照度調光制御システム。
【請求項3】
前記コントロールユニットは、
任意の代表調光制御エリアについてのフラグがオンであるとき、全体照明エリアに対する現行の調光出力値と対応する代表調光制御エリア別記憶部に保存されている前記補正調光出力値とを加重平均処理した平均調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力することを特徴とする請求項2に記載された代表照度調光制御システム。
【請求項4】
前記コントロールユニットは、
仮補正値を初期化した後、任意の代表調光制御エリアについてのフラグがオンであるとき、前記仮補正値とフラグがオンである代表調光制御エリアの各補正調光出力値のうち最大の調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力することを特徴とする請求項2に記載された代表照度調光制御システム。
【請求項5】
多数の照明器具を備えた1つの全体照明エリアが複数の調光制御エリアに区分され、この複数の調光制御エリアから少なくとも1つの代表調光制御エリアが選択され、
この選択された代表調光制御エリアにのみ、前記照明器具による被照射面の照度を該被照射面からの反射光により計測する1つの代表照度センサが配置され、
前記全体照明エリアの全ての照明器具を調光制御するコントロールユニットが、
前記代表照度センサの現在照度と設定照度とを比較して、前記現在照度が前記設定照度より低いとき前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を増補正し、前記現在照度が前記設定照度より高いとき前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を減補正し、補正された代表調光制御エリアに対する調光出力値を、全体照明エリアの全ての照明器具に対し出力して、当該照明器具の照度を統一して前記設定照度に調光制御する代表照度調光制御システムであって、
前記コントロールユニットは、
前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高いとき、照明器具が交換されて過剰照明状態にあると判断し、当該照明器具の調光下限値を限度として減補正した前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力し、
前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より低いとき、代表調光制御エリア内のいずれかの点灯エリアの照明器具が消灯状態にあると判断し、調光制御を実行しない代表照度調光制御システム。
【請求項6】
前記コントロールユニットは、
前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高いとの判断回数をカウントする減光許可カウンタを備え、
該減光許可カウンタが所定回数をカウントしたとき、照明器具が交換されて過剰照明状態にあると判断し、当該照明器具の調光下限値を限度として調光出力値を減補正することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された代表照度調光制御システム。
【請求項7】
前記コントロールユニットは、
前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高く、かつ、現在の調光出力値が当該照明器具の調光出力下限値に該当することをカウントする調光出力下限値カウンタを備え、
該調光出力下限値カウンタが所定回数をカウントしたとき、その時点における前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された代表照度調光制御システム。
【請求項1】
多数の照明器具を備えた1つの全体照明エリアが複数の調光制御エリアに区分され、この複数の調光制御エリアから少なくとも1つの代表調光制御エリアが選択され、
この選択された代表調光制御エリアにのみ、前記照明器具による被照射面の照度を該被照射面からの反射光により計測する1つの代表照度センサが配置され、
前記全体照明エリアの全ての照明器具を調光制御するコントロールユニットが、
前記代表照度センサの現在照度と設定照度とを比較して、前記現在照度が前記設定照度より低いとき前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を増補正し、前記現在照度が前記設定照度より高いとき前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を減補正し、補正された代表調光制御エリアに対する調光出力値を、全体照明エリアの全ての照明器具に対し出力して、当該照明器具の照度を統一して前記設定照度に調光制御する代表照度調光制御システムであって、
前記コントロールユニットは、
前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を補正した回数をカウントする補正許可カウンタを備え、
前記現在照度と前記設定照度との乖離幅が所定範囲内にあると判断したとき、前記補正許可カウンタをカウントアップするとともに、前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を増減補正し、
前記補正許可カウンタが所定の調光出力値補正回数をカウントしたとき、その時点における前記代表調光制御エリアに対する調光出力値、又は、該調光出力値と前記全体照明エリアに対する現行の調光出力値とを統合した統合調光出力値、を前記全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力する代表照度調光制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載された代表照度調光制御システムであって、
前記代表調光制御エリアが複数選択され、
この選択された代表調光制御エリア毎に、前記代表照度センサと前記補正許可カウンタを備え、
前記補正許可カウンタが、夫々の代表調光制御エリアについて所定の調光出力値補正回数をカウントしたとき、その時点における補正調光出力値を対応する代表調光制御エリア別記憶部に保存するとともに、補正調光出力値を保存した旨を示すフラグをオンする処理を終了した後に、
夫々の代表調光制御エリアについて順次前記フラグがオンか否か判断し、前記フラグがオンであるとき、対応する代表調光制御エリア別記憶部に保存されている調光出力値と全体照明エリアに対する現行の調光出力値とを統合した統合調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し出力することを特徴とする代表照度調光制御システム。
【請求項3】
前記コントロールユニットは、
任意の代表調光制御エリアについてのフラグがオンであるとき、全体照明エリアに対する現行の調光出力値と対応する代表調光制御エリア別記憶部に保存されている前記補正調光出力値とを加重平均処理した平均調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力することを特徴とする請求項2に記載された代表照度調光制御システム。
【請求項4】
前記コントロールユニットは、
仮補正値を初期化した後、任意の代表調光制御エリアについてのフラグがオンであるとき、前記仮補正値とフラグがオンである代表調光制御エリアの各補正調光出力値のうち最大の調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力することを特徴とする請求項2に記載された代表照度調光制御システム。
【請求項5】
多数の照明器具を備えた1つの全体照明エリアが複数の調光制御エリアに区分され、この複数の調光制御エリアから少なくとも1つの代表調光制御エリアが選択され、
この選択された代表調光制御エリアにのみ、前記照明器具による被照射面の照度を該被照射面からの反射光により計測する1つの代表照度センサが配置され、
前記全体照明エリアの全ての照明器具を調光制御するコントロールユニットが、
前記代表照度センサの現在照度と設定照度とを比較して、前記現在照度が前記設定照度より低いとき前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を増補正し、前記現在照度が前記設定照度より高いとき前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を減補正し、補正された代表調光制御エリアに対する調光出力値を、全体照明エリアの全ての照明器具に対し出力して、当該照明器具の照度を統一して前記設定照度に調光制御する代表照度調光制御システムであって、
前記コントロールユニットは、
前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高いとき、照明器具が交換されて過剰照明状態にあると判断し、当該照明器具の調光下限値を限度として減補正した前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力し、
前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より低いとき、代表調光制御エリア内のいずれかの点灯エリアの照明器具が消灯状態にあると判断し、調光制御を実行しない代表照度調光制御システム。
【請求項6】
前記コントロールユニットは、
前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高いとの判断回数をカウントする減光許可カウンタを備え、
該減光許可カウンタが所定回数をカウントしたとき、照明器具が交換されて過剰照明状態にあると判断し、当該照明器具の調光下限値を限度として調光出力値を減補正することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された代表照度調光制御システム。
【請求項7】
前記コントロールユニットは、
前記現在照度が、前記設定照度との所定乖離幅を越え、かつ、前記設定照度より高く、かつ、現在の調光出力値が当該照明器具の調光出力下限値に該当することをカウントする調光出力下限値カウンタを備え、
該調光出力下限値カウンタが所定回数をカウントしたとき、その時点における前記代表調光制御エリアに対する調光出力値を全体照明エリアの全ての照明器具に対し調光出力することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された代表照度調光制御システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−49025(P2012−49025A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190927(P2010−190927)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【出願人】(000220907)東光電気株式会社 (73)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【出願人】(000220907)東光電気株式会社 (73)
【Fターム(参考)】
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