説明

仮撚加工機

【課題】仮撚装置で加撚された糸の解撚ポイントを安定させて毛羽の発生を防止することが可能な仮撚加工機を提供すること。
【解決手段】仮撚加工機100は、糸に仮撚を施す仮撚装置104と、この仮撚装置104の下流側に設けられた第2フィードローラ111と、仮撚装置104と第2フィードローラ111との間において糸の走行に伴って従動回転するとともに、糸の撚りの下流側への伝播を抑止する撚り止めガイド107とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィラメント糸に仮撚加工を施す仮撚加工機に関する。
【背景技術】
【0002】
仮撚加工機は、給糸パッケージから引き出された糸を1次ヒータにより加熱した後に、仮撚装置により撚りを付与し、さらに、仮撚装置から送り出された糸を解撚して、かさ高の糸を製造するものである。ところで、仮撚装置から送り出された糸に毛羽が発生する場合があり、従来から、このような毛羽の発生を抑制するための種々の提案がなされている。
【0003】
毛羽の発生要因の1つとして、仮撚装置から送り出された糸に残留する撚りが挙げられ、仮撚装置で加撚された糸が十分に解撚されないままで下流へ送られる場合には毛羽の発生が多くなることがわかっている。そこで、特許文献1に記載の仮撚加工機には、仮撚装置から送り出される糸を強制的に解撚するためのガイドローラが設けられている。このガイドローラは、仮撚装置の下流側において、糸の走行に伴って従動回転するものである。また、ガイドローラは糸道に対して傾いた傾斜面を有し、この傾斜面に沿って糸が移動する際に、糸に残留する撚りと逆の撚りが付与されて、糸が強制的に解撚されるようになっている。
【0004】
【特許文献1】特公平2−24932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、毛羽の発生は糸に残留する撚りの量にのみ起因するのではなく、糸が開繊し始める位置(以下、解撚ポイントという)がばらつくことによっても生じる。即ち、仮撚装置により加撚された糸は、通常、仮撚装置と、その下流側に設けられた次の把持点であるフィードローラとの間の区間において解撚される。しかし、仮撚装置とフィードローラとの間には、各種のガイドや張力センサなど、糸道上の抵抗となる部材が配置されていることから、これらの抵抗の要因により解撚ポイントが不安定になる。そして、この解撚ポイントが不安定だと、フィラメントの長さや解撚張力にばらつきが発生して、フィラメント切れが生じやすくなるため、毛羽の発生が増加することになる。
【0006】
本発明の目的は、仮撚装置で加撚された糸の解撚ポイントを安定させることにより毛羽の発生を防止することが可能な、仮撚加工機を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
第1の発明の仮撚加工機は、糸に仮撚を施す仮撚装置と、この仮撚装置の下流側に設けられた糸送り装置と、前記仮撚装置と前記糸送り装置との間において糸の走行に伴って従動回転するとともに、前記糸の撚りの下流側への伝播を抑止する撚り止め部材とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
仮撚装置により加撚された糸は、仮撚装置とその下流側に設けられた糸送り装置との間の区間において解撚されるが、この区間に撚り止め部材が設けられているため、糸の撚りは撚り止め部材よりも下流側に伝播しない。そのため、仮撚装置により加撚された糸の解撚ポイントが撚り止め部材の位置において安定することから、フィラメントの長さや解撚張力にばらつきが生じることがなく、毛羽の発生が抑制される。また、撚り止め部材は糸の走行に伴って従動回転するため、この撚り止め部材において糸がしごかれて、糸の強度あるいは伸度が低下するなどの不具合は生じない。
【0009】
第2の発明の仮撚加工機は、前記第1の発明において、前記仮撚装置と前記撚り止め部材の間において前記糸に接触する抵抗体がなく、前記仮撚装置から送り出された糸は、直接前記撚り止め部材に巻掛けられることを特徴とするものである。この構成によれば、仮撚装置と撚り止め部材の間に糸に接触する抵抗体がないため、仮撚装置で加撚された糸の解撚ポイントがさらに安定する。
【0010】
第3の発明の仮撚加工機は、前記第1又は第2の発明において、前記撚り止め部材の下流側に、前記糸の走行に伴って従動回転するガイドローラを備え、前記ガイドローラは、前記糸の前記撚り止め部材への巻掛け角度を所定角度以上に確保するように配置されていることを特徴とするものである。この構成によれば、糸のガイドローラへの巻掛け角度が所定の角度以上に確保されるため、下流側への糸の撚りの伝播が、撚り止め部材により確実に抑止される。
【0011】
第4の発明の仮撚加工機は、前記第1〜第3の何れかの発明において、前記糸の前記撚り止め部材への巻掛け角度が45度以上であることを特徴とするものである。この構成によれば、下流側への糸の撚りの伝播が、撚り止め部材により確実に抑止される。
【0012】
第5の発明の仮撚加工機は、前記第4の発明において、前記巻掛け角度が60度以上であることを特徴とするものである。この構成によれば、下流側への糸の撚りの伝搬が撚り止め部材により更に確実に抑止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の延伸仮撚加工機100の概略構成図である。図1に示すように、延伸仮撚加工機100は、給糸パッケージ101を保持する給糸部1Aと、この給糸部1Aの給糸パッケージ101から解舒される糸Yに延伸仮撚加工を施す加工処理部1Bと、加工処理された糸Yを巻き取って適宜のパッケージを形成する巻取部1Cと、を備えている。
【0014】
尚、延伸仮撚加工機100は、前述の給糸部1Aと加工処理部1Bと巻取部1Cとを有する加工処理ユニット(錘)を複数備えている。これらの複数の錘は、図1の紙面に対して垂直な方向に並べて設けられている。また、給糸部1A及び巻取部1Cは、設置スペースを小さくするために2〜4錘分を上下に重ねて配置されている。
【0015】
各錘の給糸部1Aには、給糸パッケージ101を保持するペグ201が設けられ、各ペグ201は複数錘で共通のクリールスタンド202に取り付けられている。
【0016】
各錘の加工処理部1Bは、糸Yの流れに沿って順に配置された、第1フィードローラ110、1次ヒータ102、冷却器103、仮撚装置104、第2フィードローラ111(糸送り装置)、インターレースノズル105、2次ヒータ106、第3フィードローラ112などを備えている。
【0017】
第1〜第3フィードローラ110〜112は糸Yを送るためのものである。そして、第2フィードローラ111の糸送り速度は第1フィードローラ110のそれよりも速くなるように、第3フィードローラ112の糸送り速度は第2フィードローラ111のそれよりも遅くなるように、それぞれの糸送り速度が設定されている。そのため、第1フィードローラ110と第2フィードローラ111との間で糸Yは延伸される一方で、第2フィードローラ111と第3フィードローラ112との間では糸Yは弛緩される。
【0018】
第1フィードローラ110と第2フィードローラ111との間で延伸された糸Yには、後述するニップ式仮撚装置(ニップツイスター)104により撚りが付与される。より具体的には、第1フィードローラ110と仮撚装置104との間で糸Yが加撚される。延伸されつつ撚りが付与された糸Yは、1次ヒータ102で熱セットされた後、冷却器103(冷却プレート)で冷却される。加撚及び熱セットされた糸Yは、仮撚装置104を通過した後で解撚される。このようにして延伸仮撚加工が施された糸Yは、インターレースノズル105からの空気噴射により部分的に交絡部が形成されて、加撚糸と同程度の集束性が付与される。インターレースノズル105により集束性が付与された糸Yは、2次ヒータ106で弛緩熱処理され、巻取部1Cで巻き取られてパッケージを形成する。
【0019】
尚、仮撚装置104の下流側には、撚りが下流に伝播するのを抑止する撚り止めガイド107と、糸Yの撚り止めガイド107への巻き付け角度を所定角度以上にするためのガイドローラ108が設けられている。撚り止めガイド107及びガイドローラ108については、後ほど詳しく説明する。
【0020】
次に、仮撚装置104(ニップ式仮撚装置)について詳細に説明する。図2は仮撚装置104の斜視図である。図2に示すように、仮撚装置104は、それぞれが、1対のプーリ10,11とこれら1対のプーリ10,11に巻掛けられた無端状のベルト12とを有する、2組のベルトユニット20(20A,20B)を備えている。
【0021】
各ベルトユニット20の1対のプーリ10,11は互いに同じ構造を有するが、一方のプーリ10は、駆動軸13を介して図示しないモータにより回転駆動される駆動プーリであり、他方のプーリ11は、ベルト12を介して図示しない従動軸回りに従動回転する従動プーリである。
【0022】
図2に示すように、2組のベルトユニット20A,20Bは、それぞれのベルト12が互いに交差するように配置されている。また、これら2組のベルトユニット20A,20Bのうち、一方のベルトユニット20Aは、図示しない支持体に固定されており、他方のベルトユニット20Bは、駆動軸13を支点として、支持体に揺動自在に支持されている。さらに、揺動側のベルトユニット20Bのベルト12は、固定側のベルトユニット20Aのベルト12に向けてエア圧により付勢されて、両ベルト12間を通る糸Yに対して所定の接圧が付与され、両ベルト12の交差部分において糸Yがニップされる。そして、2組のベルトユニット20A,20Bにおいて、ベルト12が駆動プーリ10によりそれぞれ駆動されたときには、ベルト12の交差部分によりニップされた糸Yに、撚りが付与されるとともに、糸Yは下流側(図2の下方)へ送られる(特開平6−228836号公報、特開昭64−68531号公報参照)。
【0023】
ところで、図3に示すように、仮撚装置104の上流側における糸の張力を加撚張力T1、仮撚装置104の下流側における糸の張力を解撚張力T2としたときに、これらの比T2/T1を一般的にK値と呼び、このK値は、糸の物性や品位を決定する重要な要素である。K値が大きいほど、解撚張力が大きくフィラメント切れが生じやすくなるため、毛羽の発生は多くなる。そのため、毛羽の発生を抑えるためには、K値を低くすることが効果的であるが、K値を低くすると、図4に示すように、仮撚装置104で加撚された糸が下流側で十分に解撚されず、未解撚が発生して糸の捲縮性の低下、あるいは、糸の残留トルクの上昇などの不具合が生じ、糸の品質が低下する。そこで、K値を下げることなく、毛羽の発生を抑制することが好ましい。
【0024】
ここで、図1に示すように、仮撚装置104により加撚された糸は、仮撚装置104と、糸を把持して送りを付与する第2フィードローラ111との間の区間において解撚される。そして、図3に示すように、糸Yが開繊し始める位置(解撚ポイント)は、K値(T2/T1)によって変動する。即ち、K値が高くなるに従い解撚ポイントは仮撚装置104に近づき、一方、K値が低くなるに従い解撚ポイントは仮撚装置104から遠ざかる。また、実際には、仮撚装置104と第2フィードローラ111との間には、各種のガイドや張力センサなど、糸道上の抵抗となる部材が配置されており、これらの抵抗の要因により解撚ポイントが不安定になりやすい。そして、この解撚ポイントが不安定な状態では、フィラメントの長さや解撚張力にばらつきが生じやすくなるため、毛羽が増加する。
【0025】
そこで、本実施形態の仮撚加工機100においては、図4に示すように、仮撚装置104の下流側において糸Yの走行に伴って従動回転するとともに、仮撚装置104から送り出された糸Yの撚りが下流側へ伝播するのを抑止する、撚り止めガイド107(撚り止め部材)が配置されている。ここで、仮撚装置104と撚り止めガイド107の間には、ガイド等の糸に接触する抵抗体はなく、仮撚装置104で加撚された糸Yは、直接撚り止めガイド107に巻掛けられる。
【0026】
図5、図6に示すように、撚り止めガイド107は、相対向状態で回転軸31にベアリング32を介して枢支された2枚の回転盤33を備えている。各回転盤30の一方の面側(他方の回転盤30と対向する面側)における外周部の、周方向等間隔位置には、多数の翼片33が放射状に設けられている。各翼片33の縁部は、その先端から基端に向けて緩やかに傾斜した形状を有し、さらに、各翼片33の基端部には、他方の回転盤30に向けて突出する突部34が形成されている。
【0027】
2枚の回転盤30は、それらの翼片33が相対向した状態で、複数のボルト35で連結されている。この状態では、図7に示すように、2枚の回転盤30の翼片33は、回転盤30の周方向に関して交互に配置されている。そして、糸Yが2枚の回転盤30の間に巻掛けられている状態では、この糸Yは、2枚の回転盤30の複数の翼片33の縁36に沿って、側面視でジグザグ状に移動する。このとき、糸Yが多数の翼片33と接触することによって、その撚りの伝播が抑止され、撚り止めガイド107を通過した後の糸Yは無撚状態となる。
【0028】
このように、撚り止めガイド107により、仮撚装置104により付与された糸Yの撚りが下流側へ伝播するのが抑止される。すると、仮撚装置104の下流側において、糸Yの解撚ポイントが撚り止めガイド107の位置で固定されて安定するため、毛羽の発生が抑制される。
【0029】
尚、糸Yの撚りの伝播をより確実に抑止するためには、図4に示すように、糸の撚り止めガイド107への巻掛け角度θがある程度の大きさであることが必要である。そこで、本実施形態では、仮撚装置104の下流側に、糸Yの走行に伴って従動回転するガイドローラ108が設けられており、このガイドローラ108により、仮撚装置104の下流側における糸道が変化されて、糸Yの撚り止めガイド107への巻掛け角度θが所定角度(例えば、45度)以上に確保されている。但し、仮撚装置104の下流側における各種ガイドや第2フィードローラ111等の配置を工夫することにより、撚り止めガイド107への巻掛け角度を所定角度以上とすることができる場合は、ガイドローラ108は不要としてもよい。
【0030】
また、撚り止めガイド107は、図5〜図7に示すような構造を有するものに限らず、従動回転可能で、且つ、糸Yの撚りの伝播を抑止できるものであれば、これ以外の構造を有するものであってもよい。また、撚り止めガイド107は、例えば、スチール製、セラミック製のものなどを使用できるが、これらの材質のものに限定されるものではない。
【0031】
尚、以上の説明においては、仮撚装置104として、ニップ式のものが一例として挙げられていたが、仮撚装置が以下のようなフリクションツイスター式のものであってもよい。
【0032】
フリクションツイスター式の仮撚装置304について簡単に説明する。図8に示すように、この仮撚装置304は、それぞれが円盤状の複数のフリクションディスク301を有する3軸のスピンドル300を備えている。そして、3軸のスピンドル300は、フリクションディスク301の周面の糸と接触する位置が螺旋状(ジグザグ状)に位置するように配置されており、3軸のスピンドル300とともに回転する多数のフリクションディスク301の間において糸Yがそれらの周面と接触しながら螺旋状に走行する間に、糸Yに撚りが付与されるようになっている。
【0033】
そして、このようなフリクションツイスター式の仮撚装置304で糸が加撚される場合においても、仮撚装置304で加撚された糸の解撚ポイントがばらついたときには毛羽の発生量が多くなる。そのため、仮撚装置304の下流側に前述の撚り止めガイド107を設けることによって、毛羽の発生を抑制することが可能となる。
【0034】
以上説明した仮撚加工機100によれば、仮撚装置104とその下流側に設けられた第2フィードローラ111との間の区間において解撚されるが、この区間に撚り止めガイド107が設けられているため、糸Yの撚りは撚り止めガイド107よりも下流側に伝播しない。つまり、糸Yの解撚ポイントが撚り止めガイド107の位置において安定するため、フィラメントの長さや解撚張力にばらつきが生じることがなく、毛羽の発生が抑制される。さらに、撚り止めガイド107は糸Yの走行に伴って従動回転するため、この撚り止めガイド107を通過する際に糸Yがしごかれて、糸Yの強度あるいは伸度が低下するなどの不具合は生じない。
【0035】
また、仮撚装置104と撚り止めガイド107の間には、ローラなどの糸に接触する抵抗体はなく、仮撚装置104により加撚された糸Yは、直接撚り止めガイド107に巻掛けられる。そのため、糸Yの解撚ポイントがさらに安定することになる。
【0036】
尚、細い糸やフィラメント数の多い糸に仮撚加工を施す場合、あるいは、K値の高い領域で仮撚加工を施す場合など、毛羽が発生しやすい状況下において、本発明を適用した場合にはその効果は特に高くなる。また、インターレースノズル105(図1参照)から空気を噴射して糸に集束性を付与する場合も毛羽が発生しやすいことから、本発明は、このような場合にも適している。
【実施例】
【0037】
次に、本発明のより具体的な実施例を比較例とともに説明する。
以下の実施例1,2及び比較例1においては、83dtex、フィラメント数が72本の、ポリエステルのマルチフィラメント糸を用いた。また、仮撚装置としては、ニップ式のものを採用した。さらに、撚り止めガイド等の有無に関する条件を表1に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
表1に示すように、実施例1では、撚り止めガイドとガイドローラ(図4参照)の両方が設けられており、撚り止めガイドへの巻掛け角度θは90度である。また、実施例2では、撚り止めガイドのみが設けられており、撚り止めガイドへの巻掛け角度θは45度程度である。一方、比較例1では撚り止めガイドが設けられていない。これらの実施例1,2及び比較例1に関して、K値に対する毛羽数の関係をグラフにしたものを図9に示す。
【0040】
図9に示すように、撚り止めガイドが設けられている実施例1及び実施例2では、撚り止めガイドのない比較例1に比べて、特にK値が高い範囲において毛羽数が大幅に減少しており、撚り止めガイドにより撚りの伝播を抑止することで、毛羽の発生を抑制できることがわかる。さらに、撚り止めガイドへの巻掛け角度が大きい実施例1では、撚りの伝播の防止効果が高いために、毛羽の発生をさらに抑制できることがわかる。なお、実験により、巻掛け角度θを60度としても、実施例1と同等の効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態に係る延伸仮撚加工機の概略構成図である。
【図2】仮撚装置の斜視図である。
【図3】K値(T2/T1)と解撚ポイントとの関係を説明する図である。
【図4】仮撚装置、撚り止めガイド、及び、ガイドローラの配置図である。
【図5】撚り止めガイドの回転盤の正面図である。
【図6】撚り止めガイドの断面図である。
【図7】撚り止めガイドに巻掛けられた糸の状態を示す図である。
【図8】フリクションツイスター式の仮撚装置の正面図である。
【図9】撚り止めガイドが設けられた実施例1,2と、設けられていない比較例1における、K値に対する毛羽数の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0042】
100 延伸仮撚加工機
104 仮撚装置
107 撚り止めガイド
108 ガイドローラ
111 第2フィードローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸に仮撚を施す仮撚装置と、
この仮撚装置の下流側に設けられた糸送り装置と、
前記仮撚装置と前記糸送り装置との間において糸の走行に伴って従動回転するとともに、前記糸の撚りの下流側への伝播を抑止する撚り止め部材と、
を備えたことを特徴とする仮撚加工機。
【請求項2】
前記仮撚装置と前記撚り止め部材の間において前記糸に接触する抵抗体がなく、前記仮撚装置から送り出された糸は、直接前記撚り止め部材に巻掛けられることを特徴とする請求項1に記載の仮撚加工機。
【請求項3】
前記撚り止め部材の下流側に、前記糸の走行に伴って従動回転するガイドローラを備え、
前記ガイドローラは、前記糸の前記撚り止め部材への巻掛け角度を所定角度以上に確保するように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の仮撚加工機。
【請求項4】
前記糸の前記撚り止め部材への巻掛け角度が45度以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の仮撚加工機。
【請求項5】
前記巻掛け角度が60度以上であることを特徴とする請求項4に記載の仮撚加工機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−277751(P2007−277751A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−104660(P2006−104660)
【出願日】平成18年4月5日(2006.4.5)
【出願人】(502455511)TMTマシナリー株式会社 (91)
【Fターム(参考)】